JP4007578B2 - 前照灯照射範囲制御方法及び前照灯装置 - Google Patents

前照灯照射範囲制御方法及び前照灯装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用前照灯の照射範囲制御装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には夜間等に車両前方を照射して運転者の視認性を向上させる前照灯が装備されている。この前照灯は、照射範囲がハイビームとロービームの2段階にのみ切り替え可能となっている構成が一般的である。ハイビームは遠方まで照射可能で運転者の前方視認性を大幅に向上させることができる利点があるが、先行車両や対向車両等の他車両が存在する場合には、他車両の運転者を眩惑させて視認性を低下させてしまい事故の原因になりうる。一方、ロービームは他車両の運転者を眩惑させる可能性は低いものの、運転者の視認性の向上という点ではハイビームに比べて劣る。
【0003】
そこで運転者は、他車両が存在しない場合はハイビームを使用し、他車両の存在を認識した時点で手動でロービームに切り替え、他車両に前照灯の光を直接照射しないようにして、他車両の運転者を眩惑を防いでいる。
【0004】
しかし、運転者が正しくハイビームとロービームを切り替えても、車両が道路の凹凸によって振動した場合や進行方向の道路に坂道等の大きな起伏の変化がある場合には、他車両の運転者に光ビームが直接入射して眩惑させてしまうことが多々ある。
【0005】
このような問題を解決するために、特開2001−277938号公報では、レーザーレーダーを用いて他車両の3次元的な座標を求めて、他車両に前照灯の光ビームを直接照射しないように照射範囲を制御する方式が提案されている。しかし、レーダーは距離の分解能は高いが方向の分解能は低いため、他車両の位置を十分正確に検出するのが難しい。
【0006】
また、特開平7−101291号公報や特開平7−137574号公報では、標準的な車両について予め求めておいた、1台のカメラで取得した画像上の車幅と車間距離の関係を用いて、他車両の3次元的な座標を求めて照射範囲を制御する方式が提案されている。これらの方式では、画像処理による他車両の認識と距離計測に関する精度と安定性が重要であるが、1台のカメラで取得した画像を用いた画像処理によって物体の3次元的な位置を求めることは、現段階では難しい処理なので精度に問題がある。
【0007】
このほかにも、カメラを複数台用いて三角測量の原理で3次元的座標を求めるいわゆるステレオ視を用いる方式や、特開平6−267303号公報で提案されている、画像処理とレーザーレーダーの検出結果を組み合わせて3次元的座標を求める方式も考えられるが、カメラやレーザー測距装置が増えるため、装置全体が高価になるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では3次元的座標を求めることなく、他車両の眩惑を防ぐことのできる前照灯装置及び前照灯照射範囲制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の前照灯照射範囲制御方法は、車両前方をカメラで撮影して画像を取得する画像入力ステップと、前記画像内から先行車両や対向車両の灯火に相当する明領域を検出する明領域検出ステップと、前記画像中における前記明領域の座標を用いて前記カメラから見た前記明領域の方向を算出して、前記前照灯の照射範囲が前記明領域を含まないように決定する照射範囲決定ステップと、前記前照灯の照射範囲を前記決定された照射範囲に修正する前照灯制御ステップとを有する。
【0010】
また、本発明の前照灯装置は、車両に搭載して前方を照射する前照灯と、前記車両の前方を撮影して画像を取得する画像入力部と、前記画像から先行車両や対向車両の灯火に相当する明領域を検出する明領域検出部と、前記画像中における前記明領域の座標を用いて前記画像入力部から見た前記明領域の方向を算出して、前記前照灯の照射範囲が前記明領域を含まないように決定する照射範囲決定部と、前記前照灯の照射範囲を前記決定された照射範囲に修正する前照灯制御部とを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態である車両用前照灯装置の構成を説明する図である。本装置は、カメラで画像を撮影して画像データを生成する画像入力部1と、画像データから明るい領域を検出する明領域検出部2と、検出した明領域に基づいて前照灯の照射範囲を決定する照射範囲決定部3を有する。さらに、決定した照射範囲に従って前照灯の照射範囲を制御する前照灯制御部4と、前照灯5とを有する。
【0012】
尚、図1で破線で示したように、前照灯制御部4及び前照灯5は車両の必要に応じて複数系統有することが可能である。例えば、図2に示すように乗用車の左右1対の前照灯5L、前照灯5Rを1つの画像入力部1でカバーする場合は2系統になる。本実施形態では、図3に示すように1つの画像入力部1Lに対して一つの前照灯5Lを備えた場合、すなわち1系統だけの場合を例に説明を行う。
【0013】
この車両用前照灯装置は自動車等の車両に設置され、前照灯5と画像入力部1のカメラを隣接させて前照灯の光源位置と画像を取得するカメラの焦点位置をほぼ同位置にする。また、前照灯5の光源と画像入力部1のカメラの光軸は平行にしておく。本明細書中では、本装置を搭載した車両を「自車両」と、先行車両や対向車両等の他の車両を「他車両」と記述する。
【0014】
図4は本実施形態の車両用前照灯装置で行う処理の流れを説明する流れ図である。
【0015】
画像取得部1では画像取得を行う(ステップ1000)。そして、明領域検出部2では取得した画像を用いて明領域の検出領域設定を行い(ステップ1100)、検出領域内で明領域候補を探索して明領域候補検出を行う(ステップ1200)。さらに、明領域候補の中から真の明領域を抽出する明領域抽出を行う(ステップ1300)。照射範囲決定部3では検出した真の明領域に基づいて照射範囲決定を行う(ステップ1400)。前照灯制御部4では決定された照射範囲に基づいて前照灯5を制御する照射範囲制御を行う(ステップ1500)。
【0016】
画像入力部1はカメラを有し、自車両前方を撮影して画像データを生成する。
【0017】
明領域検出部2は、画像中から明領域を検出する範囲を設定する検出領域設定(ステップ1100)と、設定された検出範囲内で明領域候補を検出する明領域候補検出(ステップ1200)と、候補の中から真の明領域を抽出する明領域抽出(ステップ1300)を行う。結果、明領域検出部2では、画像入力部1で得られた画像データから他車両の前照灯やテールランプに相当する画像内の明度の高い領域を検出する処理を行う(ステップ1100からステップ1300)。
【0018】
明領域検出部2では、まず、画像中で明領域の検出領域の設定を行う(ステップ1100)。本実施形態では図5に示したように前照灯光源62の最大照射範囲65を画像平面64上に投影した領域を検出領域66とする。最大照射範囲65と検出領域66の関係は予め本装置の製造時に明領域検出部2に記憶させておく。そして、明領域検出部2は、検出領域66の外側の画素値を全て0にして明領域検出用画像を生成する。これにより検出領域66の外側で明領域が検出されることはなくなる。尚、検出領域66の設定方法はこれに限らず、他車両の前照灯またはテールランプが存在する可能性のある3次元空間中の領域(例えば、路面と平行で、高さ50cmと1mの平面で挟まれる領域)を画像平面に投影した領域を検出領域66として実装しても良い。
【0019】
明領域検出部2は次に、明領域候補抽出処理(ステップ1200)を行う。ここでは、生成された明領域検出用画像から他車両の前照灯やテールランプに相当する明領域と思われる領域を抽出する。前照灯を点灯するのは夜間であり、他車両も前照灯及びテールランプを点灯しているので、これらは画像上で明るい円形状若しくは矩形状の領域として現れるはずである。
【0020】
まず、画像から輝度値が所定の閾値以上である画素を抽出して2値画像を生成する。そして、2値画像において連結している画素の集団を一つの領域として検出し、その領域に番号を付ける。そして、明領域検出部2は各領域の番号とそこに属する画素の座標を記憶する。
【0021】
このようにして検出された明領域候補は、外灯などで偶然明るくなった場所を検出した可能性があるので、検出された領域が本当に他車両の前照灯やテールランプであるか検証するために、明領域抽出(ステップ1300)を行う。
【0022】
図6は明領域抽出(ステップ1300)を説明するフローチャートである。
【0023】
まず、各明領域候補の重心位置を求める(ステップ1301)。そして、明領域抽出用画像において、各明領域候補の重心位置を中心にして図7のような、他車両の前照灯やテールランプの形状に相当する同心の円形または矩形の領域をあてはめ(ステップ1302)、内側の領域I及び外側の領域Oそれぞれについての下記のような計算によって分離度ηを求める(ステップ1303)。
【0024】
【数1】
Figure 0004007578
【0025】
この、同心の円形または矩形の領域による分離度ηの計算は、図8(a)、(b)のように複数の大きさの領域について小さいものから順に行う。本実施形態では、矩形の領域を利用して領域Iと領域Oを合わせた大きさが「16画素×16画素」「32画素×32画素」「64画素×64画素」「128画素×128画素」の4段階について、「16画素×16画素」から順に計算を行う。他車両の前照灯やテールランプ等の光源であれば、光源とその周囲とでは画像上の輝度値の差が大きくなり、分離度ηは大きくなる。
【0026】
そこで、分離度ηが所定の閾値と比較し(ステップ1304)、閾値を上回った場合に限り、その重心を中心とする領域は他車両の前照灯やテールランプ等の明るい領域、すなわち真の明領域とみなす(ステップ1305)。
【0027】
閾値未満であった場合は、前述の通り領域Iと領域Oの大きさを一段階大きくした処理を試みる(ステップ1315)。大きくできる場合はステップ1302を実行し、既に最大のものを使っていた場合は、その領域は真の明領域ではないとみなし、明領域候補から削除する(ステップ1316)
そして、上記の処理を全ての明領域候補について行うまで繰り返す(ステップ1306)。このようにして残った明領域候補が真の明領域となり、次段の照射範囲決定部3に出力される。
【0028】
照射範囲決定部3では、明領域検出部2で生成した明領域検出用画像と検出した真の明領域とを用いて、前照灯の照射範囲を決定する、照射範囲決定(ステップ1400)を行う。
【0029】
図9は照射範囲決定の処理を説明するフローチャートである。まず、画像平面64と同じ大きさで、明領域検出部2で検出した真の明領域をプロットした画像101を用意して、画像101を図10のように左、中、右の3つの領域に分割して左画像101L、中画像101C、右画像101Rを生成する(ステップ1401)。分割の方法は本実施形態では3等分とするが、これに限らず、例えば、自車両の走行車線、右隣の車線、左隣の車線を検出して、検出した車線に基づいて分割しても良い。
【0030】
そして、中画像101Cを用いて照射範囲の上限を決定する。図11は照射範囲の上限の決定方法を説明する図である。真の明領域は他車両の前照灯やテールランプ等の灯火に相当するので、真の明領域より上部に運転者がいると考えられる。そこで、図11のように画像内で最も下に位置する、真の明領域の重心を通る水平なラインLuを検出する(ステップ1412)。そして、カメラ焦点118から見たLuの角度Ruを、前照灯5の照射範囲の上限の角度とする(ステップ1413)。Ruはカメラの焦点距離をf、画像平面におけるLuの車高方向の座標をyとすると(画像平面の原点はカメラ焦点を画像平面に投影した点とする)、
【0031】
【数2】
Figure 0004007578
【0032】
さらに、左画像101Lを用いて照射範囲の左側限界を決定する。図10に示しているように、左の画像で最も右側にある明領域の重心を通る鉛直方向のラインLlを検出する(ステップ1402)。そしてカメラの焦点から見たLlの角度Rlを、前照灯5の照射範囲の左側限界の角度とする(ステップ1403)。
【0033】
また、右画像101Rを用いて照射範囲の右側限界を決定する。図10に示しているように、右の画像で最も左側にある明領域の重心を通る鉛直方向のラインLrを検出する(ステップ1422)。そしてカメラの焦点から見たLrの角度Rrを、前照灯5の照射範囲の右側限界の角度とする(ステップ1423)。
【0034】
これら左画像、中画像、右画像における照射範囲の限界決定処理には特に優先順位はない。どれから実施しても良いが、3つの処理を1セットにして、1セットの処理全てが終わるまで待機する(ステップ1404)。そして、決定した照射範囲の限界を次段の前照灯制御部4へ出力する。
【0035】
上述のようにして前照灯5の照射範囲の限界を決定するために、本装置の製造時、出荷時若しくは設置時に照射範囲が画像平面上のどの領域に投影されるかを対応付けて照射範囲決定部3にパラメータとして与えておく。そして、この対応付けに基づいて、画像上で求めた真の明領域の重心の座標から実際の照射範囲が求められる。
【0036】
前照灯制御部4では、上述のようにして決定した照射範囲に基づいて、前照灯5を制御して照射範囲を変更する(ステップ1500)。照射範囲の変更方法として(1)前照灯の光軸を変化させる、(2)前照灯の光源近傍に遮光板を設けておき、遮光板を動かして前照灯のビーム遮光範囲を変化させる等の方法が考えられるが、ここでは特に限定はしない。
【0037】
本実施形態では前照灯の光源位置とカメラの焦点位置をほぼ同じ位置にし、かつ前照灯の光源とカメラの光軸を平行になるように設置するとしてあるが、上述のように前照灯の照射範囲を変化させるために光軸を動かした場合は、光軸の角度差を計測して入力画像を各画像を取得した時点における角度に基づいて前照灯の光源位置を視点とする画像に変換することで、これまで説明した照射範囲決定法を適用することができる。
【0038】
装置の設計段階から光軸が平行ではない場合も同様で、光軸の角度差を予め本装置の製造時に測定して、画像入力部1に記憶させておけば、上述のようにカメラから得られた画像を前照灯の光源位置を視点とする画像に変換させることが可能であるので、照射範囲の決定を光軸が平行な時と全く同等に行うことができる。
【0039】
本実施形態では、画像101を左画像101L、中画像101C、右画像101Rに3分割して照射範囲の上限、左右の限界を決定したが、これに限らず、左画像101Lと右画像101Rでも照射範囲の上限を決定する構成や、中画像101Cのみを用いて照射範囲の上限のみを定める構成や、あるいは画像分割をせずに画像101全体で最も道路面に近い明領域の方向から照射範囲の上限を定める構成にしても良い。
【0040】
さらに、画像101において、水平方向に離れた1対の明領域を四輪自動車の前照灯あるいは尾灯とみなして、四輪自動車のみを検出して、画像101中で最も道路面に近い四輪自動車の方向から照射範囲の上限を定めても良い。
【0041】
また、本実施形態では画像101は3分割(3等分)としたが、明領域を検出する際に明領域の色を検出し、画像101では「赤い明領域」と「白色〜白黄色の明領域」を区別してプロットした上で、画像101中で「白色〜白黄色の明領域」が存在する領域を対向車線の領域と推定し、「赤い明領域」が存在する領域を走行車線及び並走車線の領域と推定して画像101を2分割して、分割したそれぞれの領域について照射範囲の上限を定めても良い。これに加えて、上述のように1対の明領域から四輪自動車を検出して照射範囲の上限を決定しても良い。
【0042】
以上本実施形態によれば、1台のカメラで取得した画像から他車両の3次元的な方角を求めて自車両の前照灯の照射範囲を決定するので、3次元的な座標、特に距離を求めなくても他車両の運転者を眩惑を防げる。また、本実施形態では、カメラと前照灯をほぼ同じ位置に配置するのでカメラと前照灯間の配線等を省略でき、装置をコンパクトにできる。従って、現行車両にも容易に設置可能であるとともに2輪車にも設置可能であるという利点を持つ。
【0043】
(第2の実施形態)以下、本発明第2の実施形態について説明する。装置の概要は第1の実施形態と同様で、異なるのはカメラと前照灯の位置関係である。本実施形態では、図2のようにカメラを前照灯より高く、運転者に近い位置に設置して、1台のカメラで2つの前照灯をカバーする。まず、カメラの光軸と前照灯の光軸が平行である場合を考える。
【0044】
この場合、明領域検出部2では、図12に示すように「前照灯の最大照射範囲を画像平面に投影した領域」を検出領域125とすれば良い。この領域は前照灯とカメラの位置関係から求めることができる。
【0045】
照射範囲決定部3では、第1の実施形態と同様に画像を3分割して照射範囲の決定を行う。ステップ1401の画像3分割の処理は、図13のように左右の前照灯光源132L、132Rを通る鉛直方向の直線を画像平面に投影した線である画像分割ライン135を用いて行う。
【0046】
そして、右側の照射範囲の限界には、右画像101Rに存在する明領域、すなわち図13のようにカメラ焦点136と右側の前照灯光源132Rを結ぶ直線より右側に存在する明領域に着目し、図14のようにカメラ焦点141から見た他車両の光源の角度Rrをそのまま用いる。これならば他車両146の距離に関係なく確実に他車両146の存在地点を照射範囲外にできる。
【0047】
同様にして、左側の照射範囲の限界には、左画像101Lに存在する明領域に着目して、カメラから見た他車両144の光源の角度Rlをそのまま用いる。
【0048】
照射範囲の上限には、第1の実施形態と同様に中画像101Cで最も道路面側に存在する明領域の重心を通る水平なラインLuに着目して、カメラの焦点から見たLuの角度Ruをそのまま用いる。
【0049】
本実施形態ではカメラは前照灯より高く、かつ、運転者に近い位置に存在するので、通常の走行状態では図15のように他車両の前照灯やテールランプ等の明領域153は、カメラの焦点151と自車両の前照灯光源155を結ぶ直線より上にある。よって、図16に示すように、カメラ焦点161から見た他車両162の明領域163の角度Ruは、自車両の前照灯光源165から見た場合の角度Ru’よりも小さくなる。つまり、前照灯165の照射範囲の上限をRuに設定する限り、他車両162の明領域163より高い場所に直接照射することはない。
【0050】
また、中画像101C上に存在する明領域については左右の照射範囲制御の対象とはせず、車高方向のみの照射範囲制御で対応する。これは、左右の照射範囲制御によって運転者の眩惑を防ぐ必要のある他車両は、車幅方向に離れている他車両、例えば隣の車線を走行する車両や対向車両の類である。しかし、中央の画像に映る他車両は、先行車両である可能性が非常に高いため、左右の照射範囲制御はあまり意味が無く、むしろ上下方向の制御の方が重要である。
【0051】
ここまではカメラの光軸と前照灯の光軸が平行な場合を説明したが、これらの光軸が平行ではない場合は、第1の実施形態と同様に、光軸の角度差に応じた画像変換を行うことで、平行な場合と同様に扱える。
【0052】
また、本実施形態では1台のカメラで2台の前照灯の照射範囲制御のための画像取得を行ったが、前照灯の数には制限は無い。
【0053】
以上本実施形態によれば、1台のカメラで取得した画像から他車両の3次元的な方角を求めて自車両の前照灯の照射範囲を決定するので、3次元的な座標、特に距離を求めなくても他車両の運転者を眩惑を防げる。また、複数台の前照灯の照射範囲の制御のための画像取得を1台のカメラで扱えるので装置の製作コストを低く抑えることが可能となる。
【0054】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、他車両の3次元的な座標、特に距離を求めることなく、他車両の運転者を前照灯で直接照射しないように照射範囲を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施形態の前照灯装置の構成を説明するブロック図
【図2】 本発明の1実施形態における、カメラと前照灯の配置を説明する図。
【図3】 本発明の1実施形態における、カメラと前照灯の配置を説明する図。
【図4】 本発明の1実施形態の前照灯装置の処理を説明するフローチャート。
【図5】 前照灯の照射範囲とカメラの視野と明領域検出領域の関係を説明する図。
【図6】 明領域抽出の処理を説明するフローチャート。
【図7】 明領域抽出の処理で分離度の計算に用いる同心状の領域の例。
【図8】 (a)分離度の計算の際に同心状の領域を当てはめたが、同心状の領域が明領域に比べて小さかった場合。(b)同心状の領域のサイズを大きくして再度当てはめた例。
【図9】 照射範囲決定の処理を説明するフローチャート。
【図10】 照射範囲決定の処理を説明する図。
【図11】 照射範囲の上限を決定する処理を説明する図。
【図12】 本発明第2の実施形態におけるカメラと前照灯の位置関係を説明する図。
【図13】 本発明第2の実施形態におけるカメラと前照灯の位置関係及び画像分割ラインを説明する図。
【図14】 本発明第2の実施形態における照射範囲の左右の限界の決定方法の概要を説明する図。
【図15】 本発明第2の実施形態における自車両と他車両の位置関係を説明する図。
【図16】 本発明第2の実施形態における照射範囲の上限の決定方法の概要を説明する図。
【符号の説明】
1、1L、1R 画像入力部
2 明領域検出部
3 照射範囲決定部
4 前照灯制御部
5、5L、5R 前照灯
61、118、123、136、141、151161 カメラ焦点
62、117、124、132L、132R、147、155、165 前照灯光源
63、114、122 カメラの視野
64、111、121、133、143、164 画像平面
65、126 前照灯の最大照射範囲
66、113、125 検出領域
67、154、167 路面
81、112、142、163 明領域
82 明領域抽出用画像
101 画像
101L 左画像
101C 中画像
101R 右画像
102 明領域
103 左側限界の検出限界
104 右側限界の検出限界
115 制御後の照射範囲
116 制御前の照射範囲
131 他車両の存在を考慮する範囲
134、153 他車両の前照灯等
135 画像分割ライン
145、166 前照灯照射範囲
144、146、162 他車両
152 他車両の存在する範囲

Claims (7)

  1. 車両に搭載された前照灯の照射範囲を制御する方法であって、
    車両前方をカメラで撮影して画像を取得する画像入力ステップと、
    前記画像中から先行車両や対向車両の灯火に相当する明領域を検出する明領域検出ステップと、
    前記画像中における前記明領域の座標を用いて前記カメラから見た前記明領域の方向を算出して、前記前照灯の照射範囲を決定する照射範囲決定ステップと、
    前記前照灯の照射範囲を前記決定された照射範囲に修正する前照灯制御ステップと
    を有し、
    前記照射範囲決定ステップでは、
    前記画像を水平方向に3分割して左画像、中画像、右画像を生成し、
    前記左画像において最も右側に存在する明領域の方向から照射範囲の左側限界を決定し、
    前記中画像において最も道路面側に存在する明領域の方向から照射範囲の上限を決定し、
    前記右画像において最も左側に存在する明領域の方向から照射範囲の右側限界を決定する
    ことを特徴とする前照灯照射範囲制御方法。
  2. 前記照射範囲決定ステップでは、前記明領域が複数存在する場合は、画像中で最も道路面側に存在する明領域の方向から照射範囲の上限を決定することを特徴とする請求項1記載の前照灯照射範囲制御方法。
  3. 前記明領域検出ステップでは、
    前記画像から第1の閾値以上の輝度を有する複数の画素が集まった明領域候補を抽出し、
    各明領域候補の重心位置を中心にして灯火の形状に相当する閉曲線を設定して、前記閉曲線の内側の領域と外側の領域との分離度を前記閉曲線の大きさを変えながら計算し、
    第2の閾値以上の前記分離度を有する前記明領域候補を前記明領域として検出する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の前照灯照射範囲制御方法。
  4. 車両に搭載して前方を照射する前照灯と、
    前記車両の前方を撮影して画像を取得する画像入力部と、
    前記画像から先行車両や対向車両の灯火に相当する明領域を検出する明領域検出部と、
    前記画像中における前記明領域の座標を用いて前記画像入力部から見た前記明領域の方向を算出して、前記前照灯の照射範囲を決定する照射範囲決定部と、
    前記前照灯の照射範囲を前記決定された照射範囲に修正する前照灯制御部と
    を有し、
    前記照射範囲決定部では、
    前記画像を3分割して左画像、中画像、右画像を生成し、
    前記左画像において最も右側に存在する明領域の方向から照射範囲の左側限界を決定し、
    前記中画像において最も道路面側に存在する明領域の方向から照射範囲の上限を決定し、
    前記右画像において最も左側に存在する明領域の方向から照射範囲の右側限界を決定する
    ことを特徴とする前照灯装置。
  5. 前記前照灯は、
    前記車両の進行方向左側に搭載して前方を照射する左前照灯と、
    前記車両の進行方向右側に搭載して前方を照射する右前照灯とを有し、
    前記画像入力部では、前記左前照灯及び前記右前照灯より高くて、かつ、進行方向に対して後ろの位置から前方を撮影して画像を取得し、
    前記照射範囲決定部で行う前記画像の分割処理は、前記画像入力部から見た前記右前照灯の方向を用いて右画像と中画像の境界を決定し、
    前記画像入力部から見た前記左前照灯の方向を用いて左画像と中画像の境界を決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の前照灯装置。
  6. 前記照射範囲決定部では、前記明領域が複数存在する場合は、画像中で最も道路面側に存在する明領域の方向から照射範囲の上限を決定することを特徴とする請求項4または請求項5のいずれか一項に記載の前照灯装置。
  7. 前記明領域検出部は、
    前記画像から第1の閾値以上の輝度を有する複数の画素が集まった明領域候補を抽出する手段と、
    各明領域候補の重心位置を中心にして灯火の形状に相当する閉曲線を設定して、前記閉曲線の内側の領域と外側の領域との分離度を前記閉曲線の大きさを変えながら計算する手段と、
    第2の閾値以上の前記分離度を有する前記明領域候補を前記明領域として検出する手段と、
    を有することを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載の前照灯照射範囲制御方法。
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