JP4814414B2 - 抗真菌液剤組成物 - Google Patents
抗真菌液剤組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4814414B2 JP4814414B2 JP2000156262A JP2000156262A JP4814414B2 JP 4814414 B2 JP4814414 B2 JP 4814414B2 JP 2000156262 A JP2000156262 A JP 2000156262A JP 2000156262 A JP2000156262 A JP 2000156262A JP 4814414 B2 JP4814414 B2 JP 4814414B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antifungal
- amorolfine
- liquid composition
- composition according
- skin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アモロルフィンまたはその塩を配合した抗真菌液剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚外用剤は、直接作用部位に薬剤を作用させることができる優れた剤型であり、広く使われている。
【0003】
しかし、皮膚外用剤の欠点として、薬物の吸収性が不十分になることがあげられる。これは、生体防御の点から、皮膚には薬物の透過を妨げる性質があることに起因する。その様な欠点を改善するため、従来多数の経皮吸収促進剤が報告されている。
【0004】
ここで、皮膚外用剤のなかでも水虫などの治療に用いる抗真菌剤は、その使用する患部の状態によりクリーム剤、液剤などを使い分ける必要があるため、同一の主薬成分で種々の剤型が販売されるのが一般的である。
【0005】
アモロルフィン(国際一般名:amorolfine)またはその塩は既知化合物であり、例えば日本特許出願公告昭60−26105号、同昭62−36516号、同平2−48553号、日本特許登録第2579694号等に開示されている。アモロルフィンの優れた抗真菌作用も知られているところであり、日本においてはクリームの剤型にて、また海外においてはクリーム及びマニュキアの剤型にて医薬品として医療の場にすでに供されている。しかし、液剤は実用化されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、優れた抗真菌薬であることから医薬品クリームとして使用されているアモロルフィンを液剤として提供することを試みた。しかし、水虫の患部などの損傷皮膚にアモロルフィン配合液剤を塗布すると、アモロルフィンは速やかに吸収されてしまい患部でのアモロルフィンの滞留性が不十分であることを見出した。
【0007】
一般的に薬剤の持効化を図るには被膜形成剤などの高分子成分を配合することが行われる。しかし、液剤などに通常使用されるアルコール類(エタノール、イソプロパノールなど)を配合した場合にはアモロルフィンの吸収がさらに促進されてしまうことから、滞留性はさらに低下してしまう一方、アルコール類を配合しないと塗布部分において製剤がはじかれてしまい付着性が悪くなってしまうこともわかった。
【0008】
本発明の目的は損傷皮膚に塗布してもアモロルフィンを患部に滞留させることができ、かつ、十分な付着性を持ったアモロルフィン配合液剤組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々検討した結果、アモロルフィン配合液剤にカルボキシビニルポリマーおよびポリビニルピロリドンを配合すると、患部におけるアモロルフィンの滞留性が向上することを見出し本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、(A)アモロルフィンまたはその塩、(B)カルボキシビニルポリマー、および(C)ポリビニルピロリドンを含んでなる抗真菌液剤組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明でアモロルフィンは、塩を使用することもできる。ここで、塩とは製薬学的に使用可能な塩であれば限定されないが、特に好ましいものとして塩酸塩をあげることができる。
【0012】
アモロルフィンまたはその塩の配合量は製剤全体の0.2〜2質量%が好ましい。0.2質量%未満であると薬効が不十分になり、2質量%を越えて配合してもそれ以上の薬効は期待できないからである。
【0013】
本発明で用いるポリビニルピロリドンは粘稠剤などとして一般的に医薬品に使用されているものを用いることができ、配合量はアモロルフィン1質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。
【0014】
本発明で用いるカルボキシビニルポリマーとは基剤成分などとして一般的に医薬品に用いられているものを用いることができ、配合量はアモロルフィン1質量部に対して0.01〜2質量部が好ましい。0.01質量部未満であるとアモロルフィンの滞留性の向上が見込めず、2質量部を越えて配合すると粘度が高くなり液剤として使用しにくくなるからである。
【0015】
本発明の必須成分であるポリビニルピロリドンおよびカルボキシビニルポリマーはそれぞれ皮膚外用剤に一般的に使用される成分であるが、本発明の効果はそれらを同時配合したときに初めて生じるものである。
【0016】
本発明の液剤組成物を医薬品製剤として提供するには、カルボキシビニルポリマーの中和剤としてアルカリ成分を配合する方が好ましい。中和剤を配合しないと製剤が白濁することがあるからである。中和剤としては皮膚外用剤に使用可能なアルカリ成分であれば使用することができるが、アミン系の中和剤が好ましい。具体的にはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミンなどがあげられる。配合量はカルボキシビニルポリマー1質量部に対して1〜3質量部が好ましい。
【0017】
本発明ではアルコール類を配合する方が好ましい。アルコール類を配合しないと液剤が皮膚ではじかれてしまうことから皮膚への付着性が悪く、十分な薬効が発現しないからである。配合するアルコール類としてはエタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどが好ましい。アルコール類の配合量は製剤全体の40〜60質量%が好ましい。
【0018】
本発明の液剤組成物は、さらにポリエチレングリコールを配合すると、患部への薬物の滞留性がより向上するため好ましい。そのときのポリエチレングリコールは平均分子量が400〜600が好ましい。600を越えるものは粘度が高くなりすぎ使用感が悪くなるため好ましくなく、400未満のものは一般的に外用剤に用いられていないからである。
【0019】
ポリエチレングリコールを配合する場合の配合量はアモロルフィン1質量部に対して10〜80質量部が好ましい。
【0020】
本発明の液剤組成物のpHは5.0〜7.5の範囲が好ましい。5.0未満であると製剤が白濁してしまうため商品性の低下を招き、7.5を越えると刺激が生じることがあるからである。
【0021】
本発明の液剤組成物は一般的な製造法で製造することができる。その際、本発明の効果を損なわない量的、質的範囲で抗真菌剤製造に使われる一般的な成分を配合することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によりアモロルフィンを配合した持効性の抗真菌液剤組成物を提供することが可能になった。
【0023】
【実施例】
以下、実施例および試験例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
塩酸アモロルフィン 0.5g、カルボキシビニルポリマー 0.2g、ポリビニルピロリドン 1g、ポリエチレングリコール400 10g、トリエチルアミン 0.2g、エタノールおよび精製水で全量を100mLにする処方で、常法により液剤を得た。
【0024】
比較例1
塩酸アモロルフィン 0.5g、ポリエチレングリコール400 10g、エタノールおよび精製水で全量を100mlにする処方で、常法により比較用液剤を得た。
【0025】
試験例1 皮内残存率測定試験
Wistar系雄性ラットを背位固定し、除毛後、透明粘着テープで20回ストリッピングし皮膚を損傷させた。ストリッピングを行った皮膚2cm×2cmの面積に薬剤100μLを塗布した。24時間後、塗布部位を脱脂綿で清拭し、薬剤塗布した皮膚を剥離しエタノールで抽出した。GC−MS法で定量して、薬剤の皮内残存率を測定した。各サンプル3匹のラットにより測定した平均の値は、実施例1は3.12%、比較例1は0.97%であった。
Claims (7)
- (A)アモロルフィンまたはその塩、(B)カルボキシビニルポリマー、(C)ポリビニルピロリドン及び(D)アルコール成分を含んでなる抗真菌液剤組成物。
- アルカリ成分をさらに配合した請求項1記載の抗真菌液剤組成物。
- アルカリ成分がアミン系中和剤である請求項2記載の抗真菌液剤組成物。
- アルコール成分がエタノール、プロピレングリコールおよび1,3-ブチレングリコールからなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の抗真菌液剤組成物。
- ポリエチレングリコールをさらに配合した請求項1〜4のいずれかに記載の抗真菌液剤組成物。
- ポリエチレングリコールが、重合度が400〜600の範囲のものである請求項5記載の抗真菌液剤組成物。
- 液剤のpHが5.0〜7.5の範囲である請求項1〜6のいずれかに記載の抗真菌液剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000156262A JP4814414B2 (ja) | 2000-05-26 | 2000-05-26 | 抗真菌液剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000156262A JP4814414B2 (ja) | 2000-05-26 | 2000-05-26 | 抗真菌液剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001335487A JP2001335487A (ja) | 2001-12-04 |
JP4814414B2 true JP4814414B2 (ja) | 2011-11-16 |
Family
ID=18661076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000156262A Expired - Fee Related JP4814414B2 (ja) | 2000-05-26 | 2000-05-26 | 抗真菌液剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4814414B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005104918A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-21 | Kobayashi Pharmaceut Co Ltd | 抗真菌組成物 |
JP2006232856A (ja) * | 2006-06-05 | 2006-09-07 | Kobayashi Pharmaceut Co Ltd | 抗真菌組成物 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01242525A (ja) * | 1988-03-25 | 1989-09-27 | Nippon Nohyaku Co Ltd | 抗真菌外用剤 |
JP3081766B2 (ja) * | 1994-05-06 | 2000-08-28 | 東興薬品工業株式会社 | 角質貯留型抗真菌外用組成物 |
JPH1121229A (ja) * | 1997-06-30 | 1999-01-26 | Kyoto Yakuhin Kogyo Kk | 抗真菌性外用製剤およびその製造方法 |
US6231875B1 (en) * | 1998-03-31 | 2001-05-15 | Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. | Acidified composition for topical treatment of nail and skin conditions |
CN1195550C (zh) * | 1998-12-28 | 2005-04-06 | 大正制药株式会社 | 外用剂 |
-
2000
- 2000-05-26 JP JP2000156262A patent/JP4814414B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001335487A (ja) | 2001-12-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4227677B2 (ja) | 被膜形成性抗真菌剤組成物 | |
JP4557113B2 (ja) | 外用剤 | |
EP0101178B2 (en) | Topical anti-inflammatory compositions | |
JPH03193728A (ja) | 消炎鎮痛貼付剤 | |
US20080138391A1 (en) | Skin-friendly drug complexes for transdermal administration | |
HU196706B (en) | Process for producing aqueous dispersion suitable for preparing plaster | |
JPH10152433A (ja) | 被膜形成性抗真菌剤組成物 | |
JP2555555B2 (ja) | 抗真菌性外用製剤 | |
JPH083074A (ja) | 口腔用液体組成物 | |
JP4814414B2 (ja) | 抗真菌液剤組成物 | |
JPH08319213A (ja) | 美容及び医療用の粘着性パックシート | |
JPH08325128A (ja) | 口腔用長期滞留型基剤およびそれを用いた組成物 | |
JP5435836B2 (ja) | 外用抗真菌剤組成物 | |
JP2009249348A (ja) | 塩酸ブテナフィン含有水性貼付剤 | |
JP2881836B2 (ja) | 抗真菌剤 | |
KR930005586B1 (ko) | 항진균성 겔제의 제조 방법 | |
JP3157082B2 (ja) | 医療用パック型製剤用基剤および医療用パック型製剤 | |
JPS6251626A (ja) | 外用ゲル組成物 | |
JP2003171204A (ja) | ゲル状昆虫忌避製剤 | |
JP5200365B2 (ja) | 粘膜適用液剤 | |
JP2548686B2 (ja) | 外用薬剤組成物 | |
JPH092943A (ja) | 被膜形成型外用液剤 | |
JP2003519641A (ja) | 局所的薬用生体接着剤組成物、並びにその使用法および調製法 | |
JP3472359B2 (ja) | チミペロン含有貼付剤 | |
JP2003171205A (ja) | ゲル状昆虫忌避製剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070522 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100914 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101111 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110823 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110826 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |