JP4807680B2 - 静圧継手 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機等の移動テーブルを移動させるための送り装置と移動テーブルとを接続する静圧継手に関する。
従来、図7に示すように、工作機等の移動テーブル100の位置決め精度の向上のため、移動テーブルのレール、ガイド、スライド軸等101の摺動面101aに静圧軸受を用いて摺動抵抗を減じている。さらに、ボールねじ(送り装置)102のナット(出力部)103に軸直角方向の両面にそれぞれ第一及び第二の受け面104a,104bを有する突起部(第一部材)104が設けられている。この両受け面を挟むようにして左右パッド105a,105b(第二部材)が設けられており、この左右パッドが移動テーブル100に固定されている。
左右パッドにはそれぞれ微少隙間をもって第一の受面104aに対向するように配置された第三の受け面105c、及び微少隙間をもって第二の受面104bに対向するように配置された第四の受け面105dが設けられ、第三及び第四の受け面に静圧ポケット106a,106bが形成され、図示しない供給源から空気又は油が供給され静圧軸受を構成し、突起部(第一部材)104、左右パッド(第二部材)105a,105bとで、静圧継手を110構成している。なお、静圧ポケット106a,106bは、油路の構成や、位置等と共に第一乃至第四の受け面のいずれかに適宜設けられている。なお、空気の場合は静圧ポケットを用いない場合が多い。かかる静圧継手110を用いて、ボールねじ102をAC,DCサーボモータ等107で駆動することにより移動テーブル100を移動させている。
しかし、かかる流体を単に二面間に供給する従来の静圧継手においては、軸方向(送り方向)の剛性が低く、外力によりテーブルが移動したり、振動するという問題があった。そこで、特許文献1においては、静圧ポケットの両側にダイヤフラム弁式自動調整絞りを接続し、左右パッド(第二部材)間の突起部(第一部材)の位置を一定値に制御し、さらには、任意の位置制御により微少位置決めするようにしている。
一方、特許文献2においては、圧電素子を用いた能動自成絞りを用いピコメートルオーダのテーブルの高さ方向や回転位置決めをしている。このものは、対向する二平面間の相手平面と微少隙間による絞りを形成し流体圧を供給する開口部を先端に有する開口面を有し、開口面が固定側に対して一軸方向に伸縮可能にかつ取付平面より突出して固定された静圧素子が設けられ、前記微少隙間による絞りから供給される流体により対向する二平面間に静圧軸受が形成され、二平面間の距離を外部から設定する設定器と、二平面間の距離を測定する測定器とを設け、測定器の出力信号と設定器の設定信号とを比較し、設定信号より出力信号が大きいときは開口面が相手平面に近づき、設定信号より出力信号が小さいときは開口面が相手平面とは離れるように制御し、二平面間の距離を設定器で設定された距離になるよう制御した静圧軸受が開示されている。
また、送り装置としてボールねじの他、駆動軸と従動軸(ローラ)との間に微少な交差角を与え、ボールねじに比べさらに、非常に小さなリードを得られる送り装置としてツイストローラ摩擦駆動装置が知られている(例えば特許文献3)。
特開平10−110729号公報 特開2002−210626号公報 特開平4−131548号公報
しかし、特許文献1のものは、ダイヤフラム弁式自動調整絞りであり、いわゆるフィードバックを流体で行うため、剛性が依然として低く、また、温度や配管長さの影響も受け、応答性が悪く、0.5μm程度の精度しか確保できないという問題があった。一方、特許文献2のものはピコオーダの位置決め精度が可能であるが、静圧継手のように突起部(第一部材)の両面に静圧軸受を設ける場合についての挙動については示唆も開示もされていない。さらに、ボールねじやツイストローラ摩擦駆動装置においては、ナット又はハウジング側に第一部材(例えば前述の符号104)を設けるので、ナット等の構造が複雑で、大きさが大きく、重量が重い等の問題や、精度の低下を招くという問題があった。
本発明の課題は、かかる従来の問題点に鑑みて、剛性が高く、より精度の高い、例えばナノオーダの位置決めも可能な静圧継手を提供することである。
本発明においては、移動テーブルと、該移動テーブルを所定の一軸方向に移動させるための送り装置と、前記移動テーブルと前記送り装置との間に設けられ、前記送り装置の送りを前記移動テーブルに伝達するための静圧継手であって、前記一軸方向とは直角方向の両面にそれぞれ第一及び第二の受け面が形成された第一部材と、微少隙間をもって前記第一の受面に対向するように配置された第三の受け面、及び微少隙間をもって前記第二の受面に対向するように配置された第四の受け面を有する第二部材と、を有し、第二部材が前記移動テーブルに固定され、前記第一部材が前記送り装置の出力部に固定されており、前記第一及び第三の受け面間に流体を供給する絞りが前記第一又は第三の受け面に突出することなく設けられ、前記絞りから供給される流体により第一及び第三の受け面とで静圧軸受が形成され、前記第二及び第四の受け面の一方が前記一軸方向に直角の静圧平面とされ、他方に前記静圧平面と微少隙間による絞りを形成し流体圧を供給する開口部を先端に有する開口面を有し、前記開口面が固定側に対して前記一軸方向に伸縮可能にかつ前記他方の受け面より突出して前記他方の受け面側に前記固定側が固定された静圧素子が設けられ、前記微少隙間による絞りから供給される流体により前記第二及び第四の受け面とで静圧軸受が形成され、前記第二及び第四の受け面の距離を外部から設定する設定器と、前記第二及び第四の受け面の距離を測定する測定器と、を設け、前記測定器の出力信号と前記設定器の設定信号とを比較し、前記設定信号より前記出力信号が大きいときは前記開口面が前記静圧平面近づき、前記設定信号より前記出力信号が小さいときは前記開口面が前記静圧平面より離れるように制御し、前記第二及び第四の受け面の距離を前記設定器で設定された距離になるよう制御されており、前記出力部は螺旋送りされる出力軸であり、前記円板状の第一部材が前記出力軸の先端に固定されており、前記第一部材が前記出力軸と共に螺旋送りされ、前記静圧平面が第二の受け面側に設けられている静圧継手を提供することにより前述
した課題を解決した。
即ち、静圧継手の両面に受け面を有する第一部材の第一の受け面と第二部材の第三の受け面間を単に流体を二面間に供給する従来の静圧軸受として第一部材と第二部材を第一、第三の受け面間で常に離隔させるようにする。一方、第二の受け面と第四の受け面間を相手面と先端開口とで絞りを形成するようにされた静圧素子をフィードバック制御し、位置決め可能な能動自成絞り静圧軸受とすることにより、第二、第四の受け面間で形成する静圧軸受の二面間距離を制御し、第二部材に対して第一部材の軸方向位置を高い分解能で制御できる。
能動自成絞り静圧軸受について、詳述すると、図3は、本発明の能動自成絞り静圧軸受の部分拡大断面図である。図2に示すように、能動自成絞り静圧軸受30は、一軸方向に直角の静圧平面12に対して遠近方向に移動する開口面33(開口部32)と静圧平面12とで形成する可変絞り31機構は、第二及び第四受け面の一方の受け面の静圧平面12と他方の受け面14の移動量hが、開口面33の移動(伸縮)量hdより小さい移動量を実現するように設計できる。
例えば、設定値より静圧平面12と他方の受け面14間の距離hが大きいときは、絞り開度を小さくするため開口面33を静圧平面12に近づけ絞り31が小さくなり、流入空気流量の減少により静圧平面12と他方の受け面14と近づき二面間hが目標値に達した位置でフィードバック制御され釣り合う。圧電素子34の伸びhdにより生じる開口部32から供給される空気量の減少は軸受面12,14間に存在する空気の全量に比較するとわずかであるので、受け面14の移動距離hは上記hdに比べて小さくなる。なお、符号34は積層された圧電素子、32は開口部、符号17は流体供給口、37は圧電素子へ電流を供給するリード線であり、図示しない金属筒及び樹脂等で伸縮可能に、かつ一体にされている。18は他方の受け面14側に設けられたリード線37の通し穴である。
また、設定値より静圧平面12と他方の受け面14間の距離hが小さいときは、絞り31開度を大きくするため開口面33が静圧平面から離され絞り開度が大きくなり、静圧平面12と他方の受け面14とが離れ二面間が目標値に達した位置でフィードバック制御され釣り合う。このように開口面33の移動量(伸縮)以上の絞りの作用がはたらく。この差分が他方の受け面の移動距離となる。
従って分解能の低い素子34を用いても、より高分解能を得ることができ、第一及び第三の受け面間を従来の静圧軸受で常に離隔する方向に付勢させ、能動自成絞り静圧軸受30、設定器、測定器によりフィードバック制御することにより他方の第二、第四の受け面間(静圧平面と他方の受け面間)の距離を高精度に制御できる。即ち第二部材に対して第一部材の高精度の位置決めができる。なお、受け面を伸縮させる静圧素子として、電気的に伸縮応答性、精度がよい圧電素子が好ましい。例えば面方向に積層された数〜数十ナノメータの分解能を有する圧電素子を用いることにより、10pmオーダの位置決め分解能が容易に実現できる。
また、駆動装置としてはボールねじ等の直動アクチュエータを用いる。しかし、ボールねじの第一又は第二部材に接続されるナット、また、ツイストローラ摩擦駆動のハウジングは回転しないが、出力軸は螺旋送りされるので、第一又は第二部材との接続に問題がある。そこで、第一部材は円板状であって出力軸に固定されており、第一部材を出力軸と共に螺旋送りできるように、静圧平面が第二の受け面側に設けた。これにより、出力軸が螺旋送りする場合でも容易に静圧継手を構成できる。なお、流体供給する側を第三受け面側に設ければ、第一部材が円板状とする一方、第二部材を半円や部分円板状として対向させることもできる。駆動装置としてはボールねじ等の直動アクチュエータを用いる。しかし、精度向上にはボールねじより分解能が高いツイストローラ摩擦駆動装置等の駆動装置の使用がより好ましい。そこで、請求項2に記載の発明においては、前記送り装置はツイストローラ摩擦駆動装置であって、前記出力部は前記ツイストローラ摩擦駆動装置の螺旋送りされる出力軸である静圧継手を提供する。
本発明においては、静圧継手を構成する第一部、第二部材間の静圧軸受の一方を従来の静圧軸受とし、常に互いに離隔するように付勢して、他方を能動自成絞り静圧軸受とし、さらにフィードバック制御させることにより、第二部材に対して第一部材の軸方向位置を高い分解能で制御できるようにしたので、剛性が高く、テーブルの移動や振動がないものとなった。さらに、所望の位置を制御することも可能であり、従来のような、微少位置決めも容易であり、さらに精度の高いものとなった。さらに、螺旋送りされる出力軸を円板状の第一部材とし、第二部材側に静圧供給部を設け、静圧継手内での第一、第二部材間の位置決め精度を高めたので、ナットやハウジングのような複雑で大きく、あるいは重量による精度低下をもたらさない静圧継手を提供するものとなった。
さらに、請求項2の発明においては、分解精度(位置決め精度)の高いツイストローラ
摩擦駆動装置を用いて、出力部をツイストローラ摩擦駆動装置の螺旋送りされる出力軸としたので、さらに微少、例えばナノオーダ、さらに高精度の位置決めも可能な静圧継手を提供するものとなった。
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態示し、本発明静圧継手を用いた位置決め装置の平面図、図2は図1のA−A線断面図である。角型ガイド(約50mm角)101上を空気静圧案内機構101aにより摺動する箱形の移動テーブル100(約100mm角で長さ230mm)を一軸方向に移動させる送り装置としてツイストローラ摩擦駆動装置2を用いて位置決めする構造となっている。移動テーブル100とツイストローラ摩擦駆動装置2との間に静圧継手1が設けられている。ツイストローラ摩擦駆動装置2の出力軸3の先端には円板状の第一部材4が固定されている。
ツイストローラ摩擦駆動装置2は、出力軸3の回りに出力軸とは交差角を有する軸回りに回転可能にされ、出力軸に摩擦接触するように配置されたローラ(ツイストローラ)21を有しており、このローラを入力軸25に接続されたAC又はDCモータ107等のモータ軸により回転(矢印23)させることにより、軸方向に出力軸3を送るようにされる。このとき、出力軸3は減速回転され、さらに、ローラ21との交差角分が送られる螺旋送り(矢印24)とされるので、ボールねじ等のねじ送りに比べ非常に小さな軸方向微少送りが可能となる。ローラ21はラジアル静圧軸受26、図示しないスラスト軸受等、また、出力軸3は静圧軸受22等で支持されている。
円板状の第一部材4は出力軸3と共に一軸方向に移動かつ回転(矢印24)するようにされ、一軸方向とは直角方向の両面にそれぞれ第一及び第二の受け面11,12が形成されている。この第一部材4を挟んで、微少隙間をもって第一の受面11に対向するように配置された第三の受け面13、及び微少隙間をもって第二の受面12に対向するように配置された第四の受け面14を有する第二部材5,6が配置されている。第二部材5,6は第一部材4より外径の大きな円板及び出力軸3が貫通する穴7aを有するリング状のリング部材7を狭持し、さらに移動テーブルに固定されており、第一部材4と第二部材5,6とで静圧継手を構成する。リング部材7は第一部材及び第二部材の隙間が所定の値になるような精度に製作される。
第二部材5の第三の受け面13には絞り20が第三の受け面より突出することなく設けられ、第一及び第三の受け面間11,13に絞り20から流体が供給され静圧軸受が形成されている。流体はリング部材7に設けられた供給口8、流路9,9aを経て絞り20に送られる。この実施の形態では流体が空気の場合を示している。第一及び第三の受け面11,13は単に平行な隙間となるようにされている。流体が潤滑油や水性クーラント等の液体の場合は静圧ポケットを形成するのが好ましい。
図で右側の第二部材6には軸穴6aが設けられ出力軸3が貫通している。出力軸と軸穴6aとの間には図示しない絞りを介して流体が供給口8、流路9,9bを介して出口9cより供給され出力軸3を静圧支持している。
第二の受け面12は一軸方向に直角の静圧平面とされ、微少隙間を持って第四の受け面14と対向するようにされている。第四の受け面14には第二の受け面の静圧平面12と微少隙間による絞りを形成し流体圧を供給する開口部32を先端に有する開口面33を有し、開口面33が固定側35に対して一軸方向に伸縮可能にかつ第四の受け面14より突出して第四の受け面側に固定側が固定された静圧素子30が同心円上に4個等分となるように設けられている。静圧素子30は前述した図3に示すように、第四の受け面14に取付穴14aが設けられリング穴34aを有するリング状の圧電素子34が積層されている。圧電素子34は図で見て下側が第四の受け面側の固定部36に固定され、樹脂(シリコンゴム等)で覆われており、その上部に開口穴が空けられた開口部32が取り付けられている。
圧電素子34に電圧を与えると電圧にほぼ比例して積層方向に伸び開口面33(開口部32)を第二の受け面(静圧平面)12に対して近づくように働く。また、電圧を減じると積層方向に縮み開口面33(開口部32)が第二の受け面12から遠ざかるように働く。開口面33(開口部32)と第二の受け面12とで絞り部31が形成され、圧電素子34に電圧を加えると絞りが小さくなり、電圧を減じると絞り開度が大きくなる。
リング状の圧電素子34のリング穴34aに流体供給穴17から空気を供給し、空気がリング穴、開口部32、開口面33を通って第二及び第四12,14の平面間を通って外部へ排出される。開口面33と第二の受け面12とで形成される絞り部31で供給空気が絞られ可変絞りが構成される。この可変絞りにより第二及び第四の受け面12,14間に供給される空気が制御され、第二と第四の受け面とで静圧流体軸受15が構成される。また、第二及び第四の受け面の移動量が、開口部の移動(伸縮)量より小さい移動量を実現するように設計される。
第四の受け面14には測定器として図示しない静電容量形センサが取り付けられ第二の受け面12と第四の受け面14との距離hを測定できるようにされている。静電容量形センサからの位置信号は増幅器、A/Dコンバータを介してコンピュータに接続され、コンピュータには第二、第四の受け面間の距離hがデイジタル値として入力される。コンピュータには第二及び第四の受け面の二面間の距離を外部から設定する設定器として、キーボードから位置指令を入力するように入力設定プログラムが組み込まれ、設定信号が入力できるようにされている。
コンピュータ内では容量形センサからの位置信号と二面間の距離を指令する設定信号とで比較演算し、二面間の距離hが設定値より大のときは開口面33が第二の受け面12側に近づく方向(即ち絞りを小さくする方向)に、二面間の距離hが設定値より小のときに開口面33が第二の受け面12側から離れる方向(即ち絞りを開く方向)に動くようにD/A変換器及び増幅器を介して圧電素子34に電圧を与えるようにプログラムされており、いわゆる一般のフィードバック制御をコンピュータで行っている。かかる構成の制御をすることにより、第二部材5,6に対する第一部材4の軸方向の位置を一定に保持でき、さらには任意の位置決めも行うことができる。なお、静圧素子30はそれぞれ個別に制御しても、4個を系統的に制御してもよい。
次に、かかる静圧継手1を有する位置決め装置の動作について説明する。図示しない数値制御装置からの位置決め指令に従ってACサーボモータ107によりツイストローラ摩擦駆動装置の入力軸25が駆動され、ツイストローラ21を介してツイストローラ摩擦駆動装置の出力軸3が回転しながら前進あるいは後退、すなわち螺旋運動(矢印24)を行う。同時に出力軸先端の第一部材4も螺旋運動をおこなう。第一部材4は第一の受け面12と第三の受け面13からなる静圧軸受と、第二の受け面12と第四の受け面14と静圧素子30からなる制御された静圧軸受とにより、第二部材5,6に軸方向のみの力を伝達し、ラジアル方向には自由状態とされる。したがって螺旋運動する出力軸3にラジアル方向の誤差運動を生じても、第二部材5,6は第一部材4に対して自由に滑ってラジアル方向運動を行えるので、出力軸のラジアル方向の誤差運動は静圧継手1の第二部材側、即ち移動テーブル100には伝わらない。結局、静圧継手1はツイストローラ摩擦駆動装置2の推力のみを移動テーブル100に伝えて位置決め動作を行わせることになる。
一方、軸方向には、第二及び第四受け面12,14間を静圧素子30を用いたフィードバック制御により、第二部材5,6に対する第一部材4の位置を精度よく確保できるので、所定位置に定めておくことにより、第一部材4の軸方向の移動が正確に第二部材5,6に伝達され、ツイストローラ摩擦駆動2の出力が移動テーブル100に正確に伝達される。
第一部材4の軸方向の動きに対して、第二部材5,6即ち移動テーブル100の動きがどのように追従しているかについて調べた。図4は、第二、第四の受け面12,14間の距離をフィードバック制御をかけ一定距離に制御した場合の(a)は、出力軸(第一部材)3,4を移動させて変位した移動テーブルの変位、(b)は、とそのときの静圧継手の第一部材の第二の受け面と第二部材の第四の受け面との距離h、即ち空気膜厚さの変化を示すグラフである。図5は、第二、第四の受け面間に一定の空気を供給して制御を伴わない(オープンループ)静圧軸受とした場合の(a)は、出力軸(第一部材)を移動させて変位した移動テーブルの変位、(b)は、そのときの静圧継手の第二の受け面と第四の受け面との距離(空気膜厚さ)の変化を示すグラフである。
図5に示すように、従来の静圧軸受だけの場合では移動テーブルの変位が約42nmであるのに対して、第二及び第四の受け面間の距離h、即ち空気膜厚さは8nmほど変化している。つまり、静圧継手の剛性は低く駆動機構の推力の一部が、摩擦力、位置や形状誤差等の影響を受け、静圧継手で空気膜圧変化という形で吸収された結果、出力軸の移動量に比べてテーブル変位が減少し、位置決め精度が悪化している。これに対して本発明の実施の形態においては、図4に示すように、第二及び第四の受け面間の距離h、即ち空気膜厚さはほとんど変化しておらず、軸方向の剛性が非常に高いことがわかる。その結果、出力軸の移動量がほぼ同一であるのにも拘わらず移動テーブル100の変位が60nmまで増加しており、出力軸の移動量が確実に移動テーブルに伝達され、高い位置決め精度を発揮できることになる。
図6は同様にステップ状の信号を与えた場合の第一部材4の軸方向の動きに対しての第二部材(移動テーブル)の動きの追従性についての結果である。図6の(a)は第二、第四の受け面間の距離をフィードバック制御をかけステップ状の信号を与えて出力軸を移動させて変位させた移動テーブルの変位、(b)は、そのときの静圧継手の第二の受け面と第四の受け面との距離(空気膜厚さ)の変化を示すグラフ、(c)は第二、第四の受け面間に一定の空気を供給して制御を伴わない静圧軸受とした場合のステップ状の信号を与えて出力軸を移動させて変位させた移動テーブルの変位、(b)は、そのときの静圧継手の第二の受け面と第四の受け面との距離(空気膜厚さ)の変化を示すグラフである。
図6(c)、(d)に示すように、本発明のフィードバック制御を行わない場合は、移動テーブル100の変位が88.4nm移動している間に、第二の受け面と第四の受け面との距離(空気膜厚さ)hは13.4nmと変化している。つまり、出力軸3の送り動作の一部が静圧継手1に吸収されていることがわかる。また、空気膜厚さのノイズも多い。
これに対し、本発明によれば、図6(a)、(b)に示すように、出力軸3の同量の送り動作に対して第二の受け面と第四の受け面との距離(空気膜厚さ)hはほとんど変化しない。即ち、送り動作が静圧継手で吸収されていない。一方、移動テーブル100の移動量は101nm、つまりフィードバック制御を行わない時の移動テーブルの移動量88nmに、空気膜厚さの変化量約13nmを加えた量移動していることがわかる。さらに、制御状態から非制御状態とした時に空気膜厚さhが変化していることもわかる。このように、本発明の静圧継手は、移動方向の剛性が非常に高く、動作効率(出力軸3の移動量に対する移動テーブル100の移動量の比)はほぼ100%と高いものとなっている。
以上述べたように、本発明の実施の形態に示す静圧継手によれば、高い剛性の静圧継手を得られ、高い位置決め精度を得られる。一方、静圧継手の第一部材及び第二部材の相対位置も同様に高い剛性で制御できるので、ツイストローラ摩擦駆動による位置制御に加えて静圧継手内での微少位置決めも可能となり、より微少の位置決めが可能なものとなった。
なお、本発明の実施の形態においては、ツイストローラ摩擦駆動を用いた例で説明したがボールねじ等種々の螺旋送りされる出力軸に適用できる。さらに、直線に限らず曲線や円弧等に沿って移動するテーブル等に用いてもよい。また、静圧素子は圧電素子を用いたが、リニアソレノイド等でもよい。また、距離センサはレーザー、音響等の種々のセンサが利用できる等本実施の態様に制限されるものではない。
本発明の実施の形態を示す本発明静圧継手を用いた位置決め装置の平面図である。 図1のA−A線拡大断面図である。 本発明の能動自成絞り静圧軸受の部分拡大断面図である。 第二、第四の受け面間の距離をフィードバック制御をかけ一定距離に制御した場合の(a)は、出力軸を移動させて変位させた移動テーブルの変位、(b)は、そのときの静圧継手の第二の受け面と第四の受け面との距離の変化を示すグラフである。 第二、第四の受け面間に一定の空気を供給して制御を伴わない静圧軸受とした場合の(a)は、出力軸を移動させて変位させた移動テーブルの変位、(b)は、そのときの静圧継手の第二の受け面と第四の受け面との距離の変化を示すグラフである。 (a)は第二、第四の受け面間の距離をフィードバック制御をかけステップ状の信号を与えて出力軸を移動させて変位させた移動テーブルの変位、(b)は、そのときの静圧継手の第二の受け面と第四の受け面との距離の変化を示すグラフ、(c)は第二、第四の受け面間に一定の空気を供給して制御を伴わない静圧軸受とした場合のステップ状の信号を与えて出力軸を移動させて変位させた移動テーブルの変位、(b)は、そのときの静圧継手の第二の受け面と第四の受け面との距離の変化を示すグラフである。 従来の静圧継手を用いた位置決め装置の(a)は一部を断面した平面図、(b)は部分正面図である。
符号の説明
1 静圧継手
2 送り装置(ボールねじ、ツイストローラ摩擦駆動装置)
3 出力部(出力軸)
4 第一部材
5,6 第二部材
11 第一の受け面
12 第二の受け面(静圧平面又は他方の受け面)
13 第三の受け面
14 第四の受け面(他方の受け面又は静圧平面)
15 静圧軸受(部)
20 絞り
30 静圧素子
31 絞り部
32 開口部
33 開口面
35 固定側
36 固定部
100 移動テーブル
h 第二及び第四の受け面の距離

Claims (2)

  1. 移動テーブルと、該移動テーブルを所定の一軸方向に移動させるための送り装置と、前記移動テーブルと前記送り装置との間に設けられ、前記送り装置の送りを前記移動テーブルに伝達するための静圧継手であって、
    前記一軸方向とは直角方向の両面にそれぞれ第一及び第二の受け面が形成された第一部材と、微少隙間をもって前記第一の受面に対向するように配置された第三の受け面、及び微少隙間をもって前記第二の受面に対向するように配置された第四の受け面を有する第二部材と、を有し、
    第二部材が前記移動テーブルに固定され、前記第一部材が前記送り装置の出力部に固定されており、
    前記第一及び第三の受け面間に流体を供給する絞りが前記第一又は第三の受け面に突出することなく設けられ、前記絞りから供給される流体により第一及び第三の受け面とで静圧軸受が形成され、
    前記第二及び第四の受け面の一方が前記一軸方向に直角の静圧平面とされ、他方に前記静圧平面と微少隙間による絞りを形成し流体圧を供給する開口部を先端に有する開口面を有し、前記開口面が固定側に対して前記一軸方向に伸縮可能にかつ前記他方の受け面より突出して前記他方の受け面側に前記固定側が固定された静圧素子が設けられ、前記微少隙間による絞りから供給される流体により前記第二及び第四の受け面とで静圧軸受が形成され、
    前記第二及び第四の受け面の距離を外部から設定する設定器と、
    前記第二及び第四の受け面の距離を測定する測定器と、を設け、
    前記測定器の出力信号と前記設定器の設定信号とを比較し、前記設定信号より前記出力信号が大きいときは前記開口面が前記静圧平面近づき、前記設定信号より前記出力信号が小さいときは前記開口面が前記静圧平面より離れるように制御し、前記第二及び第四の受け面の距離を前記設定器で設定された距離になるよう制御されており、
    前記出力部は螺旋送りされる出力軸であり、前記円板状の第一部材が前記出力軸の先端に固定されており、前記第一部材が前記出力軸と共に螺旋送りされ、前記静圧平面が第二の受け面側に設けられていることを特徴とする静圧継手。
  2. 前記送り装置はツイストローラ摩擦駆動装置であって、前記出力部は前記ツイストローラ摩擦駆動装置の螺旋送りされる出力軸であることを特徴とする請求項1記載の静圧継手。
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