JP4799195B2 - 生産ラインシステム - Google Patents
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Description
例えば、回路基板に半導体素子を実装して半導体装置を生産する生産ラインシステムの場合、回路基板に半導体素子等をマウントするマウント工程と、マウントした半導体素子を回路基板に対してはんだ付けするリフロー工程とを備えている。
前記生産ラインシステムにおけるマウント工程では、回路基板はマウンタ装置専用に用いられるマウンタキャリアに搭載された状態で搬送されている。
また、前記リフロー工程では、半導体装置の昇温工程や、はんだ付け工程や、冷却工程等、比較的処理時間が長い工程を経ていく等の理由により、複数の半導体装置に対して同時に各工程の処理を行わせて処理効率を向上するべく、リフロー工程専用に用いられる搬送トレイに複数の半導体装置を搭載した状態で、該半導体装置をリフロー工程内に搬送している。
そして、リフロー工程にて搬送トレイへ搭載する半導体装置の数は、マウント工程とリフロー工程とで単位時間あたりの半導体装置の生産加工処理数が合致するように設定されており、生産ラインシステムにおける生産加工処理を、各工程設備の巨大化を抑えつつ効率良く行うようにしている。
例えば、半導体装置のマウンタキャリアから搬送トレイへの載せ替えは、図16に示すように行われている。つまり、マウント工程から搬送されてきた半導体装置101はマウンタキャリア102に搭載されており、マウント工程とリフロー工程との間を搬送装置にて搬送される間に半導体装置101がマウントキャリア102から取り外される。次に、マウントキャリア102から取り外された半導体装置101は搬送トレイ103に搭載されて、リフロー工程へ搬送されている。
しかし、被加工品を搭載するための搬送用具であるキャリアやトレイを各工程における処理内容に応じて替えるように構成すると、生産ラインシステムが備える工程の数に応じてキャリアやトレイの種類が増大することとなる。
また、各工程で被加工品を搭載するキャリアやトレイが異なるので、それぞれの工程での処理が終了した被加工品のキャリアやトレイは、その工程の出口部分から入口部分へ返却する必要があるため、各工程にキャリアやトレイを返却するための設備が必要となる。
このように、キャリアやトレイの種類が増大したり、キャリアやトレイの返却設備が必要となったりするため、生産ラインシステムが結果的に大型化し、システムを構築するための費用も増大することとなる。
また、特許文献2に記載された技術は、被加工品を搭載するパレットを互いに連結することで、パレットの搬送装置の駆動設備を工程内の一部に設けるだけで済むように構成したものであり、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間での処理効率を向上するものではない。
即ち、請求項1記載のごとく、被加工品に対して生産加工処理を施す生産ラインシステムであって、前記被加工品を搭載し、互いに搬送方向へ連結可能に構成される複数のパレットと、前記パレットに搭載された状態の被加工品を搬送する搬送ラインと、前記搬送ラインの途中部に設けられ、被加工品に対する生産加工処理を行う複数の処理部と、前記搬送ラインのある処理部を挟んでそれぞれ配置され、前記パレットの連結または分離を行うパレット連結・分離部と、を備え、前記パレットは、搬送方向における前端部に前係合部が形成され、搬送方向における後端部に後係合部が形成され、前記パレット連結・分離部は、連結または分離される前記パレットの一方が載置され、上下移動可能なテーブルを備え、搬送方向上流側のパレットにおける前記前係合部の位置と搬送方向下流側のパレットにおける前記後係合部の位置とを、前記テーブルにより相対的に上下方向に移動させ、前記前係合部と前記後係合部とを係合して、連結または分離する。
これにより、加工処理時間等の処理内容が異なる複数の工程間のラインタクトを合わせて処理効率を向上することが可能となる。
この場合、被加工品は同じパレットに搭載された状態で複数の工程にわたって搬送されることとなり、複数種類のパレットを準備する必要もなく、各工程にパレット返却用の設備を別途設けたりする必要もないので、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
これにより、隙間を有した搬送装置間を、パレットを落下させることなく搬送することが可能となる。
これにより、例えばパレット2がベルトコンベア16a間の隙間dの部分に位置したときでも、該パレット2が落下することをさらに確実に防止することが可能となる。
これにより、例えばパレット2がベルトコンベア16a間の隙間dの部分に位置したときでも、該パレット2が落下することを防止することができる。
また、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
生産ラインシステムは、複数の工程、つまり半導体素子等を回路基板にマウントするためのマウント工程A、および回路基板にマウントされた半導体素子等を該回路基板にはんだ付け処理するためのリフロー工程Cを備えている。
また、第1パレット連結・分離部Bには第1パレット連結・分離装置12が設けられており、マウント工程Aでの処理が終了した半導体装置1を搭載する複数のパレット2の連結や分離を行っている。
該リフロー炉13は、複数の独立したチャンバー13a・13b・13c・13dを有しており、各チャンバー13a・13b・13c・13dにて、半導体装置1に対する予備加熱、本加熱、および冷却等の各処理が行われる。
さらに、前記第2パレット連結・分離部Dには第2パレット連結・分離装置14が設けられており、リフロー工程Cでの処理が終了した半導体装置1を搭載する複数のパレット2の連結や分離を行っている。
まず、半導体装置1の構成部材である回路基板が供給部11aから搬送ライン16へ供給された後にマウント部11bへ搬送され、該マウント部11bにて、回路基板へのはんだペーストの印刷(またははんだペレットのマウント)や、回路基板への半導体素子のマウントが行われる。
このように、一つのパレット2に一つの半導体装置1を搭載することで、マウント装置11の小型化を図るとともに、効率的な生産加工処理を行うことが可能となっている。
ただし、マウント装置11の構成や、該マウント装置11における半導体装置1に対する生産加工処理の速度等によっては、一つのパレット2に複数の半導体装置1を搭載するように構成することも可能である。
図3に示すように、本例の第1パレット連結・分離部Bにおいては、一枚ずつ搬送されてきたパレット2が複数枚連結され(本例では3枚のパレット2が連結されている)、複数枚連結されたパレット2は複数列(本例では2列)に並べて配置される。
このように、連結され複数列に並べられたパレット2は、次工程であるリフロー工程Cに一体的に搬送されていく(本例では、(3枚連結)×(2列)=6枚のパレットが一体的に搬送される)。
なお、本例では、複数枚連結されたパレット2が複数列に並べられているが、複数枚連結したパレット2を単数列で搬送することも可能である。
また、パレット2の前係合部2aと後係合部2bとは、パレット2を上下方向に移動させながら該前係合部2aと後係合部2bと嵌め合わせることで、係合するように構成されている。
なお、このリフロー工程Cでは、半導体装置1の加熱や冷却等といった比較的処理時間が長い処理を行う等の理由により、前述のごとく、複数のパレット2を連結して一体的にリフロー炉13内に搬送し、複数の半導体装置1に対して同時に各処理を行わせて、処理効率を向上している。
この場合、被加工品である半導体装置1は、同じパレット2に搭載された状態で複数の工程にわたって搬送されることとなり、複数種類のパレットを準備する必要もなく、各工程にパレット返却用の設備を別途設けたりする必要もないので、生産ラインシステムを全体的にコンパクトに構成するとともに、システム構築に要する費用を抑えることができる。
本例の第2パレット連結・分離部Dでは、連結されていた各パレット2が、第2パレット連結・分離装置14により一枚のパレット2に分離される。
その後、パレット2に搭載された半導体装置1は、例えば検査装置等により、その特性やはんだ接合状態等が検査されて完成する。
図5に示すように、各チャンバー13a・13b・13c・13dにおいては、複数連結されたパレット2がベルトコンベア16aにより一体的に搬送されて処理が行われるが、処理中はチャンバー内を真空状態にすること等から、各チャンバー13a・13b・13c・13d間にシャッタ13sを設けて、該シャッタ13sを閉じることで各チャンバー13a・13b・13c・13d内を密閉できるように構成している。
従って、例えばパレット2がチャンバー13aからチャンバー13bへ搬送される際には、該パレット2は、チャンバー13a内のベルトコンベア16aからチャンバー13b内のベルトコンベア16aへの乗り継ぎを行わなければならない。
しかし、その時点ではベルトコンベア16aの前端から飛び出したパレット2の前端部の下方に、次のチャンバー13bのベルトコンベア16aが位置していることとなるので、連結されたパレット2は前記隙間dへ落下することなく、乗り継ぎを行うことができる。
従って、図5に示すように、パレット2を3つ連結した状態では、連結されたパレット2の搬送方向における長さXが隙間dの2倍以上となっているので、ベルトコンベア16a間に隙間dが開いていても、該隙間dに落下することなく乗り継ぎを行うことが可能となっている。
以下に、その理由について説明する。
なお、本説明においては、便宜上搬送方向下流側に位置するパレットをパレット21、真中に位置するパレットをパレット22、上流側に位置するパレットをパレット23とする。
つまり、連結されたパレット21とパレット22との間には折れ曲がる方向の力がかかることとなり、下流側のパレット21と真中のパレット22との連結部には互いに離れる方向の力がかかる。この力は、互いに嵌め合わされた下流側のパレット21の後係合部21bと真中のパレット22の前係合部22aとの間では突っ張る力となって、両者の係合状態が保持される。
従って、下流側のパレット21の全てが上流側のベルトコンベア16aから突出して隙間dの部分に位置することとなっても、該パレット21はパレット22との係合を保持した状態となって落下することはない。
従って、真中のパレット22の全てが隙間dの部分に位置することとなっても、該パレット22はパレット21との係合、およびパレット23との係合を保持した状態となって落下することはない。
つまり、図4等に示したパレット2の前係合部2aおよび後係合部2bは、該パレット2の上端部から下端部まで連続して形成されている。
これに対し、図12、図13に示すように、前係合部2aおよび後係合部2bをパレット2の上部のみに形成した構成とすることもできる。
本例の前係合部2aおよび後係合部2bにおいては、前係合部2aおよび後係合部2bが上端から下端まで通して形成されているわけではなく、後係合部2bに係合した前係合部2aの下方に、該前係合部2aを受けて支持する受け部2cが形成されることとなるので、例えばパレット2がベルトコンベア16a間の隙間dの部分に位置したときでも、該パレット2が落下することをさらに確実に防止することが可能となる。
つまり、図14に示すように、前係合部2aおよび後係合部2bの一方(本例では後係合部2b)から上下方向にピン部材26を突出させ、他方(本例では前係合部2a)に前記ピン部材26が嵌入する嵌入孔27を形成して、該ピン部材26を嵌入孔27に嵌入させることで、パレット2同士を連結するように構成することもできる。
パレット2をこのように構成した場合も、連結したパレット2間に折れ曲がり方向の力が加わると、係合部に係合状態を保持する力が生じるため、パレット2の落下を防止することができる。
つまり、図15に示すように、前係合部2aおよび後係合部2bの一方(本例では後係合部2b)に水平方向へ突出するピン部材28を形成し、他方(本例では前係合部2a)に前記ピン部材28が嵌入する嵌入穴29を形成して、該ピン部材28を嵌入孔29に嵌入させることで、パレット2同士を連結するように構成することもできる。
パレット2をこのように構成した場合も、連結したパレット2間に折れ曲がり方向の力が加わると、係合部に係合状態を保持する力が生じるため、パレット2の落下を防止することが可能となっている。
2 パレット
2a 前係合部
2b 後係合部
11 マウント装置
12 第1パレット連結・分離装置
13 リフロー炉
13a・13b・13c・13d チャンバー
14 第2パレット連結・分離装置
16 搬送ライン
16a ベルトコンベア
Claims (4)
- 被加工品に対して生産加工処理を施す生産ラインシステムであって、
前記被加工品を搭載し、互いに搬送方向へ連結可能に構成される複数のパレットと、
前記パレットに搭載された状態の被加工品を搬送する搬送ラインと、
前記搬送ラインの途中部に設けられ、被加工品に対する生産加工処理を行う複数の処理部と、
前記搬送ラインのある処理部を挟んでそれぞれ配置され、前記パレットの連結または分離を行うパレット連結・分離部と、
を備え、
前記パレットは、搬送方向における前端部に前係合部が形成され、搬送方向における後端部に後係合部が形成され、
前記パレット連結・分離部は、連結または分離される前記パレットの一方が載置され、上下移動可能なテーブルを備え、搬送方向上流側のパレットにおける前記前係合部の位置と搬送方向下流側のパレットにおける前記後係合部の位置とを、前記テーブルにより相対的に上下方向に移動させ、前記前係合部と前記後係合部とを係合して、連結または分離する、
ことを特徴とする被加工品の生産ラインシステム。 - 前記パレット連結・分離部の下流側に位置する処理部は複数の区画に分割され、
該処理部における前記搬送ラインは、各区画にそれぞれ配置された搬送装置にて構成され、
該各搬送装置は、被加工品の搬送方向へ所定の隙間を空けて配置され、
前記単体のパレットの搬送方向における長さは、前記隙間より小さく、
前記パレット連結・分離部にて連結された複数のパレットの搬送方向における長さは、前記隙間の2倍以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の被加工品の生産ラインシステム。 - 前記パレットの前記後係合部を、パレットの上端部から上下方向における途中部まで形成し、前記パレットの前記前係合部を、パレットの上端部か上下方向における途中部まで形成し、前記後係合部の下方に、前係合部を受けて支持する受け部を設けた、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被加工品の生産ラインシステム。 - 前記後係合部における前記受け部に、上下方向に突出するピン部材を設け、
前記前係合部における前記受け部に対向する位置に、前記ピン部材が嵌入される嵌入孔を設けた、
ことを特徴とする請求項3に記載の被加工品の生産ラインシステム。
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