JP6231868B2 - 吸収性物品の表面シート及びそれを備えた吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品の表面シート及びそれを備えた吸収性物品 Download PDF

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Description

本発明は、生理用ナプキン、パンティライナ、失禁パッド及び使い捨ておむつなどの吸収性物品の肌対向面に用いられる表面シートに関する。また本発明は、該表面シートを備えた吸収性物品に関する。
吸収性物品の表面シートにおける肌対向面に多数の凸部を形成して、該表面シートの種々の特性を向上させる試みが行われている。表面シートに凸部を形成するための手段の一つとして、該表面シートの構成繊維として熱の付与によって伸長する繊維、すなわち熱伸長性繊維を用いることが提案されている(特許文献1及び2参照)。
特許文献1及び2に記載の技術においては、熱伸長性繊維を含むウエブにエンボス加工を施して、閉じた形状の小区画を多数形成し、該小区画内に存在する熱伸長性繊維に熱を付与してこれを伸長・起立させ、該小区画内を隆起させることで、凸部を形成している。
特に特許文献1では、直線状の連続エンボス線が菱形格子状に配置されており、菱形の閉じた小区画内が厚み方向に向けて膨らむことで凸部を形成している。菱形の対向する2つの頂点の位置では内角が鋭角となるように連続エンボス線が交差している。このことに起因して、この鋭角部分の近傍では熱伸長性繊維の伸長による起立が起こりづらくなっている。また、排泄された液がこの鋭角部分に溜まりやすくなってしまうことがある。更に、エンボスが連続線であることに起因して、排泄された液が連続エンボス線に沿って表面シート上を伝って流れてしまうことがあり、液流れ面積が大きくなってしまう。
特許文献2では、閉じた形状の小区画が、線分からなるエンボス凹部によって区画されており、各エンボス凹部どうしが交差していない。エンボス凹部どうしが交差していない部分においては、熱伸長性繊維の伸長が阻害されないので、該部分において熱伸長繊維の起立が生じてしまう。そのことに起因して、排泄された液が表面シートの面方向に沿って拡がりやすくなる。また、エンボス凹部どうしが交差していない部分において起立した熱伸長性繊維がその近傍に位置するエンボス凹部を隠蔽することがあり、そのことに起因して該エンボス凹部の明瞭性が減殺されることがある。
特開2011−137262号公報 特開2012−239531号公報
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品の表面シート及びそれを用いた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、熱伸長性繊維を含む不織布からなり、該不織布はエンボス凹部で区画された複数の区画領域を有し、該区画領域内に該エンボス凹部よりも隆起している凸部を有する吸収性物品の表面シートであって、
各区画領域は、複数のエンボス凹部が間隔を置いて列状に連なった複数本のエンボス凹部列が交差することで画成されており、
1本のエンボス凹部列を構成する複数のエンボス凹部のうち、少なくとも一部のエンボス凹部は、2つの端点を有する有限長の直線又は曲線の線状部分からなり、
エンボス凹部列を構成する各エンボス凹部を仮想的に連ねて形成される仮想連続線を考えたとき、該エンボス凹部列は、仮想連続線が一方向に延びる第1エンボス凹部列と、該一方向と異なる方向に仮想連続線が延びる第2エンボス凹部列とを有し、
第1及び第2エンボス凹部列の仮想連続線の仮想交点には、第1及び第2エンボス凹部列のうち、一方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部のみが配置されており、該仮想交点には他方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部が非存在となっている、吸収性物品の表面シートを提供するものである。
また本発明は、エンボス凹部で区画された複数の区画領域を有し、該区画領域内に該エンボス凹部よりも隆起している凸部を有し、熱伸長性繊維を含む吸収性物品の表面シートであって、
各区画領域は、複数のエンボス凹部が間隔を置いて列状に連なったエンボス凹部列と、不連続箇所を有さない、連続したエンボス連続線とが交差することで画成されており、
1本のエンボス凹部列を構成する複数のエンボス凹部のうち、少なくとも一部のエンボス凹部は、2つの端点を有する有限長の直線又は曲線の線状部分からなり、
エンボス凹部列を構成する各エンボス凹部を仮想的に連ねて形成される仮想連続線を考えたとき、該エンボス凹部列の仮想連続線とエンボス連続線との仮想交点には、エンボス連続線のみが配置されており、該仮想交点にはエンボス凹部列を構成するエンボス凹部が非存在となっている、吸収性物品の表面シートを提供するものである。
本発明によれば、液残り量が少なく、液の拡がりを抑制し、かつエンボス凹部の明瞭性が高く外観の印象が良好な吸収性物品の表面シート及びそれを備えた吸収性物品が提供される。
図1(a)及び(b)は、本発明の吸収性物品の一実施形態の要部を破断して示す斜視図である。 図2は、表面シートの要部を拡大して示す斜視図である。 図3は、表面シートに形成されたエンボス凹部のパターンを示す平面図である。 図4(a)ないし(c)は、エンボス凹部列の配列パターンを示す平面図である。 図5(a)ないし(c)は、表面シートに形成されたエンボス凹部の種々のパターンを示す平面図である。 図6は、表面シートに形成されたエンボス凹部の別のパターンを示す平面図である。 図7(a)及び(b)は、表面シートに形成されたエンボス凹部の更に別のパターンを示す平面図である。 図8は、表面シートの製造に好適に用いられる装置を示す模式図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1(a)及び(b)には、本発明の表面シートを備えた吸収性物品100の要部を示す一部破断斜視図である。吸収性物品100は、その着用時に着用者の肌と対向する面側に位置する表面シート10を備えている。表面シート10は液透過性を有している。
また吸収性物品100は、その着用時に着用者の肌から遠い側に位置する面である非肌対向面としての裏面シート(図示せず)を備えている。裏面シートの外面には、ナプキン100を着用者のショーツに固定するための粘着剤が施されていてもよい。裏面シートは、液不透過性であるか又は液難透過性である。また裏面シートは水蒸気透過性を有していてもよい。表面シート10と裏面シートとの間には、液保持性の吸収性コア101が配置されている。吸収体101は、例えばフラッフパルプなどの吸液性の親水性繊維を積繊した積繊体からなる。あるいは、該親水性繊維と高吸収性ポリマーとの混合物の積繊体からなる。また吸収体101は、高吸収性ポリマーが2枚の薄葉紙の間に保持されたシート状のものであってもよい。
吸収性コア101は、表面シート10との対向面及び裏面シートとの対向面並びに側面が、液透過性の被覆シート102によって被覆されている。そして、吸収性コア101とそれを被覆する被覆シート102によって吸収体103が構成されている。被覆シート102としては、例えばパルプから製造される薄葉紙や、合成樹脂の繊維から構成される不織布が用いられる。
図1(a)に示す実施形態においては、表面シート10の2つの面のうち、吸収性コア101との対向面側に、該表面シート10と接するようにサブレイヤーシート104が配置されている。一方、図1(b)に示す実施形態においては、表面シート10における吸収性コア101との対向面側に、サブレイヤーシートは配置されておらず、被覆シート102が表面シート10と直接に接している。このように、図1(a)及び(b)に示す実施形態にいずれにおいても、表面シート10における吸収性コア101との対向面側には、該表面シート10と接するシートが配置されている。
吸収性物品100は一般に長手方向とそれに直交する幅方向を有する縦長の形状になっている。吸収性物品100は、その具体的な用途に応じ、上述した各部材に加えて、該吸収性物品100の各種の性能を高める部材を備えていてもよい。例えば吸収性物品100は、幅方向の左右の側部の位置に、長手方向に延びる一対の防漏カフ(図示せず)を備えていてもよい。防漏カフは長手方向に延びる一側縁が自由縁になっているとともに、他側縁が固定縁になっている。自由縁には、弾性糸等の弾性体が伸長状態で固定されていてもよい。固定縁は、吸収性物品100の肌対向面に固定することができる。防漏カフは、固定縁から自由縁に向けて起立することで、排泄された液が横漏れすることを阻止する堰としての働きを有する。
また、吸収性物品100が生理用ナプキン等の経血の吸収性物品である場合には、該物品100の長手方向の中央域において、幅方向の側縁からそれぞれ外方に延出する一対のウイング部(図示せず)を備えていてもよい。ウイング部は、表面シート10及び/又は裏面シートの延出部分から構成することができる。あるいは表面シート10及び裏面シートとは別材料のシートから構成することができる。例えば上述した防漏カフを構成するシートからウイング部を形成することができる。ウイング部の裏面には、該ウイングを下着の股下部に固定するための粘着剤が施されていてもよい。
吸収性物品100が使い捨ておむつ等の尿や便の吸収性物品である場合には、裏面シートの外面側に外装シート(図示せず)を配することができる。外装シートは、吸収性物品100の外縁をなす形状をしている。外装シートにおける長手方向に沿う一方の端部には、該端部の幅方向両側部の位置に、吸収性物品100を着用者の身体に固定するための一対のファスニングテープを配置することができる。あるいは、外装シートにおける長手方向に沿う一方の端部の幅方向両側部と、他方の端部の幅方向両側部とを合掌状に接合して一対のサイドシール部を形成することで、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型の形状となすことができる。
更に吸収性物品100は、その肌対向面に、表面シート10及び吸収体103を圧密化して形成された防漏溝を有していてもよい。防漏溝は例えば吸収性物品100の幅方向の両側部の位置に、長手方向に延びるように一対形成することができる。防漏溝は、吸収性物品100の装着時に該吸収性物品100の変形の起点となる可撓軸としての働きを有するとともに、排泄された液を吸収性物品100の長手方向に導く働きも有する。一対の防漏溝は、その長手方向の一方の端部又は両方の端部が連結されていてもよい。一対の防漏溝の両端部が連結されている場合、該防漏溝は閉じた形状のものとなる。
上述の裏面シート、吸収性コア101、被覆シート102、サブレイヤーシート103、防漏カフ及びウイング部などを構成する材料としては、当該技術分野においてこれまで用いられてきた材料と同様のものを特に制限なく用いることができる。表面シート10の詳細については後述する。
図2は、ナプキン100における表面シート10を示す斜視図である。表面シート10は、同図に示すように、単層構造の不織布からなり、構成繊維を熱融着することで形成された複数のエンボス凹部11を有している。複数のエンボス凹部11の形成によって、表面シート10は複数の区画領域12に区画されている。区画領域12は、複数のエンボス凹部11によって周囲を囲まれている。表面シート10は、区画領域12内に、エンボス凹部11よりも隆起している凸部13を有している。一つの区画領域12には一つの凸部13が位置している。表面シート10は凸部13が着用者の肌と対向するように吸収性物品100に配置されている。
エンボス凹部11は、表面シート10の一方の面側から、エンボス装置の凸部を加熱下に押圧する熱エンボス加工によって形成されている。そして凸部13は、熱エンボス加工された面側において隆起している。表面シート10の他方の面、すなわち熱エンボス加工が行われた面と反対側の面は、概ね平坦になっている。
図3には、表面シート10を構成する不織布に形成されたエンボス凹部11の要部を拡大して示す平面図である。図3においては、紙面の上下方向が、吸収性物品100の長手方向と一致しており、紙面の左右方向が、吸収性物品100の幅方向と一致している。同図に示すとおり、各エンボス凹部11は、長さ及び幅を有する縦長の形状を有している。各エンボス凹部11は、直線状の線分から構成されている。ここで言う線分とは、2つの端点間を結ぶ有限長の細長い図形のことである。なお幾何学上の線分は幅を有しないものであるが、本明細書に言う線分は幅を有するものである。また、幾何学上の線分は直線であるが、本発明に言う線分は直線に限らず、曲線も包含する。したがって本明細書においては、2つの端点を有する有限長の直線又は曲線の線状部分のことを、説明の便宜上「線分」と呼ぶこととがある。線状部分からなるエンボス凹部11は、その長さが幅に対して概ね2倍以上20倍以下、特に3倍以上10倍以下になっていることが好ましい。また、エンボス凹部11の長さは、吸収性物品100の具体的な用途によるが、一般に2mm以上20mm以下、特に3mm以上10mm以下であることが好ましい。エンボス凹部11の幅は、長さと幅との比が前記の範囲内であることが条件として、0.3mm以上2.0mm以下、特に0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましい。エンボス凹部11の幅は、図3では長手方向に沿って等しくなっているが、場合によっては長手方向に沿ってみたときにエンボス凹部11の幅が変化していてもよい。
エンボス凹部11はその複数個が間隔を置いて列状に連なった第1エンボス凹部列221、及び第2エンボス凹部列222を有している。第1エンボス凹部列221は、その複数条が互いに平行に一方向に向けて直線状に延びている。一方、第2エンボス凹部列222は、その複数条が互いに平行に一方向に向けて直線状に延びており、その延びる方向は第1エンボス凹部列221の延びる方向と異なっている。したがって第1エンボス凹部列221と第2エンボス凹部列222とは互いに交差する。また、第1エンボス凹部列221と第2エンボス凹部列222とは、吸収性物品の長手方向とも交差している。
第1エンボス凹部列221は複数の第1エンボス凹部21から構成されている。各第1エンボス凹部21は同形状をしている。一方、第2エンボス凹部列222は複数の第2エンボス凹部22から構成されている。各第2エンボス凹部22は同形状をしている。また、第1エンボス凹部21と第2エンボス凹部とも同形状をしている。第1エンボス凹部21及び第2エンボス凹部22はいずれも直線の線状部分からなる。したがって、エンボス凹部列221,222を構成するエンボス凹部21,22はすべて直線の線状部分からなっている。また、直線の線状部分からなるエンボス凹部21,22の長さはすべて等しくなっている。
第1エンボス凹部列221を構成する各エンボス凹部21を仮想的に連ねて形成される第1仮想連続線L1を考えたとき、第1仮想連続線L1は直線となる。同様に、第2エンボス凹部列222を構成する各エンボス凹部22を仮想的に連ねて形成される第2仮想連続線L2を考えたとき、第2仮想連続線L2も直線となる。そして第1仮想連続線L1と第2仮想連続線L2とは、菱形格子状に交差するように延びている。したがって、各エンボス凹部21,22によって区画された区画領域12は菱形の形状のものとなる。この菱形の形状の区画領域の中央域、すなわち菱形の2本の対角線の交点及びその近傍の領域は、凸部13の頂部に相当する。
第1エンボス凹部列221を構成する各エンボス凹部21においては、第1仮想連続線L1の延びる方向に沿って見たときに、隣り合うエンボス凹部21どうしが所定距離を隔てている。第2エンボス凹部列222についても同様であり、各エンボス凹部22においては、第2仮想連続線L2の延びる方向に沿って見たときに、隣り合うエンボス凹部22どうしが所定距離を隔てている。具体的には、図4(a)に示すとおり、第1エンボス凹部列221で考えた場合、第1仮想連続線L1の延びる方向に沿って見たときに、隣り合うエンボス凹部21どうしが距離A1を隔てている。このときの第1エンボス凹部21の長さをB1とすると、B1/A1の値は1以上であることが好ましい。こうすることで、第1エンボス凹部21の明瞭性が向上することを本発明者は初めて見出した。図示していないが第2エンボス凹部列222に関しても同様であり、隣り合うエンボス凹部22どうしの距離をA2とし、このときの第2エンボス凹部22の長さをB2とすると、B2/A2の値は1以上であることが好ましい。なお、第1エンボス凹部列221における距離A1と、第2エンボス凹部列22における距離A2とは等しくてもよく、あるいは異なっていてもよいが、規則的にエンボス凹部21,22を配置する観点からは、A1とA2とは等しいことが好ましい。A1及びA2は互いに独立に0.5mm以上、特に1.0mm以上であることが好ましく、5.0mm以下、特に3.0mm以下であることが好ましい。
本実施形態においては、複数本の第1凹部列221の第1仮想連続線L1と、複数本の第2凹部列222の第2仮想連続線L2が交差することによって、菱形の区画領域が形成されている。この菱形の4つの頂点は、図3に示すとおり第1及び第2仮想連続線L1,L2の仮想交点K1〜K4の位置と一致する。これら4つの仮想交点K1〜K4に着目すると、それらのうち、仮想交点K1及びK3については、第1及び第2エンボス凹部列221,222のうち、第1エンボス凹部列221を構成する第1エンボス凹部21のみが配置されている。そして、これらの仮想交点K1及びK3の位置には第2エンボス凹部列222を構成する第2エンボス凹部22が非存在となっている。一方、仮想交点K2及びK4については、第1及び第2エンボス凹部列221,222のうち、第2エンボス凹部列222を構成する第2エンボス凹部22のみが配置されている。そして、これらの仮想交点K2及びK4の位置には第1エンボス凹部列221を構成する第1エンボス凹部21が非存在となっている。このように、互いに異なる方向に延びる2本の仮想連続線L1,L2の仮想交点K〜K4には、第1及び第2エンボス凹部列221,222のうち、一方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部のみが配置されており、該仮想交点K〜K4には他方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部が非存在となっている。各エンボス凹部21,22がこのように配置されていることによって、本実施形態によれば、仮想交点K1〜K4において、異なる方向に延びる2種類のエンボス凹部21,22が重畳して形成されていないので、排泄された液が、仮想交点K1〜K4に溜まりづらくなる。また、排泄された液が、エンボス凹部21,22に沿って流れづらくなる。その上、仮想交点K1〜K4には必ず一方のエンボス凹部が存在しているので、熱伸長繊維の伸長による起立を阻害することができる。そのことに起因して、仮想交点K1〜K4の近傍に位置するエンボス凹部が隠蔽されにくくなり、エンボス凹部の明瞭性を維持することができる。
図5(a)ないし(c)には、エンボス凹部の別の形態が示されている。図5(a)に示す実施形態は、図3に示す実施形態と同様に、交差する2本のエンボス凹部列221,222が直線状に延びている。またエンボス凹部列を構成するエンボス凹部がすべて直線の線状部分からなり、かつ直線の線状部分からなるエンボス凹部の長さがすべて等しくなっている。本実施形態が図3に示す実施形態と異なる点は、仮想交点K1〜K4におけるエンボス凹部の位置である。図3に示す実施形態では、一方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部における長手方向の略中央部が、仮想交点K1〜K4に位置している。これに対して図5(a)に示す実施形態では、一方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部における長手方向の端部、すなわち直線の線状部分の2つの端点のうちの一方の端点が、仮想交点K1〜K4に位置している。
図5(b)に示す実施形態では、交差する2本のエンボス凹部列221,222が直線状に延びている。またエンボス凹部列を構成するエンボス凹部がすべて直線の線状部分からなる。そしてエンボス凹部は、長さの異なる2種類以上の直線の線状部分から構成されている。詳細には、第1エンボス凹部列221は、相対的に直線の線状部分の長さが長い長線分第1エンボス凹部21aと、相対的に直線の線状部分の長さが短い短線分第1エンボス凹部21bとから構成されている。長線分第1エンボス凹部21aと短線分第1エンボス凹部21bとは交互に配置されている。一方、第2エンボス凹部列222は、相対的に直線の線状部分の長さが長い長線分第2エンボス凹部22aと、相対的に直線の線状部分の長さが短い短線分第2エンボス凹部22bとから構成されている。長線分第2エンボス凹部22aと短線分第2エンボス凹部22bとは交互に配置されている。仮想交点K1〜K4には、短線分第1エンボス凹部21b及び短線分第2エンボス凹部22bが配置されている。仮想交点K1〜K4は、短線分第1エンボス凹部21b及び短線分第2エンボス凹部22bにおける長手方向の略中央部に位置している。本実施形態においては、第1エンボス凹部列221に関し、図4(b)に示すとおり、隣り合う長線分第1エンボス凹部21aと短線分第1エンボス凹部21bとの間の距離をAとし、短い方の直線の線状部分である短線分第1エンボス凹部21bの長さをBとしたとき、B/Aの値が1以上であることが好ましい。第2エンボス凹部列222に関しても同様である。
図5(c)に示す実施形態では、交差する2本のエンボス凹部列221,222が直線状に延びている。各エンボス凹部列221,222は、直線の線状部分からなるエンボス凹部と、ドット状のエンボス凹部とからなる。詳細には、第1エンボス凹部列221は、直線の線状部分からなる第1エンボス凹部21cと、ドットからなる第1エンボス凹部21dとから構成されている。第1エンボス凹部21cと第1エンボス凹部21dとは交互に配置されている。一方、第2エンボス凹部列222は、直線の線状部分からなる第2エンボス凹部22cと、ドットからなる第2エンボス凹部22dとから構成されている。第2エンボス凹部22cと第2エンボス凹部22dとは交互に配置されている。図5(c)から明らかなとおり、ドット状のエンボス凹部は、第1エンボス部列221,と第2エンボス部列222とで共有されている。つまり、第1エンボス凹部21dは、第2エンボス凹部22dであり、その逆も然りである。仮想交点K1〜K4には、ドット状のエンボス凹部である第1エンボス凹部21d及び第2エンボス凹部22dが配置されている。本実施形態においては、第1エンボス凹部列221に関し、図4(c)に示すとおり、隣り合う第1エンボス凹部21cと第1エンボス凹部21dとの間の距離をAとし、小さい方のエンボス凹部である第1エンボス凹部21dの長さ(直径)をBとしたとき、B/Aの値が1以上であることが好ましい。第2エンボス凹部列222に関しても同様である。
図6に示す実施形態は、これまで説明してきた実施形態と異なり、2本のエンボス凹部列221,222がいずれも正弦波状に延びている。そして複数箇所に2本のエンボス凹部列221,222の仮想連続線の仮想交点を有している。各エンボス凹部列221,222を構成するエンボス凹部21,22はいずれも同じ長さになっている。ここで言う長さとは、エンボス凹部21,22の曲線形状に沿った長さのことであり、曲線の線状部分からなるエンボス凹部21,22における2つの端点間の直線距離のことではない。また、第1エンボス凹部列221においては、仮想連続線に沿って隣り合うエンボス凹部21間の距離はいずれの位置でも同じになっている。第2エンボス凹部列222についても同様である。
図6に示す実施形態では、2つのエンボス凹部列221,222の仮想連続線の仮想交点Kには、第2エンボス凹部列222を構成する第2エンボス凹部22のみが位置しているが、これに代えて、仮想交点Kの位置に応じて、そこに位置するエンボス凹部として、第1エンボス凹部21及び第2エンボス凹部22のいずれかを任意に選択してもよい。また、仮想交点Kに位置する第2エンボス凹部22は、仮想連続線の延びる方向に沿った長さの略中央部に仮想交点Kを有しているが、これに代えて、先に述べた図5(a)に示すとおり、エンボス凹部の端部に仮想交点Kを有していてもよい。また、エンボス凹部列221を構成するエンボス凹部21はすべて曲線の線状部分から構成されている。これに代えて、図5(c)に示すとおり、エンボス凹部列221を、曲線の線状部分からなるエンボス凹部と、ドット状のエンボス凹部とから構成してもよい。また、曲線の線状部分からなるエンボス凹部21の長さはすべて等しくなっている。これに代えて、図5(b)に示すとおり、エンボス凹部列221を、長さの異なる2種類以上の曲線の線状部分からなるエンボス凹部から構成することもできる。
図7(a)及び(b)に示す実施形態では、各区画領域12が、複数のエンボス凹部11が間隔を置いて列状に連なったエンボス凹部列111と、不連続箇所を有さない、連続したエンボス連続線112とが交差することで画成されている。1本のエンボス凹部列111を構成する複数のエンボス凹部11は直線又は曲線の線状部分からなる。そして、エンボス凹部列111を構成する各エンボス凹部11を仮想的に連ねて形成される仮想連続線を考えたとき、エンボス凹部列111の仮想連続線とエンボス連続線112との仮想交点Kには、エンボス連続線112のみが配置されている。そして仮想交点Kにはエンボス凹部列111を構成するエンボス凹部11が非存在となっている。
図7(a)に示す実施形態では、交差するエンボス凹部列111とエンボス連続線112とがいずれも直線状に延びている。図7(b)に示す実施形態では、エンボス凹部列111とエンボス連続線112とがいずれも正弦波状に延びており、複数箇所にエンボス凹部列111の仮想連続線とエンボス連続線112との仮想交点を有している。図7(a)及び(b)に示す実施形態のいずれにおいても、エンボス凹部列111を構成するエンボス凹部11はすべて線状部分から構成されている。これに代えて、図5(c)に示すとおり、エンボス凹部列111を、線状部分からなるエンボス凹部と、ドット状のエンボス凹部とから構成してもよい。また、線状部分からなるエンボス凹部11の長さはすべて等しくなっている。これに代えて、図5(b)に示すとおり、エンボス凹部列111を、長さの異なる2種類以上の線状部分からなるエンボス凹部から構成することもできる。
以上の図5ないし図7に示す実施形態の表面シートも、図3に示す実施形態と同様に、液戻り量が少なく、液の拡がりを抑制し、かつエンボス凹部の明瞭性が高く外観の印象が良好なものとなる。
エンボス凹部の明瞭性を一層高くする観点から、表面シート10の下側に位置し、かつ表面シート10と接しているシートを着色することが有利である。例えば図1(a)に示す実施形態におけるサブレイヤーシート104や、図1(b)に示す実施形態における被覆シート102を着色層とすることができる。表面シート10の下側に、該表面シート10に接する着色層を設けることで、エンボス凹部と非エンボス部との外観の差が大きくなり、エンボス凹部を明瞭に視認できるようになる。この理由は、エンボス凹部は、熱エンボス加工によって熱可塑性樹脂がフィルム化又はそれに近い状態になっていて、そのことに起因して非エンボス部に比べて光透過率が高いからである。光透過率が高いと、その部位の下側に位置する着色層は、非エンボス部よりもよく透けて見えるようになる。
着色層の着色は、濃いほどエンボス凹部の明瞭性が上がる点から好ましい。その一方で、吸収性物品100の表面シート10側が汚れたように見える場合があり、そのことに起因して使用者に不快感を与えることがある。この観点から本発明者が検討した結果、着色層の色を薄い青にすることで、使用者に不快感を与えず、かつエンボス凹部の明瞭性が良好になることを知見した。具体的には、着色層は、CIELABのL*値が50以上、特に60以上であることが好ましく、80以下、特に75以下であることが好ましい。またb*値に関しては、10以下、特に0以下であることが好ましく、−30以上、特に−20以上であることが更に好ましい。a*値に関しては特に制限はない。L*値及びb*値は、日本電色工業株式会社の簡易型分光色差計NF333によって測定することができる。
サブレイヤーシート104や被覆シート102を上述した色に着色するためには、例えばサブレイヤーシート104のように液透過性の不織布からなるシートである場合には、着色剤を樹脂に添加し練り込んで着色した繊維を原料にして不織布を製造すればよい。被覆シート102のように親水性繊維を含む薄葉紙からなる場合には、着色染料を抄紙時に添加し親水性繊維を着色して着色紙を抄紙すればよい。印刷法を用いれば、不織布であるか、薄葉紙であるかを問わず色を付けることができる。
表面シート10は、その構成繊維として、熱伸長性繊維を含んでいる。熱伸長性繊維は、熱融着性繊維であることが好ましい。熱伸長性繊維としての熱融着性繊維は、熱融着成分と該熱融着成分より融点の高い高融点成分よりなる複合繊維であることが好ましい。より好ましくは、熱融着成分を鞘とし、高融点成分を芯とする芯鞘型複合繊維が用いられる。熱融着成分及び高融点成分は熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱融着成分としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、又はこれらのランダム若しくはブロック共重合体等が挙げられる。高融点成分としては、例えば、ポリエチレンテレフテレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン−6やナイロン−66などのポリアミド等が挙げられる。熱融着成分と高融点成分の好ましい組み合わせとしては、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンとポリプロピレン、低融点のポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンとポリブチレンテレフタレート等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。芯鞘型複合繊維は、同芯タイプの他、偏芯タイプのもの、更には繊維の全周の一部に芯成分が露出しているもの等であってもよい。
熱伸長性繊維が熱伸長性複合繊維である場合、該繊維は、高融点樹脂からなる第1樹脂成分と、該第1樹脂成分の融点より低い融点を有する低融点樹脂からなる第2樹脂成分とを含み、該第2樹脂成分が繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続して存在しているものであることが好ましい。熱伸長性複合繊維は、加熱によってその長さが伸びる繊維であり、好ましくは90℃以上、更に好ましくは110℃〜140℃の熱の付与で伸長する繊維である。表面シート10の製造時に、熱伸長性複合繊維を伸長させることによって、起伏の大きい凹凸を表面シート10に形成することができる。したがって、表面シート10として完成した後においては、その多くが伸長した状態となっている。場合によっては、追加の熱の付与によって更に伸長可能なこともある。以下の説明において、熱伸長性繊維というときには、文脈に応じて伸長前の熱伸長性繊維を意味する場合と、伸長した状態の熱伸長性繊維を意味する場合とがある。
熱伸長性複合繊維としては、例えば加熱により樹脂の結晶状態が変化して伸びたり、あるいは捲縮加工が施された繊維であって捲縮が解除されて見かけの長さが伸びたりする繊維が挙げられる。熱伸長性複合繊維としては、熱融着成分の軟化点より10℃高く、更に融点より10℃低い温度での伸長率が5〜40、特に10〜30%であることが、繊維並列起立部や凹凸形状を顕著に形成させる点から好ましい。熱伸長性複合繊維の好ましい例は、特開2005−350836号公報の段落〔0024〕〜〔0040〕に記載されている。
前記の熱伸長性複合繊維の伸長率は、次の方法で測定される。セイコーインスツルメンツ(株)製の熱機械的分析装置TMA/SS6000を用いる。試料としては、繊維長さが10mm以上の繊維を繊維長さ10mmあたりの合計重量が0.5mgとなるように複数本採取したものを用意し、その複数本の繊維を平行に並べた後、チャック間距離10mmで装着し、測定開始温度を25℃とし、0.73mN/dtexの一定荷重を負荷した状態で5℃/minの昇温速度で昇温させる。その際の繊維の伸び量を測定し、第2樹脂成分の融点より10℃高い温度、融点を持たない樹脂の場合は軟化点より10℃高い温度での伸び量Xmmを読み取る。そして(X/10)×100[%]から伸長率を算出する。
上述した各実施形態の表面シート10の好ましい製造方法を、熱伸長性複合繊維を用いた場合を例に図8を参照しながら説明する。先ず、所定のウエブ形成手段(図示せず)を用いて表面シート10の原反となるウエブ20を作製する。ウエブ20は、熱伸長性複合繊維を含むものであるか、又は熱伸長性複合繊維からなるものである。ウエブ形成手段としては、例えば(a)カード機を用いて短繊維を開繊するカード法、(b)溶融紡糸された連続フィラメントを直接エアサッカーで牽引してネット上に堆積させる方法(スパンボンド法)、(c)短繊維を空気流に搬送させてネット上に堆積させる方法(エアレイ法)などの公知の方法を用いることができる。
そして、ウエブ20をヒートエンボス装置51に導入する。そして、ヒートエンボス装置51内で、ウエブ20にヒートエンボス加工が施される。ヒートエンボス装置51は、一対のロール52,53を備えている。ロール52は周面が平滑となっている平滑ロールである。一方、ロール53は、その周面に、上述した各種のエンボス凹部11に対応する凸部が形成されている彫刻ロールである。各ロール52,53は所定温度に加熱可能になっている。
ヒートエンボス加工は、ウエブ20中の熱伸長性複合繊維の熱融着成分が溶融する温度で行われる。ヒートエンボス加工の加工温度は、ウエブ20中の熱伸長性複合繊維における熱融着成分の融点以上でかつ高融点成分の融点未満の温度で行われることが好ましい。また熱伸長性繊維の伸長開始温度未満の温度で行われることが好ましい。
ヒートエンボス加工によって、エンボス凹部11を有する不織布54が得られる。次いで、その不織布54は、熱風吹き付け装置55に搬送される。熱風吹き付け装置55においては不織布54にエアスルー加工が施される。熱風吹き付け装置55は、所定温度に加熱された熱風が不織布54を貫通するように構成されている。エアスルー加工は、不織布54中の熱伸長性複合繊維が加熱によって伸長する温度で行われる。かつ不織布54におけるエンボス凹部11以外の部分に存するフリーな状態の熱伸長性複合繊維どうしの交点が熱融着する温度で行われる。尤も、かかる温度は熱伸長性複合繊維の高融点成分の融点未満の温度で行うことが好ましい。
このようなエアスルー加工によって、不織布54に含まれる熱伸長性複合繊維が、エンボス凹部11以外の部分において伸長する。熱伸長性複合繊維はその一部がエンボス凹部11によって固定されているので、伸長するのはエンボス凹部11間の部分である。熱伸長性複合繊維はその一部がエンボス凹部11によって固定されていることによって、伸長した熱伸長性複合繊維の伸び分は、不織布54の平面方向への行き場を失い、エアスルー加工時の熱風吹き付け側の熱伸長性複合繊維は、該不織布54の厚み方向へ移動する。つまり熱伸長性複合繊維が起立する。その結果、エンボス凹部11に囲まれた区画領域12の略中央部に頂部を有する凸部13が形成される。また、エアスルー加工によってエンボス凹部11間に存する熱伸長性複合繊維どうしの交点が熱融着によって接合され、凸部13には、繊維接合点が三次元的に分散した状態で形成される。このようにして目的とする表面シート10が得られる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記の実施形態に制限されない。例えば本発明は従来公知の各種の吸収性物品、例えば生理用ナプキン、パンティライナ、失禁パッド及び使い捨ておむつ等にも適用できる。
また、前記実施形態における表面シートは単層の不織布から構成されていたが、これに代えて2層以上の複数層の不織布又はウエブの積層体から表面シートを構成してもよい。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品の表面シート及び吸収性物品を開示する。
<1>
熱伸長性繊維を含む不織布からなり、該不織布はエンボス凹部で区画された複数の区画領域を有し、該区画領域内に該エンボス凹部よりも隆起している凸部を有する吸収性物品の表面シートであって、
各区画領域は、複数のエンボス凹部が間隔を置いて列状に連なった複数本のエンボス凹部列が交差することで画成されており、
1本のエンボス凹部列を構成する複数のエンボス凹部のうち、少なくとも一部のエンボス凹部は、2つの端点を有する有限長の直線又は曲線の線状部分からなり、
エンボス凹部列を構成する各エンボス凹部を仮想的に連ねて形成される仮想連続線を考えたとき、該エンボス凹部列は、仮想連続線が一方向に延びる第1エンボス凹部列と、該一方向と異なる方向に仮想連続線が延びる第2エンボス凹部列とを有し、
第1及び第2エンボス凹部列の仮想連続線の仮想交点には、第1及び第2エンボス凹部列のうち、一方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部のみが配置されており、該仮想交点には他方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部が非存在となっている、吸収性物品の表面シート。
<2>
第1エンボス凹部列は複数の第1エンボス凹部から構成されており、各第1エンボス凹部は同形状をしており、
第2エンボス凹部列は複数の第2エンボス凹部から構成されており、各第2エンボス凹部は同形状をしている前記<1>に記載の吸収性物品の表面シート。
<3>
第1エンボス凹部と第2エンボスとが同形状をしている前記<2>に記載の吸収性物品の表面シート。
<4>
第1エンボス凹部及び第2エンボス凹部は直線の前記線状部分からなり、
第1及び第2エンボス凹部列を構成する第1及び第2エンボス凹部はすべて前記線状部分からなっており、
前記線状部分からなる第1及び第2エンボス凹部の長さはすべて等しくなっている前記<2>又は<3>に記載の吸収性物品の表面シート。
<5>
第1エンボス凹部列を構成する各第1エンボス凹部においては、第1仮想連続線の延びる方向に沿って見たときに、隣り合うエンボス凹部どうしが所定距離を隔てており、
第2エンボス凹部列を構成する各第2エンボス凹部においては、第2仮想連続線の延びる方向に沿って見たときに、隣り合うエンボス凹部どうしが所定距離を隔てている前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<6>
隣り合う第1エンボス凹部どうしが距離A1を隔てており、
第1エンボス凹部の長さをB1とすると、B1/A1の値が1以上である前記<5>に記載の吸収性物品の表面シート。
<7>
隣り合う第1エンボス凹部どうしが距離A1を隔てており、
隣り合う第2エンボス凹部どうしが距離A2を隔てており、
A1及びA2は互いに独立に0.5mm以上、特に1.0mm以上であることが好ましく、5.0mm以下、特に3.0mm以下であることが好ましい前記<5>又は<6>に記載の吸収性物品の表面シート。
<8>
一方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部における長手方向の略中央部が、仮想交点に位置している前記<1>ないし<7>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<9>
一方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部における長手方向の端部である前記線状部分の2つの端点のうちの一方の端点が、仮想交点に位置している前記<1>ないし<7>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<10>
交差する2本のエンボス凹部列が直線状に延びている前記<1>ないし<9>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<11>
エンボス凹部で区画された複数の区画領域を有し、該区画領域内に該エンボス凹部よりも隆起している凸部を有し、熱伸長性繊維を含む吸収性物品の表面シートであって、
各区画領域は、複数のエンボス凹部が間隔を置いて列状に連なったエンボス凹部列と、不連続箇所を有さない、連続したエンボス連続線とが交差することで画成されており、
1本のエンボス凹部列を構成する複数のエンボス凹部のうち、少なくとも一部のエンボス凹部は、2つの端点を有する有限長の直線又は曲線の線状部分からなり、
エンボス凹部列を構成する各エンボス凹部を仮想的に連ねて形成される仮想連続線を考えたとき、該エンボス凹部列の仮想連続線とエンボス連続線との仮想交点には、エンボス連続線のみが配置されており、該仮想交点にはエンボス凹部列を構成するエンボス凹部が非存在となっている、吸収性物品の表面シート。
<12>
交差するエンボス凹部列とエンボス連続線が直線状に延びている前記<11>に記載の吸収性物品の表面シート。
<13>
エンボス凹部列を構成するエンボス凹部がすべて前記線状部分からなる前記<1>ないし<12>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<14>
前記線状部分からなるエンボス凹部は、その長さが幅に対して概ね2倍以上20倍以下、特に3倍以上10倍以下になっている前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<15>
エンボス凹部の長さが、2mm以上20mm以下、特に3mm以上10mm以下である前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<16>
エンボス凹部の幅が、0.3mm以上2.0mm以下、特に0.5mm以上1.5mm以下である前記<1>ないし<15>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<17>
前記線状部分からなるエンボス凹部の長さがすべて等しくなっている<1>ないし<16>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<18>
エンボス凹部列を構成するエンボス凹部がすべて前記線状部分からなり、
エンボス凹部は、長さの異なる2種類以上の前記線状部分から構成されている前記<1>ないし<16>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<19>
エンボス凹部列が、相対的に直線の前記線状部分の長さが長い長線分第1エンボス凹部と、相対的に直線の前記線状部分の長さが短い短線分第1エンボス凹部とから構成されており、
長線分第1エンボス凹部と短線分第1エンボス凹部とは交互に配置されており、
隣り合う長線分第1エンボス凹部と短線分第1エンボス凹部との間の距離をAとし、短線分第1エンボス凹部21bの長さをBとしたとき、B/Aの値が1以上である前記<18>に記載の吸収性物品の表面シート。
<20>
交差する2本のエンボス凹部列が直線状に延びており、
エンボス凹部列は、前記線状部分からなるエンボス凹部と、ドット状のエンボス凹部とからなる前記<1>ないし<19>のいずれか1に記載の吸収性物品の表面シート。
<21>
仮想交点に、ドット状のエンボス凹部が配置されている前記<20>に記載の吸収性物品の表面シート。
<22>
前記線状部分からなるエンボス凹部とドット状のエンボス凹部との間の距離をAとし、ドット状のエンボス凹部の長さ(直径)をBとしたとき、B/Aの値が1以上である前記<20>又は<21>に記載の吸収性物品の表面シート。
<23>
第1及び第2エンボス凹部列がいずれも正弦波状に延びている前記<1>又は<11>に記載の吸収性物品の表面シート。
<24>
前記<1>ないし<23>のいずれか一項に記載の表面シートを着用者の肌と対向する面側に有し、該表面シートは前記凸部が着用者の肌と対向するように配置されている吸収性物品。
<25>
表面シートにおける吸収性コアとの対向面側に、該表面シートと接するように着色層が配置されている前記<24>に記載の吸収性物品。
<26>
着色層は、CIELABのL*値が50以上であり、b*値が10以下である前記<25>に記載の吸収性物品。
<27>
着色層は、CIELABのL*値が50以上、特に60以上であることが好ましく、80以下、特に75以下であることが好ましい前記<25>又は<26>に記載の吸収性物品。
<28>
着色層は、CIELABのb*値が10以下、特に0以下であることが好ましく、−30以上、特に−20以上であることが好ましい前記<25>ないし<27>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<29>
着色層が、液透過性の不織布からなる前記<25>ないし<28>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<30>
着色層が、親水性繊維を含む薄葉紙からなる前記<25>ないし<29>のいずれか1に記載の吸収性物品。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
熱伸長性繊維として、繊度が4dtex、伸長率が8%の芯鞘型複合繊維(芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレン)を用いた。この芯鞘型複合繊維をカード機に通してウエブを形成した。このウエブの坪量は25g/mであった。このウエブを図8に示すヒートエンボス装置51に導入し、以下の表1に示すパターン(図3に示すパターン)でエンボス凹部が形成された不織布を得た。エンボス凹部の形状は、直線の線状部分からなるエンボス凹部の長さBが3.0mm、幅が0.6mmであり、隣り合うエンボス凹部の間隔Aが1.0mmであった。第1エンボス部列と第2エンボス部列との交差角度は30度であった。この不織布を熱風吹き付け装置55に搬送し、136℃の熱風を吹き付けるエアスルー加工を施して表面シートを得た。
得られた表面シートを用いて図1に示す構造の生理用ナプキンを製造した。同図におけるサブレイヤーシート104としては、ポリエステル/ポリエチレン複合繊維からなる坪量25g/mのエアスルー不織布を用いた。このエアスルー不織布を界面活性剤によって親水化して液透過性とした。不織布のL*値及びb*値を上述の方法で測定した結果を表1に示す。
〔実施例2及び3〕
サブレイヤーシート104を着色したエアスルー不織布とした。このエアスルー不織布は、着色材とバインダーを水に分散させた液をスプレーで不織布に吹き付けることによって着色の程度を表1のとおりとした。これ以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例4〕
表面シートのエンボスパターンとして、図5(b)に示すパターンを採用した。長線分第1及び第2エンボス凹部の長さは3.0mmであり、幅は0.6mmであった。短線分第1及び第2エンボス凹部の長さBは1.5mmであり、幅は0.6mmであった。隣り合う長線分エンボス凹部と短線分エンボス凹部との間の距離Aは1.0mmであった。第1エンボス部列と第2エンボス部列との交差角度は30度であった。これ以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例5〕
表面シートのエンボスパターンとして、図5(c)に示すパターンを採用した。直線の線状部分からなるエンボス凹部の長さは3.0mmであり、幅は0.6mmであった。ドットからなるエンボス凹部の直径Bは1.0mmであった。隣り合う直線の線状部分からなるエンボス凹部とドットからなるエンボス凹部との間の距離Aは1.0mmであった。第1エンボス部列と第2エンボス部列との交差角度は30度であった。これ以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔実施例6〕
表面シートのエンボスパターンとして、図7(a)に示すパターンを採用した。直線の線状部分からなるエンボス凹部の長さは4.0mmであり、幅は0.6mmであった。不連続箇所を有さない、連続したエンボス凹部の幅は0.6mmであった。隣り合う直線の線状部分からなるエンボス凹部の間隔は2.0mmであった。第1エンボス部列と第2エンボス連続線との交差角度は30度であった。これ以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔比較例1〕
表面シートのエンボスパターンとして、表1に示すパターンを採用した。エンボス凹部の幅は1.0mmであった。エンボス部の交差角度は30度であった。これ以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔比較例2〕
表面シートのエンボスパターンとして、表1に示すパターンを採用した。エンボス凹部の形状は、菱形格子における一方の対角線の長さが10mm、他方の対角線の長さが7mmであった。菱形の各頂点から半径2mmの範囲の円内にはエンボス凹部を形成しなかった。エンボス凹部の幅は0.6mmであった。これ以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを製造した。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた生理用ナプキンについて、表面シート側から見たエンボス凹部の明瞭性及び色の不快感の少なさを以下の方法で評価した。また、液残り量及び液の拡がり面積を以下の方法で評価した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔エンボス凹部の明瞭性及び色の不快感の少なさ〕
5名のパネラーに生理用ナプキンの表面シートを目視観察させ、エンボス凹部の明瞭性を判断させた。またこれとは別に色の不快感の少なさを判断させた。良好であると判断した場合を3ポイント、やや良好であると判断した場合を2ポイント、悪いと判断した場合を1ポイントとして、各ナプキンにポイントをつけさせた。このポイントを平均し、その平均値に基づき以下の評価基準で評点を付した。
〔評価基準〕
3.0 : 評点 5
2.5以上3.0未満: 評点 4
2.0以上2.5未満: 評点 3
1.5以上2.0未満: 評点 2
1.0以上1.5未満: 評点 1
〔液残り量〕
花王株式会社の市販の生理用ナプキン(商品名「ロリエSpeed+スリムガード」2013年製)から、表面シートのみを取り除いてナプキン吸収体を得た。これとは別に、測定対象の不織布をMD120mm×CD60mmに切断し、切断片を作製した。この切断片を、前記のナプキン吸収体における前記表面シートが存していた箇所(ナプキン吸収体の肌当接面上)に、図1における不織布10の裏面が該ナプキン吸収体と対向するように接着剤で接合固定した。また、サブレイヤーに着色したものを用いるとき、該ナプキンのサブレイヤーを着色したものと交換して接合固定しておいた。これによって、測定対象の不織布を表面シートとして用いた生理用ナプキンを得た。次に、得られた生理用ナプキンの表面上に、直径10mmの円筒状の透過孔を有するアクリル板を重ねて、該ナプキンに100Paの一定荷重を加えた。斯かる荷重下において、該アクリル板の透過孔から脱繊維馬血3.0gを流し込んだ。前記馬血を流し込んでから3分後に更に脱繊維馬血3.0gを流し込んだ。前記馬血を流し込んでから3分後に更に脱繊維馬血3.0gを流し込んだ。合計9.0gの馬血を流し込んでから60秒後にアクリル板を取り除いた。次いで、該不織布の重量(W2)を測定し、予め測定しておいた、馬血を流し込む前の不織布の重量(W1)との差(W2−W1)を算出した。以上の操作を3回行い、3回の平均値の小数点以下一桁目で四捨五入した値を液残り量(mg)とした。液残り量は、装着者の肌がどの程度濡れるのかの指標となるものであり、液残り量が少ないほど高評価となる。この液残り量に基づき以下の評価基準で評点を付した。
〔評価基準〕
135mg以下 : 評点 5
135mg超140mg以下: 評点 4
140mg超145mg以下: 評点 3
145mg超150mg以下: 評点 2
150mg超 : 評点 1
〔液の拡がり面積〕
花王株式会社の市販の生理用ナプキン(商品名「ロリエSpeed+スリムガード」2013年製)から、表面シートのみを取り除いてナプキン吸収体を得た。これとは別に、測定対象の不織布をMD120mm×CD60mmに切断し、切断片を作製した。この切断片を、前記のナプキン吸収体における前記表面シートが存していた箇所(ナプキン吸収体の肌当接面上)に、図1における不織布10の裏面が該ナプキン吸収体と対向するように接着剤で接合固定した。また、サブレイヤーに着色したものを用いるときには、該ナプキンのサブレイヤーを着色したものと交換して接合固定しておいた。これによって、測定対象の不織布を表面シートとして用いた生理用ナプキンを得た。次に、得られた生理用ナプキンの表面上に、直径10mmの円筒状の透過孔を有するアクリル板を重ねて、該ナプキンに100Paの一定荷重を加えた。斯かる荷重下において、該アクリル板の透過孔から脱繊維馬血3.0gを流し込んだ。前記馬血を流し込んでから120秒後に更に脱繊維馬血3.0gを流し込んだ。合計6.0gの馬血を流し込んでから60秒後にアクリル板を取り除いた。次いで、表面シートをナプキンから速やかに剥がし、表面シート上での液の拡がり面積を測定した。その具体的には、表面シートの上に透明シートをのせて、液拡がりの形状を写し取り、その面積を測定した。面積の測定は、種々の方法が可能であるが、本実施例では、画像解析装置にて面積測定を行った。以上の操作を3回行い、3回の平均値の小数点以下一桁目で四捨五入した値を液拡がり面積(cm)とした。この液拡がり面積に基づき以下の評価基準で評点を付した。
〔評価基準〕
10cm以下 : 評点 5
10超cm12cm以下 : 評点 4
12超cm14cm以下 : 評点 3
14超cm16cm以下 : 評点 2
16超cm : 評点 1
Figure 0006231868
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例のナプキンは、液残り量が少なく、しかも液の拡がり面積が小さいことが分かる。また、実施例1、2、4、5、6では、エンボス凹部の明瞭性及び色の不快感の少なさに優れていることが分かる。また、これに対して比較例1のナプキンでは、エンボス凹部の明瞭性は良好であるものの、エンボス凹部が連続線からなり、それらが重畳するように交差しているので、液残り量が多くなり、しかも液の拡がり面積が大きくなってしまった。比較例2のナプキンでは、液残り量は少ないものの、液の拡がり面積が大きくなってしまった。またエンボス凹部の明瞭性に欠けるものであった。
特に、エンボス凹部の明瞭性及び色の不快感の少なさに関しては、各実施例においては、下層に着色層が配置されていないとエンボス凹部の明瞭性が低くなる。また、着色層の色が濃すぎる実施例3は不快感が高くなってしまう。着色層のCIELABのL*値が50以上であり、b*値が10以下である実施例2は、エンボス凹部の明瞭性の高さと不快感の少ないことを実現している。一方、比較例2は非閉鎖型パターンのため、厚みが少なかったり、仮想交点の繊維が浮いていたりして、エンボス凹部の明瞭性が低くなり、実施例に比べて好ましくない結果になっている。
液残り量に関しては、各実施例ではエンボスがしっかりとしているので、その結果、液残り量が少なくなっている。一方、比較例1では閉鎖型パターンのため、液が残りやすくなっていて好ましくない結果になってしまった。比較例2は非閉鎖型パターンのため、厚みが少なかったり、仮想交点の繊維が浮いていたりして、液の引き込みが悪いため、実施例に比べて好ましくない結果になってしまった。
液の拡がり面積に関しては、各実施例は、厚みが十分あり、エンボスパターンもしっかりとしているので、液戻り量が少なく、液拡がりが抑制された結果となっている。それに比べて、比較例1は閉鎖型パターンのため、液が残りやすくなっており、液の引き込み性が悪くなり、やや好ましくない結果となっている。比較例2は、エンボス部周囲が浮いたり、厚みが少なかったり、断面で見たときに、エンボス部周りの繊維がエンボスにかぶさったりしているために、液の引き込み性が悪くなり、やや好ましくない結果となってしまった。
10 表面シート
11 エンボス凹部
12 区画領域
13 凸部
21 第1エンボス凹部
22 第2エンボス凹部
100 吸収性物品
101 吸収性コア
102 被覆シート
103 吸収体
104 サブレイヤーシート
221 第1エンボス凹部列
222 第2エンボス凹部列

Claims (10)

  1. 熱伸長性繊維を含む不織布からなり、該不織布はエンボス凹部で区画された複数の区画領域を有し、該区画領域内に該エンボス凹部よりも隆起している凸部を有する吸収性物品の表面シートを着用者の肌と対向する面側に有する吸収性物品であって、
    前記表面シートにおいては、各区画領域は、複数のエンボス凹部が間隔を置いて列状に連なった複数本のエンボス凹部列が交差することで画成されており、
    1本のエンボス凹部列を構成する複数のエンボス凹部のうち、少なくとも一部のエンボス凹部は、2つの端点を有する有限長の直線又は曲線の線状部分からなり、
    エンボス凹部列を構成する各エンボス凹部を仮想的に連ねて形成される仮想連続線を考えたとき、該エンボス凹部列は、仮想連続線が一方向に延びる第1エンボス凹部列と、該一方向と異なる方向に仮想連続線が延びる第2エンボス凹部列とを有し、
    第1及び第2エンボス凹部列の仮想連続線の仮想交点には、第1及び第2エンボス凹部列のうち、一方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部のみが配置されており、該仮想交点には他方のエンボス凹部列を構成するエンボス凹部が非存在となっており、
    前記表面シートは前記凸部が着用者の肌と対向するように配置されており、
    前記表面シートにおける吸収性コアとの対向面側に、該表面シートと接するように着色層が配置されており、
    前記着色層は、CIELABのL*値が50以上であり、b*値が10以下である吸収性物品
  2. エンボス凹部で区画された複数の区画領域を有し、該区画領域内に該エンボス凹部よりも隆起している凸部を有し、熱伸長性繊維を含む吸収性物品の表面シートであって、
    各区画領域は、複数のエンボス凹部が間隔を置いて列状に連なったエンボス凹部列と、不連続箇所を有さない、連続したエンボス連続線とが交差することで画成されており、
    1本のエンボス凹部列を構成する複数のエンボス凹部のうち、少なくとも一部のエンボス凹部は、2つの端点を有する有限長の直線又は曲線の線状部分からなり、
    エンボス凹部列を構成する各エンボス凹部を仮想的に連ねて形成される仮想連続線を考えたとき、該エンボス凹部列の仮想連続線とエンボス連続線との仮想交点には、エンボス連続線のみが配置されており、該仮想交点にはエンボス凹部列を構成するエンボス凹部が非存在となっている、吸収性物品の表面シート。
  3. 交差する2本のエンボス凹部列が直線状に延びている請求項1に記載の吸収性物品。
  4. 交差するエンボス凹部列とエンボス連続線が直線状に延びている請求項2に記載の吸収性物品の表面シート。
  5. エンボス凹部列を構成するエンボス凹部がすべて前記線状部分からなる請求項2又は4に記載の吸収性物品の表面シート。
  6. 前記線状部分からなるエンボス凹部の長さがすべて等しくなっている請求項5に記載の吸収性物品の表面シート。
  7. 請求項2、4、5又は6に記載の表面シートを着用者の肌と対向する面側に有し、該表面シートは前記凸部が着用者の肌と対向するように配置されている吸収性物品。
  8. 表面シートにおける吸収性コアとの対向面側に、該表面シートと接するように着色層が配置されている請求項7に記載の吸収性物品。
  9. 着色層は、CIELABのL*値が50以上であり、b*値が10以下である請求項8に記載の吸収性物品。
  10. 着色層が、液透過性の不織布からなる請求項8又は9に記載の吸収性物品。
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