JP4800864B2 - コンプレッサ - Google Patents

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Description

本発明は、耐リラクセーション特性に優れたアルミニウム合金製ハウジングを備えたコンプレッサ(圧縮機)に関する。
エアコンなどの装置には、冷媒を圧縮して高圧状態で吐出するためのコンプレッサが使用される。コンプレッサには、例えば斜板式などの種類があるが、その全体を覆うハウジング内に回転或いは摺動する部品を収納して構成されている。
例えば自動車に搭載されるコンプレッサとしては、軽量化を目的として、鋼製ではなく、鋳造アルミニウム合金製のハウジングが採用されることが多い。
コンプレッサのハウジングは、内部に部品を収容するために、複数のハウジング部材を組み合わせて連結することにより構成される。ハウジングの内部は高圧状態となるので、ハウジング部材の連結部分には高いシール性が求められる。そのため、連結部分に強い当接力が付与されるような締結構造が採用される。
ところで、アルミニウム合金に一定の歪みを与えて放置すると、その歪みにより生じる応力が時間と共に減少する応力緩和(リラクセーション)現象が生じることが知られている。もしこのようなリラクセーション現象が生じやすい材料をコンプレッサのハウジングに採用した場合には、複数のハウジング部材の連結部分に生じる応力が徐々に緩和してしまい、シール性が低下してしまうおそれがある。そのため、コンプレッサのハウジング用の鋳造アルミニウム合金としては、その材料自体が耐リラクセーション特性に優れたものであることが好ましい。
これまで知られているAl−Si系の鋳造アルミニウム合金としては、耐熱性等に関して検討を加えたものはあるが、耐リラクセーション特性について検討し、何らかの工夫をしたものは、殆ど開示されていない。
AlとSiの過共晶系合金において耐熱性を高めたものとしては、例えばピストン用アルミニウム鋳造合金に関する特許文献1に記載の技術がある。
また、AlとSiの亜共晶系合金において延性や靱性向上を図ったものとしては、例えば非特許文献1に記載の技術がある。
特開2004−76110号公報 「鋳造凝固」平成4年1月20日、日本金属学会発行
上記特許文献1には、Niを1.8〜3質量%含有させた鋳造アルミニウム合金が開示されている。この例の様に、従来合金では、耐熱性を高めるためにNiを添加するこが常識的に行われている。しかし、Niは高価なため、できれば使用したくないというニーズが大きい。また、本発明で目的とする耐リラクセーション特性に対して、Niの含有がどのように作用するかは、従来不明である。また、この特許文献1に記載のアルミニウム合金はAlとSiの過共晶組織である。
また、上記非特許文献1には、AlとSiの亜共晶系合金では、共晶Siを微細化するために、Sr、Na、Sbなどを添加することが示されている。また、この文献に示された合金は、延性や靭性の向上を狙って共晶Siの微細化を行っており、Cuの含有量が高いと延性や靭性が低下すため、Cu含有量は低い合金でないと延性や靱性の向上効果は期待できない。
いずれにしても、従来においては、耐リラクセーション特性を向上させることが可能な鋳造アルミニウム合金についての開示はあまりない。そこで、本発明は、従来よりも耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金をハウジングの少なくとも一部に採用することによって、これまで以上に、全体的に耐リラクセーション特性に優れたコンプレッサを提供しようとするものである。
第1の発明は、複数のアルミニウム合金よりなるハウジング部材にてハウジングを形成し、該ハウジング内において冷媒の圧縮を行って外部に吐出するよう構成されたコンプレッサであって、
少なくとも一つの上記ハウジング部材は、
Si:9〜17質量%、
Cu:3.5〜6質量%、
Mg:0.2〜1.2質量%、
Fe:0.2〜1.5質量%、及び
Mn:0〜1質量%を含有し、
Ni含有量が0.5質量%以下であり、
残部がAl及び不可避的不純物よりなる耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金よりなることを特徴とするコンプレッサにある(請求項1)。
本発明における上記鋳造アルミニウム合金は、上記特定の組成を有する耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金である。このような耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金を少なくとも一部の上記ハウジング部材として採用することにより、ハウジング全体の耐リラクセーション特性が向上し、シール性に優れたコンプレッサを得ることができる。
第2の発明は、複数のアルミニウム合金よりなるハウジング部材にてハウジングを形成し、該ハウジング内において冷媒の圧縮を行って外部に吐出するよう構成されたコンプレッサであって、
少なくとも一つの上記ハウジング部材は、
Si:9〜17質量%、
Cu:3.5〜6質量%、
Mg:0.3〜1.2質量%、
Fe:0.2〜1質量%、
Mn:0.1〜1質量%、及び
Ti:0.15〜0.3質量%を含有し、
Ni含有量が0.5質量%以下であり、
残部がAl及び不可避的不純物よりなる耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金よりなることを特徴とするコンプレッサにある(請求項5)。
本発明における上記鋳造アルミニウム合金は、上記特定の組成を有する耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金である。このような耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金を少なくとも一部の上記ハウジング部材として採用することにより、ハウジング全体の耐リラクセーション特性が向上し、シール性に優れたコンプレッサを得ることができる。
まず、第1の発明の鋳造アルミニウム合金における各合金元素量の限定理由を示す。
Si:9〜17質量%、
Siは、鋳造性の確保、熱膨張の抑制、及び耐リラクセーション特性の確保のために必須の元素である。Si添加量が9質量%未満の場合には、共晶Si量が少なく、リラクセーションを抑制するためのネットワーク骨格が十分に形成されない。また、Si含有量が17質量%を超えると、液相線温度が著しく高くなり、鋳造温度を高くしなければならないので、ガス吸収、酸化、型の消耗などの問題が生じ好ましくない。
好ましくは、Si含有量は9〜12質量%とし、初晶Siが存在しない亜共晶組織とするのがよい(請求項4)。さらに最適なSi含有量の範囲は10〜11質量%である。Si含有量が12質量%を超えると、粗大な初晶Siが生成し、高い引張平均応力下での疲労において、粗大な初晶Siが破壊して疲労強度が低下する場合がある。
Cu:3.5〜6質量%、
Cuは、Cuを含有する析出物を生成させ、合金の強度を向上させるのに有効な元素である。特に高温での強度向上に寄与が大きい。3.5%未満では強度向上効果が小さく、6%を超えると凝固偏析が大きく均質な材料ができない。また、延性が著しく低下し引張平均応力下での疲労強度が低下する懸念がある。好ましくは、Cu含有量は4〜5質量%とするのがよい。
Mg:0.2〜1.2質量%、
Mgは、Mg2Si系の析出物を生成させ、その析出強化によって強度を改善する。またMg2Siの晶出物を生成し、晶出物による分強化によって強度を改善する。Mg含有量が1.2質量%を超えると、Mg2Siの晶出量が多すぎるため靭性が低下して、疲労強度が低くなるデメリットが生じる。0.2質量%以下では析出量が少なく疲労強度が十分でない。好ましくは、Mg含有量は0.6〜1質量%とするのがよい。
Fe:0.2〜1.5質量%、
Feは、耐熱性の高い晶出物を形成し、これが晶出Siと共に均一分散又はネットワーク状に分散することによってリラクセーションを抑制するという効果を発揮する。Fe含有量が0.2%未満ではその効果は小さく、Fe含有量が1.5%を超えると粗大な晶出物を形成し、その晶出物が破壊起点となって引張平均応力下の疲労強度が低下する懸念がある。また、鋳型への耐焼付き性を向上に寄与する。好ましくは、Fe含有量は0.3〜1質量%とするのがよい。
Mn:0〜1質量%、
Mnは、必須添加元素ではないが、Feと同様に耐熱性の高い晶出物を形成し、基地アルミ相の耐熱性を向上してリラクセーションの抑制に寄与すると共に、鋳型への耐焼付き性の向上に寄与するので添加することが好ましい。Mn含有量が0.2質量%未満ではその効果は小さく、Mn含有量が1質量%を超えると粗大な晶出物を形成し、その晶出物が破壊起点となって引張平均応力下の疲労強度が低下する懸念がある。好ましくは、Mn含有量は0.2〜0.7質量%とするのがよい。
Ni:0.5質量%以下、
Niは、粗大な晶出物を形成し、組織を不均質にするためリラクセーションが生じ易いので0.5質量%以下の範囲に制限する。特にCu含有量が高い場合にはCuとNiを含有する粗大晶を形成しやすいのでNi添加は好ましくない。また、Ni添加は、合金の密度を著しく増大させてしまう。そして、Ni含有量が0.5質量%を超える場合には粗大な晶出部が形成され、リラクセーションが生じ易くなると共に密度が高くなり製品が重くなるという問題がある。
次に、第1の発明における上記鋳造アルミニウム合金は、平均硬さがHV130〜HV170であることが好ましい(請求項2)。上記鋳造アルミニウム合金の平均硬さを上記特定の範囲とすることにより、従来よりもさらに耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金を得ることができる。すなわち、上記特定の組成を選択した場合には、平均硬さを上記特定の範囲に調整することによって、より優れた耐リラクセーション特性を得ることができるのである。
すなわち、上記第1の発明に記載の上記化学組成を有する鋳造アルミニウム合金での平均硬さは、熱処理を行わないとHV120以下であるが、上記の特定の溶体化処理と時効処理を行って、積極的に平均硬さをHV130〜HV170、より好ましくはHV130〜HV160とすることによって、耐リラクセーション特性を向上させることができるのである。
平均硬さは、鋳造アルミニウム合金の断面の定常部において荷重10kgf、保持時間30secという条件で、鋳造欠陥のない部分について5点以上のビッカース硬さを測定し、その平均値を算出して求める。なお、組織が細かく圧痕位置によるばらつきが小さい場合には荷重5kgfとしてもほぼ同様の値が得られる。
上記平均硬さがHV130未満の場合には、強度が低く、部品に急激な負荷が生じた際に変形し易いという問題があり、一方、HV170を超える場合にはリラクセーションが生じ易いという問題がある。好ましくは、上記平均硬さはHV140〜HV160とするのがよく、より好ましくは、上記平均硬さはHV150〜HV160とするのがよい。
このように、硬さをピーク時効の最高値より少し下げた方が、リラクセーションが生じ難いというコンセプトは、従来無く、本発明において初めて見出したものである。このメカニズムはまだ不明の点もあるが、次のように推定している。
リラクセーションは、高温での保持に伴って応力が低下する現象であり、CuやMgを含有する本発明の合金では熱処理で生成した析出物が基地アルミ相中に存在し、この析出物が基地アルミ相内の滑り変形を抑制し、リラクセーションが生じ難い効果を持つと考えられる。また、この析出物はより微細で緻密に分布するほど、すべり変形を抑制する効果が大きいため、ピーク時効で硬さを高くした合金ほど析出物が微細でかつ分布が緻密であるので、リラクセーションが生じ難いと従来は考えられていた。
しかし、高温で保持されると、析出物の粗大化が生じるが、応力が負荷された状態ではこの析出物の粗大化が、応力が低減するように生じることが考えられる。これを応力時効という。一方、過時効処理によってピーク時効よ硬さを下げた合金では、同じ温度で加熱されても析出物の変化が小さい。すなわち、硬さを少し下げた合金の方が、析出物の組織変化が小さく、組織変化に伴う応力低減が生じ難いので、リラクセーションが生じ難いと考えられる。
第1の発明における上記鋳造アルミニウム合金は、鋳造後に、450〜510℃の処理温度に0.5時間以上保持する溶体化加熱を行った後、水焼入れを行い、その後170〜230℃の処理温度に1〜24時間保持する時効処理を行うことにより上記平均硬さを調整してあることが好ましい(請求項3)。
また、上記溶体化処理の条件は、溶体化加熱の処理温度は450〜510℃の範囲とし、保持時間は0.5時間以上の範囲とする。溶体化加熱の処理温度が450℃未満の場合には、CuやMgの過飽和固溶体を形成するのに極めて長時間を要し、上記の範囲の短い処理時間では適正な強度が出ないという問題がある。一方、510℃を超える場合には、合金の一部が溶融するバーニングが生じ、気孔欠陥が生じるという問題がある。また、保持時間が0.5時間未満の場合には十分な溶体化処理ができないという問題があるので好ましくない。そのため、保持時間は1時間以上であることが好ましい。これにより、より十分な溶体化が達成できる。一方、10時間を超える場合にはそれ以上保持しても変化が生じないので生産効率が低下する。
また、上記水焼入れに使用する冷却水は、通常の水でもよいし、何らかの添加剤を加えたものでもよく、公知の水焼入れ用の冷却水であれば様々なものを適用できる。
また、上記時効処理の条件は、処理温度は170〜230℃の範囲とし、保持時間は1〜24時間の範囲とする。時効処理の処理温度が170℃未満の場合には硬さを向上させるのに長時間が必要となるという問題がある。一方、230℃を超える場合には硬さが必要以上に低下し、強度が著しく低下するという問題がある。そのため、処理温度のより好ましい範囲は190〜210℃、最も好ましくは190〜200℃である。また、保持時間が1時間未満の場合には十分な時効硬化が得られないという問題があり、一方、24時間を超える場合には硬さが低くなりすぎる、または、硬さが飽和し生産効率が低下するという問題がある。
次に、第2の発明における鋳造アルミニウム合金は、5個以上のデンドライトセルが略一方向に整列するデンドライトの割合が面積率で20%以下であって実質的にデンドライトの整列が無い等方均質組織を有することが最も好ましい(請求項9)。これによって、より一層耐リラクセーション特性を向上させることができる。
すなわち、上記の合金成分および組織形態の制御によって、高温変形を抑制する強固な分散強化組織が形成されるとともに、基地Al相中に存在する耐熱性向上成分によって高温変形が抑制されるため、合金の耐リラクセーション特性が向上すると考えられる。また、晶出物が等方的に分散して強化されるため、応力分布が均一になり疲労強度が向上すると考えられる。
さらに、高価なNiを殆ど含有しないので、材料コストの低減が図れる。また、Niを殆ど含有しないことで粗大晶出物の生成が抑制され、微細な大きさの揃った晶出物を等方的に分散させることにより、晶出物を無駄なく疲労強度および耐リラクセーション特性の向上に寄与できる。特に200℃以下の高温環境においてその効果が顕著となる。
共晶領域がネットワーク状に存在または晶出物が均一に分散する等方均質組織は、実質的にデンドライトの整列が無いことによって実現できる。本発明では、実質的にデンドライトの整列が無い状態の定義は、上記のごとく、5個以上のデンドライトセルが略一方向に整列しているデンドライト組織(以下、適宜、整列デンドライト組織という)の面積が、組織全体の面積の20%以下の割合である場合であるとする。
より好ましく、上記整列デンドライト組織の面積率を10%以下とするのがよく、最も好ましくは、上記整列デンドライト組織の面積率を5%以下とするのがよい。
このような等方均質組織を得るためには、上述した特定の成分組成を必須要件とする必要がある。この第2の発明の鋳造アルミニウム合金における各合金元素量の限定理由を示す。
Si:9〜17質量%、
Siは、共晶Siのネットワーク骨格を形成するのに必須の元素である。Si含有量が9.5%未満では共晶Si量が少なく、ネットワークが不完全となるため、リラクセーション特性が低下する懸念がある。また、Si含有量が17質量%を超えると、液相線温度が著しく高くなり、鋳造温度を高くしなければならないので、ガス吸収、酸化、型の消耗などの問題が生じ好ましくない。好ましくは、Si含有量は9〜12質量%とするのがよい。さらに最適なSi含有量の範囲は10〜11質量%である。Si含有量が12質量%を超えると、粗大な初晶Siが生成し、高い引張平均応力下での疲労において、粗大な初晶Siが破壊して疲労強度が低下する場合がある。
Cu:3.5〜6質量%、
Cuは、Cuを含有する析出物を生成させ、合金の強度を向上させるのに有効な元素である。特に高温での強度向上に寄与が大きい。3.5%未満では強度向上効果が小さく、6%を超えると凝固偏析が大きく均質な材料ができない。また、延性が著しく低下し引張平均応力下での疲労強度が低下する懸念がある。好ましくは、Cu含有量は4〜5質量%とするのがよい。
Mg:0.3〜1.2質量%、
Mgは、Mg2Si系の析出物を生成させ、その析出強化によって強度を改善する。またMg2Siの晶出物を生成し、晶出物による分強化によって強度を改善する。Mg含有量が1.2質量%を超えると、Mg2Siの晶出量が多すぎるため靭性が低下して、疲労強度が低くなるデメリットが生じる。0.3質量%以下では析出量が少なく疲労強度が十分でない。好ましくは、Mg含有量は0.4〜1質量%とするのがよく、さらに好ましくは、Mg含有量は0.6〜1質量%とするのがよい。
Fe:0.1〜1質量%、
Feは、耐熱性の高い晶出物を形成し、晶出物からなるネットワーク骨格を強化し、耐リラクセーション特性の向上に寄与する。Fe含有量が0.1%未満ではその効果は小さく、Fe含有量が1%を超えると粗大な晶出物を形成し、その晶出物が破壊起点となって引張平均応力下の疲労強度が低下する懸念がある。また、鋳型への耐焼付き性を向上に寄与する。好ましくは、Fe含有量は0.3〜1質量%とするのがよい。
Mn:0.1〜1質量%、
Mnは、添加することによって耐熱性の高い晶出物を形成し、晶出物からなるネットワーク骨格を強化し、耐リラクセーション特性の向上に寄与すると共に、鋳型への耐焼付き性を向上に寄与する。Mn含有量が0.1%未満ではその効果は小さく、Mn含有量が1%を超えると粗大な晶出物を形成し、その晶出物が破壊起点となって引張平均応力下の疲労強度が低下する懸念がある。好ましくは、Mn含有量は0.2〜1質量%とするのがよい。
Ti:0.15〜0.3質量%、
Tiにはα−Al相の結晶粒を微細化して、デンドライトセルの整列を抑制し凝固組織を均質化する効果と、基地アルミ相の耐熱性を改善し、同相の耐リラクセーション特性を改善する効果がある。
Ti含有量が0.15質量%未満の場合、凝固組織を均質化し、亜共晶組織の場合には晶出物からなるネットワーク状骨格組織が等方的に形成されない。また、過共晶組織の場合、晶出物の等方均一分散組織が形成されない。さらに、基地アルミ相中のTi量が低く、同相の耐リラクセーション特性が十分に得らない。
Ti含有量が0.3質量%を超える場合、粗大なTi化合物が生成し靭性が低下するとともに、その化合物が疲労破壊の起点となり引張平均応力下の疲労強度を低下させるおそれがある。
なお、Tiの添加をAl−Ti−B合金、Al−Ti−C合金などによって行う場合には、BおよびCの含有を許容する。好ましいTi含有量の範囲は、0.15〜0.25質量%である。Ti含有量が0.15質量%以上では十分な結晶粒の微細化によって組織の均質性とネットワーク骨格組織の等方性が増し、より耐リラクセーション特性がより高くなるとともに疲労強度のばらつきが小さくなり、疲労強度の下限値が向上する。さらに最適なTi含有量は0.2〜0.25質量%である。この範囲で耐リラクセーション特性が最も高くなる。
Ni:0.5質量%以下、
Niは、粗大な晶出物を形成し、組織を不均質にするためリラクセーションが生じ易いので0.5質量%以下の範囲に制限する。特にCu含有量が高い場合にはCuとNiを含有する粗大晶を形成しやすいのでNi添加は好ましくない。また、Ni添加は、合金の密度を著しく増大させてしまう。そして、Ni含有量が0.5質量%を超える場合には粗大な晶出部が形成され、リラクセーションが生じ易くなると共に密度が高くなり製品が重くなるという問題がある。
また、上記第2の発明の上記鋳造アルミニウム合金は、さらに、Zr:0.05〜0.15質量%、及びV:0.02〜0.15質量%を含有していることが好ましい(請求項6)。
Zr:0.05〜0.15質量%、
ZrもTiと同様にα−Al相の結晶粒を微細化して、デンドライトセルの整列を抑制し凝固組織を均質化する効果と、基地アルミ相の耐熱性を高め耐リラクセーション特性を向上させる効果がある。Zrを0.05質量%以上含有することが十分な凝固組織の均質化と耐熱性を得る上で好ましい。Zr含有量が0.05質量%未満の場合、凝固組織を均質化するに十分な結晶粒の微細化が達成できないおそれがある。また、基地アルミ相中の含有量が低く、十分な耐熱性が得られないおそれがある。Zr含有量が0.3質量%を超える場合、粗大なZr化合物が生成し疲労起点になる恐れがある。さらに、Tiと併用するとさらにその効果が高まる。
V:0.02〜0.15質量%、
Vは主に基地アルミ相内に存在して耐熱性向上により耐リラクセーション特性の向上に効果がある。0.02質量%以上含有するとその効果が明確に現れるので好ましい。Vを0.15質量%を超えて含有させるには溶解温度が高くなりガス吸収の問題などが生じるので望ましくない。また、粗大なV化合物が生成し疲労破壊の起点になるおそれがある。好ましくは、V含有量は、0.02〜0.12質量%とするのがよい。さらに、Tiと併用すると基地アルミ相の耐熱性が最も高まり、最適である。
また、Ti、Zr、Vを共に含むと、上記の相乗効果により、最も優れた耐リラクセーション特性が得られる。
また、上記第2の発明における鋳造アルミニウム合金は、上記鋳造アルミニウム合金は、Si含有量が9〜12質量%であり、さらに、P含有量が0.001質量%以下であり、初晶Siが存在しない亜共晶組織を有することが好ましい(請求項7)。すなわち、亜共晶組織とした場合には、P含有量を0.001質量%以下に制限することが好ましい。
Pを多く含有すると合金の共晶点がずれて、本発明の合金の成分範囲において、粗大な初晶Siを生成し、それが疲労破壊の起点となって引張平均応力下の疲労強度が低下する懸念がある。そのため、P含有量は0.001質量%以下とし、理想的には0とすることが好ましい。
一方、過共晶組織の場合には、P:0.005〜0.015質量%とすることが好ましい。Pの含有により、初晶Siが微細化し、引張平均応力下の疲労強度が向上する。P含有量が0.005質量%未満では初晶Siの微細化が不十分となる。また、Pを0.015質量%を超えて含有しても効果が飽和し、湯流れが悪くなる弊害が出やすいので好ましくない。
また、上記第2の発明における鋳造アルミニウム合金は、さらに、Ca:0.0005〜0.01質量%、Na:0.0005〜0.003質量%、Sr:0.003〜0.03質量%、及びSb:0.05〜0.2質量%、のうち1種以上を含有することが好ましい(請求項8)。
Ca:0.0005〜0.01質量%、
Caは、共晶Siを微細化し、微細Siからなる広幅のネットワーク骨格を形成し、リラクセーションを抑制するという効果が得られるので添加することが好ましい。Ca含有量が0.0005質量%未満の場合には共晶Siの微細化が不十分であるという問題があり、一方、0.01質量%を超える場合には溶湯が酸化しやすく、鋳物中に酸化物が混入したり、ガス吸収が増えて気孔欠陥が多くなるという問題がある。
Na:0.0005〜0.003質量%、
Naは、共晶Siを微細化し、Caと同様の効果が得られるので添加することが好ましい。Na含有量が0.0005質量%未満の場合には共晶Siの微細化が不十分であるという問題があり、一方、0.003質量%を超える場合にはガス吸収が増えて気孔欠陥が多くなるという問題がある。
Sr:0.003〜0.03質量%、
Srは、共晶Siを微細化し、Caと同様の効果が得られるので添加することが好ましい。Sr含有量が0.003質量%未満の場合には共晶Siの微細化が不十分であるという問題があり、一方、0.03質量%を超える場合にガス吸収が増えて気孔欠陥が多くなるという問題がある。
Sb:0.05〜0.2質量%、
Sbは、共晶Siを微細化し、Caと同様の効果が得られるので添加することが好ましい。Sb含有量が0.05質量%未満の場合には共晶Siの微細化が不十分であるという問題があり、一方、0.2質量%を超える場合にはガス吸収が増えて気孔欠陥が多くなるという問題がある。
なお、Naは、炉壁の塗型材と反応し、炉壁を傷めやすいという問題、Srはガス吸収が生じ易いという問題、Sbは比較的共晶Siの微細化効果が小さいという問題があるため、Caの含有が最も好ましい。
また、上記第2の発明では、上記鋳造アルミニウム合金の密度が2.8g/cm3以下となるように、成分組成を調整することが好ましい(請求項10)。これにより、アルミニウム合金を採用することによる軽量化効果をより一層高めることができる。
また、上記第2の発明における鋳造アルミニウム合金でも、上記と同様に、平均硬さがHV130〜HV160であることが好ましい(請求項11)。
また、上記鋳造アルミニウム合金は、鋳造後に、450〜510℃の処理温度に0.5時間以上保持する溶体化加熱を行った後、水焼入れを行い、その後170〜230℃の処理温度に1〜24時間保持する時効処理を行うことにより上記平均硬さを調整してあることが好ましい(請求項12)。
これにより、上述した等方均質組織の実現と相俟って、より一層耐リラクセーション特性を向上させることができる。
また、第2の発明においては、上記鋳造アルミニウム合金における晶出Siの平均長径が5μm以下であることが好ましい(請求項13)。ここでいう晶出Siは、主として共晶Siであるが、その粒径は小さいほど好ましい。晶出Siの平均長径が5μmを超える場合には、晶出物と基地アルミ相の界面ですべり変形が生じてリラクセーションが抑制されにくいという問題がある。好ましくは、晶出Siの平均長径は4μm以下とするのがよく、より好ましくは3μm以下とするのがよい。
また、第1、第2の発明における鋳造アルミニウム合金は、さらに、Sn:0.01〜0.1質量%、Pb:0.02〜0.15質量%、Zn:0.1〜1質量%、のうち1種以上を含有することが好ましい(請求項14)。
Sn:0.01〜0.1質量%、
Snは、その含有を許容することにより、再生塊を原料として用いることができるためリサイクル性が向上するので含有を許容することが好ましい。Sn含有量が0.01質量%未満に規制するとリサイクル合金を使用できず原料の範囲が限定されるという問題があり、一方、0.1質量%を超える場合には耐熱性が低下してリラクセーションが生じ易くなるという問題がある。
Pb:0.02〜0.15質量%、
Pbは、Snと同様にリサイクル性が向上するという効果が得られるので含有を許容することが好ましい。Pb含有量が0.02質量%未満の場合には使用原料の範囲が制限されるという問題があり、一方、0.15質量%を超える場合には耐熱性が低下してリラクセーションが生じ易くなるという問題がある。
Zn:0.1〜1質量%、
Znは、Sn,Pbと同様にリサイクル性を向上させることができるので含有を許容することが好ましい。Zn含有量が0.1質量%未満の場合には使用原料の範囲が限定されるという問題があり、一方、1質量%を超える場合には耐熱性が低下してリラクセーションが生じ易くなるという問題がある。
また、上記鋳造アルミニウム合金における基地Al相中のSi量が0.95質量%以上であることが好ましい(請求項15)。これにより、基地アルミ相のすべり変形が抑制され、リラクセーションが生じ難いという効果を得ることができる。
また、上記ハウジングは、複数の上記ハウジング部材を鋼製のボルトを用いた締め付けにより締結してあることが好ましい(請求項16)。この場合には、複数のハウジング部材の締結を強固にすることができる。
また、上記ハウジングは、上記ボルトの軸力により上記ハウジング部材間の当接部における面圧を発生させ、内部における上記冷媒が漏れ出ることを防止するシール構造を有していることが好ましい(請求項17)。この場合には、特に、上記ハウジング部材の耐リラクセーション特性の向上効果が有効に発揮され、シール性に優れたコンプレッサを得ることができる。
また、上記冷媒は二酸化炭素であることが好ましい(請求項18)。従来の冷媒よりも二酸化炭素の方が高い圧縮圧力が要求される。そのため、コンプレッサに用いるハウジングのシール性にも高いレベルが求められるので、特に上記耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金をハウジング部材に用いることが有効である。
ここで、本願における発明のコンセプトについて簡単に記載する。
リラクセーションとはクリープと表裏をなす現象であるので、クリープ特性が優れる材料がリラクセーション特性にも優れると考えられてきた。すなわち、一般的には耐力や強度が高い材料がリラクセーション特性にも優れると推定される。
これに対して、本発明のコンプレッサに使用する鋳造アルミニウム合金では、まず、強度や耐力が最大の材料がリラクセーション特性に最も優れるのではないことを初めて見出した。すなわち、通常の強度がピークとなるT6熱処理よりも強度がやや低下する過時効処理を行い硬さをやや低くした材料の方が、ピーク硬さの従来材よりもリラクセーションが生じ難いことを初めて見出したのである。
さらに、リラクセーションが生じ易く、それが実用上の大きな課題である耐熱マグネシウム合金の研究においてこれまでに得られている知見として、耐熱粒子が連続的に連なったネットワーク骨格により粒内の変形が拘束され、リラクセーションが抑制されることが知られている。しかし、本発明では、その骨格は連続的でなくてよく、微細粒子の集合体が幅広のネットワーク骨格領域を形成することによって、より効果的にリラクセーションが抑制できることを初めて見出した。
加えて、そのネットワークが等方的であり、さらにネットワークで囲まれた基地アルミ相を耐熱元素の含有によってすべり難くすることで、ミクロ組織制御とマクロ組織制御を融合したマルチスケール組織制御により、組織全体をリラクセーションが生じ難いように最適設計することにより、従来にない高い耐リラクセーション特性をを初めて実現できた。
また、このような最適設計により、低融点金属でリラクセーションを生じ易くする有害元素であるSn、Pb、Znなどの成分を含有してもその害が無害化され優れた耐リラクセーション特性を維持できる効果が得られることも初めて見出した。なおこの無害化効果により、合金のリサイクル性が飛躍的に高まることになり、環境負荷が極めて低く実用価値が極めて高い合金を提供できるため、産業上の利用価値が極めて高い。
(第1実施例)
本発明のコンプレッサに適用可能な鋳造アルミニウム合金にかかる実施例について説明する。
本例では、表1〜表3に示す各種の鋳造アルミニウム合金(実施例1〜9、比較例1〜10)を作製し、その特性を評価した。
表1に示す群は上述した第1の発明に関する例であり、表2に示す群は上述した第2の発明に関する例であり、表3に示す群は上述した第2の発明のうち、さらに、再生地金を利用することを想定して必須成分を増やしたものに関する例である。
まず、表1〜表3に示す化学成分組成のアルミニウム合金を溶製した。いずれも成分を調整した溶湯を作製後、740〜760℃の溶湯にフラックスを添加して脱酸処理を施した後、ヘキサクロロエタンおよびArガスバブリングによる脱ガス処理を施し、得られた溶湯を200℃に予熱したJIS4号試験片採取用舟型またはランズレ銅金型に鋳込んだ。注湯温度は730℃である。得られた鋳造素材は、500℃に3時間保持する溶体化加熱を行った後、水焼入れし、次いで、各表に示す条件で時効処理を実施した。
この様に熱処理した鋳造素材から機械加工により疲労試験片、組織観察試料および耐リラクセーション特性評価試験片を採取した。
各試験片の詳細及び試験方法は次の通りである。
<耐リラクセーション特性評価試験>
耐リラクセーション特性評価試験片は、幅10mm×厚さ1.3mm×長さ55mmであり、舟型底面部から幅方向が舟型素材の上下方向による様に採取した。
耐リラクセーション特性の評価は、図1〜図4に示すごとく、以下に示すリラクセーション試験治具1を用いて行った。
リラクセーション試験治具1は、図1に示すごとく、一対の試験片11、12の間に挟持させる支持部材3と、試験片11、12の両端部111、112、121、122を拘束する拘束部材4と、試験片11、12に生じた歪み変位を検出する変位検出手段としての高温ひずみゲージ21、22とを有している。
同図に示すごとく、支持部材3は、耐熱性に優れたSUS304製の丸棒状のものであり、その外周側面300は円弧状を呈している。また、支持部材3の寸法は、直径6mm、長さ25mmである。
また、拘束部材4としては、2本のボルト41、42及びボルト41、42に螺合するナット413、423で構成されている。また、ナット413、423の締め付け安定化、緩み防止のためのワッシャー415、416、425、426も用いた。なお、拘束部材4は、全ての部材が支持部材3と同じ耐熱性に優れたSUS304製である。
そして、本例では、図1〜図3に示すごとく、変位測定部を外方に向けた状態で試験片11、12を対面させると共に両者の間の中央部110、120に支持部材3を挟持させた後、拘束部材4により試験片11、12を拘束して所定の曲げ応力を付与させると共に該曲げ応力によって試験片11、12に生じた歪み変位を一定に保つ。
リラクセーション試験装置5は、図4に示すごとく、リラクセーション試験治具1と、試験片11、12を加熱する加熱槽51と、高温ひずみゲージ21、22に接続され、試験片11、12に生じた歪み変位を測定するひずみ測定器としての多チャンネル型の静ひずみ計52とを有する。加熱槽51としては、温風循環式の恒温槽(設定温度50〜300℃、温度分布±5℃以内)を用いた。
また、同図に示すごとく、高温ひずみゲージ21(22)には、ゲージリード211、212(221、222)が接続されており、静ひずみ計52には、電気抵抗が小さいリード線521〜523(524〜526)が接続されており、両者は接続部210においてはんだ付けにより接続されている。
リラクセーション試験は、図2に示すごとく、曲げ応力によって試験片11、12に生じた歪み変位を一定に保って、所定の時間加熱する加熱工程と、その後、図3に示すごとく、冷却後、試験片11、12に付与されている曲げ応力を開放し、その際に試験片11、12に生じた歪み変位を高温ひずみゲージ21、22により検出し、残留応力を求める工程とにより行う。本例では、試験温度(加熱温度)は180℃とし、初期負荷応力200MPaとして、180℃で300h保持後に残留する応力σrを測定した。
<組織観察>
組織観察は、疲労試験片の平行部と同じ舟型底から高さ14mmの位置で実施した。5個以上のデンドライトセルが略一方向に整列しているデンドライト組織(整列デンドライト組織)の面積率Adp(%)は、具体的には、100倍の光学顕微鏡で観察した視野約1.4×1mm角の組織写真において、デンドライトセルが5個以上一方向に整列したデンドライト組織の部分を全て塗りつぶし、その塗りつぶした部分の面積率を画像処理ソフトにより求めた。
また、晶出Siの平均長径DsL(μm)は、粒子の重心を通り粒子の外周上の2点を結ぶ最も長い直線の長さを、観察される全粒子について求め、その平均値により算出した。
<硬さ試験>
硬さ試験の試験片は、舟形鋳物の底部から約14mm高さの位置から切り出し、表面を鏡面研磨仕上げとした。そして、鋳造欠陥のない部分に荷重10kgf、負荷時間30secの条件で圧痕を打ち、鋳造欠陥の影響を受けた異常値を除く5点以上の正常測定値の平均をとるという手順で、平均硬さとしてのビッカース硬さHVを求めた。
各試験の結果は表4〜表6に示す。
表4には、表1に示した第1の発明に関する例の結果を示す。
表1、表4に示すごとく、実施例1の合金は、Cu含有量が高く高強度となりやすいものであるが、200℃5h(200℃に5時間保持)という時効処理を採用することにより、平均硬さHVが160以下に調整されており、上記耐リラクセーション特性評価試験による180℃300時間保持後に残留する応力(残留応力σr)が高い。
実施例2、3の合金は、Cu含有量が本発明の上下限地に近い合金であるが、硬さが第1の発明の範囲内にあり、残留応力σrも高い。
比較例2の合金は同様にCu含有量が高いが、210℃300hの熱処理により平均硬さHVが160を超えており、その結果、残留応力σrが低い。
比較例1の合金は、Cu、Mg量が低すぎるため、平均硬さHVが130未満となり、残留応力σrが低い。
比較例3〜5の合金は、Cu含有量が低くNiを含有するため、残留応力σrが低い。
比較例6の合金は、Cu含有量が低く、Mg含有量が高いため、残留応力σrが低い。
また、比較例2、5、6の合金は平均硬さHVが160を超えており、残留応力σrが低い。
比較例7の合金は、Cu含有量が6%を超えており、平均硬さHVが160を超えており、残留応力σrが低い。また、密度も2.8g/cm3より高い。
以上の結果から、Cuが3.5〜5mass%で、Niが0.5mass%以下で、熱処理によりHV130〜160に硬さが調整された第1の発明の鋳造アルミニウム合金が優れた耐リラクセーション特性を示すことが分かる。
表5には、表2に示した第2の発明に関する例の結果を示す。
表2、表5に示すごとく、実施例4〜8の合金は、上記第2の発明に属する合金であり、適量のTi、Zr、Vを含有し、上記整列デンドライト組織の領域の面積率が20%以下である均質な組織を有する。また、熱処理により、硬さが適度に調整されている。その結果として、Ti、Zr、V等を含有しない実施例1の合金に比べて、さらに高い耐リラクセーション特性を示している。
比較例9は、上記第2の発明の成分範囲に比べてSi量が高く、NiとPを含有しており、平均硬さHVが高い。その結果として、残留応力σrは実施例1〜8に比べて低くなっている。
さらに、比較例9の合金は密度が2.8g/cm3以上と実施例1〜8の合金に比べて高く、鋳物の重量が増加するデメリットがある。
実施例6の合金は、第2の発明における最適な合金であり、整列デンドライト組織の面積率が5%以下と低く非常に等方的なネットワーク組織を有している。さらに実施例6の合金は、晶出Siの平均長径が3μm以下と小さく、微細な共晶Siの集合体が広幅のネットワーク骨格を形成する組織を有している。その結果として実施例6の合金は、実施例4、5、7、8の合金よりもさらに高い耐リラクセーション特性を示している。
実施例4、5、7は、実施例6の最適合金に比べて晶出Siの平均長径が5μm以上と大きく、実施例8の合金は、同じく実施例6の最適合金に比べて整列デンドライト組織の面積率が10%以上とやや大きい。そのため、上記のごとくこれらの実施例4、5、7、8の合金の耐リラクセーション特性が実施例6の最適合金にはやや劣るものの、比較例1〜9の従来合金に比べて十分に高い性能を有している。
表6には、表3に示したように、表2のものよりもさらに必須成分を増やして、いわゆる再生地金を使用可能とした第2発明に関する例の結果を示す。
表3、表6に示すごとく、実施例9の合金は、再生地金を配合して作製した合金であるが、適量のPb、Sn、Znを含有するように調整してある。含有量が適度であるので残留応力σrは比較例1〜9の合金に比べて高い値が得られている。さらに実施例9の合金はSn、Pb、Znを含有するので、上記のごとく再生地金を原料に利用できるので、リサイクル性に優れる特徴がある。これにより合金の製造にかかるエネルギを画期的に低減でき、CO2削減効果が極めて大きい。
比較例10の合金は、同じくSn、Pb、Znを含有する再生地金を用いて作製した合金であるが、含有量が適正でないため、残留応力σrが実施例9に比べ著しく低下している。この結果より、第2の発明の合金において、Sn、Pb、Znの含有量を適量に調整すれば、リサイクル性と耐リラクセーション特性を兼備した合金が実現できることが分かる。
参考のために、上述した各鋳造アルミニウム合金のうち代表的なものの金属組織写真を図5〜図14に示す。
(第2実施例)
次に、本発明の実施例に係るコンプレッサにつき、図15を用いて説明する。
本例のコンプレッサ5は、同図に示すごとく、複数のアルミニウム合金よりなるハウジング部材511、512、514を連結してハウジング51を形成し、該ハウジング51内において冷媒の圧縮を行って外部に吐出するよう構成されたコンプレッサである。
そして、本例では、ハウジング部材511、512、514に使用する鋳造アルミニウム合金として、上述した第1実施例で示した合金を3種類代表して採用し、その耐リラクセーション特性を調べた。
まず、コンプレッサ5の構成について簡単に説明する。
図15に示すごとく、コンプレッサ5のハウジング51は、フロントハウジング512、シリンダブロック511、及びリアハウジング514という3つのハウジング部材を順次繋いで構成されている。すなわち、フロントハウジング512は、シリンダブロック511の前端に接合され、リヤハウジング514は、シリンダブロック511の後端に弁・ポート形成体513を介して固定されている。
上記フロントハウジング512、シリンダブロック511及び弁・ポート形成体513には、同軸上に貫通穴521〜523が設けられており、さらに、リアハウジング514には同軸上にねじ穴524が設けられている。そして、貫通穴521〜523を通ってボルト6が差し込まれ、その先端のネジ部62をねじ穴524に螺合させてある。これにより、ボルト6の頭部61とネジ部62との間に介在する全てのハウジング部材同士の当接部に、ボルト6の軸力が作用する構成となっている。
また、ハウジング51内において、シリンダブロック511とフロントハウジング512との間にはクランク室515が区画され、駆動軸516、斜板518等が収容されている。また、シリンダブロック511のシリンダボア527内にはピストン528が進退可能収容されている。また、その他のコンプレッサの機能に必要な部品は、全て、ハウジング51内に収容されている。なお、図15に示したコンプレッサ5の構成は一例であり、ハウジング51の構成、内部の構成等は、公知の様々な形態に変更可能である。
以上のような構成のコンプレッサ5においては、上述したごとく、3つのハウジング部材511、512、514により構成される。これらは、すべて鋳造アルミニウム合金により作製したが、本例では、上述したごとく3種類の合金を準備し、実際に組み付け、ハウジング51の耐リラクセーション特性を評価した。
第1のコンプレッサは、上述した第1の発明に属する実施例6の合金を3つのハウジング部材に採用したものである(試料E1とする)。
第2のコンプレッサは、従来合金である比較例7の合金を3つのハウジング部材に採用したものである(試料C1とする)。
第3のコンプレッサは、従来合金である比較例2の合金を3つのハウジング部材に採用したものである(試料C2とする)。
いずれの試料E1、C1、C2も、上記のごとくボルト6の軸力によりシール性を維持する構成とした。
得られた試料E1、C1、C2に対して、初期のボルト軸力は全て一定としてハウジングを締結した。コンプレッサが使用されるときに発生する最高のハウジング温度に設定したオーブン内にコンプレッサを放置して評価を行った。ボルトは予め弾性伸び量と軸力をあらかじめ較正済みである。
オーブンへ一定時間コンプレッサを放置し,取り出して20℃でボルト長さを測定し,またオーブンへ入れることを繰り返してボルト軸力の時間に対する推移を測定した。
結果を図16に示す。同図は、横軸に高温暴露時間を、縦軸に、初期のボルト軸力を100とした場合のボルト軸力をとった。
なお、このタイプのコンプレッサにおいて冷媒を二酸化炭素とした場合には、目標時間Tmにおいてボルト軸力が60以上を維持していることが望ましい。
図16から知られるごとく、本発明の試料E1は、非常に優れた耐リラクセーション特性を示すことがわかる。
第1実施例における、耐リラクセーション特性試験を行うための治具の構成を示す説明図。 第1実施例における、耐リラクセーション特性試験における曲げ応力を付与した状態を示す説明図。 第1実施例における、耐リラクセーション特性試験における曲げ応力を解放した状態を示す説明図。 第1実施例における、耐リラクセーション特性試験を行うための装置の構成を示す説明図。 実施例6の金属組織を示す図面代用の100倍の顕微鏡写真。 実施例6の金属組織を示す図面代用の400倍の顕微鏡写真。 実施例8の金属組織を示す図面代用の100倍の顕微鏡写真。 実施例8の金属組織を示す図面代用の400倍の顕微鏡写真。 比較例2の金属組織を示す図面代用の100倍の顕微鏡写真。 比較例2の金属組織を示す図面代用の400倍の顕微鏡写真。 比較例1の金属組織を示す図面代用の100倍の顕微鏡写真。 比較例1の金属組織を示す図面代用の400倍の顕微鏡写真。 比較例9の金属組織を示す図面代用の100倍の顕微鏡写真。 比較例9の金属組織を示す図面代用の400倍の顕微鏡写真。 第2実施例における、コンプレッサの構成を示す説明図。 第2実施例における、ボルト軸力の推移を示す説明図。
符号の説明
1 リラクセーション試験治具、
11、12 試験片、
21、22 高温歪みゲージ、
3 支持部材、
4 拘束部材
5 コンプレッサ
51 ハウジング
511 ハウジング部材(シリンダブロック)
512 ハウジング部材(フロントハウジング)
514 ハウジング部材(リアハウジング)
6 ボルト

Claims (18)

  1. 複数のアルミニウム合金よりなるハウジング部材にてハウジングを形成し、該ハウジング内において冷媒の圧縮を行って外部に吐出するよう構成されたコンプレッサであって、
    少なくとも一つの上記ハウジング部材は、
    Si:9〜17質量%、
    Cu:3.5〜6質量%、
    Mg:0.2〜1.2質量%、
    Fe:0.2〜1.5質量%、及び
    Mn:0〜1質量%を含有し、
    Ni含有量が0.5質量%以下であり、
    残部がAl及び不可避的不純物よりなる耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金よりなることを特徴とするコンプレッサ。
  2. 請求項1において、上記鋳造アルミニウム合金は、平均硬さがHV130〜HV170である耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金よりなることを特徴とするコンプレッサ。
  3. 請求項1又は2において、上記鋳造アルミニウム合金は、鋳造後に、450〜510℃の処理温度に0.5時間以上保持する溶体化加熱を行った後、水焼入れを行い、その後170〜230℃の処理温度に1〜24時間保持する時効処理を行うことにより上記平均硬さを調整してあることを特徴とするコンプレッサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記鋳造アルミニウム合金は、Si含有量が9〜12質量%であり、初晶Siが存在しない亜共晶組織を有することを特徴とするコンプレッサ。
  5. 複数のアルミニウム合金よりなるハウジング部材にてハウジングを形成し、該ハウジング内において冷媒の圧縮を行って外部に吐出するよう構成されたコンプレッサであって、
    少なくとも一つの上記ハウジング部材は、
    Si:9〜17質量%、
    Cu:3.5〜6質量%、
    Mg:0.3〜1.2質量%、
    Fe:0.2〜1質量%、
    Mn:0.1〜1質量%、及び
    Ti:0.15〜0.3質量%を含有し、
    Ni含有量が0.5質量%以下であり、
    残部がAl及び不可避的不純物よりなる耐リラクセーション特性に優れた鋳造アルミニウム合金よりなることを特徴とするコンプレッサ。
  6. 請求項5において、上記鋳造アルミニウム合金は、さらに、
    Zr:0.05〜0.15質量%、及び
    V:0.02〜0.15質量%を含有していることを特徴とするコンプレッサ。
  7. 請求項5又は6において、上記鋳造アルミニウム合金は、Si含有量が9〜12質量%であり、さらに、P含有量が0.001質量%以下であり、初晶Siが存在しない亜共晶組織を有することを特徴とするコンプレッサ。
  8. 請求項7において、上記鋳造アルミニウム合金は、さらに、
    Ca:0.0005〜0.01質量%、
    Na:0.0005〜0.003質量%、
    Sr:0.003〜0.03質量%、及び
    Sb:0.05〜0.2質量%、
    のうち1種以上を含有することを特徴とするコンプレッサ。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項において、上記鋳造アルミニウム合金は、5個以上のデンドライトセルが略一方向に整列するデンドライトの割合が面積率で20%以下であって実質的にデンドライトの整列が無い等方均質組織を有することを特徴とするコンプレッサ。
  10. 請求項9において、上記鋳造アルミニウム合金は、密度が2.8g/cm3以下であることを特徴とするコンプレッサ。
  11. 請求項5〜10のいずれか1項において、上記鋳造アルミニウム合金は、平均硬さがHV130〜HV170であることを特徴とするコンプレッサ。
  12. 請求項5〜11のいずれか1項において、上記鋳造アルミニウム合金は、鋳造後に、450〜510℃の処理温度に0.5時間以上保持する溶体化加熱を行った後、水焼入れを行い、その後170〜230℃の処理温度に1〜24時間保持する時効処理を行うことにより上記平均硬さを調整してあることを特徴とするコンプレッサ。
  13. 請求項7〜12のいずれか1項において、上記鋳造アルミニウム合金における晶出Siの平均長径が5μm以下であることを特徴とするコンプレッサ。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項において、上記鋳造アルミニウム合金は、さらに、
    Sn:0.01〜0.1質量%、
    Pb:0.02〜0.15質量%、
    Zn:0.1〜1質量%、
    のうち1種以上を含有することを特徴とするコンプレッサ。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項において、上記鋳造アルミニウム合金における基地Al相中のSi量が0.95質量%以上であることを特徴とするコンプレッサ。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項において、上記ハウジングは、複数の上記ハウジング部材を鋼製のボルトを用いた締め付けにより締結してあることを特徴とするンプレッサ。
  17. 請求項16おいて、上記ハウジングは、上記ボルトの軸力により上記ハウジング部材間の当接部における面圧を発生させ、内部における上記冷媒が漏れ出ることを防止するシール構造を有していることを特徴とするコンプレッサ。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項において、上記冷媒は二酸化炭素であることを特徴とするコンプレッサ。
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