JP4798839B2 - ポリカーボネート樹脂組成物および情報記録媒体用基板 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物および情報記録媒体用基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる情報記録媒体用基板に関する。更に詳しくは熱安定性や流動性や透明性を低下させることなく、色相と離型性に優れたポリカーボネート樹脂組成物、およびそれからなる情報記録媒体用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、機械的強度等の多くの優れた物性を有するために幅広い分野で使用されている。その中でも光学用成形品としての需要は著しく、例えば情報記録媒体用基板、レンズ、プリズム等の材料として広く用いられ、特にディスク基板用として、透明性が良く、使用時の高温環境下での耐熱性、取り扱い上の耐衝撃性に優れ、多量に使用されている。また、ポリカーボネート樹脂は他の射出成形に利用される熱可塑性樹脂に比して溶融粘度が高く、流動性が低いため比較的高い温度の金型で成形し、その離型性向上のために通常離型剤が使用される。
【0003】
従来、ポリカーボネート樹脂の離型剤としてはパラフィン、シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸エステルなどが知られている。特に近年光ディスク用ポリカーボネート樹脂の離型性を改良するために脂肪酸エステル、特に多価アルコールの部分エステルが用いられている。
【0004】
特公平2−48081号公報、特公昭55−4141号公報、特公昭47−41092号公報、特開平8−73724号公報では飽和一価カルボン酸と多価アルコールの部分エステルを多量に添加し、十分な離型性を得る方法が開示されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂に飽和一価カルボン酸と多価アルコールの部分エステルを多量に添加すると、特に高温成形時でヤケやすく、あるいは場合によってはシルバーストリークが起こるなどの不具合が生じるなどという問題を有する。
【0005】
また、他の離型剤、例えば多価アルコールのフルエステルを用いる場合は、飽和一価カルボン酸と多価アルコールの部分エステルと同程度の添加量であれば熱安定性に関する問題は生じないものの十分な離型性を得ることはできない。
【0006】
また、特開平9−176475号公報には、ポリカーボネート樹脂に脂肪族多価アルコールの環式カーボネート化合物を0.01〜10重量%添加して、型抜き剤として効果があることが示されているが、色相の悪化については何も記載されていない。
【0007】
ポリカーボネート樹脂に含有される離型剤であって、適量で十分な離型性をポリカーボネート樹脂に与え、かつ色相および熱安定性に優れた化合物を含有してなるポリカーボネート樹脂組成物の提供が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物に関するものであり、特に情報記録媒体用基板に適したポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは十分な離型性を有し、かつ色相および熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関するものであり、このポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
さらには上記ポリカーボネート樹脂組成物からなる情報記録媒体用基板および該基板を用いた情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に含有する離型剤として、下記式[1]で示される化合物が驚くべきことに良好な離型性、色相および熱安定性を有することを見出し、本発明に到達した。さらに、ポリカーボネート樹脂に式[1]で示される化合物および[2]の化合物を含有させることによって、良好な離型性、色相および熱安定性を有することを見出し、本発明に到達した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、界面重合法により二価フェノール化合物とカーボネート前駆体を反応させ、反応時に末端停止剤として単官能フェノール類を使用し、該末端停止剤が全末端に対して少なくとも5モル%末端に導入された、粘度平均分子量11,000〜45,000のポリカーボネート樹脂100重量部および下記式[1]で示される化合物0.001〜0.0095重量部からなるポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
【0012】
【化2】
Figure 0004798839
【0013】
(ここでA0は炭素数1〜24の1価の炭化水素基であり、A1およびA2は水素原子もしくは炭素数1〜10の炭化水素基であり、Yはエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、もしくは単結合である。)
以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
本発明で対象とするポリカーボネート樹脂は二価フェノール化合物とカーボネート前駆体を反応させて得られるポリカーボネート樹脂である。ここで使用される二価フェノール化合物としては特に制限は無く種々の公知のものを使用することが出来る。二価フェノール化合物の代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等があげられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0015】
なかでも、ビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの混合物が好ましく使用され、特にビスフェノールAが好ましい。
【0016】
また、カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、ジアリールカーボネート、ハロホルメート等があげられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート等があげられる。
【0017】
本発明におけるポリカーボネート樹脂の製造方法としては、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液とカーボネート前駆体とを界面重合法で反応させる方法が用いられる。ポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0018】
界面重合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられ、特に塩化メチレンが好ましく用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
【0019】
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール又は低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式[3]で表される単官能フェノール類を示すことができる。
【0020】
【化3】
Figure 0004798839
【0021】
[式中、Aは水素原子、炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基あるいはアリールアルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。]
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
【0022】
また、他の単官能フェノール類としては、長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換基として有するフェノール類または安息香酸クロライド類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を使用することができ、これらを用いてポリカーボネート共重合体の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤または分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでなく、殊に光学ディスク基板としての物性、特に樹脂の吸水率を低くする効果があり、また、基板の複屈折が低減される効果もあり好ましく使用される。なかでも、下記一般式[4]および[5]で表される長鎖のアルキル基を置換基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0023】
【化4】
Figure 0004798839
【0024】
【化5】
Figure 0004798839
【0025】
[式中、Xは−R−O−、−R−CO−O−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。]
かかる式[4]の置換フェノール類としてはnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノール及びトリアコンチルフェノール等を挙げることができる。
【0026】
また、式[5]の置換フェノール類としてはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のものが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ安息香酸ドコシル及びヒドロキシ安息香酸トリアコンチルが挙げられる。
【0027】
これらの末端停止剤は、得られたポリカーボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ましくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ましく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0028】
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で11,000〜45,000であり、12,000〜30,000が特に好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。かかる粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
【0029】
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7
【0030】
本発明で使用される上記式[1]で示される化合物は分子内にヒドロキシル基を含有していないため、飽和一価カルボン酸と多価アルコールの部分エステルを使用した場合に見られたポリマーとの反応等による高温成形時の熱分解による焼けを著しく抑制することが出来る。
【0031】
上記式においてA0は炭素数10〜20の1価の直鎖アルキル基であることが好ましく、A1およびA2は水素原子もしくは炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。
【0032】
中でも、下記式[6]で示される化合物が好ましく使用される。
【0033】
【化6】
Figure 0004798839
【0034】
(ここで、Rは炭素数10〜20の1価の直鎖アルキル基である。)
具体的には、下記式[7]が好適な例としてあげられる。
【0035】
【化7】
Figure 0004798839
【0036】
本発明において、ポリカーボネート樹脂に含有される式[1]で示される化合物の量としては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し0.001〜0.0095重量部であり、特に好ましくは0.001〜0.0085重量部である。上記化合物量が0.001重量部より少なければ充分な離型性を得られず、0.0095重量部より多ければ耐熱性の低下を生ずるので好ましくない。
【0037】
また、式[1]で示される化合物の他に耐熱性や流動性や透明性を低下させることなく、色相と離型性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を得るという本発明の目的を損なわない範囲で[2]脂肪族カルボン酸と多価アルコールとの部分エステル化合物を含有することが好ましく採用される。
【0038】
上記[2]脂肪族カルボン酸と多価アルコールは特に限定されない。脂肪族カルボン酸としては飽和、不飽和何れも用いることができる。特に飽和一価脂肪酸が好ましく、炭素数12〜24のものが離型性に優れさらに好ましい。具体的にはドデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸などが挙げられ、特にステアリン酸が好ましい。
【0039】
上記多価アルコールとしては2価、3価、4価、5価、6価いずれも使用でき、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が好ましく、グリセリンが特に好ましい。
【0040】
上記[2]の化合物の含有量としては、上記式[1]の化合物と[2]の化合物との割合が重量比で1〜99:99〜1の範囲が好ましく、2〜80:98〜20の範囲がより好ましく、3〜50:97〜50の範囲がさらに好ましく、5〜30:95〜70の範囲が特に好ましい。
【0041】
また、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、上記式[1]の化合物と[2]の化合物との合計が0.002〜0.3重量部の範囲が好ましく、0.002〜0.15重量部の範囲がより好ましく、0.003〜0.1重量部の範囲が特に好ましい。
【0042】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤(脂肪酸エステル等)、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、増白剤、紫外線吸収剤、耐候剤、抗菌剤、顔料、染料、充填剤、強化剤、他樹脂やゴム等の重合体、難燃剤等の改質改良剤を適宜添加して用いることができる。
【0043】
なかでも熱安定剤はリン系の熱安定剤が好ましく用いられ、例えば亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
【0044】
なかでも、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、及び4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)等が好ましく使用され、特にトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト及び4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)が好ましい。これらは単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの熱安定剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して好ましくは0.001〜0.1重量部、好ましくは0.002〜0.05重量部である。
【0045】
前記熱安定剤をポリカーボネート樹脂に配合する方法としては、重合反応後のポリカーボネート樹脂溶液に添加する方法、ポリカーボネート樹脂パウダーに添加する方法のいずれの方法で加えてもよい。特に、重合反応後のポリカーボネート樹脂溶液に添加する方法が得られるポリカーボネート樹脂の色相および熱安定性がより向上し好ましく、精製終了後のポリカーボネート樹脂溶液に添加する方法または温水で造粒する際に温水中に添加する方法が好ましい。熱安定剤は、溶媒に溶解してあるいはそのまま添加しても構わない。
【0046】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、成形性および熱安定性に優れているので種々の成形品として利用することができる。殊に光学ディスク、光学レンズ、プリズム、液晶パネル、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、コネクター、蒸着プラスチック反射鏡、ディスプレーなどの光学部品の構造材料または機能材料用途に適した光学用成形品として有利に使用することができる。これらのうち、光ディスク基板等の情報記録媒体用基板として特に有利に使用することができる。
【0047】
本発明の情報記録媒体用基板は、その片面に金属薄膜を形成させることにより情報記録媒体が得られる。この金属としては、アルミニウム、Tb、Fe、Co、Gd、SiN、ZnS−SiO2、GeSbTe、ZnSおよびアルミニウム合金等があり、アルミニウムが適している。また薄膜は、スパッタリング、蒸着等の手段で形成させることができる。これらの金属薄膜の形成手段は、それ自体知られた方法で行うことができる。
【0048】
本発明の情報記録媒体としては、オーディオ用のコンパクトディスクから高密度のディスクまでを対象とする。例えば、最近再生専用ではDVD−ROM、記録再生可能なDVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等が挙げられる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例に従って、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、評価は次に示す方法で行った。
【0050】
(1)ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量
粘度平均分子量は、ポリカーボネート樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解し、20℃で測定した比粘度より求めた。
【0051】
(2)色相(b値)
得られたポリカーボネート樹脂ペレットを射出成形機(日本製鋼所(株)製:日鋼アンカー V−17−65型)を用い、シリンダー温度340℃で可塑化後、厚さ2mmの50mm角板を成形した。その成形板を色差計(日本電色(株)製)を用いてb値を測定した。
【0052】
(3)熱安定性(△E)
得られたポリカーボネート樹脂ペレットを射出成形機(日本製鋼所(株)製:日鋼アンカー V−17−65型)を用い、シリンダー温度340℃で10分間滞留させたものとさせないものの試験片(厚さ2mmの50mm角板)をそれぞれ作成し、その色相の変化(△E)を測定した。色相の変化は、色差計(日本電色(株)製)でそれぞれのL、a、b値を測定し、下記式を用いて算出した。
【0053】
ΔE=[(L′−L)2+(a′−a)2+(b′−b)21/2
(L、a、bは滞留させないもの、L′、a′、b′は10分間滞留させたもの)
【0054】
(4)離型性
CD成形機にて、ニッケル製のスタンパーを用い、シリンダー温度340℃、金型温度80℃、1サイクル7秒の条件で、直径120mmのCD基板を連続100枚成形し、ディスク又はスプルーの金型への残りを不良率(%)として評価した。
【0055】
[実施例1]
(A)温度30℃にコントロールする機能を有した撹拌機付き混合槽に7.67重量%水酸化ナトリウム水溶液262.8重量部(0.504モル)を仕込み、攪拌下に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)57.5重量部(0.252モル)およびハイドロサルファイト0.12重量部を加え溶解した。
【0056】
(B)温度計、撹拌機及び還流冷却器付き反応器に(A)で得られたビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液全量と塩化メチレン181重量部を加え、撹拌下15〜25℃で上記ホスゲン28.3重量部を40分要して吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48重量%水酸化ナトリウム水溶液7.2重量部およびp−tert−ブチルフェノール2.42重量部を加え、撹拌を始め、乳化後トリエチルアミン0.06重量部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。
【0057】
反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで、軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けたニーダー中の温水にかかる水洗後のポリカーボネート溶液を滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリカーボネート樹脂をフレーク化した。次にこの含液したポリカーボネート樹脂フレークを粉砕、145℃で6時間乾燥して粘度平均分子量15100のポリカーボネート樹脂パウダーを得た。このパウダー100重量部に対して、熱安定剤としてトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.01重量部、下記式[a]で示される化合物を0.008重量部および下記式[b]で示される化合物を0.022重量部加えた。次に、かかるパウダーをベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度240℃、ベントガス真空度6.7×102Paで脱気しながら溶融混練し、ペレットを得た。このペレットを用いて評価した。その結果を表1に示した。また、離型性の評価の際に得られたCD基板のリターデーション値、転写性は良好であった。さらに、このCD基板上にアルミニウム膜をスパッタリングした後のCDの反り、ブロックエラーレート(BLER)も良好であった。
【0058】
【化8】
Figure 0004798839
【0059】
【化9】
Figure 0004798839
【0060】
[実施例2]
実施例1の(B)において、式[a]の化合物を0.005重量部および式[b]の化合物を0.025重量部とした以外は実施例1と同様にして行なった。
【0061】
[比較例1]
実施例1の(B)において、式[a]の化合物を使用せず、式[b]の化合物を0.03重量部とした以外は実施例1と同様にして行なった。
【0062】
[比較例2]
実施例1の(B)において、式[a]の化合物および式[b]の化合物を使用しなかった以外は実施例1と同様にして行なった。
【0063】
【表1】
Figure 0004798839
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、流動性、色相及び熱安定性を低下させること無く、離型性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を得ることができ、かかるポリカーボネート樹脂は、光学材料用途、特に情報記録媒体用基板の材料として好適に使用され、その奏する工業的効果は格別である。

Claims (6)

  1. 界面重合法により二価フェノール化合物とカーボネート前駆体を反応させ、反応時に末端停止剤として単官能フェノール類を使用し、該末端停止剤が全末端に対して少なくとも5モル%末端に導入された、粘度平均分子量11,000〜45,000のポリカーボネート樹脂100重量部および下記式[1]で示される化合物0.001〜0.0095重量部からなるポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 0004798839
    (ここでAは炭素数1〜24の1価の炭化水素基であり、AおよびAは水素原子もしくは炭素数1〜10の炭化水素基であり、Yはエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、もしくは単結合である。)
  2. ポリカーボネート樹脂が、さらに[2]脂肪族カルボン酸と多価アルコールとの部分エステル化合物を含有し、上記式[1]で示される化合物と[2]の化合物との割合が重量比で1〜99:99〜1であり、かつポリカーボネート樹脂100重量部に対して、式[1]の化合物と[2]の化合物との合計が0.002〜0.3重量部である請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 二価フェノール化合物が、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである請求項1または2記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物より形成された情報記録媒体用基板。
  5. 請求項4記載の基板の片面に金属薄膜を形成させた情報記録媒体。
  6. 情報記録媒体が、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、またはDVD−RAMである請求項5記載の情報記録媒体。
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