JP4163824B2 - 計量装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計量セルからの計量信号から、その計量セルを設置した床の振動成分による計量誤差を除去するようにした計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、工場生産ラインにおいて、被計量物を計量する際、計量装置の設置場所において地盤,建屋,床,架台などの環境に起因して床振動が生じ、これらの振動分が計量信号に重畳する。このため、計量装置において、被計量物を計量してその重量に対応した計量信号を出力する計量セルの近傍で該計量セルと同一の床に、床振動検出信号を出力する床振動検出セルを設置し、計量信号から床振動信号を減算することにより、計量信号中の床振動成分を除去する床振動補償を行う場合がある。
【0003】
このとき、計量セルと床振動検出セルとでは、ばね定数および負荷重量(風袋を含む)が相違することに起因して、出力信号に対する入力信号のゲイン(伝達関数)が異なる場合があり、このため、いずれか一方のセルの出力感度を他方に合わせる感度補正を行って、両セルの出力のゲインを合わせる必要がある。以下、この感度補正について説明する。
【0004】
図8の振動モデルにおいて、計量セルおよび床振動検出セルの運動方程式は、式(1)および式(2)で示すようになる。両式(1),(2)において、M0 は床振動検出セルの自由端の質量、M1 は被計量物が載置されていない状態での計量セルの自由端の質量、mは被計量物の質量、k0 ,k1 は床振動検出セルと計量セルのばね定数、x0 ,x1 は両セルの自由端の変位、xB は床Fの変位である。
【0005】
【数1】
Figure 0004163824
【0006】
ここで、床側と荷重側の相対変位が各セルの出力となるので、上記式(1)および式(2)は、式(3)および式(4)のように変形することができる。
【0007】
【数2】
Figure 0004163824
【0008】
上記の両式(3)(4)を、床の変位を系の入力、セルの出力を系の出力として、その入出力の関係である伝達関数を求め、さらに、振幅の周波数特性G1(jω)およびG0(jω)を求めると、式(5)および式(7)となる。両式において、ωは床振動の周波数、ω1 は被計量物がのった計量セルの固有振動数、ω0 は床振動検出セルの固有振動数である。計量セルの固有振動数ω1 は式(6)で示され、床振動検出セルの固有振動数ω0 は式(8)で示される。
【0009】
【数3】
Figure 0004163824
【0010】
したがって、計量セル側と床振動検出セル側の出力感度比αは、次の式(9)となる。
【0011】
【数4】
Figure 0004163824
【0012】
ここで、式(9)において、床振動の周波数ωが両セルの固有振動数ω1 ,ω0 より十分に低い周波数、即ち、1 ≫(ω/ ωo )2、1 ≫(ω/ ω1 )2である場合、式(10)が成立し、この簡易な式(10)で計算された一定の出力感度比αに基づいて、例えば計量セルの感度補正を行って、両セルの出力のゲインを合わせ、床振動補償を行う。すなわち、この場合、式(5)および式(7)に基づいて、床振動の周波数ω、計量セル,床振動検出セルの固有振動数ω1 ,ω0 から、両セルの伝達関数を演算しなくとも、一定の出力感度比αを用いることにより高精度の計量を確保できる。
【0013】
【数5】
Figure 0004163824
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、一定の出力感度比αを用いることができるのは、床振動の周波数ωが十分に低い場合であり、図9に示すように、両セルの固有振動数ωo ,ω1 は相違しているので、床振動の周波数ωが固有振動数ωo ,ω1 に近い高周波の場合には、床振動の周波数ωの変化に対して出力感度比は一定にならない。ここで、横軸は床振動の周波数(Hz)で、縦軸は出力感度(gf/μm)である。
【0015】
したがって、床振動の周波数ωが高周波の場合、式(10)で質量mの変化のみに基づいて一定の出力感度比αで感度補正したのでは誤差が大きくなり、床振動補償の正確性を欠き高精度の計量が図れない。
【0016】
一方、式(5)および式(7)に基づいて両セルの伝達関数を求め、式(9)に基づいて床振動周波数に応じた出力感度比を演算する場合、式(5)の演算に必要となる被計量物がのった計量セルの固有振動数ω1 は、被計量物の質量mに依存するため、これを求めるのが困難であるという問題があった。
【0017】
さらに、両セルが同一形式のものでない場合には、その動特性の相違によって、計量信号と床振動検出信号の位相差による誤差も生じる。この誤差は、床振動の周波数ωが固有振動数ωo ,ω1 に近い高周波になる程大きくなる。
【0018】
本発明は、上記の問題点を解決して、床振動周波数が計量セルおよび床振動検出セルの固有振動数に近い高周波の場合であっても、床振動周波数に応じて床振動補償を容易かつ正確に行うことができる計量装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、被計量物を計量して、その重量に対応した計量信号を出力する計量セル、この計量セルが設置された床の振動を検出して、床振動検出信号を出力する床振動検出セル、計量信号に含まれる直流成分を抽出し、この直流成分から被計量物の質量を予測する質量予測手段、被計量物の質量と被計量物がのった計量セルの固有振動数との関係を示す、実測から得られた質量−固有振動数データを記憶する記憶手段と、記憶された質量−固有振動数データに基づき、前記予測された被計量物の質量から前記固有振動数を求める固有振動数取得手段と、この固有振動数に基づいて計量セルについての入力と出力の関係を示す伝達関数を演算する伝達関数演算手段と、この計量セルの伝達関数と、床振動検出セルの伝達関数とが一致するように信号を補正する伝達関数補正手段とを有する補償処理手段、および、前記補償処理手段による補正後に、計量信号から床振動検出信号を減算して床振動補正済計量信号を出力する減算処理手段を備えている。
【0020】
上記構成によれば、計量信号から抽出した直流成分から被計量物の質量を予測し、この予測された質量から、予め実測から得られた質量−固有振動数データに基づいて、被計量物がのった計量セルの固有振動数を求め、計量セルの伝達関数をこの固有振動数に基づいて演算する。そして、この計量セルの伝達関数と、既知の床振動検出セルの伝達関数との比に基づいて、両セルの伝達関数が一致するように信号を補正したうえで、計量信号から床振動検出信号を減算して床振動補正済計量信号を出力する。
【0021】
したがって、床振動周波数が計量セルおよび床振動検出セルの固有振動数に近い高周波の場合であっても、実測による質量−固有振動数データに基づいて、計量セルの伝達関数を容易かつ正確に演算し、両セルの伝達関数が一致するように正確に補正できるので、床振動周波数に応じて床振動補償を容易かつ正確に行うことができる。また、両セルの伝達関数を一致させることにより、両セルの動特性が相違することによって生じる計量信号と床振動検出信号の位相差による誤差も解消されることとなり、床振動補償の正確性がさらに増して、高精度の計量が可能となる。しかも、本発明は、減算処理手段の入力の計量信号から質量を予測し、補償処理手段により、予め実測から得られた質量−固有振動数データを用いて、計量セルの伝達関数を演算し、両セルの伝達関数が一致するように補正した床振動検出信号を、減算処理手段により、入力の計量信号からそのまま減算して床振動補正済計量信号を得るフィードフォワード型になっており、高速計量が可能になる。
【0022】
本願請求項2の発明は、被計量物を計量して、その重量に対応した計量信号を出力する計量セル、この計量セルが設置された床の振動を検出して、床振動検出信号を出力する床振動検出セル、前記計量セルと床振動検出セルの各入出力の関係を示す伝達関数が一致するように信号を補正する補償処理手段、前記補償処理手段による補正後に、計量信号から床振動検出信号を減算して床振動補正済計量信号を出力する減算処理手段、および、前記床振動補正済計量信号に含まれる直流成分を抽出し、この直流成分から被計量物の質量を予測する質量予測手段を備え、前記補償処理手段は、被計量物の質量と被計量物がのった計量セルの固有振動数との関係を示す、実測から得られた質量−固有振動数データを記憶する記憶手段と、記憶された質量−固有振動数データに基づき、前記予測された被計量物の質量から前記固有振動数を求める固有振動数取得手段と、この固有振動数に基づいて計量セルの伝達関数を演算する伝達関数演算手段と、この計量セルの伝達関数と床振動検出セルの伝達関数とが一致するように信号を補正する伝達関数補正手段とを備えている。
【0023】
上記構成によれば、床振動補正済計量信号から抽出した直流成分から被計量物の質量を予測し、この予測された質量から、予め実測から得られた質量−固有振動数データに基づいて、被計量物がのった計量セルの固有振動数を求め、計量セルの伝達関数をこの固有振動数に基づいて演算する。そして、この計量セルの伝達関数と、既知の床振動検出セルの伝達関数との比に基づいて、両セルの伝達関数が一致するように信号を補正したうえで、計量信号から床振動検出信号を減算して床振動補正済計量信号を出力する。
【0024】
したがって、上記と同様に、床振動周波数が計量セルおよび床振動検出セルの固有振動数に近い高周波の場合であっても、実測による質量−固有振動数データに基づいて、計量セルの伝達関数を容易かつ正確に演算し、両セルの伝達関数が一致するように正確に補正できるので、床振動周波数に応じて床振動補償を容易かつ正確に行うことができる。また、本発明は、減算処理手段の出力の床振動補正済計量信号から質量を予測し、補償処理手段により、予め実測から得られた質量−固有振動数データを用いて、計量セルの伝達関数を演算し、両セルの伝達関数が一致するように補正した床振動検出信号を、減算処理手段の入力側へ戻し、入力の計量信号からこの補正した床振動検出信号を減算して床振動補正済計量信号を得るフィードバック型になっているので、床振動成分が減算された後の計量信号を用いて伝達関数を求めるから、被計量物の質量値のばらつきが減少して、その推定値がより一層正確になり、計量精度を向上でき、より正確な床振動補償を行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の第1実施形態に係る計量装置の構成を示す。
本発明に係る計量装置は、被計量物を計量して、その重量に対応した計量信号を出力する計量セル2、この計量セル2が設置された床Fの振動を検出して、床振動検出信号を出力する床振動検出セル4、各信号を増幅するアンプ5、各信号について一定周波数以上の信号を除去するアンチエイリアスフィルタ(もしくはローパスフィルタ)6、各信号をディジタル変換するA/Dコンバータ7、およびマイクロコンピュータ20を備えている。
【0026】
上記マイクロコンピュータ20は、ディジタル変換された計量信号をフィルタ処理して計量信号ym を出力する第1フィルタ(ディジタルフィルタ)11、質量予測手段12、ディジタル変換された床振動検出信号をフィルタ処理して床振動検出信号を出力する第2フィルタ(ディジタルフィルタ)13、両セル2,4の伝達関数の相違に基づく上記信号の補償処理を行うもので、例えば床振動検出信号を両セル2,4の伝達関数が一致するように補正して床振動検出信号yc を出力させる補償処理手段10、および減算処理手段18を備えている。
【0027】
上記質量予測手段12は、計量信号ym に含まれる直流成分を抽出し、この直流成分から被計量物の質量mを予測する。計量信号ym に含まれる直流成分を抽出する方法としては、例えば、第1ディジタルフィルタ11で固有振動成分を除去した信号を移動平均や畳み込み演算等により所定時間で平均化して使うような方法が用いられる。
【0028】
上記補償処理手段10は、被計量物の質量mと被計量物がのった計量セル2の固有振動数との関係を示す、実測から得られた質量−固有振動数データを記憶する記憶手段17と、記憶された質量−固有振動数データに基づき、上記予測された被計量物の質量mから上記固有振動数を求める固有振動数取得手段14と、この固有振動数に基づいて、計量セル2の入出力の関係を示す伝達関数を演算する伝達関数演算手段15と、この計量セル2の伝達関数と、床振動検出セル4の伝達関数との比に基づいて、床振動検出信号を両セル2,4の伝達関数が一致するように補正して、床振動検出信号yc を出力する伝達関数補正手段16とを有する。
【0029】
上記記憶手段17には、図3に一例を示す質量−固有振動数データが記憶されている。このデータは、予め本装置の設置場所において、被計量物の質量(真値)mと、その被計量物がのった計量セル2の固有振動数fn との関係を実験によって求めたものである。横軸は質量m(g)、縦軸は固有振動数fn (Hz)である。質量mは、上述したように所定時間における平均値である。同図における質量−固有振動数の関係式は、例えば、固有振動数fn が質量mを変数とする2次関数で表現されており、この関係式は、例えば実験データと関数との差の二乗和を最小にする関数を求める最小二乗法によって求められている。なお、固有振動数fn を質量mの1次関数で表現してもよい。この実測から得られた質量−固有振動数データに基づいて、固有振動数取得手段14により、上記予測された被計量物の質量mから、固有振動数ω1 (=2πfn )の推定値が求められる。この被計量物がのった計量セル2の固有振動数ω1 は伝達関数演算手段15に入力されて、計量セル2の伝達関数が演算され、伝達関数補正手段16により、床振動検出信号を両セル2,4の伝達関数が一致するように補正して、床振動検出信号yc が出力される。
【0030】
上記減算処理手段18は、計量信号ym から補償処理手段10により補正した床振動検出信号yc を減算して床振動補正済計量信号yを出力する。つまり、本装置は、減算処理手段18の入力の計量信号ym から質量mを予測し、補償処理手段10により、予め実測から得られた質量−固有振動数データを用いて、計量セル2の伝達関数を演算し、両セルの伝達関数が一致するように補正して得られた床振動補正済信号yc を、減算処理手段18により、入力の計量信号ym からそのまま減算して床振動補正済計量信号yを得るフィードフォワード型になっている。
【0031】
つぎに、上記構成を有する本装置の動作を、図1、および、計量セル2と床振動検出セル4の伝達関数の関係を示す図2を用いて説明する。本装置は、主として、床振動周波数ωが、被計量物がのった計量セル2,床振動検出セル4の固有振動数ω1 ,ω0 に近い高周波の場合に適用される。
【0032】
図2において、床振動に相当する系の入力をXB (s) 、計量セル2の伝達関数をG1(s),出力をX1B(s) ,アンプ5からの出力をYm (s) とし、床振動検出セル4の伝達関数をG0(s),出力をX0B(s) ,補償処理手段10の補償伝達関数をGX (s) 、補償処理手段10からの出力をYC (s) とし、系の出力をY(s) とする。ここで、s は複素数であり、周波数特性ではs=jωである。
【0033】
予め、床振動検出セル4における既知の自由端の質量M0 とばね定数k0 から、上述した式(8)で床振動検出セル4の固有振動数ω0 が求められ、これと床振動の周波数ωから、式(7)に基づいて、床振動検出セル4側の伝達関数G0(jω) が求められている。また、計量セル2における被計量物が載置されていない状態での自由端の質量M1 およびばね定数k1 も既知である。
【0034】
まず、図1の計量セル2からの計量信号は、アンプ5、アンチエイリアスフィルタ6、A/Dコンバータ7を経て、第1ディジタルフィルタ11によりフィルタ処理されて、減算処理手段18に計量信号ym として出力する。これとともに、質量予測手段12により、計量信号ym に含まれる直流成分が抽出され、この直流成分から被計量物の質量mが予測される。この質量mは、補償処理手段10の記憶手段17に入力される。
【0035】
一方、床振動検出セル4からの床振動検出信号は、アンプ5、アンチエイリアスフィルタ6、A/Dコンバータ7を経て、第2ディジタルフィルタ13によりフィルタ処理された後、補償処理手段10の伝達関数補正手段16に入力される。
【0036】
上記補償処理手段10において、固有振動数取得手段14により、記憶手段17に記憶された被計量物の質量mと被計量物がのった計量セル2の固有振動数fn との関係を示す、実測から得られた質量−固有振動数データに基づき、上記予測された質量mから被計量物がのった計量セル2の固有振動数ω1 (=2πfn )が求められる。
【0037】
つぎに、上記伝達関数演算手段15により、上記求められた計量セル2の固有振動数ω1 と、床振動の周波数ωから、式(5)に基づいて、計量セル側の伝達関数G1(jω) が演算される。以下、G1(jω) をG1(s)で、G0(jω) をG0(s)で示す。そして、この伝達関数G1(s)と既知の床振動検出セル4側の伝達関数G0(s)から、図2の補償伝達関数GX (s) =G1(s)/G0(s)(床振動周波数ωにおける出力感度比)が演算される。
【0038】
そして、伝達関数補正手段16において、床振動検出信号に上記補償伝達関数GX (s) を乗じて、床振動検出セル4の伝達関数を計量セル2の伝達関数に一致させるように補正し、この伝達関数補正手段16を通して補正した床振動検出信号yc を出力する。
すなわち、図2において、補償処理手段10からの出力YC (s) は、床振動検出セル4の出力X0B(s) に補償伝達関数GX (s) を乗ずることにより、次式のように、計量セル2のアンプ5からの出力Ym (s) と等しくなる。
Figure 0004163824
したがって、上式(11)から、系の出力Y(s) は、
Y(s) =Ym (s) −Yc (s) =0 (12)
となり、両セル2,4の伝達関数G1(s),G0(s)は一致した状態となる。
【0039】
図4に、質量−固有振動数の実測値を用いた場合において、被計量物の質量(真値)mに対して、本装置で実際に被計量物をのせて測定した測定値ms と質量mとの誤差e((ms −m)の所定時間における平均値)の評価結果を示す。横軸は質量m(g)、縦軸は誤差e(g)である。図4のように、この場合の誤差eは0.2g以内である。
【0040】
一方、図1の記憶手段17および固有振動数取得手段14に代えて、固有振動数演算手段を設け、上記予測された質量m、および既知のばね定数k1 ,質量m1 から、上記式(6)に基づいて、被計量物がのった計量セル2の固有振動数ω1 を演算して求めることが考えられる(特願平10−204766号参照)。図5に、この計算値を用いた場合において、上記と同様の質量mに対する誤差eの評価結果を示す。図5のように、この場合の誤差eは7.5g以内である。したがって、質量−固有振動数の実測値を用いた場合、計算値を用いた場合より誤差eが小さくなっており、正確な床振動補正済計量信号yが得られる。
【0041】
これにより、本装置は、予め実測された質量−固有振動数データに基づいて、両セル2,4の伝達関数G1(s),G0(s)を正確に一致させた状態で、計量信号ym と床振動検出信号yc が出力され、減算処理手段18により、計量信号ym から補正した床振動検出信号yc を減算して、正確な床振動補正済計量信号yを出力する。
【0042】
こうして、本装置は、床振動周波数が計量セル2および床振動検出セル4の固有振動数に近い高周波の場合であっても、計量信号から抽出した直流成分から被計量物の質量mを予測し、この予測された質量mから、実測による質量−固有振動数データに基づいて被計量物がのった計量セル2の固有振動数ω1 を求めるので計量セル2の伝達関数G1(s)を容易かつ正確に演算でき、これに基づいて床振動検出信号を両セル2,4の伝達関数G1(s),G0(s)が一致するように正確に補正できるので、床振動周波数に応じて床振動補償を容易かつ正確に行うことができる。また、減算処理手段18において、入力の計量信号ym から、質量予測手段12および補償処理手段10により得られた補正した床振動検出信号yc をそのまま直ちに減算して床振動補正済計量信号yを得るフィードフォワード型になっているので、高速計量が可能になる。
【0043】
なお、本発明では、計量セル2,床振動検出セル4が同一型式のものでない場合であっても、補償処理手段10により各伝達関数G1(s),G0(s)を一致させることによって、両セル2,4の動特性も一致する。したがって、両セル2,4の動特性が相違することによって生じる計量信号と床振動検出信号の位相差による誤差も解消されることとなり、床振動補償の正確性がさらに増して、高精度の計量が可能となる。
【0044】
図6に、本発明の第2実施形態に係る計量装置の構成を示す。
本発明に係る計量装置は、第1実施形態と以下の点で相違する。すなわち、本装置は、減算処理手段18からの出力ラインにスイッチSを介して質量予測手段12が接続されており、この質量予測手段12が、減算処理手段18からの床振動補正済計量信号yに含まれる直流成分を抽出し、この直流成分から被計量物の質量mを予測する。さらに、本装置は、減算処理手段18の出力の床振動補正済計量信号yから質量mを予測し、補償処理手段10により、予め実測から得られた質量−固有振動数データを用いて、計量セル2の伝達関数を演算し、両セル2,4の伝達関数が一致するように補正して得られた床振動検出信号yc を、減算処理手段18の入力側へ戻し、入力の計量信号ym からこの補正した床振動検出信号yc を減算して床振動補正済計量信号yを得るフィードバック型になっている。その他の構成は図1と同様である。
【0045】
本装置の場合、フィードバック効果を上げるために、例えば被計量物が計量セル2に載ったタイミングを光電管のようなセンサで検知しておき、被計量物の全体が計量セル2に載って安定状態に達したと予測される時点で、スイッチSをONして一定時間後にOFFにし、その間に床振動補正済計量信号yを取り込むことにより、床振動成分を平均化処理したデータを得て、このデータによりフィードバックをかける。
【0046】
本装置も、上述した第1実施形態と同様に、予め実測された質量−固有振動数データに基づいて、両セル2,4の伝達関数G1(s),G0(s)を正確に一致させた状態で、計量信号ym と床振動検出信号yc が出力され、減算処理手段18により、計量信号ym から補正した床振動検出信号yc を減算して、正確な床振動補正済計量信号yを出力する。
【0047】
図7は、本発明に係る床振動補正済計量信号yの振動特性を示す図である。横軸は時間t(s)、縦軸は床振動補正済計量信号y(g)である。実線21は第2実施形態におけるフィードバック型の場合、破線22は第1実施形態におけるフィードフォワード型の場合を示す。フィードバック型の場合、床振動成分が減算された後の計量信号を用いて伝達関数を求めるから、同図に示すように、被計量物の質量のばらつきが減少して、その推定値がより一層正確になり、計量精度を向上でき、より正確な床振動補償を行うことができる。フィードバックの時間を長くすると、床振動成分が平均化され、精度が向上するが、計量速度が低下する。なお、フィードバックの回数は複数回行ってもよい。
【0048】
なお、上記各実施形態では、単一の計量セルおよび床振動検出セルを設けているが、被計量物の載置面積の大きさに応じて、複数の計量セルおよび床振動検出セルを設けてもよい。
【0049】
また、上記各実施形態では、補償処理手段10を床振動検出セル4の出力側に設けているが、これとは異なり、計量セル2の出力側に設けてもよく、また両セル2,4の両方側に設けるようにしてもよい。
【0050】
また、上記各実施形態では、1次元で床振動が生じる場合に床振動補正を行うものであるが、2,3次元で床振動を生じる場合であっても同様に適用できる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明の一構成によれば、床振動周波数が計量セルおよび床振動検出セルの固有振動数に近い高周波の場合であっても、計量セルの伝達関数を容易に演算し、実測による質量−固有振動数データに基づいて両セルの伝達関数が一致するように正確に補正できるので、床振動周波数に応じて床振動補償を容易かつ正確に行うことができる。また、両セルの伝達関数を一致させることにより、両セルの動特性が相違することによって生じる計量信号と床振動検出信号の位相差による誤差も解消されることとなり、床振動補償の正確性がさらに増して、高精度の計量が可能となる。しかも、本発明は、入力の計量信号から質量を予測し、補償処理手段により、予め実測から得られた質量−固有振動数データを用いて、計量セルの伝達関数を演算し、両セルの伝達関数が一致するように補正した床振動検出信号を、減算処理手段により、入力の計量信号からそのまま減算して床振動補正済計量信号を得るフィードフォワード型になっており、高速計量が可能になる。
【0052】
また、本発明の他の構成によれば、減算処理手段の出力の床振動補正済計量信号から質量を予測し、補償処理手段により、予め実測から得られた質量−固有振動数データを用いて、計量セルの伝達関数を演算し、両セルの伝達関数が一致するように補正した床振動検出信号を、減算処理手段の入力側へ戻し、入力の計量信号からこの補正した床振動検出信号を減算して床振動補正済計量信号を得るフィードバック型になっているので、床振動成分が減算された後の計量信号を用いて伝達関数を求めるから、被計量物の質量のばらつきが減少して、その推定値がより一層正確になり、計量精度を向上でき、より正確な床振動補償を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る計量装置を示す構成図である。
【図2】計量セルと床振動検出セルの伝達関数の関係を示す図である。
【図3】実測値に基づく質量−固有振動数データを示す特性図である。
【図4】実測値に基づく質量と誤差の評価結果を示す特性図である。
【図5】計算値に基づく質量と誤差の評価結果を示す特性図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る計量装置を示す構成図である。
【図7】本発明に係る床振動補正済計量信号の振動特性を示す図である。
【図8】計量セルと床振動検出セルの振動モデルを示す図である。
【図9】計量セルと床振動検出セルの対床振動感度周波数を示す特性図である。
【符号の説明】
2…計量セル、4…床振動検出セル、10…補償処理手段、12…質量予測手段、14…固有振動数取得手段、15…伝達関数演算手段、16…伝達関数補正手段、17…記憶手段、18…減算処理手段。

Claims (2)

  1. 被計量物を計量して、その重量に対応した計量信号を出力する計量セル、
    この計量セルが設置された床の振動を検出して、床振動検出信号を出力する床振動検出セル、
    計量信号に含まれる直流成分を抽出し、この直流成分から被計量物の質量を予測する質量予測手段、
    被計量物の質量と被計量物がのった計量セルの固有振動数との関係を示す、実測から得られた質量−固有振動数データを記憶する記憶手段と、記憶された質量−固有振動数データに基づき、前記予測された被計量物の質量から前記固有振動数を求める固有振動数取得手段と、この固有振動数に基づいて計量セルの入出力の関係を示す伝達関数を演算する伝達関数演算手段と、この計量セルの伝達関数と床振動検出セルの伝達関数とが一致するように信号を補正する伝達関数補正手段とを有する補償処理手段、および、
    前記補償処理手段による補正後に、計量信号から床振動検出信号を減算して床振動補正済計量信号を出力する減算処理手段を備えた計量装置。
  2. 被計量物を計量して、その重量に対応した計量信号を出力する計量セル、
    この計量セルが設置された床の振動を検出して、床振動検出信号を出力する床振動検出セル、
    前記計量セルと床振動検出セルの各入出力の関係を示す伝達関数が一致するように信号を補正する補償処理手段、
    前記補償処理手段による補正後に、計量信号から床振動検出信号を減算して床振動補正済計量信号を出力する減算処理手段、および、
    前記床振動補正済計量信号に含まれる直流成分を抽出し、この直流成分から被計量物の質量を予測する質量予測手段を備え、
    前記補償処理手段は、
    被計量物の質量と被計量物がのった計量セルの固有振動数との関係を示す、実測から得られた質量−固有振動数データを記憶する記憶手段と、記憶された質量−固有振動数データに基づき、前記予測された被計量物の質量から前記固有振動数を求める固有振動数取得手段と、この固有振動数に基づいて計量セルの伝達関数を演算する伝達関数演算手段と、この計量セルの伝達関数と床振動検出セルの伝達関数とが一致するように信号を補正する伝達関数補正手段とを備えた計量装置。
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