JP4227677B2 - 被膜形成性抗真菌剤組成物 - Google Patents

被膜形成性抗真菌剤組成物 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、爪及びその周辺の真菌症の治療のための被膜形成性抗真菌剤組成物、特に、被膜からの抗真菌剤の放出性及び角質層への浸透性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、皮膚科領域における真菌症の治療、特に爪白癬はクリームや軟膏のような外用剤による局所治療が困難であることが知られている。これは、爪の角質層内部に繁殖している白癬菌を局所的に外用剤を用いることにより処置しようとしても、元々爪は外部からの異物の侵入に対する障壁としての機能が大であり、皮膚に比べてその角質層が非常に硬く、角質層中へ抗真菌剤が浸透しにくいことに起因している。
【0003】
こうした現状に対して、最近抗真菌剤による外用療法の改善が試みられている。すなわち、従来からのクリームや軟膏基剤に代わって、爪に対して付着性がよくコンプライアンスの高いネイルラッカー製剤やネイルエナメル製剤、マニキュア製剤等の被膜形成性組成物を得ようとする試みである。
【0004】
例えば、特開平3−77820号公報にはアクリル系及びメタアクリル系共重合体からなる混合物、低級アルコール及び水からなる基剤成分に有効成分を配合してなる皮膚外用剤が、特開平6−211651号公報には硝酸オモコナゾール又は塩酸ブテナフィンを疎水性被膜形成剤及び溶剤からなる基剤に配合した爪白癬治療用組成物が、特開平7−277975号公報には2種以上の水溶性の低い被膜形成剤、水、可塑剤、抗真菌剤及びアルコールを含有する皮膚外用剤等が開示されている。
これらの被膜形成性製剤は、何れも被膜強度や耐水性を得るために被膜形成物質として水不溶性の疎水性被膜形成剤を用いるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような疎水性被膜形成物質を用いた組成物を爪に塗布した場合には、塗布面上に形成された被膜中の網状組織が抗真菌剤の被膜中での拡散を抑制し、被膜からの抗真菌剤の放出や角質層への浸透が十分でないという問題点があった。
また、このような組成物を爪に重ね塗りした際には、前に塗布した被膜の蓄積が新たに塗布した被膜中の抗真菌剤の浸透を妨げ、継続的に使用してもそれに見合った効果を得ることができなかった。
【0006】
さらに、疎水性被膜形成物質の溶剤としてアセトンや酢酸エチル、トルエン等の有機溶剤が用いられる場合には、これらが爪を脱水し、爪を硬化させて抗真菌剤の浸透を遅くすることが知られており、このような溶剤を含有しない組成物であることが望ましい。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は被膜からの抗真菌剤の放出性及び角質層への浸透性に優れ、白癬症特に爪白癬の治療に効果的な被膜形成性抗真菌剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、三級アミン部を有する被膜形成物質と、抗真菌剤と、水を含有し、且つ、組成物のpHをある領域に調整した組成物が、患部に塗布することによって、抗真菌剤の角質浸透性に非常に優れた被膜を形成することを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明に係る被膜形成性抗真菌剤組成物は、三級アミン部を有する被膜形成物質と、抗真菌剤と、水とを含有し、且つ組成物のpHが6.2以下であることを特徴とする。
なお、本発明組成物のpHは全て、組成物を精製水で10倍希釈後、pHメーターにて測定したものを意味する。
本発明において、前記被膜形成物質が三級アミン部を含有するメタアクリル酸アルキルエステルコポリマー及び/又はポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートであることが好適である。
【0009】
また、前記被膜形成物質がメタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーであることが好適である。
【0010】
また、本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物において、抗真菌剤が塩酸アモロルフィンであることが好適である。
また、本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物においては、低級アルコールを配合することが好適であり、低級アルコールとしてはエタノール及び/又はイソプロピルアルコールが好適である。
【0011】
また、本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物においては、湿潤剤を配合することが好適であり、前記湿潤剤としては特にプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上であることが好適である。
また、本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物においては、角質溶解剤を配合することが好適であり、前記角質溶解剤としては尿素、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、レゾルシンから選ばれる少なくとも1種以上であることが好適である。
【0012】
また、本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物においては、界面活性剤を配合することが好適であり、前記界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤の1種以上と両性界面活性剤の1種以上の組み合わせであることが好適である。
本発明に係る爪白癬治療剤は、前記被膜形成性抗真菌剤組成物からなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる被膜形成物質は、分子内に三級アミン部を有する高分子ポリマーであり、例えば商品名オイドラギット(EUDRAGIT)E100(レームファーマ社製、化学名:メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・コポリマー(モル比1:1:2))や商品名AEA「三共」(三共(株)製、化学名:ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート)が好適に用いられる。
【0014】
これらは何れも、フィルムコーティング剤として知られており、水には難溶性であるが、オイドラギットE100はpH5.0以下、AEA「三共」はpH5.8以下で水に溶解性を示し、主として経口薬の胃溶性コーティング剤として用いられている。また、オイドラギットE100は通常pH5.0以上では水に溶解しないが、pH6付近までは半透膜的な物性を示し、コーティングした薬剤を徐放する性質を有する。本発明においてはこのような一見溶解しているのと同じ様な挙動を示す状態を「部分溶解」と呼ぶ。
【0015】
このようなpH依存性の溶解性は、被膜形成物質中の三級アミン部に起因する。本発明においては、このような三級アミン部を有する被膜形成物質を用い、且つ組成物のpHをこの被膜形成物質が溶解若しくは部分溶解し得るpH領域とすることによって、塗布後形成される被膜からの抗真菌剤の角質浸透性を高めることができる。なお、本発明組成物のpHは全て、組成物を精製水で10倍希釈したもの(以後、測定系ということがある)を、pHメーターにて測定したものを意味する。この方法は、エタノール等を多量に含有する組成物のpH測定において、通常推奨されている測定方法である。
【0016】
オイドラギットE100を配合した抗真菌剤組成物の場合には、上記測定系におけるpHが6.2以下であれば、被膜からの抗真菌剤の放出性、角質や爪への浸透性を得ることができる。さらにpHを低くすると抗真菌剤の放出性、浸透性は高くなり、pHを5以下とした場合には特に高い効果が発揮される。従って、被膜形成物質としてオイドラギットE100を用いる場合には、組成物の測定系におけるpHは6.2以下、好ましくは6.0以下、特に好ましくは5.0以下である。
また、同様に、AEA「三共」を用いる場合には、組成物の測定系におけるpHは5.8以下であることが好適である。
【0017】
本発明において用いられる被膜形成物質の配合量は組成物全量中、1〜30w/v%、好ましくは2〜20w/v%、特に好ましくは3〜15w/v%である。被膜形成物質の配合量が少ないと十分な被膜形成が成されず、また、被膜形成物質の配合量が多すぎると被膜中の抗真菌剤の濃度が相対的に低くなり、好ましくない。
本発明の有効成分である抗真菌剤としては、例えば塩酸アモロルフィン、塩酸テルビナフィン、硝酸ミコナゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸クロコナゾール、硝酸ナチコナゾールなどが好適に用いられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。これらは塩酸塩、硝酸塩等の塩として用いるのが好ましい。
【0018】
本発明において、特に好ましい抗真菌剤は塩酸アモロルフィンである。塩酸アモロルフィンは酸性領域で水に対する溶解性が著しく高くなる抗真菌剤であり、本発明で用いる被膜形成物質のpH依存性との相性の点からも特に好ましい抗真菌剤である。
本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物において、抗真菌剤の配合量は組成物全量に対して0.1〜10w/v%、好ましくは0.5〜8w/v%、特に好ましくは1〜6w/v%である。抗真菌剤の配合量が少ないと十分な抗菌活性が得られず、多すぎる場合には経済的な問題や、安全性の問題、また、結晶の析出等安定性の問題等を生じることがあるので好ましくない。
【0019】
本発明の必須成分の一つである水の配合量は、用いる他の成分の量に応じて適宜調整されるが、通常組成物全量に対して1〜30w/v%、好ましくは2〜15w/v%、特に好ましくは3〜10w/v%である。水の配合量が少ないと爪や皮膚に対する柔軟効果や、被膜からの抗真菌剤の放出性、角質層への浸透性が十分に得られない。また、水が多すぎる場合には被膜が乾きにくくなる。
【0020】
本発明の組成物においては、上記必須成分のみで組成物が所望のpHとならない場合にはpH調整剤等を用いてその液性を調整することが必要である。pH調整剤としては、通常皮膚外用剤や化粧品に用いられているものを適宜選択して使用することができる。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸等の有機酸等が挙げられる。pH調整剤は、1種又は2種以上用いることができる。
本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物は、三級アミン部を有する被膜形成物質を用いること、及び組成物の前記測定系におけるpHを前記被膜形成物質が溶解又は部分溶解し得る領域とすることを一つの特徴とするものである。
【0021】
従来、被膜形成物質を用いる際には、その被膜形成物質が溶解しうる有機溶剤に溶解し、ネイルエナメル製剤とするのが通常であり、透明性等を向上させるために水を配合した場合にもその液性をわざわざ被膜形成物質が溶解してしまうようなpH領域に調整することはこれまで為されていなかった。なぜなら、そのようなpH調整は、一般に被膜形成性が悪いことを想像させるからである。
【0022】
例えば、オイドラギットE100を配合した抗真菌剤組成物は公知であり、特開昭63−258814号公報には、硝酸ミコナゾール 2%、水 10%、尿素10%、無水アルコール 64%、グリセロール 2%、及びオイドラギットE100 12%からなるワニス形抗真菌剤組成物が開示されている。
しかしながら、この組成物は尿素を可溶化剤として用いることによって、水溶液中に難溶性の抗真菌剤である硝酸ミコナゾールを溶解状態で存在させることを目的としており、組成物の測定系におけるpHは7以上である。すなわち、上記組成物においてもpHはオイドラギットE100が溶解又は部分溶解し得る領域ではなく、被膜形成物質(オイドラギットE100)の存在状態が与える影響については全く検討されていない。このような組成物から形成された被膜は、通常の疎水性被膜と同じであり、抗真菌剤の放出性や、角質及び爪への浸透性が十分に発揮されない。
【0023】
これに対して、本発明者らは被膜形成物質として三級アミン部を有する被膜形成物質を用い、さらに組成物のpHを被膜形成物質が溶解又は部分溶解するpH領域に調整すれば、予想に反して良好な被膜形成性が得られ、乾燥後はべたついたり、被接触物に付着することがなく、爪への密着性も良好であり、しかも、このようなpH領域に調整しない場合に比して格段に抗真菌剤の角質浸透性が高い被膜形成性抗真菌剤組成物が得られることを見出したものである。
【0024】
このような効果を発現する作用機作は明らかではないが、次のように推察される。すなわち、本発明の組成物を爪上に塗布すると、まずアルコールや水等の溶媒が揮散するに伴い、爪上に被膜が形成される。本発明の組成物においては、pHを被膜形成物質が溶解又は部分溶解する領域に調整してはあるものの、殆どの溶媒が揮散したこの状態では被膜形成物質が溶解するほどの水が存在していないので、一見通常の疎水性被膜のような被膜を形成する。しかし、該被膜中での被膜形成性物質は水に溶解又は部分溶解し得る状態、すなわち、自由度の高い状態にあり、このような被膜形成物質の存在状態により、被膜中の薬剤の拡散や被膜からの薬剤の放出が妨げられず、高い薬剤放出性が発揮されるものと考えられる。
【0025】
また、爪が被膜で覆われるいわゆるODT法(密封包帯法)での適用であること、被膜自身が若干の水分を包含した状態で爪に接しているため、固い爪甲も十分な保湿作用を受けて膨潤し、抗真菌剤が被膜から爪に非常に移行しやすい状態とされること、被膜が爪に対して非常に密着性が高く、容易に剥がれることがないこと等も重要な要因となっていると推察される。
【0026】
本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物には上記必須成分の他に、低級アルコールを配合することが好適である。低級アルコールは速やかな被膜の形成に寄与し、溶媒としての機能を有するものであれば特に限定されないが、好ましくはエタノール及び/又はイソプロピルアルコールである。配合量としては目的とする組成物の性状、抗真菌剤や被膜形成物質の配合量等により適宜調製して配合することができるが、通常17〜89w/v%、好ましくは30〜80w/v%、さらに好ましくは50〜75w/v%である。
【0027】
また、本発明に係る被膜形成性抗真菌剤組成物には、上記必須成分の他に角質層への抗真菌剤の浸透性を高めるために湿潤剤、角質溶解剤、界面活性剤を配合することができる。
湿潤剤としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、マルトース、キシリトール、エリスリトール、スレイトール、マビット、マンニット等が挙げられ、これら湿潤剤のうち、1種又は2種以上を用いることができる。特に好ましくはプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールである。湿潤剤は爪や皮膚を柔軟にし、抗真菌剤の浸透性を高める効果を有する。
【0028】
本発明における湿潤剤の配合量は、組成物全量に対して1〜20w/v%、好ましくは2〜15w/v%、特に好ましくは5〜10w/v%である。湿潤剤が少ないと爪に対する十分な柔軟効果が得られず、薬剤浸透性の明らかな向上が認められない。また、多すぎる場合には被膜が乾燥しにくくべたつきが大となるので好ましくない。
【0029】
また、角質溶解剤としては、例えば尿素、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、レゾルシン等が挙げられ、これらは単独でも任意の混合物としても使用することができる。角質溶解剤は爪表面の角質層を軟化し、抗真菌剤の浸透を高めることができる。
本発明において角質溶解剤の配合量は組成物全量に対して0.2〜10w/v%、好ましくは0.5〜5w/v%、特に好ましくは1〜3w/v%である。角質溶解剤の配合量が少ないと爪に対する十分な薬剤浸透性が得られず、また、多すぎる場合には被膜が乾きにくくべたつきが大きくなるために好ましくない。
【0030】
本発明において用いられる界面活性剤は特に限定されないが、好ましくは親水性界面活性剤が良い。親水性界面活性剤としては非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の何れでも良く、これらの界面活性剤を単独又は任意の混合物として使用することができる。非イオン性界面活性剤としては例えばポリオキシアルキレン系、ポリグリセリン脂肪酸エステル、トゥイーン系、シュガーエステル系のものが挙げられ、また、イオン性界面活性剤としては例えば脂肪酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、エーテルリン酸塩、塩基性アミノ酸の脂肪酸塩、トリエタノールアミン石鹸、アルキル四級アンモニウム塩等が、両性界面活性剤としては例えばベタイン、アミノカルボン酸塩、アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。好ましくはアニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の組み合わせが良い。界面活性剤は爪の角質表面を活性化し、薬物の爪への浸透性を高めることができる。
【0031】
本発明において用いられる界面活性剤の配合量は、0.1〜5w/v%、好ましくは0.2〜3w/v%、特に好ましくは0.3〜1w/v%である。界面活性剤の配合量が少ないと爪に対する十分な薬剤浸透性が得られず、また、界面活性剤の配合量が多すぎると被膜が乾きにくくべたつきが大となる。
本発明にかかる被膜形成性抗真菌剤組成物には、この他必要に応じ他の薬物(例えば、抗ヒスタミン剤、鎮痒剤、抗炎症剤、局所麻酔剤等)、吸収促進剤、可塑剤、緩衝剤、清涼剤、抗酸化剤、ゲル化剤、キレート剤、油分、溶媒、高分子、香料、色剤など本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0032】
前記可塑剤としては例えば炭酸エチレン、炭酸プロピレン、クエン酸トリエチル、トリアセチン、クロタミトン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル等が挙げられる。これら可塑剤のうち、1種又は2種以上を用いることができ、特に好ましくは炭酸エチレン、炭酸プロピレンである。
本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物は剤型として粘性の低い液状製剤から粘性の高いゲル状製剤まで任意の粘性をもつ組成物として調製が可能である。
【0033】
本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物を患部に塗布する方法としては、特に限定されないが、ハケ塗り、綿棒やへら等の塗布具での塗布、ロールオンタイプでの塗布、容器からの直接塗布、スプレー塗布等が可能である。
また、本発明の組成物を塗布した際に形成される被膜は従来のエナメル被膜などと異なり、入浴や水洗を繰り返すことにより洗い流すことができ、特に組成物のpHが5.0以下のものは洗い流しが容易である。使用方法としては特に制限されないが、繰り返し塗布が必要である場合には、常に高濃度の抗真菌剤を患部に接触させるために、疾患の程度によって1日1回〜数回被膜を水で洗い流した後、患部に該組成物を再塗布することが好ましい。なお、本発明の被膜は爪や皮膚に対して非常に密着性がよいので、ピールオフタイプには適さない。また、本組成物を爪等に塗布した後、包帯やラップフィルム等で巻いてもよい。
【0034】
以下、具体例として、抗真菌剤として塩酸アモロルフィン、被膜形成物質としてオイドラギットE100、AEA「三共」を用いて本発明を説明する。なお、配合量は特に指定のない場合は重量(g)で示す。
【0035】
試験例1
まず、本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物のべたつき、爪への密着性、角質浸透性について調べた。なお、各試験方法は次の通り。
べたつき
試料を爪に塗布し、自然乾燥後の被膜のべたつきを以下の基準に従って評価した。
◎…べたつきが全くない
○…べたつきがほとんどない
△…べたつきが少し感じられる
×…べたつきがはっきり感じられる
【0036】
爪への密着性
試料を爪に塗布し、自然乾燥後の被膜の状態を肉眼観察して以下の基準に従って爪への密着性を評価した。
◎…密着性が高い(被膜に全くしわがよらない)
○…密着性がかなり高い(被膜に僅かにしわがよる)
△…密着性が低い(被膜にしわがよる)
×…密着性なし(被膜が爪上から容易に剥離する)
【0037】
角質浸透性試験
8週齢雄性ヘアレスマウスの背部摘出皮膚をフランツ型拡散セルに装着した。レセプター溶液として生理食塩液を用い、試料0.15mlを開放系で24時間適用した。皮膚を透過して、レセプター溶液中に移行した抗真菌剤量を調べるため、レセプター溶液を経時的にサンプリングし、レセプター溶液中の抗真菌剤濃度をHPLC法により測定した。24時間後のレセプター溶液中の抗真菌剤濃度により下記の基準に従って角質浸透性を評価した。
◎…抗真菌剤濃度が5μg/ml以上
○…抗真菌剤濃度が3μg/ml以上5μg/ml未満
△…抗真菌剤濃度が1μg/ml以上3μg/ml未満
×…抗真菌剤濃度が1μg/ml未満
【0038】
pH測定方法
試料を精製水にて10倍希釈し、pHメーター(F−8AT型、堀場製作所製)を用いて行った。
【0039】
【表1】
Figure 0004227677
【0040】
<製法>
サンプル1は、成分(5)の一部に(6)、(1)、(2)、(4)を順に溶解せしめ、最終的に成分(5)で合計100mlにして液状の被膜形成性抗真菌剤組成物を得た。
サンプル2〜6は、成分(8)の一部に成分(1)〜(7)を順に溶解せしめ、最終的に成分(8)で合計100mlにして液状の被膜形成性抗真菌剤組成物を得た。
【0041】
表1から解るように、三級アミン部を有する被膜形成物質(オイドラギットE100、AEA「三共」)を用いた場合、組成物のpHが被膜形成物質が溶解又は部分溶解し得る領域とすることによって、べたつきや密着性を低下させることなく角質浸透性を著しく向上させることができる。
なお、アルコールを配合しなかったサンプル1では、被膜乾燥後はべたつきもなく、密着性や角質浸透性も良好であったが、アルコールを配合したサンプル2〜6に比べると被膜が乾燥するまでに時間がかかり、使用性の点でやや劣るものであった。
【0042】
【表2】
Figure 0004227677
<製法>
成分(9)の一部に成分(1)〜(8)を順に溶解せしめ、最終的に成分(9)で合計100mlにして液状の被膜形成性抗真菌剤組成物を得た。
【0043】
上記表2で用いた成分(3)及び成分(4)は何れも三級アミン部を有していないメタアクリル酸系コポリマーである。
すなわち、(3)オイドラギットL100はメタアクリル酸・メタアクリル酸メチル・コポリマー(レームファーマ社製)で、官能基としてカルボキシル基を有する被膜形成物質であり、pH6以上で水に溶解する性質を有している。
また、(4)オイドラギットRSPOLはアクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル・コポリマー(レームファーマ社製)で、官能基として四級アンモニウム基を有する疎水性被膜形成物質であり、その溶解性はpHに非依存(何れのpHでも水に溶解しない)である。
【0044】
前記表2のサンプル8及びサンプル9から解るように、被膜形成物質がpHに依存して水に溶解性を示すものの、三級アミン部を有しない被膜形成物質(オイドラギットL100)である場合には、組成物の測定系におけるpHを被膜形成物質が水に溶解し得る領域(pH7.56)にまで調整しても角質浸透性は改善されなかった。
また、サンプル10及びサンプル11のように水に対する溶解性がpHに非依存性である疎水性被膜形成物質(オイドラギットRSPOL)を用いた場合にも、pH調整によって角質浸透性は改善されなかった。
【0045】
以上のことより、本発明における被膜形成物質は、水に対する溶解性がpH依存性であると同時に、三級アミン部を有してることが重要であることが理解される。
また、三級アミン部を有する被膜形成物質(オイドラギットE100)を用いても、サンプル7のように水を組成物中に配合しない場合には角質浸透性は非常に低かった。よって、本発明における水は、高い角質浸透性を得るための必須成分であることが理解される。
【0046】
【表3】
Figure 0004227677
<製法>
成分(10)の一部に成分(1)〜(9)を順に溶解せしめ、最終的に成分(10)で合計100mlにして液状の被膜形成性抗真菌剤組成物を得た。
【0047】
表3の何れの組成物も爪に塗布した場合には溶媒の揮発に伴って被膜を形成し、該被膜はべたつきや被接触物に対する付着が極めて少なく、また、十分な物理的強度を備えていた。そして、サンプル12〜16の組成物は、角質浸透性試験において該被膜から抗真菌剤が放出され、角質に浸透していることが示された。特に、サンプル13〜16のように保湿剤(プロピレングリコール)、角質溶解剤(尿素)、界面活性剤(ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリル硫酸ナトリウム)を配合すれば抗真菌剤の角質浸透性がさらに促進されることが理解される。
【0048】
図1は前記サンプル5、サンプル7、サンプル12、サンプル16の角質透過量を経時的にプロットしたものである。オイドラギットE100を用いてpHを8.62とした場合(サンプル5)や水を含有しない場合(サンプル7)では角質浸透性がほとんど認められなかったのに対して、本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物であるサンプル12及びサンプル16では被膜から抗真菌剤が経時的に放出され、角質浸透性が非常に高いことがわかる。特に、サンプル16では湿潤剤、角質溶解剤、界面活性剤の配合により角質浸透性が著しく向上している。
【0049】
試験例2
次に、ブタの爪(蹄壁)を用いて、本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物を塗布した際の塩酸アモロルフィンの爪浸透性について調べた。試験方法は次の通り。
【0050】
爪浸透性試験
1)ブタ蹄壁切片の作製
豚足から蹄壁を摘出し、円形(直径1.1cm)に打ち抜き、コールドトーム(CM−501、サクラ精機(株))で蹄真皮を削り、厚さ2.0mmの蹄壁切片を作製した。
【0051】
2)被験抗真菌剤組成物の調製
【表4】
Figure 0004227677
【0052】
<製法>
(9)の一部に成分(1)〜(8)を順に溶解せしめ、最終的に(9)で合計100mlにして、5w/v%14C-塩酸アモロルフィン含有組成物(サンプル17、サンプル18)をそれぞれ調製した。
なお、14C-塩酸アモロルフィンの比放射能は3.42MBq/mg、放射化学的純度は98%以上であった。
【0053】
3)方法
ブタ蹄壁切片の外層側に直径5mmの円形の印をつけ、その中にサンプルをそれぞれ5μl(薬剤塗布量として250μg/切片)均一に塗布した。
図2のように、バイアル内に1/15Mリン酸緩衝溶液(pH7.4)0.5mlで湿らせたコンバストパッド(パッカード社製)を入れ、その上に被験組成物を塗布した蹄壁切片を真皮側を下にして静置した。バイアルを密閉系又は開放系にて25℃で放置し、一定時間毎にコンバストパッドとバイアルを新しいものに交換した。
【0054】
塩酸アモロルフィンの爪透過率は、使用済みのコンバストパッドから、メタノールで薬剤を抽出し、その一部にACS−II(Amersham International plc)5mlを加え、放射能を液体シンチレーションアナライザー(Tri-Carb 2000CA、パッカード社製)で測定することにより算出した。なお、透過率は薬剤塗布量に対する透過率で表し、試験はそれぞれn=3で行った。
【0055】
4)結果
図3及び図4は、それぞれ密閉系及び開放系における14C-塩酸アモロルフィンの累積透過率を示す図である。
本発明の組成物は、何れの系においても塗布後経時的に透過量が増加していることがわかる。また、何れの系においてもサンプル17の方がサンプル18よりも透過率が高いが、これは、サンプル18では被膜形成物質が多く、形成された被膜中の薬剤濃度がサンプル17に比して相対的に低くなるためと考えられる。
【0056】
試験例3
次に、健常なヒトの爪に対する浸透性を試験例2の方法に準じて調べた。なお、サンプル塗布は、前記試験例2のサンプル17及サンプル18それぞれ2μl(薬剤投与量100μg/切片)を、ヒト爪切片の外層側直径2.5mmの円内に塗布した。試験は密閉系にて行った。
【0057】
図5にその結果を示す。これより、ヒト爪に対しても製剤中の塩酸アモロルフィンが経時的に浸透し、その透過量が増大していることがわかる。
以上のように、本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物によれば、塗布により抗真菌剤の放出性、角質浸透性、爪浸透性に優れた被膜を形成することができ、ヒトやその他の哺乳動物の白癬症特に爪白癬を効果的に治療することができる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】
Figure 0004227677
【0060】
<製法>
成分(6)の一部に成分(1)〜(5)を順に溶解せしめ、最終的に成分(6)で合計100mlにして目的とする被膜形成性抗真菌剤組成物を得た。得られた組成物は均一な透明液状であり、そのpHは10倍希釈で4.03であった。
【0061】
Figure 0004227677
【0062】
<製法>
成分(6)の一部に成分(1)〜(5)を順に溶解せしめ、最終的に成分(6)で合計100mlにして目的とする被膜形成性抗真菌剤組成物を得た。得られた組成物は均一な透明液状であり、そのpHは10倍希釈で4.67であった。
【0063】
Figure 0004227677
【0064】
<製法>
成分(10)の一部に成分(1)〜(9)を順に溶解せしめ、最終的に成分(10)で合計100mlにして目的とする被膜形成性抗真菌剤組成物を得た。得られた組成物は均一な透明液状であり、そのpHは10倍希釈で4.54であった。
【0065】
Figure 0004227677
【0066】
<製法>
成分(11)の一部に成分(1)〜(10)を順に溶解せしめ、最終的に成分(11)で合計100mlにして目的とする被膜形成性抗真菌剤組成物を得た。得られた組成物は均一な透明ゲル状であり、そのpHは10倍希釈で4.20であった。
【0067】
以上実施例1〜4の被膜形成性抗真菌剤組成物を爪に塗布したところ、何れも爪に対して密着性が良く、被膜強度も十分な被膜が形成された。また、べたつきや爪への密着性、角質浸透性について前記のように評価したところ、何れの組成物もべたつき◎、爪への密着性◎、角質浸透性については実施例1及び実施例2が○、実施例3及び実施例4は◎であった。
【0068】
Figure 0004227677
【0069】
<製法>
成分(6)の一部に成分(1)〜(5)を順に溶解せしめ、最終的に成分(6)で合計100mlにして目的とする被膜形成性抗真菌剤組成物を得た。
【0070】
Figure 0004227677
【0071】
<製法>
成分(6)の一部に成分(1)〜(5)を撹拌して溶解させ、最終的に成分(6)で合計100mlにして目的とする被膜形成性抗真菌剤組成物を得た。
【0072】
比較例1及び比較例2についても前記試験例1と同様に試験を行った。表5から明らかなように、何れの比較例においても角質浸透性は極めて低かった。
【表5】
Figure 0004227677
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる被膜形成性抗真菌剤組成物は、三級アミン部を有する被膜形成物質、抗真菌剤及び水を含有し、且つ組成物のpHを前記被膜形成物質が溶解又は部分溶解し得るpH領域とすることにより、爪に塗布した場合にべたつきがなく、密着性に優れ、しかも抗真菌剤の放出性及び角質層や爪に対する浸透性が高い被膜を形成することができるので、白癬症、特に爪白癬症を効果的に治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被膜形成性抗真菌剤組成物における抗真菌剤の角質浸透性を示す図である。
【図2】本発明の爪浸透性試験の試験方法を示す図である。
【図3】本発明の一実施例にかかる被膜形成性抗真菌剤組成物のブタ蹄壁に対する薬剤の累積透過率を示す図である(密閉系)。
【図4】本発明の一実施例にかかる被膜形成性抗真菌剤組成物のブタ蹄壁に対する薬剤の累積透過率を示す図である(開放系)。
【図5】本発明の一実施例にかかる被膜形成性抗真菌剤組成物のヒト爪に対する薬剤の累積透過率を示す図である(密閉系)。

Claims (14)

  1. 三級アミン部を有する被膜形成物質と、抗真菌剤と、水とを含有し、且つ組成物のpHが6.2以下であることを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  2. 請求項1記載の組成物において、前記被膜形成物質が三級アミン部を含有するメタアクリル酸アルキルエステルコポリマー及び/又はポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートであることを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  3. 請求項2記載の組成物において、前記被膜形成物質がメタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマーであることを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  4. 請求項2記載の組成物において、前記被膜形成物質がポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートであり、且つ組成物のpHが5.8以下であることを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の組成物において、抗真菌剤が塩酸アモロルフィンであることを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の組成物において、低級アルコールを配合することを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  7. 請求項6記載の組成物において、低級アルコールがエタノール及び/又はイソプロピルアルコールであることを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の組成物において、湿潤剤を配合することを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  9. 請求項8記載の組成物において、湿潤剤がプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の組成物において、角質溶解剤を配合することを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  11. 請求項10記載の組成物において、角質溶解剤が尿素、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、レゾルシンから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載の組成物において、界面活性剤を配合することを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  13. 請求項12記載の組成物において、界面活性剤がアニオン性界面活性剤の1種以上と両性界面活性剤の1種以上の組み合わせであることを特徴とする被膜形成性抗真菌剤組成物。
  14. 請求項1〜13の何れかに記載の被膜形成性抗真菌剤組成物からなる爪白癬治療剤。
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