JP4803146B2 - 有機薄膜太陽電池 - Google Patents

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本発明は、C70フラーレン誘導体を用いた有機薄膜太陽電池に関するものである。
有機薄膜太陽電池は、2つの異種電極間に、電子供与性および電子受容性の機能を有する有機薄膜を配置してなる太陽電池であり、シリコンなどに代表される無機太陽電池に比べ製造工程が容易であり、かつ低コストで大面積化が可能であるという利点を持つ。しかしながら、有機薄膜太陽電池では、無機太陽電池に比べると光電変換効率が低いことから実用に供することは困難であり、光電変換効率の高効率化が最大の課題となっている。
最近では、有機薄膜太陽電池の光電変換効率を向上させるために、有機薄膜に用いられる有機材料の特徴を生かした工夫が試みられている(非特許文献1および非特許文献2参照)。
例えば、光電変換効率を向上させるためにpn接合部分を拡張させる方法として、電子供与性を有するp型有機半導体と電子受容性を有するn型有機半導体とを混合するという方法が知られている。p型有機半導体とn型有機半導体とを混合することにより、分子レベルでのpn接合が膜中に広く形成されるため、光電変換に寄与できる体積が増すのである。
このような混合型の有機薄膜太陽電池の例として、非特許文献1には、ポリフェニレンビニレン系のp型共役ポリマー(MEH-PPV)およびn型有機半導体であるフラーレン誘導体(C60PCBM)を用いた有機薄膜太陽電池が挙げられている。
フラーレンおよびその誘導体は、膜中で電荷分離状態を比較的長く保つことができることから、混合型の有機薄膜太陽電池に好適に用いられている。
フラーレンとしては主にC60が研究されている。また、C60以外の高次フラーレンのうちC70は比較的入手しやすいことから、最近ではC70も注目されている(例えば特許文献1参照)。
一般に、フラーレンでは、炭素数の増加に伴い、吸収スペクトルの吸収の立ち上がりが長波長側にシフトしていくことが知られている。すなわち、C60に比べてC70は太陽光のより長波長側のエネルギーを吸収できる。そのため、C70ではより多くの電気を起こすことが可能となる。
また、光電変換効率の向上には、有機材料中の不純物の除去が効果的であることが知られている。しかしながら、有機材料の種類によっては純度を比較的高くしても十分な光電変換効率が得られない場合があった。
さらに、光電変換効率の向上のために、有機材料の純度を高めるのではなく、有機材料に添加剤を積極的に混合する方法も知られている。
このように、光電変換効率の高効率化については未だ改良が望まれている。
MATERIAL STAGE vol.2,No.9 2002 p.37-42 中村潤一ら著「有機薄膜太陽電池‐ドナー・アクセプター相互作用の活用‐」 応用物理 第71巻 第4号(2002)p.425-428 昆野昭則著「有機太陽電池の現状と展望」 特表2006−518110号公報
光電変換効率をさらに向上させるには、光電変換層の構成を最適化する必要がある。特に、電気伝導性との相関が強い有機材料の膜中での分散状態の制御は、光電変換効率を向上させるために重要である。
膜中での電子受容性材料の分散状態は電子伝導性へ影響を与えることが知られており、複数の分子が集合(凝集)している領域では導電性が高くなり、分子同士の距離が離れている領域では導電性が低くなる傾向がある。このため、光電変換層内において電子受容性材料同士が集合(凝集)しやすい条件を整えることが重要である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、C70フラーレン誘導体を用い、光電変換効率に優れる有機薄膜太陽電池を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、C70フラーレン誘導体および電子供与性材料を含有する光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、上記C70フラーレン誘導体が、1個の置換基を有し、2種類の位置異性体をもつものであり、上記光電変換層に含有される上記C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が95%以上であることを特徴とする有機薄膜太陽電池を提供する。
本発明によれば、C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が所定の値以上であるので、光電変換層内でその一方の位置異性体同士の凝集が促進され、導電性が高まると考えられる。それにより、光電変換効率を向上させることが可能となる。
上記発明においては、上記電子供与性材料がポリチオフェンであることが好ましい。電荷分離反応が進行する際のエネルギー準位差が適当だからである。
また本発明においては、上記第1電極層と上記光電変換層との間に正孔取出し層が形成されていることが好ましい。第1電極層が正孔取出し電極である場合は、正孔取出し層を設けることにより、光電変換層から正孔取出し電極への正孔取出し効率が高められるからである。
さらに本発明は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、C70フラーレン誘導体および電子供与性材料を含有する光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、上記C70フラーレン誘導体が、1個の置換基を有し、2種類の位置異性体をもつものである有機薄膜太陽電池の製造方法であって、上記C70フラーレン誘導体を含有する複数種のフラーレン誘導体組成物の中から、上記C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が最も多いものを選択し、選択された上記フラーレン誘導体組成物を用いて上記光電変換層を形成する光電変換層形成工程を有することを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法を提供する。
本発明によれば、複数種のフラーレン誘導体組成物の中から、C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が最も多いものを選択し、その選択されたフラーレン誘導体組成物を用いて光電変換層を形成するので、得られた光電変換層内でその一方の位置異性体同士の凝集が促進され、導電性の高い光電変換層を得ることができる。その結果、光電変換効率に優れる有機薄膜太陽電池を作製することが可能である。
上記発明においては、上記電子供与性材料がポリチオフェンであることが好ましい。電荷分離反応が進行する際のエネルギー準位差が適当だからである。
本発明においては、C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合を所定の値以上とすることにより、光電変換効率を向上させることができるという効果を有する。
70は完全な球形ではなく、C70フラーレン誘導体は、1個の置換基を有する場合、置換基の結合位置により2種類の位置異性体(α位異性体およびβ位異性体)をもつことが知られている。なお、α位異性体とは、フラーレン骨格の長軸上に置換基を有する異性体をいい、β位異性体とは、フラーレン骨格の短軸上に置換基を有する異性体をいう。これに対し、C60は完全な球形であり、C60フラーレン誘導体は、1個の置換基を有する場合、位置異性体をもたないことが知られている。
また、フラーレン誘導体は、凝集しやすい性質を有している。
さらに、電子受容性材料であるフラーレン誘導体と電子供与性材料とを含有する光電変換層では、層内でのフラーレン誘導体の分散状態が、電子伝導性へ影響を与える。フラーレン誘導体同士が凝集している領域では導電性が高くなり、フラーレン誘導体同士の距離が離れている領域では導電性が低くなる傾向がある。
そこで、本発明者は、C70フラーレン誘導体の位置異性体と導電性との関係に着目し、2種類の位置異性体の混合割合の異なるC70フラーレン誘導体を用いて光電変換層を形成し、有機薄膜太陽電池を作製したところ、2種類の位置異性体の混合割合によって太陽電池の性能に差異が生じることが判明した。そして、2種類の位置異性体のうち一方の位置異性体の割合をより多くすることで、光電変換効率が高くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
一方の位置異性体の割合をより多くすることで光電変換効率が高くなることの理由は、詳しくは明らかではないが、異なる種類の位置異性体よりも同じ種類の位置異性体のほうが容易に凝集する傾向があり、光電変換層の導電性が高まるためであると考えられる。これにより、光電変換層内で発生した電荷を高効率で外部へ取り出すことができるようになったものと考えられる。
以下、本発明の有機薄膜太陽電池およびその製造方法について詳細に説明する。
A.有機薄膜太陽電池
本発明の有機薄膜太陽電池は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、C70フラーレン誘導体および電子供与性材料を含有する光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、上記C70フラーレン誘導体が、1個の置換基を有し、2種類の位置異性体をもつものであり、上記光電変換層に含有される上記C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が95%以上であることを特徴とするものである。
本発明の有機薄膜太陽電池について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の有機薄膜太陽電池の一例を示す概略断面図である。図1に示す例において、有機薄膜太陽電池10は、基板1上に第1電極層2、光電変換層3および第2電極層4が順次積層されたものである。この光電変換層3はC70フラーレン誘導体および電子供与性材料を含有している。
本発明によれば、光電変換層に含有されるC70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が所定の値以上であるので、光電変換層内でその一方の位置異性体同士が凝集するのが促進されると考えられる。それにより、導電性が高くなり、光電変換層内で発生した電荷を効率良く外部へ取り出すことができ、光電変換効率を向上させることができる。
以下、このような有機薄膜太陽電池の各構成について説明する。
1.光電変換層
本発明に用いられる光電変換層は、C70フラーレン誘導体および電子供与性材料を含有するものである。光電変換層は、電子受容性材料であるC70フラーレン誘導体と電子供与性材料とを含有しており、電子受容性および電子供与性の両方の機能を有する層であり、光電変換層内で形成されるpn接合を利用して電荷分離が生じる。
本発明に用いられるC70フラーレン誘導体は、1個の置換基を有し、2種類の位置異性体(α位異性体およびβ位異性体)をもつものである。
上記置換基としては、例えば、直鎖、分岐または環状の炭化水素基、アリール基、およびアリール基を有するものが挙げられる。
上記炭化水素基としては、アルキル基が好ましく、より好ましくは1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、さらに好ましくは2〜7個の炭素原子を有するアルキル基である。アルキル基は、上述したように、直鎖、分岐または環状のいずれであってもよい。中でも、アルキル基の少なくとも大部分は直鎖であることが好ましい。
また、上記炭化水素基は、1個以上の官能基で置換されていてもよい。上記官能基としては、例えば、カルボン酸エステル、アミド、エーテル、ラクトン、ラクタム、ウレタン、炭酸塩、アセタール、アミン、ハロゲン等が挙げられる。すなわち、上記アルキル基は、1個以上の官能基で置換されていてもよく、上記官能基としては、例えば、カルボン酸エステル、アミド、エーテル、ラクトン、ラクタム、ウレタン、炭酸塩、アセタール、アミン、ハロゲン等が挙げられる。中でも、上記アルキル基は、1〜10個の炭素原子のアルキル部分を有するエーテルおよびカルボン酸エステルを含むことが好ましい。
上記アリール基としては、例えば、ベンゼン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリジン環、フラン環を含むものが挙げられる。
また、アリール基自体は、1個以上の側鎖で置換されていてもよい。上記側鎖としては、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、C−および/またはN−アルキルアミド基、アリール基が好ましい。
中でも、上記置換基は、側鎖としてアルコキシカルボニル基で置換されたアリール基を有することが好ましい。すなわち、上記置換基は、アリール基およびエステル化アルカンカルボン酸基を有することが好ましい。
上記アリールとしては、例えば、フェニル、チオフェン、インドール、ピロール、フラン等が挙げられる。中でも、フェニルが好ましい。
また上記エステルとしては、直鎖または分岐の1〜20個の炭素原子を有するカルボン酸が挙げられる。中でも、3〜7個の炭素原子を有するカルボン酸が好ましい。特に、4個の炭素原子を有するカルボン酸と、1〜20個の炭素原子を有するアルカノールとから形成されるものが好ましく、4個の炭素原子を有するカルボン酸と、1〜4個の炭素原子を有するアルカノールとから形成されるものがさらに好ましい。
具体的には、上記C70フラーレン誘導体としては、アリール基およびエステル化アルカンカルボン酸基を有する置換基を有する(メタノ)フラーレン、および上記(メタノ)フラーレンの機能的類似体が好ましい。上記(メタノ)フラーレンの好ましい例としては、置換基としてフェニル酪酸メチルエステルを有するもの(C70PCBMと称される)が挙げられる。具体的には、[6,6]-フェニル-C71-酪酸メチルエステル、[5,6]-フェニル-C71-酪酸メチルエステルが挙げられる。
上述のC70フラーレン誘導体の合成方法としては、対応するC60フラーレン誘導体の合成方法と同様とすることができる。例えば、C60PCBMと同様の方法でC70PCBMの合成が可能であることが報告されている(J. Appl. Phys., 98, 054503, 2005)。なお、C60PCBMの合成方法については、J. Org. Chem., 1995, 60, 532-538に詳しく記載されている。
本発明においては、光電変換層に含有されるC70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が95%以上である。一方の位置異性体の割合が多いほど、その位置異性体の凝集が促進され、導電性を高めることができるからである。
なお、「2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合」とは、2種類の位置異性体の合計質量を100%とした場合のいずれか一方の位置異性体の質量をいう。
また、上記の位置異性体の割合は、高速液体クロマトグラフィーにより測定することができる。
2種類の位置異性体のうち上記の割合を満たす位置異性体は、α位異性体およびβ位異性体のいずれであってもよい。すなわち、2種類の位置異性体のうちα位異性体の割合が95%以上であってもよく、2種類の位置異性体のうちβ位異性体の割合が95%以上であってもよい。
一方の位置異性体の割合を多くする方法としては、高速液体クロマトグラフィーを用いて単離する方法を採用することができる。
また、本発明に用いられる電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、塗布法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。
導電性高分子はいわゆるπ共役高分子であり、炭素−炭素またはヘテロ原子を含む二重結合または三重結合が、単結合と交互に連なったπ共役系から成り立っており、半導体的性質を示すものである。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利である。また、導電性高分子材料は、導電性高分子材料を溶媒に溶解もしくは分散させた塗工液を用いることにより塗布法により容易に成膜可能であることから、大面積の有機薄膜太陽電池を高価な設備を必要とせず低コストで製造できるという利点がある。
電子供与性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリシラン、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポルフィリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、フタロシアニン含有ポリマー、カルバゾール含有ポリマー、有機金属ポリマー等を挙げることができる。
上記の中でも、チオフェン−フルオレン共重合体、ポリアルキルチオフェン、フェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体、フェニレンエチニレン−チオフェン共重合体、フェニレンエチニレン−フルオレン共重合体、フルオレン−フェニレンビニレン共重合体、チオフェン−フェニレンビニレン共重合体等が好ましく用いられる。これらは、C70フラーレン誘導体に対して、電荷分離反応が進行する際のエネルギー準位差が適当であるためである。
特に、ポリアルキルチオフェン等のポリチオフェンが好ましい。ポリチオフェンには、結晶性を示すものが知られている。このような結晶性を示すポリチオフェンを含有する光電変換層では、ポリチオフェンの自己組織化により、光電変換層内の構造が制御されると考えられる。具体的には、ポリチオフェンの自己組織化により、C70フラーレン誘導体が凝集しやすくなり、ポリチオフェンおよびC70フラーレン誘導体がミクロ相分離構造をとり得ると思料される。これにより、導電性が高まるものと考えられる。
光電変換層に含有されるC70フラーレン誘導体と電子供与性材料との質量比は、使用する電子供与性材料の種類により最適な比に適宜調整される。具体的には、電子供与性材料に対するC70フラーレン誘導体の質量比(C70フラーレン誘導体/電子供与性材料)が0.1〜2.0の範囲内であることが好ましく、なかでも0.2〜1.0の範囲内が好ましい。上記質量比が上記範囲外であると、C70フラーレン誘導体と電子供与性材料とのバランスが悪く、十分な光電変換効率が得られない可能性があるからである。
光電変換層の膜厚としては、一般的にバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、光電変換層の膜厚は、所望の光電変換効率とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、0.2nm〜3000nmの範囲内とすることができ、中でも10nm〜600nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より厚い場合には、膜抵抗が高くなる可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より薄い場合には、第1電極層および第2電極層間で短絡が生じる可能性があるからである。
2.第1電極層
本発明に用いられる第1電極層の形成材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、光の照射方向や、後述する第2電極層の形成材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。
例えば第2電極層の形成材料を仕事関数の低い材料とした場合には、第1電極層の形成材料は仕事関数の高い材料であることが好ましい。仕事関数の高い材料としては、例えばAu、Ag、Co、Ni、Pt、C、ITO、SnO、フッ素をドープしたSnO、ZnO等を挙げることができる。
また、基板側を受光面とした場合には、第1電極層を透明電極とすることが好ましい。この場合、一般的に透明電極として使用されているものを用いることができる。具体的には、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等を挙げることができる。
本発明おいては、第1電極層の全光線透過率が85%以上、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。基板側を受光面とした場合、第1電極層の全光線透過率が上記範囲であることにより、第1電極層にて光を十分に透過することができ、光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
また、本発明においては、第1電極層のシート抵抗が20Ω/□以下、中でも10Ω/□以下、特に5Ω/□以下であることが好ましい。シート抵抗が上記範囲より大きい場合、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があるからである。
なお、上記シート抵抗は、三菱化学株式会社製 表面抵抗計(ロレスタMCP:四端子プローブ)を用い、JIS R1637(ファインセラミックス薄膜の低効率試験方法:4探針法による測定方法)に基づき、測定した値である。
上記第1電極層は、単層であってもよく、また異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
この第1電極層の膜厚としては、単層である場合はその膜厚が、複数層からなる場合は総膜厚が、0.1〜500nmの範囲内、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、第1電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚い場合には、全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
また、上記第1電極層は、基板上に全面に形成されていてもよく、パターン状に形成されていてもよい。
さらに、上記第1電極層の形状としては、フラットな形状であってもよく、テクスチャー構造、ピラミッド構造、波型構造、くし型構造、ナノピロー構造等の凹凸状であってもよい。例えば第1電極層の形状が凹凸状である場合は、入射光が第1電極層の凹凸形状により散乱されるため、後述する光電変換層は光を多く取り込むことができる。これにより、光を有効に利用することができるため、エネルギー変換効率を向上させることができる。
3.第2電極層
本発明に用いられる第2電極層は、上記第1電極層と対向する電極である。第2電極層の形成材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、光の照射方向や、上記第1電極層の形成材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。
例えば基板側を受光面とした場合には、上記第1電極層が透明電極となり、このような場合には、第2電極層は透明でなくともよい。
また、第1電極層を仕事関数の高い材料を用いて形成した場合には、第2電極層は仕事関数の低い材料を用いて形成することが好ましい。具体的に仕事関数の低い材料としては、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等を挙げることができる。
第2電極層は、単層であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
上記第2電極層の膜厚は、単層である場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、第2電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚い場合には全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
また、上記第2電極層は、光電変換層上に全面に形成されていてもよく、パターン状に形成されていてもよい。
4.基板
本発明に用いられる基板は、透明なものであっても不透明なものであっても特に限定されるものではないが、例えば基板側が光の受光面となる場合には、透明基板であることが好ましい。この透明基板としては、特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を挙げることができる。
本発明においては、上記の中でも基板が透明樹脂フィルム等のフレキシブル材であることが好ましい。透明樹脂フィルムは、加工性に優れており、製造コスト低減や軽量化、割れにくい有機薄膜太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等の種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるからである。
5.正孔取出し層
本発明においては、光電変換層と正孔取出し電極との間に正孔取出し層が形成されていることが好ましい。第1電極層が正孔取出し電極である場合は、例えば図2に示すように、第1電極層2と光電変換層3との間に正孔取出し層5が形成される。一般に、正孔取出し電極側から積層するほうが安定して有機薄膜太陽電池を作製できることから、通常は第1電極層が正孔取出し電極とされ、第1電極層と光電変換層との間に正孔取出し層が形成される。
正孔取出し層は、光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から正孔取出し電極への正孔取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
このような正孔取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されるものではない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、Au、In、Ag、Pd等の金属等の薄膜も使用することができる。さらに、金属等の薄膜は、単独で形成してもよく、上記の有機材料と組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、トリフェニルジアミン(TPD)が好ましく用いられる。
上記正孔取出し層の膜厚としては、上記有機材料を用いた場合は、10nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、上記金属薄膜である場合は、0.1nm〜5nmの範囲内であることが好ましい。
6.電子取出し層
本発明においては、光電変換層と電子取出し電極との間に電子取出し層が形成されていてもよい。第2電極層が電子取出し電極である場合は、光電変換層と第2電極層との間に電子取出し層が形成される。
電子取出し層は、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から電子取出し電極への電子取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
このような電子取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との金属ドープ層が挙げられる。好適な材料としては、バソキュプロイン(BCP)または、バソフェナントロン(Bphen)と、Li、Cs、Ba、Srなどの金属ドープ層が挙げられる。
7.その他の構成部材
本発明の有機薄膜太陽電池は、上述した構成部材の他にも、必要に応じて後述する構成部材を有していてもよい。例えば、本発明の有機薄膜太陽電池は、保護シート、充填材層、バリア層、保護ハードコート層、強度支持層、防汚層、高光反射層、光封じ込め層、紫外線・赤外線遮断層、封止材層等の機能層を有していてもよい。また、層構成に応じて、各機能層間に接着層が形成されていてもよい。
なお、これらの機能層については、特開2007-73717号公報等に記載のものと同様とすることができる。
B.有機薄膜太陽電池の製造方法
次に、本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法について説明する。
本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、C70フラーレン誘導体および電子供与性材料を含有する光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、上記C70フラーレン誘導体が、1個の置換基を有し、2種類の位置異性体をもつものである有機薄膜太陽電池の製造方法であって、上記C70フラーレン誘導体を含有する複数種のフラーレン誘導体組成物の中から、上記C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が最も多いものを選択し、選択された上記フラーレン誘導体組成物を用いて上記光電変換層を形成する光電変換層形成工程を有することを特徴とするものである。
図3に、本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す。図3に示すように、本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法は、例えば、基板1上に第1電極層2を形成する第1電極層形成工程(図3(a))と、この第1電極層2上に所定のフラーレン誘導体組成物を用いて光電変換層3を形成する光電変換層形成工程(図3(b))と、この光電変換層3上に第2電極層4を形成する第2電極層形成工程(図3(c))とを有する。
上記光電変換層形成工程では、例えば、まずC70フラーレン誘導体を含有する複数種のフラーレン誘導体組成物を準備し、次いでこれらのフラーレン誘導体組成物の中から、C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が最も多いものを選択し、続いて選択されたフラーレン誘導体組成物を用いて光電変換層を形成する。
本発明によれば、光電変換層形成工程にて、上述したように、複数種のフラーレン誘導体組成物の中から、C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が最も多いものを選択し、選択されたフラーレン誘導体組成物を用いて光電変換層を形成するので、形成された光電変換層内ではその一方の位置異性体同士の凝集が促進されると考えられる。その結果、導電性の高い光電変換層を形成することができ、光電変換効率に優れる有機薄膜太陽電池を得ることができる。
本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法は、少なくとも光電変換層形成工程を有していればよく、上述したように第1電極層形成工程、第2電極層形成工程等を有していてもよい。
以下、本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法の各工程について説明する。
1.光電変換層形成工程
本発明における光電変換層形成工程は、上記C70フラーレン誘導体を含有する複数種のフラーレン誘導体組成物の中から、上記C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が最も多いものを選択し、選択された上記フラーレン誘導体組成物を用いて上記光電変換層を形成する工程である。
本工程においては、まず、C70フラーレン誘導体を含有する複数種のフラーレン誘導体組成物を準備する。C70フラーレン誘導体は2種類の位置異性体をもつため、上記複数種のフラーレン誘導体組成物は、2種類の位置異性体の混合割合(α位異性体:β位異性体)が異なるものになると想定される。次いで、このように2種類の位置異性体の混合割合が異なる複数種のフラーレン誘導体組成物の中から、2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が最も多いものを選択する。
例えば、α位異性体:β位異性体=98:2であるフラーレン誘導体組成物と、α位異性体:β位異性体=87:13であるフラーレン誘導体組成物とを準備した場合には、2種類の位置異性体のうちα位異性体の割合が最も多いα位異性体:β位異性体=98:2であるフラーレン誘導体組成物を選択する。
フラーレン誘導体組成物は、C70フラーレン誘導体を含有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばC70フラーレン誘導体のみを含有するものであってもよく、C70フラーレン誘導体が溶媒に溶解もしくは分散されたものであってもよい。
なお、C70フラーレン誘導体については、上記「A.有機薄膜太陽電池」の光電変換層の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
光電変換層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、C70フラーレン誘導体および電子供与性材料を含有する光電変換層用塗工液を塗布する方法が好ましく用いられる。このような方法であれば、大気中で光電変換層を形成することができ、コストの削減が図れるとともに、大面積化が容易だからである。
光電変換層用塗工液の調製方法としては、例えば、選択されたフラーレン誘導体組成物と、電子供与性材料とを溶媒に溶解もしくは分散させる方法、選択されたフラーレン誘導体組成物を溶媒に溶解もしくは分散させたアクセプター溶液と、電子供与性材料を溶媒に分散させたドナー溶液とを混合する方法などが挙げられる。
なお、電子供与性材料については、上記「A.有機薄膜太陽電池」の光電変換層の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
光電変換層用塗工液の塗布方法としては、光電変換層用塗工液を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。中でも、スピンコート法を好ましく用いることができる。スピンコート法では、光電変換層を所定の膜厚となるように精度良く形成することが容易であり、かつ、低せん断応力で光電変換層用塗工液を塗布することができるため、光電変換層用塗工液中でC70フラーレン誘導体が凝集している場合にはC70フラーレン誘導体を凝集させたまま成膜することが容易だからである。
光電変換層用塗工液の塗布後は、形成された塗膜を乾燥する乾燥処理を施してもよい。光電変換層用塗工液に含まれる溶媒等を早期に除去することにより、生産性を向上させることができるからである。
乾燥処理の方法として、例えば、加熱乾燥、送風乾燥、真空乾燥等、一般的な方法を用いることができる。
なお、光電変換層のその他の点については、上記「A.有機薄膜太陽電池」の光電変換層の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
2.第1電極層形成工程
本発明における第1電極層形成工程は、基板上に第1電極層を形成する工程である。
第1電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法、あるいは、CVD法等の乾式塗工法が挙げられる。また、ITO微粒子を含有する塗工液等を塗布する湿式塗工法を用いることもできる。
また、第1電極層のパターニング方法としては、第1電極層を所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばフォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
なお、第1電極層のその他の点については、上記「A.有機薄膜太陽電池」の第1電極層の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
3.第2電極層形成工程
本発明における第2電極層形成工程は、上記光電変換層上に第2電極層を形成する工程である。
第2電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法等の乾式塗工法を挙げることができる。また、Ag等の金属コロイドを含有する金属ペースト等を用いて塗布する湿式塗工法を用いることもできる。
また、第2電極層のパターニング方法としては、第2電極層を所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばフォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
なお、第2電極層のその他の点については、上記「A.有機薄膜太陽電池」の第2電極層の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例]
厚み125μmのPENフィルム基板の表面に、PVD法によりSiO2の薄膜を形成した。次いで、SiO2薄膜の上面に、圧力勾配型プラズマガンを用いた反応性イオンプレーティング法(パワー:3.7kW、酸素分圧:73%、製膜圧力:0.3Pa、成膜レート:150nm/min、基板温度:20℃)により透明電極であるITO膜(膜厚:150nm、シート抵抗:20Ω/□)を成膜した。その後、エッチングによりパターンニングをして、ITOパターンが形成された基板を作製した。次いで、上記ITOパターンが形成された基板を、アセトン、基板洗浄液、IPAを用いて洗浄した。
次に、導電性高分子ペースト(ポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)分散品)を、スピンコート法にて上記ITOパターンが形成された基板上に成膜した後、150℃で30分間乾燥させ、正孔取出し層(膜厚100nm)を形成した。
次に、高速液体クロマトグラフィーにより、α位異性体の割合が98%であることを確認したC70PCBM([6,6]-phenyl-C71-butyric acid mettric ester)を準備した。このC70PCBMと、ポリチオフェン(P3HT:poly(3-hexylthiophene-2,5-diyl))とをクロロベンゼンに溶解させ、固形分濃度1.4wt%の光電変換層用塗工液を準備した。次いで、この光電変換層用塗工液を、上記正孔取出し層上にスピンコート法にて回転数600rpmの条件で塗布して、光電変換層を形成した。続いて、温度150℃のホットプレート上で、上記光電変換層が形成された基板を加熱乾燥した。
次に、上記基板上に、Ca膜(30nm)、Al膜(80nm)を順に真空蒸着法にて形成し、金属電極とした。最後に、封止用ガラス材および接着性封止材により金属電極の上から封止して有機薄膜太陽電池とした。
[比較例]
光電変換層の形成の際に、高速液体クロマトグラフィーにより、α位異性体の割合が87%であることが確認されたC70PCBMを用いた以外は、実施例と同様にして有機薄膜太陽電池を作製した。
[評価]
α位異性体の割合に関しては、上述したように、高速液体クロマトグラフィーにより、α位異性体およびβ位異性体の混合割合を測定した。
太陽電池特性に関しては、A.M1.5、擬似太陽光(100mW/cm2)を照射光源とし、ソースメジャーユニット(HP社製、HP4100)で電圧印加により電流電圧特性の評価を行った。
実施例の有機薄膜太陽電池の光電変換効率は約3.5%であり、比較例の有機薄膜太陽電池の光電変換効率は約3.0%であった。実施例では、比較例に比べて光電変換効率が約20%高かった。
本発明の有機薄膜太陽電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す工程図である。
符号の説明
1 … 基板
2 … 第1電極層
3 … 光電変換層
4 … 第2電極層
5 … 正孔取出し層
10 … 有機薄膜太陽電池

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、C70フラーレン誘導体および電子供与性材料を含有する光電変換層と、前記光電変換層上に形成された第2電極層とを有する有機薄膜太陽電池であって、
    前記C70フラーレン誘導体が、1個の置換基を有し、2種類の位置異性体をもつものであり、
    前記光電変換層に含有される前記C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が95%以上であることを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  2. 前記電子供与性材料がポリチオフェンであることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  3. 前記第1電極層と前記光電変換層との間に正孔取出し層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機薄膜太陽電池。
  4. 基板と、前記基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、C70フラーレン誘導体および電子供与性材料を含有する光電変換層と、前記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、前記C70フラーレン誘導体が、1個の置換基を有し、2種類の位置異性体をもつものである有機薄膜太陽電池の製造方法であって、
    前記C70フラーレン誘導体を含有する複数種のフラーレン誘導体組成物の中から、前記C70フラーレン誘導体の2種類の位置異性体のうちいずれか一方の位置異性体の割合が最も多いものを選択し、選択された前記フラーレン誘導体組成物を用いて前記光電変換層を形成する光電変換層形成工程を有することを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 前記電子供与性材料がポリチオフェンであることを特徴とする請求項4に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
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