JP4809595B2 - ウエハ加工用テープおよびそれを用いた半導体装置製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンウエハ等の半導体装置、半導体パッケージ等を製造するにあたり、ウエハの加工のために使用されるウエハ加工用テープであって、ウエハ等を固定しダイシングするために使用されるダイシングテープ、さらにはダイシングテープを用いた半導体装置の製造方法に関する。
ICなどの半導体装置の組立工程においては、パターン形成後の半導体ウエハ等を所定の厚さに裏面研磨する工程、個々のチップに切断分離(ダイシング)する工程と、チップをピックアップし基板等にマウントする工程、さらに樹脂等で封止する工程からなっている。
IC等の所定の回路パターンが形成された半導体ウエハは、裏面研磨によって所定の厚さにされた後、ダイシング工程においては、半導体ウエハの回路パターン形成面をあらかじめダイシングテープに貼り付けて固定した後、所定のチップ形状に沿って、回転刃(ブレード)等がダイシングテープを構成する基材フィルム部にまで達するような深さで切り込まれるフルカット方式が一般に行われている。このダイシング工程では、チップのダイシングテープに貼合されていた面にチッピングと呼ばれる数μm〜数mm程度のかけが発生することが問題となっている。近年、ICカードなどの普及に伴って、半導体ウエハ厚の薄型化、ウエハ表面へのメタル加工処理が進んでおり、半導体素子(チップ)のチッピングは、半導体素子の重大な強度低下を招き、その信頼性を著しく低下させるといった問題があった。
このようなチッピングの発生を低減するダイシングテープとして、例えば、基材フィルムに粘弾性層、粘着剤層がこの順に積層された構成とし、予めダイシングテープの製造工程において、粘弾性層にエネルギー線を照射して硬化させたものが提案されている。しかしながら、テープ製造工程において、エネルギー線の照射をおこなうことは製造工程を複雑化させ、製造コストの増大を招く。また、粘弾性層を硬化させることによって、ウエハあるいはチップを十分に保持することが困難となる場合がある。また、ダイシング後にダイシングテープをエキスパンドし、チップ間隔を広げてチップのピックアップをおこなう工程において、粘弾性層が硬化していることによって十分なエキスパンド性が得られないという問題があった。
特開2003−7646号公報
そこで、本発明は、ウエハの加工のために使用されるウエハ加工用テープであって、ウエハ等を固定しダイシングするために使用されるダイシングテープにおいて、ダイシング時のチッピングを低減できるダイシングテープを提供するものであり、ダイシングテープを用いた半導体装置の製造方法を提供するものである。
そこで、発明者等は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、基材フィルムと粘着剤層の間に中間樹脂層を設け、中間樹脂層が所定の特性を満たすものとすることにより、ダイシング時のチッピングを低減できることを見出したものである。
すなわち本発明は、
(1)基材フィルム上に中間樹脂層、粘着剤層がこの順に積層されているウエハ加工用テープであって、中間樹脂層のガラス転移点が−20℃以上0℃以下であり、前記中間樹脂層のガラス転移点が前記粘着剤層のガラス転移点よりも高く、前記中間樹脂層が3次元網状構造を有するアクリル系樹脂であることを特徴とするウエハ加工用テープ、
(2)前記中間樹脂層が少なくともアクリル系粘着剤と硬化剤とを含む混合物を基材フィルム上に塗布した後、硬化させたものであることを特徴とする(1)に記載のウエハ加工用テープ、
(3)前記アクリル系粘着剤が、(メタ)アクリル酸エステルモノマーおよび(メタ)アクリル酸誘導体から導かれる構成単位とからなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることを特徴とする(2)に記載のウエハ加工用テープ、
(4)前記粘着剤層が放射線照射によって硬化する放射線硬化型の樹脂で構成され、前記中間樹脂層は、粘着剤層を硬化させるための放射線照射によって硬化しない樹脂で構成されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のウエハ加工用テープ、
(5)被切断体に(1)〜(4)のいずれかに記載のウエハ加工用テープを貼合する工程と、被切断体面から被切断体をダイシングする際の切り込み深さが前記中間樹脂層の範囲となるように切断する工程と、を具備することを特徴とするダイシング方法、
に係る発明である。


本発明のウエハ加工用テープは半導体ウエハに貼合してダイシングの際に使用されるものであって、切断された半導体素子のチッピングを低減できるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明のダイシングテープの断面の構造を示す図である。
本発明のダイシングテープ10は基材フィルム1上に中間樹脂層2、粘着剤層3が設けられた構造を有している。中間樹脂層および粘着剤層は基材フィルムの両面に設けられていても良い。それぞれの層は、使用工程や装置に併せて予め所定形状に切断(プリカット)されていてもよい。
また、本発明のダイシングテープは、ウエハ1枚分ごとに切断されていてもよいし、これを長尺にしたロール状であってもよい。また、適宜、粘着剤層上にセパレータを有していても良い。次に、本発明のダイシングテープのそれぞれの構成について順に説明する。
(基材フィルム)
本発明のダイシングテープを構成する基材フィルムについて説明する。基材フィルムとしては、特に限定されるものではなく公知のプラスチック、ゴムなどを用いることができる。一般に基材フィルムとしては熱可塑性のプラスチックフィルムが用いられている。
放射線透過性であることが好ましく、特に粘着剤層に放射線硬化性の粘着剤を使用する場合にはその粘着剤が硬化する波長での放射線透過性の良いものを選択する必要がある。またダイシング後のエキスパンドが可能な特性を有していることが望ましい。このような基材として例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、セルロース系樹脂などがあげられる。これらのポリマーは単体で用いてもよく、必要に応じて数種をブレンドしてもよく、また多層構造としたものを用いてもよい。
さらには基材フィルムの中間樹脂層が設けられる側の表面には、中間樹脂層との接着性を向上させるためにクロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露(コロナ処理)、イオン化放射線処理等の化学的または物理的処理、あるいは下塗り層(プライマー層)を設ける等の処理を適宜施しても良い。
基材フィルムの厚さは、強伸度特性、放射線透過性の観点から通常500μm以下、30〜300μmが適当である。基材フィルムはどのように製造されたものでもよいが、例えば、湿式キャスティング法、インフレーション押出し法、Tダイ押出し法等の製造方法がある。また、基材フィルムは無延伸のフィルムを用いてもよく、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。
なお、基材フィルムの粘着剤層が塗布されない側の表面をシボ加工もしくは滑剤コーティングすることによって、ブロッキング防止、粘着テープの放射状延伸時の粘着テープと治具との摩擦を減少することによる基材フィルムのネッキング防止などの効果が得られ、好ましい。
(中間樹脂層)
本発明のダイシングテープを構成する中間樹脂層はそのガラス転移点が、粘着剤層のガラス転移点よりも高いものが使用される。中間樹脂層の好ましいガラス転移点の温度範囲は−20℃以上10℃以下であり、より好ましくは−10℃以上5℃以下である。このようなガラス転移点を有する中間樹脂層は適度な硬さを有しておりダイシング時のチッピングの発生を抑制することができる。中間樹脂層のガラス転移点が−20℃よりも低いと、中間樹脂層が軟らかくなりすぎて、ダイシング時のチッピングの抑制が困難となり、ガラス転移点が10℃よりも高いと中間樹脂層が硬くなりすぎ、ピックアップの際、チップ間隔の引き伸ばしが出来なくなり,ピックアップ不良の原因となる。
なお、本発明においてガラス転移点とは動的粘弾性測定装置で測定されたtanδのピークの温度を言うものとする。tanδは貯蔵弾性率G'と損失弾性率G"によって、tanδ=G"/G' と、定義されるものである。中間樹脂層のガラス転移点は中間樹脂層のみで測定してもよいが、ダイシングテープの状態で測定してもよく、ダイシングテープを10枚程度重ねて測定してもよい。ダイシングテープに使用される基材フィルムの弾性率に比べ、中間樹脂層、粘着剤層の弾性率は低いので、ダイシングテープを試料としても区別して測定することが可能である。また、本発明のダイシングテープでは粘着剤層に比べ、中間樹脂層が厚いため、中間樹脂層のガラス転移点を測定することが可能である。
また、ダイシング屑抑制のため、中間樹脂層と粘着剤層との合計の厚さが、切断刃の切込み深さよりも厚いことが好ましい。中間樹脂層の好ましい厚さは5μm〜200μmであり、より好ましくは10〜100μmであり、最も望ましい厚さは20〜50μmである。また、ガラス転移点が上述の範囲にある材料であれば中間樹脂層が複数の層で構成されていてもよい。
中間樹脂層は粘着成分と硬化成分とを含む混合物を基材フィルム上に塗工した後、硬化させることによって設けられる。中間樹脂層には、室温で1週間程度放置することによって徐々に硬化し、好ましい範囲のガラス転移点となるような材料を用いることが好ましい。ガラス転移点は粘着成分として使用する樹脂の分子量、あるいは硬化成分の含有量を変える等の方法によって所望の範囲内となるよう調整することが可能である。なお、本発明における分子量とは、ポリスチレン換算の質量平均分子量である。
このようにして形成された中間樹脂層は三次元網状構造を有する熱硬化樹脂である。
粘着剤層に放射線硬化型のものを使用し、ウエハのダイシング後に放射線照射をおこない粘着剤層の硬化をおこなう場合、このように中間樹脂層は放射線硬化型でないものを使用することが好ましい。中間樹脂層が放射線硬化型の樹脂であると、基材面側から放射線を照射した際に中間樹脂層で放射線の透過が悪く、粘着剤層の硬化が不十分となるためである。
粘着成分は、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、シリコーン系、天然ゴム系などの種々の汎用粘着剤を用いることができるが、本発明においては、特にアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、たとえば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーおよび(メタ)アクリル酸誘導体から導かれる構成単位とからなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられる。また、(メタ)アクリル酸誘導体としては、たとえばグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸グリシジル等、また水酸基を有するヒドロキシエチルアクリレートを挙げることができる。
硬化剤としてはポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物であり、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。この硬化剤は架橋剤として働き、アクリル樹脂等の粘着成分と反応した結果できる架橋構造により、中間樹脂層は三次元網状構造を有し、ダイシング等によって生じる温度上昇時にも軟化しにくいものとなる。
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。を挙げることができ、具体的には、市販品として、コロネートL等を用いることができる。
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、例えば、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製)、メラン(日立化成工業株式会社製)等を用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂としては、例えば、TETRAD−X(三菱化学株式会社製)等を用いることができる。
本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
(粘着剤層)
以上のように基材フィルムに中間樹脂層が形成された後、中間樹脂層上にさらに粘着剤層が形成され、本発明のダイシングテープが製造される。
粘着剤層の形成は、通常のダイシングテープ同様に基材フィルムに形成された中間樹脂層上に中間樹脂層の硬化の進行度にかかわらず、粘着剤を塗工して製造してよい。
粘着剤層の好ましい厚さは、1〜50μm程度、より好ましくは2〜30μm、最も望ましい厚さは2〜15μmである。
粘着剤層は、放射線線硬化型とすることができる。なお、ここで、放射線とは、例えば紫外線のような光、あるいはレーザ光、または電子線のような電離性放射線を総称して言うものである。(以下、放射線と言う。)
粘着剤層を放射線線硬化型とした場合には、ダイシング後のエネルギー線硬化により粘着剤層の粘着性を低下させることができ、ダイシング後における粘着シートから被切断体の剥離を容易に行うことができ好ましい。
前記アクリル系ポリマーとしては、例えば、例えばメチル基、エチル基、プルピル基、イソプルピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、へキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基、2 −エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖または分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種または2種以上を成分とする重合体などがあげられる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをいう。
前記アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱性などの改質を目的として、必要に応じ、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。このようなモノマー成分として、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;アクリルアミド、アクリロニトリルなどがあげられる。これら共重合可能なモノマー成分は、1種又は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの使用量は、全モノマー成分の50質量%以下であることが好ましい。
さらに、前記アクリル系ポリマーは、架橋処理を目的に、多官能性モノマーなども、必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。このような多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの多官能性モノマーも1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の30質量%以下であることが好ましい。
前記アクリル系ポリマーは、1種または2種以上のモノマー混合物を重合に付すことにより得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の何れの方式で行うこともできる。粘着剤層は、半導体ウエハ等の汚染防止等の点から、低分子量物質の含有量が小さいのが好ましい。この点から、アクリル系ポリマーの質量平均分子量は、好ましくは30万以上、さらに好ましくは40万〜300万程度である。
粘着剤層を放射線硬化型とする場合には、アクリル系ポリマー等に放射線化合物を配合する。
例えば、ウレタンオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどがあげられる。またエネルギー線硬化性化合物として、ウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系など種々のオリゴマーがあげられ、その分子量が100〜30000程度の範囲のものが適当である。
また、粘着剤には、適宜に架橋剤や添加剤を配合することができる。さらに、粘着剤層を放射線硬化型の樹脂で構成する場合にはアクリル系ポリマーに加え、光重合開始剤が含まれていることが好ましい。
(セパレータ)
ダイシングテープの粘着剤層には、保管時や流通時における汚染防止等の点から半導体ウエハなどの被切断物に接着するまでの間、適宜セパレータにより被覆保護することが好ましい。セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。セパレータの表面には、粘着剤層(B)からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の離型処理が施されていても良い。セパレータには通常厚さ10〜200μmのものが使用され、好ましくは厚さ25〜100μmのものが使用される。
また、ダイシングテープには、被切断体への貼合時や剥離時等における静電気の発生を防止する目的で帯電防止能をもたせてもよい。静電気の発生は半導体ウエハ等の帯電を生じ、半導体回路の破壊などを生じる場合があり、帯電防止の処理によってそれらの問題を低減することができる。
帯電防止能の付与は基材フィルムないし電荷移動錯体や金属膜等からなる導電層の付設などの各種方式で行うことができ、半導体ウエハを変質させるおそれのある不純物イオンが発生しにくい方式が好ましい。
本発明のダイシングテープを使用して半導体装置の製造をおこなう場合、半導体ウエハにダイシングテープを貼合し、ブレードを高速回転させてウエハを所定の形状に切断する。
その際、ダイシングブレードの中間樹脂層の厚さ範囲内となるように切断深さを調整することによって、ウエハのチッピングを抑止しつつダイシングすることができ、かつダイシング後のテープをエキスパンドする際には良好なエキスパンド性を保持しておくことが可能である。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
下記のように中間樹脂層組成物、粘着剤層組成物を調整し、厚さ70μmの基材フィルムに、中間樹脂層組成物を乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗工し、乾燥し、さらに粘着剤層組成物を乾燥後の膜厚が10μmとなるように塗工し、乾燥して表1に示すような実施例1〜3、比較例1〜3のダイシングテープを作製し、特性評価をおこなった。なお、基材フィルムとしては厚さ50μmの高密度ポリエチレンフィルムを中心層とし、両側に厚さ10μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体を積層した総厚70μmのフィルムを使用した。
(中間樹脂層組成物の調製)
粘着成分として実施例1〜3、比較例1〜2について表1に示すような分子量のアクリル系樹脂100質量部と、イソシアネート系硬化剤10質量部を混合して中間樹脂層組成物を得た。なお、比較例3では中間樹脂層組成物として、下記の粘着剤層組成物と同様のものをもちいた。
(粘着剤層組成物の調製)
粘着成分として、分子量20万、ガラス転移点−35℃であるアクリル系樹脂100質量部と、硬化成分としてポリイソシアネート化合物3質量部、光重合性炭素―炭素二重結合を有する化合物としてテトラメチロールメタンテトラアクリレート10質量部,光開始重合剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1質量部を混合して放射性硬化型の粘着剤組成物を得た。
中間樹脂層のガラス転移点についての測定を下記のようにおこなった。
作製後、室温で14日放置され、中間樹脂層が十分に硬化したダイシングテープを10枚積層し、動的粘弾性測定装置(レオメトリック社製ARES)を用い、測定周波数1Hzで動的粘弾性を測定し、tanδのピーク温度を求め、ガラス転移点とした。
特性評価
表1に示すような実施例1〜3、比較例1〜3のダイシングテープに、直径6インチ、厚さ350μmのシリコンウエハを貼合し、ダイシング装置(DISCO社製、DAD−340)を使用してチップサイズが5mm角となるようにダイシングをおこなった。ダイシング条件は、回転丸刃回転数:40000rpm、切削速度:100mm/s、切削水流量は20mLである。また、ダイシングの際、回転丸刃がダイシングテープに切り込む深さは30μmとなるようにおこなった。
その後、チッピング、エキスパンド性について特性評価を下記のようにおこなった。
(チッピング)
表面に金蒸着をしたウエハを用いて上記のようにダイシングした後、強度500mJ/mの紫外線を14秒間照射し、粘着剤層を硬化させた後、無作為に50個のチップをピックアップした。それらのチップのダイシングテープに貼合されていた面の各辺における最大チッピング値(欠けの大きさ)を顕微鏡観察により測定し、チップ50個でのチッピング値の平均を算出した。チッピング平均値が50μm以下のものを○、50μm以上のものを×とした。
(エキスパンド性)
同様にしてウエハをダイシングし、強度500mJ/mの紫外線を14秒間照射し、粘着剤層を硬化させたダイシングテープを、ダイボンダー(NECマシナリー製CPS−100FM)で固定リングを10mm引き下げてエキスパンド時のテープが十分に拡張されているかどうかを目視により確認した。十分に拡張されたものを○、ネッキングが発生し十分に拡張されなかったものを×とした。
実施例1〜3、比較例1〜3のダイシングテープを用いた特性評価を表1にまとめた。
粘着剤層の動的粘弾性測定装置で測定したtanδのピーク(ガラス転移点)が−20℃以上であるダイシング用粘着シートにて,チッピング値を抑制できている。また、中間樹脂層を粘着剤層と同じ材料をもちいた比較例3ではチッピングは良好であったが、十分なエキスパンド性が得られなかった。
Figure 0004809595

本発明のウエハ加工用テープは、半導体ウエハをダイシングする際に発生するチッピングを抑制できるダイシングテープとして使用することができる。
本発明のダイシングテープの構成を示す断面図である。
符号の説明
1: 基材フィルム
2: 中間樹脂層
3: 粘着剤層
10:ダイシングテープ


Claims (5)

  1. 基材フィルム上に中間樹脂層、粘着剤層がこの順に積層されているウエハ加工用テープであって、中間樹脂層のガラス転移点が−20℃以上0℃以下であり、
    前記中間樹脂層のガラス転移点が前記粘着剤層のガラス転移点よりも高く、
    前記中間樹脂層が3次元網状構造を有するアクリル系樹脂であることを特徴とするウエハ加工用テープ。
  2. 前記中間樹脂層が少なくともアクリル系粘着剤と硬化剤とを含む混合物を基材フィルム上に塗布した後、硬化させたものであることを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
  3. 前記アクリル系粘着剤が、(メタ)アクリル酸エステルモノマーおよび(メタ)アクリル酸誘導体から導かれる構成単位とからなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることを特徴とする請求項2に記載のウエハ加工用テープ。
  4. 前記粘着剤層が放射線照射によって硬化する放射線硬化型の樹脂で構成され、
    前記中間樹脂層は、粘着剤層を硬化させるための放射線照射によって硬化しない樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウエハ加工用テープ。
  5. 被切断体に請求項1〜4のいずれかに記載のウエハ加工用テープを貼合する工程と、
    被切断体面から被切断体をダイシングする際の切り込み深さが前記中間樹脂層の範囲となるように切断する工程と、
    を具備することを特徴とするダイシング方法。
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