JP4813700B2 - 計量装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のロードセルによって荷重を測定する計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のロードセルを使用した計量装置としては、例えばトラックスケールやホッパスケールがある。この計量装置では、例えば1つの載台に対して複数のロードセルを設けてある。載台に被計量物を載荷していない状態での各ロードセルからの荷重信号の合計値を初期荷重値として予め記憶しておき、載台に被計量物を載荷した状態での各ロードセルからの荷重信号の合計値から初期荷重値を減算する。実際には、この他にスパン調整を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ロードセルは、これが備えている検出素子や、この検出素子の信号をデジタル信号に変換するA/D変換器に異常が発生すると、出力信号が変動する。変動量が小さい間、零点調整によってカバーできる。しかし、変動量が大きくなると、故障状態或いは故障しかかっていると判定して、警報する必要がある。しかし、複数のロードセルの荷重信号を合計する計量装置の場合、各ロードセルの荷重信号の変動の極性が様々な方向であると、変動が相殺されて、正確にいずれのロードセルで故障が生じようとしているのか判定することができない。
【0004】
本発明は、複数のロードセルを使用していても、いずれのロードセルに故障が生じようとしているのか判定できる計量装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様の計量装置は、被計量物支持体を介して被計量物の重量が印加される複数のロードセルを有している。被計量物支持体としては、種々のものがあるが、例えば載台またはホッパのような物品収容槽を使用することができる。これらロードセルからの荷重信号に基づいて前記被計量物の重量を表す信号を出力する秤演算手段が設けられている。秤演算手段としては、例えば複数のロードセルからの荷重信号の合計値から、初期荷重値(初期荷重設定用無負荷状態における各ロードセルの荷重信号の合計値)を減算する初期荷重値処理手段、初期荷重値処理された合計値が、正しく被計量物の荷重値を表すように係数を乗算するスパン調整処理、初期荷重値の変動を補正する零点調整処理等がある。前記計量装置に電源が供給されたときの前記各ロードセルからの荷重信号に対応する電源供給時初期荷重と、前記計量装置が調整された時点での初期荷重設定用無負荷状態における前記各ロードセルからの荷重信号に対応するロードセル初期荷重とを、用いて、前記電源供給時初期荷重を評価手段が評価する。計量装置に電源が供給されるごとに、前記評価手段が前記電源供給時初期荷重を評価する。
【0007】
本発明の他の態様の計量装置は、上述した態様と同様に、複数のロードセルと、秤演算手段とを有している。さらに、初期荷重値設定用無負荷状態における前記各ロードセルの荷重信号に対する初期荷重値が、零点調整する時点において変動した分である零点変動分を用いて、前記各ロードセルの前記初期荷重値の変動を評価する評価手段が設けられている。
【0008】
前記評価手段は、前記各累積値中に予め定めた基準値以上のものが存在するとき、出力信号を発生するものとすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施の形態の重量測定システムは、図1に示すように、複数、例えば4つのデジタルロードセル2を有している。これらデジタルロードセル2は、図示していないが、例えば矩形の載台の4隅に配置され、載台上に載置された被計量物の重量を測定する。
【0013】
これらデジタルロードセル2は、いずれも同一の構成であって、アナログロードセル4を有している。このアナログロードセル4は、図2(a)に示すように、起歪体6を備えている。これら起歪体6には、荷重検出素子、例えばストレインゲージ8が、複数配置されている。これらストレインゲージ8は、ブリッジ回路を構成している。各起歪体6は、上述した載台や載台上の被計量物品の重量を分散して支持する。ストレインゲージ8からなるブリッジ回路は、印加された荷重に応じてアナログ荷重信号を発生する。
【0014】
この起歪体6には、プリント基板10が取り付けられている。このプリント基板10上には、測定演算回路が設けられている。即ち、図1に示すように、測定演算回路は、アナログ荷重信号をデジタル信号に変換するA/D変換器12を含み、更に、このデジタル信号を演算処理する制御部、例えばCPU14を有している。このCPU14が他のデジタルロードセル2や後述する汎用情報機器16と通信するための通信装置18と、通信用のシリアルインターフェース20とが設けられている。なお、A/D変換器12とストレインゲージ8のブリッジ回路との間には、図示していないが、アナログ荷重信号を増幅するための増幅器が設けられている。
【0015】
図2(a)に示すように、起歪体6及びプリント基板10は、保護ケース22によって包囲されている。この保護ケース22の外壁22aに、シリアルインターフェース20の共通バスラインに接続された1対のコネクタ24a、24bが設けられている。各コネクタ24bは、他のデジタルロードセル2の対応するコネクタ24aに、伝送線路26aを介してシリアル接続され、さらに、シリアル伝送線路26を介して汎用情報機器16にもシリアル接続されている。汎用情報機器16としては、例えばパーソナルコンピュータまたはプログラマブルロジックコントローラを使用することができる。
【0016】
このように通信装置18、インターフェース20を介して各デジタルロードセル2は相互に通信可能であり、かつ汎用情報機器16とも通信可能である。
【0017】
各デジタルロードセル2のCPU14は、デジタル荷重変換手段及び秤機能演算手段として機能するようにプログラムされている。
【0018】
デジタル荷重変換手段とは、アナログロードセル4が発生するアナログ荷重信号を、デジタル化したデジタル信号に対して、演算処理、例えばスパン調整を行って、デジタル荷重信号に変換して出力するものである。
【0019】
秤機能演算手段とは、各デジタルロードセル2の使用者が、これらデジタルロードセル2を使用して秤を製造するときに、これらデジタルロードセル2からのデジタル荷重信号を統合して処理し、秤として機能させるための演算手段である。秤機能演算としては、少なくともイニシャル荷重処理、スパン調整及び零点調整がある。
【0020】
イニシャル荷重処理は、デジタルロードセル2が載台等に載置されたときに、各デジタルロードセル2によって支持される載台の荷重等を、イニシャル荷重として記憶しておき、載台上に被計量物品が載荷されたときに、各デジタルロードセル2からのデジタル荷重信号の合計値から、イニシャル荷重を減算するものである。
【0021】
スパン調整は、各デジタルロードセル2からのデジタル荷重信号の合計値からイニシャル荷重を減算した値が、被計量物品の重量を表すように、減算値に所定の係数を乗算するものである。
【0022】
零点調整は、重量測定システムの使用中に、アナログロードセル4に付属する電気回路におけるドリフトや、載台等への付着物によって生じるデジタル荷重信号の変動分を記憶し、これを相殺するものである。
【0023】
各デジタルロードセル2は、上述したデジタル荷重変換手段と、秤機能演算手段とを備えている。しかし、汎用情報機器16によって親ロードセルと指定されたデジタルロードセル2のみがデジタル荷重変換手段と秤機能演算手段を動作させる。他のデジタルロードセル、即ち汎用情報機器16によって子ロードセルと指定されたデジタルロードセル2は、デジタル荷重変換手段のみを動作させ、親ロードセルが秤機能演算を実行するために、デジタル荷重信号を親ロードセルに伝送する。また、親ロードセルは、秤機能演算手段によって各デジタル荷重信号を処理した結果を、汎用情報機器16に伝送する。
【0024】
このようにいずれのデジタルロードセル2を親ロードセルとして作動させるか、子ロードセルとして機能させるかの指定や、秤機能演算手段におけるイニシャル処理を開始させるための指示、スパン調整を行わせるための指示、零点調整を行わせるための指示等は、汎用情報機器16の使用者に対して、デジタルロードセル2のメーカが、各指定や指示に対応させて予め公開しているコード信号を、使用者が汎用情報機器16からデジタルロードセル2に伝送することによって行われる。従って、汎用情報機器16の使用者は、どのように秤機能演算手段を構築するかについての知識を持つ必要がない。
【0025】
デジタルロードセルのデジタル荷重変換手段に対して行うスパン調整について説明する。アナログロードセル4のアナログ荷重信号には、無負荷状態でも、起歪体6に装着されたブリッジの不平衡分の電圧が含まれている。この状態での出力信号を原点として規定のフルスケール荷重負荷を起歪体6に印加したとき、無負荷時とフルスケール荷重負荷時の電圧出力差を負荷荷重のスパン電圧という。デジタルロードセル2において、デジタルロードセル2の無負荷時に、デジタルロードセル2から出力されるデジタル荷重信号と、ロードセルの容量分の重量を持つ基準分銅をロードセル2に印加したときに出力されるデジタル荷重信号との差が、常に基準分銅重量値に等しくなるように、デジタルロードセル2は調整される。これが、デジタルロードセルのスパン調整である。
【0026】
このスパン調整は、例えば図3に示すように行われる。デジタルロードセル2が無負荷時のA/D変換器12のデジタル信号の大きさをwi、フルスケール時のデジタル信号の大きさをwfとする。まず、デジタルロードセル2を無負荷状態とし、CPU14に外部から命令を与えて、wiを記憶させる(ステップS2)。このデジタルロードセル2の使用に規定された容量分の基準分銅をデジタルロードセル2に載荷する(ステップS4)。このとき、A/D変換器12のデジタル信号がwfとなる。スパン係数記憶命令を外部からCPU14に与えると、CPU14は、wfからwiを減算して、その減算値を記憶し(ステップS6)、基準分銅の重量wsを(wf−wi)で除算し、ロードセルスパン係数koを算出し、これを記憶しておく(ステップS8)。
【0027】
A/D変換器12の出力をwadとすると、任意のロードセル負荷荷重に対するデジタル荷重出力値weは、上記のように決めたロードセルスパン係数koを用いて、
we=ko(wad−wi)
と表される。wiはデジタルロードセル2のスパン調整時には記憶する必要があるが、スパン調整後には必ずしも記憶させる必要はない。これは、デジタルロードセル2単体では計量装置ではないので、デジタルロードセル2単体のイニシャル荷重を記憶させてもあまり意味がないからである。そこで、デジタルロードセル2から出力されるデジタル荷重信号には、ブリッジ回路の不平衡電圧成分などロードセルの負荷荷重に直接に関係のない荷重相当分の電気信号も加わった総合のデジタル荷重信号を出力するように、図4に示すように、ko・wadの演算を行ったWe’を出力する(ステップS10)。これを上述した親ロードセルに送信する(ステップS12)。
【0028】
秤機能演算について、まず1台のデジタルロードセル2からなる計量装置を例に説明する。ロードセルを載台に接続したとき、被計量物が載台上にないときでも、ロードセルの無負荷調整時点の荷重信号wiに、載台の重量成分や、載台への付着物、ロードセル調整時点から変動した増幅器のオフセットドリフト成分、ブリッジ回路の不平衡成分が加わり、これがA/D変換器12によってデジタル信号に変換される。ロードセル調整時点の無負荷荷重信号wi以外に加わる荷重成分をwioと置くと、載台に被計量物が存在しない場合のA/D変換器12の出力wadは、
wad=wi+wio
である。従って、デジタル荷重信号We’は、
We’=ko・wad=ko・(wi+wio)
となる。ここで、はかりの調整時点における載台に被計量物が乗っていない状態でのデジタル荷重信号の大きさをイニシャル値Wiと定義すると、Wiは、
We’=ko・(wi+wio)=Wi
となる。重量測定システムは、被計量物の重量のみを表示することが要求されるので、はかりの調整時点においてイニシャル値記憶命令によってCPU14のイニシャル値記憶用メモリにWiを記憶させ、被計量物を載台上に置くことによってロードセルから出力される荷重We2=ko・wadから、はかりの無負荷時のイニシャル荷重Wiを減算することによって被計量物の荷重が求められるようにする。例えば、被計量物の重量をWpとすると、Wpは、
Wp=ko・wad−Wi
として算出される。
【0029】
この実施の形態のように4台のデジタルロードセル2によって載台を指示する場合、4台のデジタルロードセル2の合計出力によって被計量物の負荷荷重が得られる。各デジタルロードセル2におけるデジタル荷重信号を
Wen’=kon・wadn 但し、n=1,2、3、4
としたとき、複数のデジタルロードセル2によって荷重支持された従来の荷重演算方式に倣うと、子ロードセルのデジタル荷重信号は伝送路26を介して親ロードセルに伝送され、親ロードセルにおけるデジタル荷重信号も含めて、4台のデジタルロードセル2からのデジタル荷重信号が親ロードセルによって合計され、計量装置としての荷重信号に表される。
【0030】
各デジタルロードセル2のデジタル荷重信号の合計値をWetとすると、
Wet=We1’+We2’+We3’+We4’
=ko1・wad1+・・・・ko4・wad4
と親ロードセルのCPU14において演算処理する。
【0031】
デジタルロードセル4台分の調整時点におけるイニシャル重量の合計値Witは、載台上に被計量物が存在しないときの4台のデジタルロードセル2のデジタル荷重信号We1’、We2’ We3’ We4’の合計値Wetの値である。この値を外部情報機器16からのイニシャル値記憶命令によって、親ロードセルのCPU14のイニシャル値記憶用メモリに記憶させ、被計量物の重量を
Wet−Wit
として演算する。
【0032】
この差の値は、被計量物の計量値を表現するデータ(表示計量値)を得るための基本データとなる。
【0033】
物体の重量を正しく表すには、基準をなす重量を持つ基準分銅を載台に乗せたとき、基準分銅の重量が、基準分銅によるWet−Witによって表されるようにしなければならない。基準分銅の重量値Wsと、Wet−Witの間に変換係数Ktを設けて、
Ws=Kt・(Wet−Wit)
が成立するように変換係数Ktを定める。このKtを秤機能演算手段において決定する動作がスパン調整である。
【0034】
変換係数Ktを決定した後に、計量装置としての計量値Wqtを、
Wqt=Kt・(Wet−Wit)
と表す。しかし、デジタル指示計を計量器国際基準に準拠させるためには、上述した表示計量値よりも、同じ重量に対してWqtが4倍以上高い分解能を持つようにしなければならない。そのため、A/D変換器12からのデジタル信号が、この基準に対応できるように、表示計量値に対して充分に分解能が高いデジタル荷重値が得られるように、A/D変換器12及びアナログロードセル4を構成しておく。
【0035】
スパンの調整後にも、デジタル荷重信号は電気的、機械的要因によってドリフトするので、無負荷時にWqt≠0になることがある。従って、計量装置として使用できるようにするためには、スパン調整完了後の無負荷状態において零点調整する必要がある。即ち、無負荷状態においてWqtを元にした計量表示値が0になるように調整する。
【0036】
この調整は、次のように行う。即ち、親ロードセルに汎用情報機器16から零点調整命令が与えられたとき、その時点でのWqtの値を親ロードセルのCPU14に付属する零点メモリ回路に記憶させる。零点処理を含んだ内部計量値をWrt、零点メモリに記憶されている荷重値をWztとすると、Wrtは
Wrt=Kt・(Wet−Wit)−Wzt
によって求められる。零点調整命令を受けると、親ロードセルのCPU14は、そのときのWrtの値をWztに記憶させる。これによってWrtの値は、0となる。
【0037】
零点処理機能を含んだ内部計量値Wrtは、それよりも分解能の低い表示計量値へ次のような演算によって変換される。重量測定システムの最小表示量は、0、1、2・・・か、0、2、4、6・・・か、0、5、0,5・・・または、これらの数値に10(mは整数)を乗算した値で増減する。これら最小表示量をC、最小表示量当たりのカウント数(Wrtの値)Dが与えられると、重力測定システムの表示計量値Wdtは、
Wdt=Wrt・C/D
によって算出される。
【0038】
このような秤機能演算手段を、各デジタルロードセル2が有し、汎用情報機器16によって指定されたデジタルロードセル2が親ロードセルとして、秤機能演算手段を動作させる。
【0039】
このような演算や操作を汎用情報機器16から行う場合、図5に示すように、各デジタルロードセル2に公開コードによる命令を送信して、親子ロードセルの設定を行う(ステップS14)。汎用情報機器16において、上述したC、D及び計量装置のスパン調整に使用する基準分銅荷重Ws’を設定する(ステップS16)。汎用情報機器16から親ロードセルに、公開コードを付して、C、D、Ws’を送信する(ステップS18)。ここで、公開コードは、どの値がC、D、Ws’であるかを、親ロードセルが識別できるように付されている。
親ロードセルでは、C、D、Ws’が記憶される(ステップS20)。親ロードセルでは、CPU14が、Ws’の値をスパン算出計算に備えて、
Ws=Ws’・(D/C)
と演算し、CPU14に付属するメモリに記憶する(ステップS22)。
【0040】
スパン調整を行う場合、図6に示すようにスパン調整モード命令の公開されたコード信号を汎用情報機器16から親ロードセルに送信する(ステップS24)。親ロードセルは、スパン調整モードで動作を開始する。調整作業者が、載台に何も乗っていないことを確認して、イニシャル記憶命令を表す予め公開されたコード信号を送信する(ステップS26)。親ロードセルは、この命令を受けると、WetをCPU14に付属するイニシャル値メモリに記憶する(ステップS28)。この記憶によってWet−Witが0になったことを確認して、載台上に基準分銅を載荷する(ステップS30)。なお、Wet−Witが0になったことを汎用情報機器16において確認するために、親ロードセルは、汎用情報機器16に対して、Wet−Witを識別コードを付して送信している。この他に、A/D変換器12のデジタル信号wad、デジタル荷重信号Wen’もそれぞれ識別コードを付して、送信している。
【0041】
分銅が載せられたことを確認した上で、汎用情報機器16からスパン調整命令を表す公開されたコード信号が親ロードセルに送信される(ステップS32)。親ロードセルは、この命令を受けると、Kt=Ws/(Wet−Wit)の演算を行い、スパン係数Ktを算出し、親ロードセルのCPU14に付属するメモリに記憶し(ステップS34)、予め公開されたスパン係数を表す識別コードを付して汎用情報機器16に送信する(ステップS36)。汎用情報機器16では、送信されたKtを不揮発性メモリに記憶し(ステップS38)、親ロードセルを故障等によって交換する際、汎用情報機器16からKtを送信して、再度スパン調整を行う手間を省いている。
【0042】
このようにしてイニシャル荷重の調整、スパン調整が行われた後、図7に示すように、公開されたコード信号によって表される稼働モード命令を汎用情報機器16から親ロードセルに伝送する(ステップS40)。親ロードセルは、上述したようにWrt、Wdtを算出し、これらに識別コードを付して、汎用情報機器16に伝送する(ステップS42)。
【0043】
図8に示すように、汎用情報機器16から公開されたコード信号による零点調整命令が親ロードセルに与えられると(ステップS44)、親ロードセルにおいてそのときのWrtをWztとして記憶させられる(ステップS46)。以後、Wrt及びWdtの値は共に零となる。
【0044】
上記のように親ロードセルにおいて子ロードセルからの荷重信号の合計値によって零点調整を行っていると、各デジタルロードセル2において個別に異なる極性でデジタル荷重信号の変動が生じた場合、相殺して変動量が少なくなり、特定のデジタルロードセルにおいて故障が生じていたり、故障が生じかけていたりしても、それを零点の変動から判別することができない。
【0045】
そこで、親ロードセルにおいて、トータルのイニシャル値Wit以外に、各デジタルロードセル2に対応させて、ロードセルイニシャル値記憶用のメモリwi1、wi2、wi3、wi4を設ける。そして、計量装置としてスパンを調整するときに、イニシャル値記憶命令によって、各デジタルロードセルのイニシャル値の合計値と共に、その時点での各ロードセルからの荷重信号Wen’を、ロードセルイニシャル値として、対応するロードセルイニシャル値記憶用のメモリに記憶させる。
【0046】
この計量装置に電源が供給されるごとに、そのときの各デジタルロードセル2のデジタル荷重信号We1、We2、We3、We4と、これらに対応するロードセルイニシャル値wi1、wi2、wi3、wi4との差の絶対値を算出し、これら絶対値と、予め設定された基準値、例えばイニシャル基準値よりも大きい値のものが存在する場合、そのデジタルロードセル2に故障があるか電源投入時に載台上に物品が存在する旨を表すコード信号を汎用情報機器16に出力する。
【0047】
零点調整についても、同様な処理が行われている。使用中のデジタルロードセルに異常が発生すると、計量装置の零点が変動するので、使用者は零点調整を行う。しかし、この零点の調整量が大きいときには、デジタルロードセル2のいずれかに異常があるとみなす。
【0048】
即ち、イニシャル値と同様に、デジタルロードセル2ごとに、零点の移動量を記憶するロードセル零点移動量メモリを設け、デジタルロードセル2ごとに内部計量値を求める演算式を、wrn=kon・(wen’−win)−wznとすると(但し、wrn=内部計量値、kon=スパン係数、wen’=デジタルロードセル2からのデジタル荷重信号、win=デジタルロードセル2ごとのイニシャル値、wzn=デジタルロードセルごとの零点移動量、nは1乃至4)、秤機能演算手段が、零点調整の命令を汎用情報機器16から受けたとき、wrnは零点変動分を意味する。wrnの値が基準値と比べて大きい場合には、零点調整は無効として警報を出力する。小さい場合には、デジタルロードセル2ごとに零点調整を行う前のwrnの値をwznに累積させる。そして、これらwznの絶対値を、予め定めた基準値、即ち零点変動基準値と比較し、wznの中に基準値以上のものが存在する場合、零点変動基準値以上の変動を生じているデジタルロードセルを特定して、このデジタルロードセルに零点の異常がある旨のコード信号を汎用情報機器16に報知する。このように、1回の零点変動及び累積の零点変動分のそれぞれに警報機能を備える。
【0049】
また、秤演算機能の中には、自動零点調整機能を有するものがある。この機能は、Wrt=Kt・(Wet−Wit)−Wztに対して新たにドリフト量メモリの値Wftを加えて、
|Wrt|=|Kt・(Wet−Wit)−Wzt−Wft|≧d
の条件が成立するなら、|Wrt|=0になる方向に自動的に、第1の基準値であるdをWftに加算または減算するものである。
【0050】
例えば内部計量値4カウントで最小表示量の数値を出力する表示計量値演算の場合、内部計量値が+0、−0、+1、−1の場合、表示計量値は0であるが、表示計量値が0であっても、内部計量値が+1か−1の場合、内部計量値が0になる方向に、d(=1)をWftに加算(−1の場合)、または減算(+1の場合)を行う。或いは、dを加算または減算するのに代えて、Kt・(Wet−Wit)−Wztの値をWftに加減算して、ドリフト量メモリに記憶させる。いずれの場合も、以後、
Wrt=Kt・(Wet−Wit)−Wzt−Wft
の演算を行う。
【0051】
計量装置では、被計量物からの落下物や載台への付着物等で零点が移動するが、この零点の移動は比較的大きい値であるので、ドリフト量メモリにWftとして累積せずに、人為的に零調整しなければならない。一方、デジタルロードセル2における温度や時間ドリフトは徐々に零点を移動させる。その移動量はわずかであるので、自動零補正の機能があれば、ドリフトによる零点移動量はドリフト量メモリにWftとして累積される。Wftの値は、ロードセルの温度、経時特性診断を行うのに好都合であり、例えばWftが、第2の基準値、例えば予め定めた一定値以上に大きくなるときには、いずれかのロードセルに異常が発生していると判定される。
【0052】
そこで、デジタルロードセル2ごとに、ドリフト量メモリWf1、Wf2、Wf3、Wf4を設け、デジタルロードセルごとに、|wrn|=|kon・(wen’−win)−wzn−wfn|≧d(但し、wrn=内部計量値、kon=スパン係数、wen’=デジタルロードセル2からのデジタル荷重信号、win=デジタルロードセル2ごとのイニシャル値、wzn=デジタルロードセルごとの零点変動量、wfn=デジタルロードセル2ごとのドリフト量、nは1乃至4、dは第1の基準値)が満たされるか判断し、満たされたときには、wfnの値にdを、wrnの値が零に近づくように加算または減算するか、wfnの値にkon・(wen’−win)−wznの値を、wrnの値が零に近づくように加算または減算する。
【0053】
そして、各wfnの値のうち予め定めた第2の基準値以上となるものが発生すると、当該デジタルロードセル2が異常である旨を表すコード信号を、汎用情報機器16に送信する。
【0054】
上述したように、1台のロードセルで1つの載台を支持する場合、wiはko・(wi+wio)によって表わされる。4台のロードセルで1つの載台を支持する場合、win(nは1、2、3、4)は、kon(win+wion)であり、各ロードセルの初期荷重値を表わす。ロードセル2を計量装置に組込んだ調整開始時点では、wionは、載台の重量であり、この調整時点での無負荷荷重信号winの値は小さいので、調整開始時点のwinの大きさと、載台の荷重のうち1台のロードセルが負担すると計算上導かれた計算重量値との差の絶対値が予め定めた値よりも大きいか比較することによって、調整時点での各ロードセルの良、不良やロードセルの組込み状態の良、不良を評価できる。
【0055】
なお、上述したような各デジタルロードセル2でのイニシャル値の変動、零点の変動、ドリフト量の変動の演算を親ロードセルで行う場合、安定したデジタル計重信号を使用する必要があるので、各デジタルロードセルでの固有振動数を考慮した時定数を持つデジタルフィルタを通過させた後に、上記演算を行う。一方、計量装置としての計量値を得るためには、計量装置の据え付け場所の床振動等を考慮したデジタルフィルタを通過させてから、計量値を得るための演算を行う。これらデジタルフィルタの選択も、汎用情報機器16から行うことができる。このように秤機能演算手段が、評価手段として機能している。
【0056】
上記の実施の形態では、4台のデジタルフィルタを使用したが、これに限ったものではなく、2台以上のデジタルフィルタを使用することができる。また、上記の実施の形態では、各デジタルフィルタ2によって載台を支持したが、載台に限ったものではなく、例えばホッパ等の物品収容槽を支持するように構成することもできる。また、上記の実施の形態では、親ロードセルにおいて、各デジタルロードセル2でのイニシャル値の変動、零点の変動、ドリフト量の変動の演算を行ったが、例えば各子ロードセルにおいて個別に行うこともできるし、秤演算手段が、例えばデジタル指示計に組み込まれ、各デジタルロードセルからはデジタル荷重信号が出力されるだけの場合には、デジタル指示計において、各デジタルロードセル2でのイニシャル値の変動、零点の変動、ドリフト量の変動等の評価手段としての演算を行っても良い。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数のロードセルを使用していても、各ロードセルを評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の重量測定システムのブロック図である。
【図2】図1の重量測定システムで使用しているデジタルロードセル及びそれの変形例を示す図である。
【図3】図1の重量測定システムにおけるデジタルロードセルでのスパン調整のフローチャートである。
【図4】図1の重量測定システムにおけるデジタルロードセルでのデジタル荷重信号の出力のフローチャートである。
【図5】図1の重量測定システムにおける初期設定のフローチャートである。
【図6】図1の重量測定システムにおけるスパン調整のフローチャートである。
【図7】図1の重量測定システムにおける重量測定のフローチャートである。
【図8】図1の重量測定システムにおける零点調整のフローチャートである。
【符号の説明】
2 デジタルロードセル
4 アナログロードセル
6 起歪体
8 ストレインゲージ
12 A/D変換器
14 CPU
16 通信装置

Claims (4)

  1. 被計量物支持体を介して被計量物の重量が印加される複数のロードセルと、
    これらロードセルからの荷重信号に基づいて前記被計量物の重量を表す信号を出力する秤演算手段とを、
    具備する計量装置において、
    前記計量装置に電源が供給されたときの前記各ロードセルからの荷重信号に対応する電源供給時初期荷重と、前記計量装置が調整された時点での初期荷重設定用無負荷状態における前記各ロードセルからの荷重信号に対応するロードセル初期荷重とを、用いて、前記各ロードセルの前記電源供給時初期荷重を評価する評価手段具備し、前記計量装置に電源が供給されるごとに、前記評価手段が前記電源供給時初期荷重を評価する
    計量装置。
  2. 被計量物支持体を介して被計量物の重量が印加される複数のロードセルと、
    これらロードセルからの荷重信号に基づいて前記被計量物の重量を表す信号を出力する秤演算手段とを、
    具備する計量装置において、
    初期荷重値設定用無負荷状態における前記各ロードセルの荷重信号に対する初期荷重値が零点調整する時点において変動した分である零点変動分を用いて、前記各ロードセルの前記初期荷重値の変動を評価する評価手段が設けられている計量装置。
  3. 被計量物支持体を介して被計量物の重量が印加される複数のロードセルと、
    これらロードセルからの荷重信号に基づいて前記被計量物の重量を表す信号を出力する秤演算手段とを、
    具備する計量装置において、
    初期荷重値設定用無負荷状態における前記各ロードセルの荷重信号に対する初期荷重値が、零点調整する時点において変動した分である零点変動分の、その零点調整時点における累積値を用いて、前記各ロードセルの前記初期荷重値の変動を評価する評価手段が設けられている計量装置。
  4. 請求項3記載の計量装置において、前記評価手段は、前記各累積値中に予め定めた基準値以上のものが存在するとき、出力信号を発生する計量装置。
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