JP5952532B2 - 画像処理装置および配光制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などに用いられる画像処理装置に関する。
車両と歩行者との交通事故を防止するためには、車両のドライバが歩行者の存在をいかに的確に把握することができるかが重要な点である。そのためには、歩行者を認識しやすい環境となるように車両用灯具の配光を制御することが考えられる。例えば、特許文献1には、車両が走行する環境によって変化する視対象範囲の輝度が認知限界輝度の範囲を下回るような場合、視対象輝度が認知限界輝度の範囲に含まれるように、車両に設けられている前照灯ユニットの配光を制御する技術が開示されている。
特開2010−52602号公報
ところで、歩行者に対する視認性は、背景輝度と視対象(歩行者)輝度との輝度対比により大きく変化する。また、車両が走行する環境の明るさは、特に夜間の場合に大きく変化するため、ドライバの視認性が急変する可能性がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、明るさが変化する車両の走行環境において、歩行者等に対するドライバの視認性を向上させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の画像処理装置は、取得した車両前方の撮像画像を、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数のブロックに分割する画像分割部と、複数のブロックの画像情報に基づいて、該ブロックに対応する領域のそれぞれについて雰囲気の明るさを推定する明るさ推定部と、車両からの距離が異なる複数の領域の推定された雰囲気の明るさに基づいて、前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域における雰囲気の明るさの変化を予見する明るさ予見部と、を備える。
この態様によると、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数のブロックに対応する領域のそれぞれについて雰囲気の明るさが推定される。そのため、前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域における雰囲気の明るさの変化を予見することができる。
予見される照射領域における雰囲気の明るさの変化を緩和するように、前照灯ユニットの配光を制御する制御信号を予め算出する制御信号算出部を更に備えてもよい。これにより、雰囲気の明るさの急変による視認性の低下を抑制できる。
本発明の別の態様もまた、画像処理装置である。この装置は、取得した車両前方の撮像画像を、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数のブロックに分割する画像分割部と、複数のブロックの画像情報に基づいて、該ブロックに対応する領域のそれぞれについて雰囲気の明るさを推定する明るさ推定部と、車両からの距離が異なる複数の領域の推定された雰囲気の明るさに基づいて、前照灯ユニットにより照射が可能な照射領域における可視度の変化を予見する可視度予見部と、を備える。
この態様によると、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数のブロックに対応する領域のそれぞれについて雰囲気の明るさが推定される。そのため、前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域における可視度の変化を予見することができる。
予見される照射領域における可視度が所定の値以上となるように、前照灯ユニットの配光を制御する制御信号を予め算出する制御信号算出部を更に備えてもよい。これにより、雰囲気の明るさの急変による視認性の低下を抑制できる。
本発明のさらに別の態様は、配光制御方法である。この方法は、取得した車両前方の撮像画像から消失点を算出し、消失点に基づいて、車両から前方の領域までの距離に応じて区画されたブロックを撮像画像から抽出し、ブロックの画像情報に基づいて、該ブロックに対応する領域の雰囲気の明るさを推定し、前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域に次に含まれると予測される領域の、推定された雰囲気の明るさに応じて前照灯ユニットの配光を制御する。
この態様によると、推定された雰囲気の明るさの変化に応じて前照灯ユニットの配光が制御されるため、明るさが変化する車両の走行環境において、歩行者等に対するドライバの視認性を向上させることできる。
本発明によれば、明るさが変化する車両の走行環境においても歩行者等に対するドライバの視認性を向上させることができる。
背景輝度と視認限界における輝度対比Cthとの関係を示した図である。 被写体の輝度(明るさ)とカメラの映像出力である画像濃度との関係を示す図である。 図3(a)は、グレーの着衣(上下の着衣類の反射率は異なる)を着た歩行者が暗い照明環境(1cd/m)にいる場合の見え方、図3(b)は、図3(a)と同様の歩行者が明るい照明環境(5cd/m)にいる場合の見え方、図3(c)および図3(d)は、図3(a)と同様の歩行者が不均一な照明環境にいる場合の見え方、をそれぞれ模式的に示した図である。 車速60km/h(TD≒17m/s)におけるドライバ前方視野を示す図である。 車両前方の視野の分割例を示す模式図である。 車速60km/hの場合における可視度VLの目標値の設定と、実際の交通視環境における可視度VLの変化の例を示す図である。 図7(a)は、カットオフラインを揺動制御するロービーム用配光パターンの一例を示す模式図、図7(b)は、カットオフラインを上下制御するロービーム用配光パターンの一例を示す模式図、図7(c)は、重畳したスポット光を上下左右に移動制御したロービーム用配光パターンの一例を示す模式図、図7(d)は、重畳した複数のスポット光を上下左右に移動制御するハイビーム用配光パターンの一例を示す模式図である。 本実施の形態に係る車両用前照灯装置を適用した車両の外観を示す概略図である。 本実施の形態に係る車両用前照灯装置の概略構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係る物体属性判別処理を含む配光制御方法を示すフローチャートである。
はじめに、本発明者が本願発明をなすに至った経緯について説明する。歩行者の視認性は、背景と視対象(歩行者)間の輝度対比により大きく変化する。例えば、歩行者の背景が明るい場合(背景輝度が2〜10cd/m程度)、歩行者の着衣の色・反射率(例えば黒)によらず歩行者は確実に視認できる。一方、歩行者の背景が暗い場合(背景輝度1cd/m以下)、歩行者の着衣が白であっても歩行者の視認性は悪い。
夜間における歩行者交通事故の原因は、その調査結果から、歩行者とドライバとの間における認知の錯誤と言われている。つまり「歩行者はドライバに視認されていると思っているが、ドライバには歩行者が見えていない」という状況が夜間における交通事故を引き起こす一因と考えられる。そのため、歩行者が多く存在し、視環境が急変する移動空間では、歩行者事故に遭遇する危険性が高まると考えられる。リスク工学の観点からは、リスクは危険方向に急変しないことが望まれる。
したがって、このような歩行者事故に遭遇する危険性を抑制させる必要がある。そのためには、安全走行にかかわる視環境のリスク変化を計測する方法を確立するとともに、それに対応した適切な照明制御を図る必要がある。以下では、リスクの定義、光学カメラによる視環境の計測手法、それらに対応した配光制御など、本願発明を成すに当たり検討した事項を含めて説明する。
(リスクの定義)
リスクは、主に、何秒先に車両が到達する空間に視対象が存在するか(予見時間)と、視対象が見えるか否(視認性)とに基づいて決定される。視対象が遠方に存在すればリスクは低くなり、事故回避が難しい位置に存在すればリスクは高くなる。そして、視対象が見えない場合にはリスクは高くなり、見える場合には低くなる。そこで、リスクは予見時間に対するその視対象(障害物、歩行者)の可視度レベルVL(Visibility Level)で定義することが一つの方法として挙げられる。
(可視度VLの定義)
可視度VLは、以下の式(1)で定義される。
VL=C/Cth・・・式(1)
ここで、Cは輝度対比であり、視対象の輝度をL、背景の輝度をLbとすれば式(2)で定義される。Cthは視認限界における限界輝度対比である。
C=(L−Lb)/Lb・・・式(2)
視認限界とは、見えるか見えないかの限界(視認確率50%)である。図1は、背景輝度と視認限界における輝度対比Cthとの関係を示した図である。このような視認限界の時のCthは、Blackwellなどにより求められている。図1に示すデータは、均一背景輝度下におけるCthのデータである。つまり、順応輝度下でのCthデータとも考えることもできる。
夜間の順応輝度は、走行環境にもよるが、0.5cd/m(暗いロービーム)〜1cd/m(ロービーム)〜2cd/m(明るい道路照明下)である。順応輝度1cd/m、背景輝度Lb=1cd/mとすれば、図1より限界輝度対比Cth≒0.6である。輝度対比Cが限界輝度対比Cthの場合、式(2)より、視対象の輝度L=1.6cd/m、ΔLmin=L−Lb=0.6cd/mとなる。
つまり、順応輝度1cd/m、背景輝度1cd/mの条件下では、正の輝度対比Cth≒0.6に対する視認限界輝度は1.6cd/mとなる。なお、視対象が背景より暗い場合についても、視対象の限界輝度は限界輝度対比Cthから算出でき、L=0.4cd/mとなる。
以上の例は、VL=1、つまりC=Cth(見えるか見えないかの視認限界)の場合である。そして、VL=0を全く見えない、VL=5(C=5×Cth)を「普通に見える」、VL=25を「良く見える」などと定義する。
(カメラによる視環境の計測手法)
本実施の形態では、カメラの画像データから視認確率VR(可視度VL)と予見時間リスクPRを求め、それらから所定位置における安全視環境を推定するとともに、それに基づいて総合リスクRを決定する。ここではそれらの決定方法に先立ち、画像計測方法について説明する。
図2は、被写体の輝度(明るさ)とカメラの映像出力である画像濃度との関係を示す図である。被写体の輝度分布が適正露光範囲内にあれば物体の輝度は適正に求まり、明瞭な明るさ分布の画像となる。一方、被写体の輝度分布が適正露光範囲外(明るすぎる、暗すぎる)であれば物体の輝度が適切に求まらないとともにその画像も不鮮明な画像となる。なお、画面内の所定位置の輝度は、その露光条件(絞りの面積と露光(開口)時間)における受光素子の濃度−輝度特性(図2に示すガンマ特性)により求まる。
(輝度対比Cの推定方法と可視度VLの推定方法)
通常、ドライバは、歩行者の一部、例えば膝から下や頭部のみを視認した場合でも、それら視対象の輝度と背景輝度の輝度対比が大きければ視対象を歩行者と認識できる。一般に、移動体である車両のカメラは、所定範囲の濃度分布あるいは輝度分布は測定できる。しかし、移動するカメラでは、歩行者はもとより歩行者の一部を認識することは難しい。これは、カメラの移動(オプティカルフロー)を考慮しなければならないことと、夜間の背景の輝度分布が複雑であり、その中から種々の反射率・色材の着衣を着ている歩行者を見分けることが難しいからである。
そこで、所定範囲に歩行者の存在が特定できない、あるいは特定できないと思われる場合には、その所定範囲の輝度分布あるいは濃度分布から、歩行者が存在するとした場合の視認確率VLを推定するしかない。以下では、その方法を説明する。
一般に、歩行者は種々の反射率・色の着衣を組み合わせて着ている。しかし、歩行者がどのような反射率・色の着衣を着ていても背景輝度が明るければ明るいほど歩行者の視認はしやすくなる(可視度VLが大きくなる)。また、背景輝度が一定であれば、反射率が大きいほど歩行者の視認はしやすくなる(可視度VLが大きくなる)。
図3(a)は、グレーの着衣(上下の着衣類の反射率は異なる)を着た歩行者が暗い照明環境(1cd/m)いる場合の見え方、図3(b)は、図3(a)と同様の歩行者が明るい照明環境(5cd/m)にいる場合の見え方、図3(c)および図3(d)は、図3(a)と同様の歩行者が不均一な照明環境にいる場合の見え方、をそれぞれ模式的に示した図である。
図3(b)に示すように、背景輝度Lb>5cd/mの明るい照明環境であれば、歩行者はよく見える(可視度VL=25)。一方、図3(a)に示すように、背景輝度Lb=1cd/m程度の暗い照明環境では見える限界となり(VL=1)、背景輝度Lb<0.2cd/mであればほとんど見えない状況となる(VR=0)。
一方、実環境では、図3(c)、図3(d)に示すように、背景の輝度分布は不均一である。このような場合の歩行者の視認性は、歩行者の輪郭が認識しにくくなるため、背景が均一の場合と比べてやや劣る。しかしながら、歩行者の一部がよく見えるケースもあり、視認性は、均一な輝度背景の場合と同程度になる。
したがって、所定範囲内の歩行者の可視度VLは、その範囲の平均輝度(画像濃度)が推定できれば推定することができる。平均輝度(平均濃度)は画像センサの適正露光範囲内で算出するとよい。なお、所定範囲内に露光範囲外の明るさの照明光源やグレア光源が存在する場合がある。反対に暗い視対象が存在する場合もある。このようなケースで受光素子の濃度−輝度特性によりその範囲の平均輝度(画像濃度)を求めると平均値が不正確になる。そのような場合には適正露光範囲の最大または最小輝度(あるいは濃度)や、ヘッドランプで照明できる最大または最小輝度(あるいは濃度)として、平均輝度(濃度)を求めた方が適切である。
(予見時間(Preview Distance)の影響)
視対象がどの程度の距離に存在するかを予見時間という。前述のように、視対象が遠方に存在すればリスクは低くなり、事故回避が難しい位置に存在すればリスクは高くなる。
車両の停止距離SDは、式(3)に示すように、空走距離TDと制動距離の和で示される。
停止距離SD=空走距離(V・t/3.6)+制動距離{(V/3.6)/(2g・f)}・・・式(3)
ここでV:車速[km/h]、t:運転者の認知反応時間=0.5〜1.0[s]、f:路面の摩擦係数(乾燥時60km/hでは0.53)、g:重力加速度(9.8m/s)。
式(3)で認知反応時間を1.0s、車速60km/hとすれば、その時の空走距離TDは約17m、制動距離は約27mとなり、停止距離は約44mとなる。したがって、44m(予見時間PD≒2.6秒)より遠方の視対象が視認できれば、ほぼ安全に走行(停止)できることになる。そのため、予見時間に対応する距離より遠方の視対象を視認する必要がある。
また、1.0秒先(予見時間PD=1.0s)に車両が到達する位置より先の視対象が視認できれば、ハンドル操作により危険を回避できることになり、この予見時間1.0秒に対応する位置の視認は更に重要である。一方、1.0秒先に車両が到達する位置よりも手前の視対象(例えば予見時間PDが0.5秒前方)は視認できたとしても停車も回避も事実上できないことから、その領域を照射する必要性は乏しい。このように、視対象の存在位置(予見時間)そのものもリスクにかかわる。
図4は、車速60km/h(TD≒17m/s)におけるドライバ前方視野を示す。予見時間PD<1TD(1秒間の空走距離)の場合(角度で−2°より下方)は事故回避が困難であり、照明しても余り効果が認められない。それより前方である予見時間PD>1TDの領域は重要であるが、左右10度より側方は、離れるにしたがって照明価値は少なくなる。したがって、安全走行に最も重要な視認範囲は、車速60km/hの場合、左右10度、上下2度の範囲である。しかし、この範囲の中でも距離Dが100mより遠方の場合は安全走行にかかわるリスクが低くなり、照明価値は低い。
そこで、後述する配光制御においては、視対象の位置(予見時間)により必要な可視度VLを変化させるとよい。例えば、事故を回避できる限界付近(予見時間PD≒1.0s)の可視度VLを最も高め、それより前方、手前では可視度VLを低く定義してもよい。
次に、視対象の予見時間PDにおけるリスク(予見時間リスク)PRの定義の一例として、視対象の予見時間PDに対して要求される可視度VLを表1に示す。
表1に示すテーブルでは、視対象の位置が3秒先(PD=3.0秒)までは可視度VL=10と定義され、安定した視認性が求められている。予見時間PD>3.0秒より遠方に行くに従い、段階的に可視度VLを小さくし、VL=5の「見える」から視認限界のVL=1まで下げている。
(視野の分割例)
次に、視対象の存在する位置をカメラにより取得した画像データから推定するために好適な、車両前方の視野の分割例について説明する。図5は、車両前方の視野の分割例を示す模式図である。
具体的には、図5の右側に示すように、取得した車両前方の撮像画像を、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数の正方形のブロックA1〜A4に分割する。あるいは、図5の左側に示すように、台形のブロックB1〜B4に分割してもよい。なお、図5では、複数のブロックとして、撮像画像に含まれている路側帯や路肩が分割されている。
いずれのブロックも、消失点Cに向かうに従ってブロックのサイズが小さくなるように規定されている。また、ブロックの上下方向の範囲は、路側帯や路肩に歩行者がいると仮定した場合に歩行者の全体像を含むように規定されている。これにより、歩行者がブロックの範囲に存在した場合の可視度VLが画像解析から求められる。
撮像画像における車両進行方向の分割は、予見時間PDを考慮した複数のブロックにより行われる。具体的な分割は、予見時間PDが0.5〜1.1の範囲のブロック、予見時間PDが0.9〜1.5の範囲のブロック、予見時間PDが1.4〜2.1の範囲のブロック、予見時間PDが1.8〜2.6の範囲のブロック、予見時間PDが2.4〜3.7の範囲のブロック、予見時間PDが3.3〜4.8の範囲のブロック、予見時間PDが4.5〜6.5の範囲のブロック、というように予見時間とその測定視野のサイズを考慮して決められる。また、分割された領域(ブロック)は互いに重なるようにしても良い。
(可視度VLに基づく安全走行リスク評価の例)
安全走行にかかわるリスクは、車両の移動空間において一定であることがリスク管理上求められる。したがって、それを規定する可視度VL(VL=0;見えない、VL=1;見える限界、VL=5;普通に見える、VL=25;はっきり見える)が急変しないこと、また可視度VLの値が所定値以上に維持されていることが好ましい。
しかしながら、移動照明であるヘッドランプは、遠方の照明性能の確保が難しい。特に水平線近傍にカットオフ(明暗の境界線)が存在するロービーム用配光パターンを形成するヘッドランプは、遠方の照明性能の確保が難しい。一方、車両前方に存在する物体の交通事故への関与は、遠方に行くに従い低くなる。したがって、遠方物体の可視度VLは低く設定してよいことになる。
図6は、車速60km/hの場合における可視度VLの目標値の設定と、実際の交通視環境における可視度VLの変化の例を示す図である。図6のグラフの横軸は、予見時間PDで規格化された対象範囲までの前方距離を示す。また、グラフの縦軸は可視度VLを対数表記したものである。
図6には、可視度VLの目標値(VL目標)の設定例のほか、ロービームの照射による各予見時間における可視度VL(Lo性能)、ハイビームの照射による各予見時間における可視度VL(Hi性能)、および、市街地で店舗照明等による明暗の変化が存在する視環境における可視度VLの経時変化例(現時点とその2秒後)が記載されている。なお、ロービームの照射による各予見時間における可視度VL、および、ハイビームの照射による各予見時間における可視度VLは、道路周辺に建造物や光源が存在しない状況における値である。
本実施の形態では、可視度VLの目標値は、予見時間PD=3(3秒先)まではVL=10とし、普通に見えるレベル(VL=5)より高く設定されており、予見時間PD=3より前方では徐々にVLの値を下げ、予見時間PD=5以上の範囲でVL=1(見える限界)に設定している。これは遠方に存在する物体の視認性の要求は低くても良いからである。
一方、ロービームの照射による各予見時間における可視度VL(以下、ロービーム可視度VLという)は、予見時間PD<2の範囲ではVL目標の値を上回る性能を確保できるが、PD>2の範囲ではVL目標の値を下回る。実際、70m先(PD≒4)におけるロービーム可視度VLの値は、見える限界(可視度VL=1)レベルを下回っている。
なお、ハイビームの照射による各予見時間における可視度VLは、ハイビーム配光パターンの中心光度が十分高いため、車速60km/hにおけるVL目標の値を常に上回ることができる。
商業地域の市街地を模擬した視環境は、図6に示すように、現時点で予見時間PD=3秒先から急激に環境輝度が低下し、VL目標の値を下回り、予見時間PD=5秒先付近で最低値となり、それより前方で環境輝度が向上するような例である。車両がロービームで前方を照射しながら走行している場合には、この部分の環境輝度を向上させるようにロービームの配光を制御する必要がある。
更に、2秒後にはロービーム照射光の影響も受けて可視度VLはやや改善するが、可視度VLがVL目標の値を下回る位置、および可視度VLの最低値の位置(PD≒4.5)は手前に近づく。このような可視度VLの時間変化を予測してヘッドランプの配光制御をすることで、更に視認性の時間変化(リスク変化)に対応した照明が可能となる。
また、道路照明や店舗照明などで視環境の可視度VLが高い場合には、車両直近、例えば予見時間PD<1の位置における路肩や路側帯方向へのヘッドランプの照射光量を低めても良い。また、狭い細路において路肩が明るくなりすぎることでドライバに煩わしさを感じさせるような場合(例えば、可視度VL>50以上の場合)がある。このような場合には、ロービームの側方照射光量を低くして適正な可視度VLとなるように制御してもよい。
また、車速が低い場合、そもそも視環境の明るさ(可視度VL)の急変が生じにくい。そのため、可視度VLの変化を抑制するための配光制御は、所定の車速(40km/h)以上の場合に実行するようにしてもよい。また、対向車線側はグレア対策のため基本配光の光量を高められない。そこで、自車線側か対向車線側かでVL目標を変えても良い。
(配光制御)
次に、可視度VLの低い領域において、可視度VLが所定の値以上となるような配光を実現できるヘッドランプの配光制御について説明する。図7(a)は、カットオフラインを揺動制御するロービーム用配光パターンの一例を示す模式図、図7(b)は、カットオフラインを上下制御するロービーム用配光パターンの一例を示す模式図、図7(c)は、重畳したスポット光を上下左右に移動制御したロービーム用配光パターンの一例を示す模式図、図7(d)は、重畳した複数のスポット光を上下左右に移動制御するハイビーム用配光パターンの一例を示す模式図である。
図7(a)や図7(b)に示すカットオフ制御は、例えばプロジェクタタイプのヘッドランプの、左右に分割されたシェードを、対向車側・先行車側で独立制御する。カットオフの制御は、上下に平行移動制御(図7(b))する方式や、消失点を基準に扇形に揺動制御(図7(a))する方式などが考えられる。
また、図7(c)に示すスポット配光移動制御は、例えばプロジェクタタイプのヘッドランプでスポット配光パターンを形成し、可視度VLが目標値より低い領域をその配光パターンで照射する制御である。
また、図7(d)に示すスポット配光合成制御は、プロジェクタタイプのヘッドランプで台形のスポット配光を形成するユニットを、左右のヘッドライトに装着する。そして、可視度VLが目標値より低い領域をその配光パターンで照射する。また、対向車が存在しない場合には、左右のヘッドライトの合成でハイビームを作ってもよい。
本実施の形態に係るヘッドランプの構成は、前述のプロジェクタタイプのヘッドランプだけではなく、その他の方式であってもよい。また、配光パターンの一部や全部を点消灯できるタイプのヘッドランプが好ましい。また、配光制御は、配光パターンの制御だけでなく、ランプやLEDの照射光量の制御であってもよい。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
図8は、本実施の形態に係る車両用前照灯装置を適用した車両の外観を示す概略図である。図8に示すように、本実施の形態に係る車両10は、前照灯装置12と、前照灯装置12による光の照射を制御する前照灯制御装置としての制御システム14と、車両10の走行状況を示す情報を検出してその検出信号を制御システム14へ出力する各種センサと、車両前方を監視する前方監視カメラ16と、GPS衛星からの軌道信号や車車間通信の信号などを受信して制御システム14へ出力するアンテナ18と、を備える。
各種センサとしては、例えば、ステアリングホイール20の操舵角を検出するステアリングセンサ22と、車両10の車速を検出する車速センサ24と、自車両の周囲の照度を検出する照度センサ26とが設けられており、これらのセンサ22,24,26が前述の制御システム14に接続されている。
本発明に適用できる前照灯装置としては、予見される照射領域における可視度が所定の値以上となるように、配光を制御できる構成であれば特に限定されない。例えば、ハロゲンランプやガスディスチャージヘッドランプ、LEDを用いたヘッドランプを採用することができる。本実施の形態では、車両前方のハイビーム領域の配光を変化させることができる多灯式の方式(複数のLEDなどで構成)を例として説明するが、ランプをスイブルできる方式や、前述のカットオフ制御、スポット配光移動制御、スポット配光合成制御などが可能なプロジェクタタイプのヘッドランプを採用することも可能である。
前照灯装置12は、左右一対の前照灯ユニット12R,12Lを有する。前照灯ユニット12R,12Lは、内部構造が左右対称であるほかは互いに同じ構成であり、右側のランプハウジング内にロービーム用灯具ユニット28Rおよびハイビーム用灯具ユニット30Rが、左側のランプハウジング内にロービーム用灯具ユニット28Lおよびハイビーム用灯具ユニット30Lがそれぞれ配置されている。
制御システム14は、入力された各種センサの各出力に基づいて車両の前部の左右にそれぞれ装備された、ロービーム領域やハイビーム領域の配光を変化させることができる前照灯ユニット12R,12L、すなわち複数のLEDの点消灯をそれぞれ制御してその配光特性を変化することが可能な前照灯装置12を制御する。この種のADB(Adaptive Driving Beam)によれば、車両前方に存在する物体の属性(先行車、対向車、道路照明など)に応じて、前方車にグレアを与えることなく、前方の視認性を向上することができ、走行安全性を高める上で有効である。
(車両用前照灯装置)
次に、本実施の形態に係る車両用前照灯装置について説明する。図9は、本実施の形態に係る車両用前照灯装置110の概略構成を示すブロック図である。車両用前照灯装置110は、前照灯ユニット12R,12Lと、前照灯ユニット12R,12Lによる光の照射を制御する制御システム14とを備える。そして、車両用前照灯装置110は、制御システム14において、取得した車両前方の撮像画像を、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数のブロックに分割し、複数のブロックの画像情報に基づいて、該ブロックに対応する領域のそれぞれについて雰囲気の明るさ(または可視度VL)を推定し、車両からの距離が異なる複数の領域の推定された雰囲気の明るさに基づいて、前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域における雰囲気の明るさ(または可視度VLの変化)を予見することができる。そして、車両用前照灯装置110は、予見した雰囲気の明るさの変化、または、可視度VLの変化に基づいて配光制御条件を決定し、決定された配光制御条件に基づいて前照灯ユニット12R,12Lによる光の照射を制御する。
そこで、本実施の形態に係る制御システム14には、ドライバの視対象を含む車両前方の撮像画像を取得するための前方監視カメラ16が接続されている。また、車両の走行状態を判断する際に参照される、操舵情報や車速を検出するためのステアリングセンサ22や車速センサ24、照度センサ26が接続されている。照度センサ26としては、例えば、対向車や人工光源(道路照明や店舗照明)から受けた光の鉛直面照度(人工光源によるグレア量)を計測できるように受光面を鉛直に設置したものや、走行環境や車両上方から受けた光の水平面照度を計測できるように受光面を水平に設置したものが用いられる。
(制御システム)
図9に示すように、制御システム14は、画像処理ECU32と、配光制御ECU34と、GPSナビゲーションECU36と、車車間通信ECU37と、車内LAN制御ECU38とを備える。各種ECUおよび各種車載センサは、車内LANバス40により接続されデータの送受信が可能になっている。
画像処理装置としての画像処理ECU32は、取得した車両前方の撮像画像を、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数のブロックに分割する画像分割部70と、複数のブロックの画像情報に基づいて、該ブロックに対応する領域のそれぞれについて雰囲気の明るさを推定する明るさ推定部72と、車両からの距離が異なる複数の領域の推定された雰囲気の明るさに基づいて、前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域における雰囲気の明るさの変化を予見する明るさ予見部74と、を備える。なお、明るさ予見部74の代わりにまたは加えて、車両からの距離が異なる複数の領域の推定された雰囲気の明るさに基づいて、前照灯ユニットにより照射が可能な照射領域における可視度の変化を予見する可視度予見部76を備えても良い。
また、画像処理ECU32は、予見される照射領域における雰囲気の明るさの変化を緩和するように、または、予見される照射領域における可視度が所定の値以上となるように、前照灯ユニットの配光を制御する制御信号を予め算出する制御信号算出部78を更に備えている。これにより、雰囲気の明るさや可視度の急変による視認性の低下を抑制できる。
なお、画像処理ECU32内部は各部が高速バス42で接続されている。配光制御ECU34は、画像処理ECU32および各種車載センサの情報に基づいて、車両が置かれている走行環境に適した配光制御条件を決定し、その制御信号を前照灯ユニット12R,12Lに出力する。
前照灯ユニット12R,12Lは、配光制御ECU34から出力された制御信号が光学部品の駆動装置や光源の点灯制御回路に入力されることで、配光が制御される。前方監視カメラ16は、CCDやCMOSなどの画像センサを備えた単眼カメラであり、その画像データから運転に必要な道路線形情報、道路附属施設、対向車・先行車の存在状況や位置の情報などを、必要であれば他のレーダセンサなどと協調して取得する。また、カメラがズームレンズ方式の場合、車速が40km/h以上などの高速の場合にズームレンズを作動させ、そのズームレンズの倍率に応じて撮像視野を変化させてもよい。
図10は、本実施の形態に係る物体属性判別処理を含む配光制御方法を示すフローチャートである。可視度VLの変化の予見は、主に図10に示す画像処理ECU32で実行され、配光制御は、主に配光制御ECU34で実行される。
所定のタイミングで処理が開始されると、各種車載センサ(ステアリングセンサ22、車速センサ24、照度センサ26)、GPSナビゲーションECU36、車車間通信ECU37などから出力されたデータが車内LANバス40を介して外部データ入力手段44で取得される(S10)。また、前方監視カメラ16によって撮像された車両前方の撮像画像の画像データが画像データ取得手段46で取得される(S12)。なお、前方監視カメラ16から出力される画像データは、モノクロ画像に対応していてもよいしカラー画像に対応していてもよい。
取得された各画像データは、画像データ蓄積手段48においてRAMなどの記憶手段に一時的に記憶される(S14)。画像分割部70は、取得した車両前方の撮像画像のデータに基づいて、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数のブロックに分割する(S16)。
なお、画像分割部70は、図5に示したように、車両と領域との距離が離れている(予見時間PDが大きい)ほど、その領域に対応するブロックの水平方向の幅が狭くなるように、撮像画像を複数のブロックに分割してもよい。また、画像分割部70は、複数のブロックとして、撮像画像に含まれている路側帯や路肩を分割してもよい。また、画像分割部70は、路側帯や路肩に歩行者がいると仮定した場合にその歩行者の全体像を含むように、撮像画像を複数のブロックに分割してもよい。これにより、夜間の交通視環境において認知が重要となる、歩行者が存在しやすい路肩や路側帯などの領域の可視度を推定することができる。
また、画像分割部70は、撮像画像の画像情報に基づいて消失点を算出し、消失点に基づいて撮像画像を複数のブロックに分割してもよい。これにより、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数のブロックに簡便に分割することができる。また、道路消失点を含む領域(ブロック)をグレアゾーンとして対向車の検知を行うことで、対向車にグレアを与えないような配光制御も可能となる。
次に、濃度輝度変換手段52において画像の濃度データが輝度(明るさ)データに変換される(S18)。画像データの輝度への変換は、露光条件(撮像条件)下における画像濃度と車両前方の範囲の輝度との関係を求めておけば、露光条件を勘案して求めることができる(図2参照)。
次に、明るさ推定部72において、複数のブロックの画像情報(平均輝度または平均濃度)に基づいて、そのブロックに対応する領域のそれぞれについて雰囲気の明るさ(平均輝度や背景輝度)や視対象の輝度が推定される(S20)。そして、背景輝度や視対象の輝度に基づいて可視度VLが推定される。
次に、明るさ予見部74において、複数の領域の推定された雰囲気の明るさに基づいて、前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域における雰囲気の明るさの変化が予見される(S22)。
次に、制御信号算出部78において、予見される照射領域における雰囲気の明るさの変化を緩和するように、または、予見される照射領域における可視度が所定の値以上となるように、前照灯ユニットの配光を制御する制御信号が予め算出される(S24)。
そして、算出された制御信号は、車内LANバス40を介して配光制御ECU34に入力され、自車両の走行状態、天候条件などの他の情報に基づいて配光制御条件が決定される(S26)。そして、配光制御ECU34は、決定された配光制御条件に基づいて前照灯ユニット12R,12L内に設けられている光源や駆動源へ制御信号を出力し配光を制御する(S28)。
このように、車両用前照灯装置110は、取得した車両前方の撮像画像から消失点を算出し、消失点に基づいて、車両から前方の領域までの距離に応じて区画されたブロックを撮像画像から抽出し、ブロックの画像情報に基づいて、該ブロックに対応する領域の雰囲気の明るさを推定し、前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域に次に含まれると予測される領域の、推定された雰囲気の明るさに応じて前照灯ユニットの配光を制御することができる。これにより、推定された雰囲気の明るさの変化に応じて前照灯ユニットの配光が制御されるため、明るさが変化する車両の走行環境において、歩行者等に対するドライバの視認性を向上させることできる。
なお、走路形状(上下左右カーブ、車線数、道路内の自車車線位置)によっては、予見時間に対応するブロック位置を修正する必要がある。その場合には不図示のブロック位置変更手段からの指示によりブロック位置を変更する。また、所定の車速以上では、ブロック位置やブロック形状を一定にしてもよい。
本実施の形態に係る前照灯制御装置としての制御システム14およびそれを備えた車両用前照灯装置110によれば、特に夜間の交通視環境(照明状況、対向車状況)の明るさ(可視度)の変化を予見して、明るさ(可視度)の変化を緩和する配光制御が可能となる。そのため、夜間走行時の視認性の急変が緩和されるため、夜間の安全走行に貢献できる。
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
10 車両、 12 前照灯装置、 14 制御システム、 16 前方監視カメラ、 32 画像処理ECU、 34 配光制御ECU、 52 濃度輝度変換手段、 70 画像分割部、 72 明るさ推定部、 74 明るさ予見部、 76 可視度予見部、 78 制御信号算出部、 110 車両用前照灯装置。

Claims (5)

  1. 前照灯ユニットの光により照射された状態で取得した車両前方の撮像画像を、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数のブロックに分割する画像分割部と、
    前記複数のブロックの画像情報に基づいて、該ブロックに対応する前記領域のそれぞれについて雰囲気の明るさを推定する明るさ推定部と、
    車両からの距離が異なる複数の前記領域の推定された雰囲気の明るさに基づいて、車両の走行によって前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域に前記領域が含まれた場合における該それぞれの領域の領域毎の雰囲気の明るさの変化を予見する明るさ予見部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 予見される前記照射領域における雰囲気の明るさの変化を緩和するように、前照灯ユニットの配光を制御する制御信号を予め算出する制御信号算出部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前照灯ユニットの光により照射された状態で取得した車両前方の撮像画像を、車両から前方のそれぞれの領域までの距離に応じて区画された複数のブロックに分割する画像分割部と、
    前記複数のブロックの画像情報に基づいて、該ブロックに対応する前記領域のそれぞれについて雰囲気の明るさを推定する明るさ推定部と、
    車両からの距離が異なる複数の前記領域の推定された雰囲気の明るさに基づいて、車両の走行によって前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域に前記領域が含まれた場合における該それぞれの領域の領域毎の可視度の変化を予見する可視度予見部と、
    を備える画像処理装置。
  4. 予見される前記照射領域における可視度が所定の値以上となるように、前照灯ユニットの配光を制御する制御信号を予め算出する制御信号算出部を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前照灯ユニットの光により照射された状態で取得した車両前方の撮像画像から消失点を算出し、
    前記消失点に基づいて、車両から前方の領域までの距離に応じて区画されたブロックを前記撮像画像から抽出し、
    前記ブロックの画像情報に基づいて、該ブロックに対応する領域の雰囲気の明るさを推定し、
    車両の走行によって前照灯ユニットの光により照射が可能な照射領域に次に含まれると予測される前記領域の、推定された雰囲気の明るさに応じて前照灯ユニットの配光を制御する、
    配光制御方法。
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