JP4798182B2 - 眩惑検出装置、眩惑検出プログラム、および前照灯制御装置 - Google Patents

眩惑検出装置、眩惑検出プログラム、および前照灯制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、自車両の前照灯によって他人を眩惑していることを検出する眩惑検出装置、眩惑検出プログラム、およびこれらの機能を有する前照灯制御装置に関する。
従来、先行車または対向車(以下「他車両」という)の車両幅、自車両に対する相対角度や相対距離、自車両の車速やステアリング位置等を検出し、その検出結果に基づいて、前照灯の強度(照射の明るさ)を左右独立に制御したり、前照灯の光軸を左右上下に制御したりすることによって、他車両のドライバが眩惑される(グレアを不快と感じる)ことのないように、前照灯の強度や照射範囲を調整する配光制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この配光制御装置では、グレアの程度を定量的に判断することなく配光制御を行っているため、前照灯の光軸を必要以上に制御してしまうことによって、配光制御装置を備えた車両(以下「自車両」という)のドライバの視界が必要以上に制限されたり、逆に、光軸の制御が不十分で、他車両のドライバにグレアを不快と感じさせてしまったりするという問題がある。
これに対して、他車両のドライバが受けるグレアの程度を表す評価値Wを、(1)式に示すSchmidt-Clausen and Bindels の式を用いて求め、その算出結果を配光制御に利用することが検討されている(非特許文献1参照)。
なお、EBiは他車両のドライバの眼前照度、θiは他車両のドライバの視線と自車両のランプの光軸方向とが成す入射角度、Luは他車両のドライバの順応輝度、Cp00,CpLは定数であり、iは前照灯を構成する各ランプに対応する識別子である。
具体的には、この評価値Wを、表1に示すドボーの9点尺度と比較することにより、W≦4の時にドライバがグレアを不快に感じているものとして、W>4となるように配光制御を行うことが考えられている。
特開2004−161082号公報 益子仁一、森田和元、岡田竹雄、関根道昭「可変配光前照灯(AFS)が対向車ドライバに与える眩惑状況の解析」平成14年度交通安全環境研究所研究発表会講演概要集、p.79−199(2002)
しかし、評価値Wの算出には、時々刻々と変化する自車両,他車両間の状況に応じて眼前照度EBiや、入射角度θiを求める必要がある。特に、前照灯は、いわゆるハイビームと呼ばれる走行用前照灯と、いわゆるロービームと呼ばれるすれ違い用前照灯とからなり、各一対のランプ、即ち合計4個のランプによって構成されているため、そのランプ毎に眼前照度を求める必要がある。このため、これら眼前照度EBiや入射角度θiの算出には多くの処理を必要とし、評価値Wに基づいてリアルタイムで他人を眩惑しているか否かを判定するのは困難であるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するために、リアルタイムで他人を眩惑しているか否かを判定するために必要な技術を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために成された請求項1に記載の眩惑検出装置において、第1境界距離抽出手段は、防眩エリアマップを参照することによって、前記他人抽出手段が抽出した他人のアイポイントの位置に対応する境界距離を抽出する。ただし、防眩エリアマップとは、自車両の前照灯によって他人が眩惑されると推定される自車両と他人との距離の最大値を境界距離とし、撮像画像の領域を格子状に分割してなる分割領域毎に境界距離を示すことで構成されている。
そして、眩惑判定出力手段は、実測距離検出手段が検出した実測距離と第1境界距離抽出手段が抽出した境界距離とを比較し、実測距離が境界距離以下であれば、自車両の前照灯によって他人を眩惑している旨を出力する。
このような眩惑検出装置によれば、防眩エリアマップに基づく境界距離と実測距離とを比較することによって他人を眩惑しているか否かを判定するので、この判定の際の処理を簡素な処理にすることができ、この結果、リアルタイムで他人を眩惑しているか否かを判定することができる。
なお、本発明において、「他人」とは、例えば、他車両の乗員や通行人等、撮像手段による撮像範囲内に位置する人間が該当する。
ところで、請求項1に記載の眩惑検出装置においては、請求項2に記載のように、防眩エリアマップでは、分割領域毎に他人のアイポイントが位置するものとして、分割領域毎に他人の視線と車両の前照灯の照射方向とがなす入射角度および他人の眼前照度をSchmidt-Clausen and Bindels の式に入力することによって算出された不快グレアの評価値が予め設定された閾値以下となる距離の最大値を境界距離として設定していてもよい。
このような眩惑検出装置によれば、眩惑されているか否かの判定の際に利用する防眩エリアマップをSchmidt-Clausen and Bindelsの式に基づいて設定しているので、境界距離を論理的かつ高精度に設定することができる。
なお、防眩エリアマップの生成方法としては、例えば以下のような方法を採用することができる。即ち前提として、分割領域毎に、分割領域の一つを対象領域、予め設定された複数の設定車間距離の一つを指定距離とし、前記対象領域に前記他人のアイポイントが位置し、かつ該他人が自車両から前記指定距離だけ離れた位置に存在するものとする。そして、前記他人の眼前照度および前記自車両のドライバの視線と前記自車両の前照灯の照射方向とがなす入射角度を算出し、その算出された前記眼前照度および前記入射角度に基づき、Schmidt-Clausen and Bindels の式を用いて不快グレアの評価値を算出する。さらに、前記対象領域を固定し前記設定車間距離のそれぞれについて前記評価値算出手段に前記評価値を算出させた結果に基づき、該評価値が予め設定された閾値以下となる前記設定車間距離の最大値を前記境界距離として抽出する。このようにして全ての分割領域において境界距離を算出すれば、防眩エリアマップを生成することができる。
さらに、請求項1または請求項2に記載の眩惑検出装置においては、請求項3に記載のように、第1境界距離抽出手段は、現在の前照灯の照射状態における境界距離が対応付けられた防眩エリアマップである第1エリアマップを参照することによって他人の位置に対応する境界距離である第1境界距離を抽出するよう構成されており、自車両の前照灯の照射状態を現在の前照灯の照射状態とは異なる予め設定された他の照射状態に変更したときにおける境界距離が対応付けられた防眩エリアマップである第2エリアマップ、を参照することによって、他人抽出手段が抽出した他人の位置に対応する境界距離である第2境界距離を抽出する第2境界距離抽出手段と、第2境界距離と第1境界距離とを比較し、第1境界距離よりも前記第2境界距離が大きければ、前照灯の照射状態を他の照射状態に変更するとよい旨を出力する照射状態変更出力手段と、を備えていてもよい。
このような眩惑検出装置によれば、自車両の前照灯の照射状態を現在の前照灯の照射状態から予め設定された他の照射状態に変更したときに、他人を眩惑する度合いが軽減するか否かを判定することができる。従って、前照灯の照射状態を他の照射状態に切り換える前に、前照灯の照射状態を切り換えることに意義があるか否かを検証することができる。
なお、第2エリアマップとしては、複数の防眩エリアマップが準備されていてもよい。この場合において照射状態変更手段は、第1境界距離よりも境界距離が大きくなる第2エリアマップを選択するようにすればよい。この際、第1境界距離と、全ての第2エリアマップの境界距離とを比較する必要はなく、第1境界距離よりも境界距離が大きくなる第2エリアマップが抽出できた時点で、その第2エリアマップを採用すればよい。また、第1境界距離と、全ての第2エリアマップの境界距離とを比較する場合には、第2境界距離が実測距離以上であって、かつ最も実測距離に近い値のものを採用すればよい。
このようにすれば、自車両のドライバの視界を最大限確保しつつ、他人を眩惑しないようにすることができる。
次に、請求項4に記載の眩惑検出プログラムにおいては、請求項1〜請求項3の何れかに記載における各手段としての機能をコンピュータにおいて実行するためのプログラムであることを特徴としている。
このような眩惑検出プログラムによれば、少なくとも請求項1に記載の眩惑検出装置と同様の効果を享受することができる。
さらに、上記目的を達成するために成された請求項5に記載の前照灯制御装置においては、眩惑検出手段が自車両の前照灯によって他人を眩惑していることを検出し、眩惑検出手段によって他人を眩惑している旨が出力されると、光量変更手段が撮像画像中の他人の位置における前照灯による光量が少なくなるように、前照灯の光量または照射範囲を変更する。そして、眩惑検出手段は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の眩惑検出装置として構成されている。
このような前照灯制御装置によれば、眩惑検出手段が請求項1〜請求項3の何れかに記載の眩惑検出装置として構成されているので、他人を眩惑しているか否かを良好に判断することができる。そして、他人を眩惑していると判定された場合に、撮像画像中の他人の位置における前照灯による光量が少なくするので、他人を眩惑する度合いを軽減することができる。
また、上記目的を達成するために成された請求項6に記載の前照灯制御装置において、眩惑検出手段は、他人を眩惑していることを検出するとともに、現在の前照灯の照射状態から予め設定された他の照射状態に変更したときに他人を眩惑する度合いが低くなるか否かを検出する。そして、光量変更手段は、眩惑検出手段によって、他人を眩惑している旨が出力され、かつ前照灯の照射状態を他の照射状態に変更したときに他人を眩惑する度合いが低くなる旨が出力された場合に、前照灯の照射状態を他の照射に変更する。ただし、眩惑検出手段は、請求項3に記載の眩惑検出装置として構成されている。
このような前照灯制御装置によれば、眩惑検出手段が請求項3に記載の眩惑検出装置として構成されているので、前照灯の照射状態を他の照射状態に切り換える前に、前照灯の照射状態を切り換えることに意義があるか否かを検証することができる。そして、本発明の前照灯制御装置によれば、前照灯の照射状態を他の照射状態に変更したときに他人を眩惑する度合いが低くなる場合に、前照灯の照射状態を他の照射に変更するので、前照灯の照射状態が無意味に変更されることを防止することができる。
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
[装置の構成]
図1は本発明が適用されたライト制御装置1の概略構成を示すブロック図である。
このライト制御装置1(前照灯制御装置)は、例えば乗用車等の車両(以下、「自車両」という。)に搭載された装置であって、図1に示すように、通信プロトコルCAN(Controller Area Network)によって通信が実施されるCAN通信線3を介して接続された演算部10(眩惑検出装置)、前方カメラ15(撮像手段)、距離検出装置16(実測距離検出手段)を備えている。また、演算部10は、通信プロトコルLIN(Local Interconnect Network)によって通信が実施されるLIN通信線5にも接続されており、このLIN通信線5はヘッドライト20(前照灯)に接続されている。
前方カメラ15は、個体撮像素子を二次元格子状に配列することで構成されたイメージセンサ(CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ)、および被写体からの光をイメージセンサ上に集光するレンズ等を用いて構成された周知のものであり、自車両の内部や自車両の前部においてヘッドライト20による照射範囲内が撮像範囲内に含まれるように車幅方向の中心位置に配置されている。そして、前方カメラ15は、撮像画像を演算部10に送る。
距離検出装置16は、例えば自車両の前部に配置されたレーダやソナーとして構成されており、特に前方カメラ15における撮像範囲内において、他車両や通行人等の対象物までの距離およびその位置を検出可能に構成されている。なお、距離検出装置16の構成としては、前方カメラ15による撮像画像を画像処理することによって(例えば一対のライトの間隔等)他車両までの距離を推定するよう構成されていてもよい。
演算部10は、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のマイコンとして構成されており、自車両に関する種々の情報が記録されたデータ記録部11も備えられている。なお、データ記録部11には、後述する防眩エリアマップ等が記録されている。
演算部10は、図示しない各種センサ(車輪速度センサ、舵角センサ、ヨーレートセンサ等)が検出した検出結果を、CAN通信線3を介して受信し、該受信した検出結果に応じて、ヘッドライト20のランプ(各種LED22,23)の光軸(以下、単に「光軸」ともいう。)が向けられるべき角度(照射角度)を決定する処理や、点灯させるランプを選択する処理等を実施する。なお、本実施形態においては、各ヘッドライト20が光軸の向きを変更する構成(駆動機構やアクチュエータの構成)については図示を省略する。
また、演算部10は、この決定した照射角度に実際の光軸が向けられるように、また、所定のランプを点灯させるように、照射角度および点灯させるランプを指定した制御指令を、LIN通信線5を介してヘッドライト20に対して送信する。なお、この制御指令に含まれる照射角度の情報としては、鉛直方向(車両の進行方向に対して前後方向)における角度の情報と、鉛直方向とは直交する水平方向(車両の進行方向に対して左右方向)における角度の情報とが含まれる。
ここで、ヘッドライト20としては、周知の車両のように、車両の前方における左右2箇所に左ヘッドライトおよび右ヘッドライトを備えた構成にされている。なお、図1では、一方のヘッドライトのみを図示している。
演算部10による制御指令は、これらのヘッドライト毎に送信される。つまり、演算部10は、制御指令を送信する通信相手を一方のヘッドライト、両方のヘッドライト20とすることもできる。各ヘッドライト20は、図1に示すように、制御部21と、多数のHIビーム用LED22と、多数のLOWビーム用LED23とを備えている。
制御部21は、それぞれ、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のマイコンとして構成されており、演算部10による制御指令に基づいて、該指令通りに光軸の向きを制御したり、LED22,23の点灯・消灯を制御(点灯制御)したりする。
ここで、データ記録部11に格納された防眩エリアマップについて説明する。防眩エリアマップを一言で述べると、自車両のヘッドライト20によって他人が眩惑されると推定される自車両と他人との距離の最大値を境界距離とし、前方カメラ15による撮像画像の領域を格子状に分割してなる分割領域毎に境界距離を示すことで構成されたマップである。特に、本実施形態(第1実施形態)においては、HIビーム用LED22およびLOWビーム用LED23の全てを点灯させたときに対応する防眩エリアマップがデータ記録部11に格納されている。
この防眩エリアマップの詳細を図2に示す。図2は、前方カメラ15による撮像画像の領域を画素毎に分割した模式図であり、この模式図に併せて、縦方向および横方向の中央部分において対応付けられた境界距離を示すグラフもそれぞれ表示している。
防眩エリアマップにおける領域内の位置と、境界距離との関係は、ヘッドライト20による光軸の向きや照射範囲等に依存し、図2に示す例では、マップの中央付近(光軸の付近)が最も境界距離が大きく、ここから離れるにつれて連続的に境界距離が減少している。なお、一般的なヘッドライト20においては、車両の右側前方よりも左側前方に広い照射範囲を有するため、本実施形態においても車両の右側前方よりも左側前方の境界距離が大きくなっている。
[防眩エリアマップの詳細]
防眩エリアマップは、各分割領域に対応付けられた境界距離が上記のような傾向を有していればよいが、本実施形態の防眩エリアマップにおいては、他人が感じる眩しさのレベルの検出精度を向上させるために、以下に示す手法で作成されている。
なお、図3(b)に示すように、ヘッドライト20のHIビーム用LED22は、一対のランプL1,L2として配置されており、LOWビーム用LED23は、ランプL1,L2より車幅方向の外側、かつランプL1,L2より光軸が下方を向くように設置された一対のランプL3,L4として構成されているものとする。また、LOWビーム用LED23は単独で点灯するが、HIビーム用LED22は単独で点灯することはなく、常に、LOWビーム用LED23と共に点灯するように構成されているものとする。
さらに、多数のHIビーム用LED22は、全て同時に点灯・消灯するものとする。
まず、防眩エリアマップの作成にあたって用意すべきデータについて説明する。
図4(a)は、配光データの詳細を示す表であり、図4(b)は、ヘッドライト20から25m離れた位置で、仰角−20〜20[deg]、ヨー角−45〜45[deg]の範囲でヘッドライト20の照度を測定した結果を表す等光度曲線(配光データをグラフ化したもの)である。
図4(a)に示すように、配光データは、ビーム種類(HIビーム/LOWビーム)、ビーム位置(左/右)、撮影距離R[m]、仰角最小値αMIN[deg]、仰角最大値αMAX[deg]、角度きざみΔα(=Δβ)[deg]、ヨー角最小値βMIN[deg]、ヨー角最大値βMAX[deg]、{(αMAX−αMIN)/Δα}×{(βMAX−βMIN)/Δβ}個の輝度データAαβ[cd/m2](ただし、αMIN≦α≦αMAX,βMIN≦β≦βMAX)からなる。
そして、ビーム種類とビーム位置とで特定される、ヘッドライト20を構成する4個のランプL1〜L4に対応した4種類の配光データが用意されている。
次に、図5は、予め設定される各種パラメータ,定数の詳細を示す表である。
図5(a)に示すように、眼前照度算出パラメータには、車線幅WROAD、自車両の中心と他車両のドライバとのオフセット幅WOFFS、HIビーム用LED22(L1,L2)の設置高さHLA、LOWビーム用LED23(L3,L4)の幅WLB、LOWビーム用LED23の設置高さHLB、カメラ高さHCM、高さ係数K、アイポイント高さHEP、フロントガラスのガラス透過率τがある。
なお、図3(b)(c)に示すように、各ランプの設置高さHLA,HLB、カメラ高さHCMおよびアイポイント高さHEPとは路面からの高さであり、各ランプの幅WLA,WLBとは、そのランプを構成する一対のヘッドライト20の設置間隔のことである。また、高さ係数Kとは、自車両に設置される前方カメラ15の設置高さHCMに応じて設定される係数であり、各ランプの設置高さHLA,HLBに乗じることによって、前方カメラ15の設置高さHCMが異なることにより生じる防眩エリアマップの誤差分を補正するために用いてもよい。
図5(b)に示すように、評価値Wの算出に使用する定数には、順応輝度Lu[cd/m2]、定数Cp00[lx/min0.46]、定数CpL[cd/m2]がある。
なお、評価値の算出には、(1)式として示したSchmidt-Clausen and Bindels の式が用いられ、Cp00=0.003,CpL=0.04である。また、順応輝度Luとは、対象
車のドライバが順応している輝度のことであり、ここではLu=1を用いる。
さらに、防眩エリアマップの出力形式として、Deg出力する際の出力規定パラメータとしては、図5(c)に示すように、仰角範囲:下限角−θxLIM〜上限角θxLIM[deg]、仰角きざみΔθx[deg]、ヨー角範囲:下限角−θyLIM〜上限角θyLIM[deg]、ヨー角きざみΔθy[deg](図3(a)参照)がある。この場合、仰角(縦)方向の分割領域数は、2θxLIM/Δθx個となり、ヨー角(横)方向の分割領域数は、2θyLIM/Δθy個となる。
一方、Pix出力設定の出力規定パラメータには、図5(d)に示すように、車載カメラの焦点距離f[mm]、撮像素子サイズ:幅WEL×高さHEL[mm]、画像サイズ:横WPX×縦HPX[pix]がある。
Deg出力設定によって生成される防眩エリアマップは、ヨー角範囲−θyLIM 〜θyLIM をヨー角きざみΔθyで表した角度を横軸、仰角範囲−θxLIM〜θxLIMを仰角きざみΔθxで表した角度を縦軸として、ヨー角θyと仰角θxとで特定される分割領域のそれぞれに、境界距離を対応付けて記憶したものとなる。
また、Pix出力設定によって生成される防眩エリアマップは、画素の位置を表す幅方向および高さ方向の番号によって特定される分割領域(画素)のそれぞれに境界距離を対応付けて記憶したものとなる。
ただし、Pix出力設定による防眩エリアマップは、その分割領域(WPX×HPX個の画素)を、焦点距離f,撮像素子サイズWEL×HELが図6(c)に示す関係を有することから規定される関係式(2)(3)よって、Deg出力設定による防眩エリアマップの各分割領域と対応づけることによって作成される。なお、分割領域は、仰角方向の画素位置をx(−HPX/2≦x≦HPX/2)、ヨー方向の画素位置をy(−WPX/2≦y≦HPX/2)とする。
上記のデータやパラメータ等を利用して、防眩エリアマップを生成する。具体的には、撮像画像の画素毎に、下記の演算を実施する。
即ち、Deg出力設定の出力規定パラメータθx,θy(−θxLIM≦θx≦θxLIM,−θyLIM≦θy≦θyLIM,ただし、Δθx,Δθyきざみ)で特定される分割領域の中から、境界距離が算出されていないものを対象分割領域毎に、予め用意された設定車間距離(1mきざみで10m〜3000m)を変更しながら、全ての設定車間距離(他車両間距離D)について評価値Wを順次算出する。
各評価値Wを算出するには、眼前照度算出パラメータに基づいて、ヘッドライト20を構成する4個のランプL1〜L4のそれぞれについて、他車両のドライバの視線と各ランプLi(i=1〜4)の光軸方向とがなす入射角度(仰角αi,ヨー角βi)を算出する必要がある。また、ヘッドライト20を構成するランプLi毎に、個々のランプLiからの照射光による、他車両のドライバに対する眼前照度(以下「個別眼前照度」という)EBiについても算出する必要がある。
仰角α1〜α4を算出する際には、(4)(5)式(図6(a)参照)を用い、ヨー角β1〜β4を算出する際には、(6)〜(9)式(図6(b)参照)を用いる。
続いて、この個別眼前照度EBiを算出する際には、ランプLiに対する配光データに基づき、仰角αi,ヨー角βiで特定される位置の輝度データAiを抽出し、その抽出した輝度データAi,他車両間距離D,ガラス透過率τを用いた(10)式によって算出する。
そして、個別眼前照度EB1〜EB4と、他車両のドライバとランプ光軸とが成す角θ1〜θ4(=β1〜β4)とに基づいて、上述した(1)式、即ち、Schmidt-Clausen and Bindels の式を用いて、不快グレアの評価値Wを算出する。
以上説明した手法によって生成される防眩エリアマップは、自車両のヘッドライト20によって他車両のドライバが眩惑される(グレアを不快に感じる)と推定される設定車間距離の最大値を境界距離として、前方カメラ15の撮像領域を格子状に分割してなる分割領域のぞれぞれと、その分割領域での境界距離とを対応付けたものとなる。
従って、この防眩エリアマップによれば、自車両の前方カメラ15から得られた撮像画像中で他車両が撮像されている分割領域と、他車両,自車両間の距離とが分かれば、その他車両のドライバが自車両のヘッドライト20によって眩惑されているか否かを直ちに推定可能となる。
なお、上記の手法によって生成された防眩エリアマップを利用すれば、歩行者等の通行人を眩惑しているか否かについても概ね推定することができる。ただし、より精度を向上させるためには、通行人のアイポイントにおける個別眼前照度を検出し、通行人専用の防眩エリアマップを生成すればよい。この場合、後述するライト制御処理のうちの眩惑検出処理では、検出した「他人」の種別(車両のドライバか通行人か)に応じて利用する防眩エリアマップを選択すればよい。
[ライト制御処理]
上記のような構成を備えたライト制御装置1において、他人を眩惑している場合に眩惑の度合いを軽減する処理について図7,図8,および図9(a)を用いて説明する。図7は演算部10が実行するライト制御処理を示すフローチャート、図8はライト制御処理のうちの眩惑検出処理を示すフローチャート、図9(a)はライト制御処理のうちの光量変更処理を示すフローチャートである。
ライト制御処理は、例えばHIビーム用LED22がON状態にされると開始され、その後、HIビーム用LED22がOFF状態にされるまで繰り返し実施される処理である。より詳細には、図7に示すように、まず、眩惑検出処理を実施する(S110:眩惑検出手段)。
眩惑検出処理では、図8に示すように、まず、前方カメラ15による撮像画像を取得し(S210)、この撮像画像から他人を検出する(S220:他人抽出手段)。ここで、他人とは、自車両とすれ違う対向車や自車両の前方を自車両と同方向に走行する先行車にいる乗員(特にドライバ)、或いは、歩行者や自転車に乗った者等の通行人が該当する。
S220の具体的な処理としては、通行人に該当する形状や、他車両の一対のライトが撮像画像中に存在した場合に、撮像画像中においてそれらの位置(アイポイントが位置すると推定される撮像画像における座標)を抽出する。なお、他車両の乗員の位置については、一対のライトの位置から推定すればよい。
続いて、距離検出装置16による対象物の位置および対象物までの実測距離の検出結果を取得し、S220の処理にて検出された他人の位置と実測距離と関連付ける(S230:距離取得手段)。そして、S220の処理にて他人を検出したか否かを判定する(S240)。
他人を検出していなければ(S240:NO)、眩惑していない旨の判定結果をRAM等のメモリに記録し(S330)、眩惑検出処理を終了する。また、他人を検出していれば(S240:YES)、現状の照射状態(即ち、HIビームの際の照射状態)に対応する防眩エリアマップを取得する(S260:第1境界距離抽出手段)。
次いで、現状の照射状態に関する防眩エリアマップにおいて他人の撮像画像中の位置に対応する境界距離(第1境界距離)を抽出し、この第1境界距離と、距離検出装置16にて検出された実測距離とを比較する(S270:第1境界距離抽出手段)。第1境界距離が実測距離以下であれば(S270:NO)、眩惑していない旨の判定結果をRAM等のメモリに記録し(S330)、眩惑検出処理を終了する。なお、S330の処理の際に、メモリに「眩惑している旨の判定結果」が既に記録されている場合には、この記録内容をクリアする。
第1境界距離が実測距離よりも大きければ(S270:YES)、眩惑している旨の判定結果をRAM等のメモリに記録し(S280)、眩惑検出処理を終了する。なお、S280の処理の際に、メモリに「眩惑していない旨の判定結果」が既に記録されている場合には、この記録内容をクリアする。
このような眩惑検出処理が終了すると、図7に示すライト制御処理に戻り、眩惑検出処理にて眩惑している旨の判定結果が記録されたか否かを判定する(S120)。眩惑している旨の判定結果が記録されていなければ(S120:NO)、直ちにライト制御処理を終了する。即ち、他人を眩惑していない状態であると判定されたため、ヘッドライト20による照射状態を現在の状態(HIビーム)に維持する。
一方、眩惑している旨の判定結果が記録されていれば(S120:YES)、眩惑度合いを緩和するための第1光量変更処理を実施する(S140:光量変更手段)。この第1光量変更処理は、他人が検出された位置における光量が少なくなるようにすればよく、本実施形態においては、図9(a)に示すように、全てのHIビーム用LED22を消灯する(S410)。つまり、この処理においては、全体の光量を減少させており、特にHIビーム用LED22を消灯することによって、通常他人のアイポイントが位置する高さよりも下方に光軸を向けることになるので、他人を眩惑する度合いを軽減することができると考えられる。
このような光量変更処理が終了すると、ライト制御処理も終了する。
[効果]
以上のように詳述したライト制御装置1において、演算部10は、ライト制御処理にて自車両のヘッドライト20によって、他人を眩惑していることを検出し、他人を眩惑している旨が出力されると、撮像画像中の他人の位置におけるヘッドライト20による光量が少なくなるように、ヘッドライト20の光量または照射範囲を変更する。ここで、他人を眩惑していることを検出する際には、演算部10は眩惑検出処理にて、防眩エリアマップを参照することによって、他人の位置に対応する境界距離を抽出し、距離検出装置16が検出した実測距離と境界距離とを比較し、実測距離が境界距離以下であれば、自車両のヘッドライト20によって他人を眩惑している旨を出力する。
ただし、防眩エリアマップとは、自車両のヘッドライト20によって他人が眩惑されると推定される自車両と他人との距離の最大値を境界距離とし、撮像画像の領域を格子状に分割してなる分割領域毎に境界距離を示すことで構成されている。
このようなライト制御装置1によれば、防眩エリアマップに基づく境界距離と実測距離とを比較することによって他人を眩惑しているか否かを判定するので、この判定の際の処理を簡素にすることができる。よって、リアルタイムで他人を眩惑しているか否かを判定することができる。そして、他人を眩惑していると判定された場合に、撮像画像中の他人の位置におけるヘッドライト20による光量が少なくするので、他人を眩惑する度合いを軽減することができる。
また、ライト制御装置1において利用される防眩エリアマップでは、分割領域毎に他人のアイポイントが位置するものとして演算されており、分割領域毎に他人の視線と車両のヘッドライト20の照射方向とがなす入射角度および他人の眼前照度をSchmidt-Clausen and Bindels の式に入力することによって算出された不快グレアの評価値が予め設定された閾値以下となる距離の最大値を境界距離として設定している。
このようなライト制御装置1によれば、眩惑されているか否かの判定の際に利用する防眩エリアマップをSchmidt-Clausen and Bindelsの式に基づいて設定しているので、境界距離を論理的かつ高精度に設定することができる。
[第2実施形態]
[装置の構成および処理]
次に、別形態のライト制御装置2について説明する。本実施形態(第2実施形態)では、第1実施形態のライト制御装置1と異なる箇所のみを詳述し、第1実施形態のライト制御装置1と同様の箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のライト制御装置2において、ヘッドライト20の制御部21は、多数のHIビーム用LED22の一部(例えば半数)だけを点灯・消灯できるよう構成されており、防眩エリアマップとしては、全てのHIビーム用LED22および全てのLOWビーム用LED23を点灯させたときの防眩エリアマップ(以下、「第1エリアマップ」という。)と、一部のHIビーム用LED22および全てのLOWビーム用LED23を点灯させたときの防眩エリアマップ(以下、「第2エリアマップ」という。)と、の2種類が準備されている。つまり、第2エリアマップは、第1エリアマップとは異なる配光データが利用されて生成されている。
そして、ライト制御処理では、全てのHIビーム用LED22を点灯・消灯させるだけでなく、一部のHIビーム用LED22を点灯・消灯させる制御も実施する。
本実施形態における具体的な処理内容については、図9(b),図10,および図11を用いて説明する。図9(b)は第2実施形態のライト制御処理のうちの第2光量変更処理を示すフローチャート、図10は第2実施形態のライト制御処理を示すフローチャート、図11は第2実施形態のライト制御処理のうちの眩惑検出処理を示すフローチャートである。
本実施形態のライト制御処理は、例えば、少なくとも一部のHIビーム用LED22がON状態にされているときに繰り返し実施される処理であって、まず、図11に示す眩惑検出処理を実施する。本実施形態の眩惑検出処理では、S280の処理において、眩惑している旨の判定結果をRAM等のメモリに記録した場合には(S280:眩惑判定出力手段)、一部のHIビーム用LED22が消灯した状態であるか否かを判定する(S290)。
一部のHIビーム用LED22が消灯した状態であれば(S290:YES)、HIビーム用LED22の一部を点灯させた状態での照射状態の変更は有効でない旨をRAM等のメモリに記録し(S340)、眩惑状態検出処理を終了する。また、全てのHIビーム用LED22が点灯した状態であれば(S290:NO)、他の照射状態(つまり、一部のHIビーム用LED22のみを点灯させた状態)に対応する防眩エリアマップ(第2エリアマップ)を取得する(S300:第2境界距離抽出手段)。
そして、第2エリアマップにおいて他人の撮像画像中の位置に対応する境界距離(第2境界距離)を抽出し、この第2境界距離と、第1エリアマップにおける境界距離(第1境界距離)とを比較する(S310:第2境界距離抽出手段)。
第2境界距離が第1境界距離よりも大きければ(S310:YES)、他の照射状態に変更することが有効である旨の判定結果をRAM等のメモリに記録し(S320:照射状態変更出力手段)、眩惑検出処理を終了する。なお、S320の処理の際に、メモリに「照射状態の変更は有効でない旨の判定結果」が既に記録されている場合には、この記録内容をクリアする。
第2境界距離が第1境界距離以下であれば(S310:NO)、HIビーム用LED22の一部を点灯させた状態での照射状態の変更は有効でない旨をRAM等のメモリに記録し(S340)、眩惑状態検出処理を終了する。なお、S340の処理の際に、メモリに「他の照射状態に変更することが有効である旨の判定結果」が既に記録されている場合には、この記録内容をクリアする。
次に、本実施形態のライト制御処理(図10)においては、眩惑している旨の判定結果が記録されていれば(S120:YES)、他の照射状態に変更することが有効である旨が記録されているか否かを判定する(S130)。他の照射状態に変更することが有効である旨が記録されていなければ(S130:NO)、前述の第1光量変更処理を実施する(S140)。
また、他の照射状態に変更することが有効である旨が記録されていれば(S130:YES)、第2光量変更処理を実施する(S150:光量変更手段)。この第2光量変更処理は、図9(b)に照射状態の変更が有効な他の照射状態に変更する制御指令を送信し(S420)、光量変更処理およびライト制御処理を終了する。
[効果]
以上のように詳述したライト制御装置2において、演算部10はライト制御処理にて、他人を眩惑していることを検出するとともに、現在のヘッドライト20の照射状態から予め設定された他の照射状態に変更したときに他人を眩惑する度合いが低くなるか否かを検出する。そして、演算部10は、他人を眩惑している旨が出力され、かつヘッドライト20の照射状態を他の照射状態に変更したときに他人を眩惑する度合いが低くなる旨が出力された場合に、ヘッドライト20の照射状態を他の照射に変更する。
ここで、他人を眩惑していることを検出する際には、演算部10は眩惑検出処理にて、現在のヘッドライト20の照射状態における境界距離が対応付けられた防眩エリアマップである第1エリアマップを参照することによって他人の位置に対応する境界距離である第1境界距離を抽出する。また、演算部10は、自車両のヘッドライト20の照射状態を現在のヘッドライト20の照射状態とは異なる予め設定された他の照射状態に変更したときにおける境界距離が対応付けられた防眩エリアマップである第2エリアマップ、を参照することによって、他人の位置に対応する境界距離である第2境界距離を抽出する。そして、演算部10は、第2境界距離と第1境界距離とを比較し、第1境界距離よりも第2境界距離が大きければ、ヘッドライト20の照射状態を他の照射状態に変更するとよい旨を出力する。
このようなライト制御装置2によれば、自車両のヘッドライト20の照射状態を現在のヘッドライト20の照射状態から予め設定された他の照射状態に変更したときに、他人を眩惑する度合いが軽減するか否かを判定することができる。従って、ヘッドライト20の照射状態を他の照射状態に切り換える前に、ヘッドライト20の照射状態を切り換えることに意義があるか否かを検証することができる。
そして、本発明のライト制御装置1,2によれば、ヘッドライト20の照射状態を他の照射状態に変更したときに他人を眩惑する度合いが低くなる場合に、ヘッドライト20の照射状態を他の照射に変更するので、ヘッドライト20の照射状態が無意味に変更されることを防止することができる。
[その他の実施形態]
本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
例えば、LOWビーム(LOWビーム用LED23のみが点灯)の際の防眩エリアマップを準備しておき、LOWビームに変更したとしても他人を眩惑する度合いが軽減されない場合には、ヘッドライト20の照射状態(光量、照射範囲)を変更しないようにしてもよい。
防眩エリアマップは、光軸の向き(鉛直方向および水平方向)に応じてそれぞれ設けられていてもよい。即ち、他の照射状態における境界距離が対応付けられた第2エリアマップとして、複数の防眩エリアマップが準備していてもよい。この場合において照射状態を変更する処理(照射状態変更手段:S300〜S310)では、第1境界距離よりも境界距離が大きくなる第2エリアマップを選択するようにすればよい。この際、第1境界距離と、全ての第2エリアマップの境界距離とを比較する必要はなく、第1境界距離よりも境界距離が大きくなる第2エリアマップが抽出できた時点で、その第2エリアマップを採用すればよい。また、第1境界距離と、全ての第2エリアマップの境界距離とを比較する場合には、第2境界距離が実測距離以上であって、かつ最も実測距離に近い値のものを採用すればよい。
このようにすれば、自車両のドライバの視界を最大限確保しつつ、他人を眩惑しないようにすることができる。特に、他人として歩行者を検出した場合には、歩行者を眩惑することなく歩行者の胴体にはヘッドライト20の光を照射することができるので、自車両のドライバが歩行者を確認しやすくすることができる。よって、安全性を向上させることができる。
さらに、防眩エリアマップの種別としては、ヘッドライト20の光量を変更した場合や、ヘッドライト20を構成する一部のLED22,23を消灯させたとき等のものを準備しておくことも考えられる。この場合には、他人の位置に応じてスポット的に光量を減少させることができる。また、雨天時や濃霧時等、天候に応じて防眩エリアマップを準備しておいてもよい。
さらに、上記実施形態においては、他人を眩惑しているか否かの判定結果をライト制御に利用したが、例えば、車両制御に利用することもできる。具体的には、先行車を眩惑しているか否かの判定結果に応じて車間距離を制御し、先行車を眩惑するかしないかの車間距離を維持することが考えられる。
また、他人を眩惑しているか否かの判定結果を他車両に対して車車間通信等の通信手段を介して送信することも考えられる。この場合には、判定結果を受けた他車両が防眩に関する対処を実施することができる。
本発明が適用されたライト制御装置1の概略構成を示すブロック図である。 前方カメラ15による撮像画像の領域を画素毎に分割した模式図、および縦方向および横方向の中央部分において対応付けられた境界距離を示すグラフである。 防眩エリアマップの概略図(a)、自車両の構成およびマップ生成に使用するパラメータを示す説明図(b)、他車両に関するパラメータを示す説明図(c)である。 入力ファイル(配光データ)の詳細を示す表(a)、配光データの内容を視覚的に表した等光度曲線図(b)である。 各種パラメータ,定数を示す一覧表である。 眼前照度の算出に使用するパラメータの算出原理を示す説明図である。 第1実施形態のライト制御処理を示すフローチャートである 第1実施形態の眩惑検出処理を示すフローチャートである 第1光量変更処理を示すフローチャート(a)、第2光量変更処理を示すフローチャート(b)である。 第2実施形態のライト制御処理を示すフローチャートである 第2実施形態の眩惑検出処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1…ライト制御装置、2…ライト制御装置、3…CAN通信線、5…LIN通信線、10…演算部、11…データ記録部、15…前方カメラ、16…距離検出装置、20…ヘッドライト、21…制御部、22…HIビーム用LED、23…LOWビーム用LED。

Claims (6)

  1. 自車両の前照灯によって他人を眩惑していることを検出する眩惑検出装置であって、
    自車両の前方を撮像する撮像手段による撮像画像中における他人のアイポイントの位置を抽出する他人抽出手段と、
    他人までの実際の距離である実測距離を検出する実測距離検出手段による検出結果を取得する距離取得手段と、
    自車両の前照灯によって前記他人が眩惑されると推定される自車両と他人との距離の最大値を境界距離とし、前記撮像画像の領域を格子状に分割してなる分割領域毎に前記境界距離を示すことで構成された防眩エリアマップ、を参照することによって、前記他人抽出手段が抽出した他人のアイポイントの位置に対応する境界距離を抽出する第1境界距離抽出手段と、
    前記実測距離検出手段が検出した実測距離と前記第1境界距離抽出手段が抽出した境界距離とを比較し、前記実測距離が前記境界距離以下であれば、自車両の前照灯によって他人を眩惑している旨を出力する眩惑判定出力手段と、
    を備えたことを特徴とする眩惑検出装置。
  2. 請求項1に記載の眩惑検出装置において、
    前記防眩エリアマップでは、前記分割領域毎に前記他人のアイポイントが位置するものとして、該分割領域毎に該他人の視線と当該車両の前照灯の照射方向とがなす入射角度および該他人の眼前照度を下記に示すSchmidt-Clausen and Bindels の式に入力することによって算出された不快グレアの評価値が、予め設定された閾値以下となる距離の最大値を前記境界距離として設定していること
    を特徴とする眩惑検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の眩惑検出装置において、
    前記第1境界距離抽出手段は、現在の前照灯の照射状態における境界距離が対応付けられた防眩エリアマップである第1エリアマップを参照することによって前記他人の位置に対応する境界距離である第1境界距離を抽出するよう構成されており、
    自車両の前照灯の照射状態を現在の前照灯の照射状態とは異なる予め設定された他の照射状態に変更したときにおける前記境界距離が対応付けられた防眩エリアマップである第2エリアマップ、を参照することによって、前記他人抽出手段が抽出した他人の位置に対応する境界距離である第2境界距離を抽出する第2境界距離抽出手段と、
    前記第2境界距離抽出手段が検出した第2境界距離と前記第1境界距離抽出手段が抽出した第1境界距離とを比較し、前記第1境界距離よりも前記第2境界距離が大きければ、前照灯の照射状態を前記他の照射状態に変更するとよい旨を出力する照射状態変更出力手段と、
    を備えたことを特徴とする眩惑検出装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載における各手段としての機能をコンピュータにおいて実行するための眩惑検出プログラム。
  5. 車両に搭載され、前照灯による光量または照射範囲を制御する前照灯制御装置であって、
    自車両の前照灯によって他人を眩惑していることを検出する眩惑検出手段と、
    前記眩惑検出手段によって他人を眩惑している旨が出力されると、前記撮像画像中の他人の位置における前記前照灯による光量が少なくなるように、前記前照灯の光量または照射範囲を変更する光量変更手段と、
    を備え、
    前記眩惑検出手段は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の眩惑検出装置として構成されていること
    を特徴とする前照灯制御装置。
  6. 車両に搭載され、前照灯による光量または照射範囲を制御する前照灯制御装置であって、
    自車両の前照灯によって、他人を眩惑していることを検出するとともに、現在の前照灯の照射状態から予め設定された他の照射状態に変更したときに他人を眩惑する度合いが低くなるか否かを検出する眩惑検出手段と、
    前記眩惑検出手段によって、他人を眩惑している旨が出力され、かつ前照灯の照射状態を前記他の照射状態に変更したときに他人を眩惑する度合いが低くなる旨が出力された場合に、前照灯の照射状態を前記他の照射に変更する光量変更手段と、
    を備え、
    前記眩惑検出手段は、請求項3に記載の眩惑検出装置として構成されていること
    を特徴とする前照灯制御装置。
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