JPH11311564A - ロードセル秤 - Google Patents

ロードセル秤

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JPH11311564A
JPH11311564A JP10120489A JP12048998A JPH11311564A JP H11311564 A JPH11311564 A JP H11311564A JP 10120489 A JP10120489 A JP 10120489A JP 12048998 A JP12048998 A JP 12048998A JP H11311564 A JPH11311564 A JP H11311564A
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JP
Japan
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temperature
load cell
characteristic data
span
temperature characteristic
Prior art date
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Pending
Application number
JP10120489A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Nishiyama
義久 西山
Masatoshi Nochi
雅寿 野知
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Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
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Publication date
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  • Indication And Recording Devices For Special Purposes And Tariff Metering Devices (AREA)
  • Measurement Of Force In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロードセルとアナログデジタル変換器とを任
意に組み合わせ、あるいは交換しても、スパンとゼロ点
の温度変化を許容範囲内に納めることを容易にする。 【解決手段】 ゼロ点及びスパンについてのロードセル
1及びアナログデジタル変換器(プリント基板10)の
温度特性データを例えばバーコード102a,bに表現
し、バーコード102a,bの読み取りによってそれぞ
れの温度特性データを入力できるようにしておき、入力
されたそれぞれの温度特性データに基づく単一の温度特
性データに基づいて温度係数を求め、この温度係数とロ
ードセル1及びアナログデジタル変換器を収納するハウ
ジングに設けられた温度センサの出力とを用いて演算に
よりゼロ点及びスパンについての温度補正値を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロードセルに加
わる荷重によって生じる電圧値に応じた出力により秤量
対象物の荷重を測定するロードセル秤に関する。
【0002】
【従来の技術】〈ロードセル秤の基本構造〉図10は従
来のロードセル秤に使用されているロードセル1の斜視
図である。同図に示すように、従来のロードセル1は、
直方体状の起歪体2に起歪部2aを形成し、この起歪部
2aの表面に、ストレンゲージ抵抗3、4、5、6を貼
着している。符号9は、図示しない秤量皿およびベース
部をロードセル1に取り付けるためのねじ孔である。
【0003】図11に示すように、ロードセル1には起
歪体2に沿って配線用のプリント基板10が取り付けら
れるが、このプリント基板10と前記ストレンゲージ抵
抗3、4、5、6とは電気的に接続されていて、ストレ
ンゲージ抵抗3、4、5、6は図12に示すようにホイ
ートストーンブリッジ回路11を形成する。前記秤量皿
と、この秤量皿に載置される秤量対象物の荷重を受けて
ロードセル1は歪み、このときの歪み量に応じてホイー
トストーンブリッジ回路11の端子12、13間から取
り出される出力電圧により前記秤量対象物の荷重を測定
する。
【0004】<ゼロ点及びスパン補正>ここで、秤量皿
をロードセル1に取り付けた状態で、この秤量皿に秤量
対象物は載置していない状態、すなわち秤量対象物の荷
重がゼロであるとみなされるときのホイートストーンブ
リッジ回路11の出力をゼロ点という。また、そのロー
ドセル秤で秤量可能な最大荷重が加えられたときのホイ
ートストーンブリッジ回路11のゼロ点を基準としたと
きの出力の大きさをスパンという。このようなゼロ点
(絶対ゼロ点)及びスパンは、ロードセル秤で秤量対象
物の荷重を測定するためには、予めゼロ点(絶対ゼロ
点)係数及びスパン係数として設定しておく必要があ
る。この設定は、従来、次のようにして行なっていた。
【0005】すなわち、従来のロードセル秤ではゼロ
点、スパン係数の設定モードがあり、所定のファンクシ
ョンキーの操作により、まず、このゼロ点、スパン係数
の設定モードを呼び出す。そして、このモードにおい
て、所定のキー操作を行なうことにより、初荷重、すな
わち秤量皿に秤量対象物が何も載せられていない状態で
のホイートストーンブリッジ回路11の出力の大きさ
を、ロードセル秤のマイクロコンピュータが不揮発性メ
モリ(いずれも図示せず)に記憶させる。このときの出
力の大きさがゼロ点である。次に、このロードセル秤の
定格荷重の分銅を秤量皿に載せて、そのときのホイート
ストーンブリッジ回路11の出力の大きさを定格荷重と
して記憶させる。そして、前記した両出力の大きさの差
を求め、この求めた値がスパンとなる。さらに、定格荷
重(グラム表示)を、この求めたスパンで除算すること
により、スパン係数を求める。この求めたスパン係数
は、不揮発性メモリに記憶させて、実際の秤量作業で利
用する。すなわち、秤量対象物を測定したときのスパン
に、このスパン係数を乗算することで、秤量対象物の荷
重のグラム表示を求めることができる。
【0006】<ゼロ点及びスパンの温度依存性>一方、
ゼロ点やスパンは、温度条件により変動する。これは、
前記ストレンゲージ抵抗3、4、5、6の抵抗値や、ア
ルミニウムやステンレス製の起歪体2の弾性率(ヤング
率)が、温度により変わるからである。
【0007】そのため、従来のロードセル1は、図10
ないし図12に示すように、起歪体2にスパン温度補正
抵抗7及びゼロ点温度補正抵抗8を形成している。この
スパン温度補正抵抗7及びゼロ点温度補正抵抗8は、図
12に示すようにホイートストーンブリッジ回路11の
回路要素として接続されているものである。すなわち、
スパン温度補正抵抗7及びゼロ点温度補正抵抗8は、抵
抗温度係数が比較的大きな薄膜抵抗であり、その抵抗値
の温度変動により、温度変動に基づくゼロ点やスパンの
変動を許容範囲内に抑えるものである。スパン温度補正
抵抗7及びゼロ点温度補正抵抗8によるゼロ点及びスパ
ン変動の抑制について、以下、より詳細に説明する。
【0008】ホイートストーンブリッジ回路11に直流
電圧VEを印加したときの、端子12、13間の出力電
圧Vdeは、 Vde=VE×{Rg/(Rs+Rg)} ×{R3/(R3+R4)−R2/(R1+R2+Rz)} ……(1) と表わされる。
【0009】但し、R1、R2、R3、R4は、各々ス
トレンゲージ抵抗3、4、5、6の抵抗値、Rgは図1
2のa、b間の合成抵抗値、Rsはスパン温度補正抵抗
7の抵抗値、Rzはゼロ点温度補正抵抗8の抵抗値であ
る。
【0010】次に、ロードセル1に荷重を加えたときの
Vdeの変化分ΔVdeは、 ΔVde=VE×{Rg/(Rs+Rg)}×(ΔRg/Rg)……(2) と表わされる。
【0011】但し、ΔRgはRgの荷重による変化分で
あり、R1=R2=R3=R4=Rgであるものとす
る。
【0012】ここで、ロードセル1の感度Kの定義に従
って、ΔRg/Rgを用いて示すと、ストレンゲージ抵
抗3、4、5、6の長さLの荷重による変化分をΔLと
して、 K=(ΔRg/Rg)/(ΔL/L) であり、これは、 ΔRg/Rg=K×(ΔL/L) となる。
【0013】そのため、(2)式は、 ΔVde=VE×{Rg/(Rs+Rg)}×K×(ΔL/L)……(3) となる。
【0014】(3)式の(ΔL/L)はロードセルに加
えた荷重に比例するので、(ΔL/L)を定格荷重Fn
における値とすると、任意の荷重FxにおけるΔVde
の値は、 ΔVde=VE×{Rg/(Rs+Rg)}×K×(Fx/Fn)……(4) となる。
【0015】次に、ロードセル1が無荷重のときには、
抵抗値R1〜R4のバラツキにより電圧が発生する。こ
れをブリッジバランス出力電圧VLBとし、そして、R
zにより発生する電圧をVRzとすると、前記(1)式
は、次の(5)式で表わすことができる。
【0016】 Vde=ΔVde+VLB+VRz =VE×{Rg/(Rs+Rg)} ×{(Fx/Fn)×K+kLB+kRz} ……(5) この(5)式で、 kLB=VLB/[VE×{Rg/(Rs+R
g)}]、 kRz=VRz/[VE×{Rg/(Rs+Rg)}] である。
【0017】このkLBは、ホイートストーンブリッジ
回路11のゼロバランスを示すものである。また、VR
zはゼロ点温度補正抵抗8により発生する電圧である。
【0018】前記(5)式で、温度変化により値が変化
する項は、K、kLB、kRzであるので、これを温度
tの関数として、K(t)、kLB(t)、kRz
(t)と表わすことにすると、K(t)はスパンの温度
変化を生じる要因となり、kLB(t)、kRz(t)
はゼロ点の温度変化を生じる要因となるものである。
【0019】K(t)はロードセル1のヤング率の温度
変化を示すものであり、kLB(t)はR1〜R4の抵
抗値の温度変化で変動し、kRz(t)はRzの温度変
化で変動する。
【0020】以上の説明から明らかなように、スパン温
度補正抵抗7及びゼロ点温度補正抵抗8は、温度により
変動するその抵抗値Rs、Rzにより、K(t)、kL
B(t)、kRz(t)の温度変化を相殺し、スパンと
ゼロ点の温度変化を許容範囲内に納めるための抵抗であ
る。
【0021】そして、従来のロードセル秤を製造するに
あたっては、ホイートストーンブリッジ回路11の出力
電圧の温度特性を測定しつつ、スパン温度補正抵抗7及
びゼロ点温度補正抵抗8にレーザで切り込みを入れるこ
とで抵抗値Rs、Rzを少しずつ大きくなるように調節
するという作業を繰返し、抵抗値Rs、Rzを漸近的に
適正値に近づけるようにしている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年は
ロードセル秤の精度が向上している。そのため、抵抗値
Rs、Rzを前記のような作業で何度も調節する必要が
あり、その作業には熟練を必要とするため、製造コスト
を釣り上げてしまうという課題がある。
【0023】別の課題として、前記した従来のゼロ点、
スパン係数を設定する技術は、ロードセルに分銅を上げ
下げする作業や、キー入力によりゼロ点やスパン係数を
設定する操作が必要であるため、煩雑であるという不具
合がある。
【0024】さらに別の課題として、従来はそれぞれ温
度特性を持つロードセル1とプリント基板10(特にア
ナログデジタル変換器)とを一体とした状態で温度特性
の補正を行なっていた。このために、ロードセル1とプ
リント基板10(例えばアナログデジタル変換器)との
いずれか一方が故障した場合にも両方を一体として同時
に交換しなければならないため、故障の場合の部品コス
トが高くなってしまうという問題もある。
【0025】あるいは、ロードセルとアナログデジタル
変換器(ADC)とが別体となっているようなロードセ
ル秤では、その秤の規格A0(t)を満足するように、
ロードセルとアナログデジタル変換器とのそれぞれの単
独の温度特性をA0(t)/√2以内に調整している。
これは、A0(t)≧√(ロードセルの温度特性)2
(ADCの温度特性)2なので、同共でA0(t)を折半
し、これをA1(t)とすると、 A0(t)≧√A1 2(t)+A1 2(t)=√2A
1 2(t) A1(t)≦A0(t)/√2 となるからである。ところが、このような場合には、ロ
ードセル側とアナログデジタル変換器側とに温度補正を
するための部品が必要でコスト高となり、また、その作
業も煩雑である。
【0026】この発明の目的は、スパン温度補正抵抗や
ゼロ点温度補正抵抗を用いることなしに、スパンとゼロ
点の温度変化を許容範囲内に納めることができるように
して、精度の向上に伴ない上昇するロードセル秤の製造
コストを低減することにある。
【0027】この発明の別の目的は、ロードセルとアナ
ログデジタル変換器とを任意に組み合わせ、あるいは交
換しても、スパンとゼロ点の温度変化を許容範囲内に納
めることを容易にすることである。
【0028】この発明の別の目的は、ゼロ点(絶対ゼロ
点)やスパン係数の設定の作業を不要とし、ロードセル
秤を使いやすくすることにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
印加された荷重に応じた値を出力するロードセルと、ロ
ードセルの出力をデジタル変換するアナログデジタル変
換器と、ゼロ点及びスパンについてのロードセルの温度
特性データとアナログデジタル変換器の温度特性データ
とを入力する温度特性データ入力手段と、ロードセル及
びアナログデジタル変換器を収納するハウジングに設け
られた温度センサと、温度特性データ入力手段によって
入力されたロードセルの温度特性データとアナログデジ
タル変換器の温度特性データとに基づいて単一の温度特
性データを演算により求め、求めた単一の温度特性デー
タに基づいて温度係数を求める温度係数演算手段と、温
度センサの出力と温度係数演算手段によって求められた
温度係数とを用いた演算式に基づく演算により、ゼロ点
及びスパンについての温度補正値を求める温度補正値演
算手段とを備える。
【0030】従って、ロードセルの温度特性データとア
ナログデジタル変換器の温度特性データとを温度特性デ
ータ入力手段によって入力すると、温度係数演算手段に
よって単一の温度特性データが求められ、求めた単一の
温度特性データに基づいて温度係数が求められる。そし
て、温度補正値演算手段によるその温度係数と温度セン
サの出力とを用いた演算式に基づく演算により、ゼロ点
及びスパンについての温度補正値が求められる。これに
より、従来から行われているスパン温度補正抵抗及びゼ
ロ点温度補正抵抗の調節作業が不要となる。また、ロー
ドセルとアナログデジタル変換器との一方のみを交換等
しても、交換したものの温度特性データを温度特性デー
タ入力手段によって入力すると、温度係数演算手段によ
って単一の温度特性データ及びこの単一の温度特性デー
タに基づく温度係数が再度求められ、温度補正値演算手
段によりゼロ点及びスパンについての温度補正値も再度
求められる。よって、ロードセルとアナログデジタル変
換器とを任意に組み合わせ、あるいは交換しても、スパ
ンとゼロ点の温度変化を許容範囲内に納めることが容易
である。
【0031】なお、温度係数演算手段による温度係数の
算出は、例えば、後述の(15)(16)式を用いて、
ゼロ点出力、スパン出力の温度補正値を求め、後述の
(13)(14)式で求めたゼロ点出力、スパン出力を
補正するようにすることができる。
【0032】請求項2記載の発明は、請求項1記載のロ
ードセル秤において、温度特性データ入力手段によって
入力されるロードセル及びアナログデジタル変換器の温
度特性データは、基準温度と基準温度よりも低い温度と
基準温度よりも高い温度との3種類の温度におけるゼロ
点及びスパンのデータであり、温度係数算出手段は、ロ
ードセルの温度特性データとアナログデジタル変換器の
温度特性データとを合成して基準温度と基準温度よりも
低い温度と基準温度よりも高い温度との3種類の温度に
おけるゼロ点及びスパンのデータを温度特性データとし
て求める請求項1記載のロードセル秤。
【0033】従って、ストレンゲージ抵抗の抵抗値に応
じた出力電圧の温度特性曲線が湾曲しているような場合
でも、2つの温度条件だけでゼロ点の出力及びスパンの
出力を測定した場合に比べて、温度特性曲線の特徴をよ
り反映した温度係数を求めることが可能となる。
【0034】なお、温度係数としては、例えば、後述す
る「1.温度係数の算出について」の手法で算出する温
度係数αL、αU、βL、βUを用いることができる。
【0035】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のロードセル秤において、ロードセルとアナログデジ
タル変換器とはコネクタを介して電気的及び構造的に着
脱自在に接続されている。
【0036】したがって、ロードセルとアナログデジタ
ル変換器とをコネクタを介して容易に着脱することがで
きる。
【0037】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
のいずれか一記載のロードセル秤において、ロードセル
には温度特性データをコード化した形態で記録したシン
ボルが付加され、温度特性データ入力手段はそのシンボ
ルを読み取る。
【0038】したがって、温度特性データ入力手段によ
るシンボルの読み取りという簡単な操作によってロード
セルの温度特性データが容易に入力される。
【0039】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
のいずれか一記載のロードセル秤において、アナログデ
ジタル変換器には温度特性データをコード化した形態で
記録したシンボルが付加され、温度特性データ入力手段
はそのシンボルを読み取る。
【0040】したがって、温度特性データ入力手段によ
るシンボルの読み取りという簡単な操作によってアナロ
グデジタル変換器の温度特性データが容易に入力され
る。
【0041】
【発明の実施の形態】この発明の実施の一形態を図1な
いし図9に基づいて説明する。図10〜図12に示す部
分と同一部分は同一符号で示し説明も省略する。
【0042】<ロードセル秤の構造>図1〜図3は、こ
の発明の一実施の形態を示すロードセル秤のロードセル
1を示すものである。この実施の形態では、図1に示す
ように、スパン温度補正抵抗7、ゼロ点温度補正抵抗8
が設けられておらず、これに代えて、図示しないロード
セル秤のケーシングには直列に接続された温度検出用抵
抗21,22が内蔵されている。これらの温度検出用抵
抗21,22は、温度センサ回路23を形成している。
すなわち、この温度センサ回路23は、温度検出用抵抗
21の分圧の温度変化から温度検出するものである。ま
た、ロードセル1とプリント基板10とは、コネクタ1
01によって電気的及び構造的に着脱自在に接続されて
いる。そして、コネクタ101によってロードセル1に
着脱自在に接続されたプリント基板10には、図4に示
すアナログデジタル変換器35(以下、A/D変換器と
略称する)が搭載されている。
【0043】図4は、このロードセル秤の全体的な回路
構成を示すブロック図である。同図に示すように、ロー
ドセル秤に内蔵されたマイクロコンピュータ31は、C
PU、ROM、RAMがバスで接続された周知の構成で
ある。このマイクロコンピュータ31には、EEPRO
M32(記憶手段)、ロードセル秤にデータを入力する
入力装置33、LCDなどのディスプレイ装置34、A
/D変換器35が接続されている。入力装置33として
は、キーボードとバーコードスキャナとが設けられてい
る。切り替えスイッチ36はリレーなどから構成され、
マイクロコンピュータ31の制御信号により動作する。
この切り替えスイッチ36は、アンプ37により増幅さ
れたホイートストーンブリッジ回路11の出力と、温度
センサ回路23の出力との間で、A/D変換器35に対
する入力を切り替えるものである。なお、マイクロコン
ピュータ31、EEPROM32、A/D変換器35、
切り替えスイッチ36、アンプ37、温度センサ回路2
3からなる電子回路部分38はプリント基板10に取り
付けられている。
【0044】マイクロコンピュータ31のROMには、
ロードセル秤の各部を制御するための各種プログラム
や、固定データが格納されている。
【0045】また、EEPROM32には、後述する、
個々のロードセル秤の固有の温度係数や、秤量皿の初荷
重などのデータが格納される。
【0046】<温度係数の算出(温度係数演算手段)>
EEPROM32には所定の温度係数が格納されてい
る。以下では、この温度係数をどのように求めるかにつ
いて説明する。
【0047】温度係数は、入力装置33に設けられたバ
ーコードスキャナによるバーコードの読み取りによって
入力されたロードセル1及びプリント基板10の温度特
性データに基づいて演算される。つまり、本実施の形態
では、ロードセル1とプリント基板10とに、それぞれ
の温度特性データがコード化されたシンボルとしてのバ
ーコード102a,102bが貼付されている。ここ
で、ロードセル1の温度特性データを図5に、プリント
基板10(特にA/D変換器35)の温度特性データを
図6に示す。すなわち、図5に示すように、ロードセル
1のゼロ点とスパンとの出力電圧が、基準温度t2(2
0℃)、基準温度t2より低い第1の温度t1(0
℃)、基準温度t2より高い第2の温度t3(40℃)
で測定され、これがコード化されたバーコード102a
に記録されている。また、プリント基板10のゼロ点と
スパンとの出力電圧が、基準温度t2(20℃)、基準
温度t2より低い第1の温度t1(0℃)、基準温度t
2より高い第2の温度t3(40℃)で測定され、これ
がコード化されたバーコード102bに記録されてい
る。バーコード102a,102bに記録されたロード
セル1及びプリント基板10のゼロ点及びスパンの出力
電圧は、各々、ZF(t)、SF(t)であり、詳細は
図5及び図6の表にそれぞれ示す通りである。
【0048】図5及び図6に示すロードセル1及びプリ
ント基板10の温度特性データ、つまり、ロードセル1
及びプリント基板10のゼロ点及びスパンの出力電圧の
データは、前述したとおり、入力装置33によって入力
される。すると、マイクロコンピュータ31は、ロード
セル1及びプリント基板10のゼロ点及びスパンの出力
電圧のデータを合成し、図7に示すような温度特性デー
タを生成する。つまり、基準温度t2(20℃)でのゼ
ロ点データはZF(t2)+ZA(t2)であり、スパ
ンデータはSF(t2)+SA(t2)である。また、
基準温度t2より低い第1の温度t1(0℃)でのゼロ
点データはZF(t1)+ZA(t1)であり、スパン
データはSF(t1)+SA(t1)である。そして、
基準温度t2より高い第2の温度t3(40℃)でのゼ
ロ点データはZF(t3)+ZA(t3)であり、スパ
ンデータはSF(t3)+SA(t3)である。こうし
て生成された温度特性データがロードセル秤全体での温
度特性データとなる。
【0049】そして、図7の温度特性データからマイク
ロコンピュータ31により、温度係数を計算して求め
る。すなわち、ゼロ点の基準温度t2より低い第1の温
度t1(0℃)での温度係数αLと高い第2の温度t3
(40℃)での温度係数αU、及び、スパンの基準温度
t2より低い第1の温度t1(0℃)での温度係数βL
と高い第2の温度t3(40℃)での温度係数βUを、
次のように求める。
【0050】αL={(ZF(t2)+ZA(t2))
−(ZF(t1)+ZA(t1))/(SF(t2)+
SA(t2))/(t2−t1) αU={(ZF(t3)+ZA(t3))−(ZF(t
2)+ZA(t2))/S(t2)/(t3−t2) βL={(SF(t2)+SA(t2))−(SF(t
1)+SA(t1))/(SF(t2)+SA(t
2))/(t2−t1) βU={(SF(t3)+SA(t3))−(SF(t
2)+SA(t2))/S(t2)/(t3−t2) である。ここに、温度係数算出手段の機能が実行され
る。
【0051】ところで、例えばゼロ点Z(t)の場合、
温度係数を単一の温度係数βで示すこともできる。すな
わち、 β={(ZF(t3)+ZA(t3))−(ZF(t
1)+ZA(t1))}/(SF(t1)+SA(t
1)/(t3−t1) である。
【0052】しかしながら、例えばゼロ点が温度に依存
し、基準温度t2より低い温度及び高い温度では出力電
圧が下降するような温度特性曲線をとる場合、第1の温
度t1と第2の温度t3の平均をとったのでは、そのよ
うな温度特性曲線の特徴を温度係数βに充分に反映する
ことはできない。
【0053】これに対して、基準温度と、この基準温度
より高い温度と、低い温度における測定値を用いて、の
ように複数の温度係数βL、βUを求め、温度特性曲線の
特徴をより充分に反映させることができるので、後述す
る温度補正に及ぼす誤差を小さくすることができる。
【0054】なお、以上のように、ロードセル1及びプ
リント基板10(特にA/D変換器35)のゼロ点とス
パンとの出力電圧を、基準温度t2(20℃)、基準温
度t2より低い第1の温度t1(0℃)、基準温度t2
より高い第2の温度t3(40℃)で測定して各温度特
性データをコード化したバーコード102a,102b
を得、これをロードセル1とプリント基板10とに貼付
しておき、これらのバーコード102a,102bの読
み取りデータに基づいて上記の温度係数を求めるわけで
あるが、この各温度におけるゼロ点とスパンとの出力電
圧は、各温度ごとに同一で短時間の測定期間内のうちに
行なうのが望ましい。そうでないと、各温度での各測定
項目間の相対誤差が増加し、温度補正後の温度特性が悪
くなるからである。
【0055】<温度補正について(温度補正値演算手
段)> .温度補正とは、前記した基準温度、t=t2(℃)
を用いて、他の温度におけるスパン及びゼロ点の値を、
t2(℃)でのスパン及びゼロ点の値に一致させるため
の補正を行なうことである。以下では、この温度補正の
手法について説明する。ここで、説明の便宜上、本来は
ZF(t)+ZA(t)であるゼロ点をZ(t)と、ま
た、本来はSF(t)+SA(t)であるスパンをS
(t)と略称する。
【0056】まず、この実施の形態におけるロードセル
1の特性式を(5)式を基礎にして求めると、(5)式
で、Rs=0、Rz=0とおいて、 Vde=VE×{(Fx/Fn)×K+kLB} ……(6) と表わされる。
【0057】(6)式のFxを秤量皿の荷重fpと、こ
の秤量皿の上に載置される秤量対象物の荷重fxとに分
けて表記すると、 Vde=VE×[{(fp+fx)/Fn}×K+kLB] ……(7) となる。
【0058】さらに、前記のように、K、kLBは温度
特性をもつので、各々K(t)、kLB(t)と表記す
ると、 Vde=VE×[{(fp+fx)/Fn}×K(t)+kLB(t)] ……(8) となる。
【0059】この(8)式から、スパンS(t)、ゼロ
点Z(t)を求めると、 S(t)=VE×(fx/Fn}×K(t) ……(9) Z(t)=VE×{(fp/Fn)×K(t)+kLB(t)} ……(10) となる。
【0060】温度補正を行なうにあたって使用する温度
係数については既に説明した。そして秤量の際の温度t
が基準温度t2より低いときは温度係数αL、βLを、高
いときは温度係数αU、βUを用いて演算し、温度補正を
行なう。しかし、以下の説明では、便宜上、温度係数を
単に、α、βと表記する。
【0061】前記(9)(10)式から、基準温度t2
(℃)のときのスパンS(t2)とゼロ点Z(t2)の
値は、 S(t2)=VE×(fx/Fn}×K(t2) ……(11) Z(t2)=VE×{(fp/Fn)×K(t2)+kLB(t2)} ……(12) となる。
【0062】そこで、t2(℃)を基準として温度変化
量Δtを用いて表わすと、t(℃)=t2(℃)+Δt
(℃)として、 S(t)=S(t2+Δt) =VE×(fx/Fn}×K(t2)×(1+β×Δt) ……(13) Z(t)=Z(t2+Δt) =VE×{(fp/Fn)×K(t2)×(1+β×Δt) +kLB(t2)×(1+α×Δt)} ……(14) (13)(14)式から、温度補正値は、「S(t)−
S(t2)」、「Z(t)−Z(t2)」、として求め
られる。これを、各々、ΔS(t)、ΔZ(t)、とす
ると、ゼロ点、スパンの温度補正値は、 ΔS(t)=VE×(fx/Fn}×K(t2)×(β×Δt) ……(15) ΔZ(t)=VE×{(fp/Fn)×K(t2)×(β×Δt) +kLB(t2)×(α×Δt)} ……(16) となる。
【0063】こうして、ゼロ点及びスパンの温度補正値
が得られ、ここに、温度補正値演算手段の機能が実行さ
れる。
【0064】.前記(16)式で、秤量皿を交換する
と、秤量皿の荷重fpが変化する。このような場合に
は、(16)式で示される、ゼロ点の温度補正値ΔZ
(t)における、 (fp/Fn)×K(t2)×(β×Δt) の項が、変化してしまうので、温度補正を正常に行なう
ことができない。
【0065】この点を解決するため、ホイートストーン
ブリッジ回路11の出力信号をA/D変換器35でA/
D変換するに際し、A/D変換器35の感度Q(t2)
を、 「Q(t2)/(1+β×Δt)」 に変更してからA/D変換すると、(13)(14)式
は、 S(t)/(1+β×Δt)=VE×(fx/Fn)×K(t2) ……(17) Z(t)/(1+β×Δt)=VE×{(fp/Fn)×K(t2) +kLB(t2)×(1+α×Δt)/(1+β×Δt)} ……(18) のようになる。
【0066】この(18)式における、 「(fp/Fn)×K(t2)」、 の項には、 「(1+β×Δt)」 の項を含んでいないため、温度依存性を除去することが
できる。
【0067】従って、温度によるスパンの変化量は、 ΔS(t)=0、 となり、また、 ΔVLB(t)=kLB(t2)×{(1+α×Δt)
/(1+β×Δt)} となって、fpの変化は温度特性に無関係となる。
【0068】.前記(18)式において、ストレンゲ
ージ抵抗3、4、5、6の抵抗値R1、R2、R3、R
4は、経年により湿気でばらばらに変化し、これによっ
て、kLB(t2)が変化して、 「kLB(t2)+k`LB(t2)」 となったときは、ゼロ点の温度補正値ΔZ(t)は、 「k`LB(t2)×{(1+α×Δt)/(1+β×
Δt)}」 の誤差を生じるため、温度特性が悪くなる。
【0069】これを防止するため、予めEEPROM3
2に秤量皿の荷重(初荷重)fpを記憶しておく。この
データにより、ゼロバランスの変化分である、 k`LB(t2)、 を検出できるので、 「k`LB(t2)×{(1+α×Δt)/(1+β×
Δt)}」 も温度補正量に加えることができ、温度特性の悪化を防
止することができる。
【0070】<ロードセル秤による秤量動作>次に、こ
の実施の形態のロードセル秤の秤量の際の動作について
説明する。
【0071】図8は、この実施の形態のロードセル秤の
秤量作業を説明するフローチャートである。
【0072】まず、マイクロコンピュータ31のCPU
は、時間Nが経過したか否かを判断する(ステップS
1)。時間Nは、切り替えスイッチ36を温度センサ回
路23側に切り替えて、温度センサ回路23による温度
測定を行なうインターバル時間間隔であり、予め、例え
ばN1、N2、N3の3種類が用意されていて、この時
間は、N1>N2>N3の関係にある。すなわち、時間
Nが経過したか否かの判断(ステップS1)は、現在設
定されているN1、N2、N3のうちのいずれかの時間
が経過したか否かの判断である。秤量作業の開始時にお
いては、時間Nの初期値N0(例えば、=N2)を用い
て判断する。
【0073】時間Nが経過していないときは、切り替え
スイッチ36をホイートストーンブリッジ回路11側に
切り替えておいて、ホイートストーンブリッジ回路11
の出力検出と、この検出出力と温度センサ回路23によ
る前回の検出出力とに基づいて、ゼロ点、スパンを求
め、秤量のための所定の演算を行なう(ステップS
2)。
【0074】すなわち、ステップS2では、(13)
(14)式〔あるいは、(17)(18)式〕で表わさ
れるアルゴリズムで、ゼロ点Z(t)、スパンS(t)
を求め、これを(15)(16)式で表わされる温度補
正値ΔZ(t)、ΔS(t)(2..の手法を用いる
こともできる)で補正して、このゼロ点、スパンの補正
後の値と、ホイートストーンブリッジ回路11の出力を
用い、周知のアルゴリズムにより秤量対象物の荷重を求
め、これをディスプレイ装置34に表示する。
【0075】時間Nが経過したときは、切り替えスイッ
チ36を温度センサ回路23側に切り替えて温度検出を
行ない、今回の検出温度tn+1と前回の検出温度tnか
ら、現在の時間Nの間の検出温度の単位時間あたりの値
Mを、 (tn+1−tn)/N=M で算出する(ステップS3)。
【0076】この単位時間あたりの値Mについては、こ
の値Mについて、予め設定された値q1、q2(q1<
q2)と比較される(ステップS4、S5、S6)。
【0077】そして、M<q1であるときは、時間Nと
してN1を設定する(ステップS4、S7)。q1≦M
<q2であるときは、時間NとしてN2を設定する(ス
テップS5、S8)。そして、q2≦Mであるときは、
時間NとしてN3を設定する(ステップS6、S9)。
【0078】このように、単位時間あたりの値Mの大き
さにより温度検出のインターバルの時間Nを変化させる
ことで、単位時間あたりの温度変化が大きいときは、温
度測定時間の間隔を小さくして、温度変化に対する温度
補正の追従性を向上させることができ、また、秤量動作
のされていない期間を減少させることができる。
【0079】また、切り替えスイッチ36を用い、ホイ
ートストーンブリッジ回路11からの出力のA/D変換
と、温度センサ回路23からの出力のA/D変換を、別
々のA/D変換器で行なったとすると、ホイートストー
ンブリッジ回路11に入力する電源電圧VEの変化に対
して、A/D変換器自体のスパン、ゼロ点の変化率が異
なってしまう。
【0080】これに対し、この実施の形態では、切り替
えスイッチ36を用い、ホイートストーンブリッジ回路
11からの出力のA/D変換と、温度センサ回路23か
らの出力のA/D変換を、単一のA/D変換器35で行
なう構成としたので、各測定値の間の相対的な誤差を除
去することができる。
【0081】<ゼロ点、スパン係数の設定について>こ
の実施の形態のロードセル秤では、図7に示すような、
ゼロ点ZF(t)+ZA(t)、スパンSF(t)+S
A(t)の演算データがあるため、従来のように、ゼロ
点(絶対ゼロ点)Zk、スパン係数Saの設定の作業は
省略することができる。以下では、この実施の形態のロ
ードセル秤におけるゼロ点Zk、スパン係数Saの設定
について説明する。
【0082】図9は、ロードセル1に加わえられる荷重
(グラム表示)を横軸、ホイートストーンブリッジ回路
11の出力(アンプ37で増幅され、A/D変換器35
でA/D変換されて、マイクロコンピュータ31に入力
されるデジタル値)を縦軸にとって、両者の関係を説明
するグラフである。まず、初荷重、すなわち秤量皿に何
の秤量対象物も載せないときのホイートストーンブリッ
ジ回路11の出力a1がゼロ点Zkである。このゼロ点
Zkとしては、基準温度t2(20℃)におけるゼロ点
ZF(t2)+ZA(t2)の値(図7参照)をそのま
ま用いることができるので、ゼロ点ZF(t2)+ZA
(t2)の値をゼロ点Zkの値として予めEEPROM
32に記憶しておく。
【0083】また、秤量皿に定格荷重の分銅を載せたと
きのホイートストーンブリッジ回路11の出力をa2と
すると、“a2−a1”の値がスパンである。そして、
このスパンの値として基準温度t2(20℃)における
スパンSF(t2)+SA(t2)の値(図7参照)を
そのまま用いることができるので、スパン係数Saは、
次の(19)式を用いて、 Sa=(ZF(t2)+ZA(t2))/(ZF(t2)+ZA(t2)) ……(19) となる。
【0084】そこで、演算処理により求めたゼロ点ZF
(t2)+ZA(t2)及びスパンSF(t)+SA
(t)の値を用いてスパン係数Saを求めておき、この
求めたスパン係数Saの値をEEPROM32に記憶し
ておく。
【0085】実際に秤量対象物の荷重を測定するとき
は、t℃の温度条件で荷重を測定する場合のホイートス
トーンブリッジ回路11の出力の温度補正前の値(デジ
タル値)をCT(t)、このCT(t)の温度補正後の
値をWct(t)とすると、 Wct(t)=CT(t)×Sa ……(20) となる。
【0086】そこで、温度補正後のWct(t)の値を
用い、周知の演算処理を行なって、秤量対象物のグラム
表示の荷重を求めることができる。このように、この実
施の形態のロードセル秤によれば、ロードセルに分銅を
上げ下げする作業や、キー入力操作によりゼロ点やスパ
ン係数を設定する操作を省くことができるので、ゼロ点
やスパン係数の設定の作業を不要とし、ロードセル秤を
使いやすくすることができる。
【0087】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、ゼロ点及びスパ
ンについてのロードセル及びアナログデジタル変換器の
温度特性データをそれぞれ入力することができるように
しておき、入力されたロードセル及びアナログデジタル
変換器のそれぞれの温度特性データに基づく単一の温度
特性データに基づいて温度係数を求め、この温度係数と
ロードセル及びアナログデジタル変換器を収納するハウ
ジングに設けられた温度センサの出力とを用いた演算式
に基づく演算によりゼロ点及びスパンについての温度補
正値を求めるようにしたので、従来の、スパンやゼロ点
調節用の抵抗は不要であるため、これらの抵抗の抵抗値
の煩雑な調整作業を不要とし、製造コストを低減するこ
とができる。また、ロードセルとアナログデジタル変換
器との一方のみを交換等しても、交換したものの温度特
性データを入力するだけで、再度ゼロ点及びスパンにつ
いての温度補正値を求めることができ、ロードセルとア
ナログデジタル変換器とを任意に組み合わせ、あるいは
交換しても、スパンとゼロ点との温度変化を許容範囲内
に納めることが容易であるため、ロードセルとアナログ
デジタル変換器との任意の組み合わせ、及びいずれか一
方だけの交換を行なうことができる。
【0088】請求項2記載の発明は、請求項1記載のロ
ードセル秤において、温度特性データ入力手段によって
入力されるロードセル及びアナログデジタル変換器の温
度特性データは、基準温度と基準温度よりも低い温度と
基準温度よりも高い温度との3種類の温度におけるゼロ
点及びスパンのデータであり、温度係数算出手段は、ロ
ードセルの温度特性データとアナログデジタル変換器の
温度特性データとを合成して基準温度と基準温度よりも
低い温度と基準温度よりも高い温度との3種類の温度に
おけるゼロ点及びスパンのデータを温度特性データとし
て求めるようにしたので、ストレンゲージ抵抗の抵抗値
に応じた出力電圧の温度特性曲線が湾曲しているような
場合でも、2つの温度条件だけでゼロ点の出力及びスパ
ンの出力を測定した場合に比べて、温度特性曲線の特徴
をより反映した温度係数を求めることが可能となり、温
度係数が温度補正に及ぼす誤差を低減し、温度特性を向
上させることができる。
【0089】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のロードセル秤において、ロードセルとアナログデジ
タル変換器とをコネクタを介して電気的及び構造的に着
脱自在に接続したので、ロードセルとアナログデジタル
変換器とをコネクタを介して容易に着脱することができ
る。
【0090】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
のいずれか一記載のロードセル秤において、温度特性デ
ータをコード化された形態で記録したシンボルをロード
セルに付加しておき、温度特性データ入力手段はそのシ
ンボルを読み取るようにしたので、温度特性データ入力
手段によるシンボルの読み取りという簡単な操作によっ
てロードセルの温度特性データを容易に入力することが
できる。
【0091】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
のいずれか一記載のロードセル秤において、温度特性デ
ータをコード化された形態で記録したシンボルをアナロ
グデジタル変換器に付加しておき、温度特性データ入力
手段はそのシンボルを読み取るようにしたので、温度特
性データ入力手段によるシンボルの読み取りという簡単
な操作によってアナログデジタル変換器の温度特性デー
タを容易に入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態であるロードセル秤に
用いるロードセルの斜視図である。
【図2】ロードセルのホイートストーンブリッジ回路の
回路図である。
【図3】ロードセルの温度センサ回路の回路図である。
【図4】全体のブロック図である。
【図5】温度特性データ求める際のデータ項目を示す表
である。
【図6】温度特性データ求める際のデータ項目を示す表
である。
【図7】温度特性データの表である。
【図8】ロードセル秤で秤量する場合の動作を説明する
フローチャートである。
【図9】ロードセルに加わえられる荷重に対する、ホイ
ートストーンブリッジ回路の出力を説明するグラフであ
る。
【図10】従来のロードセルの斜視図である。
【図11】従来のロードセルにプリント基板を取り付け
たときの斜視図である。
【図12】従来のロードセルのホイートストーンブリッ
ジ回路の回路図である。
【符号の説明】
1 ロードセル 2 起歪体 3、4、5、6 ストレンゲージ抵抗 21 温度センサ 23 温度センサ(温度センサ回路) 35 アナログデジタル変換器 101 コネクタ 102a,b シンボル(バーコード)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印加された荷重に応じた値を出力するロ
    ードセルと、 前記ロードセルの出力をデジタル変換するアナログデジ
    タル変換器と、 ゼロ点及びスパンについての前記ロードセルの温度特性
    データと前記アナログデジタル変換器の温度特性データ
    とを入力する温度特性データ入力手段と、 前記ロードセル及び前記アナログデジタル変換器を収納
    するハウジングに設けられた温度センサと、 温度特性データ入力手段によって入力された前記ロード
    セルの温度特性データと前記アナログデジタル変換器の
    温度特性データとに基づいて単一の温度特性データを演
    算により求め、求めた単一の温度特性データに基づいて
    温度係数を求める温度係数演算手段と、 前記温度センサの出力と前記温度係数演算手段によって
    求められた温度係数とを用いた演算式に基づく演算によ
    り、前記ゼロ点及び前記スパンについての温度補正値を
    求める温度補正値演算手段と、を備えるロードセル秤。
  2. 【請求項2】 温度特性データ入力手段によって入力さ
    れるロードセル及びアナログデジタル変換器の温度特性
    データは、基準温度と基準温度よりも低い温度と基準温
    度よりも高い温度との3種類の温度におけるゼロ点及び
    スパンのデータであり、温度係数算出手段は、前記ロー
    ドセルの温度特性データと前記アナログデジタル変換器
    の温度特性データとを合成して基準温度と基準温度より
    も低い温度と基準温度よりも高い温度との3種類の温度
    におけるゼロ点及びスパンのデータを温度特性データと
    して求める請求項1記載のロードセル秤。
  3. 【請求項3】 ロードセルとアナログデジタル変換器と
    はコネクタを介して電気的及び構造的に着脱自在に接続
    されている請求項1又は2記載のロードセル秤。
  4. 【請求項4】 ロードセルには温度特性データをコード
    化した形態で記録したシンボルが付加され、温度特性デ
    ータ入力手段はそのシンボルを読み取る請求項1ないし
    3のいずれか一記載のロードセル秤。
  5. 【請求項5】 アナログデジタル変換器には温度特性デ
    ータをコード化した形態で記録したシンボルが付加さ
    れ、温度特性データ入力手段はそのシンボルを読み取る
    請求項1ないし4のいずれか一記載のロードセル秤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007139768A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Mettler-Toledo Ag 力測定デバイスの状態を監視および/または決定する方法および力測定デバイス
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WO2022153565A1 (ja) * 2021-01-18 2022-07-21 オムロン株式会社 情報処理装置、情報処理装置の制御方法および情報処理装置のプログラム

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