JP4807834B2 - 発泡性ポリ乳酸樹脂粒子、ポリ乳酸発泡粒子、及びポリ乳酸発泡粒子成形体 - Google Patents

発泡性ポリ乳酸樹脂粒子、ポリ乳酸発泡粒子、及びポリ乳酸発泡粒子成形体 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性ポリ乳酸樹脂粒子、ポリ乳酸発泡粒子、及びポリ乳酸発泡粒子成形体に関する。更に詳しくは、外観および発泡粒子同士の融着性に優れるポリ乳酸発泡粒子成形体、該ポリ乳酸発泡粒子成形体の製造に好適に供されるポリ乳酸発泡粒子、該ポリ乳酸発泡粒子製造に好適に供される発泡性ポリ乳酸樹脂粒子に関する。
従来、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の汎用樹脂からなる発泡体は、軽量性、断熱性、緩衝性に優れていることから、多分野にわたって使用されてきた。一方、近年地球環境に対する意識が高まっており、石油資源の枯渇などの環境問題がクローズアップされる中、従来の石油資源を原料とする上記の汎用樹脂に変わって、植物由来のポリ乳酸樹脂が注目されている。該ポリ乳酸樹脂は、とうもろこし等の植物を出発原料として作られ、使用後自然環境下に放置されることがあっても二酸化炭素と水にまで分解されてしまう環境低負荷型の熱可塑性樹脂である。かかるポリ乳酸樹脂は、今後汎用性が高まることが予想される。従って、ポリ乳酸樹脂は、自然環境下での分解性を示す環境に優しい植物由来の発泡用汎用樹脂として用いられることが期待されており、ポリ乳酸樹脂を原料とする発泡体の研究が行なわれ、その一つとして発泡粒子成形体の開発が行なわれている。
ポリ乳酸からなる発泡粒子成形体に関する先行技術としては、特開2002−20525号公報(特許文献1)がある。
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、用いるポリ乳酸系樹脂の結晶性が高いため、発泡粒子を型内成形する際に141〜161℃の高温のスチームを用いなければならないことから、高圧に耐えうる特殊な成形機が必要であるという問題があった。しかも、型内成形に必要なスチームの供給量も多大なるものであった。さらに発泡粒子を成形する際に高温のスチームを用いることから、結晶性が高いとはいえ、結晶化していない部分がスチームで加熱分解してしまい、得られた型内発泡成形体は収縮し、その表面に凹凸が発生してしまうものであった。
特開2002−20525号公報
本発明は、発泡粒子同士の融着性に優れ、外観、機械的物性に優れるポリ乳酸発泡粒子成形体、その製造に用いられる融着性に優れ、成形容易な、微細気泡のポリ乳酸発泡粒子、及び該発泡粒子を容易に製造可能な発泡性ポリ乳酸樹脂粒子を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下に示す発泡性ポリ乳酸樹脂粒子、ポリ乳酸発泡粒子、及びポリ乳酸発泡粒子成形体が提供される。
〔1〕 乳酸成分単位を50モル%以上含むポリ乳酸を基材樹脂とする樹脂粒子であって、ポリオレフィンワックスの配合量が前記基材樹脂100重量部に対して0.0001〜1重量部、発泡剤の含有量が1〜30重量%であり、該ポリオレフィンワックスがポリエチレンワックスであることを特徴とする発泡性ポリ乳酸樹脂粒子。
〔2〕 該ポリオレフィンワックスの融点が80〜125℃であることを特徴とする前記〔1〕に記載の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子。
〔3〕 該ポリオレフィンワックスの結晶化度が70%以上であることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子。
〔4〕 該ポリオレフィンワックスの数平均分子量が500〜6000であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子。
〔5〕 該ポリオレフィンワックスの分子量分布指数が1.0〜3.0であることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子。
〕 乳酸成分単位を50モル%以上含むポリ乳酸を基材樹脂とする発泡粒子であって、前記基材樹脂中にポリオレフィンワックスを含有し、該ポリオレフィンワックスがポリエチレンワックスであり、発泡粒子全体の平均気泡径が10〜500μmであることを特徴とするポリ乳酸発泡粒子。
〕 該ポリ乳酸発泡粒子断面において、発泡粒子表層部の平均気泡径が発泡粒子全体の平均気泡径よりも大きいことを特徴とする前記〔〕に記載のポリ乳酸発泡粒子。
〕 前記〔6〕または〔7〕に記載のポリ乳酸発泡粒子を型内成形して得られることを特徴とするポリ乳酸発泡粒子成形体。
本発明の請求項1に係わる発明の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子は、基材樹脂にポリエチレンワックスが特定量配合されているので、加熱発泡させることにより、微細な気泡のポリ乳酸発泡粒子を容易に安定して得ることができるものである。
本発明の請求項2に係わる発明の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子は、特定のポリエチレンワックスが配合されているので、加熱発泡させることにより、微細な気泡のポリ乳酸発泡粒子を容易に安定して得ることができるものである。
本発明の請求項3、4に係わる発明の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子は、特定の結晶化度や数平均分子量を有するポリエチレンワックスが配合されているので、加熱発泡時の発泡性に特に優れるものである。
本発明の請求項5に係わる発明の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子は、特定の分子量分布指数を有するポリエチレンワックスが配合されているので、加熱発泡時の発泡性、及び微細気泡形成効果に特に優れるものである。
本発明の請求項に係わる発明のポリ乳酸発泡粒子は、ポリエチレンワックスを含有し、特定の平均気泡径を有するので、型内成形時の発泡粒子相互の融着性に優れ、外観、寸法安定性、機械的物性に優れる発泡粒子成形体を成形できるものである。
本発明の請求項に係わる発明のポリ乳酸発泡粒子は、発泡粒子表層部の平均気泡径が発泡粒子全体の平均気泡径よりも大きいので、型内成形時の発泡粒子相互の融着性において特に優れるものである。
本発明の請求項に係わる発明のポリ乳酸発泡粒子成形体は、前記ポリ乳酸発泡粒子を成形することにより得られたものであり、発泡粒子相互の融着性に優れ、外観、寸法安定性、機械的物性に優れるものである。
以下、本発明の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子、ポリ乳酸発泡粒子、及びポリ乳酸発泡粒子成形体について詳細に説明する。
本発明の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子(以下、単に発泡性樹脂粒子ともいう。)は、乳酸成分単位を50モル%以上含むポリ乳酸を基材樹脂とする発泡性樹脂粒子である。
前記ポリ乳酸には、例えば、(1)乳酸の重合体、(2)乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、(3)乳酸と脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸とのコポリマー、(4)乳酸と脂肪族多価カルボン酸とのコポリマー、(5)乳酸と脂肪族多価アルコールとのコポリマー、(6)前記(1)〜(5)の何れかの組み合わせによる混合物が包含される。
尚、前記(1)の重合で用いられる乳酸の具体例としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの環状2量体であるL−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、又はそれらの混合物が挙げられる。また、前記(2)の他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシへプタン酸等が挙げられる。また、前記(3)の脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット等が挙げられる。また、前記(4)の脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
また、本発明における上記ポリ乳酸としては、結晶性のもの、非晶性のもの、或いは結晶性と非晶性のものとの混合物が使用できるが、得られるポリ乳酸発泡粒子の型内成形性の観点から、結晶性と非晶性のものとの混合物が好ましく、更に、両者の混合重量比(結晶性ポリ乳酸:非晶性ポリ乳酸)は、10:90〜70:30であることが好ましく、15:85〜60:40であることがより好ましい。
本発明における結晶性ポリ乳酸とは、熱流束示差走査熱量測定にて2J/gを超える明確な吸熱ピークが現れるものである。尚、該結晶性ポリ乳酸の吸熱量は通常20〜65J/gである。また、本明細書において非晶性ポリ乳酸とは、熱流束示差走査熱量測定によって、2J/g以下の吸熱ピークが現れるもの、或いは明確な吸熱ピークが現れないものである。
尚、上記熱流束示差走査熱量測定は、以下に示す試験片の状態調節およびDSC曲線の測定条件を除き、JIS K7122−1987に基づくものである。
(試験片の状態調節およびDSC曲線の測定条件)
試験片をDSC装置の容器に入れ、200℃まで加熱溶融させ、その温度に10分間保った後、110℃まで2℃/分の冷却速度にて冷却し、その温度に120分間保った後、40℃まで2℃/分の冷却速度にて冷却する熱処理後、再度、2℃/分の加熱速度にて吸熱ピーク終了時より約30℃高い温度まで加熱溶融させる際にDSC曲線を得る。尚、ポリ乳酸の吸熱量は、該DSC曲線の吸熱ピークの低温側のベースラインから吸熱ピークが離れる点を点aとし、吸熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点bとして、点aと点bとを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から求められる値とする。また、ベースラインはできるだけ直線になるように装置を調節することとし、どうしてもベースラインが湾曲してしまう場合は、吸熱ピークの低温側の湾曲したベースラインをその曲線の湾曲状態を維持して高温側へ延長する作図により明らかになる、該湾曲した低温側のベースラインから吸熱ピークが離れる点を点a、吸熱ピークの高温側の湾曲したベースラインをその曲線の湾曲状態を維持して低温側へ延長する作図により明らかになる、該湾曲した高温側ベースラインへ吸熱ピークが戻る点を点bとする。
なお、上記吸熱量の測定において、試験片の前記熱処理条件を採用する理由は、ポリ乳酸試験片の結晶化を極力進ませて、完全に結晶化した状態、或いは、それに近い状態に調整されたものとするためである。更に、DSC曲線の測定条件として2℃/分の加熱速度を採用する理由は、上記吸熱量の測定において発熱ピークが現れる場合、発熱ピークと吸熱ピークとをなるべく分離し、正確な吸熱量を熱流束示差走査熱量測定にて求める際に、2℃/分の加熱速度が好適であるという発明者の知見に基づく。
また、本発明の発泡性樹脂粒子を構成する基材樹脂には、本発明の目的、効果を阻害しない範囲において他の樹脂を混合することができる。但し、ポリ乳酸と他の樹脂との混合樹脂中にはポリ乳酸が50重量%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%以上含まれる。
ポリ乳酸と混合できる他の樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられ、中でも脂肪族エステル成分単位を少なくとも35モル%含む生分解性脂肪族ポリエステル系樹脂が好ましい。この場合の脂肪族ポリエステル系樹脂には、上記ポリ乳酸以外のヒドロキシ酸重縮合物、ポリカプロラクトン等のラクトンの開環重合物、及びポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネートアジペート等の脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸との重縮合物、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)等の脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸と芳香族多価カルボン酸との重縮合物等が挙げられる。
上記ポリ乳酸の製造方法の具体例としては、例えば、乳酸、又は乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合する方法(例えば、米国特許第5310865号に示されている製造方法)、乳酸の環状二量体(ラクチド)を原料として、重合する開環重合法(例えば、米国特許2758987号に開示されている製造方法)、乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状2量体、例えば、ラクチドやグリコリドとε−カプロラクトンを原料として、重合する開環重合法(例えば、米国特許4057537号に開示されている製造方法)、乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合する方法(例えば、米国特許第5428126号に開示されている製造方法)、脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸とのポリマーと、乳酸重合体とを原料として、有機溶媒存在下にて縮合する方法(例えば、欧州特許公報第0712880 A2号に開示されている製造方法)、乳酸を原料として、脱水重縮合反応を行うことによりポリエステル重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で、固相重合を行う方法、等を挙げることができるが、ポリ乳酸の製造方法は、特に限定されない。また、少量のグリセリンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂肪族多塩基酸、多糖類等のような多価アルコール類を共存させて共重合体としても良い。
なお、本発明の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子、ポリ乳酸発泡粒子、及びポリ乳酸発泡粒子成形体を構成しているポリ乳酸は、ポリイソシアネート、有機過酸化物などによる架橋処理を行ったものではない、無架橋ポリ乳酸であることが、生産性などの面で好ましい。
本発明の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子においては、前記基材樹脂にポリオレフィンワックスが配合され、その配合量は基材樹脂100重量部に対して0.0001〜1重量部であり、好ましくは0.001〜0.5重量部、さらに好ましくは0.03〜0.3重量部である。
前記ポリオレフィンワックスは、発泡性樹脂粒子を発泡させて得られるポリ乳酸発泡粒子の気泡径を微細にする効果を有する。ポリオレフィンワックスの配合量が0.0001重量部未満では、配合量が少なすぎて、所望の気泡径に調整することが困難になる虞がある。一方、ポリオレフィンワックスの配合量が1重量部超では、配合量が多すぎて、配合量に見合った気泡調整の効果を得られない虞がある。
本発明で用いられるポリオレフィンワックスとしては、数平均分子量が10000以下のポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体などのエチレンとα−オレフィンの共重合体やプロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−オクテン共重合体などのプロピレンとα−オレフィンの共重合体が挙げられる。これらの中では、ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体等のポリエチレンワックスが、特に優れた前記微細気泡形成効果が得られる点から好ましい。また、本発明においては2種類以上のポリオレフィンワックスを混合して用いても良い。
なお、本発明においては、ポリエチレンワックスが選択される。
該ポリオレフィンワックスの数平均分子量は、500〜6000であることが好ましく、より好ましくは1000〜4000、更に好ましくは1500〜3000である。数平均分子量が上記範囲内であることにより発泡性が特に優れる発泡性樹脂粒子が得られる。
また、該ポリオレフィンワックスの分子量分布指数(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.0〜3.0であることが好ましく、更に好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.0〜1.5である。分子量分布指数が上記範囲内であることにより微細気泡形成効果、及び発泡性が特に優れる発泡性樹脂粒子が得られる。
本明細書において、ポリオレフィンワックスの数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。具体的には、次のように測定する。
GPCのカラム温度を135℃に設定し、移動相としてo−ジクロロベンゼンを1.0ml/分の流速でカラムに流し、検出器には示差屈折計を用いる。
測定試料のポリオレフィンワックスをo−ジクロロベンゼンに140℃で溶解させ、濃度0.1重量%の溶液を調製し、該溶液をGPCに注入する。
得られた溶出曲線を標準ポリスチレンから得られた3次近似式で較正しポリオレフィンワックスの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を求める。また、得られたMwをMnで除して、分子量分布指数を求める。
本発明に用いるポリオレフィンワックスの融点は、ポリオレフィンワックスが配合された発泡性樹脂粒子の発泡性、及び微細気泡形成効果の面から、80〜125℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。
本明細書において、ポリオレフィンワックスの融点は、熱流束示差走査熱量(DSC)測定により得られるDSC曲線より求められる。
具体的には、1〜2mgのポリオレフィンワックスをDSC装置のサンプル容器に入れて−30℃まで冷却し、その温度に10分間保った後、160℃まで10℃/分の昇温速度にて加熱し、DSC曲線を得る。DSC曲線の吸熱ピークのピーク温度をポリオレフィンワックスの融点とする。尚、DSC曲線上に複数の吸熱ピークが現れる場合には、最も吸熱量の大きい吸熱ピークのピーク温度をポリオレフィンワックスの融点とする。
本発明に用いるポリオレフィンワックスの結晶化度は、70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。なお、ポリオレフィンワックスの結晶化度の上限は、100%である。結晶化度が上記範囲内であることにより、発泡性が特に優れる発泡性樹脂粒子が得られる。
本明細書において、ポリオレフィンワックスの結晶化度は熱流束示差走査熱量(DSC)測定により得られたDSC曲線より求められる。
具体的には、1〜2mgのポリオレフィンワックスをDSC装置のサンプル容器に入れ、−30℃まで冷却し、その温度に10分間保った後、160℃まで10℃/分の昇温速度にて加熱し、DSC曲線を得る。該DSC曲線において低温側のベースラインから吸熱ピークが離れる点を点aとし、吸熱ピークが高温側のベースラインへ戻る点を点bとして、点aと点bとを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から融解熱量ΔHm(J/g)を求め、完全結晶ポリオレフィンワックスの融解熱量ΔH°(J/g)に対する比率として下記(1)式により結晶化度を求める。完全結晶ポリオレフィンワックスの融解熱量ΔH°(J/g)は、文献値(高分子学会編「高分子データハンドブック・基礎編」培風館(1986)など)を利用することができる。なお、本発明においては、ポリオレフィンワックスがポリエチレンの場合にはΔH°の値として292J/g、ポリオレフィンワックスがポリプロピレンの場合にはΔH°の値として165J/gを用いた。
結晶化度(%)=ΔHm(J/g)/ΔH°(J/g)×100・・・(1)
ΔHm:ポリオレフィンワックスの融解熱量(J/g)
ΔH°:完全結晶ポリオレフィンワックスの融解熱量(J/g)
本発明の発泡性樹脂粒子には、例えば,黒,灰色,茶色,青色,緑色等の着色剤を添加して着色してもよい。着色した基材樹脂より得られた着色発泡性樹脂粒子を用いれば、着色された発泡粒子及び成形体を得ることができる。該着色剤としては、有機系、無機系の顔料及び染料が挙げられる。このような、顔料及び染料としては、従来公知のものを用いることができる。
また発泡性樹脂粒子には、難燃剤、帯電防止剤、耐候剤、増粘剤、タルクや炭酸カルシウムなどの無機フィラー等の添加剤を本発明の目的、効果が達成できる範囲内で添加しても良い。
本発明の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子には発泡剤が含有されており、該発泡剤の含有量は1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。発泡剤の含有量が少なすぎる場合は、十分に樹脂粒子を発泡させられない虞がある。一方、含有量が多すぎる場合は、得られた発泡粒子の型内成形時の膨張性や融着性が不十分となる虞がある。これは、発泡性樹脂粒子を発泡させてポリ乳酸発泡粒子を製造する際などに、ポリ乳酸樹脂の結晶化が進行し易くなるためと考えられる。
本発明で用いられる発泡剤としては、従来公知のもの、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、シクロブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン、イソヘキサン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、クロロフロロメタン、トリフロロメタン、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1−クロロ−1,1−ジフロロエタン、1,1−ジフロロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン等の有機系物理発泡剤や、窒素、二酸化炭素、アルゴン、空気等の無機系物理発泡剤が挙げられるが、なかでもオゾン層の破壊がなく且つ安価な無機系物理発泡剤が好ましく、具体的には、窒素、空気、二酸化炭素が好ましい。更に、発泡剤の使用量に対して、より小さな見掛け密度の発泡粒子が得られる点から二酸化炭素が好ましい。また、二酸化炭素とイソブタンのように、二種以上の発泡剤を組み合わせて使用することもできる。
前記発泡剤として二酸化炭素を使用する場合、その含有量は、好ましくは2.5〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは5〜15重量%である。含有量が少なすぎる場合は、十分に発泡性樹脂粒子を発泡させられない虞があり、一方、含有量が多すぎる場合は、得られた発泡粒子の型内成形時の膨張性や融着性が不十分となる虞がある。
本発明の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子を製造するには、以下に示す製造方法が好適に採用される。
まず、ポリ乳酸からなる前記基材樹脂を用いて樹脂粒子を作成する。具体的には、基材樹脂及び所定量のポリオレフィンワックスを押出機に投入して、該樹脂が十分溶融する温度以上に加熱して溶融混練した後、細孔が形成されたダイよりストランド状に押し出し、直ちに該ストランド状の押出物を水中に導入し冷却した後、適当な長さに切断する、又はストランドを適宜長さに切断後または切断と同時に冷却することによって、樹脂粒子を作成する。あるいは基材樹脂を押出機に投入して、該樹脂が十分溶融する温度以上に加熱して溶融混練した後、細孔が形成されたダイより水中に押し出し、該押出物を水中でカッターにより切断することによっても、樹脂粒子を得ることができる。あるいは基材樹脂を押出機に投入して、該樹脂が十分溶融する温度以上に加熱して溶融混練した後、板状または塊状に押し出し、該押出物を冷却プレス等により冷却した後、該冷却樹脂を破砕したり、格子状に破断したりすることによっても、樹脂粒子を得ることができる。
基材樹脂から得られる樹脂粒子の1個当りの平均重量は、0.05〜10mg、好ましくは0.1〜4mgにするのがよい。該粒子平均重量が前記範囲より小さくなると、その樹脂粒子の製造が困難になる。一方、該粒子平均重量が前記範囲より大きくなると、発泡剤の均一な含浸が難しくなり、得られる発泡粒子の中心部の密度が大きくなる虞がある。また該樹脂粒子の形状は特に制約されず、柱状の他、球形状、棒状等の各種の形状にすることができる。
尚、基材樹脂を上記の通り押出機で溶融混練しストランド状等に押し出すに際し、基材樹脂を予め乾燥させておくことが好ましい。多量の水分を保有した樹脂を押出機に投入すると、樹脂粒子中に、それを発泡させたときに発泡粒子の気泡の均一性に悪影響を及ぼす気泡が混入する虞や、押出機で溶融混練する場合に基材樹脂の分子量低下が起こり、樹脂粘度が極端に低下する虞がある。
このような気泡の混入や樹脂の劣化を抑制するために、ベント口付き押出機を使用して、真空吸引して基材樹脂から水分を除去する方法も採用できる。
また、押出温度は基材樹脂の分子量低下が起きないように樹脂温度が200℃を超えない条件とすることが好ましい。
このようにして得られた樹脂粒子に発泡剤を含有させることにより、本発明の発泡性樹脂粒子を得ることができる。発泡性樹脂粒子の粒子径は通常、約0.1〜7mmであり、約0.2〜5mmが好ましく、更に約0.4〜3mmが好ましい。
樹脂粒子に二酸化炭素等の物理発泡剤を含有させる方法としては、例えば、樹脂粒子が入れられている密閉容器内に物理発泡剤を圧入し、容器内が、通常、0.49〜9.8MPa(G)の圧力範囲になるように調整することにより実施される。この場合の樹脂粒子に二酸化炭素を含有させる方法としては、密閉容器内で樹脂粒子に物理発泡剤を気相にて含浸させて発泡性樹脂粒子を得る方法や、密閉容器内において物理発泡剤の存在下で樹脂粒子を分散媒に分散させるとともに、その内容物を温度調整しつつ撹拌して、その粒子内に物理発泡剤を液相にて含浸させる方法等が挙げられる。前記した中でも樹脂粒子を分散媒に分散させ、物理発泡剤を液相にて含浸させる方法が均一な気泡形状の発泡粒子が得られる観点から好ましい。
発泡剤の含浸温度は、好ましくは5〜60℃、更に好ましくは5〜40℃である。特に、発泡剤に二酸化炭素を使用する場合の含浸温度は、二酸化炭素の含有量を(X重量%)とすると、(−2.5X+55)℃以下の温度であることが更に好ましい。該含浸温度が高すぎると、特に結晶性の高いポリ乳酸系樹脂では極度な結晶化の進行により発泡倍率の向上が期待できなくなる可能性がある。また、得られた発泡粒子を型内成形する際に、発泡粒子の膨張性、発泡粒子相互の融着性が低下する虞や、高温のスチームで成形しなければならなくなる虞があり、得られる発泡粒子成形体においても、表面平滑性に劣るものとなる虞がある。
尚、該含浸温度は、密閉容器内に分散媒を使用せず、樹脂粒子を入れて物理発泡剤を含浸させる場合では、樹脂粒子雰囲気の気体の温度であり、密閉容器内に分散媒と共に樹脂粒子を入れて二酸化炭素を含浸させる場合では、該分散媒の温度である。また、前記樹脂粒子への発泡剤含浸工程における発泡剤含浸時間は、通常、10分間〜24時間である。
本明細書において、発泡性樹脂粒子における物理発泡剤の含有量(重量%)は、次のように求められる。
先ず、物理発泡剤を含有している樹脂粒子(約10g)の重量w1(g)を秤量する。但し、物理発泡剤を含有している樹脂粒子の表面に水分が付着している場合には、該樹脂粒子(20〜30g)に乾燥エアを5分間吹きかけて表面の水分を除去した後、上記重量w1(g)を秤量する。次に物理発泡剤を含有している該樹脂粒子をデシケーターに入れ、23℃で1.5kPa以下に減圧して恒量に到達するまで(概ね48時間以上)保持して物理発泡剤を除去し、物理発泡剤を除去した樹脂粒子の重量w2(g)を秤量する。樹脂粒子の重量測定は0.0001gの位まで秤量する。物理発泡剤の除去前後の樹脂粒子の重量変化より、下記(2)式により、物理発泡剤の含有量を求める。
物理発泡剤の含有量(重量%)=(w1−w2)/w1×100・・・(2)
w1:物理発泡剤を含有している樹脂粒子の重量(g)
w2:物理発泡剤を除去した樹脂粒子の重量(g)
尚、得られた樹脂粒子、発泡性樹脂粒子は、高温、高湿条件下を避けて加水分解が進行しないような環境下で保存することが好ましい。
次に、本発明のポリ乳酸発泡粒子(以下、単に発泡粒子ともいう。)について説明する。
本発明の発泡粒子は、乳酸成分単位を50モル%以上含むポリ乳酸を基材樹脂とする。該ポリ乳酸としては、前記発泡性樹脂粒子を構成するポリ乳酸と同様のものが挙げられ、該ポリ乳酸からなる基材樹脂としては、前記発泡性樹脂粒子を構成するポリ乳酸と同様のものが挙げられる。
本発明の発泡粒子は、基材樹脂中にポリオレフィンワックスを含有する。該ポリオレフィンワックスとしては、前記発泡性樹脂粒子を構成するポリオレフィンワックスと同様のものが挙げられ、二次発泡性においてより優れたものとなることからポリエチレンワックスが選択される
本発明の発泡粒子は、前記基材樹脂を気泡壁とする多数の気泡を有している。該発泡粒子全体の平均気泡径は、10〜500μmであり、好ましくは20〜300μm、より好ましくは20〜200μmである。該平均気泡径が500μmを超えると、得られる発泡粒子成形体の機械的物性が低下する虞や、発泡粒子を型内成形する際に気泡膜が破泡しやすくなり、得られる成形品が収縮しやすくなる虞がある。平均気泡径が10μm未満では、型内成形時のスチーム加熱により成形品表面が溶融して表面凸凹が大きく外観において劣るものとなる虞がある。
尚、平均気泡径はポリオレフィンワックスの含有量、即ち、発泡粒子を得るために使用される樹脂粒子のポリオレフィンワックスの配合量により調整される。
発泡粒子中のポリオレフィンワックスの含有量は、基材樹脂100重量部に対して0.0001〜1重量部が好ましく、より好ましくは0.001〜0.5重量部、さらに好ましくは0.03〜0.3重量部である。該含有量は、発泡性樹脂粒子を得て、それを発泡せしめて発泡粒子を得るまでの熱履歴において、ポリオレフィンワックスが殆ど分解されることがないと考えられる為、発泡性樹脂粒子を得るために使用するポリオレフィンワックスの配合量により定まる。発泡粒子中のポリオレフィンワックスの含有量が上記範囲内であることにより、発泡粒子の二次発泡性や融着性の向上効果において特に優れたものとなる。
本発明の発泡粒子断面において、発泡粒子表層部の平均気泡径は前記発泡粒子全体の平均気泡径よりも大きいことが好ましい。ここで、発泡粒子全体とは発泡粒子断面の全体をいい、該発泡粒子全体は発泡粒子表層部(以下、単に表層部ともいう。)と発泡粒子内層部(以下、単に内層部ともいう。)とからなる。該発泡粒子表層部とは発泡粒子の表面から300μm内側までの範囲をいい、該発泡粒子内層部とは、発泡粒子全体から発泡粒子表層部を除いた内部の部分をいう。従って、表層部の平均気泡径が発泡粒子全体の平均気泡径よりも大きいことは、表層部の平均気泡径が内層部の平均気泡径より大きいことを意味する。
発泡粒子全体の平均気泡径が上記特定の値の本発明の発泡粒子において、発泡粒子表層部の平均気泡径が発泡粒子内層部の平均気泡径より大きい発泡粒子は、成形性に優れると共に機械的物性にも優れる。発泡粒子の成形性は表層部の平均気泡径の影響を大きく受ける。そして、該成形性向上の観点から表層部の平均気泡径は、発泡粒子全体の平均気泡径が上記特定の値の範囲内であるという条件下において、大きい方が良い。上記の観点から、表層部の平均気泡径は、30〜800μmが好ましく、50〜500μmがより好ましく、60〜300μmが更に好ましい。これに対し、発泡粒子を成形して得られる発泡粒子成形体の圧縮強度等の機械的物性は発泡粒子内層部の平均気泡径、それに起因する骨格構造の均一性、独立気率の影響を受けていると考えられる。そして、該機械的物性向上の観点から内層部の平均気泡径は、大きすぎない方が良い。上記の観点から、発泡粒子全体の平均気泡径10〜500μmの構成を満足できる範囲内で表層部の平均気泡径よりも小さな値であることが好ましい。該内層部の平均気泡径は、概ね10〜400μmが好ましく、20〜200μmが更に好ましく、30〜150μmが特に好ましい。
本明細書において、発泡粒子全体の平均気泡径は次のように測定される。
発泡粒子を略二分割し断面を走査型電子顕微鏡にて観察写真を撮影する。得られた観察写真において、発泡粒子断面の中心を通るように直線を引き、直線上に存在する全ての気泡の個数を求め、直線の長さを気泡数により除して気泡径を求める。この操作を10個以上の発泡粒子について行ない、得られた各発泡粒子の気泡径の算術平均値を発泡粒子全体の平均気泡径とする。尚、上記気泡数の測定において、直線と一部でも交わる気泡は気泡1個として数えることとする。
発泡粒子表層部の平均気泡径は、前記観察写真において、発泡粒子断面の中心を通るように直線を引き、直線上に存在し、且つ発泡粒子表面から300μm内側までの範囲に気泡全体が存在する気泡の個数を求め、更に直線上の該気泡に掛かっている線分の長さを求め、線分の長さを該気泡数により除して気泡径を求める。この操作を10個以上の発泡粒子について行ない、得られた各発泡粒子表層部の気泡径の算術平均値を発泡粒子表層部の平均気泡径とする。尚、上記表層部の気泡数の測定において、発泡粒子表面から300μm内側までの範囲に気泡全体が存在する気泡の個数が0の場合には、発泡粒子断面の中心を通る直線上の最も外側に存在する気泡を対象として、直線上の該気泡に掛かっている線分の長さを表層部の気泡径とし、この操作を10個以上の発泡粒子について行ない、得られた各発泡粒子表層部の気泡径の算術平均値を発泡粒子表層部の平均気泡径とする。
本発明の発泡粒子の嵩密度は、好ましくは10〜300kg/m、より好ましくは12〜200kg/m、更に好ましくは15〜100kg/mである。嵩密度が300kg/mを超える場合は、発泡粒子個々の見掛け密度のばらつきが大きくなり易く、型内にて加熱成形の際の発泡粒子の膨張性、融着性のばらつきに繋がり、得られる発泡粒子成形体の物性が低下する虞がある。一方、嵩密度が10kg/m未満の場合、発泡倍率が高いために、成形後の収縮率が大きくなる虞がある。
本明細書において、発泡粒子の嵩密度(kg/m)は次のように測定される。
1Lのメスシリンダーを用意し、発泡粒子をメスシリンダーの1Lの標線まで充填し、充填された発泡粒子の重量(g)を0.1gの位まで秤量する。得られた1Lあたりの発泡粒子の重量WP(g)より、下記(3)式より求める。また、発泡粒子の見掛け密度は、発泡粒子を水没させてその水位上昇分から発泡粒子の体積を求めて、水没させた発泡粒子の重量を該発泡粒子の体積にて除することにより求められる値である。
発泡粒子の嵩密度(kg/m
={WP(g)×0.001(kg/g)}/{1(L)×0.001(m/L)}
・・・(3)
本発明において、前記発泡性樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を製造する方法としては、発泡性樹脂粒子を加熱軟化させて発泡させる方法が採用できる。即ち、二酸化炭素等の発泡剤を含有している発泡性樹脂粒子を加熱することにより、発泡させる方法が採用される。発泡させるための加熱媒体としては、水蒸気、加熱温度調整した空気や窒素等が挙げられるが、好ましくは空気と水蒸気との混合ガスが用いられる。発泡性樹脂粒子を加熱し発泡させる方法としては、撹拌装置のついた容器内に発泡性樹脂粒子を投入し、加熱媒体を導入して発泡させる従来公知の発泡機を用いる方法が採用できる。
尚、得られた発泡粒子は高温、高湿条件下を避けて加水分解しないような条件下で保存することが好ましい。
上記の発泡性樹脂粒子を加熱する際の雰囲気温度、すなわち発泡温度は、通常、(ガラス転移温度−30℃)〜(ガラス転移温度+60℃)、好ましくは(ガラス転移温度−10℃)〜(ガラス転移温度+40℃)である。尚、該ガラス転移温度は樹脂粒子を構成しているポリ乳酸のガラス転移温度である。発泡温度が前記範囲より低いと、十分な発泡が起こり難く、また前記範囲より高いと発泡粒子の独立気泡率が低下してしまい良好な成形性を示す発泡粒子が得られ難い。本発明の発泡粒子の連続気泡率は30%以下が好ましく、20%以下が更に好ましく、10%以下が特に好ましい。連続気泡率の測定方法は、ASTM D2856−70 手順 Cによる。また、発泡粒子の粒子径は通常、約0.3〜20mmであり、約0.6〜12mmが好ましく、更に約1〜8mmが好ましい。
尚、本明細書においてガラス転移温度の測定はJIS K7121−1987により、熱流束示差走査熱量測定にて加熱速度10℃/分の条件で得られるDSC曲線の中間点ガラス転移温度として求められる値である。尚、ガラス転移温度を求めるための試験片はJIS K7121−1987の3.試験片の状態調節(3)記載の『一定の熱処理を行った後、ガラス転移温度を測定する場合』に基づいて状態調整を行ったものを試験片とする。
また、本発明の発泡性樹脂粒子、及び発泡粒子は、樹脂粒子の発泡性改善、発泡粒子の二次発泡性改善、発泡粒子の融着性改善、より低い温度での発泡粒子金型成形を目的として可塑剤を含有していることが好ましい。
上記可塑剤とは、発泡性樹脂粒子に含有させることによりポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度を低下させる機能を有するものをいう。具体的には、使用する可塑剤の種類と量にもよるが、ガラス転移温度を0.5〜20℃低下させるものが好ましく、1〜15℃低下させるものがより好ましい。
前記可塑剤としては、熱可塑性樹脂の可塑剤として用いられているものが挙げられ、ポリ乳酸との相溶性との観点から、グリセリン誘導体、エーテルエステル誘導体、グリコール酸誘導体、グリコールエステル誘導体、クエン酸誘導体、アジピン酸誘導体、ロジン誘導体、テトラヒドロフルフリルアルコール誘導体から選ばれた単一または複数の混合物が好ましく挙げられる。
前記グリセリン誘導体としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
該グリセリン脂肪酸エステルは、炭素数8〜16の飽和脂肪酸を有するジアセチルモノアシルグリセロールを75質量%以上含有するグリセリン脂肪酸エステルである。不飽和脂肪酸から構成される脂肪酸モノグリセライド、飽和脂肪酸から構成される脂肪酸ジグリセライドや脂肪酸トリグリセライドは、ポリ乳酸との相溶性に劣る為に本発明の効果が得られない虞れがある。好ましいグリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数8のカプリル酸、炭素数10のカプリン酸、炭素数12のラウリン酸、炭素数14のミリスチン酸、炭素数16のパルミチン酸から選ばれる少なくとも1種の飽和脂肪酸から構成される脂肪酸モノグリセライド及び/又はそのアセチル化物を75質量%以上含有するグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。さらに好ましく用いられるものとしては、ポリ乳酸への相溶性が特に良好な炭素数8〜12の飽和脂肪酸モノグリセライドのアセチル化物が挙げられ、例えば、グリセリンジアセトモノカブリレート、グリセリンジアセトモノカブレート、グリセリンジアセチルモノラウレート及びその類似のものが挙げられる。また、グリセリントリアセテート、グリセリントリブチレート、グリセリントリプロピオネート、及びその類似物も用いられる。これらの中でもグリセロールジアセトモノカプリレートが好ましく用いられ、具体的には、理研ビタミン(株)社製「商品名リケマールPL−019」が市販されている。
前記エーテルエステル誘導体としては、下記化学式(1)で示されるものが挙げられる。
R(OR’)nOOC−R”−COO(R’O)mR (1)
(1)式において、Rはアルキル基を示し、R’はアルキレン基を示し、R”はアルキレン基を含む2価の有機基を示し、m及びnは各々独立に1〜500を示す。
(1)式のRで表されるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルへキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル等の炭素数1〜20のものが挙げられる。
また、R’で表されるアルキレンとしては、例えばエチレン、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、1,4−ブチレン等の炭素数2〜8のものが挙げられる。
前記グリコール酸誘導体としては、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートの他、その類似のものが利用できる。
前記グリコールエステル誘導体としては、トリエチレングリコールジアセテートの他、その類似のものが利用できる。
前記クエン酸誘導体としては、アセチルクエン酸トリブチルの他、その類似のものが利用できる。
前記アジピン酸誘導体としては、ジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペートの他、その類似のものが挙げられる。
前記ロジン誘導体としては、下記化学式(2)で表される化合物が挙げられる。
Ro−COO−((CHR(CHR−O)((CHRl’(CHRm’−O)n’−R (2)
(式中、Roはロジン類残基、R、R、R、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アシル基、l、l’は0〜6の整数、m、m’は0〜6の整数(ただし、1≦l+m≦6、1≦l’+m’ ≦6)、n、n’は0〜7の整数(ただし、1≦n+n’ ≦7)を表す。)
具体的には、例えば、ジエチレングリコールロジンエステル、ジエチレングリコールロジンエステルアセテート、トリエチレングリコールロジンエステル、テトラエチレングリコールロジンエステル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルロジンエステル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルロジンエステルが挙げられる。
前記テトラヒドロフルフリルアルコール誘導体としては、下記化学式(3)で表される化合物が挙げられる。
Th−OOC−R (3)
(式中、Thはテトラヒドロフルフリルアルコール残基、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、少なくとも1つの水素が水酸基により置換されたアリール基、ロジン残基、一般式(4):−COOThまたは一般式(5):−X−(COOY)n(Xはアリール基、少なくとも1つの水素が水酸基により置換されたアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基または少なくとも1つの水素がアシル化水酸基に置換されていても良いアルキレン基もしくはアルケニレン基、Yはアルキル基またはテトラヒドロフルフリルアルコール残基、nは1〜4の整数を表す)で表される置換基を表す。)
具体的には、例えば、コハク酸ジテトラヒドロフルフリルアルコールエステル、アジピン酸ジテトラヒドロフルフリルアルコールエステル、セバシン酸ジテトラヒドロフルフリルアルコールエステル、ドデカン二酸ジテトラヒドロフルフリルアルコールエステル、フタル酸ジテトラヒドロフルフリルアルコールエステルが挙げられる。
前記可塑剤を発泡性樹脂粒子に含有させる方法は、以下に示す発泡性樹脂粒子作製工程1)〜4)のいずれかの工程で樹脂粒子に含有させればよい。
1)ポリ乳酸系樹脂と所望の添加剤を溶融混練して樹脂粒子を作製する樹脂粒子作製工程、2)樹脂粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程、3)発泡剤を含浸した樹脂粒子を発泡させる発泡工程、また、4)上記1)と2)を合わせたポリ乳酸系樹脂、所望の添加剤及び発泡剤を、押出機を用いて溶融混練して発泡剤を含浸した樹脂粒子を作製する発泡性樹脂粒子作製工程。
具体的には、例えば、前記1)の樹脂粒子作製工程において、ポリ乳酸系樹脂と可塑剤を溶融混練して樹脂粒子を作製する方法が挙げられる。
また前記2)の発泡剤含浸工程の中で、或いはその前やその後に可塑剤を樹脂粒子の少なくとも表層に含有させる方法が挙げられる。
また3)の発泡工程において、3(a)発泡性樹脂粒子を、発泡機を用いて加熱媒体にて加熱して発泡させる場合、例えば、可塑剤を樹脂粒子の表面に付着させるように霧状に吹付けると同時に或いは霧状に吹付けた後に加熱媒体を発泡機に注入して発泡させる方法や、可塑剤を添加した加熱媒体を発泡機に注入して発泡させながら、可塑剤を樹脂粒子の表面に吹き付ける方法が挙げられる。また、3(b)密閉容器を用いて水性媒体中で樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、発泡剤が含浸された樹脂粒子を低圧領域に水性媒体とともに放出し、発泡させる方法(分散媒放出発泡法)で樹脂粒子を発泡させる場合、水性媒体中に可塑剤を添加し、樹脂粒子の少なくとも表面に可塑剤を含有させる方法が挙げられる。
また4)の発泡工程において、ポリ乳酸系樹脂、発泡剤、可塑剤を添加したポリ乳酸系樹脂組成物を、押出機を用いて溶融混練して発泡剤を含浸した樹脂粒子を作製する方法が挙げられる。
上記可塑剤を含有させる工程の中では、3(b)により可塑剤を含有させることが好ましい。
具体的には、密閉容器内において発泡剤の存在下で樹脂粒子と共に可塑剤を水性媒体中分散媒に分散させ、水性媒体中を温度調整しつつ攪拌して、樹脂粒子内に発泡剤を含浸させ、同時に可塑剤を含浸させる。この方法によれば、発泡粒子の少なくとも表層に可塑剤を均一に含ませることができ、さらには均一な気泡形状の発泡粒子を得ることができる。
この方法の場合、該可塑剤は、発泡剤含浸工程で用いる水性媒体中に分散させることが容易なことから、液体が好ましい。
上記可塑剤の添加量は、可塑剤の種類や発泡粒子の型内成形時のスチーム圧力にもよるが概ね樹脂粒子100重量部に対し0.2〜3重量部が好ましい。0.2重量部未満では発泡する際の倍率向上に寄与し難くなる虞れがある。この観点から0.3重量部以上が好ましく、0.4重量部以上がより好ましい。一方、3重量部を超えると、得られる発泡粒子がべとつきだして埃が付着しやすくなったり、その発泡粒子から得られる型内発泡成形体の高温雰囲気下での圧縮強度が低下する虞れがある。この観点から2.5重量部以下が好ましく、2重量部以下がより好ましい。
本発明のポリ乳酸発泡粒子成形体(以下、単に発泡粒子成形体ともいう。)は、前述したポリ乳酸発泡粒子を型内成形することにより得られるものである。該発泡粒子成形体は、発泡粒子同士の融着性に優れると共に曲げ強度、圧縮強度等の機械的物性にも優れ、更に寸法安定性、表面平滑性においても優れるものである。
該発泡粒子成形体の形状は特に制約されず、その形状は、容器状、板状、筒状、柱状、シート状、ブロック状等の各種の形状が例示される。
該発泡粒子成形体の見掛け密度は、好ましくは15〜300kg/m、より好ましくは15〜200kg/mである。該見掛け密度が15kg/m未満の場合、発泡倍率が高すぎて用途によっては機械的物性が不足する虞がある。一方、300kg/m超の場合、発泡倍率が低すぎて、断熱性や軽量性等の発泡体固有の性質が不十分となる虞があり、高価格なものとなる虞もある。
本明細書において、発泡粒子成形体の見掛け密度は、発泡粒子成形体の外形寸法から求められる体積VM(L)にて発泡粒子成形体の重量WM(g)を除することにより下記(4)式により求める。
発泡粒子成形体の見掛け密度(kg/m
={WM(g)×0.001(kg/g)}/{VM(L)×0.001(m/L)}
・・・(4)
本発明の発泡粒子成形体においては、曲げ強さの見掛け密度比、すなわち、該発泡粒子成形体の見掛け密度(kg/m)に対する該発泡粒子成形体の曲げ強さ(MPa)の比が、7(kN・m/kg)以上であることが好ましく、さらに好ましくは9(kN・m/kg)以上、特に好ましくは10(kN・m/kg)以上である。該比が大きい発泡粒子成形体ほど発泡粒子相互の融着力が高く特に優れた機械的物性を示すものである。尚、該比の上限は、概ね30(kN・m/kg)である。
本明細書において、発泡粒子成形体の曲げ強さは、長さ300mm、幅75mm、高さ25mmで、長さ300mm、幅75mmの一方の面にスキンを有する試験片を用意して、JIS K7221−2:1999 附属書1に準拠して測定される最大の曲げ強さである。但し、曲げ強さの測定は、試験片のスキン面が下方となるようにして曲げ試験を行うこととする。
本発明の発泡粒子成形体型内成形においては、本発明の発泡粒子を型内に充填した後に、スチーム、熱風等の加熱媒体により該発泡粒子を加熱して融着させる成形方法により、発泡粒子成形体が得られる。該加熱媒体の温度は発泡粒子の表面が溶融する温度であればよいが、具体的には80〜130℃、更に90〜120℃であることが好ましい。この加熱成形により発泡粒子は相互に融着し、一体となった発泡粒子成形体が得られる。この場合の成形型としては慣用の金型や特開2000−15708号公報に記載の連続成形装置に使用されているスチールベルトが用いられる。

上記発泡粒子成形体を製造する場合、空気、窒素、二酸化炭素等の無機ガス、または、ブタン等の有機ガスが圧入された加圧状態の容器内にて発泡粒子を保持することにより、成形型内に充填する発泡粒子の内部圧力を予め高めておくことが好ましい。内部圧力が高められた発泡粒子を成形用発泡粒子として用いることにより、発泡粒子の成形時の発泡性、融着性や発泡粒子成形体の形状回復性が向上する。発泡粒子内の内部圧力は、好ましくは0.03〜0.3MPa、更に好ましくは0.05〜0.2MPaの範囲内で調整されることが好ましい。
尚、本明細書において、発泡粒子内の内部圧力は以下のように求められる。
成形型に充填される、内部圧力が高められた発泡粒子を約1L分取り出して60秒以内に相対湿度50%、23℃の大気圧下の恒温恒湿室に移動し、その恒温恒湿室内の秤に乗せ、該発泡粒子の重量を秤量する。このときの重量をW1(g)とする。次に該発泡粒子を相対湿度50%、23℃の大気圧下の恒温恒湿室内にて48時間放置する。上記48時間後の該発泡粒子の重量を恒温恒湿室内にて測定し、このときの重量をW2(g)とする。W1とW2を用いて下記(4)式により、発泡粒子内の内部圧力を求める。尚、W1及びW2のいずれの重量も0.01gまで読み取るものとする。
発泡粒子内の内部圧力(MPa)
={(W1−W2)×0.001}/(MW×0.001)×R×296
/{(W2×0.001)×(1/D)×0.6}×0.000001
・・・(4)
W1:内部圧力が高められた発泡粒子の重量(g)
W2:48時間放置後の発泡粒子の重量(g)
MW:内部圧力を高めるために使用したガスの分子量(g/mol)
D:発泡粒子の嵩密度(kg/m
R:気体定数 8.31J/K・mol
次に、本発明を実施例により更に詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定するものではない。
実施例1
結晶性ポリ乳酸(三井化学(株)製、商品名:レイシアH100)20重量部と非結晶性ポリ乳酸(三井化学(株)製、商品名:レイシアH280)80重量部、及び発泡核剤としてポリエチレンワックス(P−1:東洋ペトロライト(株)製、商品名:ポリワックス1000、数平均分子量2200、分子量分布指数1.2、融点110℃、結晶化度89%)0.01重量部をブレンドし、このブレンド物を押出機にて溶融混練した後、ストランド状に押出し、次いでこのストランドを約25℃の水中で急冷固化させた後に切断して、直径約1.2mm、長さ約1.4mm、1個当たりの平均重量が約2mgの円柱状の樹脂粒子を得た。
次に、3Lの内容積を有する撹拌装置の付いた密閉容器内に、脱イオン水900g、第三リン酸カルシウム0.9g、ドデシル硫酸ナトリウム0.02g、上記の樹脂粒子600gを該容器中へ投入した。密閉容器内の温度を30℃に保持した後、密閉容器内の圧力が3MPa(G)になるように二酸化炭素(CO)を圧入し、そのまま10分間保持した。二酸化炭素の圧入を停止し、そのまま3時間保持した後(3時間後の容器内の圧力は2.5MPa(G)になった)、大気圧に減圧し、発泡剤として二酸化炭素が含浸された発泡性樹脂粒子を取り出した。
取り出した発泡性樹脂粒子を水洗後、遠心分離機にて脱水し、直ちにエア混合したスチームにより約80℃に加温された撹拌装置つきの発泡機に投入した。発泡が停止するまで約1〜2分間加熱を続けた後、発泡粒子を発泡機から取り出した。
上記の発泡粒子を約1日室温で風乾後、密閉容器に上記発泡粒子を投入し、空気により密閉容器内を0.1MPa/hの速度で徐々に加圧した。密閉容器内の圧力が0.5MPa(G)に到達後、密閉容器内の圧力を0.2MPa(G)に減圧し、そのまま3時間以上保持した。
密閉容器より取り出した発泡粒子を用いて、直ちにEPS用成形機(ダイセン工業(株)製、商品名:VS500型成形機)で成形を行った。発泡粒子を金型(金型寸法:長さ300mm、幅75mm、高さ25mm)にクラッキング充填(クラッキング10mm)し、金型の300×75mmの面より0.02MPa(G)の圧力のスチームで15秒間加熱し、さらに反対側の300×75mmの面より0.02MPa(G)の圧力のスチームで15秒間加熱後、90秒間水冷し、さらに120秒間真空放冷後、金型より発泡粒子成形体を取り出した。
得られた発泡粒子成形体を40℃で12時間乾燥させた後、各種物性の評価を行った。
ポリエチレンワックスの数平均分子量,融点,結晶化度を表1に、得られた樹脂粒子の二酸化炭素含有量、発泡粒子の嵩密度、発泡粒子の内部圧力、発泡粒子成形体の見掛け密度、発泡粒子成形体の外観、発泡粒子成形体の曲げ強さ、発泡粒子成形体の曲げ強さの見掛け密度比を表2に示す。尚、本実施例におけるポリオレフィンワックスの数平均分子量、及び重量平均分子量の測定には、GPC装置として日本ウォーターズ社製、商品名:GPCV2000に、下記のカラムを4本直列に取り付けたものを使用し、下記の条件にて前述の方法に従って測定した。
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製:PLgel20μm MIXED−A、30cm
カラム温度:135℃
カラム注入量:0.5ml
実施例2〜14
表1に示すポリオレフィンワックスを用い、表2(実施例2〜5)、表3(実施例6〜10)、表4(実施例11〜14)に示すポリ乳酸の組成で発泡性樹脂粒子を製造した以外は、実施例1と同様に発泡粒子成形体を得た。得られた樹脂粒子の二酸化炭素含有量,発泡粒子の見掛け密度等を表2、表3、表4に示す。
比較例1
表5に示した通り、発泡核剤としてポリオレフィンワックスを添加しなかったことを除き、実施例1と同様に発泡粒子成形体を得た。得られた発泡粒子及び発泡粒子成形体の諸物性を表5に併せて示す。
比較例2
表5に示した通り、発泡核剤としてポリオレフィンワックスの代わりにタルク(日本タルク(株)製,商品名:シムゴン)を0.1部添加して用いたことを除き、実施例1と同様に発泡粒子成形体を得た。得られた発泡粒子及び発泡粒子成形体の諸物性を表5に併せて示す。
比較例3
表5に示した通り、発泡核剤としてポリオレフィンワックスの代わりにステアリン酸カルシウムを0.1部添加して用いたことを除き、実施例1と同様に発泡粒子成形体を得た。得られた発泡粒子及び発泡粒子成形体の諸物性を表5に併せて示す。
比較例4
表5に示した通り、発泡核剤としてポリオレフィンワックスの代わりにエチレンビスアマイド(花王(株)製,商品名:花王ワックスEB−FF)を0.1部添加して用いたことを除き、実施例1と同様に発泡粒子成形体を得た。得られた発泡粒子及び発泡粒子成形体の諸物性を表5に併せて示す。
尚、上記表2〜5における発泡粒子成形体の外観の評価は、目視により、以下の基準にて評価した。
◎:収縮や変形がなく、表面が平滑である。
○:角部に僅かながら収縮が認められるが,表面は平滑である。
△:端部や角部に収縮が認められ、表面に平滑でない部分が認められる。
×:著しい変形や収縮が認められる。
実施例5にて得られた本発明のポリ乳酸発泡粒子を略二分割した断面の走査型電子顕微鏡写真 比較例1にて得られたポリ乳酸発泡粒子を略二分割した断面の走査型電子顕微鏡写真 比較例2にて得られたポリ乳酸発泡粒子を略二分割した断面の走査型電子顕微鏡写真 比較例3にて得られたポリ乳酸発泡粒子を略二分割した断面の走査型電子顕微鏡写真 比較例4にて得られたポリ乳酸発泡粒子を略二分割した断面の走査型電子顕微鏡写真

Claims (8)

  1. 乳酸成分単位を50モル%以上含むポリ乳酸を基材樹脂とする樹脂粒子であって、ポリオレフィンワックスの配合量が前記基材樹脂100重量部に対して0.0001〜1重量部、発泡剤の含有量が1〜30重量%であり、該ポリオレフィンワックスがポリエチレンワックスであることを特徴とする発泡性ポリ乳酸樹脂粒子。
  2. 該ポリオレフィンワックスの融点が80〜125℃であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子。
  3. 該ポリオレフィンワックスの結晶化度が70%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子。
  4. 該ポリオレフィンワックスの数平均分子量が500〜6000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子。
  5. 該ポリオレフィンワックスの分子量分布指数が1.0〜3.0であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性ポリ乳酸樹脂粒子。
  6. 乳酸成分単位を50モル%以上含むポリ乳酸を基材樹脂とする発泡粒子であって、前記基材樹脂中にポリオレフィンワックスを含有し、該ポリオレフィンワックスがポリエチレンワックスであり、発泡粒子全体の平均気泡径が10〜500μmであることを特徴とするポリ乳酸発泡粒子。
  7. 該ポリ乳酸発泡粒子断面において、発泡粒子表層部の平均気泡径が発泡粒子全体の平均気泡径よりも大きいことを特徴とする請求項に記載のポリ乳酸発泡粒子。
  8. 請求項6または7に記載のポリ乳酸発泡粒子を型内成形して得られることを特徴とするポリ乳酸発泡粒子成形体。
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