JP4809550B2 - 車両用サンバイザ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、取付ブラケットを介して車室天井面に取付けられる支軸と、該支軸に回動可能に取付けられるバイザ本体とを備える車両用サンバイザに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来車両用サンバイザは、車室内への光を遮るバイザ本体と、そのバイザ本体を車室天井面に取付けるための支軸とを主体に構成されていた。
この支軸は、一端側が車室天井面に取付けられた取付ブラケットに取付けられ、バイザ本体が他端側に回動可能に取付けられ、これによってバイザ本体が支軸を介して車室天井面に取付けられていた。
そして支軸のなかには、パイプ状に形成されるものが知られていた。例えばランプがバイザ本体に設けられ、このランプへの電源を供給するためのリード線を支軸に配設するために、支軸がパイプ状に形成される場合があった。
パイプ状に形成される支軸は、通常金属製の内筒体と、樹脂製の外筒体とを備えて形成されていた。
【0003】
そして支軸の一端寄りの外周には、取付ブラケットのボス部に形成された止着部に係合する係合凹部が設けられており、支軸は、係合凹部を止着部に係合させることで、取付ブラケットからの軸方向の移動が阻止されていた。
ところで取付ブラケットと支軸との間に強い衝撃が加わると、支軸と取付ブラケットとの係合箇所となる係合凹部に強い衝撃が加わる場合もある。
しかし、係合凹部が設けられた外筒体は樹脂製であって金属製の内筒体よりも剛性が小さい。そのため係合凹部が破損して、係合凹部よりも先端側の外筒体が内筒体から抜け落ちるおそれがあると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みて、補強された支軸を備える車両用サンバイザを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、上記各請求項に記載のとおりの構成を備える車両用サンバイザであることを特徴とする。
請求項1の記載によれば、車両用サンバイザは支軸を備え、その支軸は、金属製の内筒体と、樹脂製の外筒体とを備える。また外筒体の一端寄りの外周には、取付ブラケットのボス部に形成された止着部に係合して、軸方向の移動が阻止される係合凹部が形成されている。
また内筒体と外筒体の間には、係合凹部を補強する構造が設けられている。
すなわち内筒体には、外筒体へ張出しかつ外筒体に係合することで外筒体の係合凹部を補強する補強部が設けられている。
【0006】
上記のように補強部によって両筒体が係合しているため、外筒体は内筒体に対して軸方向への移動、すなわち抜け方向への移動がしにくい構造となっている。換言すると、補強部は他方側へ張出して形成されているため、軸方向に対して直交方向あるいは略直交方向をなして形成され、これによって外筒体が内筒体に対して軸方向への移動を防止するような構造となっている。
したがって軸方向への力が外筒体に加わった場合、外筒体は、補強部によって内筒体に対しての軸方向への動きが押えられる。
【0007】
ところで支軸は、係合凹部を備えており、この係合凹部に取付ブラケットの止着部が係合され、取付ブラケットを介して車室天井面に取付けられる。したがって支軸は、車室天井面から抜けようとする外力を受けると、その外力の大部分が係合凹部近傍の外筒体に加わる。そのため係合凹部の近傍よりも先端部分における外筒体が内筒体に対して抜けようとする力を受ける。
これに対して本発明では、補強部が外筒体と内筒体との間に設けられている。そのため外筒体は、補強部によって内筒体に対して抜け方向の動きが抑制され、これによって外筒体の係合凹部を補強している。
【0008】
さらに請求項1に記載の発明によれば、補強部は、係合凹部よりも支軸の先端側において、取付ブラケットの先端開口部の径よりも径方向外側に張出している。
請求項2に記載の発明によれば、補強部は、外筒体に覆われる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
車両用サンバイザ1は、図1に示すように車室内への光を遮るバイザ本体2と、車室天井面10に取付けられる取付ブラケット4と、この取付ブラケット4を介して車室天井面10に取付けられる支軸3とを主体として構成され、支軸3にバイザ本体2が回動可能に取付けられることでバイザ本体2が車室天井面10に回動可能に取付けられている。
バイザ本体2は、樹脂等を素材として形成された板部材と、その板部材の表面に装着される表皮とを主体に構成され、板部材の厚み内には、支軸3が回動可能に装着される軸受部材20を有する(図1参照)。
【0010】
また取付ブラケット4は、樹脂を素材として成形されており、図2に示すように円形板状の当接部40と、当接部40の中心部から略筒状に延出したボス部41を主体に構成されている。
当接部40は、図3に示すように車室天井面10に当接される部材であって、当接部40を車室天井面10に取付けるためのネジの取付穴45を複数有する。また当接部40は、その中心部に支軸3が挿入される挿入孔44を有する。
【0011】
またボス部41は、挿入孔44の孔縁に沿って設けられており、先細り状に形成されている。またボス部41の先端側には周方向に等間隔に設けられたスリット部42が形成されており、これによってボス部41の先端は拡開開口しやすくなっている。そしてボス部41の先端には、内孔を形成する内側壁から内孔の中心側へ延出した爪部43を備えている。したがって、図3に示すように支軸3が挿入されると、ボス部41の先端側は拡開開口されて支軸3を受け入れ、先端側が縮閉閉口方向に弾性戻りすることで爪部43が支軸3に係合する。
なお爪部43は、本発明の「止着部」に相当する。
【0012】
支軸3は、図2に示すように縦軸3aと横軸3bを備えた略L字状に形成されており、横軸3bの先端がバイザ本体2の軸受部材20に挿入され、縦軸3aの先端寄りに取付ブラケット4が回動可能に装着される。
したがってバイザ本体2は、支軸3と取付ブラケット4を介して車室天井面10に装着され、図1に示すように横軸3bを回動軸として車室天井面10に沿った収納位置と、下方に下ろされてフロントガラス11に沿ったフロント位置との間で回動する。またバイザ本体2は、縦軸3aを回動軸としてフロント位置と、サイドガラス12に沿ったサイド位置との間で回動する。
【0013】
また支軸3は、図3に示すように金属製のパイプ材からなる内筒体30と、樹脂材からなる外筒体31とを備えており、内筒体30を加工した後に、内筒体30を型に設置して外筒体31をインサート成形することで成形されている。
また支軸3の一端寄り、すなわち縦軸3aの先端寄りの外周には、図3に示すように外周軸周りに溝部3cが形成されている。したがって支軸3は、取付ブラケット4の挿入孔44から取付ブラケット4に挿入されると、ボス部41を拡開する。そして溝部3cよりも先端側である頭部3dが爪部43を超えると、ボス部41が弾性縮閉し、爪部43が溝部3cに係合する。これによって支軸3が取付ブラケット4に対して軸方向の移動が阻止され、支軸3は取付ブラケット4に回動可能に装着される。
なお溝部3cは、本発明の「係合凹部」に相当する。
【0014】
そして支軸3には、図2,3に示すように支軸3の頭部3dと、取付ブラケット4のボス部41の先端との間隙に金属製のEリング5が装着される。このEリング5は、図2に示すように略E字状の金属板状の部材であって、上腕5aと下腕5bが縮閉・拡開することで支軸3を挟み、支軸3に取付けられる。これによってEリング5は、支軸3の溝部3cを形成する底面に装着され、頭部3dが取付ブラケット4に対して抜ける方向へ移動した際にEリング5が頭部3dの動きを抑制する。すなわち支軸3の取付ブラケット4からの抜けを防止している。
【0015】
このように支軸3に取付ブラケット4とEリング5を取付けた後、取付ブラケット4のボス部41を図3に示す車室天井面10に設けられた孔に挿入する。そして取付ブラケット4の取付穴45にネジを挿入し、ネジ先端を車室天井面10に取付けられることで、取付ブラケット4が車室天井面10に取付けられる。
なお車室天井面10は、図3に示すように車両ボディーの一部を形成するボディー梁10bと、そのボディー梁10bの車室側の面に装着された樹脂製のインナーパネル10aとによって形成されている。
【0016】
また支軸3の内筒体30の先端には、図3に示すように外方、すなわち外筒体31側へ拡開状に形成された補強部30aが一体に設けられており、下記するように補強部30aによって外筒体31補強され、外筒体31の破損が防止されている。
この補強部30aは、図3に示すように溝部3cよりも先端寄りに設けられており、外筒体31によって覆われている。また補強部30aは、外筒体31側へ張出しており、補強部30aが外筒体31に係合している。したがって内筒体30と外筒体31は補強部30aによって係合する。
また補強部30aは、内筒体30から拡開状に形成されているため、軸方向に対して略直交方向へ張出している。
【0017】
また補強部30aは、内筒体30の先端の開口周りの一部に設けられている形態でもよいが、筒体間の係合を強くする観点より、開口周りの全周に渡って設けられる形態が好ましく、先端ほどその開口径が広くなったラッパ状に形成されていることが好ましい。
また外筒体31は、図3に示すように内筒体30に対して肉厚が厚く、補強部30aは、肉厚の厚い外筒体31へ張出している。
また補強部30aは、図3に示すように内側から外方へ張出すことで、取付ブラケット4の先端開口部、すなわち爪部43による開口部の径よりも大きな径をなしている。また補強部30aは、Eリング5の上腕5aと下腕5bとによる開口部の径よりも大きな径をなしている。
また補強部30aは、溝部3cよりも先端側に位置する頭部3d内に設けられている。また補強部30aは、内筒体30と外筒体31との間に設けられていると換言できる。
【0018】
以上のように補強部30aが設けられている。
したがって外筒体31が内筒体30に対して軸方向への移動、すなわち抜け方向への移動は、補強部30aにより抑制される。
また支軸3は、溝部3cに取付ブラケット4の爪部43を係合させることで車室天井面10からの抜け止めがなされ、車室天井面10に取付けられている。そして支軸3は、図3に示すように取付ブラケット4のボス部41の内孔によって縦軸3a方向以外の動きが抑制されており、支軸3に衝撃が加わると、支軸3は縦軸3a方向に力が加わる。
【0019】
そして支軸3が抜ける方向(軸方向)への力を受けると、その力は支軸3の溝部3c近傍に加わる。そして溝部3cを有する外筒体31が内筒体30に対して軸方向への力を受ける。そのため溝部3cよりも先端側の外筒体31が内筒体30に対して先端方向への抜け側に力を受ける。
これに対して補強部30aは、その抜け方向の動きを抑制している。そのため外筒体31は、補強部30aによって内筒体30に対しての抜けが防止され、その結果、外筒体31が補強され、ひいては外筒体31の破損が防止されている。なお溝部3cよりも先端側の外筒体31には、取付ブラケット4の爪部43から上方の力を受け、補強部30aからは下方の力を受け、これによって圧縮の力が発生している。したがってこの間における外筒体31は、特に破損が発生しにくくなっている。
【0020】
また補強部30aは、内筒体30の先端に設けられている。したがって補強部30aを内筒体30の他部分に設ける形態に比べ、加工位置を決定することが不要なために補強部30aを容易に構成できる。
また補強部30aは、内筒体30から外筒体31へ張出して形成されている。すなわち補強部30aは、肉厚の厚い外筒体31内において形成されている。そのため補強部30aは、比較的大きな構成にすることができ、これによって補強部30aを所望の形状に容易に形成できる。また補強部30aが大きな構成となることで、外筒体31と内筒体30との係合する面積が広くなり、外筒体31の破損をより効率よく防止することができる。
【0021】
なお支軸3は、上記したようにパイプ状に成形されている。したがって、支軸3の中空部3eには、リード線等を設置可能であり、バイザ本体2にランプが装着されている場合には(図の記載は省略している)、リード線が支軸3を介してバイザ本体2に配され、リード線がランプまで延出されることでランプへ電源供給がなされる。
【0022】
なお本発明は、上記の実施の形態に限らず、図4(a)に示す形態であってもよい。
すなわち車両用サンバイザは、バイザ本体と、そのバイザ本体に回動可能に取付けられる支軸6とを備える。この支軸6は、図4(a)に示すように金属製の内筒体60と樹脂製の外筒体61とを備えて構成されている。そしてその支軸6の一端寄りには、取付ブラケットの止着部が係合される溝部6c(係合凹部)が外周軸周りに形成されている。
【0023】
また支軸6の前記一端寄りの内筒体60と外筒体61との間には、外筒体61を補強するための補強部61aが設けられている。
この補強部61aは、先ず内筒体60を準備し、その先端側にネジ溝やV溝等の切り溝60aを形成する。そして内筒体60を型に設置し、外筒体61をインサート成形する。これによって外筒体61の一部が、切り溝60aに入り込み補強部61aが外筒体61に一体に成形される。
【0024】
すなわち補強部61aは、外筒体61から内筒体60側へ張出して、内筒体60と外筒体61とを係合させる。したがって外筒体61は内筒体60に対して軸方向への動きが抑制される。そのため、外筒体61に内筒体60から抜ける方向の力が加わった場合、外筒体61は補強部61aによって内筒体60から抜けにくく、その結果、外筒体61が補強され、破損しにくくなっている。
また補強部61aは、溝部6cよりも先端側の頭部6dに設けられており、頭部6dにおける外筒体61の破損を防止している。
なお補強部61aは、溝部6c近傍に設けられる形態であってもよい。
【0025】
また、図4(b)に示す形態であってもよい。
すなわち車両用サンバイザは、バイザ本体と、そのバイザ本体に回動可能に装着される支軸7を備える。この支軸7は、図4(b)に示すように金属製の内筒体70と樹脂製の外筒体71とを備えて構成されている。そしてその支軸7の一端寄りには、取付ブラケットの止着部が係合される溝部7c(係合凹部)が外周軸周りに形成されている。
また支軸7の前記一端寄りの内筒体70と外筒体71との間には、外筒体を補強するための補強部71aが設けられている。
この補強部71aは、先ず内筒体70を準備し、内筒体70の先端寄りの所望位置にその外壁面から内壁面に貫通する貫通孔70aを複数設ける。そして内筒体70を型に設置し、外筒体71をインサート成形する。これによって外筒体71の一部は、貫通孔70aに入り込み補強部71aが外筒体71に一体に成形される。
【0026】
すなわち補強部71aは、外筒体71から内筒体70側へ張出して、内筒体70と外筒体71とを係合させる。したがって外筒体71は内筒体70に対して軸方向への動きが抑制される。そのため、外筒体71に内筒体70から抜ける方向の力が加わった場合、外筒体71は補強部71aによって内筒体70から抜けにくく、その結果、外筒体71が補強され、破損しにくくなっている。
また補強部71aは、溝部7cよりも先端側の頭部7dに設けられており、頭部7dにおける外筒体71の破損を防止している。
また補強部71aは、溝部7c近傍にも設けられている。したがって溝部7cによって肉厚が薄くなった外筒体71は、補強部71aによってその肉厚が厚くなり、これによって外筒体71は破損しにくくなっている。
【0027】
【発明の効果】
本発明に係る車両用サンバイザによれば、外筒体と内筒体との間に補強部が設けられているため、外筒体(支軸)が補強された車両用サンバイザが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】車室天井面に取付けられた状態の車両用サンバイザの斜視図である。
【図2】支軸と取付ブラケットとの取付状態を示す、車両用サンバイザの一部拡大斜視図である。
【図3】支軸、取付ブラケット、及び車室天井面の断面図であって、これらの取り付け状態及び支軸に設けれられた補強部を示す図である。
【図4】他の実施の形態であって、取付ブラケットが取付られる支軸の先端寄りの断面拡大図である(a)(b)。
【符号の説明】
1…車両用サンバイザ
2…バイザ本体
3,6,7…支軸
3a…縦軸
3b…横軸
3c,6c,7c…溝部(係合凹部)
4…取付ブラケット
5…Eリング
10…車室天井面
20…軸受部材
30,60,70…内筒体
30a,61a,71a…補強部
31,61,71…外筒体
41…ボス部
43…爪部(止着部)
Claims (2)
- 取付ブラケットを介して車室天井面に取付けられる支軸と、該支軸に回動可能に取付けられるバイザ本体とを備える車両用サンバイザであって、
前記支軸は、金属製の内筒体と、樹脂製の外筒体とを備え、
前記外筒体の一端寄りの外周には、前記取付ブラケットのボス部に形成された止着部に係合して、軸方向の移動が阻止される係合凹部が形成され、
前記内筒体には、前記外筒体へ張出しかつ前記外筒体に係合することで前記外筒体の前記係合凹部を補強する補強部が設けられ、前記補強部は、前記係合凹部よりも前記支軸の先端側において、前記取付ブラケットの先端開口部の径よりも径方向外側に張出していることを特徴とする車両用サンバイザ。 - 請求項1に記載の車両用サンバイザであって、
前記補強部は、前記外筒体に覆われることを特徴とする車両用サンバイザ。
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JP2001200789A JP4809550B2 (ja) | 2001-07-02 | 2001-07-02 | 車両用サンバイザ |
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JP2003011664A JP2003011664A (ja) | 2003-01-15 |
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Family Applications (1)
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JP2001105859A (ja) * | 1999-10-04 | 2001-04-17 | Neoex Lab Inc | 車両用サンバイザ |
-
2001
- 2001-07-02 JP JP2001200789A patent/JP4809550B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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