JP4808003B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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吸収性物品100は、着用者の肌側に配置される液透過性のトップシート110と、着衣側に配置される液不透過性のバックシート120と、これらトップシート110とバックシート120との間に介在する吸収体130と、を備える。
トップシート110には、吸収性物品100の一定方向に延びる複数の襞状部111が、互いに平行に設けられており、これら襞状部111は吸収性物品100の前記一定方向の直交方向に襞寄せされている。これにより、襞状部111は、吸収性物品100の前記直交方向について遥動自在に形成されている。
前記トップシート及び/又は前記吸収体は、繊維が一方向に配向された不織布で形成され、且つ、前記不織布の繊維配向方向に直交して延びる複数のエンボス線を備え、
前記エンボス線の各々は、間欠的に設けられた複数の凹部で形成され、
前記凹部の各々は、短手方向及び長手方向を有する形状であり、且つ、前記長手方向が前記繊維配向方向に交差するように配置されていることを特徴とする吸収性物品。
そこで、トップシート及び/又は吸収体に、複数のエンボス線を設けたので、エンボス線の形成部位における硬度が非形成部位よりも高くなるから、これらエンボス線の形成部位を基点として、エンボス線延在方向に直交する方向に屈曲しやすくなる。そして、エンボス線が繊維配向方向に直交して延びる構成としたので、繊維配向方向に屈曲しやすくなる。
また、凹部は、全体として、吸収体の長手方向中心線を軸として互いに対向するように配置されることが好ましい。これにより、吸収性物品は、バランスよく屈曲するので、身体の形状変化に対してより追従でき、着用者に与える違和感及びよれ発生をより抑制できる。
そこで、(2)の発明によれば、長手方向が繊維配向方向に直交するように凹部の各々を配置したので、繊維配向方向に屈曲する基点の面積の減少を抑制できるから、繊維配向方向に屈曲しにくくなるのを抑制できる。従って、身体の形状変化に対してより追従でき、着用者に与える違和感及びよれ発生をより抑制できる。
そこで、(5)の発明によれば、繊維配向方向の曲げ剛性値を、繊維配向方向に直交する方向の曲げ剛性値に対して、100%以上500%以下としたので、繊維配向方向及びこの繊維配向方向に直交する方向の曲げ剛性値が略均一である。
以下の数式1を満たすように前記吸収性物品の曲げ剛性値を低減化する曲げ剛性値低減化工程を含むことを特徴とする吸収性物品の製造方法。
そこで、(6)の発明によれば、曲げ剛性値低減化工程を含む構成とし、更に、C/A+D/Bが2.0未満とする構成とした。これにより、曲げ剛性値低減化工程後の曲げ剛性値が低減化されるから、吸収性物品は屈曲しやすく、身体の形状変化に対して充分に追従でき、着用者に与える違和感及びよれ発生を抑制可能な吸収性物品を製造できる。
しかし、エンボス線を設けたことにより、トップシート及び/又は吸収体の厚みが減少し(つまり、上述した数式2におけるF/Eが1未満となる)、この厚み減少に伴って柔軟性が低下するから、着用者に与える風合いが良好でない場合がある。そこで、(7)の発明によれば、曲げ剛性値低減化工程を、上述した数式2におけるF/Eが0.70以上となるようにエンボス線を設ける工程としたので、この工程後も厚みが極度に減少しないから、厚み減少に伴った柔軟性の低下を抑制でき、着用者に良好な風合いを与えることが可能な吸収性物品を製造できる。
トップシート及び/又は吸収体に、複数のエンボス線を設けたので、エンボス線の形成部位における硬度が非形成部位よりも高くなるから、これらエンボス線の形成部位を基点として、エンボス線延在方向に直交する方向に屈曲しやすくなる。そして、エンボス線が繊維配向方向に直交して延びる構成としたので、繊維配向方向に屈曲しやすくなる。
間欠的に設けられた複数の凹部でエンボス線の各々を構成したので、各凹部間に硬度が低い部位が形成されるから、エンボス線の延在方向についての曲げ剛性が低減され、繊維配向方向の直交方向に屈曲しやすくなる。
この凹部の長手方向に直交する方向、換言すれば、繊維配向方向の直交方向以外の方向にも屈曲しやすくなる。例えば、凹部の各々をこの長手方向が繊維配向方向に直交するように凹部の各々を配置すれば、繊維配向方向に屈曲する基点の面積の減少を抑制できるから、繊維配向方向に屈曲しにくくなるのを抑制できる。
従って、繊維配向方向及びこの直交方向のいずれにも屈曲しやすいので、身体の形状変化に対して追従でき、着用者に与える違和感及びよれ発生を抑制できる。
[吸収性物品の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るパンティーライナー1の肌側表面を示す平面図である。図2は、図1のIII−III線断面図である。図3は図2の部分拡大図である。図4は、図1における四角で囲まれた部位の部分拡大図である。
更に、使用中におけるパンティーライナー1の分解を防ぐため、パンティーライナー1の周縁から延出する部分において、トップシート10及び吸収体30は、パンティーライナー1の周縁に設けられた接合部42を介して、接合されている。この接合部42は、熱シール、超音波シール等の公知の手段により形成できる。なお、接合部42は、パンティーライナー1の最縁部に限らず、最縁部より内側に配置してもよく、最縁部からの距離が一定でなくてもよい。
パンティーライナー1は、曲線形状の前縁部2と、同様に曲線形状の後縁部3と、を有す略矩形状である。例えば、長手方向中心線Oyでの長さ寸法は80mm以上200mm以下(例えば、140mm)であり、幅寸法は35mm以上80mm以下(例えば、60mm)である。
吸収体30は、例えば、長さ寸法が50mm以上200mm以下(例えば、140mm)で、幅寸法が20mm以上80mm以下(例えば、60mm)であり、パンティーライナー1の略中央部に設けられている。
トップシート10は、液透過性であり、一般的に液親水性である。また、着用者の肌に当接するので、柔軟性に富み、風合いのよい素材が好ましく用いられる。具体的には、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維が挙げられる。このうち、凹部41の形成を容易化する点で、比較的低融点であるポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系繊維が好ましい。
トップシート10としては、これらの素材がスルーエア法、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブロン法、ニードルパンチ法の適宜の方法によって加工された不織布を使用できる。
そして、トップシート10の厚みは、0.1mm以上5.0mm以下〔例えば、2.0mm(3g/cm2の圧力下)〕であり、坪量は、第1層が7g/m2以上100g/m2以下(例えば、20g/m2)であり、第2層が7g/m2以上100g/m2以下(例えば、15g/m2)であり、全体として14g/m2以上200g/m2以下(例えば、35g/m2)である。
ただし、トップシート10は、上述したような2層構造に限らず、単層構造、3層以上の構造であってもよい。また、トップシート10を複数枚重ねて使用してもよい。
バックシート20は、一般的に、非通気性又は通気液不透過性である。バックシート20の素材としては、例えば、不織布、プラスチックシート、これらを積層したラミネート不織布が挙げられる。
不織布の具体例としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維が挙げられ、これらの素材がスパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブロン法等の適宜の方法により加工された不織布をバックシート20として使用できる。
また、プラスチックシートの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエステル、ナイロン等のポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が挙げられる。
吸収体30は、一般的に、液吸収性、液保持性に優れていることが好ましい。吸収体30は、親水性の不織布が積層されて構成されている。親水性の不織布の素材としては、例えば、綿、レーヨンなどのセルロース繊維、アクリロニトリル、ポリビニルアルコールなどの親水基を有する合成繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの疎水性繊維を親水化剤で表面処理して親水性を付与した繊維が挙げられる。
吸収体30としては、これらの素材がスルーエア法、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブロン法、ニードルパンチ法の適宜の方法によって加工された不織布を使用できる。
エンボス線40の各々を構成する凹部41は、熱エンボス、超音波エンボス等のいずれかまたは複数の手段によって形成されている。凹部41を熱エンボスで形成する場合、トップシート10及び吸収体30を形成する繊維(複数種の繊維で形成されている場合は、融点が最も低い繊維)の融点より少なくとも5℃低い温度で行うことが好ましい。
感圧接着剤層21は、例えば、ゴム系ホットメルト型接着剤、オレフィン系ホットメルト型接着剤、メカニカルファスナー、スチレンゴム系の滑り止め材で、構成できる。そして、感圧接着剤層21は、図示しない離形剤処理された剥離紙で被覆されている。
パンティーライナー1の曲げ剛性値は、KESシステムによる測定方法に準拠して、曲げ剛性値測定機器「KES FB2−AUTO−A」(カトーテック社製)により、100mm×100mmの寸法でパンティーライナー1から切り出した試験片を用いて測定できる。
パンティーライナー1等の厚みは、定圧式厚み測定器「J−B」(ピーコック社製)を用い、例えば3g/cm2の定圧下で、測定できる。
本実施形態のパンティーライナー1は、以下のような方法で製造できる。
前述した各部材を、着衣側から、バックシート20、吸収体30、トップシート10の順に積層する。この際、トップシート10及び吸収体30は、不織布の繊維配向方向が長手方向となるように配置する。そして、この積層されたバックシート20、吸収体30、トップシート10を、周知の方法により部分的又は全体的に接合する。
この接合された全部材を、ピンを備えるエンボス板で押圧することにより、トップシート10及び吸収体30にエンボス線40を設ける。これにより、パンティーライナー1の曲げ剛性値を低減化することができる。
(A)トップシート10及び吸収体30に、複数のエンボス線40を設けたので、エンボス線40の形成部位における硬度が非形成部位よりも高くなるから、これらエンボス線40の形成部位を基点として、エンボス線40延在方向に直交する方向に屈曲しやすくなる。そして、エンボス線40が繊維配向方向に直交して延びる構成としたので、繊維配向方向に屈曲しやすくなる。
間欠的に設けられた複数の凹部41でエンボス線40の各々を構成したので、各凹部41間に硬度が低い部位が形成されるから、エンボス線40の延在方向についての曲げ剛性が低減され、繊維配向方向の直交方向に屈曲しやすくなる。
長辺が繊維配向方向に直交するように凹部41の各々を配置したので、繊維配向方向に屈曲する基点の面積の減少を抑制できるから、繊維配向方向に屈曲しにくくなるのを抑制できる。
従って、繊維配向方向(パンティーライナー1の長手方向)及びこの直交方向(パンティーライナー1の短手方向)のいずれにも屈曲しやすいので、身体の形状変化に対して追従でき、着用者に与える違和感及びよれ発生を抑制できる。
従って、繊維配向方向(パンティーライナー1の長手方向)及びこの直交方向(パンティーライナー1の短手方向)に加えて、繊維配向方向に直交する方向の間の所定方向X、Yにも屈曲しやすいので、身体の形状変化に対してより追従でき、着用者に与える違和感及びよれ発生をより抑制できる。
従って、繊維配向方向に直交する方向(パンティーライナー1の短手方向)により屈曲しやすいので、身体の形状変化に対して更に追従でき、着用者に与える違和感及びよれ発生を更に抑制できる。
従って、繊維配向方向(パンティーライナー1の長手方向)及びこの繊維配向方向に直交する方向(パンティーライナー1の短手方向)のいずれにも、バランスよく屈曲するので、身体の形状変化に対してより効果的に追従でき、着用者に与える違和感及びよれ発生をより効果的に抑制できる。
10 トップシート
20 バックシート
30 吸収体
40 エンボス線
41 凹部
X、Y 所定方向
Claims (4)
- 着用者の肌側に配置される液透過性のトップシートと、着衣側に配置される液不透過性のバックシートと、これらトップシートとバックシートとの間に介在する吸収体と、を備える吸収性物品において、
前記トップシート及び/又は前記吸収体は、繊維が一方向に配向された不織布で形成され、且つ、前記不織布の繊維配向方向に直交して延びる複数のエンボス線を備え、
前記複数のエンボス線は、隣り合う前記エンボス線同士の位相がずれて設けられており、
前記エンボス線の各々は、間欠的に設けられた複数の凹部で形成され、
前記凹部の各々は、短手方向及び該短手方向よりも長さの長い長手方向を有する形状であり、且つ、前記長手方向が前記繊維配向方向に交差するように配置されており、
前記複数の凹部は、千鳥状に配置されており、千鳥状に配置される前記複数の凹部は、前記繊維配向方向に視たときに斜めに隣接する前記凹部が重ならないように、配列しており、前記複数の凹部の間隔は、該凹部が形成されていない部位における吸収性物品の厚みの2倍以上であり且つ5mm以上15mm以下であることを特徴とする吸収性物品。 - 前記繊維配向方向の曲げ剛性値は、前記繊維配向方向に直交する方向の曲げ剛性値に対して、100%以上500%以下である請求項1記載の吸収性物品。
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