JP4799363B2 - 不織布の製造方法 - Google Patents

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本発明は不織布及びその製造方法に関する。
近年、セルロース系繊維からなる不織布を、表面材として用いたパンティライナー等が市販されている。
セルロース系繊維からなる不織布としては、構成繊維同士を水流交絡させてなるスパンレース不織布が汎用されているが、水流交絡させる際の水圧が低いと、毛羽抜けや毛羽立ちが生じ、それが皮膚を刺激したり、使用者に嫌悪感を与える場合がある。
このような毛羽抜けや毛羽立ちは、水流交絡させる際の水圧を上げて絡みを増やすことにより抑制することができるが、その反面、風合いが硬くなるという欠点がある。
セルロース系繊維を用いた不織布の製造に関する技術として、特許文献1には、結晶性ポリプロピレンからなる第1成分と不飽和カルボン酸等で変性された変性ポリオレフィン等からなる第2成分とが複合された複合繊維を、レーヨン繊維と混合してカードウエブを形成し、該ウエブをヤンキードライヤーで熱融着して嵩高な不織布を得ることが記載されている。
また、特許文献2には、不飽和カルボン酸等を含むビニルモノマーでグラフト重合された変性ポリオレフィンとそれより融点の高い樹脂とからなる特定繊維長の熱接着性複合繊維を、セルロース系繊維と併用し、エアレイド法により、これら両繊維が混合されたウエブを得、該ウエブに熱処理を施して不織布を得ることが記載されている。
特開昭54−30929号公報 特開2000−212866号公報
特許文献1の方法は、不織布化するための手法として、ヤンキードライヤーによるウエブを加熱している。しかし加熱時に、ヤンキードライヤーを145℃もの高温に加熱しており、風合いがよくないことは容易に想像でき、加えて経済的でない。また、水流交絡を行っていないので毛羽立ちの改善効果は期待できない。
また、特許文献2の方法も、熱接着性複合繊維とセルロース系繊維とから形成したウエブを、138℃もの高温で熱処理しており、経済的ではない。また、特許文献2で用いる熱接着性複合繊維の繊維長は3〜25mmであり、繊維長がより長いものを用いて同一目付の不織布を製造する場合に比べて繊維の端の量が多くなるため、得られる不織布の風合いを損ねる恐れがある。尚、特許文献2には、熱接着性複合繊維とセルロース系繊維との混綿はエアレイド法により行われること、及びカーディング法では、両繊維の混綿が困難であるためセルロース系繊維の脱落率が大であり、風合いの良好な不織布が得られない旨が明記されている。
従って、本発明の目的は、毛羽抜けが生じにくく、肌触り等の風合いに優れ、経済的に製造できる不織布、及びその効率的な製造方法を提供することにある。
本発明は、セルロース系繊維と、繊維表面の少なくとも一部がエチレン・アクリル酸系共重合体から形成されている熱融着性繊維とを含み、構成繊維同士が水流処理により交絡しており、且つ該熱融着性繊維と該セルロース系繊維とが熱融着している不織布を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明は、前記不織布の効率的な製造方法であって、セルロース系繊維と前記熱融着性繊維とを原料としてカード機により繊維ウエブを形成し、該繊維ウエブに高圧ジェット水流処理を施し構成繊維同士を交絡させて繊維シートを得、該繊維シートを熱処理して、該熱融着性繊維と該セルロース系繊維とを熱融着させる、不織布の製造方法を提供するものである。
本発明の不織布は、毛羽抜けが生じにくく、熱処理の温度を抑制して経済的に製造でき、肌触り等の風合いにも優れている。
また、本発明の不織布の製造方法によれば、そのような不織布を効率的に製造することができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
先ず、本発明の一実施形態の不織布について説明する。
本実施形態の不織布は、セルロース系繊維と、繊維表面の少なくとも一部がエチレン・アクリル酸系共重合体から形成されている熱融着性繊維とを混合状態で含み、構成繊維同士が水流処理により交絡しており、且つ該熱融着性繊維と該セルロース系繊維との交点が熱融着された熱融着点が多数形成されている。
本発明で用いるセルロース系繊維としては、再生セルロース繊維、コットン繊維、パルプ繊維等が挙げられる。再生セルロース繊維としては、ビスコース法、銅アンモニア法、有機溶剤法により得られた繊維を用いることができる。
これらセルロース系繊維の中でも、良好な風合いをもつ不織布を得る観点から、再生セルロース繊維が好ましく、ビスコース法や銅アンモニア法により得られたレーヨン繊維がより好ましい。
これらのセルロース系繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
セルロース系繊維は、その繊維長が、38〜64mm、特に40〜51mmであることが、カード性(工程性)の点から好ましい。
ここでいう、セルロース系繊維の繊維長は、JIS L 1015に従って測定した値である。
本発明で用いる熱融着性繊維は、繊維表面の少なくとも一部がエチレン・アクリル酸系共重合体から形成されている繊維である。
エチレン・アクリル酸系共重合体としては、エチレンとアクリル酸との共重合体、エチレンとメタクリル酸との共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸の塩との共重合体、エチレンとマレイン酸との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸の塩や無水マレイン酸との共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン・アクリル酸系共重合体は、エチレンとアクリル酸との共重合体であることが好ましい。
本発明で用いる熱融着性繊維は、エチレン・アクリル酸系共重合体からなる部分と他の樹脂とからなる部分とが、サイドバイサイド型又は芯鞘型に複合した複合繊維であることが好ましく、特に芯鞘型の複合繊維であることが好ましい。芯鞘型の複合繊維は、エチレン・アクリル酸系共重合体が鞘部を構成していることが好ましい。このような複合繊維においては、エチレン・アクリル酸系共重合体からなる部分が繊維の長手方向に連続的に延びている。
エチレン・アクリル酸系共重合体と組み合わせて用いる前記他の樹脂としては、エチレン・アクリル酸系共重合体以外の樹脂を広く用いることができるが、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂等が好ましく、また、エチレン・アクリル酸系共重合体よりも融点が高いものが熱処理工程における繊維形状の安定化の点から好ましい。熱融着性繊維における、エチレン・アクリル酸系共重合体からなる部分(芯鞘型複合繊維の鞘部等)は、エチレン・アクリル酸系共重合体の含有率が、40重量%以上であることが好ましく、100%であることがより好ましい。
本発明で用いる熱融着性繊維は、その繊維長が、38〜64mm、特に40〜51mmであることが、カード性(工程性)の点から好ましい。
また、熱融着性繊維における、エチレン・アクリル酸系共重合体からなる部分(芯鞘型複合繊維の鞘部等)は、融点が90〜110℃、特に95〜105℃であることが、比較的高い熱量を要さず、風合いや経済性の点から好ましい。
尚、熱融着性繊維の繊維長は、JIS L 1015に従って測定した値である。
不織布中のセルロース系繊維の含有量は、不織布の全重量に対して40〜80重量%であることが好ましく、特に50〜70重量%であることが好ましい。
不織布中の前記熱融着性繊維の含有量は、不織布の全重量に対して60〜20重量%であることが好ましく、特に50〜30重量%であることが好ましい。
熱融着性繊維の、セルロース系繊維及び熱融着性繊維の合計重量に対する割合は、20〜40重量%、特に25〜35重量%であることが好ましい。
不織布には、セルロース系繊維及び前記熱融着性繊維に加えて他の繊維が含まれていても良い。他の繊維としては、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン等が挙げられる。また、不織布の全構成繊維中、セルロース系繊維及び前記熱融着性繊維以外の繊維の割合は0〜30%であることが好ましい。不織布の全構成繊維中、セルロース系繊維及び前記熱融着性繊維の割合は70〜100%であることが好ましい。
本実施形態の不織布は、上述したセルロース系繊維と上述した熱融着性繊維とが混合状態で含んでいる。混合状態とは、セルロース系繊維と熱融着性繊維とが不織布に異なる層を形成していたり、平面方向の異なる領域に両繊維が分離して存在していたりしないことを意味する。また、セルロース系繊維と熱融着性繊維とは、それぞれ不織布の平面方向の全体にほぼ一様に分布している。
本発明の不織布の構成繊維は、ジェット水流処理により交絡している。構成繊維の交絡は、少なくともセルロース系繊維と熱融着性繊維とが交絡していれば良いが、セルロース系繊維同士及び熱融着性繊維も交絡していることが好ましい。
本発明の不織布においては、熱融着性繊維とセルロース系繊維とが熱融着している。本発明の不織布には、熱融着性繊維とセルロース系繊維とが互いの交点において熱融着された熱融着点が多数形成されていることが好ましい。この熱融着点は、熱融着性繊維を構成するエチレン・アクリル酸系共重合体が熱により溶融し、溶融したエチレン・アクリル酸系共重合体を介して、熱融着性繊維がセルロース系繊維との交点において該セルロース系繊維に接着した点である。
このような熱融着点は、不織布中に3次元的に分散した状態に形成されていることが好ましい。
次に、本発明の不織布の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の不織布の製造方法においては、セルロース系繊維と熱融着性繊維とを原料としてカード機により繊維ウエブを形成し、該繊維ウエブにジェット水流処理を施し構成繊維同士を交絡させて繊維シートを得、該繊維シートを熱処理して、該熱融着性繊維と該セルロース系繊維とを熱融着させている。
カード機としては、各種公知のものを用いることができる。セルロース系繊維と熱融着性繊維との混合は、カード機により行っても、カード機の前に別のカード機あるいは他の混合機を設置して行っても良い。
高圧ジェット水流処理は、有孔支持体上の繊維ウエブを乗せ、その状態の繊維ウエブに対して、公知の高圧ジェット水流の噴射装置から、ジェット水流を噴射して行う。このジェット水流処理により、繊維ウエブ中の構成繊維同士の絡み合いが増した繊維シートが得られる。有孔支持体としては、金網や、円形や矩形等の任意の形状の孔を有する金属やセラミック板、プラスチック製のメッシュ等を用いることができる。
ジェット水流処理は、該繊維ウエブの片面側にのみジェット水流を噴射しても、両面に順次ジェット水流を噴射しても良い。得られた不織布の構成繊維同士がジェット水流処理により交絡しているか否かは、このジェット水流処理の際に、有孔支持体の凹凸や孔の形状が転写されて生じた模様がその不織布に生じているか否か等により判断することができる。
高圧ジェット水流処理後の繊維シートが湿潤状態であるため、該繊維シートの乾燥を行う。本実施形態においては、この乾燥の際に、セルロース系繊維と熱融着性繊維とを熱融着させている。
具体的には、湿潤状態の繊維シートを、材料に損傷を与えない適度な圧力をもつ、一本がゴム製、一本が金属製からなるロール間に挿入することで簡易的に脱水した後、エアースルードライヤー装置に導入(供給)し、熱処理ネットの通気性の周面上に配された状態の該繊維シートに、加熱された空気を貫通させ、該繊維シートを乾燥させると同時に、該繊維シート中のセルロース系繊維と熱融着性繊維とを熱融着させている。繊維シートを乾燥させると同時に、繊維同士を熱融着させるという表現には、エアースルードライヤー装置の同一のネット上で、該繊維シートの乾燥と、繊維同士の熱融着を生じさせる場合が含まれる。
エアースルードライヤー装置としては、各種公知のものを用いることができるが、例えば、後述する実施例においては、周面が通気性を有するネットと、該ネットをほぼ気密に覆うフードと、該フード内に加熱された空気を供給する機構とを有し、該フード内に加熱空気を供給し、該加熱空気を、ネットの外側から内部に向けて流通させるように構成したものを用いている。
繊維シートを乾燥させると同時にセルロース系繊維と熱融着性繊維とを熱融着させるための熱処理装置としては、エアースルードライヤー装置に代えて、ヤンキードライヤーやヒートロール等の熱処理装置を用いることもできる。
繊維シートの乾燥と、セルロース系繊維と前記熱融着性繊維との熱融着は、別の工程で行っても良く、例えば、乾燥後に、エアスルー法による熱風処理あるいは熱エンボスロールを用いた部分的な加熱加圧処理を行っても良い。
繊維シートの乾燥時における繊維シートの加熱温度は、130℃以下、特に100〜105℃であることが好ましい。105℃以下で行うことは、比較的高い熱量を要さず、経済性の点から好ましい。
本実施形態の製造方法によれば、このようにして、セルロース系繊維と熱融着性繊維との交点が熱融着した熱融着点が多数形成された不織布が得られる。
本実施形態により得られる不織布は、水流交絡により繊維同士の絡み合いが増した状態で、セルロース系繊維と熱融着性繊維との交点が熱融着されたものであり、毛羽抜けや毛羽立ちが少なく、また肌触り等の風合いにも優れている。
本発明の不織布は、パンティライナー等の吸収性物品の表面材として特に好ましく用いられる。吸収性物品は、一般に、液透過性の表面材、液不透過性又は撥水性の裏面材、及び表面材と裏面材との間に配される吸収体とからなる。
パンティライナー以外の吸収性物品としては、生理用ナプキン、失禁パッド、使い捨ておむつ等が挙げられる。
また、吸収性物品の表面材以外の用途としては、メイク落としシート、清拭シート、清掃用シート等が挙げられる。
本発明は、上述した各実施形態に制限されず、種々変形可能である。
例えば、本発明の不織布は、単独で吸収性物品の表面材等として用いることができるが、他の不織布や繊維ウエブと積層して複合不織布として用いることもできる。
熱融着性繊維として、エチレン・アクリル酸系共重合体のみからなる繊維を用いることもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる
実施例に制限されるものではない。特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
〔実施例1〕
下記繊維を表1に示す割合で混合し、カード機により繊維ウエブを得た。得られた繊維ウエブを、プラスチック製ネット(有孔支持体)上に配し、高圧ジェット水流処理を施した。得られた繊維シートを、材料に損傷を与えない適度な圧力をもつ、一本がゴム製、一本が金属製からなるロール間に挿入することで簡易的に脱水した後、エアースルードライヤー装置を用いて乾燥および繊維間の熱融着を行った。この熱処理時の繊維シートの加熱温度(エアースルードライヤー装置の炉内の温度)は、105℃とした。
得られた不織布は、構成繊維が交絡しており、また、レーヨン繊維と熱融着性繊維との交点が熱融着した熱融着点が多数形成されていた。
・レーヨン:ビスコース法により得られたレーヨン繊維、繊維長40mm。(ダイワボウレーヨンCD 1.7dtex 40mm)
・EAA:芯部がポリプロピレンからなり、鞘部がエチレンとメタクリル酸との共重合体(融点95℃)からなる芯鞘型の熱融着性複合繊維、繊維長51mm。
Figure 0004799363
〔実施例2〕
下記繊維を表1に示す割合で混合し、カード機により繊維ウエブを得た。得られた繊維ウエブを、プラスチック製ネット(有孔支持体)上に配し、高圧ジェット水流処理を施した。得られた繊維シートを、材料に損傷を与えない適度な圧力をもつ、一本がゴム製、一本が金属製からなるロール間に挿入することで簡易的に脱水した後、エアースルードライヤー装置を用いて乾燥させた。この乾燥時の繊維シートの加熱温度(エアースルードライヤー装置の炉内の温度)は、105℃とした。
得られた不織布は、構成繊維が交絡しており、また、レーヨン繊維と熱融着性繊維との交点が熱融着した熱融着点が多数形成されていた。
・レーヨン:ビスコース法により得られたレーヨン繊維、繊維長40mm。
・EAA:芯部がポリプロピレンからなり、鞘部がエチレンとメタクリル酸との共重合体(融点95℃)からなる芯鞘型の熱融着性複合繊維、繊維長51mm。
〔比較例1〕
実施例1で用いたものと同じレーヨン繊維を原料として、カード機によりレーヨン100%の繊維ウエブを形成した。この繊維ウエブを用いる以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
〔比較例2〕
実施例1で用いたものと同じレーヨン繊維と下記繊維とを表1に示す割合で混合し、これらを原料として、カード機により繊維ウエブを形成した。この繊維ウエブを用い、また、繊維シートを乾燥させる際の加熱温度を135℃に代える以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
・合繊:芯部がポリプロピレンからなり、鞘部が高密度ポリエチレン(融点130℃)からなる芯鞘型の熱融着性複合繊維、繊維長51mm。
〔比較例3〕
実施例1と同様にして繊維ウエブを得た。得られた繊維ウエブを、高圧ジェット水流処理を施すことなく乾燥させた。乾燥方法は、実施例1における繊維シートの乾燥方法と同様であり、乾燥時の加熱温度も同じにした。
〔比較例4〕
実施例1と同様にして繊維ウエブを得た。得られた繊維ウエブを、高圧ジェット水流処理を施すことなく熱処理した。熱処理方法は、乾燥時の加熱温度を145℃に代えた以外は、実施例1における繊維シートの乾燥方法と同様とした。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた不織布について、厚み、目付、MD及びCD方向の強度、毛羽抜け量を測定した。また、風合いの官能評価を行った。それぞれの結果を表1に示した。
〔厚みの測定方法〕
不織布の厚みは次の方法で測定される。先ず、不織布を50mm×50mmの大きさに裁断し、これを測定片とする。測定台上に、この測定片よりも大きなサイズの10gのプレートを載置する。この状態でのプレートの上面の位置を測定の基準点Aとする。次にプレートを取り除き、測定台上に測定片を載置し、その上にプレートを再び載置する。この状態でのプレート上面の位置をBとする。AとBの差から不織布の厚みを求める。測定機器にはレーザー変位計〔(株)キーエンス製、CCDレーザ変位センサLK−080〕を用いる。或いはダイヤルゲージ式の厚み計を用いてもよい。但し厚み計を用いる場合は測定機器の測定力とプレートの重さを、0.4cN/cm2圧力下に調節する。
〔目付の測定方法〕
不織布の目付けは次の方法で測定される。先ず、不織布を250mm×200mmの大きさに裁断し、これを測定片とする。電子天秤(メーカー問わず)に、この測定片を載置する。この状態での重量を測定し、その重量を面積で割ることにより、目付(g/m2)とする。
〔MD及びCD方向の強度〕
引張試験機は、株式会社A&D製テンシロン引張試験機RTA−100を用いた。不織布のMD方向における強度測定の場合はMD:80mm、CD:25mmとしてチャック間距離は50mmとした。不織布のCD方向における強度測定の場合はMD:25mm、CD:80mmとした。引張速度は300mm/分とし、各々測定を行った。
〔毛羽抜け量の測定方法〕
ウレタンフォーム(ブリジストン(株)製ウレタンフォーム モルトプレンMF30、厚さ5mm)で表面を覆った円盤(直径70mm、300g)を、回転軸に取り付ける。取り付け位置は円盤中心から20mmずれた位置とする。不織布の下面に、上記と同じウレタンフォームを敷く。次いで、不織布の上面側を表面にして、台上に固定する。不織布の上に前記円盤を載せる。このとき、不織布に加わる荷重は円盤の自重のみとする。この状態下、回転軸を回転させて、円盤を不織布上で周動させる。周動は時計周りに3回転、反時計周りに3回転を1セットとして、10セット行う。このときの周動速度は1周動あたり約3秒である。10セットの周動後、円盤を覆っているウレタンフォームの表面に付着した毛羽抜けした繊維を集める。毛羽抜けした繊維の重量を測定し、この値を毛羽抜け量とする。
〔風合いの評価〕
実施例1,2及び比較例1,2の各不織布を、それぞれ、5人に触らせ、手で触った感じがふんわりしているか否かを、下記基準で評価させた。
(評価基準)
○:ふんわりしている
△:どちらとも言えない
×:ふんわりしていない。
○を2点、△を1点、×を0点として、5人の評価の合計点(満点は10点)を求めた。
表1に示す結果から、実施例の不織布は、比較例の不織布に比して顕著に毛羽抜け量が少ないことが判る。また、実施例の不織布は、肌触り等の風合いも良好であることが判る。

Claims (2)

  1. セルロース系繊維と、繊維表面の少なくとも一部がエチレン・アクリル酸系共重合体から形成されている熱融着性繊維とを含み、構成繊維同士が水流処理により交絡しており、且つ該熱融着性繊維と該セルロース系繊維とが熱融着している不織布の製造方法であって、
    セルロース系繊維と前記熱融着性繊維とを原料としてカード機により繊維ウエブを形成し、該繊維ウエブに高圧ジェット水流処理を施し構成繊維同士を交絡させて繊維シートを得、該繊維シートを熱処理して、該繊維シートを乾燥させると同時に、該熱融着性繊維と該セルロース系繊維とを熱融着させ
    前記乾燥と前記熱融着とを同時に行う際の繊維シートの加熱温度は、前記エチレン・アクリル酸系共重合体の融点以上、105℃以下である、不織布の製造方法。
  2. 前記セルロース系繊維の繊維長は40〜51mmであり、前記熱融着性繊維の繊維長は38〜64mmである、請求項1記載の不織布の製造方法。
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