JP4812707B2 - 光ファイバテープ - Google Patents

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本発明は、屋内家屋の壁面等に配設される光ファイバテープに関するものである。
光ファイバを用いた光通信が行われており、このような光通信は、例えば屋外に敷設されたケーブルから分岐された光ファイバコードを屋内に配置し、この光ファイバコードを光通信用の機器に接続して行われている(例えば、特許文献1、参照)。
図6には、光ファイバコードの一例が示されており、同図に示す光ファイバコード11は、光ファイバ心線2の外周側に補強繊維入りのシース材13を設けて、横断面形状が丸型に形成されており、図示されていない光コネクタに挿入固定されて用いられている。シース材13は比較的硬めの材質により形成されており、例えばシース材13を剥がす作業は、治具等を用いて行われている。
特開2006―235029号公報
ところで、図6に示したような従来の光ファイバコード11は、前記の如く、横断面形状が丸型に形成されているので、光ファイバコード11を屋内壁面に配設固定する際には、ワイヤプロテクタやステップルといった、光ファイバコード11を壁面に固定するための固定用部材を、光ファイバコード11の長手方向に間隔を介して複数設けて固定する必要があり、この作業は容易ではなく、光ファイバコード11の配設固定(敷設)に時間がかかるといった問題があった。
また、前記固定用部材を用いることにより、その分だけ配設スペースが必要であり、狭いスペースに光ファイバコード11を配設固定することが難しかった。しかも、横断面形状が丸型の光ファイバコード11を壁面に固定すると、壁面に凹凸が生じるのに加え、前記固定用部材を用いることにより、光ファイバコード11を固定する壁面に、より一層多くの凹凸が生じてしまい、壁の機能や見栄え、美観を損ねるといった問題もあった。
さらに、光ファイバコード11を床に配設固定する際には、例えばカーペットの下に光ファイバコード11を配設すると、その分だけ床面に凹凸ができてしまい、足で踏んだ場合に違和感が生じるといった問題もあった。
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、屋内家屋の壁面等に、たとえ狭いスペースでも容易に効率的に配設固定することができ、壁面等の美観を損ねることなく機能的に配設固定できる光ファイバテープを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、光ファイバのみを樹脂材料から成るシート形成層の幅方向の中央部の一箇所に埋設することにより前記光ファイバの長手方向を長手方向とする帯状の押し出し成形により形成された固形の光ファイバシートを形成し、該光ファイバシートの一面に連続的または間欠的に接着層を設け、該接着層の表面側に、該接着層と剥離自在に剥離層を設け、前記光ファイバシートの厚みを1mm以下とし、前記シート形成層は、該シート形成層を引き裂いて該シート形成層に光ファイバの長手方向の裂け目を形成して光ファイバを露出させることができる引き裂き性向上材として難燃性をも兼備する窒素系難燃剤を含有した樹脂材料により形成されており、前記シート形成層は光ファイバが埋設されている幅方向の中央部を中心にしてその幅方向の両側に光ファイバが埋設されていないシート形成層部分が、前記シート形成層を長手方向に素手で引き裂いて裂け目を形成するときの摘み代となり得る幅を持たせて形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第の発明は、前記第1の発明の構成に加え、長手方向の引っ張り強度が100N以上であることを特徴とする。
さらに、第の発明は、前記第1又は第2の発明の構成に加え、前記接着層から剥離層を剥離して露出した接着層を屋内家屋壁面に接着して使用される光ファイバテープであって、接着層は光ファイバテープを接着する相手側の部材との接着強度が3N以上と成していることを特徴とする。
本発明によれば、光ファイバをシート形成層に埋設することにより、光ファイバの長手方向を長手方向とする帯状の光ファイバシートを形成しているので、光ファイバテープを例えば屋内壁面等に配設する際に、丸型の光ファイバコードを配設する場合のように凹凸が生じることがない(凹凸は非常に小さい)。
また、本発明によれば、光ファイバシートの一面に連続的または間欠的に接着層を設け、該接着層の表面側に、該接着層と剥離自在に剥離層を設けているので、剥離層を剥がすことにより、接着層を壁面等に接着して配設固定できる。そのため、従来の光ファイバコードを壁面に固定するときのように、ワイヤプロテクタやステップルといった固定用部材を必要とせず、容易に、かつ、効率的に、さらに、壁面等の美観を損ねることなく機能的に配設固定することができる。
特に、光ファイバシートの厚みを1mm以下としたので、壁面等に配設した際に凹凸が殆ど無い状態で光ファイバテープを配設固定でき、取り扱いも、より一層容易にできる。
また、本発明において、シート形成層は、該シート形成層を引き裂いて該シート形成層に光ファイバの長手方向の裂け目を形成して光ファイバを露出させることができる引き裂き性向上材含有の材料により形成されているので、光ファイバを光コネクタ等に接続する際に、容易に光ファイバを露出して作業を行うことができる。
さらに、本発明において、シート形成層は引き裂き性向上材として難燃性をも兼備した窒素系難燃剤を含有した樹脂により形成されているので、屋内壁面に配置した際、火災等が生じた場合にでも、燃えにくくできる利点がある。
さらに、本発明において、長手方向の引っ張り強度が100N以上であるものにおいては、光ファイバテープの配設作業時に、長手方向に引っ張り力が加えられても、その力が100N未満であれば、引っ張り力によって切れてしまうことを抑制でき、信頼性を高めることができる。また、引っ張り力が強いので、引っ張り力を維持するためのテンションメンバを設ける必要がないため、その分だけ構成を簡略化でき、コストダウンを図ることができる。
さらに、本発明において、接着層から剥離層を剥離して露出した接着層を屋内家屋壁面に接着して使用される光ファイバテープであって、接着層は光ファイバテープを接着する相手側の部材との接着強度が3N以上と成しているものにおいては、光ファイバテープを配設固定した後に、容易に剥がれることが無いために、より信頼性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号が付してある。図1には、本発明に係る光ファイバテープの一実施形態例が模式的な斜視図により示されている。
同図に示すように、本実施形態例は、1本の光ファイバ(光ファイバ心線)2をシート形成層3に埋設することにより、光ファイバ心線2の長手方向を長手方向とする帯状の光ファイバシート8を形成し、該光ファイバシート8の一面に、連続的に接着層4を設けている。光ファイバシート8の厚みTは0.5mmであり、幅Wは4.5mmに形成されており、接着層4の厚みは0.2mm以下に形成されている。また、接着層4の表面側には、該接着層4と剥離自在に剥離層5を設けて形成しており、図2に、剥離層5を一部剥離させた状態の光ファイバテープ1が示されている。
シート形成層3は、光ファイバ心線2の外周側にノンハロゲンの難燃剤(例えば窒素系難燃剤)を含有するポリエステル系樹脂を設けて、押し出し成形することによりにより、白色に形成されている。前記難燃剤は、シート形成層3を引き裂いて該シート形成層3に光ファイバの長手方向の裂け目を形成できるようにする引き裂き性向上材としても機能するものであり、このようにシート形成層3を引き裂くことにより、光ファイバ心線2を露出させることができる。なお、本実施形態例では、この引き裂き作業を、素手で行えるものである。
前記光ファイバ心線2は、図3に示すように、裸光ファイバ6の外周側に被覆層7を設けて形成され、その外径が約0.25mmと成している。被覆層7の構成は特に限定されるものではなく、その寸法や構成をかえることもできるが、本実施形態例では、裸光ファイバ6を直接覆う第1層としてのプライマリーコートと、その外周側に設けられる第2層としてのセカンダリーコートと、その外周側に設けられる着色層とを有して3層構造に形成されている。また、着色層を設けてシート形成層3の色と異なる色(例えば、ここでは青色)にすることにより、光ファイバ心線2を露出した時に、光ファイバ心線2の取り扱いを容易にすることができる。
また、本実施形態例は、接着層4から剥離層5を剥離して露出した接着層4を屋内家屋壁面に接着して使用される光ファイバテープであり、接着層4は光ファイバテープ1を接着する相手側の部材との接着強度が3N以上と成している。さらに、本実施形態例の光ファイバテープ1は、長手方向の引っ張り強度が100N以上である。
なお、図4(a)に示すように、光ファイバテープ1のシート形成層3に切り込み9を入れると、図4(b)に示すように、光ファイバテープ1を90度程度に曲げることもでき、光ファイバテープ1の配設場所に応じて配設(敷設)がしやすくなる。
本実施形態例は以上のように構成されており、光ファイバ心線2をシート形成層3に埋設して、厚みが0.5mmの薄い帯状の光ファイバシート8を形成し、光ファイバシート8の一面に連続的に接着層4を設けているので、剥離層5を剥がして、接着層4を壁面等に接着することにより容易に配設固定できる。また、本実施形態例は、従来の光ファイバコードを壁面に固定するときのように、ワイヤプロテクタやステップルといった固定用部材を必要とせず、たとえ狭いスペースでも、容易に、かつ、効率的に固定でき、しかも、壁面に固定した状態で、凹凸が殆ど無い状態で、美観を損ねることなく機能的に配設固定することができる。
さらに、本実施形態例は、素手でシート形成層3を引き裂き、光ファイバ心線2を露出させることができるので、光ファイバテープ1をコネクタ等に接続する際にも容易に接続することができる。
なお、本発明は前記実施形態例に限定されることはなく、様々な態様を採り得る。例えば、前記実施形態例では、光ファイバシート8の厚みを0.5mmとしたが、光ファイバシート8の厚みは特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。ただし、光ファイバシート8の厚みを1mm以下(より好ましくは0.6mm以下)とすると、取り扱いがよりしやすくなり、配設固定した際の凹凸も非常に少なくなるため、好ましい。
また、前記実施形態例では、光ファイバシート8の一面に連続的に接着層4を設けたが、例えば図5に示すように、光ファイバシート8の一面に、間欠的に接着層4を設けてもよい。この場合、剥離層5は、この図には示されていないが、前記実施形態例と同様に、接着層4の表面側に、光ファイバシート8の一面に連続的に設けてもよいし、接着層4が設けられている領域にのみ、各々剥離層5を設けてもよい。
さらに、前記実施形態例では、光ファイバシート8の幅を4.5mmとしたが、光ファイバシート8の幅は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものであり、例えば1本の光ファイバ心線2を設ける場合には、4mm〜5mm程度に形成するとよい。
さらに、前記実施形態例では、シート形成層3は、ノンハロゲンの難燃剤である、窒素系難燃剤を含有するポリエステル系樹脂を設けて、押し出し成形することによりにより形成したが、ラミネート等の他の手法により形成することもできる。また、シート形成層3の形成材料も特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
さらに、前記実施形態例は、長手方向の引っ張り強度が100N以上であり、かつ、接着層4の、光ファイバテープ1を接着する相手側の部材との接着強度が3N以上と成していたが、これらの強度は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。また、シート形成層3の材料に応じて、引っ張り強度を高めるため等に、テンションメンバを設けて光ファイバテープ1を形成してもよい。
さらに、前記実施形態例は、光ファイバテープ1を屋内家屋の壁面に接着して使用する例を述べたが、光ファイバテープ1は、屋内家屋の床に接着して使用することもできるし、窓枠等に接着して使用することもできるものである。
本発明に係る光ファイバテープの一実施形態例を模式的に示す斜視図である。 前記実施形態例を、その剥離層を一部剥がした状態で示す説明図である。 光ファイバ心線を説明するための模式的な断面図である。 前記実施形態例の光ファイバテープを曲げて配設する方法例を模式的に示す説明図である。 本発明に係る光ファイバテープの他の実施形態例を模式的に示す斜視図である。 従来の屋内配置の光ファイバコードの例を示す斜視説明図である。
符号の説明
1 光ファイバテープ
2 光ファイバ(光ファイバ心線)
3 シート形成層
4 接着層
5 剥離層
8 光ファイバシート

Claims (3)

  1. 光ファイバのみを樹脂材料から成るシート形成層の幅方向の中央部の一箇所に埋設することにより前記光ファイバの長手方向を長手方向とする帯状の押し出し成形により形成された固形の光ファイバシートを形成し、該光ファイバシートの一面に連続的または間欠的に接着層を設け、該接着層の表面側に、該接着層と剥離自在に剥離層を設け、前記光ファイバシートの厚みを1mm以下とし、前記シート形成層は、該シート形成層を引き裂いて該シート形成層に光ファイバの長手方向の裂け目を形成して光ファイバを露出させることができる引き裂き性向上材として難燃性をも兼備する窒素系難燃剤を含有した樹脂材料により形成されており、前記シート形成層は光ファイバが埋設されている幅方向の中央部を中心にしてその幅方向の両側に光ファイバが埋設されていないシート形成層部分が、前記シート形成層を長手方向に素手で引き裂いて裂け目を形成するときの摘み代となり得る幅を持たせて形成されていることを特徴とする光ファイバテープ。
  2. 長手方向の引っ張り強度が100N以上であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバテープ。
  3. 接着層から剥離層を剥離して露出した接着層を屋内家屋壁面に接着して使用される光ファイバテープであって、接着層は光ファイバテープを接着する相手側の部材との接着強度が3N以上と成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバテープ。
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