JPH0769232B2 - ロ−ドセルの温度補償方法及びその装置 - Google Patents

ロ−ドセルの温度補償方法及びその装置

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JPH0769232B2
JPH0769232B2 JP3674087A JP3674087A JPH0769232B2 JP H0769232 B2 JPH0769232 B2 JP H0769232B2 JP 3674087 A JP3674087 A JP 3674087A JP 3674087 A JP3674087 A JP 3674087A JP H0769232 B2 JPH0769232 B2 JP H0769232B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 開示技術は、計量装置の重量センサとして使用される歪
ゲージ式ロードセルの温度による出力変化を補償する計
測技術利用分野に属する。
(従来技術) 最近の電子秤や組合せ計量装置等の電子式の計量装置で
は、カンチレバー式の起歪体に歪ゲージを付設し、該歪
ゲージでブリッジ回路を形成して荷重に比例した電気信
号を出力させるようにしたロードセルが広く採用されて
いる。
このロードセルは、周知の如く、構造が簡単で信頼性が
高く高精度な出力が得られる反面、周囲温度によってそ
の出力が変化することが知られている。これは、周囲温
度が変化すると、起歪体のヤング率ら歪ゲージの抵抗値
等が変化し、これによってロードセルの出力スパンが変
化するからであり、また歪ゲージが同じ品種、同じロッ
トであっても、歪ゲージ間に存在する僅かな抵抗値温度
特性の差(温度係数のバラツキ)によって歪ゲージのブ
リッジ回路の零点が変化するからである。
このため、精度が要求される計量装置では、かかる出力
変化に対する種々の温度補償がなされて来ている。例え
ば、前者のロードセルの出力スパン変化に対しては、 (1) ブリッジ回路の入力側に感温抵抗を直列に接続
して、ブリッジ回路に対する入力電圧を温度によって変
化させ、これによりロードセルの出力スパン変化を相殺
させる方法。
(2) ブリッジ回路の出力側に接続された増幅回路の
入力抵抗をロードセル近傍に取り付けて、ロードセル出
力のスパン変化を増幅回路の温度による増幅率変化によ
って補償する方法。
(特願昭61−202911号,特願昭61−238424号)等が知ら
れており、また後者の零点変化に対しては、 (3) ブリッジ回路の一辺に温度補償抵抗を挿入して
ゲージ間の温度係数を補正する方法。
(4) 計量装置が無載荷である時のロードセル出力を
零点として記憶更新する方法。
等が知られている。
このうち、(1),(2)の方法は、起歪体のヤング率
と歪ゲージのゲージ率とがロット毎にほぼ一定となるの
で、ブリッジ回路や増幅回路等に接続する感温抵抗値
は、一種類で足りるメリットがあるが、(3)の方法
は、歪ゲージ間の抵抗温度特性のバラツキが一品毎に異
なるので、一個づつ温度試験を行って抵抗値を決定しな
ければならない煩わしさがあり、またそれをブリッジ回
路のアンバランスな一辺へ挿入して半田付けしなければ
ならない煩わしさもある。これに対し(4)の方法は、
ソフトウェアで対処できるので、かかる煩瑣な手作業は
省略できるメリットがある。しかし、この方法では、計
量装置が無載荷状態の時にしか補正できないので、無荷
状態が長時間に亘って持続することがある組合せ計量装
置では、適用し難い難点がある。
そこで最近では、特開昭57−157113号,特開昭59−2020
31号,特開昭60−79224号,特開昭60−79230号,特開昭
61−221613号等で見られるように、ロードセルの近傍に
温度センサを設け、該センサによる検出温度に基づいて
ロードセルの出力スパン変化や零点変化を、高精度に且
つ簡単に補正する技術が開発されて来ている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来のロードセル温度を検出する方法で
は、特に高精度に温度補償された測定回路や温度センサ
が必要となるので、コスト高になるという問題があり、
また複数の計量機で構成される組合せ計量装置では、各
計量機毎に高価な温度測定装置を設けなければならない
ので、かかるコスト高は一層深刻な問題となる。
(発明の目的) この発明の目的は、上述問題点を解決すべき技術的課題
とし、ロードセルの出力スパン変化を高精度に補正でき
る既設の感温抵抗を、ロードセル温度を検出する温度セ
ンサとして使用できるようにし、さらには、ロードセル
の信号処理回路を、温度センサの出力信号を処理する信
号処理回路として使用できるようにして、高価で高精度
な温度測定装置を設けなくても、ロードセルの温度によ
る出力変化を高精度に補償することができるようなロー
ドセルの温度補償方法並びにその方法の実施に使用する
装置を提供せんとするものである。
(問題点を解決するための手段・作用) 上述目的を解決するためのこの発明の構成は、 (1) 歪ゲージからなるブリッジ回路の入力側に感温
抵抗を直列接続し、該感温抵抗の温度による端子間電圧
の変動でロードセルの出力スパン変化を補償するととも
に、上記ブリッジ回路の入力電圧をスイッチ手段を介し
て取り出し、取り出した電圧をブリッジ回路の信号処理
回路に入力して、或いは別に設けた温度測定装置の信号
処理回路に入力して、その入力電圧と上記感温抵抗の温
度特性とからロードセル温度を算出するようにする。
(2) またはロードセルの増幅回路の入力抵抗をロー
ドセルの起歪体に付設するとともに、ロードセル温度に
よる入力抵抗値変化によって上記増幅回路の増幅率を変
化させ、これによってロードセルの出力スパン変化を補
正するようにし、さらに上記増幅回路にスイッチ手段を
介して一定電圧を入力させ、その時に現れる増幅回路の
温度による出力変化からロードセル温度を算出するよう
にする。
こうしてロードセル温度が算出されると、当該ロードセ
ル温度と上記ブリッジ回路の出力温度特性とから、その
温度におけるロードセルの零点変化量を算出し、算出し
た変化量でもってロードセルの出力変化を補正して、よ
り少ない部品点数で高精度に温度補償ができるようにし
た技術的手段を講じたものである。
(実施例) 次にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
〔第1実施例の構成〕 第1,2図は、ロードセルのブリッジ回路1の入力側に感
温抵抗2を直列接続し、該感温抵抗2の抵抗値変化でロ
ードセルのブリッジ回路1の温度変化に対する出力スパ
ン変化を補償するようにした態様の構成説明図である。
これらの図において、ブリッジ回路1は、図示しない周
知構成の起歪体に薄膜生成プロセスにより形成された4
個の歪ゲージ3・・3により形成されており、また上記
感温抵抗2は、これらの歪ゲージ3・・3の温度係数よ
りもはるかに大きな温度係数の銅やニッケル、或いはチ
タン等の薄膜パターンで形成され、その抵抗値は、ブリ
ッジ回路1の温度による出力スパン変化を相殺し得る値
に設定されている。また、上記ブリッジ回路1の出力
は、第1図では直接的に、第2図ではスイッチ手段5を
介してそれぞれの増幅回路4に入力され、さらにその増
幅回路4の出力は、ローパスフィルタ回路6に入力され
て、入力信号に含まれるノイズ成分を殆ど無視し得る程
度に減衰させるように設計されている。また、上記フィ
ルタ回路6の出力は、第1図ではマルチプレクサ7を介
して、第2図では直接的にそれぞれのA/D変換器8に入
力されており、さらにそのデジタル出力は、マイクロコ
ンピュータ9に入力されて、所定の作業に供されるよう
にされている。
一方、上記ブリッジ回路1の入力電圧は、第1図ではス
イッチ5′手段と独立の増幅回路4′とを介してマルチ
プレクサ7に入力され、第2図では分圧回路10とスイッ
チ手段5とを介して増幅回路4に入力されている。そし
て、上記分圧回路10は、温度に左右されないように精密
抵抗で構成されて、ブリッジ回路1の入力電圧に対して
所定の分圧電圧が出力されるようにされている。また、
第1図のスイッチ手段5′は、マイクロコンピュータ9
から出力される切換信号SによってON,OFF制御され、さ
らに第2図のスイッチ手段5は、この切換信号Sによっ
てa接点側とb接点側とに切換制御されるように構成さ
れている。
そして、ロードセルの零点変化の補償に際しては、上記
感温抵抗2がロードセル温度を検出する温度センサとし
て使用され、またその温度センサの出力は、前述の増幅
回路4、ローパスフィルタ回路6、A/D変換器8等の既
設の信号処理回路を関して処理されて、新たな温度セン
サや専用の信号処理回路等は、不要となるように設計さ
れている。
また、第1図の増幅回路4は、高入力型差動増幅器、或
いは特開昭57−207831号で開示したような演算増幅器で
構成され、また第1図の増幅回路4′と第2図の増幅回
路4は、高入力難差動増幅器で構成されている。
〔第1実施例の作用〕 次に上述各態様の作用とその各態様における温度補償方
法とについて説明する。
◎ 出力スパンの温度補償について 上述構成において、電源が投入されると、ブリッジ回路
1と感温抵抗2との直列回路には、温度に左右されない
励起電圧Vexが印加され、また上記ブリッジ回路1から
は、起歪体の歪量に比例する電圧が出力される。そし
て、通常の使用状態においてロードセル温度が次第に上
昇して行くと、起歪体のヤング率の減少や歪ゲージの抵
抗値の変化によって起歪体や歪ゲージの歪量が増加し、
その結果、ブリッジ回路1の出力は、第3図に示すよう
にロードセルの温度上昇と共に上昇して行く。即ち、荷
重とロードセル出力との関係において当該ロードセルの
出力スパンが増加して行く。また感温抵抗2の抵抗値も
温度上昇と共に上昇して行く。しかし、感温抵抗2の抵
抗値変化は、ブリッジ回路1のそれよりもはるかに大き
いので、ブリッジ回路1の入力電圧は、ロードセルの温
度上昇と共に下降し、その結果、入力電圧の下降だけに
よって生じるブリッジ回路1の出力は、第4図のように
下降する。
ところが、感温抵抗2の抵抗値は、第3図の上昇率と第
4図の降下率とが、ほぼ等しくなるように設計されてい
るので、ブリッジ回路1の出力端においては、これらの
スパン変化が相殺された温度には影響されない出力とな
って現れる。また、ロードセル温度が下がる場合は、上
述とは逆の作用によって同様に温度による出力変化が相
殺される。したがって、この態様においては、ロードセ
ルの出力スパンは、ブリッジ回路1の出力端において、
電気的に完全に温度補正されたものとして出力される。
◎ 零点の温度補償について 一方、かかる計量モードにおいては、マイクロコンピュ
ータ9の制御により第1図のスイッチ手段5′はオープ
ン状態に、マルチプレクサ7はフィルタ回路6側に、第
2図のスイッチ手段5はa接点側にそれぞれ設定され
て、ブリッジ回路1の出力は、増幅回路4,フィルタ回路
6,A/D変換器8等の信号処理回路を介してマイクロコン
ピュータ9に入力され、そこで所定の演算処理が実行さ
れて重量が算出される。そして、電子秤においては、電
源投入直後の初期状態の時に入力した値が、秤の零点と
して記憶され、また組合せ計量装置においては、零点調
整の際に入力した無負荷時のブリッジ回路の出力が、秤
の零点として記憶される。
ところが、この秤の零点は、温度によって変動すること
は前述の通りであるので、マイクロコンピュータ9は、
次のような原理に基づき定期、不定期に上記零点の温度
補償を実行して行く。
=零点補償の原理= ブリッジ回路1の入力電圧は、ロードセル温度によって
変化することは、前述の通りであるが、その感温抵抗2
の温度係数は、歪ゲージ3の温度係数と比べると数百倍
から千倍程大きいので、この感温抵抗2の温度係数をα
とすると、上記入力電圧Vは、概ね次のようになる。
V≒Vo(1−αt) ……(1) 但し、Voは、0℃におけるブリッジ回路1の入力電圧
で、その値は、励起電圧Vexと歪ゲージ3の抵抗値と0
℃における感温抵抗2の抵抗値とから算出され、またVo
やαは、何れも設計段階で決まる既知の値である。した
がって、ブリッジ回路1の入力電圧Vが測定されれば、
前記(1)式からロードセル温度tが算出され、これに
基づいて、例えば特開昭61−221613号に開示された方法
で零点を補償することができるし、また事前に求めたブ
リッジ回路1の零点の温度特性からその零点変化を補償
することもできる。
それは、ブリッジ回路1の零点の温度特性が、第5図に
示すようにほぼ直線的に変化するので、この直線の一次
式 ΔV=ΔVo(1+βt) ……(2) を事前に求めておくことにより、前記(1)式で求めた
温度tと、この(2)式とから温度tにおける零点変化
量ΔVを算出することができ、この変化量ΔVをロード
セル出力から減算することによってロードセルの零点を
補償することができるのである。尚、βはブリッジ回路
1の温度係数である。
=零点補償の手順= そこで、上記マイクロコンピュータ9には、この(1)
式と(2)式とが予め記憶されており、零点の補償に際
しては、次のステップを実行して零点を補償して行く。
まず、零点を補償するタイミングになると、マイク
ロコンピュータ9は、スイッチ手段5,5′に切換信号S
を送信する。これにより、第1図では、スイッチ手段
5′が閉じられ、マルチプレクサ7が増幅回路4′側に
接続されて、ブリッジ回路1の入力電圧は、増幅回路
4′に入力される。また第2図では、スイッチ手段5が
b接点側に設定されて、ブリッジ回路1の入力電圧に比
例する電圧が増幅回路4に入力される。そして、これら
の増幅回路出力は、第1図では、マルチプレクサ7,A/D
変換器8を介してマイクロコンピュータ9に入力され、
第2図では、フィルタ回路6,A/D変換器8を介してマイ
クロコンピュータ9に入力される。
次にマイクロコンピュータ9は、この入力電圧と前
述の(1)式とからロードセル温度tを求め、続いてこ
の温度tを前述の(2)式に代入して当該温度tにおけ
る零点変化量ΔVを求める。
次にマイクロコンピュータ9は、この変化量ΔV
を、所定の換算率でもってデジタル値に変換し、その値
を記憶している秤の零点から減算してロードセルの温度
による零点変化を補正する。これにより、秤の零点は、
温度に左右されない値に設定される。
そして、こうした零点の温度補償は、ロードセル温度が
変化したと考えられる所定タイミングで定期、不定期に
行われ、その都度、記憶している秤の零点が補正され更
新されて行く。
〔第2実施例の構成〕 第6図は、ロードセルの出力側に接続された増幅回路40
の入力抵抗20を起歪体に付設し、この入力抵抗20のロー
ドセル温度による抵抗値変化で上記増幅回路40の増幅率
を変化させ、これによってロードセルの出力スパン変化
を補正するようにした態様の構成説明図である。
この図において、ブリッジ回路1,ローパスフィルタ回路
6,A/D変換器8,マイクロコンピュータ9等は、第1,2図に
示したものと同一態様のものであるが、増幅回路40は、
温度特性の極めて良い精密抵抗からなる周知構成の高入
力型差動増幅器で構成され、またその入力抵抗20は、温
度係数が正で且つ大きく、直線性に優れた金属で形成さ
れて、ロードセル温度を検出するようにされている。ま
た、この増幅回路40の両入力端とブリッジ回路1の両出
力端との間には、マイクロコンピュータ9からの切換信
号Sで開閉される第1のスイッチ手段50,50が接続さ
れ、さらにこの増幅回路40の両入力端と励起電圧Vexが
印加される分圧回路10′との間には、同じくマイクロコ
ンピュータ9からの切換信号Sでの開閉される第2のス
イッチ手段50′,50′が接続されている。そして、上記
分圧回路10′は、温度特性の良い精密抵抗で形成されて
温度には左右されない所定の一定電圧が出力されるよう
にされている。
一方、この増幅回路40の増幅率αは、帰還抵抗の抵抗値
をRf,Rf′、入力抵抗20の抵抗値をRsとすると、 α=1+{(Rf+Rf′)/Rs} ……(3) として表される。したがって、温度が上昇すると入力抵
抗20の抵抗値Rsが増加し、その結果、増幅率αが減少し
て、温度上昇によって生じるブリッジ回路1の出力上昇
は、この増幅率αの減少によって押さえることができ
る。
そこで、入力抵抗20の抵抗温度特性は、温度上昇による
増幅率αの減少率と、ブリッジ回路の出力の上昇率とバ
ランスするように設定されており、これによりブリッジ
回路1の温度による出力変化は、増幅回路40の出力端に
おいてほぼ完全に相殺されるのである。
〔第2実施例の作用〕 次に上述態様の作用とその温度補償方法とについて説明
する。
◎ 出力スパンの温度補償について 上述構成において、電源が投入されると、ブリッジ回路
1には、温度に左右されない一定の励起電圧Vexが印加
され、続いてマイクロコンピュータ9による初期設定が
行われて、第1のスイッチ手段50,50は閉じた状態に、
第2のスイッチ手段50′,50′はオープン状態にそれぞ
れ設定される。そして、ブリッジ回路1の出力は、増幅
回路40、ローパスフィルタ回路6、A/D変換器8を介し
てマイクロコンピュータ9に入力され、所定の演算処理
が実行されて重量が算出される。こうして設定サイクル
でブリッジ回路1の出力が入力され、重量が算出されて
所定の演算処理が実行されて行く。
一方、かかる計量モードにおいてロードセル温度が次第
に上昇して行くと、起歪体のヤング率の減少や歪ゲージ
の抵抗値変化によって起歪体や歪ゲージの歪量が増加
し、その結果、ブリッジ回路1の出力は、第3図に示す
ようにロードセルの温度上昇とともに上昇して行く。
ところが、前述のように増幅回路40の増幅率αは、逆に
減少して行くので、増幅回路40の出力端においては、温
度に左右されない出力が現れ、またロードセル温度が下
がる場合は、上述とは逆の作用によって同様に温度に左
右されない出力が現れる。したがって、ロードセルの温
度による出力スパン変化は、増幅回路40の出力端におい
て電気的に完全に補正されたものとなる。
◎ 零点の温度補償について 一方、マイクロコンピュータ9は、設定プログラムによ
り、ロードセル温度が変化したと考えられる所定タイミ
ングで、定期、不定期にスイッチ手段50,50,50′,50′
に切換信号Sを送信し、これにより第1のスイッチ手段
50,50をオープン状態に、第2のスイッチ手段50′,50′
を閉状態にそれぞれ設定する。
こうして補正モードに設定されると、増幅回路40には分
圧回路10′で形成された温度には左右されない一定電圧
が入力され、その入力電圧に比例する信号は、フィルタ
回路6、A/D変換器8を介してマイクロコンピュータ9
に入力される。そして、マイクロコンピュータ9は、次
のような原理に基づいて零点の温度補償を実行して行
く。
=零点補償の原理= ここで、増幅回路40の出力Voは、その各抵抗値を第7図
のように表すと次のようになる。
但し、Rf=Rf′としており、またRsoは0℃における入
力抵抗20の抵抗値、αsはその温度係数である。そし
て、ある温度tにおける入力抵抗20の抵抗値Rsは、 Rs=Rso(1+αst) ……(5) として表される。
一方、上記(4)式において、Ra,Rb,Rf,Rso,αs,Vex
は、何れも設計段階において決定される既知の値であ
り、またVoは、上記補正モードにおいて測定される値で
ある。したがって、上記(4)式と各値とをマイクロコ
ンピュータ9に記憶しておけば、補正モードにおいてVo
を測定することにより、その時のロードセル温度tを上
記(4)式から導き出すことができる。また、ロードセ
ル温度tが求まれば、その温度tにおけるブリッジ回路
1の零点変化量は、前述の(2)式を用いることによっ
て容易に求めることができる。
しかし、この態様においては、ブリッジ回路1の零点
は、温度による増幅率αの変化によって変化するので、
零点変化量を求めるに際しては、この増幅率αの変化も
併せて考慮する必要がある。
そこで、この零点変化に起因する増幅回路40の出力Vo′
を温度tとの関係において求めれば次のようになる。
但し、Vabは、0℃におけるブリッジ回路の零点出力
で、第8図に示すようにブリッジ回路1の一方の出力電
圧をVa、他方の出力電圧をVbとすれば、 Va−Vb=Vab(1+αot) ……(7) として表されるものである。またαoは、ブリッジ回路
1の出力の温度係数で、これらの値Vab,αoは、ロード
セルを単体毎に、或いはロット単位毎に温度試験するこ
とによって事前に知ることができる値である。したがっ
て、これらの値と上記(6)式とをマイクロコンピュー
タ9に事前に記憶しておき、前記(4)式からロードセ
ル温度tが求まれば、その値tを上記(6)式に代入す
ることによって、その温度tにおける零点の増幅回路40
の出力Vo′を知ることができるのである。
=零点補償の手順= そこで、マイクロコンピュータ9には、温度tにおける
増幅回路40の零点出力Vo′を求めるために、これらの値
と(4)(6)式とが予め記憶されており、零点の補正
タイミングになると、前述のようにスイッチ手段50,50,
50′,50′に切換信号Sを送信して、温度に左右されな
い一定電圧を増幅回路40に入力する。そして、この時の
入力電圧が求まれば、マイクロコンピュータ9は、上述
の(4)式からその時のロードセル温度tを求め、さら
にこの温度tを(6)式に代入して、その温度tにおけ
る増幅回路40の出力Vo′を算出する。そして、これが温
度tにおける零点変化量となるので、これを記憶されて
いる秤の零点から減算してロードセルの温度による零点
変化を補正する。
そして、こうした零点の温度補償は、ロードセル温度が
変化したと考えられる所定タイミングで定期、不定期に
行われ、その都度、秤の零点が補正され更新されて行
く。
〔その他の実施例〕
第9図に示すものは、前述第6図の増幅回路40をより簡
略化して部品点数の削減を図ったもので、その作用効果
は第6図のものと実質的に等価のものであり、したがっ
て、ロードセルの出力スパン変化や零点変化に対して
は、前述と同様の方法により補償することができる。
尚、この第9図では、第6図に示すものと同一態様部分
については同一符号を用いているが、この回路構成で
は、前記(4)式と(6)式は、分圧回路10の各抵抗値
と演算増幅器のフィードバック抵抗値とをそれぞれR1,R
2,R3,Rfとおくと となり、また前記(6)式は、 となる。但し、R1=R2+R3としている。
次に示す第10〜13図のものは、増幅回路40′または41′
からA/D変換器8に到るまでの信号処理回路の温度によ
るオフセット電圧の変動を、前述のロードセルの温度補
償とともに補正できるようにした態様である。
そして、これらの態様では、信号処理回路のドリフト電
圧を補正するタイミングになると、チェック電圧発生回
路60または60′から零電圧が出力され、またスイッチ手
段50,50と図面上上方のスイッチ手段50′とがそれぞれ
オープン状態に、他方のスイッチ手段50′と新たに設け
たスイッチ手段50″とが共に閉状態に設定されて、増幅
回路40′または41′の両入力端がスイッチ手段50′,5
0″を介して短絡されるように構成されている。これに
より信号処理回路のオフセット電圧が計測され、これに
基づいて信号処理回路のドリフト補正が行われる。
一方、増幅回路40′または41′の差動増幅器は加算器と
して構成されており、スイッチ手段50,50,50″が開状態
で、スイッチ手段50′,50′が閉状態である時に、チェ
ック電圧発生回路60または60′から所定のバイアス電圧
が上記加算器に入力されて、信号処理回路の正常・異常
が自己診断できるように構成されている。
こうした信号処理回路のドリフト補正やセルフチェック
については、特願昭60−258379号や特願昭61−278299号
において既に開示しているので、ここでの詳述は省略す
る。
尚、第10、12図において、31、32はブリッジバランス補
償抵抗、21は感温抵抗20の抵抗温度係数を調整する精密
抵抗、61は常閉スイッチ、62は常開スイッチである。そ
して、計量モードやドリフト補正モードでは、切換信号
S″により上記常閉スイッチ61は閉状態に、常開スイッ
チ62はオープン状態にそれぞれ設定され、またセルフチ
ェックモードでは、上記常閉スイッチ61はオープン状態
に、常開スイッチ62は閉状態にそれぞれ設定される。ま
たローパスフィルタ回路6′は、特願昭60−210565号に
開示したものと同一態様のもので、計量モードではフィ
ルタ回路に、他のモードではバッファ回路にそれぞれ設
定されるように構成されている。
また、第11、13図に示すチェック電圧発生回路60′は、
D/A変換器63で構成されて、計量モードでは、マイクロ
コンピュータ9の制御によりロードセルの初期荷重を相
殺する所定電圧が出力され、セルフチェックモードで
は、前述の所定のバイアス電圧が出力されるように設計
されている。
尚、この出願の発明の実施態様は、上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、歪ゲージや感温抵
抗を金属箔で形成して、起歪体表面に貼着する態様が採
用可能であり、また零点の補償に際しても、各温度毎の
零点変化量を事前に記憶しておき、ロードセル温度が検
出される毎にその温度に対応する零点変化量を読み出し
て補正する態様も採用可能である。
そして、対象とする計量装置としては、電子秤や組合せ
計量装置だけでなく、重量チェッカーや自動計量装置等
に対しても適用できることは勿論のことである。
(発明の効果) 以上、この出願の発明によれば、ロードセルの出力スパ
ン変化を電気的に補正する感温抵抗を、ロードセル温度
を検出する温度センサとして使用するので、温度センサ
を別途設ける必要がなく、したがって、組立工数や部品
点数が削減されて、装置全体のコストダウンを図ること
ができる。
また、ロードセル出力を処理する信号処理回路を温度セ
ンサに対する信号処理回路としても使用するので、高価
で高精度な温度測定回路が不要となり、この点からもよ
り一層のコストダウンを図ることができる。
また、零点の温度補償をマイクロコンピュータの演算処
理により行うので、ブリッジ回路に対する温度補償抵抗
の挿入接続等によって補償していた従来の手作業による
温度補償が不要となり、この点からもコストダウンを図
ることができる。しかも、零点変化を演算により補正す
るので、温度補償抵抗の挿入接続によるハード的な補正
よりもより一層高精度に補償できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
図面はこの出願の発明の実施例の説明図であり、第1、
2図は計量装置のブロック回路図、第3図は起歪体のヤ
ング率等の増減によって生じるロードセルの温度出力特
性図、第4図は感温抵抗の抵抗値変化によって生ずるブ
リッジ回路の出力温度特性図、第5図はロードセルの零
点の温度出力特性図、第6図は計量装置の他の構成のブ
ロック回路図、第7、8図は第6図に示す実施例の零点
補償方法の説明回路図、第9図は増幅回路の他の態様の
部分回路図、第10〜13図は信号処理回路のドリフト補正
とセルフチェックとを併せて行うようにした構成説明図
で、第10図は全体のブロック回路図、第11〜13図は要部
対応部分回路図である。 1……ロードセル(ブロック回路) 2……感温抵抗、3……歪ゲージ 4……増幅回路 5,5′,50,50′……スイッチ手段 4,6,7,8……信号処理回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歪ゲージ式ロードセルの起歪体に設けた感
    温抵抗で該ロードセルの温度による出力スパン変化を電
    気的に補正するようにした装置において、上記感温抵抗
    を温度センサにしてロードセル温度を検出し、該検出温
    度に基づいて上記ロードセルの温度による零点変化量を
    算出して該零点変化を補正するようにしたことを特徴と
    するロードセルの温度補償方法。
  2. 【請求項2】上記零点変化の補正においては、検出した
    ロードセル温度と、該ロードセルの出力温度特性とから
    検出温度における零点変化量を算出し、該算出値をロー
    ドセル出力から加減算することによって補正することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載のロードセルの温
    度補償方法。
  3. 【請求項3】ロードセルの起歪体に設けられた歪ゲージ
    からなるブリッジ回路と、該ブリッジ回路の出力側に接
    続された信号処理回路と、該ブリッジ回路の入力側に直
    列接続されて、温度による抵抗値変化によって上記ブリ
    ッジ回路の出力スパン変化を補償する感温抵抗と、上記
    ブリッジ回路の入力電圧と出力電圧とを上記信号処理回
    路に切換的に入力するスイッチ手段と、該スイッチ手段
    を介して入力した上記ブリッジ回路の入力電圧からロー
    ドセル温度を算出し、該算出温度から上記ブリッジ回路
    の零点変化量を算出して上記ブリッジ回路の零点を補正
    する補正手段とを備えてなることを特徴とするロードセ
    ルの温度補償装置。
  4. 【請求項4】ロードセルの起歪体に設けられた歪ゲージ
    からなるブリッジ回路と、該ブリッジ回路の出力側に接
    続された増幅回路と、上記ブリッジ回路の出力と一定電
    圧とを切換的に上記増幅回路に入力するスイッチ手段
    と、上記起歪体に付設されて上記ブリッジ回路の温度に
    よる出力スパン変化を上記増幅回路の増幅率変化で補正
    するように設定された上記増幅回路の入力抵抗と、上記
    一定電圧を上記増幅回路に入力させた時のその増幅回路
    出力からロードセル温度を算出し、該算出温度に基づい
    て上記ブリッジ回路の零点変化量を算出して、上記ブリ
    ッジ回路の零点を補正する補正手段とを備えてなること
    を特徴とするロードセルの温度補償装置。
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