JP4806251B2 - 酸化触媒及びイオン伝導体並びにその製造方法 - Google Patents

酸化触媒及びイオン伝導体並びにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化触媒及びイオン伝導体並びにその製造方法に関するものである。
従来、活性酸素種の一種であるO2−イオンラジカルを構成陰イオンとする無機化合物として、化学式MO(Mはアルカリ金属)で表されるアルカリ金属過酸化物が知られている。アルカリ金属過酸化物はいずれも不安定な化合物であり、300℃以下の温度で容易に分解するため、活性酸素種が有効に作用する酸化触媒やイオン伝導体などの用途には適していない。また、別の活性酸素種であるOイオンラジカルは、MgOなどの固体表面に特殊な条件下で生成したケースが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、このOイオンラジカルは、酸化力が際立って高く反応性も高いので、固体中に高濃度で生成した例はない。
ところで、金属酸化物であるカルシア・アルミナ系酸化物の一つとして、Ca12Al1433で表される化学組成を有したマイエナイトが知られている。その骨格構造は、Ca12Al1432で表され、直径約0.4nmの空隙を有する複数の籠状構造(ケージ)を備えている。骨格構造に組み込まれていない酸素は、そのケージのうち1/6の中に、O2−イオンとして、カチオンと結合できずフリーな状態で存在している。イオンのこのような状態を「包接」という。本発明者のうち細野らは、固相反応法により合成したマイエナイト多結晶のケージ内に、結晶の単位体積(cm)当たりに含まれるイオンの個数で、4×1018cm−3程度のO が包接されていることを発見した。これに基づき、細野らは、フリーな酸素の一部がO の状態でケージ内に存在するというモデルを提案している。(例えば、非特許文献2参照。)。
また、細野らは、活性酸素種であるO イオンラジカル及び/又はOイオンラジカルを1×1020cm−3以上の高濃度で包接するマイエナイト多結晶の作製に成功している(例えば、特許文献1参照。)
更に細野らは、マイエナイト多結晶を、酸素分圧100気圧以上の雰囲気で熱処理することで、活性酸素種であるO イオンラジカル及び/又はOイオンラジカルを1.7×1021cm−3の高濃度で包接するマイエナイト多結晶の作製に成功している(例えば、非特許文献3参照)。この酸素イオンラジカルの濃度は、理論限界値である2.3×1021cm−3に近い数値である。
マイエナイト結晶のケージ内に包接されたイオン(以下、「包接イオン」ともいう。)は、電子eに置換され得ることが、細野らによって示されている(例えば、非特許文献4参照。)。非特許文献4によると、その置換により得られたマイエナイト中の電子eの濃度は、理論限界値である2.3×1021cm−3に近い2.0×1021cm−3となっている。
細野らは、かかるマイエナイトの単結晶を、赤外線集光加熱によるフローティングゾーン法により作製している(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、非特許文献5によると、赤外線集光加熱によるフローティングゾーン法では、大型のマイエナイト単結晶を得ることが困難であり、また、育成されている結晶内に大量の酸素が気泡となって残存しやすくなることが明らかになった。
大型で欠陥の少ない結晶を得る方法としては、チョクラルスキー法やブリッジマン法が知られている。マイエナイトについても、白金製るつぼを用いたチョクラルスキー法による結晶育成の報告がなされている(例えば、特許文献3、4参照。)。
更に、アルゴンガスを主成分とし酸素ガスを2%含む雰囲気中でのイリジウム製るつぼを用いたチョクラルスキー法により、マイエナイト単結晶を育成したとの報告がなされている(例えば、非特許文献6参照。)。
特開2002−3218号公報 特開2003−40697号公報 特公昭50−8196号公報 特開2002−167296号公報 Aika, K.; Lunsford,J. H. J. Phys. Chem. 81, pp. 1393 (1977) H. Hosono and Y. Abe, Inorg. Chem., Vol. 26, pp.1193(1987) K. Hayashi, S. Matsutani, N. Ueda, M. Hirano, H. Hosono, Chem. Mater. 16, 104 (2003) Satoru Matsuishi et al. Science 301(2003)626 S.Watauchi et al. J. Cryst. Growth 237−239(2002)801 R. W. Whatmore et al. Mat. Res. Bull. Vol. 14, pp.967−972,1979
しかしながら、本発明者らが、白金製るつぼを用いたマイエナイト単結晶の育成を検討したところ、マイエナイト結晶は酸化力が強いため、るつぼ材の白金がマイエナイトの固体又は液体(溶融物)と接触した部分で酸化されて、その一部がコロイドとなり、結晶中に取り込まれてしまうことが明らかになった。
また、非特許文献6によると、アルゴンガスを主成分とし酸素ガスを2%含む雰囲気中でのイリジウム製るつぼを用いたチョクラルスキー法により育成したマイエナイト単結晶は、薄黄色を呈しており、しかもコロイドを含む旨、報告されている。
そこで、本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、活性酸素種であるO イオンラジカル及び/又はOイオンラジカルを十分高濃度に包接できるマイエナイト構造の結晶であって、気泡やコロイドなどの欠陥の発生が十分に抑制されたカルシア・アルミナ系酸化物結晶からなる酸化触媒及びイオン伝導体並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、化学組成が下記一般式(1)で表されるマイエナイト型の骨格構造を有しており、かつ、下記式(2)で表される条件を満足するカルシア・アルミナ系酸化物結晶を提供する。
Ca12Al14−xIr32 (1)
0.001≦x≦0.01 (2)
かかるカルシア・アルミナ系酸化物結晶は、活性酸素種であるO2−イオンラジカル及び/又はOイオンラジカルを十分高濃度に包接し、その上、気泡やコロイドなどの欠陥の発生が十分に抑制されている。
この結晶は、Ca12Al1432で表される骨格構造を有するマイエナイトに対して、+3価のアルミニウムイオン(Al3+)の一部を+4価のイリジウムイオン(Ir4+)で置換した骨格構造を有する。よって、その骨格構造中の正の電荷が増加することで、そのケージ内に包接される1価のアニオンの濃度を増大させることができる。詳細には以下に説明するとおりである。
まず、通常のCa12Al1432で表される骨格構造を有したマイエナイトでは、その骨格構造により形成された1つのケージ内に1価のアニオンが1つ包接されると仮定する。この場合、結晶内の電荷バランスから、包接されたアニオンの個数の理論限界値はケージ数の1/3に相当し、その他の2/3のケージ内にはアニオンが包接されていないことになる。よって、結晶における包接された1価のアニオンの濃度は、2.3×1021cm−3が理論限界値となる。
一方、本発明において、Ir4+は、イオン半径の近いAl3+と置換する形で、マイエナイト型の骨格構造に組み込まれる。アルミニウムは+3価が安定であるが、イリジウムは+4価が安定であるため、イリジウムイオンが骨格構造に組み込まれると、骨格構造中の正の電荷が大きくなる。よって、結晶中の電荷バランスを維持するために、ケージ内に包接された1価のアニオンの濃度が、Ca12Al1432で表される骨格構造を有したマイエナイトよりも高くなる。
ただし、Ca12Al14−xIr32におけるxの値が0.001未満であると、Ir4+の置換に伴う上記効果が発揮され難くなる。また、xの値が0.01を超えると、マイエナイト型の結晶構造を有する結晶が得られ難くなる。
このカルシア・アルミナ系酸化物結晶は、以下に記載の本発明に係るカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法により得られる。すなわち、本発明のカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法は、溶融法に基づきカルシア・アルミナ系酸化物結晶の原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、溶融液をイリジウム製るつぼ中で冷却固化させることにより、カルシア・アルミナ系酸化物結晶を育成する育成工程とを少なくとも有しており、その育成工程において、不活性ガス及び1体積%以上の酸素ガスを含有する雰囲気下で、化学組成が下記一般式(1)で表されるマイエナイト型の骨格構造を有しており、かつ、下記式(2)で表される条件を満足するカルシア・アルミナ系酸化物結晶を育成するカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法である。
Ca12Al14−xIr32 (1)
0.001≦x≦0.01 (2)
このようにして育成された結晶は、マイエナイト型の骨格構造により形成されるケージ内に、1価のアニオンが1.0×1018cm−3以上包接されていると、酸化触媒やイオン伝導体に一層有効に用いることができるので好ましい。同様の観点から、その1価のアニオンはOH、O、O 、H、F及びClからなる群より選ばれる1種以上のアニオンであると好ましい。
また、骨格構造により形成されるケージ内に包接された1価のアニオンは、電子eに置換されてもよい。置換された電子は、ケージ内に1.0×1018cm−3以上包接されていると、酸化触媒やイオン伝導体に一層有効に用いることができるので好ましい。
本発明のカルシア・アルミナ系酸化物結晶をデバイス材料として用いる場合、その結晶中の欠陥は少ない方が望ましい。しかしながら、上述のように、従来のマイエナイト結晶は、その製造時に大量の酸素が気泡となり、育成された結晶内に残存しやすいという問題点があった。また、マイエナイトは酸化力が強いので、白金などの金属がマイエナイトの固体又は液体(溶融物)と接触すると酸化されて脆くなってしまうために、白金などのるつぼは使い難いという問題点があった。実際に、本発明者らが、白金製るつぼを用いたマイエナイト単結晶の育成を検討したところ、るつぼ材の白金におけるマイエナイトの固体又は液体と接触した部分が酸化されて、その一部がコロイドとなり、マイエナイト結晶中に取り込まれてしまうことが確認された。
一方、上記本発明のカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法によると、イリジウムを、大きな結晶欠陥の原因となるコロイドとしてではなく、その結晶構造のアルミニウムイオンと置換するイオンとして取り込むことができる。したがって、気泡やコロイドのような欠陥の発生は十分に抑制される。また、得られた本発明のカルシア・アルミナ系酸化物結晶は、上述のとおり、1価のアニオンを高濃度で包接することができる。
本発明者らは、カルシア・アルミナ系酸化物結晶をイリジウム製るつぼ内で育成する際に、雰囲気中の酸素ガスの濃度が1体積%未満であると、マイエナイト型の骨格構造を有する結晶が得られ難くなり、化学組成がCaAl及びCaAlで表される骨格構造を有する2相の結晶に分離しやすくなることを見出した。そして、本発明者らは、不活性ガスを主成分とし、酸素ガスの濃度が1体積%以上である雰囲気中でカルシア・アルミナ系酸化物結晶を育成することにより、本発明のカルシア・アルミナ系酸化物結晶が得られることを見出した。
本発明のカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法は、育成工程において、雰囲気中の酸素ガス濃度が1体積%〜4体積%であると好ましい。酸素ガス濃度が4体積%を越えると、イリジウム製るつぼの構成材料の揮発速度が非常に速くなり、結晶の育成が困難となる傾向にある。酸素ガス濃度を1体積%〜4体積%に調整すると、育成された結晶内に酸素が気泡となって残存する欠陥の発生を一層抑制できる。
また、大きな寸法のカルシア・アルミナ系酸化物の単結晶を容易に得る観点から、育成工程において、チョクラルスキー法によりカルシア・アルミナ系酸化物結晶を育成すると好ましい。
本発明によれば、活性酸素種であるO イオンラジカル及び/又はOイオンラジカルを十分に高濃度に包接するマイエナイト構造の結晶であって、気泡やコロイドなどの欠陥の発生が十分に抑制されたカルシア・アルミナ系酸化物結晶からなる酸化触媒及びイオン伝導体並びにその製造方法を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明の好適な実施形態に係るカルシア・アルミナ系酸化物結晶は、化学組成が上記一般式(1)で表されるマイエナイト型の骨格構造を有しており、かつ、上記式(2)で表される条件を満足するものである。この結晶は、O2−のほか、O やOなどの1価の活性酸素種、並びに活性酸素種以外の1価のアニオンであるOH、H、F及びClのうち1種以上を、ケージ内に高濃度で包接することができる。これらの1価のアニオンの中では、本実施形態の結晶を更に効果的かつ確実に酸化触媒やイオン伝導体として用いる観点から、活性酸素種であるO 及び/又はOが好ましい。
本実施形態のカルシア・アルミナ系酸化物結晶は、骨格構造により形成されるケージ内に、1価のアニオンが1.0×1018cm−3以上包接されていると好ましい。これにより、本実施形態のカルシア・アルミナ系酸化物結晶を酸化触媒として用いると、触媒活性が一層向上し、イオン伝導体として用いると、イオン伝導性が更に向上する。なお、ケージ内に包接される1価のアニオンの濃度は、ESR分析を利用して導出することができる。
また、非特許文献4に開示された方法を用いて、ケージ内に包接された1価のアニオンの一部又は全部を電子eに置換することができる。本実施形態のカルシア・アルミナ系酸化物結晶を酸化触媒やイオン伝導体として更に有効に用いる観点から、ケージ内に包接された電子eの濃度は、1.0×1018cm−3以上であると好ましい。
本実施形態のカルシア・アルミナ系酸化物結晶は単結晶及び多結晶のいずれであってもよい。ただし、実際に結晶を産業上より有効に利用する観点からは、本実施形態のカルシア・アルミナ系酸化物結晶が単結晶であると好ましい。また、その単結晶の寸法が大きくなるほど、及び、その単結晶における欠陥が少なくなるほど好ましい。
次に、本発明の好適な実施形態に係るカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法について説明する。
上述のように、寸法が大きく、及び/又は、欠陥の少ない単結晶を得る観点から、本実施形態のカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法は、チョクラルスキー法を用いたものであると好ましい。ただし、欠陥の少ない単結晶を必要としない場合、あるいは、多結晶を製造する場合は、チョクラルスキー法を用いなくてもよい。
本実施形態のカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法は、溶融法に基づきカルシア・アルミナ系酸化物結晶の原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、その溶融液をイリジウム製るつぼ中で冷却固化させることにより、カルシア・アルミナ系酸化物結晶を育成して、その結晶インゴットを得る育成工程と、カルシア・アルミナ系酸化物の結晶インゴットを室温まで冷却する冷却工程と、冷却された結晶インゴットを所望の形状及び寸法に切り出す切断工程とを有するものである。
以下、寸法が大きく欠陥の少ない単結晶を製造するのに有効なチョクラルスキー法を用いた、カルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法について説明する。この場合、図1に示す構成を有する引き上げ装置10を用いて溶融工程、育成工程及び冷却工程における作業を行なうことが好ましい。
図1は本実施形態のカルシア・アルミナ系酸化物結晶を製造するための製造装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。
図1に示す引き上げ装置10は、高周波誘導加熱炉(2ゾーン加熱育成炉)14を有している。この高周波誘導加熱炉14は先に述べた溶融工程、育成工程及び冷却工程における作業を連続的に行うためのものである。
この高周波誘導加熱炉14は耐火性を有する側壁が筒状の有底容器であり、有底容器の形状自体は公知のチョクラルスキー法に基づく単結晶製造に使用されるものと同様である。この高周波誘導加熱炉14の底部の該側面には高周波誘導コイル15が巻回されている。そして、高周波誘導加熱炉14の内部の底面上には、イリジウム製のるつぼ17が配置されている。このるつぼ17は、高周波誘導加熱ヒータを兼ねている。そして、るつぼ17中に、カルシア・アルミナ系酸化物結晶の原料を投入し、高周波誘導コイル15に高周波誘導をかけると、るつぼ17が加熱され、カルシア・アルミナ系酸化物結晶の構成材料からなる溶融液18(融液)が得られる。
また、高周波誘導加熱炉14の溶融液18に接触しない上部内壁面には、ヒータ13(抵抗加熱ヒータ)が更に配置されている。このヒータはその加熱出力を高周波誘導コイル15に対して独立に制御することが可能となっている。
高周波誘導加熱炉14の底部中央には、高周波誘導加熱炉14の内部から外部へ貫通する開口部(図示せず)が設けられている。そして、この開口部を通じて、高周波誘導加熱炉14の外部からるつぼ支持棒16が挿入されており、るつぼ支持棒16の先端はるつぼ17の底部に接続されている。このるつぼ支持棒16を回転させることにより、高周波誘導加熱炉14中において、るつぼ17を回転させることができる。開口部とるつぼ支持棒16との間には、パッキンなどによりシールされている。
次に、引き上げ装置10を用いたより具体的な製造方法について説明する。
まず、溶融工程に先立って、るつぼ17中に、カルシア・アルミナ系酸化物結晶の原料を投入する。カルシア・アルミナ系酸化物結晶の原料としては、下記式(3);
Ca12Al1433 (3)
で表される化学組成を有する原料、化学反応によって上記式(3)で表される化学組成を有するようになる原料、下記一般式(4);
Ca12Al14−xIr33+x (4)
(式(4)中、xは上記式(2)を満足する値である。)
で表される化学組成を有する原料、あるいは、化学反応によって上記一般式(4)で表される化学組成を有するようになる原料が挙げられる。より具体的には、粉末状の炭酸カルシウム(CaO)及び酸化アルミニウム(Al)を上記化学組成になるような比で混合したもの、あるいは、カルシウム塩及びアルミニウム塩の混合物を焼結して得られるカルシウム及びアルミニウムの複合酸化物が挙げられる。
次に、溶融工程において、高周波誘導コイル15に高周波誘導をかけると、るつぼ17が加熱され、上記式(3)又は一般式(4)で表される化学組成を有する溶融駅18が得られる。
ここで、上記式(3)で表される化学組成を有する溶融液が得られた場合、次に、炉内を所望の雰囲気、すなわち不活性ガス及び1体積%以上の酸素ガスを含有する雰囲気に調整する。これにより、るつぼ材であるイリジウムが溶融液に溶け出し、最終的に得られる溶融液は上記一般式(4)で表される化学組成を有するようになる。
雰囲気中の酸素ガス濃度は、1体積%〜4体積%であると好ましい。酸素ガス濃度が4体積%を超えると、るつぼ17の構成材料の揮発速度が非常に速くなり、結果として結晶の育成が困難となる傾向にある。また、不活性ガスとしては希ガス及び窒素ガスが挙げられる。これらの不活性ガスの中では、所望のカルシア・アルミナ系酸化物結晶をより確実に得る観点から、窒素ガスが好ましい。
次に育成工程では、高周波誘導加熱炉14の上部から、種子結晶2を下部先端に固定した引き上げ棒12を溶融液18中に投入し、次いで、引き上げ棒12を引き上げながら、カルシア・アルミナ系酸化物の単結晶インゴット1を形成する。このとき、育成工程では、ヒータ13の加熱出力を調節し、溶融液18から引き上げられる単結晶インゴット1を、その断面が所定の直径となるまで育成する。こうして得られる単結晶インゴット1は、化学組成が上記一般式(1)で表されるマイエナイト型の骨格構造を有しており、かつ、上記式(2)で表される条件を満足するものである。また、その単結晶インゴット1におけるケージ内には、1価又は2価のアニオンが包接されている。
育成工程における雰囲気は、不活性ガス及び1体積%以上の酸素ガスを含有する雰囲気である。この酸素ガスの濃度が1体積%未満の場合、化学組成が上記一般式(1)で表されるマイエナイト型の骨格構造を有する単結晶を得ることが非常に困難となり、化学組成がCaAl及びCaAlで表される骨格構造を有する2相の結晶に分離しやすくなる。雰囲気中の酸素ガス濃度は、1体積%〜4体積%であると好ましい。酸素ガス濃度が4体積%を超えると、るつぼ17の構成材料の揮発速度が非常に速くなり、結晶の育成が困難となる傾向にある。また、不活性ガスとしては希ガス及び窒素ガスが挙げられる。これらの不活性ガスの中では、所望のカルシア・アルミナ系酸化物結晶をより確実に得る観点から、窒素ガスが好ましい。
次に、冷却工程ではヒータの加熱出力を調節し、育成工程後に得られる育成後の単結晶インゴット(図示せず)を冷却する。冷却工程では、育成工程における雰囲気と同様の雰囲気であってもよい。ただし、冷却工程における雰囲気中の酸素ガス濃度が1体積%未満であっても、既に結晶化した、化学式が上記一般式(1)で表されるマイエナイト型の骨格構造を有する化合物は、化学組成がCaAl及びCaAlで表される骨格構造を有する2相の結晶に分離しない。したがって、冷却工程における雰囲気は、その酸素ガス濃度が1体積%未満であってもよい。
次に、切断工程において、化学組成が上記一般式(1)で表されるマイエナイト型の骨格構造を有しており、かつ、上記式(2)で表される条件を満足する単結晶インゴット1を所望の形状及び大きさに切り出して単結晶を得る。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、別の実施形態では、非特許文献4で開示された方法により、上記好適な実施形態に係るカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法における各工程に加えて、単結晶インゴット1の骨格構造により形成されたケージ内に包接された1価のアニオンの一部又は全部を電子eに置換する工程を、更に有してもよい。これにより、ケージ内に電子eを包接した単結晶インゴットが形成される。
また、更に別の実施形態に係るカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法では、上記好適な実施形態に係るカルシア・アルミナ系酸化物結晶の製造方法における各工程に加えて、水を含むガス、水素を含むガス、フッ素を含むガス、塩素を含むガスなどの雰囲気中で加熱する工程を更に有してもよい。これにより、単結晶インゴットの骨格構造により形成されたケージ内に、OH、H、F及びClなどの1価のアニオンを包接することができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、酸化カルシウム(CaO、純度99.99質量%)106.17g及び酸化アルミニウム(Al、純度99.99質量%)113.24gの粉末状混合物を空気中、1200℃で5時間焼結し、Ca12Al1433で表される化学組成を有する粉末を得た。この粉末を、直径50mm、高さ50mm、厚み1.5mmのイリジウム製るつぼの中に原料として投入した。
次に、高周波誘導加熱炉の炉内を、窒素ガス98体積%、酸素ガス2体積%の雰囲気に調整し、その炉内で、イリジウム製るつぼに収容された上記粉末を1450℃以上に加熱し融解して溶融液を得た。
更に加熱を続けて、溶融液からの気泡の発生がなくなったことを確認した後、1mm×1mm×200mmの角柱状のイリジウム棒を種子結晶かつ引き上げ棒として用い、その先端を溶融液中に入れて種付けを行った。
次に、引上げ速度3〜10mm/hの速度でネック径10mmφの単結晶インゴットを引き上げてネック部を形成した。その後、コーン部(直胴部)の引上げを行い、直径が25mmφになった時点より、直胴部の引き上げを開始した。直胴部を育成した後、単結晶インゴットを溶融液から切り離し、冷却を開始した。
冷却終了後、得られた単結晶を取り出した。得られた単結晶インゴットは、結晶質量約84.7gであり、オレンジ色の半透明な単結晶であった。得られた単結晶インゴットの写真を図2に示す。冷却終了後のイリジウム製るつぼにクラックの発生は認められなかった。
単結晶インゴットを一部切り出して粉末状に粉砕し、リガク社製の粉末X線回折装置(商品名「RAD」)を用いて、粉末X線回折分析を行った。その結果、得られた単結晶インゴットは、マイエナイト型の骨格構造を有することが確認された。
次に、単結晶インゴットの一部を切り出し、ICP分析により、単結晶インゴット中のイリジウムイオンの含有量を測定した。その結果、単結晶インゴットは、イリジウムイオンを、アルミニウムイオンに対するモル分率で0.5%含有していることが判明した。また、単結晶インゴットがマイエナイト型の骨格構造を有し、その骨格構造の化学組成が上記一般式(1)で表され、上記式(2)で表される条件を満足するものであることが確認された。
更に、単結晶インゴットの一部を切り出し、ESR分析により、マイエナイト型の骨格構造により形成されたケージ内に包接される1価のアニオン(活性酸素種であるO 及びO)の濃度を測定した。その結果、ケージ内に包接される1価のアニオンの濃度は約1.0×1019cm−3であることが確認された。
(実施例2)
まず、炭酸カルシウム(CaCO、純度99.99質量%)784.07g及び酸化アルミニウム(Al、純度99.99質量%)465.93gを、直径80mm、高さ80mm、厚み2.0mmのイリジウム製るつぼの中に原料として投入し、それらの粉末状混合物を得た。
次に、高周波誘導加熱炉の炉内を、窒素ガス100体積%の雰囲気に調整し、その炉内で、イリジウム製るつぼに収容された上記混合物を加熱し融解して溶融液を得た。このときの混合物の融点は約1600℃であった。
次に、炉内の雰囲気を、窒素ガス98体積%、酸素ガス2体積%に調整した後、1mm×1mm×200mmの角柱状のイリジウム棒を種子結晶かつ引き上げ棒として用い、その先端を溶融液中に入れて種付けを行った。
次に、引上げ速度1〜3mm/hの速度でネック径10mmφの単結晶インゴットを引き上げてネック部を形成した。その後、コーン部(直胴部)の引上げを行い、直径が25mmφになった時点より、直胴部の引き上げを開始した。直胴部を育成した後、単結晶インゴットを溶融液から切り離し、冷却を開始した。
冷却終了後、得られた単結晶を取り出した。得られた単結晶インゴットは、結晶質量約207gであり、オレンジ色の半透明な単結晶であった。得られた単結晶インゴットの写真を図3に示す。冷却終了後のイリジウム製るつぼにクラックの発生は認められなかった。
単結晶インゴットを一部切り出して粉末状に粉砕し、リガク社製の粉末X線回折装置(商品名「RAD」)を用いて、粉末X線回折分析を行った。その結果、得られた単結晶インゴットは、マイエナイト型の骨格構造を有することが確認された。
次に、単結晶インゴットの一部を切り出し、ICP分析により、単結晶インゴット中のイリジウムイオンの含有量を測定した。その結果、単結晶インゴットは、イリジウムイオンを、アルミニウムイオンに対するモル分率で0.5%含有していることが判明した。また、単結晶インゴットがマイエナイト型の骨格構造を有し、その骨格構造の化学組成が上記一般式(1)で表され、上記式(2)で表される条件を満足するものであることが確認された。
更に、単結晶インゴットの一部を切り出し、ESR分析により、マイエナイト型の骨格構造により形成されたケージ内に包接される1価のアニオン(活性酸素種であるO 及びO)の濃度を測定した。その結果、ケージ内に包接される1価のアニオンの濃度は約1.0×1019cm−3であることが確認された。
(比較例1)
まず、酸化カルシウム(CaO、純度99.99質量%)106.17g及び酸化アルミニウム(Al、純度99.99質量%)113.24gの粉末状混合物を空気中、1200℃で5時間焼結し、Ca12Al1433で表される化学組成を有する粉末を得た。この粉末を、直径50mm、高さ50mm、厚み1.5mmのイリジウム製るつぼの中に原料として投入した。
次に、高周波誘導加熱炉の炉内を、窒素ガス100体積%の雰囲気に調整し、その炉内で、イリジウム製るつぼに収容された上記粉末を加熱し融解して溶融液を得た。このときの粉末の融点は約1600℃であった。
続いて、1mm×1mm×200mmの角柱状のイリジウム棒を種子結晶かつ引き上げ棒として用い、その先端を溶融液中に入れて種付けを行った。
次に、引上げ速度3〜10mm/hの速度でネック径10mmφの単結晶インゴットを引き上げてネック部を形成した。その後、コーン部(直胴部)の引上げを行い、直径が25mmφになった時点より、直胴部の引き上げを開始した。直胴部を育成した後、単結晶インゴットを溶融液から切り離し、冷却を開始した。
冷却終了後、得られた結晶を取り出した。得られた結晶インゴットは、結晶質量約42.0gであり、不透明な結晶であった。得られた結晶インゴットの写真を図4に示す。冷却終了後のイリジウム製るつぼにクラックの発生は認められなかった。
結晶インゴットを一部切り出して粉末状に粉砕し、リガク社製の粉末X線回折装置(商品名「RAD」)を用いて、粉末X線回折分析を行った。その結果、得られた結晶インゴットは、化学組成がCaAl及びCaAlで表される骨格構造を有する2相の結晶の混晶であることが確認された。すなわち、マイエナイト型の骨格構造を有する結晶は得られなかった。
(比較例2)
まず、酸化カルシウム(CaO、純度99.99質量%)106.17g及び酸化アルミニウム(Al、純度99.99質量%)113.24gの粉末状混合物を空気中、1200℃で5時間焼結し、Ca12Al1433で表される化学組成を有する粉末を得た。この粉末を、直径50mm、高さ50mm、厚み1.5mmの白金製るつぼの中に原料として投入した。
次に、高周波誘導加熱炉の炉内を、窒素ガス98体積%、酸素ガス2体積%の雰囲気に調整し、その炉内で、白金製るつぼに収容された上記粉末を1450℃以上に加熱し融解して溶融液を得た。
続いて、炉内の雰囲気を窒素ガス100体積%に調整して更に加熱を続けて、溶融液からの気泡の発生がなくなったことを確認した。この際、気泡の発生量は、明らかに実施例1よりも少なかった。
次に、炉内の雰囲気を窒素ガス98体積%、酸素ガス2体積%に調整した後、1mm×1mm×200mmの角柱状のイリジウム棒を種子結晶かつ引き上げ棒として用い、その先端を溶融液中に入れて種付けを行った。
次に、引上げ速度3〜10mm/hの速度でネック径10mmφの単結晶インゴットを引き上げてネック部を形成した。その後、コーン部(直胴部)の引上げを行い、直径が25mmφになった時点より、直胴部の引き上げを開始した。直胴部を育成した後、単結晶インゴットを溶融液から切り離し、冷却を開始した。
冷却終了後、得られた結晶を取り出した。得られた結晶インゴットは、結晶質量約83.5gであり、白金をコロイドとして含み、薄い黄色の不透明な結晶であった。また、結晶表面に多数の割れの発生が認められた。得られた結晶インゴットの写真を図5に示す。冷却終了後の白金製るつぼにクラックの発生は認められなかった。
結晶インゴットを一部切り出して粉末状に粉砕し、リガク社製の粉末X線回折装置(商品名「RAD」)を用いて、粉末X線回折分析を行った。その結果、得られた結晶インゴットはマイエナイト型の骨格構造を有することが確認された。
本発明のカルシア・アルミナ系酸化物結晶を製造するための製造装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。 実施例1で得られた単結晶インゴットの写真である。 実施例2で得られた単結晶インゴットの写真である。 比較例1で得られた結晶インゴットの写真である。 比較例2で得られた結晶インゴットの写真である。
符号の説明
1…単結晶インゴット、2…種子結晶、10…引き上げ装置、12…引き上げ棒、13…抵抗加熱ヒータ、14…高周波誘導加熱炉(2ゾーン加熱育成炉)、15…高周波誘導コイル、16…るつぼ支持棒、17…るつぼ、18…溶融液。

Claims (8)

  1. アルミニウムイオンの一部がイリジウムイオンで置換されたマイエナイト型の骨格構造を有するカルシア・アルミナ系酸化物単結晶からなり、前記骨格構造により形成されるケージ内に、1価のアニオンが1.0×1018cm−3以上包接されている酸化触媒。
  2. 前記アニオンが、OH、O、O 、H、F及びClからなる群より選ばれる1種以上のアニオンである、請求項1に記載の酸化触媒。
  3. アルミニウムイオンの一部がイリジウムイオンで置換されたマイエナイト型の骨格構造を有するカルシア・アルミナ系酸化物単結晶からなり、前記骨格構造により形成されるケージ内に、電子が1.0×1018cm−3以上包接されている酸化触媒。
  4. アルミニウムイオンの一部がイリジウムイオンで置換されたマイエナイト型の骨格構造を有するカルシア・アルミナ系酸化物単結晶からなり、前記骨格構造により形成されるケージ内に、1価のアニオンが1.0×1018cm−3以上包接されているイオン伝導体。
  5. 前記アニオンが、OH、O、O 、H、F及びClからなる群より選ばれる1種以上のアニオンである、請求項4に記載のイオン伝導体。
  6. カルシア・アルミナ系酸化物単結晶からなる酸化触媒の製造方法であって、
    溶融法に基づき前記カルシア・アルミナ系酸化物単結晶の原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、
    前記溶融液をイリジウム製るつぼ中で冷却固化させることにより、前記カルシア・アルミナ系酸化物単結晶をチョクラルスキー法により育成する育成工程と、を少なくとも有しており、
    前記育成工程において、窒素ガス及び1体積%〜4体積%の酸素ガスを含有する雰囲気下で、アルミニウムイオンの一部がイリジウムイオンで置換されたマイエナイト型の骨格構造を有し、前記骨格構造により形成されるケージ内に、1価のアニオンが1.0×1018cm−3以上包接されているカルシア・アルミナ系酸化物単結晶を育成する、酸化触媒の製造方法。
  7. カルシア・アルミナ系酸化物単結晶からなる酸化触媒の製造方法であって、
    溶融法に基づき前記カルシア・アルミナ系酸化物単結晶の原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、
    前記溶融液をイリジウム製るつぼ中で冷却固化させることにより、前記カルシア・アルミナ系酸化物単結晶をチョクラルスキー法により育成する育成工程と、を少なくとも有しており、
    前記育成工程において、窒素ガス及び1体積%〜4体積%の酸素ガスを含有する雰囲気下で、アルミニウムイオンの一部がイリジウムイオンで置換されたマイエナイト型の骨格構造を有し、前記骨格構造により形成されるケージ内に、電子が1.0×1018cm−3以上包接されているカルシア・アルミナ系酸化物単結晶を育成する、酸化触媒の製造方法。
  8. カルシア・アルミナ系酸化物単結晶からなるイオン伝導体の製造方法であって、
    溶融法に基づき前記カルシア・アルミナ系酸化物単結晶の原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、
    前記溶融液をイリジウム製るつぼ中で冷却固化させることにより、前記カルシア・アルミナ系酸化物単結晶をチョクラルスキー法により育成する育成工程と、を少なくとも有しており、
    前記育成工程において、窒素ガス及び1体積%〜4体積%の酸素ガスを含有する雰囲気下で、アルミニウムイオンの一部がイリジウムイオンで置換されたマイエナイト型の骨格構造を有し、前記骨格構造により形成されるケージ内に、1価のアニオンが1.0×1018cm−3以上包接されているカルシア・アルミナ系酸化物単結晶を育成する、イオン伝導体の製造方法。
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