JPH11211544A - 荷重測定方法およびロードセル - Google Patents

荷重測定方法およびロードセル

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JPH11211544A
JPH11211544A JP10018995A JP1899598A JPH11211544A JP H11211544 A JPH11211544 A JP H11211544A JP 10018995 A JP10018995 A JP 10018995A JP 1899598 A JP1899598 A JP 1899598A JP H11211544 A JPH11211544 A JP H11211544A
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JP
Japan
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temperature
output
span
zero point
load cell
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JP10018995A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Nochi
雅寿 野知
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Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
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Publication date
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  • Indication And Recording Devices For Special Purposes And Tariff Metering Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレーム14とプリント基板26とのうち一
方を交換する場合でも、ロードセル1の温度特性に対応
したゼロ点、スパンの調整を容易に行なえるようにす
る。 【解決手段】 ロードセル1は、起歪体2にホイートス
トーンブリッジ回路を設けたフレーム14に、前記ブリ
ッジ回路の出力を増幅するアンプ、このアンプの出力を
A/D変換するA/D変換器が実装されているプリント
基板を、コネクタを介して着脱自在に設け、また、温度
検出用抵抗21を備えている。ロードセル1のゼロ点と
スパンの出力および温度検出用抵抗21の出力の各温度
係数を用いて、ゼロ点およびスパンの温度補正値を演算
で求める。フレーム14またはプリント基板26の交換
に際しては、ゼロ点とスパンの出力および温度検出用抵
抗21の出力に関するフレーム14に固有のデータ、お
よび、プリント基板26に固有のデータを予め測定して
おき、ゼロ点とスパンの出力および温度センサの出力を
求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、受けた荷重を電
気信号として出力するロードセルおよびこのロードセル
を用いた荷重測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は従来のロードセル秤に使用され
ている従来のロードセル1の斜視図である。同図に示す
ように、従来のロードセル1は、直方体状の起歪体2に
起歪部2aを形成し、この起歪部2aの表面に、ストレ
ンゲージ抵抗3、4、5、6を貼付けたフレーム14を
備えている。符号9は、起歪体2の荷重受部2bに、図
示しない秤量皿および起歪体2の固定部2cをロードセ
ル1を支持するベース部に取り付けるためのねじ孔であ
る。
【0003】図12に示すように、ロードセル1には起
歪体2に沿って配線用のプリント基板10が取り付けら
れるが、このプリント基板10と前記ストレンゲージ抵
抗3、4、5、6とはリード線により電気的に接続され
ていて、ストレンゲージ抵抗3、4、5、6は、図13
に示すようにホイートストーンブリッジ回路11を形成
する。前記秤量皿と、この秤量皿に載置される秤量対象
物の荷重を受けてロードセル1が歪んで、ストレンゲー
ジ抵抗隊3、4、5、6が変化し、このときの歪み量に
応じてホイートストーンブリッジ回路11の端子12、
13間から取り出される(変化する)出力電圧により前
記秤量対象物の荷重を測定する。プリント基板に10に
は、ホイートストーンブリッジ回路11の出力を増幅す
るアンプ、このアンプの出力をA/D変換するA/D変
換器などが実装されている。このA/D変換器の出力
は、図示しない演算部で重量値として表示出力等され
る。
【0004】秤量皿をロードセル1に取り付けた状態
で、この秤量皿に秤量対象物は載置していない状態、す
なわち秤量対象物の荷重がゼロであるとみなされるとき
のホイートストーンブリッジ回路1の出力(「ゼロ点」
という)や、そのロードセル秤で秤量可能な最大荷重が
加えられたときのホイートストーンブリッジ回路11の
ゼロ点を基準としたときの出力の大きさ(「スパン」と
いう)は、温度条件により変動する。これは、前記スト
レンゲージ抵抗3、4、5、6の抵抗値や、アルミニウ
ムやステンレス製の起歪体2の弾性率(ヤング率)が、
温度により変わるからである。
【0005】そのため、従来のロードセル1は、図1
1、図12に示すように、起歪体2にスパン温度補正抵
抗7及びゼロ点温度補正抵抗8を形成している。このス
パン温度補正抵抗7及びゼロ点温度補正抵抗8は、図1
3に示すようにホイートストーンブリッジ回路11の回
路要素として接続されているものである。すなわち、ス
パン温度補正抵抗7及びゼロ点温度補正抵抗8は、抵抗
温度係数が比較的大きな薄膜抵抗であり、その抵抗値の
温度変動により、温度変動に基づくゼロ点やスパンの変
動を許容範囲内に抑えるものである。
【0006】また、前記ロードセル1は、プリント基板
10はフレーム14に固定され、容易には着脱できない
構造であるため、故障が発生したときはロードセル1ご
と全取替えをしなければならない。
【0007】これに対し、他の従来技術には、両者がコ
ネクタで着脱自在に接続されているロードセルもある。
このロードセルでは、プリント基板(に実装されている
電子部品など)に故障が発生したときはプリント基板の
み、フレームに故障が発生したときはフレームのみの交
換をすることができる。
【0008】このロードセルでは、個々のフレーム、個
々のプリント基板ごとに温度特性を有するので、フレー
ムごと、プリント基板ごとにゼロ点とスパンの出力の調
整を行ない、フレームにプリント基板を装着したとき
に、ロードセル全体でのゼロ点とスパンの出力の温度特
性を許容範囲内に納めるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者の従来
技術において、ホイートストーンブリッジ回路11に直
流電圧VEを印加したときの、端子12、13間の出力
電圧Vdeは、 Vde=VE×{Rg/(Rs+Rg)} ×{R3/(R3+R4)−R2/(R1+R2+Rz)} ……(1) と表わされる。
【0010】但し、R1、R2、R3、R4は、各々ス
トレンゲージ抵抗3、4、5、6の抵抗値、Rgは図の
a、b間の合成抵抗値、Rsはスパン温度補正抵抗7の
抵抗値、Rzはゼロ点温度補正抵抗8の抵抗値である。
【0011】次に、ロードセル1に荷重を加えたときの
Vdeの変化分ΔVdeは、 ΔVde=VE×{Rg/(Rs+Rg)}×(ΔRg/Rg) ……(2) と表わされる。但し、ΔRgはRgの荷重による変化分
であり、R1=R2=R3=R4=Rgであるものとす
る。
【0012】ここで、ロードセル1の感度Kの定義に従
って、ΔRg/Rgを用いて示すと、ストレンゲージ抵
抗3、4、5、6の長さLの荷重による変化分をΔLと
して、 K=(ΔRg/Rg)/(ΔL/L) であり、これは、 ΔRg/Rg=K×(ΔL/L) となる。
【0013】そのため、(2)式は、 ΔVde=VE×{Rg/(Rs+Rg)}×K×(ΔL/L) ……(3) となる。
【0014】(3)式の(ΔL/L)はロードセルに加
えた荷重に比例するので、(ΔL/L)を定格荷重Fn
における値とすると、任意の荷重FxにおけるΔVde
の値は、 ΔVde=VE×{Rg/(Rs+Rg)}×K×(Fx/Fn)……(4) となる。
【0015】次に、ロードセル1が無荷重のときには、
抵抗値R1〜R4のバラツキにより電圧が発生する。こ
れをブリッジバランス出力電圧VLBとし、そして、R
zにより発生する電圧をVRzとすると、前記(1)式
は、次の(5)式で表わすことができる。
【0016】 Vde=ΔVde+VLB+VRz =VE×{Rg/(Rs+Rg)} ×{(Fx/Fn)×K+kLB+kRz} ……(5) この(5)式で、 kLB=VLB/[VE×{Rg/(Rs+R
g)}]、 kRz=VRz/[VE×{Rg/(Rs+Rg)}] である。
【0017】このkLBは、ホイートストーンブリッジ
回路11のゼロバランスを示すものである。また、VR
zはゼロ点温度補正抵抗8により発生する電圧である。
【0018】前記(5)式で、温度変化により値が変化
する項は、K、kLB、kRzであるので、これを温度
tの関数として、K(t)、kLB(t)、kRz
(t)と表わすことにすると、K(t)はスパンの温度
変化を生じる要因となり、kLB(t)、kRz(t)
はゼロ点の温度変化を生じる要因となるものである。
【0019】K(t)はロードセル1のヤング率の温度
変化を示すものであり、kLB(t)はR1〜R4の抵
抗値の温度変化で変動し、kRz(t)はRzの温度変
化で変動する。
【0020】以上の説明から明らかなように、スパン温
度補正抵抗7及びゼロ点温度補正抵抗8は、温度により
変動するその抵抗値Rs、Rzにより、K(t)、kL
B(t)、kRz(t)の温度変化を相殺し、スパンと
ゼロ点の温度変化を許容範囲内に納めるための抵抗であ
る。
【0021】そして、従来のロードセル秤を製造するに
あたっては、ホイートストーンブリッジ回路11の出力
電圧の温度特性を測定しつつ、スパン温度補正抵抗7及
びゼロ点温度補正抵抗8にレーザ照射で切り込みを入れ
ることで、抵抗値Rs、Rzを少しずつ大きくなるよう
に調節するという作業を繰返し、抵抗値Rs、Rzを漸
近的に適正値に近づけるようにしている。
【0022】しかしながら、近年はロードセル秤の精度
が向上している。そのため、抵抗値Rs、Rzを前記の
ような作業で何度も調節する必要があり、その作業には
熟練を必要とするという不具合がある。
【0023】また、前記従来のロードセルのうち後者の
ものは、フレーム、プリント基板ごとに調整が必要とな
るため、温度特性に対応した調整作業が煩雑であるとい
う不具合がある。
【0024】この発明の目的は、ロードセルが高精度の
ものであっても、ゼロ点、スパンの調節が容易であり、
また、フレームとプリント基板とのうち一方を交換する
場合でも、ロードセルの温度特性に対応したゼロ点、ス
パンの調整を容易に行なえるようにすることにある。
【0025】この発明の別の目的は、フレーム、プリン
ト基板の交換を容易に行なえるようにすることにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の荷重測
定方法は、起歪体に少なくともストレンゲージ抵抗を設
けてなるフレームに、前記ストレンゲージ抵抗の出力を
増幅するアンプ、および、このアンプの出力をデジタル
信号に変換するA/D変換器が少なくとも実装されてい
るプリント基板を設け、また、温度センサを備えている
ロードセルの、ゼロ点とスパンの出力および前記温度セ
ンサの出力に関し、これらの値の前記フレームに固有の
データ及び前記プリント基板に固有のデータを測定する
工程と、この測定データを用いた演算により、前記ゼロ
点とスパンの出力および温度センサの出力の値を基礎デ
ータとして求める工程と、この基礎データを用いた演算
により、前記ゼロ点とスパンの出力および温度センサの
出力の各値の温度係数を求める工程と、この求めた温度
係数を記憶装置に記憶する工程と、この記憶されている
温度係数を用いた演算により、前記ゼロ点およびスパン
の温度補正値を求める工程と、この温度補正値を用いた
演算により、前記ゼロ点およびスパンの基準値を温度補
正する工程と、この温度補正後のゼロ点及びスパンの値
と前記デジタル信号を用いた演算を行ない、前記起歪体
が受ける秤量対象物の荷重を求める工程と、を含んでな
る。
【0027】したがって、ロードセルのゼロ点とスパン
の出力、および、温度センサの出力の各値を複数の温度
条件下で得て、計算により温度補正値を得ることができ
るので、従来のように、スパン温度補正抵抗、ゼロ点温
度補正抵抗は不要である。そして、ロードセルのゼロ点
とスパンの出力、および、温度センサの出力の各値は、
これらの値のフレームに固有のデータ、および、プリン
ト基板に固有のデータから、基礎データとして求めるこ
とができるので、フレームとプリント基板の一方の部材
を交換するときは、ゼロ点などに関する交換部材に固有
のデータを変更することにより、部材交換後のロードセ
ルの温度補正値を計算により得ることができる。
【0028】請求項2に記載のロードセルは、起歪体に
少なくともストレンゲージ抵抗を設けてなるフレーム
と、前記ストレンゲージ抵抗の出力を増幅するアンプ、
および、このアンプの出力をデジタル信号に変換するA
/D変換器が少なくとも実装されていて、かつ、前記フ
レームに取り付けられるプリント基板と、温度センサ
と、ロードセルのゼロ点スパン、および、前記温度セン
サの出力を複数の温度条件で検出した基礎データを用い
た演算を行ない、これらの値の温度係数を求める第1の
演算手段と、この温度係数を用いた演算を行ない、前記
ゼロ点およびスパンの温度補正値を求める第2の演算手
段と、この温度補正値を用いた演算を行ない、前記ゼロ
点およびスパンの基準値を温度補正する第3の演算手段
と、この温度補正後のゼロ点及びスパンの値と前記デジ
タル信号を用いた演算を行ない、前記起歪体が受ける秤
量対象物の荷重を求める第4の演算手段と、ゼロ点とス
パンの出力および前記温度センサの出力を複数の温度条
件で検出した前記フレームに固有のデータおよび前記プ
リント基板に固有のデータを記憶する記憶装置と、前記
フレームに固有のデータおよび前記プリント基板に固有
のデータのうち少なくとも一方の入力を可能とする入力
装置と、前記記憶装置に記憶されているデータを用いた
演算を行ない、前記基礎データを求める第5の演算手段
とを備えている。
【0029】したがって、ロードセルのゼロ点とスパン
の出力、および、温度センサの出力の各値を複数の温度
条件下で得て、計算により温度補正値を得ることができ
るので、従来のように、スパン温度補正抵抗、ゼロ点温
度補正抵抗は不要である。そして、ロードセルのゼロ点
とスパンの出力、および、温度センサの出力の各値は、
これらの値のフレームに固有のデータ、および、プリン
ト基板に固有のデータから、基礎データとして求めるこ
とができるので、フレームとプリント基板の一方の部材
を交換するときは、ゼロ点などに関する交換部材に固有
のデータを変更することにより、部材交換後のロードセ
ルの温度補正値を計算により得ることができる。
【0030】請求項3に記載のロードセルは、フレーム
とプリント基板とを着脱自在に接続するコネクタを備え
ている。
【0031】したがって、フレームまたはプリント基板
を交換する作業が、コネクタを介して容易に行なうこと
ができる。
【0032】請求項4に記載のロードセルは、ロードセ
ルのゼロ点とスパンの出力および温度センサの出力を複
数の温度条件で検出したフレームに固有のデータおよび
プリント基板に固有のデータのうち、少なくとも一方に
ついてはコードシンボルとして前記フレームまたは前記
プリント基板に記録されており、第1または第2の入力
手段は、前記コードシンボルを読み取るコードシンボル
読取手段を備えている。
【0033】したがって、フレームに固有のデータやプ
リント基板に固有のデータの入力がコードシンボルの読
取だけで行なえるので、フレームまたはプリント基板の
交換に際して、ロードセルの温度特性に対応した調整を
更に容易に行なえる。
【0034】請求項5に記載のロードセルは、第1、第
2、第3、第4および第5の演算手段をなすマイクロコ
ンピュータがプリント基板に実装されている。
【0035】したがって、ロードセルのゼロ点とスパン
の出力および温度センサの出力を複数の温度条件で検出
したプリント基板に固有のデータは、マイクロコンピュ
ータのROMに予め格納しておけば、その後にわざわざ
入力する必要がないので、フレームまたはプリント基板
の交換に際して、ロードセルの温度特性に対応した調整
を更に容易に行なえる。
【0036】
【発明の実施の形態】図1〜図5は、この発明の一実施
の形態であるロードセル1を示すものである。同図にお
いて、図11〜図13と同一符号の部材は前記従来のロ
ードセル1の場合と同様の部材であり、同一符号を用い
て説明し、詳細な説明は省略する。
【0037】この実施の形態のロードセル1では、図
1、図3に示すように、従来のスパン温度補正抵抗7、
ゼロ点温度補正抵抗8が設けられておらず、これに代え
て、起歪体2の表面に温度検出用抵抗21が形成されて
いる。そして、この温度検出用抵抗21は、図4に示す
ように、プリント基板10に形成されている温度検出用
抵抗22と直列に接続されていて、温度センサ回路23
を形成している。すなわち、この温度センサ回路23は
温度検出用抵抗21の分圧の温度変化から温度検出する
ものである。図1に示すように、フレーム14の所定の
位置には、後述する所定のデータがバーコードの形式で
記録されているシール28が貼り付けされている。
【0038】図2に示すように、ロードセル1は、フレ
ーム14に固定されたプリント基板24と、コネクタ2
5a、25bを介してフレーム14に着脱自在に取り付
けられるプリント基板26とを備えている。このプリン
ト基板24、26には各種電子部品が実装されている
が、特にプリント基板26には、後述するマイクロコン
ピュータ31、EEPROM32、A/D変換器35、
切り替えスイッチ36、アンプ37などの電子部品が実
装されている。なお、図2において、皿取付部27は秤
量対象物を載せる秤量皿(図示せず)を取り付けるため
の部材である。
【0039】図5は、このロードセル秤の全体的な回路
構成を示すブロック図である。同図に示すように、ロー
ドセル秤に内蔵されたマイクロコンピュータ31は、C
PU、ROM、RAMがバスで接続された周知の構成で
ある。このマイクロコンピュータ31には、EEPRO
M32、ロードセル秤を操作するキーボード33、LC
Dなどのディスプレイ装置34、A/D変換器35、バ
ーコードリーダ駆動回路38を介してバーコードリーダ
39が、各々接続されている。切り替えスイッチ36は
リレーなどから構成され、マイクロコンピュータ31の
制御信号により動作する。この切り替えスイッチ36
は、アンプ37により増幅されたホイートストーンブリ
ッジ回路11の出力と、温度センサ回路23の出力との
間で、A/D変換器35に対する入力を切り替えるもの
である。
【0040】マイクロコンピュータ31のROMには、
ロードセル秤の各部を制御するための各種プログラム
や、固定データが格納されている。
【0041】また、EEPROM32には、後述する、
個々のロードセル秤の固有の温度係数や、秤量皿の初荷
重などのデータが予め格納されている。
【0042】1.温度係数の算出について 前記のとおり、EEPROM32には所定の温度係数を
予め格納しておく。以下では、この温度係数をどのよう
に求めるかについて説明する。
【0043】まず、ロードセル1のゼロ点と、スパン
と、温度検出用抵抗21の両端間の出力電圧を、基準温
度t2(20℃)、基準温度t2より低い第1の温度t
1(0℃)、基準温度t2より高い第2の温度t3(4
0℃)で測定し、これをマイクロコンピュータ31に記
憶させる。t℃のときのゼロ点、スパン、温度検出用抵
抗21の両端間の出力電圧を、各々、Z(t)、S
(t)、T(t)とすると、これらは、図6の表のよう
になる。
【0044】図6のデータからマイクロコンピュータ3
1により、温度係数を計算して求める。すなわち、ロー
ドセル1のゼロ点の2種類の温度係数αL、αU、ロード
セル1のスパンの2種類の温度係数βL、βU、温度検出
用抵抗22の2種類の温度係数γL、γUを、次のように
求める。
【0045】すなわち、 αL={Z(t2)−Z(t1)}/S(t2)/(t2−t1) αU={Z(t3)−Z(t2)}/S(t2)/(t3−t2) βL={S(t2)−S(t1)}/S(t2)/(t2−t1) βU={S(t3)−S(t2)}/S(t2)/(t3−t2) γL={T(t2)−Z(t1)}/T(t2)/(t2−t1) γU={T(t3)−Z(t2)}/T(t2)/(t3−t2) である。
【0046】ところで、例えばゼロ点Z(t)の場合、
温度係数を単一の温度係数βで示すこともできる。すな
わち、 β={S(t3)−S(t1)}/S(t1)/(t3
−t1) である。
【0047】しかしながら、例えばゼロ点が図7に示す
ような温度特性を示す場合、基準温度t2より低い温度
では、ホイートストーンブリッジ回路11の出力電圧は
上昇し、基準温度t2より低い温度では、ホイートスト
ーンブリッジ回路11の出力電圧は下降しているので、
第1の温度t1と第2の温度t3の平均をとったので
は、図7の温度特性曲線の特徴を温度係数βに充分に反
映することはできない。
【0048】これに対して、基準温度と、この基準温度
より高い温度と、低い温度における測定値を用いて、前
記のように複数の温度係数βL、βUを求め、温度特性曲
線の特徴をより充分に反映させることができるので、後
述する温度補正に及ぼす誤差を小さくすることができ
る。
【0049】なお、以上のように、ロードセル1のゼロ
点と、スパンと、温度検出用抵抗21の両端間の出力電
圧を、基準温度t2(20℃)、基準温度t2より低い
第1の温度t1(0℃)、基準温度t2より高い第2の
温度t3(40℃)で測定し、これに基づいて上記の温
度係数を求めるわけであるが、この各温度における、ゼ
ロ点と、スパンと、温度検出用抵抗21の両端間の出力
電圧は、各温度ごとに同一で短時間の測定期間内のうち
に行なうのが望ましい。そうでないと、各温度での各測
定項目間の相対誤差が増加し、温度補正後の温度特性が
悪くなるからである。
【0050】2.温度補正について .温度補正とは、前記した基準温度、t=t2(℃)
を用いて、他の温度におけるスパンS(t)、ゼロ点Z
(t)の値を、基準値であるスパンS(t2)、ゼロ点
Z(t2)の値に一致させるための補正を行なうことで
ある。以下では、この温度補正の手法について説明す
る。
【0051】まず、この実施の形態におけるロードセル
1の特性式を前記(5)式を基礎にして求めると、
(5)式で、Rs=0、Rz=0とおいて、 Vde=VE×{(Fx/Fn)×K+kLB} ……(6) と表わされる。
【0052】(6)式のFxを秤量皿の荷重fpと、こ
の秤量皿の上に載置される秤量対象物の荷重fxとに分
けて表記すると、 Vde=VE×[{(fp+fx)/Fn}×K+kLB] ……(7) となる。
【0053】さらに、前記のように、K、kLBは温度
特性をもつので、各々K(t)、kLB(t)と表記す
ると、 Vde=VE×[{(fp+fx)/Fn}×K(t)+kLB(t)] ……(8) となる。
【0054】この(8)式から、スパンS(t)、ゼロ
点Z(t)を求めると、 S(t)=VE×(fx/Fn}×K(t) ……(9) Z(t)=VE×{(fp/Fn)×K(t)+kLB(t)}……(10) となる。
【0055】温度補正を行なうにあたって使用する温度
係数については既に説明した。そして秤量の際の温度t
が基準温度t2より低いときは温度係数αL、βL、γL
を、高いときは温度係数αU、βU、γUを、用いて演算
し、温度補正を行なう。しかし、以下の説明では、便宜
上、温度係数を単に、α、β、γと表記する。
【0056】前記(9)(10)式から、基準温度t2
(℃)のときのスパンS(t2)とゼロ点Z(t2)の
値は、 S(t2)=VE×(fx/Fn}×K(t2) ……(11) Z(t2)=VE×{(fp/Fn)×K(t2)+kLB(t2)} ……(12) となる。
【0057】そこで、t2(℃)を基準として温度変化
量Δtを用いて表わすと、“t(℃)=t2(℃)+Δ
t(℃)”として、 S(t)=S(t2+Δt) =VE×(fx/Fn}×K(t2)×(1+β×Δt) ……(13) Z(t)=Z(t2+Δt) =VE×{(fp/Fn)×K(t2)×(1+β×Δt) +kLB(t2)×(1+α×Δt)} ……(14) (13)(14)式から、温度補正値は、“S(t)−
S(t2)”、“Z(t)−Z(t2)”、として求め
られる。これを、各々、ΔS(t)、ΔZ(t)、とす
ると、ゼロ点、スパンの温度補正値は、 ΔS(t)=VE×(fx/Fn}×K(t2)×(β×Δt)……(15) ΔZ(t)=VE×{(fp/Fn)×K(t2)×(β×Δt) +kLB(t2)×(α×Δt)} ……(16) となる。
【0058】. 前記(16)式で、秤量皿を交換す
ると、秤量皿の荷重fpが変化する。このような場合に
は、前記(16)式で示される、ゼロ点の温度補正値Δ
Z(t)における、 (fp/Fn)×K(t2)×(β×Δt) の項が、変化してしまうので、温度補正を正常に行なう
ことができない。
【0059】この点を解決するため、ホイートストーン
ブリッジ回路11の出力信号をA/D変換器35でA/
D変換するに際し、A/D変換器35の感度Q(t2)
を、“Q(t2)/(1+β×Δt)”に変更してから
A/D変換すると、前記(13)(14)式は、 S(t)/(1+β×Δt)=VE×(fx/Fn)×K(t2) ……(17) Z(t)/(1+β×Δt)=VE×{(fp/Fn)×K(t2) +kLB(t2)×(1+α×Δt)/(1+β×Δt)}……(18) のようになる。
【0060】この(18)式における、“(fp/F
n)×K(t2)”、の項には、“(1+β×Δt)”
の項を含んでいないため、温度依存性を除去することが
できる。
【0061】従って、温度によるスパンの変化量は、
“ΔS(t)=0”となり、また、 ΔVLB(t)=kLB(t2)×{(1+α×Δt)
/(1+β×Δt)} となって、fpの変化は温度特性に無関係となる。
【0062】.前記(18)式において、ストレンゲ
ージ抵抗3、4、5、6の抵抗値R1、R2、R3、R
4は、経年により湿気でばらばらに変化し、これによっ
て、kLB(t2)が変化して、“kLB(t2)+k
`LB(t2)”となったときは、ゼロ点の温度補正値
ΔZ(t)は、“k`LB(t2)×{(1+α×Δ
t)/(1+β×Δt)}”の誤差を生じるため、温度
特性が悪くなる。
【0063】これを防止するため、予めEEPROM3
2に秤量皿の荷重(初荷重)fpを記憶しておく。この
データにより、ゼロバランスの変化分である、“k`L
B(t2)”を検出できるので、“k`LB(t2)×
{(1+α×Δt)/(1+β×Δt)}”も温度補正
量に加えることができ、温度特性の悪化を防止すること
ができる。
【0064】次に、この実施の形態のロードセル秤の秤
量の際の動作について説明する。
【0065】図8は、この実施の形態のロードセル秤の
秤量処理を説明するフローチャートである。
【0066】まず、マイクロコンピュータ31のCPU
は、時間Nが経過したか否かを判断する(ステップS
1)。時間Nは、切り替えスイッチ36を温度センサ回
路23側に切り替えて、温度センサ回路23による温度
測定を行なうインターバル時間間隔であり、予め、例え
ばN1、N2、N3の3種類が用意されていて、この時
間は、N1>N2>N3の関係にある。すなわち、時間
Nが経過したか否かの判断(ステップS1)は、現在設
定されているN1、N2、N3のうちのいずれかの時間
が経過したか否かの判断である。秤量作業の開始時にお
いては、時間Nの初期値N0(例えば、=N2)を用い
て判断する。
【0067】時間Nが経過していないときは、切り替え
スイッチ36をホイートストーンブリッジ回路11側に
切り替えておいて、ホイートストーンブリッジ回路11
の出力検出と、この検出出力と温度センサ回路23によ
る前回の検出出力とに基づいて、ゼロ点、スパンを求
め、秤量のための所定の演算を行なう(ステップS
2)。
【0068】すなわち、ステップS2では、前記(1
3)(14)式〔あるいは、(17)(18)式〕で表
わされるアルゴリズムで、ゼロ点Z(t)、スパンS
(t)を求め、これを(15)(16)式で表わされる
温度補正値ΔZ(t)、ΔS(t)(前記2..の手
法を用いることもできる)で補正して、このゼロ点、ス
パンの補正後の値と、ホイートストーンブリッジ回路1
1の出力を用い、周知のアルゴリズムにより秤量対象物
の荷重を求め、これをディスプレイ装置34に表示す
る。
【0069】時間Nが経過したときは、切り替えスイッ
チ36を温度センサ回路23側に切り替えて温度検出を
行ない、今回の検出温度tn+1と前回の検出温度tnか
ら、現在の時間Nの間の検出温度の単位時間あたりの値
Mを、“M=(tn+1−tn)/N”で算出する(ステッ
プS3)。
【0070】この単位時間あたりの値Mについては、こ
の値Mについて、予め設定された値q1、q2(q1<
q2)と比較される(ステップS4、S5、S6)。
【0071】そして、M<q1であるときは、時間Nと
してN1を設定する(ステップS4、S7)。q1≦M
<q2であるときは、時間NとしてN2を設定する(ス
テップS5、S8)。そして、q2≦Mであるときは、
時間NとしてN3を設定する(ステップS6、S9)。
【0072】このように、単位時間あたりの値Mの大き
さにより温度検出のインターバルの時間Nを変化させる
ことで、単位時間あたりの温度変化が大きいときは、温
度測定時間の間隔を小さくして、温度変化に対する温度
補正の追従性を向上させることができ、また、秤量動作
のされていない期間を減少させることができる。
【0073】また、切り替えスイッチ36を用い、ホイ
ートストーンブリッジ回路11からの出力のA/D変換
と、温度センサ回路23からの出力のA/D変換を、別
々のA/D変換器で行なったとすると、ホイートストー
ンブリッジ回路11に入力する電源電圧VEの変化に対
して、A/D変換器自体のスパン、ゼロ点の変化率が異
なってしまう。
【0074】これに対し、この実施の形態では、切り替
えスイッチ36を用い、ホイートストーンブリッジ回路
11からの出力のA/D変換と、温度センサ回路23か
らの出力のA/D変換を、単一のA/D変換器35で行
なう構成としたので、各測定値の間の相対的な誤差を除
去することができる。
【0075】3.部品交換について ロードセル1は、コネクタ25a、25bにより、フレ
ーム14とプリント基板26とが着脱自在であるため、
部品の故障が生じたときはロードセル1を全取替えする
必要はなく、フレーム14またはプリント基板26のみ
を交換すれば足りる。しかも、フレーム14とプリント
基板26は、コネクタ25a、25bにより接続されて
いるため、その交換は容易である。
【0076】しかしながら、フレーム14においては、
起歪体2、ストレンゲージ抵抗3、4、5、6、温度検
出用抵抗21は、温度特性をもっている。また、プリン
ト基板26も温度特性をもっている。そのため、フレー
ム14またはプリント基板26を交換した場合は、前記
した温度係数αL、αU、βL、βU、γL、γUの値が異な
ってしまうため、前記の温度補正ができなくなってしま
う。そこで、このロードセル1は、フレーム14または
プリント基板26を交換したときには、新たに温度係数
αL、αU、βL、βU、γL、γUの値を求めて、EEPR
OM32に記憶されている既存の温度係数αL、αU、β
L、βU、γL、γUの値を更新し、この更新された温度係
数を用いて、前記の温度補正を行なうようにする。以
下、その具体的な内容について説明する。
【0077】まず、前記のように、ロードセル1のゼロ
点Z(t)と、スパンS(t)と、温度検出用抵抗21
の両端間の出力電圧T(t)の、第1の温度t1(0
℃)、基準温度t2(20℃)、第2の温度t3(40
℃)における値は、図6に示すとおりであった。そし
て、この値はフレーム14またはプリント基板26を交
換したときには変わってしまうので、交換後の当該値が
判明すれば、前記したとおりの手法で演算を行なって、
新たな温度係数αL、αU、βL、βU、γL、γUの値が求
められる。
【0078】ゼロ点Z(t)、スパンS(t)、温度検
出用抵抗21の両端間の出力電圧T(t)の、第1の温
度t1、基準温度t2、第2の温度t3における値は、
ゼロ点Z(t)、スパンS(t)、温度検出用抵抗21
の両端間の出力電圧T(t)の、フレーム14に固有の
値(図9(a)に示す)と、プリント基板26に固有の値
(図9(b)に示す)とを測定すれば求めることができ
る。
【0079】すなわち、第1の温度t1、基準温度t
2、第2の温度t3におけるフレーム14に固有の値で
ある、ゼロ点Z(t)を、Zf(t1)、Zf(t
2)、Zf(t3)とし、スパンS(t)を、Sf(t
1)、Sf(t2)、Sf(t3)とし、温度検出用抵
抗21の両端間の出力電圧T(t)を、Tf(t1)、
Tf(t2)、Tf(t3)とする。また、第1の温度
t1、基準温度t2、第2の温度t3におけるプリント
基板26に固有の値である、ゼロ点Z(t)を、Zp
(t1)、Zp(t2)、Zp(t3)とし、スパンS
(t)を、Sp(t1)、Sp(t2)、Sp(t3)
とし、温度検出用抵抗21の両端間の出力電圧T(t)
を、Tp(t1)、Tp(t2)、Tp(t3)とす
る。すると、新たなゼロ点Z(t)、スパンS(t)、
温度検出用抵抗21の両端間の出力電圧T(t)の各温
度における値は単純な加算により求めることができる。
【0080】すなわち、 Z(t1)=Zf(t1)+Zp(t1) Z(t2)=Zf(t2)+Zp(t2) Z(t3)=Zf(t3)+Zp(t3) S(t1)=Sf(t1)+Sp(t1) S(t2)=Sf(t2)+Sp(t2) S(t3)=Sf(t3)+Sp(t3) T(t1)=Tf(t1)+Tp(t1) T(t2)=Tf(t2)+Tp(t2) T(t3)=Tf(t3)+Tp(t3) である。
【0081】図9(a)に示すフレーム14に固有の値
と、図9(b)に示すプリント基板26に固有の値の測定
は、次のようにして行なう。
【0082】まず、図9(a)に示すフレーム14に固有
の値を求めるには、予め図9(b)に示すプリント基板2
6に固有の値が判明しているプリント基板26を用意す
る。そして、このプリント基板26に、測定対象となる
フレーム14を接続し、恒温槽を用いて、前者を常温
(基準温度t2)に保って、後者の温度を第1の温度t
1、基準温度t2、第2の温度t3に変えながら、ゼロ
点Z(t)、スパンS(t)、温度検出用抵抗21の両
端間の出力電圧T(t)を測定する。すでに判明してい
る図9(b)に示すプリント基板26に固有の値が、Zp
b(t1)、Zpb(t2)、Zpb(t3)、Spb
(t1)、Spb(t2)、Spb(t3)、Tpb
(t1)、Tpb(t2)、Tpb(t3)であるとす
ると、Zf(t1)、Zf(t2)、Zf(t3)、S
f(t1)、Sf(t2)、Sf(t3)、Tf(t
1)、Tf(t2)、Tf(t3)は、単純な減算によ
り求めることができる。
【0083】すなわち、 Zf(t1)=Z(t1)−Zpb(t1) Zf(t2)=Z(t2)−Zpb(t2) Zf(t3)=Z(t3)−Zpb(t3) Sf(t1)=S(t1)−Spb(t1) Sf(t2)=S(t2)−Spb(t2) Sf(t3)=S(t3)−Spb(t3) Tf(t1)=T(t1)−Tpb(t1) Tf(t2)=T(t2)−Tpb(t2) Tf(t3)=T(t3)−Tpb(t3) である。
【0084】同様の考え方で、図9(b)に示すプリント
基板26に固有の値を求めるには、予め図9(a)に示す
フレーム14に固有の値が判明しているフレーム14を
用意する。そして、このフレーム14に、測定対象とな
るプリント基板26を接続し、恒温槽を用いて、前者を
常温(基準温度t2)に保って、後者の温度を第1の温
度t1、基準温度t2、第2の温度t3に変えながら、
ゼロ点Z(t)、スパンS(t)、温度検出用抵抗21
の両端間の出力電圧T(t)を測定する。すでに判明し
ている図9(a)に示すフレーム14に固有の値が、Zf
b(t1)、Zfb(t2)、Zfb(t3)、Sfb
(t1)、Sfb(t2)、Sfb(t3)、Tfb
(t1)、Tfb(t2)、Tfb(t3)であるとす
ると、Zp(t1)、Zp(t2)、Zp(t3)、S
p(t1)、Sp(t2)、Sp(t3)、Tp(t
1)、Tp(t2)、Tp(t3)は、前記同様、単純
な減算により求めることができる。
【0085】すなわち、 Zp(t1)=Z(t1)−Zfb(t1) Zp(t2)=Z(t2)−Zfb(t2) Zp(t3)=Z(t3)−Zfb(t3) Sp(t1)=S(t1)−Sfb(t1) Sp(t2)=S(t2)−Sfb(t2) Sp(t3)=S(t3)−Sfb(t3) Tp(t1)=T(t1)−Tfb(t1) Tp(t2)=T(t2)−Tfb(t2) Tp(t3)=T(t3)−Tfb(t3) である。
【0086】以上のようにして、Zf(t1)、Zf
(t2)、Zf(t3)、Sf(t1)、Sf(t
2)、Sf(t3)、Tf(t1)、Tf(t2)、T
f(t3)の各値と、Zp(t1)、Zp(t2)、Z
p(t3)、Sp(t1)、Sp(t2)、Sp(t
3)、Tp(t1)、Tp(t2)、Tp(t3)の各
値を予め求めておく。そして、この前者の各値は、当該
フレーム14のシール28にバーコードとして記録して
おき、後者の各値は、当該プリント基板26に実装され
ているマイクロコンピュータ31のROMに格納してお
く。
【0087】そして、フレーム14を交換するときは、
交換された新しいフレーム14、プリント基板26を交
換するときは、既存のフレーム14のシール28にバー
コードリーダ39をあてて、バーコードとして記録され
ている前者の各値を読み取り、この各値と、既存のまた
は新たなプリント基板26のマイクロコンピュータ31
のROMに記憶されている後者の各値とを用い、マイク
ロコンピュータ31が前記のような演算を行なって、Z
(t1)、Z(t2)、Z(t3)、S(t1)、S
(t2)、S(t3)、T(t1)、T(t2)、T
(t3)の各値を求める。そして、この各値をから、マ
イクロコンピュータ31が前記のような演算を行なっ
て、新たな温度係数αL、αU、βL、βU、γL、γUの各
値を求め、EEPROM32に記憶されている既存の値
を更新する。そして以後は、更新後の温度係数αL、α
U、βL、βU、γL、γUを用いて、図8を参照して前記
した処理により、秤量対象物の荷重を測定する。
【0088】フレーム14またはプリント基板26の交
換に伴う、温度係数αL、αU、βL、βU、γL、γUの更
新の処理について、図10に示すフローチャート参照し
て説明する。
【0089】交換するフレーム14またはプリント基板
26と、既存のプリント基板26またはフレーム14を
接続した後、ディスプレイ装置34の所定の初期画面か
ら、キーボード33の操作により、更新モードに移行す
ることにより、マイクロコンピュータ31は、温度係数
の更新の処理を開始する(ステップS1のY)。
【0090】温度係数の更新の処理の開始により、ディ
スプレイ装置34には所定の更新処理画面の表示が開始
し(ステップS2)、この更新処理画面に表示されてい
るメッセージに従って、以後の操作を行なう。更新処理
画面のメッセージに従って、バーコードリーダ39でシ
ール28のバーコード、すなわち、このバーコードの形
式で記録されているフレーム14の前記各測定値を読み
取ると(ステップS3のY)、この読み取られたフレー
ム14のゼロ点Zf(t1)、Zf(t2)、Zf(t
3)、スパンSf(t1)、Sf(t2)、Sf(t
3)、温度検出抵抗21の両端間の出力電圧Tf(t
1)、Tf(t2)、Tf(t3)の各値と、EEPR
OM32に格納されている、プリント基板26のゼロ点
Zp(t1)、Zp(t2)、Zp(t3)、スパンS
p(t1)、Sp(t2)、Sp(t3)、温度検出抵
抗21の両端間の出力電圧Tp(t1)、Tp(t
2)、Tp(t3)の各値を、マイクロコンピュータ3
1のRAMの所定のデータ格納エリアに格納し(ステッ
プS4)、この格納したデータを用いて前記の演算を行
ない、前記した各温度t1、t2、t3における、ゼロ
点Z(t)、スパンS(t)、温度検出抵抗21の両端
間の出力電圧T(t)の値、Z(t1)、Z(t2)、
Z(t3)、S(t1)、S(t2)、S(t3)、T
(t1)、T(t2)、T(t3)を求める(ステップ
S5)。
【0091】そして、この各値から、前記の演算を行な
って、新たな温度係数αL、αU、βL、βU、γL、γUの
値を求め(ステップS6)、EEPROM32に格納さ
れている、既存の各温度係数αL、αU、βL、βU、γ
L、γUを更新する(ステップS7)。そして、更新処理
画面上で更新処理の終了メッセージを表示して、初期画
面に戻る(ステップS8)。
【0092】以上のように、ロードセル1によれば、ロ
ードセル1のゼロ点Z(t)とスパンS(t)の出力、
および、温度検出用抵抗21の両端間の出力電圧T
(t)の各温度t1、t2、t3における値は、これら
の値のフレーム14に固有のデータ、および、プリント
基板26に固有のデータから演算で求めることができる
ので、フレーム14とプリント基板26の一方の部材を
交換するときは、ゼロ点Z(t)などに関する交換部材
に固有のデータを変更することにより、部材交換後のロ
ードセル1の温度補正値を計算により得ることができ
る。よって、フレーム14とプリント基板26とのうち
一方を交換する場合でも、ロードセル1の温度特性に対
応した調整を容易に行なえる。
【0093】なお、いうまでもなく前記の実施の形態
は、この発明を限定するものではない。例えば、前記の
例では、プリント基板26に固有のゼロ点Zp(t)、
スパンSp(t)、温度検出用抵抗21の両端間の出力
電圧Tp(t)の各温度t1、t2、t3における値
は、予めマイクロコンピュータ31のROMに記憶させ
ているが、フレーム14同様にバーコードにして記録
し、これをバーコードリーダ39で読み取るようにして
もよい。しかし、前記データを予めマイクロコンピュー
タ31のROMに記憶させておけば、バーコードの読み
取り操作を省くことができる。
【0094】また、フレーム14やプリント基板26に
固有のゼロ点Zf(t)、Zp(t)、スパンSf
(t)、Sp(t)、温度検出用抵抗21の両端間の出
力電圧Tf(t)、Tp(t)の各温度t1、t2、t
3における値は、キーボード33で手入力するようにし
てもよい。しかし、バーコードにして記録し、これをバ
ーコードリーダ39で読み取るようにしたり、予めマイ
クロコンピュータ31のROMに記憶させておくように
した方が作業が容易である。
【0095】
【発明の効果】請求項1または請求項2に記載の発明
は、ロードセルのゼロ点とスパンの出力、および、温度
センサの出力の各値を複数の温度条件下で得て、計算に
より温度補正値を得ることができるので、従来のよう
に、スパン温度補正抵抗、ゼロ点温度補正抵抗は不要で
ある。そして、ロードセルのゼロ点とスパンの出力、お
よび、温度センサの出力の各値は、これらの値のフレー
ムに固有のデータ、および、プリント基板に固有のデー
タから、基礎データとして求めることができるので、フ
レームとプリント基板の一方の部材を交換するときは、
ゼロ点などに関する交換部材に固有のデータを変更する
ことにより、部材交換後のロードセルの温度補正値を計
算により得ることができる。よって、ロードセルが高精
度のものであっても、ゼロ点、スパンの調節は容易に行
なえる。また、フレームとプリント基板とのうち一方を
交換する場合でも、ロードセルの温度特性に対応した調
整を容易に行なえる。
【0096】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明について、フレームまたはプリント基板を交換す
る作業が、コネクタを介して容易に行なうことができ
る。
【0097】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載の発明について、フレームに固有のデータやプ
リント基板に固有のデータの入力がコードシンボルの読
取だけで行なえるので、フレームまたはプリント基板の
交換に際して、ロードセルの温度特性に対応した調整を
更に容易に行なえる。
【0098】請求項5に記載の発明は、請求項2、3、
4のいずれかに記載の発明について、ロードセルのゼロ
点とスパンの出力および温度センサの出力を複数の温度
条件で検出したプリント基板に固有のデータは、マイク
ロプロセッサのROMに予め格納しておけば、その後に
わざわざ入力する必要がないので、フレームまたはプリ
ント基板の交換に際して、ロードセルの温度特性に対応
した調整を更に容易に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態であるロードセルの斜
視図である。
【図2】前記ロードセルにプリント基板を取り付けると
きの平面図(a)、左側面図(b)である。
【図3】前記ロードセルのホイートストーンブリッジ回
路の回路図である。
【図4】前記ロードセルの温度センサ回路の回路図であ
る。
【図5】前記ロードセルの全体的な回路構成を示すブロ
ック図である。
【図6】前記ロードセルで温度係数を求める際の測定デ
ータ項目を示す表である。
【図7】スパンの温度特性曲線の例を示すグラフであ
る。
【図8】前記ロードセルで秤量する場合の動作を説明す
るフローチャートである。
【図9】前記ロードセルのフレームまたはプリント基板
を交換したときに温度係数を更新する際の測定データ項
目で、フレームに固有なもの(a)と、プリント基板に固
有なもの(b)を示す表である。
【図10】前記温度係数の更新の際の処理を示すフロー
チャートである。
【図11】従来のロードセルの斜視図である。
【図12】従来のロードセルにプリント基板を取り付け
たときの斜視図である。
【図13】従来のロードセルのホイートストーンブリッ
ジ回路の回路図である。
【符号の説明】
1 ロードセル 2 起歪体 3、4、5、6 ストレンゲージ抵抗 14 フレーム 21 温度センサ 25a、25b コネクタ 26 プリント基板 28 コードシンボルを表示したシール 32 記憶装置 33 入力装置 35 A/D変換器 37 アンプ 39 入力装置(コードシンボル読み取り手
段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 起歪体に少なくともストレンゲージ抵抗
    を設けてなるフレームに、前記ストレンゲージ抵抗の出
    力を増幅するアンプ、および、このアンプの出力をデジ
    タル信号に変換するA/D変換器が少なくとも実装され
    ているプリント基板を設け、また、温度センサを備えて
    いるロードセルの、ゼロ点とスパンの出力および前記温
    度センサの出力に関し、これらの値の前記フレームに固
    有のデータ及び前記プリント基板に固有のデータを測定
    する工程と、 この測定データを用いた演算により、前記ゼロ点とスパ
    ンの出力および温度センサの出力の値を基礎データとし
    て求める工程と、 この基礎データを用いた演算により、前記ゼロ点とスパ
    ンの出力および温度センサの出力の各値の温度係数を求
    める工程と、 この求めた温度係数を記憶装置に記憶する工程と、 この記憶されている温度係数を用いた演算により、前記
    ゼロ点およびスパンの温度補正値を求める工程と、 この温度補正値を用いた演算により、前記ゼロ点および
    スパンの基準値を温度補正する工程と、 この温度補正後のゼロ点及びスパンの値と前記デジタル
    信号を用いた演算を行ない、前記起歪体が受ける秤量対
    象物の荷重を求める工程と、を含んでなること特徴とす
    る荷重測定方法。
  2. 【請求項2】 起歪体に少なくともストレンゲージ抵抗
    を設けてなるフレームと、 前記ストレンゲージ抵抗の出力を増幅するアンプ、およ
    び、このアンプの出力をデジタル信号に変換するA/D
    変換器が少なくとも実装されていて、かつ、前記フレー
    ムに取り付けられるプリント基板と、 温度センサと、 ロードセルのゼロ点スパン、および、前記温度センサの
    出力を複数の温度条件で検出した基礎データを用いた演
    算を行ない、これらの値の温度係数を求める第1の演算
    手段と、 この温度係数を用いた演算を行ない、前記ゼロ点および
    スパンの温度補正値を求める第2の演算手段と、 この温度補正値を用いた演算を行ない、前記ゼロ点およ
    びスパンの基準値を温度補正する第3の演算手段と、 この温度補正後のゼロ点及びスパンの値と前記デジタル
    信号を用いた演算を行ない、前記起歪体が受ける秤量対
    象物の荷重を求める第4の演算手段と、 ゼロ点とスパンの出力および前記温度センサの出力を複
    数の温度条件で検出した前記フレームに固有のデータお
    よび前記プリント基板に固有のデータを記憶する記憶装
    置と、 前記フレームに固有のデータおよび前記プリント基板に
    固有のデータのうち少なくとも一方の入力を可能とする
    入力装置と、 前記記憶装置に記憶されているデータを用いた演算を行
    ない、前記基礎データを求める第5の演算手段と、を備
    えていることを特徴とするロードセル。
  3. 【請求項3】 フレームとプリント基板とを着脱自在に
    接続するコネクタを備えていることを特徴とする請求項
    2に記載のロードセル。
  4. 【請求項4】 ロードセルのゼロ点とスパンの出力およ
    び温度センサの出力を複数の温度条件で検出したフレー
    ムに固有のデータおよびプリント基板に固有のデータの
    うち、少なくとも一方についてはコードシンボルとして
    前記フレームまたは前記プリント基板に記録されてお
    り、 入力手段は、前記コードシンボルを読み取るコードシン
    ボル読取手段を備えていることを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載のロードセル。
  5. 【請求項5】 第1、第2、第3、第4および第5の演
    算手段をなすマイクロコンピュータがプリント基板に実
    装されていることを特徴とする請求項2、3、4のいず
    れかに記載のロードセル。
JP10018995A 1998-01-30 1998-01-30 荷重測定方法およびロードセル Pending JPH11211544A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015031557A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 大和製衡株式会社 計量装置
US10718795B2 (en) 2017-08-28 2020-07-21 Fanuc Corporation Detecting device

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JP2015031557A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 大和製衡株式会社 計量装置
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