JP4804331B2 - スピニングリールのリール本体 - Google Patents

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本発明は、リール本体、特に、釣り竿に装着され、前方に釣り糸を繰り出し可能なスピニングリールのリール本体に関する。
スピニングリールは、リール本体と、リール本体の前部に回転自在に装着されたロータと、ロータにより釣り糸が外周面に巻き付けられるスプールとを備えている。リール本体は、内部に側部が開口する収納空間を有するリールボディと、リールボディの開口を塞ぐためにリールボディに着脱自在に装着される蓋部材と、を有している。従来のリール本体は、蓋体部を筐体部の複数箇所にビスなどのねじ部材をねじ込むことにより蓋体部が筐体部に固定されている。このように、ねじ部材により蓋体部を筐体部に固定すると、ねじ部材の頭部を収納する凹部が外観に表れるので、高級感がある外観が得られにくい。また、凹部に餌やゴミなどの異物が付着するおそれがある
このような問題を解決するためにねじ部材が外観に表れないリール本体を有するスピニングリールの従来知られている(たとえば、特許文献1参照)。従来のスピニングリールのリール本体は、リールボディと蓋部材とを有しており、リールボディ及び蓋部材の前部は、ロータ内に配置され、前部に配置されたねじ部材により蓋部材が固定されている。また、リールボディ及び蓋部材の後部はカバー部材により覆われている。このカバー部材は、リール本体の前部から挿入された2本のねじ部材(固定部材の一例)でリールボディに固定されている。カバー部材を固定する固定部材は、リール本体のリール本体の左右に1本ずつ配置されスプール軸に沿って前後に延びて配置されている。このような構成の従来のリール本体では、カバー部材をロータ側から挿入した固定部材により固定しているので、カバー部材を装着してもリール本体の後部にねじ部材が露出しない。
実公平6−21336号公報
前記従来の構成では、リール本体の後部に固定部材が露出しない。このため、リールの外観の意匠を向上させることができる。しかし、リール本体をスプール軸に沿って貫通する長さが長い2本の固定部材を用いてカバー部材をリール本体に固定しているので、収納空間内を真っ直ぐに通して固定部材をカバー部材にねじ込むのが難しく、カバー部材の固定を容易に行いにくい。
本発明の課題は、スピニングリールのリール本体において、固定部材の後部への露出を抑えてカバー部材を容易に固定できるようにすることにある。
発明1に係るスピニングリールのリール本体は、釣り竿に装着され、前方に釣り糸を繰り出し可能なリール本体であって、リールボディと、蓋部材と、カバー部材と、保持部材と、を備えている。リールボディは、側部が開口する収納空間と、収納空間に連通する第1挿通部と、第1挿通部と逆側に配置され収納空間に連通する第2挿通部と、を有するものである。蓋部材は、収納空間を塞ぐためにリールボディに着脱自在に装着される部材である。カバー部材は、リールボディ及び蓋部材を覆うように後方から装着される部材であり、リールボディの後部から第1挿通部を通って収納空間内に向かって突出するボス部を有している。保持部材は、収納空間内でリールボディ及び蓋部材のいずれか一方に移動不能に設けられ、収納空間においてボス部の前端部を固定する固定部材を保持する部材である。
このリール本体では、カバー部材をリールボディ(又は蓋部材)に固定する際には、保持部材に固定部材を予め保持させておく。そして、カバー部材を固定するためにボス部を第1挿通部を通して収納空間の内部に配置する。ボス部が収納空間内に配置されるようにカバー部材を装着すると、リールボディの外部からドライバーやアーレンキーなどの工具を第2挿通部に挿通し、保持部材に保持された固定部材に回転等の運動を与えることによりボス部の前端部を保持部材に固定する。これにより、カバー部材がリールボディ(又は蓋部材)に固定される。ここでは、リールボディ(又は蓋部材)に対して移動不能な保持部材に保持された固定部材を外部から工具により運動させてボス部の前端部を保持部材に固定することにより、カバー部材を固定できるので、固定部材にねじ部材を用いても、長さが短いねじ部材を用いることができる。このため、カバー部材を容易に固定できるとともに、リール本体の後部にねじ部材が露出しないようにすることができる。
発明2に係るスピニングリールのリール本体は、発明に記載のリール本体において、リールボディは、第2挿通部を閉塞可能な閉塞部材をさらに有している。この場合には、第2挿通部を設けてもリールボディの密閉性を高めることできる。
発明3に係るスピニングリールのリール本体は、発明1又は2に記載のリール本体において、固定部材は、頭部と、頭部より小径となるように形成され外周部に雄ねじ部が形成された軸部とを有するねじ部材であり、ボス部は、先端部にねじ部材の雄ねじ部が螺合する雌ねじ部を有している。この場合には、ねじ部材の頭部がリール本体の後部に露出しない。
発明4に係るスピニングリールのリール本体は、発明に記載のリール本体において、ねじ部材は、タッピングビスであり、雌ねじ部は、タッピングビスにより形成される。この場合には、雌ねじ部を予めネジ加工で形成する必要がないので、加工コストを削減できる。
発明5に係るスピニングリールのリール本体は、発明1から4のいずれかに記載のリール本体において、保持部材は、リールボディと別体で形成されている。この場合には、リールボディや保持部材が単純な形状にできるので、それらを形成しやすい。
発明6に係るスピニングリールのリール本体は、発明5に記載のリール本体において、リールボディは、収納空間の内部に形成された被係止部を有し、保持部材は、リールボディに対して相対移動不能に装着するために、被係止部に係止可能な係止部を有している。この場合には、係止するだけで保持部材をリールボディに対して移動不能にできるので、移動不能に連結する構成が簡素化する。
発明7に係るスピニングリールのリール本体は、発明1から4のいずれかに記載のリール本体において、保持部材は、リールボディと一体で形成されている。この場合には、保持部材をリールボディに移動不能に連結する必要がないので保持部材の構成が簡素化する。
発明8に係るスピニングリールのリール本体は、発明3から7のいずれかに記載のリール本体において、保持部材は、ねじ部材の軸部が貫通する貫通孔を有している。この場合には、ねじ部材を保持部材の貫通孔で保持することができる。
発明9に係るスピニングリールのリール本体は、発明8に記載のリール本体において、保持部材は、ねじ部材の頭部を収容可能な頭部収容部をさらに有している。この場合には、ねじ部材の頭部が頭部収容部に収容されるので、カバー部材の固定前にねじ部材が脱落しにくい。
本発明によれば、固定部材を保持する保持部材を収納空間内にリールボディ(又は蓋部材)に対して移動不能に配置し、保持された固定部材を外部から工具によりボス部の前端部に固定することにより、カバー部材を固定できるので、固定部材にねじ部材を用いても、長さが短いねじ部材を用いることができる。このため、カバー部材を容易に固定できるとともに、リール本体の後部にねじ部材が露出しないようにすることができる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を採用したスピニングリールは、図1に示すように、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。なお、ハンドル1はリール本体2の左右いずれにも装着可能である。
<リール本体の構成>
リール本体2は、図2及び図3に示すように、側部が開口する収納空間RAを内部に有するリールボディ2aと、リールボディ2aの収納空間RAを塞ぐためにリールボディ2aに着脱自在に装着される蓋部材2b(図3)と、を有している。また、リール本体2は、リールボディ2a及び蓋部材2bの後部を覆う本体ガード(カバー部材の一例)26と、収納空間RAにリールボディ2aに対して移動不能に設けられ、収納空間RAにおいて本体ガード26の前端部に固定されるねじ部材28(固定部材の一例)を保持する保持部材27と、を有している。
リールボディ2aは、たとえば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の軽合金製のものであり、上部に前後に延びるT字形の竿取付脚2cが一体形成されている。リールボディ2aの収納空間RA内には、図2に示すように、ロータ駆動機構5と、オシレーティング機構6とが設けられている。リールボディ2aの後部には、第1挿通孔(第一挿通部の一例)2qが前後方向に沿って形成されている。リールボディ2aの前端には、図3に示すように、円形のフランジ部2dを構成する概ね半円形の第1フランジ2d1と、フランジ部2dより小径で先端が開口する円筒部2eとが形成されている。第1フランジ2d1の上部には、本体ガード26を固定するねじ部材28を回すための工具を収納空間RAに挿通可能な第2挿通孔(第2挿通部の一例)2jが形成されている。第2挿通孔2jは、第1挿通孔2qと逆側の対向した位置に同芯に配置されている。ねじ部材28により本体ガード26を固定した後に、第挿通孔2は、たとえば弾性体製のキャップ(閉塞部材の一例)39により塞がれている。
図5及び図6に示すように、ねじ部材28は、頭部28aと、頭部28aより小径となるように形成され外周部に雄ねじ部28cが形成された軸部28bとを有する部材である。第2挿通孔2jは、たとえば、ねじ部材28の頭部28aに係合するドライバーやアーレンキーの軸部分が挿通可能な内径を有している。円筒部2eのフランジ部2d側の基端部には、断面が円形状に切り欠かれた装着溝2fが形成されている。また、装着溝2fには、図3に示すように、後述するベールアーム44を糸解放姿勢にしたときにロータ3を制動可能なロータ制動機構57の弾性体製の制動部材58が装着されている。
蓋部材2bは、たとえば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の軽合金製のものである。蓋部材2bは、たとえば、ロータ3で隠れる前側の2箇所で固定ボルト80によりリールボディ2aに固定されている。また、蓋部材2bは、ロータ3から離反する後側の1箇所で固定ボルト82によりリールボディ2aに固定されている。なお、固定ボルト82は、本体ガード26によりカバーされる位置で蓋部材2bをリールボディ2aに固定する。
蓋部材2bの前端には、第1フランジ2d1とで円形のフランジ部2dを構成する概ね半円形の第2フランジ2d2が形成されている。第2フランジ2d2の前面には、固定ボルト80が貫通する板状部2iが一体形成されている。板状部2iは、蓋部材2bの前部をリールボディ2aに固定ボルト80によりねじ止め固定するために設けられている。板状部2iは、シール部材25を装着するための、概ねC字状のシール装着部2hの外側に前方に突出して形成されている。板状部2iは、上下に長い板状の部分であり、その両端に固定ボルト80が貫通する1対の貫通孔2kが形成されている。貫通孔2k形成部分の間は、貫通孔2k形成部分より突出量が小さくなっている。すなわち、板状部2iは、両端が略半円形に同じ厚みで突出し、その間が貫通孔2kの中心位置より僅かに後方に凹むように第2フランジ2d2から突出して形成されている。
シール部材25は、合成樹脂製のC字状に形成された部材であり、蓋部材2bとリールボディ2aのフランジ分割部分をシールするために設けられている。リールボディ2aと蓋部材2bとの分割部分には、後述する切換部材56が着脱自在に装着されている。
円筒部2eの装着溝2f形成部分には、板状部2iが配置される凹部2gが形成されている。この凹部2gには、制動部材58の凹みを防止するための突出部材81が装着される。凹部2gは、板状部2iの輪郭に沿うように凹んで形成されており、上下方向の両端部が中間部分より前方に突出するように略半円形に凹んでいる。板状部2iは、2本の固定ボルト80により、リールボディ2aの凹部2gに固定されている。したがって、凹部2gには、固定ボルト80が螺合するねじ孔2mが上下に間隔を隔てて配置されている。
本体ガード26は、図3に示すように、リールボディ2a及び蓋部材2bを覆うように後方から装着された部材である。具体的には、本体ガード26は、姿合わせのためのパッキン26bを介して竿取付脚2cを含むリールボディ2a及び蓋部材2bの後部に形成された凹み部2nに装着される。本体ガード26は、ねじ部材28によりねじ止め固定される棒状のボス部26aを有している。ボス部26aは、リールボディ2aの後部から第1挿通孔2qを貫通して収納空間RA内に向かって突出可能に形成されている。
ボス部26aの先端は、リールボディ2aの後部を貫通して保持部材27に対向する位置まで突出している。ボス部26aの先端は、ねじ部材28により保持部材27の後端部にねじ止め固定される。このため、ボス部26aの先端には、雌ねじ部が形成されたねじ孔26dが予め形成されている。本体ガード26は、保持部材27がリールボディ2aに移動不能に装着された状態で、保持部材27にねじ部材28によりねじ止め固定されることで、リールボディ2aに固定される。
保持部材27は、図4から図6に示すように、筒状の保持部本体27aと、保持部本体27aの外周面から外方に突出する規制部27bと、保持部本体27aの外周面の規制部と直交する方向に突出する1対の係止部27cと、を有している。保持部本体27aの内周面には、ねじ部材28の頭部28aを収容可能な円形の頭部収容部27dと、頭部収容部27dより小径の貫通孔27eとが形成されている。これらの頭部収容部27d及び貫通孔27eは、保持部材27がリールボディ2aに装着された状態で、第1及び第2挿通孔2q,2jと同芯に配置されるように形成されている。また、本体ガード26が装着された状態でボス部26aの前端面と保持部材27の後端面との間には僅かな隙間(たとえば、1mm〜5mmの隙間)が形成されるようになっている。これにより、ねじ部材28により本体ガード26をリールボディ2aに装着したときに、凹み部2nに本体ガード26の周縁部が接触した状態で、本体ガード26が、隙間の分だけさらにリールボディ2a側に引き込まれ、パッキン26bを介して僅かに弾性変形してリールボディ2aに隙間なく装着される。
頭部収容部27dは、ねじ部材28の頭部28aを収容可能に頭部28aに対して僅かな隙間で嵌合する内径を有している。貫通孔27eは、ねじ部材28の軸部28bを保持可能に軸部28bの最大径と同じか僅かに小さい内径を有している。規制部27bは、保持部本体27aの外周面の中心からずれた位置から概ね矩形状に突出している。規制部27bは、図4に示すように、リールボディ2aの側壁面に形成された段差部2sと蓋部材2bの端面とにより挟持され、スプール軸15と食い違う方向の移動が規制されている。係止部27cは、図5に示すように、棒状に径方向に突出しており、ねじ部材28の軸方向に間隔を隔てて配置されている。係止部27cは、図4に示すように、リールボディ2aの側壁に形成された被係止部2tに係合している。これにより、保持部材27を収納空間RAにリールボディ2aに対して移動不能に設けることができる。なお、ねじ部材28は、図6に二点鎖線で示すように、リール本体2の組立時には、ねじ部材28の軸部28bが貫通孔27eから突出しないように、軸部28bの先端が貫通孔27eに保持されている。
このリール本体2では、リールボディ2aに蓋部材2bを固定する固定ボルト82が本体ガード26によりカバーされ、固定ボルト80がロータ3によりカバーされるので、ボルト類が外部から見えない。また、本体ガード26を取り付けるためのねじ部材28もキャップ39により覆われている。このため、全てのねじ部材が外部に露出しないすっきりとした外観を得ることができる。
また、ねじ部材28を保持する保持部材27を収納空間RA内にリールボディ2aに対して移動不能に配置し、保持されたねじ部材28を外部から工具によりボス部26aの前端部に固定することにより、本体ガード26を固定できるので、長さが短いねじ部材28を用いることができる。このため、本体ガード26を容易に固定できるとともに、リール本体2の後部にねじ部材28が露出しないようにすることができる。
<スピニングリールのその他の構成>
ロータ駆動機構5は、図2及び図4に示すように、ハンドル1が固定されたマスターギア軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、ピニオンギア12の前部はロータ3の中心部を貫通し、ナット13によりロータ3に固定されている。また、ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受14a、14bを介してリール本体2に回転自在に支持されている。
図4に示すように、フェースギア11は、マスターギア軸10と一体又は別体(この実施形態では一体)に形成されている。マスターギア軸10の両端外周面には、ハンドル1のハンドル軸1aの外周側に配置された軸つば部材1bを印ろう結合するための結合雄部10aが他の部分より小径に形成されている。また、軸つば部材1bの端部内周面には、結合雄部10aの外周面に嵌合する結合雌部1cが形成されている。これにより、軸つば部材1bがマスターギア軸10と同芯に配置され、軸つば部材1bのがたつきが生じにくくなる。
オシレーティング機構6は、図2及び図4に示すように、スプール4の中心部にドラグ機構60を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15の下方に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中間ギア23はピニオンギア12に噛み合っている。
ロータ3は、図2に示すように、リール本体2に対して前後方向の第1軸X回りに回転自在なロータ本体7と、ロータ本体7の後部を覆う後カバー部材33と、第1及び第2ロータアーム31,32の外側面を各別に覆う1対の外側カバー部材34a,34bと、を有している。
ロータ本体7は、たとえばマグネシウム合金やアルミニウム合金製等の軽合金製であり、ピニオンギア12に回転不能に連結され、リール本体2に対して回転自在である。ロータ本体7は、リール本体2の前部である円筒部2eを内部に配置可能に後部に形成された凹陥部30aを有する筒部30と、筒部30の後部の対向する位置に接続され筒部30と間隔を隔てて前方に延びる第1及び第2ロータアーム31,32と、を有している。
筒部30は、前部内周側に円板状の壁部30dを有し、壁部30dの中心部には、ピニオンギア12と一体回転可能に連結される環状ボス部30eが形成されている。このボス部30eの中心にピニオンギア12の前部が回転不能に係止され、ピニオンギア12の先端にねじ込まれたナット13により、ロータ本体7がピニオンギア12に固定されている。ロータ3は、ローラ型のワンウェイクラッチ51を有する逆転防止機構50により逆転禁止状態と逆転許可状態とに切り換え可能である。この切換操作は、リール本体2の下部に配置された切換レバー52aにより行える。
第1ロータアーム31の先端の外周側には、第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのラインローラ41が装着されている。また、第2ロータアーム32の先端内周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。
ラインローラ41と第2ベール支持部材42との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。これらの第1ベール支持部材40、第2ベール支持部材42、ラインローラ41及びベール43により釣り糸をスプール4に案内するベールアーム44が構成される。ベールアーム44は、図2に示す糸案内姿勢とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
ロータ3の筒部30の内部には、図2に示すように、ロータ3の逆転を禁止・解除するための逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、内輪が遊転するローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態(逆転禁止状態)と非作動状態(逆転許可状態)とに切り換える切換機構52とを有している。切換機構52は、リールボディ2aに揺動自在に装着された切換レバー52aを有している。切換レバー52aは、図1に示すように、切換レバー52aの基端部を貫通する揺動軸52bに固定ボルト52cにより固定されている。揺動軸52bの先端には図示しない回転カムが固定されており、切換レバー52aを揺動させると、カムによりワンウェイクラッチ51が作動状態と非作動状態とに切り換わる。この固定ボルト52cは、蓋部材2bで隠れる位置に配置されている。これにより固定ボルト52cが外部に露出しなくなり目立たなくなる。
スプール4は、図2に示すように、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して装着されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻かれる糸巻き胴部4aと、糸巻き胴部4aの後方に糸巻き胴部4aと一体形成された筒状のスカート部4bと、糸巻き胴部4aの前端に設けられた大径のフランジ部4cとを有している。フランジ部4cは、糸巻き胴部4aと一体形成された内フランジ部4dと、内フランジ部4dの外周側に着脱自在に装着された、たとえば硬質セラミック製のリング状の外フランジ部4eとを有している。外フランジ部4eは、糸巻き胴部4aの内周面にねじ込まれたフランジ固定部材9により内フランジ部4dに固定されている。
ドラグ機構60は、スプール4の回転を制動するものであり、スプール軸15の先端に螺合するドラグ調整つまみ61と、ドラグ調整つまみ61により押圧されてスプール4を制動する制動部62とを有している。
<リール本体の組立手順>
このような構成のスピニングリールでは、リール本体2内にロータ駆動機構5やオシレーティング機構6を装着するとともに、円筒部2e内に逆転防止機構50を装着する。また、保持部材27の係止部27cを被係止部2tに係合させることによりリールボディ2aに装着する。この装着前に、保持部材27の内部にねじ部材28を挿入し、貫通孔27eでねじ部材28の軸部28bの先端を図6に2点鎖線で示す位置に保持しておく。この状態で蓋部材2bをリールボディ2aにかぶせて固定ボルト80,82によりリールボディ2aに固定する。次に、リールボディ2a及び蓋部材2bの後方から本体ガード26を装着する。そして、ドライバーやアーレンキーなどの工具を利用してねじ部材28を押圧しながらねじ孔26dにねじ込み、保持部材27を介して本体ガード26をリールボディ2aに固定する。このとき、前述したように、本体ガード26のボス部26aの前端面と保持部材27の後端面との間に僅かな隙間があるので、ねじ部材28を締め込んでいくと、本体ガード26の周縁部が凹み部2nの縁部に接触しても、本体ガード26をリールボディ2a側に引き込むことができ、本体ガード26がパッキン26bを介して僅かに弾性変形してリールボディ2aに隙間なく装着される。これらの作業が終わると、第2挿通孔2jにキャップ39を装着して第2挿通孔2jをカバーする。これにより、リール本体2の組立作業が完了する。
第1実施形態では、ねじ部材28を保持する保持部材27をリールボディ2aと別体にし、保持部材27を収納空間RA内にリールボディ2aに対して移動不能に配置している。そして、保持されたねじ部材28を外部から工具によりボス部26aの前端部に固定することにより、本体ガード26を固定している。このため、長さが短いねじ部材28を用いることができ、本体ガード26を容易に固定できるとともに、リール本体2の後部にねじ部材28が露出しないようにすることができる。
<第2実施形態>
図7に示すように、第2実施形態によるリール本体102の保持部材127は、リールボディ102aと一体形成されている。また、ねじ部材128として、ねじ込み時に雌ねじ部を形成可能なタッピングビスを用いている。
図7において、保持部材127は、リールボディ102aのたとえば上部又は側壁と一体形成された板状の部材である。保持部材127には、第1及び第2挿通孔2q,2jと同芯に、頭部収容部127d及び貫通孔127eが形成されている。頭部収容部127dには、ねじ部材128の頭部128aを収容可能であり、貫通孔127eには、ねじ部材128の軸部128bが保持可能である。
本体ガード126のボス部126aの前端面には、ねじ部材128により雌ねじ部が形成されるねじ孔126dが形成されている。
このような構成の第2実施形態でも、第1実施形態と同様な作用効果を奏する。この場合、保持部材127をリールボディ102aに移動不能に連結する必要がないので保持部材127の構成が簡素化する。
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、固定部材としてねじ部材を例示したが、本発明の固定部材はねじ部材に限定されない。たとえば、先端に折れ曲がる鉤部を有する固定部材としての係止部材を保持部材に予め装着し、ボス部に鉤部に係止される被係止溝を形成してもよいこの場合、係止部材の前端面に工具を係止可能な十字や六角形の凹部を形成すればよい。
(b)前記実施形態では、本体ガードが竿取付脚2cもカバーしているが、本発明の本体ガードは、リールボディや蓋部材を覆うように後方から装着されるものであればどのようなものでもよい。たとえば、リールボディと蓋部材だけをカバーするものでもよく、それらを別々にカバーするものでもよい。
(c)前記実施形態では、保持部材をリールボディに対して移動不能に設けたが、蓋部材に移動不能に設けてもよい。
(d)前記実施形態では、第1挿通孔2qと第2挿通孔2jとが同芯に対向して配置されていたが、同芯でなくてもよい。
(e)前記実施形態では、第1及び第2挿通部を第1及び第2挿通孔2q,2jで構成したが、第1及び第2挿通部は孔ではなく切欠き等で構成してもよい。
(f)前記実施形態では、第2挿通孔2jをキャップ39に塞いでいるが、キャップ39を用いずに、制動部材58や逆転防止機構50のワンウェイクラッチ51等のリールに用いられる他の部品で第2挿通孔2jを塞ぐようにしてもよい。
本発明の第1実施形態を採用したスピニングリールの側面図。 その側面断面図。 そのリール本体の分解斜視図。 図2のIV−IV断面図。 その本体ガード装着部分の分解斜視拡大図。 その本体ガード装着部分の断面拡大図。 第2実施形態の図6に相当する図。
符号の説明
2,102 リール本体
2q,2j 第1及び第2挿通孔(第1及び第2挿通部の一例)
2t 被係止部
2a,102a リールボディ
2b 蓋部材
26,126 本体ガード
26a,126a ボス部
26d,126d ねじ孔(雌ねじ部の一例)
27,127 保持部材
27b 係止部
27d,127d 頭部収容部
27e,127e 貫通孔
28,128 ねじ部材(固定部材の一例)
28a,128a 頭部
28b,128b 軸部
28c 雄ねじ部
39 キャップ(閉塞部材の一例)
RA 収納空間

Claims (9)

  1. 釣り竿に装着され、前方に釣り糸を繰り出し可能なスピニングリールのリール本体であって、
    側部が開口する収納空間と、前記収納空間に連通する第1挿通部と、前記第1挿通部と逆側に配置され前記収納空間に連通する第2挿通部と、を有するリールボディと、
    前記収納空間を塞ぐために前記リールボディに着脱自在に装着される蓋部材と、
    前記リールボディ及び蓋部材を覆うように後方から装着され、前記リールボディの後部から前記第1挿通部を通って前記収納空間内に向かって突出するボス部を有するカバー部材と、
    前記収納空間内で前記リールボディ及び前記蓋部材のいずれか一方に移動不能に設けられ、前記収納空間において前記ボス部の前端部を固定する固定部材を保持する保持部材と、
    を備えたスピニングリールのリール本体。
  2. 前記リールボディは、前記第2挿通部を閉塞可能な閉塞部材をさらに有している、請求項に記載のスピニングリールのリール本体。
  3. 前記固定部材は、基端部に形成された頭部と、先端部に前記頭部より小径となるように形成され外周部に雄ねじ部が形成された軸部とを有するねじ部材であり、
    前記ボス部は、先端部に前記ねじ部材の前記雄ねじ部が螺合する雌ねじ部を有している、請求項1又は2に記載のスピニングリールのリール本体。
  4. 前記ねじ部材は、タッピングビスであり、
    前記雌ねじ部は、前記タッピングビスにより形成される、請求項3に記載のスピニングリールのリール本体。
  5. 前記保持部材は、前記リールボディと別体で形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のスピニングリールのリール本体。
  6. 前記リールボディは、前記収納空間の内部に形成された被係止部を有し、
    前記保持部材は、前記リールボディに対して相対移動不能に装着するために、前記被係止部に係止可能な係止部を有している、請求項5に記載のスピニングリールのリール本体。
  7. 前記保持部材は、前記リールボディと一体で形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のスピニングリールのリール本体。
  8. 前記保持部材は、前記ねじ部材の前記軸部が貫通する貫通孔を有している、請求項3から7のいずれか1項に記載のスピニングリールのリール本体。
  9. 前記保持部材は、前記ねじ部材の前記頭部を収容可能な頭部収容部をさらに有している、請求項8に記載のスピニングリールのリール本体。
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