以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
(スロットマシンの全体構成)
図1は、スロットマシン1の全体構成を示す斜視図である。スロットマシン1は本発明の実施の形態に係る遊技機であって、複数の図柄の可変表示画像を用いた可変表示遊技(スロットゲームともいう)を行えるように構成されている。スロットマシン1は、ゲーム開始から無条件で開始される通常ゲームが行える通常遊技態様のほかに、通常ゲームに続いて一定条件下で開始されるフリーゲームが行える特定遊技態様を有し、その特定遊技態様でも、可変表示遊技を行えるようになっている。
スロットマシン1は、筐体2の正面に、液晶表示装置を備えたメインディスプレイ3を有している。また、メインディスプレイ3の上側部分に同じく液晶表示装置を備えたサブディスプレイ4を有している。
メインディスプレイ3は、本発明における表示手段であって、画面略中央に可変表示領域30Aが配置され、可変表示領域30Aの左側に隣接して固定表示領域30Bが配置されている。可変表示領域30Aは図4に示すように複数の可変表示部(本実施の形態では、縦横3列ずつ配置された合計9つの可変表示部3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G,3H,3I)を有する。一方、固定表示領域30Bは図21及び図22に示すように1個の固定表示部3Jを有する。メインディスプレイ3には、通常遊技態様および特定遊技態様のいずれにおいても、可変表示領域30Aにおける各可変表示部3A〜3Iに、複数種類の図柄が上から下に向かって移動するかのようなスクロール表示画像(機械式のリールがあたかも回転するように表示されるリール画像)が表示されるようになっている(各可変表示部3A〜3Iに表示される図柄は、図18に示す図柄配列に沿って配置されている)。また、固定表示部3Jには、図柄が固定されて動かないような固定表示画像が表示されるようになっている。なお、スクロール表示画像の表示は本発明における可変表示に相当し、固定表示画像の表示は本発明における固定表示に相当する。
なお、図4に示すように、スロットマシン1は9つの可変表示部3A〜3Iを有するので、図5に示すように、各可変表示部3A〜3Iの縦、横または斜め方向の直線状に並んだそれぞれ3つの可変表示部によって構成される合計8本の有効ラインL1〜L8が設定されるようになっている(例えば、可変表示部3D,3Eおよび3Fによって有効ラインL1が設定される)。
サブディスプレイ4は、配当表、ゲームの説明等のゲームに関連する画像(例えば、ゲーム内容の説明など)が表示される。
そして、スロットマシン1は、メインディスプレイ3の下側に、ほぼ水平の台座部5が設けられている。台座部5には、コイン投入口6と、紙幣挿入口7と、スピンスイッチ8と、1BETスイッチ9と、最大BETスイッチ10およびCASHOUTスイッチ11が設けられている。
コイン投入口6は、遊技者がゲームに賭けるためのコインを投入するために設けられ、コイン投入を示す信号を出力する投入コインセンサ6a(図2参照)を有している。また、紙幣挿入口7は、遊技者が紙幣を投入するために設けられており、紙幣挿入を示す信号を出力する挿入紙幣センサ7a(図2参照)を有している。スピンスイッチ8は、各可変表示部3A〜3Iにおいて、図柄のスクロール表示画像を表示してスロットゲームを開始するための操作を遊技者が行うために設けられている。1BETスイッチ9は1回の操作により、コインを1枚賭ける設定を行うために設けられている。最大BETスイッチ10は1回の操作により、1ゲームに賭けることが可能な最大枚数のコインを賭ける設定を行うために設けられている。CASHOUTスイッチ11は払い出し可能なコインを払い出すための操作ボタンである。
さらに、スロットマシン1は、筐体2の底部に、コインの払出口13と払い出されたコインを収めるコイン受け部14とが設けられている。さらに、コインの払出口13を挟んで左側、右側に、それぞれスピーカ12L,12Rが設けられている。
図2は、内部の構成を中心に示すスロットマシン1のブロック図である。スロットマシン1は、ゲーミングボード20およびマザーボード40を中心に複数の構成要素を有している。
ゲーミングボード20は、内部バス24によって互いに接続されたCPU23及びブートROM21と、メモリーカード27、GAL28のそれぞれに対応したカードスロット22a、22bとを有し、メモリーカード27から後述するゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムをマザーボード40に取込み、GAL28からコインの払出率(ペイアウト率)設定用データをマザーボード40に取込むための装置である。
内部バス24によって互いに接続されたCPU23及びブートROM21は、PCIバス25によってマザーボード40に接続されている。PCIバス25は、マザーボード40とゲーミングボード20との間の信号伝達を行うと共に、マザーボード40からゲーミングボード20への電力供給を行う。ブートROM21には、後述する認証プログラム、予備認証プログラムおよびCPU23が予備認証プログラムをブート(起動)するための図示しないプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
認証プログラムは、認証取込処理の対象となる遊技用情報が改竄されていないことの確認および証明、すなわち、遊技用情報の認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されており、メモリーカード27を用いてスロットマシン1に供給されるゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを後述するメインCPU32が認証するためのプログラムである。この認証プログラムは、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムについて、改竄されていないことのチェックを行うことから、改竄チェックプログラムともいう。
予備認証プログラムは、上記認証プログラムが改竄されていないことの確認および証明、すなわち、認証プログラムの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されており、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムの認証を行う上記認証プログラムを認証するためのプログラムである。予備認証プログラムは、CPU23によって実行される。
カードスロット22aは、IDEバス26aによってマザーボード40に接続されている。このカードスロット22aは、記憶されているゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを読み出し可能な状態でメモリーカード27を接続し得るようになっていて、メモリーカードを差込み可能なスロット(物理的な接続部)である。
カードスロット22bは、IDEバス26bによってマザーボード40に接続されている。このカードスロット22bは、記憶されているペイアウト率設定用データを読み出し可能な状態でGAL28を接続し得るようになっていて、GAL28を差込み可能なスロット(物理的な接続部)である。
マザーボード40は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント基板)を用いて構成され、少なくともメインCPU(Central Processing Unit)32と、ROM(Read Only Memory)34と、RAM(Random Access Memory)33およびI/Oポート39を有し、さらに乱数発生器35と、サンプリング回路36と、クロックパルス発生回路37と、分周器38とを有している。そして、I/Oポート39に上述したPCIバス25およびIDEバス26a,26bが接続されている。
メインCPU32は、取り込まれたゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムにしたがい本発明の特徴とする各種手段として作動する一方、I/Oポート39を介して、他の構成要素との信号の入出力を行い、スロットマシン1全体の動作制御を行う。RAM33にはメインCPU32が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶され、ゲーミングボード20を介して読み出される認証プログラムと、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムとが少なくとも記憶される。
ROM34には、メインCPU32により実行されるBIOS(Basic Input/Output System、マザーボード40における標準BIOS)などのプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインCPU32によってこのBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われると共に、メモリーカード27に記憶されているゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムのゲーミングボード20を介した取込処理が開始される。なお、このROM34には、フラッシュメモリ等のメモリデバイスが採用されるが、内容の書き換えが可能なもの及び不可能なもののいずれも利用可能である。
また、乱数発生器35は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路36は、メインCPU32の指示にしたがい、乱数発生器35が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出し、その抽出した乱数をメインCPU32に入力する。クロックパルス発生回路37は、メインCPU32を作動させるための基準クロックを発生させ、分周器38はその基準クロックを一定周期で分周した信号をメインCPU32に入力する。
さらに、スロットマシン1は、タッチパネル3aと、ランプ駆動回路59、ランプ60と、LED駆動回路61、LED62と、ホッパー駆動回路63、ホッパー64と、払出完了信号回路65、コイン検出部66とを有している。また、スロットマシン1は、画像制御回路71と、音制御回路72を有している。
タッチパネル3aはメインディスプレイ3の表示画面を覆うように設けられていて遊技者の指等が触れた箇所の位置を検出し、その検出した位置に対応した位置信号をメインCPU32に入力する。このタッチパネル3aは、遊技者が指等のタッチ操作による入力操作を行え、入力操作情報出力手段としての機能を有している。ランプ駆動回路59はランプ60を点灯させるための信号をランプ60に出力し、ランプ60をゲーム実行中に点滅させる。この点滅によって、ゲームの演出が行われる。LED駆動回路61は、LED62の点滅表示を制御する。LED62はクレジット枚数表示や獲得枚数表示等を行う。ホッパー駆動回路63はメインCPU32の制御にしたがってホッパー64を駆動させ、ホッパー64はコインの払い出しを行うための動作を行い、払出口13からコイン受け部14へコインを払い出させる。コイン検出部66は、ホッパー64により払い出されたコインの枚数を計測し、その計測した枚数値のデータを払出完了信号回路65に通知する。払出完了信号回路65は、コイン検出部66からコインの枚数値のデータを入力し、その枚数値が、設定された枚数のデータに達したときにコインの払出完了を通知する信号をメインCPU32に入力する。
画像制御回路71は、メインディスプレイ3、サブディスプレイ4のそれぞれにおける画像表示を制御して、複数の図柄のスクロール表示画像や、後述するChance図柄の固定表示画像等の各種の画像をメインディスプレイ3、サブディスプレイ4に表示させる。
この画像制御回路71は、図3に示すように、画像制御CPU71a、ワークRAM71b、プログラムROM71c、画像ROM71d、ビデオRAM71eおよびVDP(Video Display Processor)71fを有している。画像制御CPU71aは、メインCPU32で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM71cに予め記憶されている(メインディスプレイ3、サブディスプレイ4での表示に関する)画像制御プログラムに従い、メインディスプレイ3、サブディスプレイ4に表示される画像(リール画像、スクロール表示が停止したときに表示される停止図柄の画像など)を決定する。ワークRAM71bは、画像制御CPU71aが画像制御プログラムを実行するときの一時記憶手段として構成されている。
プログラムROM71cは、画像制御プログラムや各種選択テーブルなどを記憶している。画像ROM71dは、画像を形成するためのドットデータを記憶している。このドットデータには、本実施の形態では、通常ゲームおよびフリーゲームで使用される各図柄を示す図柄画像データが含まれている。ビデオRAM71eは、VDP71fにより画像を形成するときの一時記憶手段として構成されている。VDP71fは制御RAM71gを有し、画像制御CPU71aで決定されたメインディスプレイ3、サブディスプレイ4の表示内容に応じた画像を形成し、その形成された各画像をメインディスプレイ3、サブディスプレイ4に出力する。
音制御回路72はスピーカ12L、12Rから音声を出力するための音声信号をスピーカ12L、12Rに入力する。スピーカ12L、12Rからは、例えば、ゲーム開始後、適当な時期にゲームを盛り上げるための音声が出力される。
(スロットマシンの動作内容)
次に、以上の構成を有するスロットマシン1の動作内容について、図6〜図12に示すフローチャートを参照して説明する。図6はスロットマシン1において、電源を投入したあとにメインCPU32により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。なお、図6〜図12では、ステップをSと略記している。
(メイン制御処理の動作手順)
図6に示すように、スロットマシン1は、メインCPU32が遊技進行制御手段として作動してスロットゲームの進行を制御している。そして、メインCPU32は電源投入に伴いメイン制御処理を開始すると、ステップ1、2を実行した後ステップ3に進み、ステップ3からステップ10までの各ステップを繰り返し順次実行する繰返ルーチンに進む。
スロットマシン1では、ステップ1に進むと、メインCPU32がROM34に記憶されているBIOSを実行して、ブートROM21から認証プログラムを読み出してRAM33に記憶させ、その認証プログラムにしたがいメモリーカード27に記憶されているゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムの認証処理を行って、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムをゲーミングボード20を介して読み出し、読み出したゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムをRAM33に書き込む取込処理を行う。続いてステップ2に進み、GAL28に記憶されているペイアウト率設定用データのゲーミングボード20を介して読み出す取込処理を行い、読み出したペイアウト率設定用データをRAM33に書き込み。
続いてステップ3に進むと、次のスロットゲームを開始するための初期化処理が行われる。この初期化処理はスロットゲームが1ゲーム終了するたびに行われ、所定のデータ領域に設定されている項目のデータ(例えば、後述する払出枚数カウンタなど)をクリアするなどの処理が行われる。次にステップ4〜ステップ7まで、順にコイン投入・スタートチェック処理、内部抽選処理、リール制御処理および入賞検索処理が実行されるが、ここでは、通常ゲームが行われ、遊技態様は通常遊技態様になっている。
次いで、ステップ8に進み、通常ゲーム中に後述するフリーゲームトリガーが成立し、特定遊技態様への移行条件が成立したときは、メインCPU32が移行手段として作動して、遊技態様を通常遊技態様から特定遊技態様へ移行させてステップ9に進み、ステップ9の後述するフリーゲーム処理を実行した後ステップ10に進むが、移行条件が成立していなければステップ9を実行することなくステップ10に進む。ステップ10に進むと、メインCPU32がホッパー駆動回路63に指示して、払出枚数カウンタに対応した枚数のコインをホッパー64から払出させる。
(コイン投入・スタートチェック処理)
ステップ4のコイン投入・スタートチェック処理は、図7に示すフローチャートに沿って行われる。メインCPU32はコイン投入・スタートチェック処理を開始すると、ステップ11に進み、投入コインセンサ6aからの信号が入力されたか否かによってコイン投入を検出したか否かを判定し、コイン投入を検出したときはステップ12に進み、ステップ12を実行した後ステップ13に進むが、コイン投入を検出しないときはステップ12を実行せずにステップ13に進む。ステップ12に進むと、投入済みのコインまたは払い出し予定のコインによって構成されるクレジット数を示すクレジット数カウンタを更新(投入されたコインに応じて加算する)する。続いてステップ13に進むと、クレジット数カウンタが0か否かを判定し、0のときはステップ21に進むが、そうでなければステップ14に進む。ステップ14では、BETスイッチ(1BETスイッチ9および最大BETスイッチ10)の操作受付を許可する。
続いてステップ15に進むと、メインCPU32はBETスイッチ(1BETスイッチ9および最大BETスイッチ10)の操作を検出したか否かを判定し、いずれかの操作を検出したときはステップ16に進み、いずれの操作も検出しないときはステップ21に進む。ステップ16に進むと、メインCPU32が本発明におけるライン設定手段として作動して、投入されたコインが1枚でも8本の有効ラインL1〜L8がすべて設定される(すなわち、8本の有効ラインL1〜L8がすべて有効となり、有効ラインL1〜L8すべてについて後述するラインペイが行われるようになる)ように、設定されている有効ライン数を示す有効ラインカウンタに“8”をセットする。
続いてステップ17に進むと、操作を検出したBETスイッチに基づいて、コインのBET数を示すBET数カウンタおよびクレジット数カウンタを更新(BET数を加算、クレジット数カウンタを減算)し、続くステップ18では、BET数カウンタが最大か否かを判定し、最大ならばステップ19に進んでBET数カウンタの更新を禁止する処理を行い、ステップ20に進むが、そうでなければステップ19を実行することなくステップ20に進む。ステップ20に進むと、スピンスイッチ8の操作受付が許可され、続くステップ21では、スピンスイッチ8の操作を検出したか否かが判定され、スピンスイッチ8の操作を検出したときはコイン投入・スタートチェック処理を終了するが、そうでなければステップ11に戻り、上記の処理を繰り返し行う。
(内部抽選処理)
コイン投入処理が終了すると、図6に戻ってステップ5に進み、内部抽選処理が行われる。メインCPU32は図8に示すフローチャートに沿って内部抽選処理を実行する。
メインCPU32は内部抽選処理を開始すると、ステップ31に進み、メインCPU32は、サンプリング回路36に指示して、乱数発生器35が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出する。続くステップ32では、メインCPU32が本発明における図柄決定手段として作動して、ステップ33で抽出された乱数に基づき、後述する内部抽選テーブル91(図13(a)参照)を参照して各可変表示部3A〜3Iに停止表示される図柄(停止予定図柄)を決定する。この場合、乱数の抽出は各可変表示部3A〜3Iに対応して9回行なわれ、停止予定図柄の決定も、各可変表示部3A〜3Iに対応して9回行なわれる。
図4に示すように、本実施形態では、単位図柄としてセブン図柄100a、ベル図柄100b、スイカ図柄100c、BAR図柄100d、チェリー図柄100e、プラム図柄100fが設定されている。さらに、図21(a)〜(d)に示すように、ベル図柄100bを複数有することを示す複合図柄(ベル複合図柄)としてベル×2図柄100h、ベル×3図柄100i、ベル×4図柄100j、ベル×5図柄100kが設定されている。そして、ベル×2図柄100hはベル図柄100bを2個含み、ベル×3図柄100iはベル図柄100bを3個含み、ベル×4図柄100jはベル図柄100bを4個含み、ベル×5図柄100kはベル図柄100bを5個含んでいることを示している。同様に、図21(e)〜(h)に示すように、プラム図柄100fを複数有することを示す複合図柄(プラム複合図柄)としてプラム×2図柄100m〜プラム×5図柄100qが設定されており、プラム×2図柄100mはプラム図柄100fを2個含み、プラム×3図柄100nはプラム図柄100fを3個含み、プラム×4図柄100pはプラム図柄100fを4個含み、プラム×5図柄100qはプラム図柄100fを5個含んでいることを示している。なお、ベル図柄100b及び各ベル複合図柄100h,100i,100j,100kは同種の図柄であり、後述する入賞役の特定(図8のステップ33、図10のステップ43)においては、メインCPU32によって区別されず、同種の「ベル」として判断される。同様に、プラム図柄100f及び各プラム複合図柄100m,100n,100p,100qも同種の図柄であり、後述する入賞役の特定(図8のステップ33、図10のステップ43)においては、メインCPU32によって区別されず、同種の「プラム」として判断される。
各可変表示部3A〜3Iの停止予定図柄を決定した後、決定された停止予定図柄のデータ(図柄を特定するためのデータを図柄データという)をRAM33に確保されている図柄格納領域に格納する。この図柄格納領域には、例えば図16に示すようにして図柄データが格納される。なお、図16は、図15における図柄配列に基づいており、可変表示部3A〜3Cに対応した停止制御位置にはコードNo1の図柄データを格納した例を示し、同様に、可変表示部3D,3IにはコードNo7、可変表示部3EにはコードNo9、可変表示部3FにはコードNo5、可変表示部3GにはコードNo4、可変表示部3HにはコードNo3の図柄データを格納した例を示している。なお、図4は、図16に示す図柄データの格納例に対応しており、可変表示部3A〜3Cにはベル図柄100b、可変表示部3D及び3Iにはチェリー図柄100e、可変表示部3Eにはプラム図柄100f、可変表示部3Fにはセブン図柄100a、可変表示部3GにはBAR図柄100d、可変表示部3Hにはスイカ図柄100cが停止表示されている。
後続のステップ33に進むと、メインCPU32はRAM33の図柄格納領域に格納されている図柄データを用いて後述する入賞役決定テーブル92をサーチして、それぞれから入賞役を決定する。
次のステップ34に進むと、メインCPU32が本発明における固定図柄決定手段として作動し、抽出した乱数を用いて後述するChance図柄抽選テーブル93(図13(b)参照)を参照し、複数種類の図柄のうち、いずれか一つをChance図柄として決定する。この場合、抽出した乱数が“76”〜“256”のいずれかである場合には、「ハズレ」であるため、Chance図柄の決定は行わない。なお、Chance図柄抽選テーブル93を参照することで、単位図柄(例えば、ベル図柄)と複合図柄(例えば、ベル×2図柄)のいずれか一方が、Chance図柄として決定されるが、本実施形態では、単位図柄がChance図柄として決定された場合を例に説明し、後述の第2実施形態では複合図柄がChance図柄として決定された場合を例に説明する。
メインCPU32は、Chance図柄を決定した場合には、Chance図柄格納領域(図20参照)にデータをセットする。Chance図柄格納領域は、15種類の図柄に対応してビット0〜ビット14までのフラグメモリを有し、各フラグメモリに“0”または“1”がセット可能になっている。そして、“1”がセットされたフラグメモリに対応する図柄はChance図柄として格納された状態を示し、“0”がセットされたフラグメモリに対応する図柄はChance図柄として格納されていない状態を示している。例えば、ビット8のフラグメモリに“1”がセットされている場合には、ベル図柄100b(図4参照)がChance図柄として格納されている。本実施形態では、図20に示すように、単位図柄に対応するビット0〜ビット3、ビット8、ビット13及びビット14のメモリフラグのいずれかに“1”がセットされている。
(リール制御処理)
内部抽選処理が終了すると、図6に戻ってステップ6に進み、リール制御処理が行われる。メインCPU32は図9に示すフローチャートに沿ってリール制御処理を実行する。
メインCPU32はリール制御処理を開始すると、ステップ51に進み、入賞役と図19に示す演出テーブル94とに基づいて、演出識別子を決定する。続くステップ52では、メインCPU32はステップ51で決定された演出識別子の示す演出時間に基づいて、リール回転停止タイマをセットし、続くステップ53では、メインCPU32がスクロール制御処理を行う。このとき、メインCPU32は画像制御回路71に指示して、各可変表示部3A〜3Iにスクロール表示画像を表示させる。
後続のステップ54に進むと、メインCPU32は決定された演出制御処理を行い、画像制御回路71に指示して、演出画像を表示させる。また、続くステップ55では、リール回転停止タイマが“0”になるまで待機して、“0”になったらステップ56に進み、メインCPU32は画像制御回路71に指示して、各可変表示部3A〜3Iにスクロール表示画像のスクロールが停止する画像(停止表示画像)を表示させる(図22(a)参照)。また、メインCPU32はステップ56を実行すると、リール制御処理を終了する。
(入賞検索処理)
リール制御処理が終了すると、図6に戻ってステップ7に進み、入賞検索処理が行われる。メインCPU32は図10に示すフローチャートに沿って入賞検索処理を実行する。
メインCPU32は入賞検索処理を開始すると、ステップ40に進み、図柄再セット処理が行われる。メインCPU32は図11に示すフローチャートに沿って図柄再セット処理を実行する。
図柄再セット処理を開始すると、ステップ80に進み、メインCPU32は、Chance図柄格納領域の各メモリフラグのいずれかに、“1”がセットされているか否かを判定し、“1”がセットされている場合にはステップ81に進み、“1”がセットされていなければ図柄再セット処理を終了する。なお、本実施形態では、各可変表示部3A〜3Iの各停止図柄のうち、Chance図柄を複数有することを示す複合図柄が無い場合にも、ステップ81に進むことなく、図柄再セット処理が終了する。
後続のステップ81に進むと、メインCPU32は画像表示制御手段として作動して画像制御回路71に指示して、Chance図柄格納領域に格納されているChance図柄の固定表示画像を、固定表示部3Jに表示させる。リール制御処理が終了して、図柄再セット処理が開始されるまでの間は、例えば、図22(a)に示すように、各可変表示部3A〜3Iには各図柄の停止表示画像が表示され、固定表示部3Jには“?”記号を示す画像が表示されている。そして、図柄再セット処理が開始されてステップ81に進み、メインCPU32が画像表示制御手段として作動すると、図22(b)に示すように、固定表示部3JにChance図柄として決定されたベル図柄100bの固定表示画像が表示される。この場合、可変表示部3Eには、ベル×5図柄100kが停止表示されており、ベル×5図柄100kは、Chance図柄としてのベル図柄100bを5個有することを示す。Chance図柄の固定表示画像が表示されているときは、タッチパネル3aは本発明における入力操作情報出力手段として作動している。この場合に、タッチパネル3aは、遊技者の画面タッチにより、可変表示部3A〜3Iのいずれか一つを指定する指定入力操作が行われると、その指定入力操作に対応する図柄に関する入力操作情報をメインCPU32に出力する。なお、図22(b)では、可変表示部3Eにのみ、ベル複合図柄が停止表示された場合を例示しているが、複数の可変表示部3A〜3Iにベル複合図柄(例えば、ベル×2図柄100hとベル×3図柄100i)が停止表示されるようにしてもよい。
続く、ステップ82でメインPU32は、入力操作情報が入力されるまで待機し、その入力操作情報が入力された場合には、ステップ83に進む。ステップ83に進むと、入力操作情報に基づいて、Chance図柄に関連する図柄か否かを判定し、関連する図柄の場合には、ステップ84に進み、関連する図柄ではない場合には、図柄再セット処理が終了する。本実施形態では、Chance図柄に関連する図柄とは、単位図柄であるChance図柄(ベル図柄100b)を複数有することを示すベル×5図柄100kであり、メインPU32は、遊技者による指定入力操作に対応する図柄が、ベル×5図柄100k(対応複合図柄)の場合には、ステップ84に進む。
ステップ84に進むと、メインCPU32は、本発明における複合図柄変更手段として作動し、図柄格納領域に図柄データを再セットする処理(再度、図柄データを格納する処理)を行う。この処理は、ベル×5図柄100kに含まれるベル図柄100bの個数(5個)に応じて、Chance図柄とは異なる関連外図柄(ベル図柄100b及びベル複合図柄とは異なる種類の停止図柄)を、ベル図柄100bに変更するための処理である。例えば、図22(b)に示すように、遊技者の指定入力操作によって可変表示部3Eのベル×5図柄100kが指定されたときには、メインCPU32は、図柄格納領域に格納されている図柄データにおいて、関連外図柄の図柄データのうち、5個から1個を差し引いた4個の図柄データをベル図柄100bに変更するとともに、可変表示部3Eに対応する図柄データをベル図柄100bに変更する。
なお、図22(b)に示す態様では、関連外図柄は4個しかなく、すべての関連外図柄に対応する図柄データはベル図柄100bに変更される。しかしながら、関連外図柄の個数が、対応複合図柄に含まれる単位図柄の個数から1個を差し引いた個数よりも多い場合には、メインCPU32は、変更図柄決定手段として作動し、関連外図柄の中から変更対象となる停止図柄を抽選によって決定する。なお、変更対象となる停止図柄の決定は、抽選でなくてもよく、可変表示部3A〜3Iの停止図柄に優先順位を設定しておき、その優先順位に応じて決定するようにしてもよい。
後続のステップ85に進むと、メインCPUは分割画像表示制御手段として作動する。そして、メインCPU32は画像制御回路71に指示して、図柄分割画像(図23(a)参照)をメインディスプレイ3に表示させる。この図柄分割画像は、可変表示部3Eの停止図柄(ベル×5図柄100k)が分割され、その場に留まるベル図柄100bを除く4個のベル図柄100bが他の可変表示部3D,3G,3H,3Iまで移動し、他の可変表示部3D,3G,3H,3Iの停止図柄に置き換わる様子(図23(b)参照)を示している。図柄分割画像を表示させると図柄再セット処理が終了する。
図柄再セット処理が終了すると、図10に示すように、ステップ41に進み、図20に示す有効ライン図柄格納領域(各可変表示部の停止予定図柄の図柄データが有効ラインごとに格納されている領域)の先頭アドレスを取得し、次のステップ42では、有効ラインカウンタが“0”か否かを判定する。ここで、有効ラインカウンタが“0”であると判定されないときはステップ43に進み、ステップ43,44,45を順次実行した後、ステップ42に戻るが、有効ラインカウンタが“0”であると判定されたときはステップ43、44,45を実行することなく入賞検索処理を終了する。
ステップ43に進むと、メインCPU32が本発明における利益決定手段として作動して、有効ライン図柄格納領域のうちの取得した先頭アドレスに対応している図柄データの組み合わせを用い、後述する入賞役決定テーブル92をサーチして対応する入賞役を特定する一方、特定された入賞役に基づき払出枚数(本発明における遊技利益の大きさ)を決定する。また、決定された払出枚数は払出枚数カウンタに加算される。この場合、遊技者の指定入力操作に応じた図柄格納領域の再セット(図11のステップ84参照)が行われている場合には、再セットされた図柄変更後の有効ライン図柄格納領域に基づいて入賞役が特定される。次のステップ44では、有効ラインカウンタから“1”を減算し、後続のステップ45では有効ライン図柄格納領域の次のアドレスを取得する。メインCPU32はステップ45を実行した後、ステップ42に戻ってステップ42〜45を上記のようにして実行する。
なお、各可変表示部3A〜3Iに、複数のベル複合図柄が停止表示された場合には、ベル図柄100bを多く含むベル複合図柄を指定するほど、多くの停止図柄がベル図柄100bに変更され、入賞役「ベル」が特定される可能性が高くなり、コインが払い出される可能性が高くなる。そのため、遊技者の画面タッチによる指定入力操作の巧拙がコインの払出枚数を決める要因ともなっている。その結果として、画面タッチによる指定入力操作に臨む遊技者に対し、緊張感を持たせ、遊技者により、積極的な参加を促す効果もある。その意味では、画面タッチによる指定入力操作を行える時間を2〜3秒間という極めて短い時間に限定してもよい。
(フリーゲーム処理)
ステップ8(図6参照)で、フリーゲームトリガーが成立していると判定されたときはフリーゲーム処理が開始される。本実施形態では、入賞役として「7」(有効ラインL1〜L8上にセブン図柄100aが揃った場合)が特定された場合にフリーゲームトリガーが成立していると判定される(ただし、別の条件にしてもよい)。
そして、フリーゲーム処理は図12に示すフローチャートに沿って行われる。メインCPU32はフリーゲーム処理を開始すると、ステップ61に進み、抽出した乱数を用いて後述する後述するフリーゲーム数抽選テーブル95(図14参照)を参照し、フリーゲーム数(フリーゲームが繰り返される回数)を決定する。次に、ステップ62に進み、ステップ61で決定されたフリーゲーム数をフリーゲーム数カウンタにセットする。その後、通常遊技態様におけるステップ5,6,7と同様の処理(内部抽選処理、リール制御処理、入賞検索処理)を実行した後、ステップ66に進み、ステップ8と同様にしてフリーゲームトリガーの成否を判定する。ここで、フリーゲームトリガーが成立していると判定されたときはステップ67,68を実行し、続いてステップ69に進むが、そうでなければステップ67,68を実行することなくステップ69に進む。ここで、フリーゲームトリガーが成立していると、ステップ67に進み、再びステップ61と同様の処理が実行されてフリーゲーム数が決定され、その決定されたフリーゲーム数がステップ68でフリーゲーム数カウンタに加算される。したがって、フリーゲーム中にフリーゲームトリガーが成立すると、その都度、フリーゲーム数カウンタが加算される。
そして、ステップ69に進むと、払出枚数カウンタの値が更新され、続くステップ70では、フリーゲーム数カウンタの値を“1”減算し、次のステップ71では、フリーゲーム数カウンタが“0”か否かを判定し、“0”であればフリーゲーム処理を終了するが、そうでなければステップ63に戻る。
こうして、フリーゲーム処理では、ステップ61で決定され、ステップ64で加算されたフリーゲーム数カウンタの値が“0”になるまで(フリーゲーム数カウンタの回数分だけ)フリーゲームが繰り返し実行されるようになっている。
(テーブルの説明)
内部抽選テーブル91は、図13(a)に示すように、図柄エリア91aと、乱数範囲エリア91bと、当選確率エリア91cとを有し、乱数範囲1〜256の中から抽出された乱数値を用いて乱数範囲エリア91bをサーチし、該当する乱数があったときは、その乱数に関連付けて設定されている図柄データが図柄エリア91aから読み出され、その読み出された図柄データによって、停止図柄が決定されるようになっている。
Chance図柄抽選テーブル93は、図13(b)に示すように、図柄エリア93aと、乱数範囲エリア93bと、当選確率エリア93cとを有し、乱数範囲1〜256の中から抽出された乱数値を用いて乱数範囲エリア93bをサーチし、該当する乱数があったときは、その乱数に関連付けて設定されている図柄データが図柄エリア93aから読み出され、その読み出された図柄データによって、Chance図柄が決定されるようになっている。
フリーゲーム数抽選テーブル95は、図14に示すように、フリーゲーム数エリア95aと、乱数範囲エリア95bと、当選確率エリア95cとを有し、乱数範囲1〜256の中から抽出された乱数値を用いて乱数範囲エリア95bをサーチし、該当する乱数があったときは、その乱数に関連付けて設定されているフリーゲーム数がフリーゲーム数エリア95aから読み出され、その読み出されたフリーゲーム数によって、フリーゲーム数が決定されるようになっている。
入賞役決定テーブル92は、図18に示すように、図柄コードエリア92aと、払出枚数エリア92bと、入賞役エリア92cを有し、有効ラインに沿って配置された3つの可変表示部に停止表示される停止予定図柄の図柄コードの組み合わせに基づいて、払出枚数および入賞役が決まるようになっている。すなわち、3つの可変表示部に停止表示される停止予定図柄の図柄コードの組み合わせを用いて図柄コードエリア92aをサーチし、該当する組み合わせがあったときは、その組み合わせに関連付けて設定されている払出枚数および入賞役がそれぞれ払出枚数エリア92bと、入賞役エリア92とから読み出され、その読み出されたデータによって、払出枚数および入賞役が決まるようになっている。
以上のように、スロットマシン1では、単位図柄であるChance図柄が固定表示部3Jに表示され、Chance図柄を複数有することを示す複合図柄が可変表示部3A〜3Iに停止表示されているときには、その複合図柄を指定する指定入力操作を遊技者に行わせる。遊技者による指定入力操作が行われたときには、その指定入力操作に対応する対応複合図柄に含まれる単位図柄の個数に応じて、停止図柄の一部がChance図柄に変更される。そして、変更後の各可変表示部3A〜3Iの停止図柄の組み合わせに基づいて、遊技者に払い出されるコインの枚数が決まる。そのため、遊技者は、すべての可変表示部3A〜3Iに図柄が停止表示されてたときにハズレになってしまったことで、一度は入賞をあきらめた場合であっても、可変表示部3A〜3Iの停止図柄の中に、Chance図柄を複数有することを示す複合図柄が有る場合には、その複合図柄を指定することで復活の望みが生まれ、停止図柄の変更によってコインの払い出しの可能性も生じるため、遊技利益の大きさを決める要素の一部に関して、自らの意思を積極的に反映させることが可能になる。その結果として、スロットマシン1によれば、可変表示部3A〜3Iに停止表示された図柄の組み合わせに基づいて仮決定された入賞役が、遊技者の戦略によって変化するようになり、単調なスロットゲームを繰り返すのみになり易かった従来のスロットマシンに比べて遊技者に新たな刺激を与えることができ、遊技の面白みを高めて興趣を向上させることができる。
特に、スロットマシン1では、遊技者の指定による対応複合図柄が、その対応複合図柄に含まれる単位図柄の個数に応じて分割される様子を示す図柄分割画像がメインディスプレイ3に表示されるため、遊技者は、自分が指定した対応複合図柄が複数の単位図柄に分かれ、その単位図柄が他の停止図柄に置き換わった様子を視認できる。その結果として、遊技者による指定入力操作に起因した停止図柄の変化を、遊技者に把握させて、遊技への参加意欲を増大させることが可能になる。
[第2実施形態]
上述の第1実施形態では、Chance図柄として単位図柄が固定表示された場合を示しており、第2実施形態では、Chance図柄として複合図柄が固定表示された場合を示している。そして、第2実施形態では、入賞検索処理(ステップ7)において実行される図柄再セット処理(図10のステップ40)が異なる。以下、第1実施形態との相違点を中心に第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を記して説明を省略する。
入賞検索処理(図6のステップ7参照)の図柄再セット処理(図10のステップ40参照)が開始すると、第1実施形態と同様に、図11に示すステップ80に進み、Chance図柄格納領域に複合図柄としてのChance図柄が格納されているか否かを判定し、Chance図柄が格納されている場合には、ステップ81に進み、Chance図柄が格納されていない場合には、図柄再セット処理が終了する。なお、各可変表示部3A〜3Iの各停止図柄のうち、複合図柄であるChance図柄に含まれる単位図柄が無い場合にも、ステップ81に進むことなく、図柄再セット処理が終了する。
後続のステップ81に進むと、メインCPU32は画像表示制御手段として作動して画像制御回路71に指示して、Chance図柄格納領域に格納されているChance図柄の固定表示画像を、固定表示部3Jに表示させる。リール制御処理が終了して、図柄再セット処理が開始されるまでの間は、例えば、図24(a)に示すように、各可変表示部3A〜3Iには各図柄の停止表示画像が表示され、固定表示部3Jには“?”記号を示す画像が表示されている。そして、図柄再セット処理が開始されてステップ81に進み、メインCPU32が画像表示制御手段として作動すると、図24(b)に示すように、固定表示部3JにChance図柄として決定されたベル×3図柄100iの固定表示画像が表示される。
図24(b)に示す態様では、可変表示部3A〜3C、可変表示部3E及び可変表示部3Fの停止図柄としてベル図柄100bが決定されている。このベル図柄100bは、Chance図柄であるベル×3図柄100iに含まれる単位図柄である。そして、Chance図柄の固定表示画像が表示されているときは、タッチパネル3aは本発明における入力操作情報出力手段として作動している。この場合に、変表示部3A〜3Iのいずれか一つを指定する指定入力操作が行われると、その指定入力操作に対応する図柄に関する入力操作情報をメインCPU32に出力する。
続く、ステップ82でメインPU32は、入力操作情報が入力されるまで待機し、その入力操作情報が入力された場合には、ステップ83に進む。ステップ83に進むと、入力操作情報に基づいて、Chance図柄に関連する図柄か否かを判定し、関連する図柄の場合には、ステップ84に進み、関連する図柄ではない場合には、図柄再セット処理が終了する。本実施形態では、Chance図柄に関連する図柄とは、複合図柄であるChance図柄(ベル×3図柄100i)に含まれる単位図柄(ベル図柄100b)であり、メインPU32は、遊技者による指定入力操作に対応する図柄が、ベル図柄100b(対応単位図柄)の場合には、ステップ84に進む。
ステップ84に進むと、メインCPU32は、本発明における単位図柄変更手段として作動し、図柄格納領域に図柄データを再セットする処理を行う。この処理は、Chance図柄であるベル×3図柄100iに含まれるベル図柄100bの個数(3個)に応じて、ベル図柄100bとは異なる図柄を、ベル図柄100bに変更するための処理である。例えば、図24(b)に示すように、遊技者の指定入力操作によって可変表示部3Eのベル図柄100bが指定されたときには、メインCPU32は、ベル図柄100bとは異なる図柄が停止表示されている可変表示部3D,3G〜3Iのうち、2個(3個から1個を差し引いた数)の可変表示部3D,3Iの停止図柄をベル図柄100bに変更するために、図柄格納領域に格納されている図柄データを変更する。
なお、可変表示部3A〜3Iの停止図柄のうち、ベル図柄100bとは異なる図柄の個数が、Chance図柄に含まれる単位図柄の個数から1個を差し引いた個数よりも多い場合には、メインCPU32は、変更図柄決定手段として作動し、ベル図柄100bとは異なる図柄の中から変更対象となる停止図柄を抽選によって決定する。なお、変更対象となる停止図柄の決定は抽選に限定されず、可変表示部3A〜3Iの停止図柄に優先順位を設定しておき、その優先順位に応じて決定するようにしてもよい。
後続のステップ85に進むと、メインCPUは分裂画像表示制御手段として作動する。そして、メインCPU32は画像制御回路71に指示して、図柄分裂画像(図25(a)参照)をメインディスプレイ3に表示させる。この図柄分裂画像は、可変表示部3Eの停止図柄(ベル図柄100b)が3個のベル図柄100bに分かれ、その場に留まるベル図柄100bを除く2個のベル図柄100bが分裂して散乱し、他の可変表示部3D,3Iの停止図柄に置き換わる様子を示している。図柄分裂画像を表示させると図柄再セット処理が終了する。
以上のように、本実施形態では、複合図柄であるChance図柄が固定表示部3Jに表示され、Chance図柄に含まれる単位図柄が可変表示部3A〜3Iに停止表示されているときには、その単位図柄を指定する指定入力操作を遊技者に行わせる。遊技者による指定入力操作が行われたときには、Chance図柄に含まれる単位図柄の個数に応じて、停止図柄の一部が、遊技者の指定入力操作に対応する対応単位図柄に変更される。そして、変更後の各可変表示部3A〜3Iの停止図柄の組み合わせに基づいて、遊技者に払い出されるコインの枚数が決まる。そのため、遊技者は、すべての可変表示部3A〜3Iに図柄が停止表示されてたときにハズレになってしまったことで、一度は入賞をあきらめた場合であっても、可変表示部3A〜3Iの停止図柄の中に、Chance図柄に含まれる単位図柄が有る場合には、その単位図柄を指定することで復活の望みが生まれ、停止図柄の変更によってコインの払い出しの可能性も生じるため、遊技利益の大きさを決める要素の一部に関して、自らの意思を積極的に反映させることが可能になる。その結果として、スロットマシン1によれば、可変表示部3A〜3Iに停止表示された図柄の組み合わせに基づいて仮決定された入賞役が、遊技者の戦略によって変化するようになり、単調なスロットゲームを繰り返すのみになり易かった従来のスロットマシンに比べて遊技者に新たな刺激を与えることができ、遊技の面白みを高めて興趣を向上させることができる。
特に、スロットマシン1では、遊技者の指定による対応単位図柄が、Chance図柄に含まれる単位図柄の個数に応じて分裂する様子を示す図柄分裂画像がメインディスプレイ3に表示されるため、遊技者は、自分が指定した対応単位図柄が複数の単位図柄に分かれ、その単位図柄が他の停止図柄に置き換わった様子を視認できる。その結果として、遊技者による指定入力操作に起因した停止図柄の変化を、遊技者に把握させて、遊技への参加意欲を増大させることが可能になる。
上記実施形態では、1コインの投入によって、すべての有効ラインL1〜L8が設定されていたが、コインの投入枚数によって設定される有効ラインL1〜L8の数が変化したり、また、同枚数を投入した場合であっても、遊技者の選択操作により、その選択操作に応じた有効ラインL1〜L8が設定されるようにしてもよい。
また、複合図柄はベル関連図柄やプラム関連図柄に限定されず、スイカ図柄100cを複数有することを示すスイカ関連図柄やセブン図柄100aを複数有することを示すセブン関連図柄であってもよい。さらに、複合図柄は、縮小された複数の単位図柄がまとまって一つの複合図柄を構成する場合に限定されず、例えば、「×2」、「×5」といった文字を単位図柄の横に表示し、その文字によって単位図柄の個数を示すようにする複合図柄としてもよい。
なお、上述の実施形態では、可変表示部を9つ設けていたが、可変表示部の個数は9つに限定されることはなく、3個や5個でもよい。