JP4808312B2 - 4−アミノジフェニルアミンの調製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は4-アミノジフェニルアミンの調製方法に関する。本発明はさらに、上記4-アミノジフェニルアミンのアルキル化誘導体の調製方法に関する。
【0002】
【従来技術】
4-アミノジフェニルアミンは坑酸化剤及びオゾン劣化防止剤として、例えばモノマー及びポリマーの安定剤として、及び種々の特別な用途において有用性を有するアルキル化誘導体の生産における中間体として広く使用される。例えば、4-アミノジフェニルアミン(4-ADPA)のメチルイソブチルケトンによる還元アルキル化はN-(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニル-p-フェニレンジアミンを与え、これは種々のラバー製品の保護に有用なオゾン劣化防止剤である。
【0003】
4-アミノジフェニルアミンは種々の方法で調製され得る。魅力的な合成は、塩基の存在下において任意的に置換されていてもよいアニリンの任意的に置換されていてもよいニトロベンゼンとの反応、これに続く反応物の触媒水素化であり、例えば米国特許5,608,111 (Stern等)および米国特許5,739,403 (Reinartz等)において開示される。
【0004】
米国特許5,608,111は、塩基の存在下において任意的に置換されていてもよいアニリン及び任意的に置換されていてもよいニトロベンゼンが反応される(カップリングされる)ところの任意的に置換されていてもよい4-ADPAの調製方法を記述する。続いて、カップリング生成物に水が添加され、得られる反応混合物が触媒作用により水素化される。触媒 (これは典型的に担持された貴金属触媒である) が水素化反応混合物から除去され、4-ADPAを単離するために有機相が分離され、塩基を含む水性相は初期反応混合物の別のサイクルに戻される。効果のある実施例において、塩基としてテトラメチルアンモニウムハイヒドロキサイドの存在下でアニリンとニトロベンゼンが反応され、水及びアニリンがカップリング反応の間に共沸的に除去される。
【0005】
米国特許5,739,403は米国特許5,608,111の実施例13と同様のカップリング反応及びこれに続く触媒水素化の方法を記述し、ここにおいて添加される水の量は、カップリング(縮合)混合物の重量に対して25〜80重量%である。米国特許5,739,403の実施例1は、ニトロベンゼン付加の完了後、連続蒸留を伴う4時間の保持期間を教示する点で米国特許5,608,111の実施例13から区別される。水素化の後、トルエンが加えられ触媒がろ過により除去され、有機及び水性相が分離される。実施例1において、「水性相の分析は導入されたテトラメチルアンモニウムの99.7%が単離され得ることを示す。この得られた水性相は反応性を失うことなく反応へ戻されることができる。」と述べられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の1つは塩基を回収すること及び塩基をリサイクルすることである。米国特許5,739,403は、できる限り反応性(水素化触媒の活性への影響を含めて)を失うことなく塩基をリサイクルすることについて何も教示しない。この文書はカップリング及び水素化反応の第2回目のサイクルを開示しないため、開示された方法において回収される塩基の反応性は実際不明である。
【0007】
米国特許5,739,403において開示される方法の更なる短所は、有機相と水性相を分離するために比較的大量の芳香族系溶剤が使用されることである。相の分離のような単位操作における大量の芳香族系溶剤の使用は、このような溶剤を回収し処理することを含むコストのゆえに、商業的規模のプロセスにおいては非常に望ましくない。従って、本発明の他の目的は有機相及び水性相の分離を促進することである。
【0008】
本発明の他の目的は水素化触媒及び過剰のアニリンをリサイクルすることである。上記に引用された文献は1つもこの特徴に言及しない。
【0009】
本発明の更なる目的は任意の副生物、例えば生じるかもしれないアゾベンゼン及びアゾキシベンゼンの形成を制御することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
従って、簡潔な概要において、本発明は1つの実施態様においては、
(i) 供給された塩基に対する水のモル比がカップリング反応の出発時において4:1より大きくかつ、カップリング反応の終了時において0.6:1より小さくない範囲にある事を確実にするように塩基に対する水の量を水の蒸留除去によって制御しつつ、水及び塩基の存在下において、アニリン、2−メトキシアニリン、4−メトキシアニリン、4−クロロアニリン、p−トルイジン、4−ニトロアニリン、3−ブロモアニリン、3−ブロモ−4−アミノトルエン、p−アミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジクロロアニリン、1,4−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンジアニリン、1,3,5−トリアミノベンゼン、及びこれらの混合物から選択された置換又は非置換のアニリンとニトロベンゼン、o−及びm−メチルニトロベンゼン、o−及びm−エチルニトロベンゼン、o−及びm−メトキシニトロベンゼン、及びこれらの混合物から選択された置換又は非置換のニトロベンゼンとを反応させて、置換又は非置換の4−ニトロジフェニルアミン及び/又は4−ニトロソジフェニルアミンおよび/又はこれらの塩を生成すること;
(ii) 塩基に対する全ての水のモル比が水素化の終了時において少なくとも4:1になるように追加された水及び水素化触媒の存在下において工程(i)の反応生成物を水素化すること;
(iii) 水素化触媒を反応混合物から分離すること;
(iv) 反応混合物から水性相及び有機相を得て、有機相を水性相から分離し、置換又は非置換の4-アミノジフェニルアミンを有機相から単離すること;及び
(v) リサイクル塩基を含む、工程(iv)からの水性相が再使用されて、後の工程(i)の反応混合物を形成すること
を含む置換又は非置換の4−アミノジフェニルアミンを調製する方法である。
【0011】
別の実施態様において、本発明は上記工程(i)〜(iv)に加えさらに:
(v) 水性相及び任意の回収される過剰の任意的に置換されていてもよいアニリンを再使用して、後の工程(i)の反応混合物を形成すること;
(vi) 後の工程(ii)の水素化における水素化触媒を再使用すること;及び
(vii) 工程(i)の間および/又は工程(ii)の間に生成されうるアゾベンゼンおよび/又はアゾキシベンゼンをアニリン及びイソアニリンに水素化し、工程(v)において回収される過剰のアニリンとともに、後の工程(i)の反応混合物において再利用するためにアニリンを単離すること;
を含む工程を含む。
【0012】
本発明のその他の実施態様はフロースキーム及び反応混合物についての詳細を包含し、これらの全ては以下の本発明の各々の面の議論において下記に開示される。
【0013】
本発明は経済的に魅力的な4-ADPAを作る方法を述べる。さらに特に、そして第一の実施態様において、本発明は、この方法を経済的に魅力的にする態様で塩基、アニリン及び水素化触媒がリサイクルされる方法を与える。リサイクル流中の不純物のレベルを制御することにより、そして2つの反応工程の夫々の間の塩基に対する水の量を注意深く制御することにより塩基及びアニリンが、アニリンのニトロベンゼンとのカップリングに対する反応性の最少の損失でリサイクルされ得ること、及び水素化触媒が同様に反応性の最小限の損失でリサイクルされ得ることが見出された。さらに、水素化工程後、ろ過前に触媒をリサイクル用に回収するための水の添加により、そして液-液分離用装置の適切な選択により、分離工程における有機溶剤、例えばトルエンの望ましくない量の使用が省かれ得ることが見出された。
【0014】
例えば、カップリング反応の間に塩基に対する水の量が本発明の方法の下で行われるべき程度に注意深く制御されない場合、続いて不安定な水素化の結果が4-ADPAの商業的生産において、収率及び/又は触媒使用量及び/又は反応時間に関して起こるだろう。カップリング反応の終了時において少なすぎる水が残っている場合、塩基の分解が起こることが明らかにされている。反応の終了時に達するまでに連続蒸留とともにの長期保持期間を用いることは塩基の分解のさらなる増加の点で不利益であることが明らかにされている。塩基の分解生成物は水素化触媒の触媒毒として働く化合物、例えばホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド反応生成物を生成しうる。これらの化合物は水素化反応器内へ持ち込まれる故に、水素化触媒は予測できない態様で活性が抑制されるだろう。結果として、触媒活性も予測できずに変化する。合理的にバッチ間の均一な短い水素化サイクルを達成するために、明確に各バッチに要求される触媒添加の量が信頼できるものとして前もってわかっているべきである故に、これは商業的有用性を有すべきプロセスにおいて許容されない。テトラアルキルアンモニウムハイドロキサイド及び関連化合物、例えばカーボネートはそれらの熱安定性が異なる故に、塩基を保護するために要求される、反応中の水の塩基に対する正確な最少量は実際に使用される塩基に依存することが理解されるべきである。
【0015】
一方、カップリング反応の終了時において多すぎる水が残る場合、副生物、例えば増加したアゾベンゼンの形成、および/又は増加したレベルの未反応ニトロベンゼンの故に反応収率は減少される。より多い量の水及びより多いレベルの副生物および/又はニトロベンゼンは、カップリング、水素化、分離、蒸留及び副生物回収の装置のサイズを増大させるゆえに、これは経済的に魅力的でないものとなりうる。しかし未反応のニトロベンゼンは工程(ii)及び工程(vii)の水素化においてアゾベンゼン及びアニリンとして回収され得る故に、終了時において塩基の分解が減少されるかぎり、幾分か多い水が残ることは有利でありうる。当業者は所定の商業的プロセスにおける実用上の上限を決めることができる。
【0016】
プラント規模での反応の実行において、カップリング反応の工程の間に常にある程度の塩基の分解があることは本発明者の経験である。この分解は実験室及びパイロットプラント規模においても観察される。従って、上記先行技術文献において述べられるような「導入したテトラメチルアンモニウメハイドロキサイドの99.7%」の全体回収率は実際的でない。TMAHの有機相への0.3%の損失は実際的である故に、この回収効率は最終水素化バッチからのTMAHの回収に関するものであることがより確からしい。プラント規模での反応の実行において、しばしばリサイクル塩基の反応性のある程度の損失があり、これはアニリンのニトロベンゼンとの縮合についてのより低い収率(選択性)を引き起こすことがさらに本発明者の経験である。さらに、リサイクル塩基により生成されるカップリング反応混合物は水素化の段階において新鮮な塩基と比較して実質的により多くの触媒を必要としうる。これらの影響は、リサイクル塩基流中に溶解する不純物によるものであり、実験室及びパイロットプラント規模においても観察される。
【0017】
米国特許5,739,403の効果のある実施例は、これらの実施例において使用される比較的大量の水素化触媒(即ち;米国特許5,608,111の実施例13は米国特許5,739,403の効果のある実施例と同様である故に、実施例13と同様に、ニトロベンゼンから95.5%収率と仮定すれば;ニトロ/ニトロソ化合物1モル当たり約1.21ミリグラム原子のPtである)、長い水素化反応時間(4時間)及び収率の大きなばらつき(82〜92%の範囲)を考慮すると、カップリング反応の終了時において少なすぎる水を有する結果としての貴金属触媒を活性抑制化することと矛盾しない。当業者は、米国特許5,608,111における実施例13のバッチ中に残存する水の量を、運転圧力における水/アニリン共沸の文献データ及びこの実施例におけるニトロベンゼン供給の間に除去すべき共沸混合物がどれだけかという情報から、ニトロベンゼン供給の終了時において計算できる。米国特許5,739,403における実施例1はニトロベンゼン供給までは基本的に上記実施例13の複製である故に、実施例13について計算された最終の水の含有量は、ニトロベンゼン供給の終了時において実施例1にも適用できる。この計算された水の含有量は、約0.3:1の水/TMAHモル比に相当する。これは実施例1における4時間の保持時間の出発点である故に、水/アニリン共沸混合物の蒸留が続けられた間に実施例1の最終の水含有量は0.3:1より十分に低くなることが予測される。この態様の運転から予想される過度の塩基の分解は、米国特許5,739,403の実施例1において示される大量の触媒の供給及び長い水素化時間を容易に説明する。
【0018】
工程が商業的有用性を有すべき場合、水素化反応の間の塩基に対する一定の最少量の水も重要であることがさらに見出された。4-ニトロ-及び/又は4-ニトロソ-ジフェニルアミン塩の水素化の間に塩基は遊離され、最終的に水性相中に行く。以下にさらに述べられるように、この水性相において遊離の塩基は最大レベルを超えない量で存在しなければならないことが見出された。水素化の終了時における全ての水の塩基に対するモル比は少なくとも約4:1であるべきであるが、テトラアルキルアンモニウムハイドロキサイド及び関連化合物、例えばカーボネートはそれらの熱安定性が異なる故に、塩基を保護するために要求される、反応中の水の塩基に対する正確な最少量は実際に使用される塩基に依存することが理解されるべきである。
【0019】
許容できるニトロベンゼン選択性は180分を超えないニトロベンゼン付加時間によって得られうる。一般的に、付加時間は、蒸留による水の除去能力に調和して、できる限り速くあるべきである。より短い、例えば80〜100分の付加時間はより少ない塩基の分解に有利であり、より短い全体のサイクル時間は装置のサイズを小さくする。アニリンの全部又は一部をニトロベンゼンと一緒に添加することは許容される。
【0020】
本発明の方法に従い使用されうる置換アニリンの典型的な例は、2-メトキシアニリン、4-メトキシアニリン、4-クロロアニリン、p-トルイジン、4-ニトロアニリン、3-ブロモアニリン、3-ブロモ-4-アミノトルエン、p-アミノ安息香酸、2,4-ジアミノトルエン、2,5-ジクロロアニリン、1,4-フェニレンジアミン、4,4−メチレンジアニリン、1,3,5-トリアミノベンゼン、及びこれらの混合物を含むがこれらには限定されない。
【0021】
本発明の方法に従い使用されうる置換ニトロベンゼンの典型的な例は、o-及びm-メチルニトロベンゼン、o-及びm-エチルニトロベンゼン、o-及びm-メトキシニトロベンゼン、及びこれらの混合物を含むがこれらには限定されない。
【0022】
本発明の方法は、置換4-ADPA、即ち置換アニリン及び/又は置換ニトロベンゼンから出発するものの調製に有用であるが、本発明の方法はアニリン及びニトロベンゼンから出発する4-ADPAの生産に関して以下に述べられる。
【0023】
本発明に従う方法において、典型的にアニリンのニトロベンゼンに対するモル比は約1:1〜約10:1である。好ましくは約3:1〜約7:1の範囲である。
【0024】
塩基は典型的にテトラアルキルアンモニウムハイドロキサイドである。この例はテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイド、フェニルトリメチルアンモニウムハイドロキサイド、前記の何れかのカーボネート塩及びこれらの混合物を含むがこれらには限定されない。好ましくは塩基はテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。実用の目的のために、商業的に入手可能な、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイドの25重量%水性溶液から出発することが好ましい。工程(i)の反応混合物の形成において、塩基はアンモニウムハイドロキサイドとして添加されてもよく、テトラアルキルアンモニウムハライドとアルカリ金属水酸化物の組合せ、例えばテトラメチルアンモニウムブロマイドと水酸化ナトリウム又はカリウムの組合せを利用することによりこれをその場で(in situ) 生成されても良い。
【0025】
アニリンとニトロベンゼンの反応、即ち工程(i) の間に、水が蒸留除去され、水の塩基に対するモル比が注意深く制御される。反応器内のニトロベンゼンに対してモル過剰のアニリンが反応器内に存在する場合、水は水/アニリン共沸混合物の形で蒸留除去されうることに言及されるべきである。アニリン、ニトロベンゼン、及び塩基が互いに反応性接触をしあう時点である、カップリング反応の出発点における、水の塩基に対するモル比は好ましくは約4.5:1より少なく、バッチ中に、ほぼ2%の限界試薬(これは典型的にニトロベンゼンである)が通常未反応で残存する時点であるカップリング反応の終了時において約1.0:1より少なくない。水の除去速度がどれだけ良好に制御されるかに依存して、ニトロベンゼン供給が終わった後の保持期間が、水の除去および/又は反応を完了するために要求され得る。予備的な水の除去工程及びカップリング反応の進行は蒸留により除去される水の量を測定することにより監視され得る。これは蒸留物中のアニリンの量を差し引いて、蒸留物中の水の容積又は重量を測定することにより行われ得る。計器的方法、例えば赤外分光光度計によりカップリングバッチ中の水を直接監視することも可能である。計器的方法、例えば赤外分光光度計によりカップリング反応器内のニトロベンゼンについて反応を直接監視することもさらに可能である。
【0026】
計算目的のために、塩基の量は反応器内に存在する塩基の総量であり、これは遊離の塩基および/又は4-ニトロソ-および/又は4-ニトロ-ジフェニルアミンの塩に含まれる塩基であることは理解されるべきである。水の量は塩基の水和物および/又はこの工程中で形成されるその他の化合物の水和物である水を含む。
【0027】
塩基のニトロベンゼンに対するモル比は約0.7〜約4:1の範囲にあってよく、好ましくは約0.9:1〜約1.5:1の範囲にある。
【0028】
カップリング反応工程の間及び予備的な水の除去工程の間の温度及び圧力の条件は約10℃〜約150℃の温度、好ましくは約50℃〜約100℃の範囲にある温度を含み、約20〜約200mbarの範囲、好ましくは約50〜約150mbarの範囲にある圧力を含む。この範囲の定型的な実験は当業者が本発明の方法に従うパラメーター値と調和する水の除去速度に到達することを可能とする。ニトロベンゼン添加時間及び保持時間を含むが予備的な水の除去工程は含まないカップリング反応時間は好ましくは約3.5時間より少なくあるべきである。反応混合物は全カップリング反応の間撹拌される。アニリン添加後の水の除去の間における撹拌が推奨され、アニリン添加前の水の除去の間における撹拌は任意的である。
【0029】
工程(ii)水素化反応の間の温度及び圧力の条件は約50℃〜約150℃の温度、好ましくは約50℃〜約100℃の範囲にある温度を含み、約1〜約25bargの範囲、好ましくは約3〜約20bargの範囲にある圧力を含む。この範囲の定型的な実験は当業者が魅力的な水素化速度に到達することを可能とする。反応混合物の撹拌の必要性は使用される反応器の型に依存する。最も一般的な状況は反応器が機械的撹拌を有することである。しかし別の型の反応器は、熱の除去のための熱交換器を通し、エダクターを通して反応器へもどすことにより反応混合物を循環させる。この場合、高容量の流速での液体の戻しは反応器内の全体の液体を適切に撹拌する。ガスリフト反応器と呼ばれるさらに別の反応器の型は、水素の高容量の流れを循環させて撹拌を与える。
【0030】
工程(ii)の水素化反応の実行は水及び水素化触媒のカップリング反応混合物への添加を要求する。水素化反応器内の重大なレベルの熱分解から塩基を保護するために、十分な水が使用されなければならない。水の添加はリサイクルされる触媒の活性をも改良する。しかし米国特許5,739,403中の「従来技術より多い含有量の水が使用される本発明に従う水素化は相当により短い反応時間…」の記述における示唆とは反対に、本方法に従ってカップリング反応が行われる場合、水の供給の増加は新鮮な触媒の活性を改良しない。
【0031】
水素化反応のために添加される水の量は反応の終了時における塩基に対する水のモル比が少なくとも約4:1、特別には少なくとも約6:1であることを確実にするものでなければならない。水の合計はカップリング反応後に残る水及び水素化反応のために添加する水の総和を意味することが理解されるべきである。計算目的のために、塩基の量は反応器内に存在する塩基の総量としてとられ、これは(もし存在すれば)遊離の塩基、4-ニトロソ-および/又は4-ニトロ-ジフェニルアミンの塩及び水素化により塩基を遊離する不純物に含まれる塩基であることは理解されるべきである。
【0032】
水素化は担持された貴金属触媒、例えば炭素上のロジウム、炭素上のルテニウム、炭素上のプラチナ、炭素上のパラジウム、又は炭素上の貴金属の混合物、又はその他の従来の水素化触媒、例えばラネーニッケル又はラネー銅を用いて実行され得る。その他の担体、例えばPd,Pt,Rh,Ru及び混合金属触媒用にアルミナが使用されてもよい。好ましい触媒は炭素上のプラチナ又は炭素上のパラジウムである。しかし触媒の選択はこれらに挙げられたものには限定されない。貴金属触媒を用いる触媒水素化は従来技術において良く知られており、「Catalytic Hydrogenation in Organic Synthesis」,P.N.Rylander, Academic Press,N.Y.,1979年、299ページ及びその他の容易に入手できるテキストにおいて詳細に述べられる。触媒のリサイクルなしに水素化工程において添加される新鮮な触媒の量は、4-ニトロソ-および/又は4-ニトロ-ジフェニルアミン化合物1モル当たり0.01〜0.75ミリグラム原子の金属、好ましくは0.01〜0.50ミリグラム原子の金属、最も好ましくは0.01〜0.25ミリグラム原子の金属が存在するような量である。触媒のリサイクルに伴い、リサイクルされる全体の残存活性は非常に低いものから新鮮な触媒の1以上の添加をスキップするのに十分高いものまで変動しうる。しかし非常に低い残存活性のリサイクル触媒でさえ、新鮮な触媒との組合せにおいて、同量の新鮮な触媒単独より短い水素化時間を与える。従って、触媒リサイクルに伴い、繰り返される触媒使用のサイクルの後においてさえも、水素化工程においてリサイクルされる触媒全体に加えられる新鮮な触媒の量は、4-ニトロソ-および/又は4-ニトロ-ジフェニルアミン化合物1モル当たり0.0〜0.4ミリグラム原子の新しい金属、好ましくは0.0〜0.25ミリグラム原子の新しい金属、最も好ましくは0.0〜0.15ミリグラム原子の新しい金属が存在するような量である。リサイクル触媒全体が新鮮な触媒の取り入れに対して1:1以上の重量比であることが好ましいが、任意の量のリサイクル触媒が有益となりうる。
【0033】
本発明は、最初のサイクルだけでなく、さらに多くの、例えばサイクルごとにおいても短い水素化時間、を与える。本発明の方法のパラメーター範囲内において、4時間より少ない、好ましくは3時間より少ない、さらに好ましくは2時間より少ない、そして最も好ましくは1.5時間より少ない水素化時間が容易に実現される。水素の摂取及び発熱が規定される最小値(これは所定の反応器系及びカップリング反応全体組成について当業者により決定されることができる)に到達したときに水素化の完了が示される。
【0034】
約50℃〜約150℃の温度及び約1〜約25bargの水素圧における水素下で供給物を水素化触媒と接触させることにより、低活性のリサイクル触媒を用いても新鮮な触媒の取り入れは工程(ii)の供給物の前処理によってさらに減少され得る。
【0035】
水素化反応の完了後、触媒が反応混合物から分離され、液状の有機及び水性相の層が分離される。ろ過及び有機相と水性相の分離を容易にするために、任意的に水が反応生成物に添加されても良い。後者の相は塩基を含む。この選択肢は水素化反応の間に使用された水の量が容易な層分離を与えるのに不十分な場合に特に好ましい。塩基に対する水のモル比が9.4より低いもの(即ち水性相中約35重量%より多い塩基)ものについて、追加の水および/又は有機溶剤が効率的なろ過及び相分離のために要求されるだろう。12.3:1のモル比(29重量%塩基)において、効率的なろ過及び相分離のために追加の水の添加は必要でないだろう。しかしあらゆる場合において(リサイクル塩基が弱い、例えば21重量%以下でない限り)、蒸留へ進む塩基及び塩基の塩の量を減少させるために、追加の水を用いて有機相を抽出することが必要である。これらの化合物は蒸留系において分解し反応して、蒸留により4-ADPAから容易に分離することができない不純物を生成する。従って、水素化後の水の添加および/又は抽出の任意の組合せが多分必要である。相分離を促進し、有機相への分配を増加させることによりリサイクル塩基中の4-ADPAを減少させるために、任意の水のレベルにおいて有機溶剤が使用されうる。しかし、適切に操作される場合の好ましい工程は有機溶剤を必要としない。
【0036】
高塩基含有量がバッチを効率的なろ過には高粘度すぎるものとし、従って水による希釈を必要とする場合を除き、反応混合物から触媒を分離した後に水を添加することも可能である。
【0037】
層分離に続いて、後の工程(i)の反応における水性相の再使用のために、水性相中の塩基に対する水のモル比を減少させることが必要又は望まれるだろう。これは水の蒸留除去又は新鮮な濃塩基の添加、又は水の蒸留と新鮮な塩基の添加の組合せによって遂行されうる。典型的な実験室的調製手順において述べられるように、カップリング反応器からの分離容器内で又はカップリング反応器内における予備段階において濃塩基溶液を生成することが可能である。塩基のカップリング反応に対する反応性及び水素化反応に対する触媒活性を保持するために、リサイクル塩基中の不純物のレベルを制御することが重要である。これは工程(iv)における水性相と有機相の効率的な分離により、工程(i)のカップリング反応における不純物の形成を制御することにより、特にカップリング反応の間に最少水含有量より上での運転を維持することにより、最大カップリング反応時間(ニトロベンゼン供給及び保持時間)により、工程(ii)の水素化反応器内における不純物の形成を制御する事により、特に水素化バッチサイクルの間に最少水含有量より上の運転を維持することにより及びリサイクル塩基及びリサイクルアニリン中の不純物、例えば4-ADPA、メタノール及び触媒の量を最小化することにより行われる。
【0038】
水性相は、再使用されて新しい工程(i)反応混合物を形成する。分解、副生物の形成及び分離された有機相中への溶解により損失した塩基の換わりに新鮮な塩基が加えられるが、水性相がどのように加工されるかにより新鮮な塩基の添加はごくわずか又は定期的に必要となるだけだろう。有機生成物相から蒸留によりアゾベンゼン/アゾキシベンゼンの、アニリンへの変換物からの蒸留により、及びカップリング反応器蒸留物から回収される過剰のアニリンはリサイクルのために補給の新しいアニリンと一緒になって、新しい工程(i)の反応混合物を形成する。新しい工程(ii)の水素化のために、必要に応じて新鮮な触媒の添加とともに、水素化触媒が再使用されうる。
【0039】
事実、低い残存活性を有する大量のリサイクル触媒とともに新鮮な触媒を使用することの有益な効果がある。少量の新鮮な触媒の取り入れとともにこのようなリサイクル触媒の使用がより短い水素化時間を生じさせることが見出された。リサイクル触媒なしでは同様の水素化時間を得るためにより多くの新鮮な触媒の取り入れが必要である。
【0040】
リサイクルアニリン及びリサイクル塩基に含まれる4-ADPA及びメタノールがカップリング反応に重要な不純物であり、低レベルに制御されなければならないことが見出された。比較的低いレベルの4-ADPAはカップリング反応に対し許容できない低い収率及び水素化触媒の著しい活性抑制化をもたらす。このような少量の、アニリンに似た芳香族アミンがこのような厳しい結果を与えることは驚くべきことである。リサイクル塩基及びリサイクルアニリン中の4-ADPAの良好な制御レベルは、カップリング反応器内で4-ADPA/ニトロベンゼンのモル比が約0.05より少なく、好ましくは約0.03より少なく、最も好ましくは約0.015より少ないような量である。メタノールは4-ADPAの影響を悪化させ、触媒毒であるホルムアルデヒドの形成をもたらす。工程中のメタノールの許容できるレベルはまだ確立されていないが、できる限り低いレベルを得ることが最も良い。水素化触媒はリサイクル塩基に含まれる場合にはこれもまた毒性不純物であろう、従ってできる限り低いレベルを得ることが最も良い。
【0041】
塩基含有水性相のリサイクルは水素化触媒のリサイクルと同時に行われても良いが同時に行われることを必要とはしないこがと理解されるべきである。より特別にはプラントの設計に依存して、1つの工程のサイクルから生じる水性相及び水素化触媒は結局別々のその後のサイクル中に行くことができる。さらに保持タンク内にリサイクル塩基を集めることが通常であり、従ってバッチの識別性を完全に失う。
【0042】
本発明の1つの好ましい実施態様では、水素化触媒を、水素化反応混合物からの分離の後、水で洗浄し、洗浄された触媒を、続く工程(ii)の反応混合物を形成するために再使用する。典型的な触媒洗浄は、触媒1.0kg(乾燥重量)につき約50〜約500リットルの水(典型的には脱イオン水)を用いて、繰り返し、例えば4回まで触媒を洗浄することを含む。こうして触媒活性が高いレベルで維持され得ること、およびバッチ間変動性が、維持できる最小値に保持されることが本発明方法の特定の特徴である。水対塩基比への固守および本発明方法に従う工程(i)の反応への4−ADPAおよびメタノールの最小のリサイクルが、水で洗浄するなどの魅力的に簡単な方法では水素化触媒から除去することができない毒の生成を、サイクルを繰り返した後ですら防止すると推測される。
【0043】
本発明方法の別の好ましい実施態様では、水素化触媒が、水素化反応混合物からの分離後に、水中のスラリーとして保持される。サイクルの間に触媒を水性スラリー中に保持することは、触媒活性を好ましく高いレベルに保持すること、およびバッチ間変動性を最小にすることに対しても有益であることが分かった。そのようなスラリーは、例えば攪拌するおよび/またはリサイクルラインを通ってポンプ作用を行うことにより絶えず動いているように維持することができ、そのようなスラリーにおける固体対液体比は、広い範囲内で変わり得るが、一般にこの比は、約0.01〜約0.25の範囲、好ましくは約0.02〜約0.15の範囲にある。触媒を再使用すべきときは、触媒を、それが保持されるところのスラリーの形状で水素化反応器に添加することにより行うことができる。明らかなように、スラリーを脱水してより高い固形含量スラリーにし、または、触媒を水素化反応器に添加する前にペースト状にすることすらも可能である。
【0044】
4−アミノジフェニルアミンを製造するための本発明のプロセス工程は、バッチプロセスとして行うことができ、または、当業者に周知の手段および装置を使用して連続的に行うことができる。
【0045】
プロセスの他の特徴は、アニリンがニトロベンゼンに対してモル過剰に使用される場合のアニリンの回収を包含する。この実施態様では、4−アミノジフェニルアミンが典型的には蒸留により有機相から単離されるとき、アニリンは、同じ蒸留操作において回収され、次いで、続く工程(i)の反応混合物を形成するためにそこから再使用され得るところの保持タンクに送られる。最良の方法は、アニリンを回収し、かつ4−ADPAを精製するための一連の蒸留カラムを使用することである。
【0046】
本発明方法の更なる実施態様は、アニリンとニトロベンゼンとの反応中の望ましくない副生物、特にアゾベンゼンおよび/またはアゾキシベンゼンの生成の問題を扱う。工程(i)の反応条件に依存して、これらの化合物は、典型的にはニトロベンゼンである制限試薬に基づいて約1%〜約25%の範囲の量で生成される。本発明方法では、そのような生成物は、工程(ii)の水素化反応器に送られ、そこでアゾベンゼンおよびアゾキシベンゼンがヒドラゾベンゼンおよび恐らくは若干のアニリンに転化され得る。ヒドラゾベンゼンは、蒸留系において熱分解して不純物になるので、本発明においてヒドラゾベンゼンの生成は、好ましくは、しかし必ずしもというわけではないが、最小にされるべきである。また、若干のアゾベンゼンおよび/またはアゾキシベンゼンが、工程(ii)の水素化において、工程(i)の反応混合物に残された未反応ニトロベンゼンから生成し得る。
【0047】
カップリングおよび/または水素化反応中に生成したアゾベンゼンおよび/またはアゾキシベンゼンは、触媒的水素化によって、危険な化合物であるベンジジンを生成することなく、アニリンに転化され得る。高濃度の酸は、アゾベンゼンのヒドラゾベンゼン乃至アニリンへの触媒的水素化を促進するが、酸は、ヒドラゾベンゼンのベンジジンへの転位をも促進することが文献から公知である。しかし、アゾベンゼンのアニリンへの水素化に関して、触媒量の酸の使用は報告されていない。
【0048】
水素化反応後の有機相の処理の間、アゾベンゼンおよびアゾキシベンゼンは留去され、別の反応器に送られ、そこで、貴金属触媒および、弱酸、弱塩基またはpH中性成分を含む助触媒の存在下において水素化に供されてアニリンを生成する。適する触媒は、工程(ii)の水素化で使用される触媒と同じである。助触媒は、適切には、弱有機酸、例えば酢酸、ステアリン酸、オクタン酸および/または酸性炭素、例えば市販されている活性炭(好ましくは拘束された酸性を有する)であってもよく、それは、ベンジジンを生成することなく、アニリンの生成を促進する。弱酸または弱塩基またはpH中性助触媒は、水素化触媒と共におよび/または水素化触媒の一部分として導入され得る。後者の例は、炭素上の白金またはパラジウムなどの水素化触媒のための、好ましくは拘束された酸性を有する酸性炭素支持体である。アニリンは溶媒として(ここで、量は重要ではない)、および/またはリサイクル触媒をスラリーとして扱うための通常の媒体として使用され得る。プロセス条件は、約70℃〜約250℃の温度および約1〜約25bargの圧力であり得る。適する反応器は、工程(ii)の水素化に関して上記したものと同じである。触媒および助触媒を除去した後、アニリンが蒸留によって回収される。工程(ii)の水素化からアゾベンゼンおよびアゾキシベンゼンと共に留去されるフェナジン、任意のフェナジン−N−オキサイドおよび任意の他の不純物は、不純物の水素化生成物のいずれかと同様に非常に高い沸点を有する。従って、それらは、アニリンが生成されるところの助触媒工程を伴う水素化後にアニリンと共に留去されないので、リサイクルされない。そのようにして回収されたアニリンは、次いで、工程(i)の反応混合物の一部を形成するために使用され得る。
【0049】
水素化触媒および酸性炭素助触媒は、反応時間における最小の増加を伴うアゾベンゼンおよび/またはアゾキシベンゼンを含む流れの続くバッチにおけるアゾベンゼンおよび/またはアゾキシベンゼンのアニリンへの水素化のために有効に再使用されまたはリサイクルされ得ることが分かった。
【0050】
本発明はさらに、所望により置換された4−アミノジフェニルアミンのアルキル化誘導体、特に、ゴム製品の保護に有用な、4−ADPA自体のアルキル誘導体の製造法に関する。該方法では、所望により置換されたアニリンおよび所望により置換されたニトロベンゼンが、本発明方法に従ってカップリングされ、次いで水素化され、その後、こうして得られた4−アミノジフェニルアミンが、当業者に公知の方法により還元的にアルキル化されて、4−アミノジフェニルアミンのアルキル化された誘導体になる。典型的には、4−ADPAおよび適するケトンまたはアルデヒドが、水素および触媒、例えばクロム酸銅、炭素上の白金または炭素上のパラジウムの存在下で反応される。適するケトンとしては、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトンおよび2−オクタノンが挙げられる。例えば、米国特許第4,463,191号、およびBanerjeeら、J. Chem. Soc. Chem. Comm. 18, 1275-1276 (1988)を参照。他の適する触媒は、それらに限定されないが、工程(ii)の水素化に関して上記したものと同じであり得る。
【0051】
【実施例】
本発明を以下の実施例によって説明する。
典型的な実験室製造法
1barg=1x105Paゲージ圧、すなわち大気圧に対する圧
1mbara=1x102Pa絶対圧、すなわちゼロ圧に対する圧
1bara=1x105Pa絶対圧
【0052】
カップリングおよび水素化反応のための本発明にかかる典型的な手法を以下に記載する。これらの手法のモル比および操作条件の変数を実施例に記す。これらの変数は、比較のために使用される場合を除いて、本発明の範囲内である。装置の大きさおよびいくつかの反応に伴って変化する実際の仕込み量は、出発時点での先の反応からの傾斜を有した。
【0053】
水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の25重量%水性溶液1242gを、70mbaraの範囲の圧力および約40℃から約60℃に上昇する温度で約35重量%に濃縮した。次いで、1547gのアニリンを添加し、水の除去を、4.0〜6.0の最終の水/TMAHモル比が得られるまで、約90mbaraおよび約50℃から約80℃に上昇する温度で水−アニリン共沸混合物を蒸留することにより続けた。反応混合物の望ましい水/TMAHモル比を維持するために、約90mbaraおよび約80℃でアニリン/水共沸混合物の蒸留を続けながら、2時間以内に382gのニトロベンゼンを添加した。カップリングバッチは、ニトロベンゼン供給が完了した後、10〜25分間攪拌しながら保持された。蒸留速度を調整して、反応(すなわち、ニトロベンゼン供給+保持時間)終了時に1.0〜2.5の水/TMAHモル比に到達させた。希釈のために、最終のカップリング反応物に、少量の市販の3%Pd/C触媒と共に、水を添加した(全体の水/TMAHモル比9〜15)。次いで、混合物を80〜90℃および8baraの水素圧で水素化した。水素吸収が規定された最小値に達したとき、水素化反応を停止した。1.5時間未満の水素化時間を満たすために触媒の取り入れの量を調整した。中間体および最終生成物のHPLC分析からのデータを使用して、未反応ニトロベンゼン(すなわち、最後にバッチに残っているニトロベンゼン仕込み量の割合(%))およびニトロベンゼン選択率(すなわち、(生成したNODPA+NDPAのモル)/(転化されたニトロベンゼンのモル))を計算した。
【0054】
実施例1
本実施例は、カップリング反応が本発明に従って行なわれるときに得られる優れた水素化結果(反応時間および触媒の取り入れ量)を示す。結果は、米国特許第5,739,403号に示されたものより明らかに優れている。
【0055】
カップリング反応を、典型的手法に記載されたように行った。新鮮な(純粋な)原料を供給物質として使用した。水/TMAHモル比は、出発時の4.8からニトロベンゼン添加終了時の1.6に低下した。ニトロベンゼン添加+保持のための総時間は130分であった。ニトロベンゼン選択率は94.0%であり、0.4%の未反応ニトロベンゼンを伴った。同じ方法で行った別のカップリング反応では、95.1%のニトロベンゼン選択率が得られ、未反応ニトロベンゼンは0.1%であった。希釈水を上記の最初のカップリングバッチに添加し(全体の水/TMAHモル比11.2)、反応混合物を、3%Pd/C触媒を使用して水素化した。触媒の取り入れ量は、ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき0.17ミリグラム原子のPdであり、水素化時間は33分であった。比較すると、10より上の水/TMAHモル比に希釈された、米国特許第5,739,403号の実施例におけるカップリング反応物は、はるかに長い反応時間(4時間)で、はるかに多い触媒の取り入れ(ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき1.21ミリグラム原子のPt)を必要とした。
【0056】
実施例2
この実施例は、カップリング反応中の4−ADPAの存在によるカップリングおよび水素化反応に対する有害な影響を示す。結果は明らかに、カップリング反応の選択率および水素化反応における活性に対する大きな負の影響を示す。これは、4−ADPAが、プロセスリサイクル流において低いレベルで制御されなければならないことを示している。
【0057】
実施例1のカップリング反応を、新鮮な25重量%の水性TMAH溶液および、多数回の完全なリサイクル試行後に得られた2種類のサンプルのリサイクルアニリンを用いて出発することにより2回繰り返した。最初のカップリング反応は、3.9重量%の4−ADPAを含むリサイクルアニリンおよび新鮮なTMAH溶液を使用した。水/TMAHモル比は、出発時の5.5からニトロベンゼン添加終了時の1.2に低下した。ニトロベンゼン選択率は82.7%にすぎず、未反応ニトロベンゼンは0.3%であった。このカップリングバッチに希釈水を添加し(全体の水/TMAHモル比11.2)、混合物を、3%Pd/C触媒を使用して水素化した。触媒の取り入れ量はニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき0.17ミリグラム原子のPdであった。60分の水素化時間の後、転化は35%に過ぎなかった。比較のために、第2のカップリング反応では、0.0%の4−ADPAを有するリサイクルアニリンおよび新鮮なTMAH溶液を使用した。水/TMAHモル比は、出発時の5.1からニトロベンゼン添加終了時の1.6に低下した。ニトロベンゼン選択率は96.2%で有意に比較的高く、未反応ニトロベンゼンは3.5%であった。この第二のカップリングバッチは、水による同様の希釈および同じ触媒の取り入れ量を伴い、46分で完全に水素化された。
【0058】
実施例3A
この実施例は、カップリングおよび水素化反応に関して、新鮮なTMAH溶液に対してリサイクルTMAH溶液を用いると反応性の低下があり得ることを示す。影響力は、水素化のための触媒活性に関して特に大きい。これは、カップリングおよび水素化反応中にリサイクル塩基溶液に含まれる不純物から生成する不純物故である。ニトロベンゼン選択率に対する影響は様々である。これは、リサイクルTMAH溶液中の不純物の様々なレベルによって説明される。かかる不純物は、4−ADPAおよび、TMAHの分解から生じる不純物(メタノール、メトキシド、ホルムアルデヒド、ギ酸およびテトラメチルアンモニウムカーボネートを包含し得る)を包含する。本発明による操作は、生成する有害な不純物を最小にし、従って、塩基を含む水性相を再使用することのこれらの負の影響を最小にする。
【0059】
実施例1のカップリング反応を、新鮮なアニリンおよび、多数回の完全なリサイクル試行後に得られた2種類のサンプルの19〜25重量%の水性TMAH溶液を用いて出発することにより2回繰り返した。第1のバッチに関しては、水/TMAHモル比が、出発時の5.1からニトロベンゼン添加終了時の2.2に低下した。ニトロベンゼン選択率は93.7%であり、未反応ニトロベンゼンは1.9%であった。第2のバッチに関しては、水/TMAHモル比が、出発時の5.4からニトロベンゼン添加終了時の2.2に低下した。ニトロベンゼン選択率は89.3%であり、未反応ニトロベンゼンは4.7%であった。希釈水をカップリングバッチの各々に添加し(全体の水/TMAHモル比11.2)、反応混合物を、3%Pd/C触媒を使用して水素化した。触媒の取り入れ量は、各反応に関して、ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき0.17ミリグラム原子のPdであった。60分の反応時間の後、2つの水素化のための転化は各々、70%および48%にすぎず、新鮮な塩基を用いた実施例1の場合よりもはるかに悪かった。
【0060】
実施例3B
別の水素化を、実施例3Aの第1のカップリングバッチ材料を用いて行った。増加された量の触媒を使用して、実施例1で得られたのと同じ水素化活性に到達した。ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき0.50ミリグラム原子のPdの触媒の取り入れ量を用いて、水素化時間は30分であった。
【0061】
±30分の水素化時間で活性レベルに到達するために多量の触媒が必要とされるが、触媒の取り入れ量は、米国特許第5,739,403号(反応時間4時間)で報告されたデータと比較してなおも低い。これは、TMAH溶液のリサイクルが、この方法の適切な実行によって使用され得ることを示す。リサイクル塩基を用いた場合の触媒の取り入れ量は、この方法を商業的規模で操作して経験を身につけると、本明細書に示したよりも低くなると予想される。また、触媒の取り入れ量は、比較的大きいリサイクル触媒物質を使用すると、さらに低くなると予想される。
【0062】
実施例3C
本実施例は、リサイクル塩基中の不純物自体は重要な触媒毒ではないことを示す。実施例1で製造されたカップリング反応生成物を、新鮮な35重量%の水性塩基溶液または35重量%の水性リサイクル塩基溶液および少量の水を用いて希釈した。希釈率は、カップリング物質1.0部につき塩基溶液0.75部であった。希釈後の全体の水/TMAHモル比は、24.3であった。この混合物を、3%Pd/C触媒を使用して水素化した。触媒の取り入れ量は、ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき0.28ミリグラム原子のPdであった。反応時間は、新鮮な塩基に関しては29分であり、リサイクル塩基に関しては47分であった。
【0063】
これらの結果は、水素化触媒活性に関して、リサイクル塩基は新鮮な塩基に比べてほんの少しの負の効果を有することを示す。従って、実施例3Aのように、リサイクル塩基をカップリング反応のために使用して得られた、水素化触媒活性に対するはるかに大きい負の影響は、カップリング反応中のリサイクル塩基不純物から生じた触媒毒に由来するに違いない。さらに、カップリング反応器で作られたいくつかの更なる新鮮な不純物が水素化反応器中でさらなる触媒毒を生じ得る可能性がある。
【0064】
実施例4
本実施例は、リサイクル流中の不純物の影響が相乗的であり得ることを示す。4−ADPAを含むリサイクルアニリンをリサイクル塩基と共に使用すると、カップリングおよび水素化反応に対する負の影響は、いずれかのリサイクル物質を単独で使用する場合よりも悪い。その結果、ニトロベンゼン選択率はより低く、触媒活性は有意により低くなる。これは、本発明方法に従う操作により、TMAH分解が最小化されなければならず、かつ4−ADPAおよび他の不純物がリサイクル流中で低いレベルで制御されなければならないことをさらに示す。
【0065】
実施例1のカップリング反応を、3.9重量%の4−ADPAを含むリサイクルアニリンおよびリサイクルTMAH溶液を使用して繰り返した。水/TMAH比は、出発時の5.5からニトロベンゼン添加終了時の1.9に低下した。ニトロベンゼン選択率は81.6%にすぎず、未反応ニトロベンゼンは2.0%であった。希釈水をカップリングバッチに添加し(全体の水/TMAHモル比11.2)、反応混合物を、3%Pd/C触媒を使用して水素化した。触媒の取り入れ量は、ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき0.17ミリグラム原子のPdであった。60分の水素化時間の後、転化は<10%であった。
【0066】
実施例5
本実施例は、カップリング反応の選択率に関するいくつかの特定されたプロセス不純物の有害かつ相乗的影響を示し、従って、本発明の方法によりこれらの不純物を最小化することの必要性を強調する。また、メタノール(TMAH分解生成物)がどのように触媒毒ホルムアルデヒドに転化され得るかをも示す。種々の不純物を単独でおよび組み合わせて、新鮮な原料を用いて典型的な手法に従ってなされる実験室カップリング反応に加えた。ニトロベンゼン供給が終了した後、水およびアニリンの留去を続けながら反応を30分間保持し、次いで、HPLC分析を行った。表1で使用された不純物レベルは、4−ADPAが0.9重量%、Pdが0.015重量%、およびメタノールが2.3重量%であった(各々、原料の全仕込み量の重量%である)。これらは、明白に有意な影響を示すために、この方法の通常よりも高いレベルである。より低い不純物レベルは、より小さい大きさの影響を示すが、影響は、塩基およびアニリンのリサイクルと共に蓄積すると予想される。これらの試験に関して、不純物は、カップリング反応バッチ中の種々の時点で加えられた。触媒は塩基と共に出発時に添加され、4−ADPAはアニリンと共に添加され、メタノールは、揮発性低下を可能にするために3回に分けて、すなわち、出発時に、アニリンと共に、およびニトロベンゼンと共に添加された。また、メタノールは、カップリング反応器に存在するような乾燥した高pH条件では反応してメトキシドになることも公知である。
【0067】
表1の結果は、4−ADPAが単独で、および触媒、メタノールまたはその両方と組み合せられると、カップリング反応に関するニトロベンゼン選択率の有意な低下を引き起こすことを示す。なお、はるかに悪いケースは、触媒が4−ADPAおよびメタノールと組み合わせられたときである。これらの結果は、メタノールが、4−ADPAの存在下でのカップリング反応器において反応性であることをも示す。恐らく、メタノールおよび/またはメトキシドは、還元剤として作用する。なぜならば、かかる化学は、カップリング反応器における条件などの条件下で生じることが文献において公知であるからである。メタノールおよび/またはメトキシドは次いで、酸化されて触媒毒のホルムアルデヒドになる。メタノールは、4−ADPA無しでは選択率を低下させないことを記しておくことは重要である。しかし、他の不純物が相互作用して、カップリング反応器中でのメタノールおよび/またはメトキシドのホルムアルデヒドへの酸化を引き起こす可能性もある。さらに、触媒の存在下でのアルコールおよびアルコキシドは、ニトロおよびニトロソ化合物をアミンに還元し得ることが文献において公知であり、特に4−ADPAの場合は4−ニトロジフェニルアミンから還元される。このことも、メタノールおよび/またはメトキシドにより、ホルムアルデヒドの生成を生じる。従って、メタノールおよび/またはメトキシドは、4−NDPAおよび比較的多量の触媒と接触しても、水素化反応器においてホルムアルデヒドに酸化され得る。最後に、これらは、カップリングおよび水素化反応に対して有害な影響を引き起こし得る唯一の不純物ではないと推定される。
【0068】
【表1】
Figure 0004808312
【0069】
実施例6
本実施例は、本発明に従って、0.6以上の水/TMAHモル比でカップリング反応(ニトロベンゼンの供給+保持)を行うことによるTMAH分解の減少という利点を示す。3つの実験室カップリング反応を、典型的な手法に従って、約76mbaraで、アニリン/ニトロベンゼンのモル比=6.0およびTMAH/ニトロベンゼンのモル比=1.05として行った。ニトロベンゼン供給および保持の終了時の水/TMAHモル比は様々であった。ニトロベンゼン供給時間は2〜3時間であった。全てのバッチを、75℃で4時間保持し、その間、米国特許第5,739,403号に記載されているように、水/アニリン共沸混合物の蒸留を続けた。ニトロベンゼン供給後および保持後の反応物中のTMAHを、反応物サンプルの滴定分析により測定した。TMAH分解を、TMAHの出発時の量との相違により決定した。比較のために、本発明に係る典型的な手法により作られた、別のカップリング反応バッチを一定の水/TMAHモル比で80℃で2時間保持した。
【0070】
表2は、TMAH分解が、ニトロベンゼン供給終了時の水/TMAHモル比が減少すると共に増加することを示す。結果は、米国特許第5,739,403号によって開示された4時間の保持および続けられた蒸留の悲惨な影響をも示す。該特許では、水/TMAH比が本発明によって特定された0.6の最小値より下に低下するので、分解速度は0.5〜1.8%/時であった。対照的に、水/TMAH比が本発明の最小値より上の1.4に保持されると、TMAH分解は、2時間の保持(5℃高い温度で)の間、ほんの0.15%/時にすぎなかった。従って、水/TMAHモル比を0.6以上に保持するための本発明に係る操作は、ニトロベンゼン供給+保持時間の間のTMAHの分解を最小にする。かかる操作は、TMAH分解に関係する不純物から誘導される触媒毒の生成をも最小にする。比較すると、米国特許第5,739,403号に係る操作は、許容され得ないTMAH分解を与える。その結果生じる高いレベルの触媒毒は、米国特許第5,739,403号の水素化が、非常に高い触媒の取り入れ量であってさえも、なぜ4時間を要したかを説明する。本発明に係る最適化された操作により商業的に達成され得る実際のTMAH分解は、表2におけるよりも低いと予想され得る。例えば、本発明に従って行われるカップリング反応に関してTMAHの約1%の分解が示され、ニトロベンゼン供給+保持時間は3.5時間未満であった。
【0071】
【表2】
Figure 0004808312
【0072】
実施例7
本実施例は、最小のTMAH分解のために、最小の水/TMAHモル比より上でカップリングおよび水素化反応を行うことの重要性をさらに示す。アニリン、TMAHおよび水混合物(水/TMAHモル比:5.0および2.7)の2つのサンプルを別々の密閉されたバイアルに入れた。混合物は、0.6gのアニリンと、0.2gの水+TMAH(モル比=5の場合)または0.16gの水+TMAH(モル比=2.7の場合)とであった。2つのバイアルを、カップリングおよび水素化反応器の両方に関して本発明の特定された温度範囲である80℃で2時間、オーブン中で保持した。オーブンから取り出した後、TMAHの分解によって生じたトリメチルアミンの量を、ヘッドスペースのGC分析により各サンプルに関して測定した。結果は、水/TMAHモル比が5の場合のTMAH分解が0.2%であり、水/TMAHモル比が2.7の場合は2.0%であることを示した。従って、TMAH分解は、水の量が減少するにつれて増加する。カップリング反応終了時には、ここで試験されたよりも低い水/TMAHモル比が許容され得る。なぜならば、TMAHのほとんどが、4−ニトロソジフェニルアミンおよび4−ニトロジフェニルアミンのより安定した塩に転化されるからである。しかし、TMAHの全てが再生されると、カップリング反応開始時および水素化終了時には、TMAHの全てが存在する。従って、カップリング反応開始時および水素化中のTMAH分解を最小にするためには、より高い水/TMAHモル比が必要とされる。
【0073】
実施例8
本実施例は、TMAHの分解から生じる種々の不純物の水素化に対する影響を示す。実施例1で製造されたカップリング反応生成物に、各々、メタノール(0.9重量%)、ホルムアルデヒド(0.9重量%)、ギ酸(1.8重量%)またはTMA−カーボネート(3.8重量%)が「加えられ」、水素化された。触媒の取り入れ量は、ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき0.17ミリグラム原子のPdであった。表3の反応時間は、水素化活性に対するホルムアルデヒド添加の大きい負の影響を示し、これは、ホルムアルデヒドが触媒毒であることを示す。これは、TMAH分解が、本発明方法に従う操作により最小に保持されるに違いないことを示す。
【0074】
【表3】
Figure 0004808312
【0075】
実施例9A
本実施例は、新鮮な触媒の取り入れ量が、水素化供給を低活性のリサイクル触媒で前処理することにより低下され得ることを示す。実施例1のカップリング反応を、共に多数回の完全なリサイクル試行の後に得られた25重量%の水性TMAH溶液および「4−ADPA汚染された」アニリンを使用して繰り返した。カップリング反応混合物を、約9の水/TMAHモル比に希釈した後、触媒として3%Pd/C(%は金属+炭素の乾燥重量に基づく)を使用して90℃および8baraの水素圧で水素化した。このカップリング反応混合物による反応時間対新鮮な触媒の取り入れ量の研究に基づくと、82分の水素化時間を得るために、ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき0.63ミリグラム原子のPdの触媒の取り入れ量が必要であろう。実施例3Bと比較すると、このカップリング反応混合物は、比較的高いレベルの触媒毒を有した。同じカップリング反応混合物の新鮮なサンプルを、多数回の完全なリサイクル試行後に得られた低い残留活性を有する約1重量%のPd/C触媒湿潤濾過ケーキ(約25重量%の固形分)を用いて、8baraの水素圧下、90℃で15分間、前処理した。若干の水素の取り込みがあったが、最初の活性は、実施例1で認められた活性の2〜4%にすぎなかった。この触媒を濾別し、新鮮な触媒を添加し、処理された反応混合物を上記と同様の条件で水素化した。ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき0.28ミリグラム原子のPdのより低い触媒の取り入れ量を用いると、反応時間は再び82分であった。より高い残留活性のリサイクル触媒による前処理によって更に大きい改善が得られることが予想され得る。
【0076】
実施例9B
本実施例は、新鮮な触媒を低い残留活性を有するリサイクル触媒物質と共に使用することの有益な効果を示す。カップリング反応混合物およびリサイクル触媒は、実施例9Aで使用されるものと同じであった。カップリング反応混合物を、約9の水/TMAHモル比に希釈した後、新鮮な3%Pd/C触媒の取り入れとリサイクルPd/C触媒物質との2種類の比を使用して、90℃および8baraの水素圧で水素化した。リサイクル触媒は湿潤濾過ケーキの形状であり、25重量%の固形分を含むと推定された。実際の固形含量は、リサイクル触媒に吸着された有機化合物故に、正確に測定することができなかった。最初の水素化バッチは、ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき0.29ミリグラム原子Pdの新鮮な触媒の取り入れ量および約2.5のリサイクル触媒固形分と新鮮な触媒の固形分との重量比を有し、水素化時間は96分であった。同じカップリング反応混合物による反応時間対触媒の取り入れ量の研究に基づくと、96分の同じ水素化時間を得るためには、リサイクル触媒無しでは、ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき約0.59ミリグラム原子Pdの新鮮な触媒の取り入れが必要とされる。第2の水素化バッチは、ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき約0.115ミリグラム原子Pdのより少ない新鮮な触媒の取り入れ量および約18のリサイクル触媒固形分と新鮮な触媒の固形分とのより高い重量比を有し、水素化時間は57分とより短かった。この場合、57分の同じ水素化時間を得るためには、リサイクル触媒無しでは、ニトロ/ニトロソ化合物1モルにつき約0.74ミリグラム原子Pdの新鮮な触媒の取り入れが必要とされる。
【0077】
これらの結果は、リサイクル触媒のみが使用されたときの2〜4%という低い最初の活性によって示されるように非常に低い残留活性のリサイクル触媒物質、および比較的高いレベルの触媒毒を有するカップリング反応混合物によって達成された。より高い残留活性のリサイクル触媒物質がより低いレベルの触媒毒を含むカップリング反応混合物と共に使用される場合、さらに低い重量比で良好な結果が達成されると予想され得る。
【0078】
実施例10
本実施例は、本発明に従って製造されたカップリング反応物質の水素化のための種々の触媒の効力を説明する。カップリング反応物を上記の典型的な手法に従って、全て新鮮な原料を用いて、250リットルのパイロット規模の反応器中で調製した。水/TMAHモル比は、出発時の4.7から反応終了時の1.6に低下した。カップリング反応物質を、本発明の典型的な手法に従って、種々の触媒を用いて水素化した。水/TMAHのモル比は、本発明にかかる実施例のための水素化反応器中において9.4であり、これは、米国特許第5,739,403号で特許請求された約10の水/TMAHの下限の少し下である。
【0079】
表4の結果は、種々の触媒が、本発明に従って作られたカップリング反応物質の水素化のために有効に使用され得ることを示す。米国特許第5,739,403号との比較は、本発明にかかる最小値より上に維持された水/TMAHモル比を用いてカップリングおよび水素化反応を行うことの利点を明らかに示す。さらに、非常に優れた触媒の取り入れ量および水素化反応時間が、米国特許第5,739,403号によって特定されたよりも少ない水を用いて達成された。これは、水の量が、(米国特許第5,739,403号で主張されたように)良好な水素化性能のための最も重要なパラメーターではなく、むしろ、本発明にかかるカップリングおよび水素化反応のための水/塩基モル比の適切な制御手段であることを示す。
【0080】
【表4】
Figure 0004808312
【0081】
【実施例11】
この実施例は、循環触媒の活性における水素化バッチ中の水/TMAHモル比の効果を示している。10回の実験室規模のカップリング反応が、本発明の典型的な手順に従って実行され、そして混合された。該混合物の最終水含有量は、水/TMAH=1.5のモル比であった。該混合物の一部分が種々の量の水で希釈され、そして次いで、85〜90℃及び約8baraの水素圧力において水素化された。各々の水含有量における第1サイクルが、約0.19ミリグラム原子Pd/モルニトロ/ニトロソ化合物の仕込量で、新鮮な3%Pd/C触媒を用いて実行された。サイクル2及び3は、前のバッチから循環された触媒を使用した。
【0082】
表5は、5の水/TMAHモル比を超えると、水の量の増加が、新鮮な触媒での第1サイクルのための反応時間に有意な効果を有しないことを示している。しかし、触媒が循環されたとき、反応時間における水/TMAHモル比の明らかな効果があった。これは、触媒が循環されたとき、水がプロセス中で生成された毒物からの触媒への影響を減じた故に、水含有量を増加することが触媒による活性の維持を増大したことを示している。それ故、水の添加は、一定の水素化時間を与えるために必要であるところの新鮮な触媒の取入れを(循環触媒を使用して又は使用しないで)減ずるであろう。更にこれは、カップリング反応及び水素化反応が本発明に従って実行されて、良好な水素化転化率及び反応時間が、(米国特許第5,739,403号明細書により請求された範囲の下限であるところの)10よりかなり低い水/TMAHモル比で得られ得ることを示している。
【0083】
更に、米国特許第5,739,403号明細書は、米国特許第5,739,403号明細書に請求された範囲内の全ての水含有量において、約1.21ミリグラム原子Pd/モルニトロ/ニトロソ化合物の大きな新鮮な触媒の取入れを伴う4時間の長い反応時間を実証している。大きな触媒取入れを伴うそのような長い反応時間は、米国特許第5,739,403号明細書のカップリング反応生成物が、本発明に従って作られたカップリング反応生成物より明らかにより多くの触媒毒を含んでいたことを示している。最後に、表5のサイクル1の結果は、米国特許第5,739,403号明細書におけるような大きな触媒取入れを伴って、本発明に従って作られたカップリング反応生成物が、4.7よりかなり低い水/TMAHモル比において、そして4の水/TMAHモル比においてさえ4時間内で完全に水素化されるであろうことを示している。
【0084】
【表5】
Figure 0004808312
【0085】
【実施例12】
この実施例は更に、循環触媒の活性における水素化バッチ中の水の効果を示す。三つのカップリング反応バッチが、〜27mbaraの圧力で22リットルの実験室規模の反応器において典型的な手順に従って製造された。使用されたモル比は、アニリン/ニトロベンゼン=4.8〜6.0及びTMAH/ニトロベンゼン=1.05であり、ここで、反応は水/TMAH=1.2〜1.5で止められた。水素化が次いで、バッチの種々の量の水により、80℃及び約17.7baraで行われた。触媒は各々の水含有量で10回循環され、ここで、無理なく一貫した反応時間を達成するために必要な新鮮な触媒が加えられた。反応時間について必然的に生じた変動を調節するために、触媒使用量は、11回のバッチシリーズに亘って、1時間当りに減じられたニトロ/ニトロソ化合物の合計モル数当りに使用されたPdの合計のミリグラム原子として表現される。
【0086】
表6の結果は、サイクル1の反応時間(そしてそれ故に、初期の触媒活性)が、バッチ中の水の量により影響を及ぼされず、これに対して、触媒使用量が、加えられた水量の増加を減じたことを示している。それ故、循環触媒による活性の維持は、より多くの水を加えることにより改善された。たとえ、最小水含有量がまた、最小の初期の新鮮な触媒の取入れを有したとしても、カップリング反応物質が本発明に従って作られた故に、通常の水素化反応時間のためになお十分な触媒活性があったことは特に重要である。他の実施例におけるように、これらのサイクル1の反応時間は、新鮮な触媒を用いる米国特許第5,739,403号明細書において報告された結果、即ち、1.21ミリグラム原子Pt/モルニトロ/ニトロソ化合物で4時間の反応時間と非常に対照的である。
【0087】
【表6】
Figure 0004808312
【0088】
【実施例13】
この実施例は、触媒が水素化物質から分離された後、水により触媒を洗浄して循環された触媒の活性についての有益な効果を立証する。本発明に従う典型的な手順により実験室規模の反応器において製造されたカップリング反応物質は、約8.7の水/TMAHモル比で85〜90℃及び約8baraにおいて水素化された。3サイクルの水素化バッチの3シリーズは各々、第1サイクルに約0.2ミリグラム原子Pd/モルニトロ/ニトロソ化合物の新鮮な触媒の取入れを伴って、この方法で製造された。触媒は、新鮮な触媒の添加なしに、夫々のシリーズの第2及び第3サイクルのために循環された。一つにシリーズについて、触媒は、サイクル1とサイクル2との間に一度、そしてサイクル2とサイクル3との間にもう一度、約4.5baraの水素圧力下で60〜70℃において脱イオン水により洗浄された。洗浄比は触媒1g当り550ミリリットルの水であった。洗浄は、実験室規模のオートクレーブに水を加え、5分間攪拌し、そして次いで、内部フィルターを通して水を濾別することにより実行された。二つの基準のシリーズについて、触媒は、バッチの間に残余の水素圧力下においてオートクレーブ中に保持された。
【0089】
表7の結果は、水洗浄が、水洗浄をしないところの基準の場合と比較して水素化速度の少しの改善が与えられていることを示している。改善の大きさは、第2サイクルより第3サイクルについて僅かにより高かった。これは再び、本発明に従って操作されたプロセスにおいて発生した触媒毒を取除くための水の能力を説明している。水洗浄がより低い水/TMAHモル比において更により大きい効果を有するであろうことが期待され得る。他の実施例におけるように、これらのサイクル1の反応時間は、新鮮な触媒を用いる米国特許第5,739,403号明細書において報告された結果、即ち、1.21ミリグラム原子Pt/モルニトロ/ニトロソ化合物での4時間の反応時間と非常に対照的である。
【0090】
【表7】
Figure 0004808312
【0091】
【実施例14】
この実施例は、バッチ間にスラリーとして水と触媒との接触を維持することが、比較的少量の水での水洗浄に等しいことを立証する。カップリング反応物質が、69〜100mbaraで典型的な手順に従って100ガロンのパイロットプラント反応器において製造された。モル比は、アニリン/ニトロベンゼン=4.8及びTMAH/ニトロベンゼン=1.05であった。カップリングバッチの一部は、約15の水/TMAHモル比及び3%Pd/C触媒を用いて、80℃及び約8.6baraで実験室規模の反応器において水素化された。触媒循環シリーズの中間において、水洗浄と、スラリーとして触媒物質と水との接触を単に維持することが比較された。洗浄は、内部フィルターを通しての前のバッチの除去後に、オートクレーブ中に残存する触媒に水を加えることにより実行された。スラリーは、14.8baraの水素圧力で80℃で10〜15分間攪拌され、そして次いで、水がフィルターを通して取除かれた。水が触媒と一緒に残る場合について、水は、内部フィルターを通して前のバッチの除去後に、オートクレーブ中で触媒に加えられた。水及び触媒は次いで、次のバッチの開始までに残存する水素圧力下に保持された。触媒と一緒に残存した水の量は、水素化のために通常加えられる水の量から減じられ、従って、水素化反応器における合計の水は両者の場合について同一であった。
【0092】
表8の結果は、水洗浄及び水スラリー接触が反応時間において匹敵し得る効果を有していたことを示している。この比較研究に先立って、触媒物質の活性が53〜57分間の反応時間で安定化された。新鮮な触媒の取入れなしにかつ触媒物質の1g当り263ミリリットルの水を使用してこの点で洗浄することは、4サイクルに亘って4、7、5及び16分の反応時間の増加を与えた。安定化後の比較触媒循環シリーズにおいて、新鮮な触媒の取入れ及び水洗浄なしの2サイクルは、5及び15分の反応時間の増加を有していた。(水なしの第2サイクル対水を伴う第2サイクルについてのより大きな増加は、水洗浄からの少しの改善の更なる証拠である。)この実施例にために、反応時間は、任意の効果を強めるために安定化時間を超えて増加されることが許され、従って、何らかの相違が検出するためにより容易となるであろう。それ故、より少ない量の水での洗浄及びより低い活性の触媒物質を用いるこの研究において、反応時間のより大きな増加が期待された。増加が水洗浄対水との接触の単なる保持について同一である故に、該手順は同等であった。
【0093】
【表8】
Figure 0004808312
【0094】
【実施例15】
この実施例は、酸性炭素、例えば、市販の活性炭が、ベンジジンの形成なしに高収率及び低触媒使用量で、アゾベンゼンのアニリンへの水素化のための有効な助触媒であることを説明している。カップリング反応器への循環のために回収されたアニリンの安定性がまた立証された。
【0095】
工程(ii)の水素化反応器において見出されるような、高度に塩基性の条件が、アゾベンゼンのアニリンへの水素化を強力に禁止する(水素化がヒドラゾベンゼンの形成において停止する)ことは、文献に公知である。ヒドラゾベンゼンのアミンへの接触水素化が活性の高い条件(例えば、高温、及び/又は高圧、及び/又は多い触媒取入れ量及び/又は高い酸含有量)を必要とすることはまた、文献に公知である。Catalytic Hydrogenation over Platinum Metals、P.N.Rylander,Academic Press,ニューヨーク、1967年、第493頁に報告された、Pd/Cを用いての室温及び大気圧における研究は、大量の酢酸(2gのアゾベンゼン当り30ミリリットル)が、アゾベンゼンのアニリンへの水素化を促進することを示している。Sn/HCl及びZn/HClによるアニリンへの水素化がまた文献に公知である。しかし、水素化のための酸の触媒量の使用は報告されていない。それ故、初期の研究は、試薬クレードのアニリン及びアゾベンゼンの混合物により実行されて、酢酸の低含有量を有する酸性炭素(150gアゾベンゼン当り1ミリリットル)及びリン酸で飽和された酸性炭素(40gのアゾベンゼン当り1ミリリットル)を比較している。水素化時間は、125℃及び24.5baraにおける酢酸対125℃及び17.6baraにおける酸性炭素で>60%より長く、かつ125℃及び17.6baraにおけるリン酸対125℃及び17.6baraにおける酸性炭素で280%より長かった。しかし、全ての三つの酸は、ヒドラゾベンゼンのアニリンへの還元に触媒作用することができる。酸性炭素が、テストされた三つの酸の最小含有量において使用された故に、酸性炭素の優れた性能は驚くべきものである。酸性炭素は次いで更に該プロセスのために評価された。
【0096】
パイロットプラントの工程(i)カップリング反応からのアゾベンゼン副生成物は、蒸留により工程(ii)の反応混合物から分離され、次いで、工程(i)の反応に循環するためにアニリンに水素化された。アゾベンゼン水素化反応は、完了したバッチの除去を可能にする一方、次のバッチのためにオートクレーブ中に触媒を保持するために、焼結金属の内部フィルターを持つ1リットルのParrオートクレーブにおいて実行された。開始するために、51〜58%のアゾベンゼンであるところの、200.6gのアゾベンゼンを含む流れが、199.8gのアニリン溶媒を用いてオートクレーブに仕込まれた。次いで、1.0gの3%Pd/C触媒(0.315重量%の拘束された酸性(bound acidity);0.006重量%の自由な酸性(free acidity))及び3.0gの酸性炭素助触媒(0.55重量%の拘束された酸性;0.02重量%の自由な酸性)が、オートクレーブに仕込まれた。シールされかつ攪拌されたオートクレーブは175℃に加熱され、次いで、水素が、17.6baraにおいて水素流量が反応が完了したことを示すまで供給された。分析は、43分間後にアゾベンゼン又はヒドラゾベンゼンが残存しないことを示した。反応は、焼結金属の内部フィルターを通してバッチをパージした後にオートクレーブ中に残存する触媒及び助触媒を使用することにより23回繰返された。サイクル14において0.1gの触媒及び0.3gの助触媒が添加された。分析は、全てのバッチについてアゾベンゼンのアニリンへの転換率が、本質的にヒドラゾベンゼンの残存なしに>98.5%であったことを示した。反応時間は、ただ4バッチにおいてのみ60分間を超えた。ここで、最長時間は67分間であった。
【0097】
一緒にされた濾過された反応物質が蒸留されて、アニリンとして90%より多いアゾベンゼンを回収した。蒸留からの残渣は、GC/MSにより分析され、そしてベンジジンは見出されなかった。これらの実験室規模の蒸留から回収されたアニリンは、何らの新鮮なアニリン又は他の循環アニリンの供給なしに、二つの実験室規模のカップリング反応のために使用された。ニトロベンゼンからの選択率(94.4%及び95.3%)は、全ての新鮮なアニリンでの実験室規模の反応に匹敵し得る。
【0098】
【実施例16】
この実施例は、良好な結果が溶媒なしでさえ得られる故に、アゾベンゼンの水素化のための溶媒として使用されたアニリンの量が重要ではないことを説明している。水素化は、同一の触媒及び酸性炭素助触媒を使用して、実施例11において述べられたように実行された。アニリン対アゾベンゼンを含む蒸留物の重量/重量仕込比は、0.0〜1.0で変えられた。表9の結果は、仕込まれたアニリン量のために反応時間における有意な効果を示していない。
【0099】
【表9】
Figure 0004808312
【0100】
【実施例17】
この実施例は、水素化触媒の酸性炭素担体が、プロセス蒸留物に含まれるところのアゾベンゼンのアニリンへの水素化のための有効な助触媒であり得ることを説明している。それ故、適切な触媒担体で、別の酸性炭素助触媒を添加することは必要ではない。
【0101】
水素化は、7.9baraの水素圧力で180℃において、実施例15において述べられた手順と同様の手順により実行された。仕込は、400gの合計有機物及び1.0gの3%Pd/C触媒(0.373重量%の拘束された酸性;0.005重量%の自由な酸性)であった。酸性炭素助触媒の別個の添加はなかった。仕込は、270gの、アゾベンゼン含有パイロットプラント蒸留物、50gの追加のアゾベンゼン及び80gのアニリンから成っていた。特別のアゾベンゼンは、出発反応混合物中の合計のアゾベンゼンが、商業プラントのために期待される含有量を反映するように加えられた。11バッチのシリーズが、10回の触媒循環を伴ってなされた。第1の二つのサイクルのための反応時間は、アゾベンゼンの98.3%の転化率を伴って25分間であった。残りの9サイクルについて、反応時間は34分間から49分間に変化し、かつアゾベンゼンの転化率は、97.3%から98.9%に変化した。これらの結果は、実施例11において報告した結果に匹敵し、触媒の炭素担体は、酸性炭素助触媒としてそれ自体十分であったことを示している。
【0102】
【実施例18】
この実施例は、他の触媒が、アゾベンゼンのアニリンへの水素化のために有効であることを示している。短い触媒循環の研究が、1gの5%Rh/C触媒及び3gの酸性炭素(0.283重量%の拘束された酸性及び0.003重量%の自由な酸性)により実行された。これは、新鮮な触媒又は助触媒の添加なしに実行された。反応混合物は、200gの、アゾベンゼン含有パイロットプラント蒸留物、140gのアニリン及び60gのアゾベンゼン又はヒドラゾベンゼンのいずれかから成っていた。175℃及び7.9baraにおけるサイクル4及び5のための水素化時間は各々40分間であり、これは、実施例15において報告された研究についての175℃及び18.6baraにおける3%Pd/C触媒を用いたサイクル4及び5のための35及び44分間の水素化時間に匹敵する。これは、Rh/Cが本発明のプロセスのアゾベンゼンの水素化のために許容し得る触媒であることを示している。他の触媒(例えばPt/C)特別にはテストされなかったが、これらはまた許容し得ることが期待され得る。文献において、反応条件が報告されていないけれども、Pt/Cは、アゾベンゼンの水素化のためのPd/Cに類似することが報告されている。

Claims (21)

  1. 置換又は非置換の4-アミノジフェニルアミンの調製方法において、
    (i) 供給された塩基に対する水のモル比が、カップリング反応の出発時において4:1より大きくかつ、カップリング反応の終了時において0.6:1より小さくない範囲にある事を確実にするように塩基に対する水の量を水の蒸留除去によって制御しつつ、水及び塩基の存在下において、アニリン、2−メトキシアニリン、4−メトキシアニリン、4−クロロアニリン、p−トルイジン、4−ニトロアニリン、3−ブロモアニリン、3−ブロモ−4−アミノトルエン、p−アミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジクロロアニリン、1,4−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンジアニリン、1,3,5−トリアミノベンゼン、及びこれらの混合物から選択された置換又は非置換のアニリンとニトロベンゼン、o−及びm−メチルニトロベンゼン、o−及びm−エチルニトロベンゼン、o−及びm−メトキシニトロベンゼン、及びこれらの混合物から選択された置換又は非置換のニトロベンゼンとを反応させて、置換又は非置換の4−ニトロジフェニルアミン及び/又は4−ニトロソジフェニルアミンおよび/又はこれらの塩を生成すること;
    (ii) 塩基に対する全ての水のモル比が水素化の終了時において少なくとも4:1になるように追加された水及び水素化触媒の存在下において工程(i)の反応生成物を水素化すること;
    (iii) 水素化触媒を反応混合物から分離すること;
    (iv) 反応混合物から水性相及び有機相を得て、有機相を水性相から分離し、置換又は非置換の4-アミノジフェニルアミンを有機相から単離すること;及び
    (v) リサイクル塩基を含む、工程(iv)からの水性相が再使用されて、後の工程(i)の反応混合物を形成すること
    を含む方法。
  2. アニリンのニトロベンゼンに対するモル比が1:1〜10:1であるところの請求項1の方法。
  3. 塩基のニトロベンゼンに対するモル比が0.7:1〜4:1であるところの請求項1または2の方法。
  4. 工程(i)において、置換又は非置換のニトロベンゼンが置換又は非置換のアニリン、水及び塩基の混合物へ添加され、かつ工程(i)におけるニトロベンゼン添加の開始から反応の完了までの経過時間が3.5時間を超えないところの請求項1〜3の何れか1つの方法。
  5. 工程(i)の反応混合物を形成するためにリサイクルされる塩基および/又はアニリンとともに、工程(i)の反応へ不純物として導入される、置換又は非置換の4-アミノジフェニルアミンが、カップリング反応器内で0.05の、置換又は非置換のニトロベンゼンに対する置換又は非置換の4-アミノジフェニルアミンのモル比より低いレベルであるところの請求項1〜4の何れか1つの方法。
  6. 水素化触媒が担持された貴金属触媒であり、かつ、触媒リサイクルを除いた、供給される新鮮な貴金属の量が、置換又は非置換の4-ニトロジフェニルアミン及び/又は4-ニトロソジフェニルアミンおよび/又はこれらの塩1モル当たり0.01〜0.75ミリグラム原子であるところの請求項1〜5の何れか1つの方法。
  7. 水素化触媒が炭素上のプラチナ、炭素上のパラジウム又は炭素上のロジウムを含むところの請求項1〜6の何れか1つの方法。
  8. 水素化触媒がリサイクルされ、後の工程(ii)の水素化において、必要に応じて新鮮な触媒とともに再使用されるところの請求項1〜の何れか1つの方法。
  9. 工程(ii)の反応中へ導入されるリサイクル触媒と新鮮な触媒の重量比率が1以上であるところの請求項8の方法。
  10. 水素化触媒が担持された貴金属触媒であり、かつリサイクルされる触媒に対する追加される新鮮な触媒の量が、置換又は非置換の4-ニトロジフェニルアミンおよび/又は4-ニトロソジフェニルアミン及び/又はこれらの塩1モルに対して0.0〜0.4ミリグラム原子の新鮮な金属が存在するような量であるところの請求項89の何れか1つの方法。
  11. 触媒が、水素化反応混合物からの分離の後、水で洗浄され、該洗浄された触媒が後の工程(ii)の水素化において再使用されるところの請求項1〜10の何れか1つの方法。
  12. モル過剰の置換又は非置換のアニリンが使用され、過剰の置換又は非置換のアニリンが有機相から回収され再使用されて、後の工程(i)の反応混合物を形成するところの請求項1〜11の何れか1つの方法。
  13. アゾベンゼンおよび/又はアゾキシベンゼンを含む副生物が工程(iv)からの有機相から分離除去され、触媒的に水素化されてアニリンを形成し、該アニリンが再使用されて後の工程(i)の反応混合物を形成するところの請求項1〜12の何れか1つの方法。
  14. 置換又は非置換の4-アミノジフェニルアミンのアルキル化誘導体の調製方法において、請求項1〜13の何れか1つの方法に従い、置換又は非置換のアニリン及び置換又は非置換のニトロベンゼンが反応され、続いて反応生成物が水素化され、その後このようにして得られる置換又は非置換の4-アミノジフェニルアミンが該置換又は非置換の4-アミノジフェニルアミンのアルキル化誘導体へと還元的にアルキル化されるところの方法。
  15. 上記塩基がテトラアルキルアンモニウムハイドロキサイドであるところの請求項1〜14の何れか1つの方法。
  16. 工程(ii)への供給物と使用された水素化触媒とを、50℃〜150℃の温度及び1〜25bargの水素圧における水素下で接触させることにより、該供給物が使用された該触媒で前処理されるところの請求項8の方法。
  17. 水素化時間が4時間より少ないところの請求項1の方法。
  18. 触媒が、水素化反応混合物から分離された後、後の工程(ii)の水素化において再使用される前に水中のスラリーとして保持されところの請求項1の方法。
  19. アニリン及びニトロベンゼンが工程(i)において使用され、アゾベンゼン及び/またはアゾキシベンゼンが工程(iv)からの有機相から蒸留され、別の反応器へ移されて、そこで触媒及び中性、弱酸性又は弱塩基性助触媒の存在下で水素化されてアニリンを形成するところの請求項1の方法。
  20. 助触媒が酢酸、ステアリン酸、オクタン酸、又は酸性炭素を含む群からの弱有機酸を含むところの請求項19の方法。
  21. 酸性炭素が拘束された酸性を有するところの請求項20の方法。
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