JP5546157B2 - ポリ乳酸樹脂組成物気孔体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ乳酸樹脂組成物気孔体およびその製造方法に関するものである。
ポリ乳酸樹脂は、植物由来であることから、環境にやさしい樹脂として、この材料を用いて多くの用途開発が試みられている。当初はフィルム成形により製造されたゴミ袋や、射出成形により製造された使い捨て食器が開発されてきたが、当該樹脂を使用した気孔体の開発も精力的に行われている(例えば特許文献1参照)。しかしながらこれらの気孔体の平均気孔径は50μmより大きな気孔を有するものであった。気孔体の気孔サイズを小さくすることにより、従来からある断熱材用途、緩衝材用途以外に、光反射板などとして用いることが可能となる(例えば特許文献2参照)。
また、発泡ビーズ成形用のビーズとして気孔体を使用して得られる成形品について、従来、寸法精度はさほど要求されず、形状も単純なものが多かった。しかし近年、複雑形状及び精密な寸法精度が要求される成形品に使用される気孔体の開発が望まれている。気孔径が50μm以下の気孔体を開発することができれば、発泡ビーズに使用される気孔体の大きさを小さくしても、その表面に気孔ができることにより一部が欠けた形状を生じることがきわめて少なくなり、所望の形状と大きさの樹脂組成物を得ることができる。そうすると気孔体を使用して複雑・微細形状の成形体を製造することが可能となる。
そこでポリ乳酸樹脂組成物を用いて平均気孔径の小さな気孔体を得ようとする努力が行われている。例えば、特許文献3では、発泡剤としてポリ乳酸に吸収させる二酸化炭素の圧力を一定の値に抑えることで気泡の微細化を達成している。また、特許文献4では、不活性ガスとして高圧の窒素ガスを用いることで気泡の微細化を達成している。
しかしながら、特許文献3のように、常温で3.5MPa以下に二酸化炭素の圧力を抑えようとした場合、圧力容器内の温度変動による圧力変動や樹脂が二酸化炭素を吸収することによるガス圧低下など、常に同一のガス圧力を保つのが難しいため、量産時に均一倍率の発泡体を得ることが困難である。
一方、特許文献4の実施例によれば、窒素ガス圧力を10MPa以上にすることで気泡が微細、かつ、発泡倍率が2倍以上の発泡体が得られているが、10MPa以上の圧力に耐えうる圧力容器にかかる費用は飛躍的に増え、量産に適しているとはいえない。
特開2008−231284号 WO97/01117号パンフレット 特開2007−126539号 特開2001−342279号
本発明は、量産時に気孔径が微細であるとともに当該気孔径のばらつきが少ないポリ乳酸樹脂気孔体を安価に安定して提供することを目的とする。
本発明者等は、これらの課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリ乳酸樹脂(A)と、水との接触角が87度以上のポリマー(B)を含有する樹脂組成物に不活性ガスを浸透させることにより、内部に平均気孔径50μm以下の気孔を有する気孔体を得ることができることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
すなわち、本発明は、
(1)ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、JIS K2398 による水との接触角が87度以上の下記ポリマー群から選択されるポリマー(B)を5〜99質量部含有し、内部に平均気孔径50μm以下の気孔を有することを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物気孔体、
〔ポリマー群〕
1)スチレン−ジエン−エチレンのブロック共重合体、スチレン−ジエン−プロピレンのブロック共重合体、スチレン−ジエン−スチレンのブロック共重合体もしくはこれらの水素添加された共重合体であるか、または、
2)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン共重合体もしくはエチレン−酢酸ビニル共重合体、
(2)前記ポリ乳酸樹脂組成物気孔体の550nmにおける拡散反射率が、85〜97%であることを特徴とする(1)に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体、
(3)前記ポリマー(B)の配合量が、11〜99質量%である(1)または(2)に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体、
(4)前記ポリ乳酸樹脂(A)がポリL−乳酸樹脂(A)であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体、
前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体をヘキサフルオロイソプロパノールに浸漬して、得られる懸濁液中の粒度分布の径のメジアン値が2μm以下であることを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物気孔体、
)ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、JIS K2398 による水との接触角が87度以上の前記ポリマー(B)を5〜99質量部含有した組成物を、加圧不活性ガス雰囲気中に保持して不活性ガスを含有させる工程と、該不活性ガスを含有させた組成物を常圧下で加熱して気孔を形成させる工程による(1)〜()のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の製造方法。
)ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、JIS K2398 による水との接触角が87度以上の前記ポリマー(B)を5〜99質量部含有した組成物を、二酸化炭素の気液平衡圧力雰囲気中に保持して二酸化炭素ガスを含有させる工程と、該二酸化炭素ガスを含有させた組成物のシートを常圧下で加熱して気孔を形成させる工程による(6)に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の製造方法、
)組成物の構造が、前記ポリ乳酸樹脂(A)を海とし前記ポリマー(B)を島とする海島構造であり、該島の径のメジアン値が2μm以下であることを特徴とする()または()に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の製造方法、
前記(1)〜()のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体を用いて成形されたことを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物気孔体成形品、
10前記)〜()のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の製造方法により製造されたポリ乳酸樹脂組成物気孔体を用いて成形することを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物気孔体成形品の製造方法、
を提供するものである。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体は、微細気孔を持つので、軽量で光反射率に優れるため、光反射板として好適であるとともに、緩衝材用途、断熱材用途としても好適である。自動車外装材および内装材、保温容器、蓄熱材およびカイロ、植木鉢およびプランタなどの各種成形品にも用いることができる。さらに気孔が微細であるため、気孔体表面や切断面に肉眼で気孔を見出すことができないので美的にも優れ、筐体や図画工作用の素材にも好適である。また気孔が微細であるため、微細な発泡ビーズを形成することも可能で、複雑な形状の発泡ビーズ成形用のビーズにも好適である。
さらに本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の製造方法によれば、均一径のポリ乳酸樹脂組成物気孔体を安定して得ることができる。
まず本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体に用いられる成分ごとに説明する。なお本発明における気孔体とは、樹脂組成物中に中空部分を有することをいい、その部分を形成するのに、発泡剤の分解等により発生するガスにより発泡することにより行われることを含むものとする。
(ポリ乳酸樹脂(A))
ポリ乳酸樹脂は下記式1で示される。このポリ乳酸系樹脂はL−乳酸及び/又はD−乳酸を重合させるか、あるいは、L−ラクチド、D−ラクチド及びDL−ラクチドからなる群から選ばれた1又は2以上のラクチドを開環重合させることによって得ることができ、いずれのポリ乳酸樹脂であってもよい。ステレオコンプレックス型ポリ乳酸であってもよい。
Figure 0005546157
(水との接触角が87度以上のポリマー(B))
水との接触角が87度以上のポリマー(B)(以下、単に、「ポリマー(B)」ともいう。)は、水との接触角が87度以上であれば特に制限されないが、ポリ乳酸が熱分解する温度よりも低い温度でポリ乳酸樹脂と溶融混練可能な溶融性を有するポリマーが使用される。具体的には300℃以下の温度でポリ乳酸樹脂と溶融混練可能であることが望ましく、より好ましくは250℃以下でポリ乳酸樹脂と溶融混練可能であることが望ましい。本発明における水との接触角が87度以上のポリマー(B)には、ポリ乳酸樹脂以外のゴム、熱可塑性エラストマー及び熱可塑性樹脂を含むものとする。該ポリマー(B)は、単独で用いてもよいし、複数のポリマーからなる組成物を用いてもよいが、その場合は、当該組成物についての水との接触角が87度以上であることが必要である。
ポリマー(B)の水との接触角は、本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体をヘキサフルオロイソプロパノールに浸漬し、ポリ乳酸樹脂のみを溶解させ、残留物を用いてシート成形し、該シートから容易に測定することができる。
水との接触角が87度以上であり、かつ、ポリ乳酸との物理的混合が可能なポリマーとしては、以下のものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。すなわちポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン、ポリイソブチレン、ポリシクロオレフィンを挙げることができる。そのほか、ヘキセン−1、デセン−1、オクテン−1、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、ブテン−1等をモノマー成分とする各種の共重合体を使用することができる。
また、エチレン−プロピレン−ジエンのランダム共重合体、エチレン−ジエン−エチレンのブロック共重合体、プロピレン−ジエン−プロピレンのブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体や、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体なども用いることができる。
スチレン−ジエン−エチレンのブロック共重合体、スチレン−ジエン−プロピレンのブロック共重合体、スチレン−ジエン−スチレンのブロック共重合体であることが好ましい。さらに熱安定性を上げるため、水素添加されたものがより好ましい。例えば、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン共重合体)、SEP(スチレン−エチレン−プロピレン共重合体)、SEBC(スチレン−エチレン−ブチレン−エチレン共重合体)、HSBR(水素添加スチレン−ブタジエン共重合体)などが挙げられ、中でもSEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)がより好ましい。
本発明において用いられるポリマー(B)は、側鎖に官能基を有しているものを使用することができる。例えば官能基としてアミノ基を有するSEBSやSEBCを使用することができる。ただし、アミノ基など親水性の官能基を有していてもよいが、水との接触角が87度以上であることが必要である。水との接触角の測定方法は種々あるが、本発明においては、水との接触角はJIS K2398 に従って測定されたものをいうものとする。
なお、本発明では、ポリマー(B)は、下記ポリマー群から選択される
〔ポリマー群〕
1)スチレン−ジエン−エチレンのブロック共重合体、スチレン−ジエン−プロピレンのブロック共重合体、スチレン−ジエン−スチレンのブロック共重合体もしくはこれらの水素添加された共重合体であるか、または、
2)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン共重合体もしくはエチレン−酢酸ビニル共重合体
ポリマー(B)の水との接触角は87度以上であることが必要である。ポリマー(B)の水との接触角が87度未満であると、ポリ乳酸との相溶性が良くなるために、ガス浸透時のポリ乳酸の結晶化が進みすぎて気孔が発生しにくくなる問題点があり、好ましくない。ポリマー(B)の水との接触角は好ましくは、90〜105度であり、さらに好ましくは、95〜103度である。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体は、内部に平均気孔径50μm以下の気孔を有する。平均気孔径はASTM D3576−77に準じて、ポリ乳酸樹脂組成物気孔体シート断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真を撮影し、得られたSEM写真上に水平方向と鉛直方向に直線を引き、直線が横切る気孔の弦の長さtの平均値を求め、当該SEM写真の倍率をMとして、下記式から、平均気孔径dが求められる。
d=t/(0.616×M)
リ乳酸樹脂組成物気孔体においては、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、水との接触角が87度以上のポリマー(B)は5質量部〜99質量部である。さらに好ましくは5〜40質量部である。特に好ましくは5〜17質量部である。
ポリマー(B)の配合量が5質量部未満では、使用される材料や製造条件によっては気孔が形成されない場合がある。また99質量部を超えた場合は、樹脂成分中におけるポリ乳酸質量比が50%未満となる結果、植物由来樹脂使用製品として認められないため好ましくない。また気孔が不均一になったり、樹脂組成物全体の耐熱性の低下により美麗な気孔体を得ることが困難になる場合がある。
本発明において、特性に影響を及ぼさない範囲で、結晶化核剤、結晶化促進剤、気泡化核剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤などの各種添加剤を配合して、ポリ乳酸樹脂組成物とし、その後気孔を形成してもよい。また、得られたポリ乳酸樹脂組成物気孔体に上記添加剤を含有する樹脂を積層してもよいし、上記添加剤を含有する塗料をコーティングしてもよい。
ポリ乳酸樹脂組成物気孔体をヘキサフルオロイソプロパノールに浸漬すると懸濁液が得られる。その条件としては、25℃で24時間以上浸漬し、ポリ乳酸樹脂がヘキサフルオロイソプロパノールに溶解するであれば十分である。ポリ乳酸樹脂はヘキサフルオロイソプロパノールに完全に溶解するが、ポリマー(B)はヘキサフルオロイソプロパノールに溶解せず分散しているので、その懸濁液中の粒度分布を測定することにより、気孔体におけるポリマー(B)の粒度分布を測定することができる。本発明の気孔体はポリ乳酸樹脂とポリマー(B)との界面やポリ乳酸樹脂の部分から気孔が発生する場合が多いため、ポリ乳酸樹脂組成物気孔体をヘキサフルオロイソプロパノールに浸漬して、得られる懸濁液中の粒度分布においてポリマー(B)の径のメジアン値を2μm以下とすることにより、本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の気孔径をさらに小さくすることができる。
ヘキサフルオロイソプロパノールに浸漬して、得られる懸濁液中の粒度分布の径のメジアン値が2μm以下であるポリ乳酸樹脂組成物気孔体の一例として、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に、水との接触角が87度以上のポリマー(B)としてアミノ基を有するSEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)を5〜99質量部配合して得られたポリ乳酸樹脂組成物気孔体を挙げることができる。
ポリ乳酸樹脂組成物気孔体を製造する方法は特に限定されないが、量産性を考慮して、以下の方法を例示することができる。
まずポリ乳酸樹脂(A)と水との接触角が87度以上のポリマー(B)を含有する樹脂組成物を調製し、該樹脂組成物シートを作製する。その後、該樹脂組成物シートとセパレータとを重ね巻きすることによりロール状物を形成し、該ロール状物を加圧不活性ガス雰囲気中に保持して該樹脂組成物シートに不活性ガスを吸収させ、その後不活性ガスを含有する該樹脂組成物シートを大気圧等の常圧下で、ポリ乳酸樹脂(A)の軟化温度以上に加熱して気孔を発生させるという方法が用いられる。
不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどが挙げられる。樹脂組成物シートに対する不活性ガスの浸透速度が飽和するまで、不活性ガスを浸透させることが好ましい。不活性ガス浸透時間および不活性ガス浸透量は、樹脂組成物の種類、不活性ガスの種類、浸透圧力および樹脂組成物シートの厚さによって異なり、適宜設定される。樹脂へのガス浸透性(速度、溶解度)を考慮すると、二酸化炭素が好ましい。不活性ガスを含有させる雰囲気温度は70℃以下を適宜設定することができるが、省エネルギーの観点から室温である10〜25℃が好ましい。
不活性ガスとして二酸化炭素を採用した場合には、二酸化炭素の浸透圧力は、2MPa以上とすることができる。圧力安定のため、雰囲気温度の気液平衡圧力にすることが、製造安定上好ましい。例えば、17℃での二酸化炭素の気液平衡圧力は5.2MPaとなる。
通常、二酸化炭素の気液平衡状態で30分以上二酸化炭素を含有させると、ガスによる結晶化が進みすぎて、加熱しても気孔が形成されないか、または気孔が形成されても平均気孔径が50μmより大きな気孔体となってしまう場合が多いが、本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体は、ポリ乳酸樹脂組成物シートを70℃以下の温度条件で二酸化炭素の気液平衡状態の圧力下に何時間さらしても、所定温度に加熱することにより平均気孔径が50μm以下のポリ乳酸樹脂組成物気孔体を製造することができる。したがって二酸化炭素の気液平衡状態では、少々の温度変化があっても、また樹脂に二酸化炭素が吸い込まれても圧力が大きく変化することは少なく、量産時に安定した製造が可能である。
気孔を形成する際の加熱温度は、50℃以上でかつポリ乳酸樹脂の融点以下であれば、得たい気孔倍率に合わせて所望の温度を取ることができるが、均一に気孔を形成するためには、60℃以上130℃以下、より好ましくは90℃以上130℃以下にすることが好ましく、その場合には気孔倍率2倍以上を得ることができる。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体を発泡ビーズ成形用のビーズとして使用する場合には、二次成形でビーズ同士を熱融着させる必要があるため、結晶化度を低めにし、気孔形成温度を80〜100℃とすることが好ましい。
不活性ガスの浸透時間はポリ乳酸樹脂組成物のシートの厚さと浸透圧力と温度に合わせて選択される。例えば0.5mm厚のシートを用いて、17℃で5.2MPaで二酸化炭素を浸透させる場合、浸透時間は1時間以上であればよい。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体を得るに際して、ポリ乳酸樹脂組成物シート中への二酸化炭素浸透速度が速いことも特徴であり、4mm厚という厚いシートでも、17℃5.2MPaでの二酸化炭素浸透を30時間程度行うことで、微細気孔体を容易に得ることができる。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の製造方法では、ポリ乳酸樹脂(A)とJIS K2398 による水との接触角が87度以上のポリマー(B)を含有した組成物の構造が、該ポリ乳酸樹脂(A)を海とし該ポリマー(B)を島とする海島構造であり、該島の径のメジアン値が2μm以下である組成物を用いることができる。
例えば、ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に、水との接触角が87度以上のポリマー(B)としてアミノ基を有するSEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)を5〜99質量部配合した組成物は、ポリ乳酸樹脂(A)を海とし、ポリマー(B)を島とする海島構造であって、該島の径のメジアン値を、2μm以下とすることができる。この組成物の構造が、ポリ乳酸樹脂(A)を海とし、ポリマー(B)を島とする海島構造であることは、従来公知の方法、例えば気孔体の透過電子顕微鏡(TEM)写真により観察することができる。その海島構造の島の径のメジアン値は、本発明のポリ乳酸樹脂組成物をヘキサフルオロイソプロパノールに浸漬して、ポリ乳酸樹脂を溶解させ、その懸濁液中の粒度分布を測定することにより、求めることができる。該島の径のメジアン値は、2μm以下とすることができる。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体は、ポリ乳酸樹脂(A)に水との接触角が87度以上のポリマー(B)を含有する樹脂組成物をストランド状(棒状)に押出し、該ストランドを所定の長さごとに切断して円柱状として、不活性ガス浸透及び加熱して気孔形成する方法により、製造することができる。またポリ乳酸樹脂(A)に水との接触角が87度以上のポリマー(B)を含有する樹脂組成物をストランド状(棒状)に押出したものに不活性ガス浸透及び加熱して気孔形成した後に所定の長さごとに切断して円柱状として、本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体を得ることができる。さらにポリ乳酸樹脂(A)に、水との接触角が87度以上のポリマー(B)を含有する樹脂組成物シートを作製し、該シートに不活性ガス浸透及び加熱して気孔形成させたものを直方体形状に切断して本発明のポリ乳酸樹脂組成物気孔体を得ることができる。このようにして得られたポリ乳酸樹脂組成物気孔体を単数又は複数集めて所望の形状に成形することができる。気孔体単数の場合は気孔体同士を融着させる必要はなく、所望の形状にするだけなので60〜110℃で成形すれば十分である。また、80〜130℃で気孔径を損なうことなく気孔体同士が熱融着一体化した所望通りの形状を得ることもできる。もちろん、一般の発泡ビーズ成形機を利用して、高圧水蒸気などで二次発泡させながら気孔体同士を融着成形させる、いわゆる発泡ビーズ成形で、気孔体同士が熱融着一体化した所望通りの形状とすることができる。例えば直方体形状の金型に樹脂組成物粒子を配置した場合には、角を損なうことなく成形することができる。
以下に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
得られたポリ乳酸樹脂組成物気孔体の各種特性の測定は以下の通り行った。
(1)水との接触角
JIS K2398 に従って測定した。測定器としては、接触角計 (CA−X:協和界面化学株式会社製商品名)を用いた。
(2)気孔倍率
水中置換法により測定された気孔体シートの比重(ρ)と気孔形成前の樹脂の比重(ρ)との比ρ/ρとして算出した。
(3)平均気孔径
ASTM D3576−77に準じて求めた。すなわち、シートの断面のSEM写真を撮影し、SEM写真上に水平方向と鉛直方向に直線を引き、直線が横切る気孔の弦の長さtを平均した。写真の倍率をMとして、下記式に代入して平均気孔径dを求めた。
d=t/(0.616×M)
(4)光反射率
分光光度計(UV−3101PC:株式会社島津製作所製商品名)を用いて、550nmの波長における反射率を測定した。なお、拡散反射率の値は、硫酸バリウムの微粉末を固めた白板の拡散反射率を100%として、各々の拡散反射率を相対値で示した。
(5)粒度分布測定
気孔形成前のポリ乳酸樹脂組成物シートの薄切片を作製し、透過電子顕微鏡(TEM)でその組成物の構造を観察した。気孔形成前のポリ乳酸樹脂組成物シート80mgをヘキサフルオロイソプロパノール10mlに浸漬し、該組成物の懸濁液を作製し、粒度分布測定装置(LA−920:株式会社堀場製作所製商品名)を用いて該懸濁液中の粒度のメジアン値を求めることにより、海島構造の島の径のメジアン値を求めた。樹脂組成物気孔体についても、同様にヘキサフルオロイソプロパノールに浸漬し、懸濁液の粒度分布を測定することでメジアン値を求めた。
(実施例1)
ポリ乳酸樹脂(A)(商品名:H−440、三井・デュポン社製)100質量部に、ポリマー(B)として、官能基(アミノ基)を有するSEBS(商品名:ダイナロン8630P、JSR社製)を11質量部添加して混練した後、押出機により、0.5mm厚×300mm幅×60m長さの樹脂シートに成形した。この樹脂シートの薄切片を作製し、透過電子顕微鏡(TEM)でその組成物の構造を観察した。その構造はポリ乳酸樹脂(A)を海とし、ポリマー(B)を島とする海島構造となっていた。樹脂シートをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させて、粒度分布のメジアン値から求めた海島構造の島の径のメジアン値は1.1μmであった。この樹脂シートと、160μm厚さ×290mm幅×60m長さ、目付量55g/mのオレフィン系不織布のセパレータ(商品名:FT300、日本バイリーン社製)を重ねて、樹脂シートの表面どうしが接触する部分がないように巻いてロール状にした。
その後、このロールを圧力容器に入れ、二酸化炭素で5.2MPaの気液平衡状態で加圧し、17℃に保持して、樹脂シートに二酸化炭素を浸透させた。樹脂シートへの炭酸ガスの浸透時間は24時間とした。次に、圧力容器からロールを取り出し、セパレータを取り除きながら樹脂シートだけを130℃に設定した熱風循環式炉に気孔形成時間が1分となるように連続的に供給して気孔を形成させた。
得られた気孔体の厚さは0.8mmで、全体に均一に気孔が形成されており、気孔倍率は4.5倍、平均気孔径が2.3μmと非常に微細な気孔を有する気孔体であった。この気孔体シートをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させて、得られた粒度分布のメジアン値は1.1μmであった。この気孔体シートの拡散反射率は97%と高い拡散反射率を示した。
(実施例2)
官能基を有するSEBS(商品名:ダイナロン8630P、JSR社)の添加量を35質量部とした以外は実施例1と同じとした。この場合も透過電子顕微鏡(TEM)でその組成物の構造を観察したところ、その構造はポリ乳酸樹脂(A)を海とし、ポリマー(B)を島とする海島構造となっていた。樹脂シートをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させて、粒度分布のメジアン値から求めた海島構造の島の径のメジアン値は1.9μmであった。得られた気孔体の気孔倍率は2.1倍で、全体に均一に気孔が形成されており、平均気孔径は2.6μmと非常に微細であった。この気孔体シートをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させて、得られた粒度分布のメジアン値は1.9μmであった。また、拡散反射率も94%と高い拡散反射率を示した。
(実施例3〜13および比較例1〜7)
ポリ乳酸に添加する樹脂および樹脂添加質量部を変化させた以外実施例1と同じとした。結果は表1に示す。
Figure 0005546157
(実施例14)
ポリ乳酸樹脂を変更した(商品名:H−400、三井・デュポン社)以外は、実施例1と同じとした。この場合も透過電子顕微鏡(TEM)でその組成物の構造を観察したところ、その構造はポリ乳酸樹脂(A)を海とし、ポリマー(B)を島とする海島構造となっていた。樹脂シートをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させて、粒度分布のメジアン値から求めた海島構造の島の径のメジアン値は2.7μmであった。得られた気孔体の気孔倍率は2.8倍で、全体に均一に気孔形成がされており、平均気孔径が4.6μmと非常に微細であった。この気孔体シートをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させて、得られた粒度分布のメジアン値は2.7μmであった。また、拡散反射率も93%と高い拡散反射率を示した。
(実施例15)
実施例1の樹脂組成物を射出成形にて、4mm厚×50mm幅×100mm 長さの樹脂シートに成形した。この樹脂シートの薄切片を作製し、透過電子顕微鏡(TEM)でその組成物の構造を観察した。その構造はポリ乳酸樹脂(A)を海とし、ポリマー(B)を島とする海島構造となっていた。樹脂シートをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させて、粒度分布のメジアン値から求めた海島構造の島の径のメジアン値は1.3μmであった。この樹脂シートを圧力容器に入れ、二酸化炭素で5.2MPaの気液平衡状態で加圧し、17℃に保持して、樹脂シートに二酸化炭素を浸透させた。樹脂シートへの炭酸ガスの浸透時間は30時間とした。次に、圧力容器から板を取り出し、130℃に設定した熱風循環式炉に気孔形成時間が1分となるように供給して気孔を形成させた。
得られた気孔体の厚さは6.3mmで、全体に均一に気孔が形成されており、平均気孔径は3.7μmと非常に微細であった。この気孔体シートをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させて、得られた粒度分布のメジアン値は1.3μmであった。
(実施例16)
発泡温度を90℃にする以外は実施例1と同じとしてポリ乳酸樹脂組成物気孔体のシートを得た。この樹脂シートの薄切片を作製し、透過電子顕微鏡(TEM)でその組成物の構造を観察した。その構造はポリ乳酸樹脂(A)を海とし、ポリマー(B)を島とする海島構造となっていた。樹脂シートをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解させて、粒度分布のメジアン値から求めた海島構造の島の径のメジアン値は1.1μmであった。その後このシートを切断機で0.65mm×0.65mm×0.65mmの大きさに裁断し、気孔体の裁断品を得た。60倍の実体顕微鏡でこの気孔体の裁断品を観察したところ、きれいな白い立方体として観察され、断面に気孔は観察されず、角が欠けている様子も観察されなかった。この気孔体の裁断品を集めて成形ダイのキャビティ内に充填した上で、圧力0.2MPaの水蒸気を用いて加熱したところ、熱融着一体化された3mm×3mm×25mmのポリ乳酸樹脂組成物気孔体の成形品を得た。寸法にばらつきも無く、直方体の角も形成されていた。
(比較例8)
重量平均分子量23万、融点155℃の結晶性ポリ乳酸(Nature Works製)95重量%と、重量平均分子量360万のアクリル系高分子量ポリマ(三菱レイヨン(株)製 P530A(水との接触角 74度))5重量%とを均一に混合し、第一段押出機がL/D(スクリュー長さ(L)とシリンダー内径(D)の比率)=32、スクリュー径40mmφ、第二段押出機がL/D=34、スクリュー径50mmφのタンデム型押出機((株)日本製鋼所製)に連続的に投入し、第一段押出機のシリンダーの途中から、二酸化炭素をポリ乳酸と高分子量ポリマからなるポリ乳酸樹脂組成物100重量部に対して7重量部添加しながら、直径22mmφのサーキュラーダイから押し出し、直径80mmφのマンドレルで冷却しながら切開し、幅約220mmのシート状気孔体を作成した。
第一段押出機の温度はシリンダー6ゾーンに対して、シリンダー1を150℃、シリンダー2〜6を200℃とし、第二段押出機の温度はシリンダー6ゾーンに対し、シリンダー1を100℃、シリンダー2を170℃に設定、シリンダー3からシリンダー6は125℃、ダイ温度を140℃とした。第二段押出機とダイとをつなぐフランジに温度計を設置し、樹脂温度を測定したところ、樹脂温度は133度、ダイ部分での圧力は18MPa、樹脂組成物の吐出量は19kg、気孔体の巻き取り速度は22m/minであった。
得られた気孔体の気孔倍率は22倍、厚さは2.0mmであり、平均気孔径が76μmであった。しかし、実施例1〜14に比べて倍以上の厚みが有るにもかかわらず、拡散反射率は69%しかなかった。
(比較例9)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(商品名:SA1206、ユニチカ(株)社製)を射出成形により、2mm厚×50mm幅×100mm長さのシートに成形した。このシートを圧力容器に入れ、二酸化炭素で5.2MPaの気液平衡状態で加圧し、17℃に保持して、樹脂シートに二酸化炭素を浸透させた。樹脂シートへの炭酸ガスの浸透時間は192時間とした。次に、圧力容器から板を取り出し、200℃に設定した熱風循環式炉に気孔形成時間が1分となるように供給して気孔を形成させた。
得られた気孔体の厚さは2.7mmで、厚み方向の中央部は、ほぼ1mm厚さにわたって未気孔層が存在した。
(比較例10)
ポリ乳酸樹脂(商品名:TERRAMAC TE−6100、ユニチカ社製)を押出機に供給して230℃で溶融混練して、ストランド状に押出した。このストランドを所定長さごとに切断して円柱状とし、1個当たり5mgの重量を有するポリ乳酸系樹脂粒子を製造した。このポリ乳酸系樹脂粒子をオートクレーブ内に供給して密封し、このオートクレーブ内に二酸化炭素を圧入した上で、オートクレーブ内を30℃に12時間に亘って維持し、ポリ乳酸系樹脂粒子に二酸化炭素をゲージ圧で2.0MPaの圧力で気相含浸させた。続いて、ポリ乳酸系樹脂粒子を90℃にて1分間に亘って加熱して気孔を形成させて嵩密度が0.05g/cmのポリ乳酸系樹脂気孔体を得た。このポリ乳酸系樹脂気孔体を実施例16と同様に、0.65mm×0.65mm×0.65mmの立方体に裁断したところ、その気孔体の裁断品の切断面には多くの気孔が観察された。この気孔体の裁断品を集めてさらに加熱しても所望の形状の成形品は得られないと判断し、気孔体の裁断品の大きさを変えて、その断面を観察した。1.5mm×1.5mm×1.5mmの大きさに裁断した気孔体の裁断品について、60倍の実体顕微鏡で観察したところ、切断面にも多くの気泡の断面があり、立方体の角の欠けているものも多く、立方体とは呼べない不定形であった。次に実施例16と同様、3mm×3mm×25mmのポリ乳酸樹脂組成物気孔体を製造するべく、この樹脂組成物粒子を成形ダイのキャビティ内に充填した上で、圧力0.2MPaの水蒸気を用いて加熱し、ポリ乳酸樹脂組成物の成形品を製造したが、直方体の角がないものが多々有る上に、直方体の面も平坦でなく、直方体とは呼べない形状の成形品しか得られなかった。

Claims (10)

  1. ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、JIS K2398 による水との接触角が87度以上の下記ポリマー群から選択されるポリマー(B)を5〜99質量部含有し、内部に平均気孔径50μm以下の気孔を有することを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物気孔体。
    〔ポリマー群〕
    1)スチレン−ジエン−エチレンのブロック共重合体、スチレン−ジエン−プロピレンのブロック共重合体、スチレン−ジエン−スチレンのブロック共重合体もしくはこれらの水素添加された共重合体であるか、または、
    2)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン共重合体もしくはエチレン−酢酸ビニル共重合体
  2. 前記ポリ乳酸樹脂組成物気孔体の550nmにおける拡散反射率が、85〜97%であることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体。
  3. 前記ポリマー(B)の配合量が、11〜99質量%である請求項1または2に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体。
  4. 前記ポリ乳酸樹脂(A)がポリL−乳酸樹脂(A)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体をヘキサフルオロイソプロパノールに浸漬して、得られる懸濁液中の粒度分布の径のメジアン値が2μm以下であることを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物気孔体。
  6. ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、JIS K2398 による水との接触角が87度以上の前記ポリマー(B)を5〜99質量部含有した組成物を、加圧不活性ガス雰囲気中に保持して不活性ガスを含有させる工程と、該不活性ガスを含有させた組成物を常圧下で加熱して気孔を形成させる工程による請求項1〜のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の製造方法。
  7. ポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して、JIS K2398 による水との接触角が87度以上の前記ポリマー(B)を5〜99質量部含有した組成物を、二酸化炭素の気液平衡圧力雰囲気中に保持して二酸化炭素ガスを含有させる工程と、該二酸化炭素ガスを含有させた組成物のシートを常圧下で加熱して気孔を形成させる工程による請求項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の製造方法。
  8. 組成物の構造が、前記ポリ乳酸樹脂(A)を海とし前記ポリマー(B)を島とする海島構造であり、該島の径のメジアン値が2μm以下であることを特徴とする請求項またはに記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体を用いて成形されたことを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物気孔体成形品。
  10. 請求項のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物気孔体の製造方法により製造されたポリ乳酸樹脂組成物気孔体を用いて成形することを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物気孔体成形品の製造方法。
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