JP4812882B2 - リン酸基含有ビニル系重合体含有組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
前記リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート(A)は、式(1):
[ただしR1は水素基又はメチル基であり、R2は炭素数が2〜4で、直鎖状又は分岐状で、少なくとも一部の水素基が塩素基で置換されていてもよいアルキレン基であり、nは1〜6の整数であり、かつ前記nの平均は3以下であり、X1は-P(O)(OH)2基又は-P(O)(OH)-OP(O)(OH)2基であり、前記X1の水酸基の一部がH2C=CRa-C(O)-O-(Rb-O)n'-基(Raは水素基又はメチル基であり、Rbは炭素数が2〜4で、直鎖状又は分岐状で、少なくとも一部の水素基が塩素基で置換されていてもよいアルキレン基であり、n'は1〜6の整数であり、かつn'の平均は3以下である)で置換されていてもよい]で表される化合物であり、
前記塩基性含窒素化合物(C)は、(ポリ)エーテル基を少なくとも一つ有するアミン系界面活性剤(C-1)、四級アンモニウム塩基を含有するカチオン性界面活性剤(C-2)、及び炭素数7〜30の長鎖炭化水素基を少なくとも一つ有するアミン(C-3)からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする。
リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートは、式(1):
(2) 単位は質量%。
塩基性含窒素化合物は、(ポリ)エーテル基を少なくとも一つ有するアミン系界面活性剤、四級アンモニウム塩基を含有するカチオン性界面活性剤、及び炭素数7〜30の長鎖炭化水素基を少なくとも一つ有するアミンに大別される。
(ポリ)エーテル基含有アミン系界面活性剤として、以下の第一及び第二の(ポリ)エーテル基含有アミン系界面活性剤が好ましい。第一の(ポリ)エーテル基含有アミン系界面活性剤は式(2):
カチオン性界面活性剤は四級アンモニウム塩基を含有する。カチオン性界面活性剤として、以下の第一〜第四のカチオン性界面活性剤が好ましい。第一のカチオン性界面活性剤は式(4):
長鎖炭化水素基含有アミンは、炭素数7〜30の長鎖炭化水素基を少なくとも一つ有する。長鎖炭化水素基の炭素数は10〜25が好ましい。長鎖炭化水素基含有アミンとして以下の第一及び第二の長鎖炭化水素基含有アミンが好ましい。第一の長鎖炭化水素基含有アミンは式(8):
上記リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートと共重合するその他のエチレン性不飽和結合含有化合物は用途に応じて適宜選択されるが、以下の二群(1) 分子内に少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有するが酸性基を有しない不飽和化合物、及び(2) 分子内にエチレン性不飽和結合と酸性基とを各々少なくとも一個有する不飽和化合物に大別できる。ここで、酸性基としてはスルホン酸基、カルボン酸基、アルコール性水酸基等が挙げられる。
酸性基非含有不飽和化合物としては、常温で気体でない、分子内に少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有する不飽和化合物がすべて対象になるが、中でも(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N, N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、置換又は無置換のスチレン、ジビニルベンゼン、脂肪酸ビニルエステル(酢酸ビニル等)、ハロゲン化ビニル、少なくとも一部の水素基がフッ素基で置換された(メタ)アクリル酸エステル、少なくとも一部の水素基がフッ素基で置換されたアルキル基を含有するビニル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を併用しても良い。
酸性基としては特に制限されないが、スルホン酸基、カルボン酸基、アルコール性水酸基等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する骨格としては、(メタ)アクリレート骨格、(メタ)アリルエステル骨格、置換又は無置換の不飽和脂肪族炭化水素骨格、不飽和基により置換された芳香族炭化水素骨格等を挙げることができる。
スルホン酸基を含有する不飽和単量体としては、例えば特開2004-179154号に記載のものが挙げられる。具体的には、ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル-4-スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸等が好ましい。
カルボン酸基を含有する不飽和単量体の例示化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸及びその無水物、フマル酸、イタコン酸、少なくとも一部の水素基がフッ素基で置換された(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
アルコール性水酸基を含有する不飽和単量体としては、ヘキサメチレンジオールジ(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートと、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物とを、塩基性含窒素化合物の共存下で乳化重合することにより、リン酸基含有ビニル系重合体含有組成物を製造する。予めリン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートに塩基性含窒素化合物を混合してリン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物を調製し、これとその他のエチレン性不飽和結合含有化合物とを、乳化重合法を用いて共重合反応させるのが好ましい。
(i) 配合割合
リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート1モルに対する塩基性含窒素化合物の配合割合は、0.5〜2モルであるのが好ましい。この配合割合を0.5モル未満とすると、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物との相溶性が悪くなり、均一なエマルジョンを形成するのが困難となる。一方この割合を2モル超としても相溶性向上効果が飽和する。この配合割合は1〜2モルがより好ましい。
リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートは常温で液体であるので、塩基性含窒素化合物が常温で液体である場合、リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートと塩基性含窒素化合物とを常温で混合することによりリン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物を調製することができる。必要に応じて、加熱してもよいし、溶媒中で混合してもよい。加熱温度は約50℃〜約70℃が好ましい。
リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物は、実質的に均一で、透明性に優れている。この組成物は、(i) リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート及び塩基性含窒素化合物の単なる混合物であってもよいし、(ii) リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートのリン酸基中の水酸基の少なくとも一部に、塩基性含窒素化合物のアミノ基が反応してなる変性物であってもよいし、(iii) これら(i)及び(ii)の混合物であってもよい。(ii)の変性物は、リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート及び塩基性含窒素化合物が、酸・塩基反応して四級アンモニウム塩を形成したものである。塩基性含窒素化合物による変性度(リン酸基中の水酸基の水素原子が塩基性含窒素化合物により置換された度合)は、リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートと塩基性含窒素化合物の配合割合等により変えることができる。
(i) 各不飽和化合物の使用割合
リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート(A)及び塩基性含窒素化合物(C)を混合してなる組成物(A+C)と、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物(B)との質量比(A+C)/(B)は特に制限されず、所望の物性に応じて適宜選択すればよい。この質量比は(5/95)〜(60/40)が好ましく、(10/90)〜(60/40)がより好ましい。
リン酸基含有ビニル系重合体含有組成物は、上記リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物と、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物とを乳化重合法を用いて共重合反応させることにより調製する。この共重合反応は、リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート又はその塩基性含窒素化合物による変性物と、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物とを反応させるものである。乳化重合法を用いることにより、高分子量を有する共重合体を比較的容易に調製することができる。重合度は、用途に応じて適宜変えることができる。上記のように、リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物は、実質的に均一であるので、これを用いて得られるリン酸基含有ビニル系重合体含有組成物は、実質的に均一で、透明性に優れている。上記のように、リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物の調製時にその他のエチレン性不飽和結合含有化合物を溶媒として用いた場合、リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物の調製に引き続き、重合開始剤を添加して共重合を行えばよい。
上記の方法により製造されるリン酸基含有ビニル系重合体含有組成物は、リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとその他のエチレン性不飽和結合含有化合物との共重合体、及び塩基性含窒素化合物を含む。リン酸基含有ビニル系重合体含有組成物は、(i) リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート及びその他のエチレン性不飽和結合含有化合物の共重合体と、塩基性含窒素化合物との単なる混合物であってもよいし、(ii) 上記[4](1)(iii)で説明したリン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートの塩基性含窒素化合物による変性物と、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物との共重合体であってもよいし、(iii) これら(i)及び(ii)の混合物であってもよい。リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物が塩基性含窒素化合物による変性物である場合、リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート及び塩基性含窒素化合物が電気的に結合して四級アンモニウム塩を形成しているので、リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物がその他のエチレン性不飽和結合含有化合物と反応しても塩基性含窒素化合物は脱離せず、上記(ii)の共重合体が形成される。
アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート(商品名「Phosmer M」、分子量:210、ユニケミカル株式会社製)及びポリオキシエチレン-ステアリルアミン(商品名「ナイミーンS-210」、純度100%、日油株式会社製、上記式(2a)におけるf及びkの合計:10、分子量709)を、モル比が1:1となるように混合し、50〜60℃で30分間撹拌すると透明な組成物(アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート含有組成物。アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレートのポリオキシエチレン-ステアリルアミンによる変性物)が得られた。
◎:室温で透明な混合物が得られた。
○:50〜60℃で加熱すると、透明な混合物が得られた。
×:50〜60℃で加熱しても白濁した混合物しか得られなかった。
○:分離の認められない、実質的に均一なエマルジョンが形成された。
×:油層と水層に分離した非分散液しか得られなかった。
○:透明である。
×:白濁している。
その他のエチレン性不飽和結合含有化合物として、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート及び2-エチルヘキシルアクリレートを各々用いた以外実施例1と同様にして、アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート含有組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物とを混合し、ビニル系重合体含有組成物を調製した。アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート含有組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物との相溶性、エマルジョン形成の有無、及びビニル系重合体含有組成物の均一性について、上記と同様にして評価した。結果を表3に示す。
ポリオキシエチレン-ステアリルアミンに替えて、テトラデシルジメチルベンジル-アンモニムクロライド(商品名「ニッサンカチオンM2-100R」、日油株式会社製)を用い、アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート含有組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物とを50℃の温度で混合した以外実施例1〜4とそれぞれ同様にして、アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート含有組成物を調製し、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物を混合し、ビニル系重合体含有組成物を調製した。アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート含有組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物との相溶性、エマルジョン形成の有無、及びビニル系重合体含有組成物の均一性について、上記と同様にして評価した。結果を表3に示す。
ポリオキシエチレン-ステアリルアミンに替えて、ジメチルラウリルアミン(商品名「3級ニッサンアミンBB」、アミン価260.5、日油株式会社製)を用いた以外実施例1〜4とそれぞれ同様にして、アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート含有組成物を調製した。得られた各組成物について、組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物との配合質量比を10:90とした以外実施例1〜4とそれぞれ同様にして、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物を混合し、ビニル系重合体含有組成物を調製した。アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート含有組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物との相溶性、エマルジョン形成の有無、及びビニル系重合体含有組成物の均一性について、上記と同様にして評価した。結果を表3に示す。
アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレートに替えて、3-クロロ-2-アシッド・ホスホオキシプロピルメタクリレート(商品名「Phosmer CL」、分子量:258.5、ユニケミカル株式会社製)を用いた以外実施例1〜12とそれぞれ同様にして、3-クロロ-2-アシッド・ホスホオキシプロピルメタクリレート含有組成物及びビニル系重合体含有組成物を調製した。3-クロロ-2-アシッド・ホスホオキシプロピルメタクリレート含有組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物との相溶性、エマルジョン形成の有無、及びビニル系重合体含有組成物の均一性について、上記と同様にして評価した。結果を表3に示す。
アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレートに替えて、アシッド・ホスホオキシブチルアクリレート(商品名「Phosmer BA」、分子量:224、ユニケミカル株式会社製)を用いた以外実施例1〜12とそれぞれ同様にして、アシッド・ホスホオキシブチルアクリレート含有組成物及びビニル系重合体含有組成物を調製した。アシッド・ホスホオキシブチルアクリレート含有組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物との相溶性、エマルジョン形成の有無、及びビニル系重合体含有組成物の均一性について、上記と同様にして評価した。結果を表3に示す。
塩基性含窒素化合物としてモノエタノールアミンを用いた以外実施例1〜4と同様にして、アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート含有組成物を調製し、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物を混合した。アシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート含有組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物との相溶性、及びエマルジョン形成の有無について、上記と同様にして評価した。結果を表3に示す。
塩基性含窒素化合物としてモノエタノールアミンを用いた以外実施例13〜16と同様にして、3-クロロ-2-アシッド・ホスホオキシプロピルメタクリレート含有組成物を調製し、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物を混合した。3-クロロ-2-アシッド・ホスホオキシプロピルメタクリレート含有組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物との相溶性、及びエマルジョン形成の有無について、上記と同様にして評価した。結果を表3に示す。
塩基性含窒素化合物としてモノエタノールアミンを用いた以外実施例25〜28と同様にして、アシッド・ホスホオキシブチルアクリレート含有組成物を調製し、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物を混合した。アシッド・ホスホオキシブチルアクリレート含有組成物とその他のエチレン性不飽和結合含有化合物との相溶性、及びエマルジョン形成の有無について、上記と同様にして評価した。結果を表3に示す。
(2) 商品名「ナイミーンS-210」、日油株式会社製。
(3) 相溶性は以下の基準により判定した。◎:室温で透明な混合物が得られた。○:50〜60℃で加熱すると、透明な混合物が得られた。×:50〜60℃で加熱しても白濁した混合物しか得られなかった。
(4) 水溶媒。リン酸エステル化アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物及びその他のエチレン性不飽和結合含有化合物の合計濃度。
(5) リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物及びその他のエチレン性不飽和結合含有化合物の合計を100質量%とする。
(6) エマルジョン形成の有無は以下の基準により判定した。○:分離の認められない、実質的に均一なエマルジョンが形成された。×:水層と油層に二層分離した非分散液しか得られなかった。
(7) 均一性は以下の基準により判定した。○:透明である。×:白濁している。
(8) 商品名「ニッサンカチオンM2-100R」、日油株式会社製。
(9) 商品名「3級ニッサンアミンBB」、アミン価260.5、日油株式会社製。
(10) 商品名「Phosmer CL」、分子量:258.5、ユニケミカル株式会社製。
(11) 商品名「Phosmer BA」、分子量:224、ユニケミカル株式会社製。
Claims (8)
- オキシアルキレン基の平均重合度が3以下のリン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート(A)と、その他のエチレン性不飽和結合含有化合物(B)とを、塩基性含窒素化合物(C)の共存下で乳化重合することにより、リン酸基含有ビニル系重合体含有組成物を製造する方法であって、
前記リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート(A)は、式(1):
[ただしR1は水素基又はメチル基であり、R2は炭素数が2〜4で、直鎖状又は分岐状で、少なくとも一部の水素基が塩素基で置換されていてもよいアルキレン基であり、nは1〜6の整数であり、かつ前記nの平均は3以下であり、X1は-P(O)(OH)2基又は-P(O)(OH)-OP(O)(OH)2基であり、前記X1の水酸基の一部がH2C=CRa-C(O)-O-(Rb-O)n'-基(Raは水素基又はメチル基であり、Rbは炭素数が2〜4で、直鎖状又は分岐状で、少なくとも一部の水素基が塩素基で置換されていてもよいアルキレン基であり、n'は1〜6の整数であり、かつn'の平均は3以下である)で置換されていてもよい]で表される化合物であり、
前記塩基性含窒素化合物(C)は、(ポリ)エーテル基を少なくとも一つ有するアミン系界面活性剤(C-1)、四級アンモニウム塩基を含有するカチオン性界面活性剤(C-2)、及び炭素数7〜30の長鎖炭化水素基を少なくとも一つ有するアミン(C-3)からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする方法。 - 請求項1に記載のリン酸基含有ビニル系重合体含有組成物の製造方法において、予め前記リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート(A)に前記塩基性含窒素化合物(C)を混合して組成物(A+C)を調製し、前記組成物(A+C)と前記その他のエチレン性不飽和結合含有化合物(B)とを反応させることを特徴とする方法。
- 請求項1又は2に記載のリン酸基含有ビニル系重合体含有組成物の製造方法において、前記リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート(A)が、式(1a):
(ただしR1、R2、n及びその平均は式(1)と同じである)により表されるリン酸モノエステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、式(1b):
(ただしR1a及びR1bはそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R2a及びR2bはそれぞれ独立に炭素数が2〜4で、直鎖状又は分岐状で、少なくとも一部の水素基が塩素基で置換されていてもよいアルキレン基であり、n1及びn2はそれぞれ独立に1〜6の整数であり、かつ前記n1及びn2の各平均は3以下である)により表されるリン酸ジエステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、式(1c):
(ただしR1、R2、n及びその平均は式(1)と同じである)により表されるピロリン酸モノエステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、及び式(1d):
(ただしR1c及びR1dはそれぞれ独立に水素基又はメチル基であり、R2c及びR2dはそれぞれ独立に炭素数が2〜4で、直鎖状又は分岐状で、少なくとも一部の水素基が塩素基で置換されていてもよいアルキレン基であり、n3及びn4はそれぞれ独立に1〜6の整数であり、かつ前記n3及びn4の各平均は3以下である)により表されるピロリン酸ジエステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のリン酸基含有ビニル系重合体含有組成物の製造方法において、
前記(ポリ)エーテル基含有アミン系界面活性剤(C-1)が、式(2):
[ただしR3は炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアリールアルキル基であり、R4は炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R5は-(R5aO)kH基(R5aは炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である)、炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基、又は水素基であり、f及びkはそれぞれ独立に1〜30の整数である]により表される第一の(ポリ)エーテル基含有アミン系界面活性剤、及び式(3):
[ただしR6は炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアリールアルキル基であり、R7は-(R7aO)sH基(R7aは炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である)、炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基、又は水素基であり、R8は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R9は炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R10は-(R10aO)tH基(R10aは炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である)、炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基、又は水素基であり、r、s及びtはそれぞれ独立に1〜30の整数である]により表される第二の(ポリ)エーテル基含有アミン系界面活性剤のいずれか又はこれらの混合物であり、
前記カチオン性界面活性剤(C-2)が、式(4):
(ただしR11及びR14はそれぞれ独立に炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアリールアルキル基であり、R12及びR13はそれぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、前記R11〜R14にはいずれも水酸基、エステル結合及びアミノ基からなる群から選ばれた少なくとも一種が結合していてもよく、Y-は対イオンである)により表される第一のカチオン性界面活性剤、式(5):
(ただしR15は炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアリールアルキル基であり、Y-は対イオンである)により表される第二のカチオン性界面活性剤、式(6):
(ただしR16は炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアリールアルキル基であり、R17及びR18はそれぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、R19は炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基又は炭素数7〜30のアリーレンアルキル基であり、前記R16〜R19にはいずれも水酸基、エステル結合及びアミノ基からなる群から選ばれた少なくとも一種が結合していてもよい)により表される第三のカチオン性界面活性剤、及び式(7):
(ただしR20は炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアリールアルキル基である)により表される第四のカチオン性界面活性剤からなる群から選ばれた少なくとも一種であり、
前記長鎖炭化水素基含有アミン(C-3)が、式(8):
(ただしR21は炭素数7〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アリール基又はアリールアルキル基であり、R22及びR23はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアリールアルキル基であり、前記R21〜R23にはいずれも水酸基及びエステル結合のいずれか又は両方が結合していてもよい)により表される第一の長鎖炭化水素基含有アミン、及び式(9):
[ただしR24は炭素数7〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アリール基又はアリールアルキル基であり、R25〜R27はそれぞれ独立に水素基、炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアリールアルキル基であり、前記R24〜R27にはいずれも水酸基及びエステル結合のいずれか又は両方が結合していてもよく、R28は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である]により表される第二の長鎖炭化水素基含有アミンのいずれか又はこれらの混合物である
ことを特徴とする方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のリン酸基含有ビニル系重合体含有組成物の製造方法において、前記その他のエチレン性不飽和結合含有化合物(B)が、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N, N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、スチレン、少なくとも一部の水素基がメチル基で置換されたスチレン、ジビニルベンゼン、脂肪酸ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、少なくとも一部の水素基がフッ素基で置換された(メタ)アクリル酸エステル、少なくとも一部の水素基がフッ素基で置換された(メタ)アクリル酸、少なくとも一部の水素基がフッ素基で置換されたアルキル基を含有するビニル、ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル-4-スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸及びその無水物、フマル酸、イタコン酸、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする方法。
- 請求項4又は5に記載のリン酸基含有ビニル系重合体含有組成物の製造方法において、前記第一の(ポリ)エーテル基含有アミン系界面活性剤が式(2a):
(ただしR3aは炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、f及びkは式(2)と同じである)により表される化合物であり、前記第二の(ポリ)エーテル基含有アミン系界面活性剤が式(3a):
(ただしR6aは炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、r、s及びtは式(3)と同じである)により表される化合物であり、前記第一のカチオン性界面活性剤が式(4a):
(ただしR11及びY-は式(4)と同じである)により表されるトリメチル型カチオン性界面活性剤、式(4b):
(ただしR11及びY-は式(4)と同じであり、R14aは炭素数2〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数8〜30のアリールアルキル基である)により表されるジアルキル型カチオン性界面活性剤、式(4c):
(ただしR11及びY-は式(4)と同じである)により表されるベンジル型カチオン性界面活性剤、及び式(4d):
(ただしR11a,R14bはそれぞれ独立に炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、Y-は式(4)と同じである)により表されるヒドロキシエステル型カチオン性界面活性剤のいずれか又はこれらの組合せであり、前記第三のカチオン性界面活性剤が式(6a):
(ただしR16は式(6)と同じである)により表される化合物であり、
前記第一の長鎖炭化水素基含有アミンが、式(8a):
(ただしR21aは炭素数10〜25の直鎖状もしくは分岐状の飽和アルキル基である)により表される化合物であり、前記第二の長鎖炭化水素基含有アミンが、式(9a):
(ただしR24aは炭素数10〜25の直鎖状もしくは分岐状の飽和アルキル基、R28aは炭素数2〜5の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である)により表される化合物である
ことを特徴とする方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のリン酸基含有ビニル系重合体含有組成物の製造方法において、前記リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート(A)1モルに対する前記塩基性含窒素化合物(C)の配合割合を0.5〜2モルとすることを特徴とする方法。
- 請求項2〜7のいずれかに記載のリン酸基含有ビニル系重合体含有組成物の製造方法において、前記リン酸エステル化(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート含有組成物(A+C)と、前記その他のエチレン性不飽和結合含有化合物(B)との質量比(A+C)/(B)が、(5/95)〜(60/40)であることを特徴とする方法。
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