JP2012196999A - 車両用照明装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光反射物に起因したドライバディストラクションを低減することができる車両用照明装置の提供。
【解決手段】 本発明は、車両前方の他車両に対してグレアを与えないようにヘッドランプの配光制御を行う車両用照明装置であって、前記車両前方の他車両以外の光反射物であって、道路の長手方向に沿って延在又は移動する光反射物を検出する光反射物検出手段と、前記光反射物検出手段により前記光反射物が検出された場合に、前記ヘッドランプの配光制御における配光パターンの変化を抑制する、又は、ハイビームからロービームに切り換える制御手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自車前方の他車両に対してグレアを与えないようなハイビームの配光制御を行う車両用照明装置及び方法に関する。
従来から、先行車や対向車のような他車両に対してグレアを与えないように、カメラによる他車両の検出結果に基づいて、車両前方を照明するための照明光の配光を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の発明では、カメラにより検知された他車両の位置に応じて、照射領域を垂直方向に区切って遮蔽するためのシェードが移動される。
特開2009-227088号公報
しかしながら、反射率の高い壁状の光反射物(例えばガードレールや側壁)が道路に沿って延在する場合や、車両側方を並走する光反射物(他車両)が存在する場合等には、先行車や対向車の位置等に応じた配光制御を継続すると、これらの光反射物に形成されるヘッドランプの照射領域の切れ目(垂直方向の境界線)が前後に移動し、ドライバディストラクションを起こす虞がある。
そこで、本発明は、光反射物に起因したドライバディストラクションを低減することができる車両用照明装置及び方法の提供目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、車両前方の他車両に対してグレアを与えないようにヘッドランプの配光制御を行う車両用照明装置であって、
前記車両前方の他車両以外の光反射物であって、道路の長手方向に沿って延在又は移動する光反射物を検出する光反射物検出手段と、
前記光反射物検出手段により前記光反射物が検出された場合に、前記ヘッドランプの配光制御における配光パターンの変化を抑制する、又は、ハイビームからロービームに切り換える制御手段とを備えることを特徴とする車両用照明装置が提供される。
本発明の他の一局面によれば、車両前方の他車両に対してグレアを与えないようにヘッドランプの配光制御を行う車両用照明方法であって、
前記車両前方の他車両以外の光反射物であって、道路の長手方向に沿って延在又は移動する光反射物を検出するステップと、
前記光反射物ステップにより前記光反射物が検出された場合に、前記ヘッドランプの配光制御における配光パターンの変化を抑制する、又は、ハイビームからロービームに切り換えるステップとを備えることを特徴とする、車両用照明方法が提供される。
本発明によれば、光反射物に起因したドライバディストラクションを低減することができる車両用照明装置及び方法が得られる。
一実施例(実施例1)による車両用照明装置1を示す要部構成図である。 ヘッドランプ50の一例を示す断面図である。 ランプシェード70の一例を概略的に示す斜視図である。 ランプシェード70により実現される配光パターンの代表的な例を示す図である。 図5は、図6(A)及び図6(B)のそれぞれの状況において測距センサ32により得られる側方距離Dのデータの一例を示すグラフである。 図6(A)は、道路の側部に街路樹301が設置されている状況を示し、図6(B)は、道路の側部にガードレール401が設置されている状況を示す図である。 スイブル及び配光切換態様の一例を示す図である。 本実施例の制御ECU40により実現される主要処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 図8による処理に応じて切り替わる配光制御のオン/オフ態様の一例を示す図である。 本実施例の制御ECU40により実現される主要処理ルーチンの他の一例を示すフローチャートである。 ガードレール401が存在する直線道路で自車が前方車両を追走している状況を示す上面図である。 図11の状況下でカメラ10から得られる前方環境画像を示す図である。 他の一実施例(実施例2)による車両用照明装置2を示す要部構成図である。 本実施例の制御ECU402により実現される主要処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 他の一実施例(実施例3)による車両用照明装置3を示す要部構成図である。 本実施例の制御ECU403により実現される主要処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 ガードレール201、202が存在するカーブ路で自車が前方車両を追走している状況を示す上面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
[実施例1]
図1は、一実施例(実施例1)による車両用照明装置1を示す要部構成図である。車両用照明装置1は、図1に示すように、カメラ10と、スイッチ20と、車速センサ30と、測距センサ32と、制御ECU(Electronic Control Unit)40と、ヘッドランプ50とを含む。
カメラ10は、CCD(charge−coupled device)やCMOS(complementary metal oxide semiconductor)等の撮像素子により、車両前方の風景の画像(前方環境画像)を捕捉する。カメラ10は、車両前方の風景を撮像できるような態様で車両に搭載される。例えば、カメラ10は、ルームミラーの裏側(車両前側の面)に取り付けられる。カメラ10は、車両走行中にリアルタイムに前方環境画像を取得し、例えば所定のフレーム周期のストリーム形式で制御ECU40に供給するものであってよい。尚、カメラ10は、以下で説明する車両配光制御用の専用のセンサであってもよいし、他の用途(例えば前方監視カメラ、レーンキープアシスト用カメラ等)と兼用であってもよい。また、カメラ10は、カラー又はモノクロ画像のいずれを取得するカメラであってもよい。
スイッチ20は、ヘッドランプ50のON/OFFや、ヘッドランプ50の配光制御ON/OFFなどのヘッドランプ作動関係のスイッチを含む。スイッチ20は、例えばステアリングコラム等のような車室内の適切な位置に配置されてよい。尚、ヘッドランプ50の配光制御は、ヘッドランプ50のON時に自動的に実行されてもよいし、ハイビームが使用される時に自動的に実行されてもよい。
車速センサ30は、車輪速に応じた電気信号(車速パルス)を制御ECU40に出力する。
測距センサ32は、車両側方に存在する物体との距離を測定する。測距センサ32は、超音波測距センサ(ソナー)であってもよいし、任意のレーダセンサであってもよい。測距センサ32は、道路の側部に設置されるガードレールや側壁との距離が測定できるように構成・配置される。
制御ECU40は、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。制御ECU40は、主なる機能として、画像認識部42と、ヘッドランプ制御部44と、ランプシェード制御部46と、スイブル制御部48と、ガードレール検出部49とを含む。これらの各部42,44,46,48,49は、CPUがROM等の記憶装置に記憶されたプログラムを実行することで実現されてもよい。また、例えば画像認識部42は、専用のハードウェア回路を用いて実現されてもよい。また、これらの各部42,44,46,48,49は、必ずしも同一のECUユニット内に組み込まれる必要はなく、複数のECUにより協動して実現されてもよい。例えば、画像認識部42等は、カメラ制御ICとしてカメラ10に組み込まれてもよい。
ヘッドランプ50は、車両の前部左右にそれぞれ設けられる。尚、以下で、特に左右のヘッドランプ50を区別する際には、左側のヘッドランプに符号50Lを付し、右側のヘッドランプに符号50Rを付す。ヘッドランプ50は、車両前方領域に向けて可視光を照射するロービーム及びハイビームを含む。ロービーム及びハイビームは、それぞれ専用のランプにより構成されてもよいし、単一のランプの照射パターンをランプシェードにより可変することで実現されてもよい(図2参照)。ヘッドランプ50は、スイブルアクチュエータ52と、シェード駆動用アクチュエータ54とを含む。
図2は、ヘッドランプ50の一例を示す断面図である。
図示のヘッドランプ50は、プロジェクタ型のヘッドランプであり、主に、光源であるバルブ80と、投影レンズ82と、リフレクタ84と、これらを保持するホルダ86とを含む。リフレクタ84と投影レンズ82との間にはランプシェード70が設けられる。ヘッドランプ50は、バルブ80から出射した光をリフレクタ84に反射させ、リフレクタ84から前方に向かう光の一部をランプシェード70で遮蔽して、車両前方に配光パターンを投影する。バルブ80は、白熱球やハロゲンランプ、放電球、LED等であってよい。リフレクタ84は、車両前後方向に延びる光軸を中心軸とする略楕円球面状の反射面を有している。投影レンズ82は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズであり、光軸上に配置されている。
ヘッドランプ50は、ヘッドランプ50の光軸の向きを略水平面内で変化させるスイブルアクチュエータ52を備える。スイブルアクチュエータ52は、ホルダ86の下底部に取り付けられ、軸52aのまわりにホルダ86を回動可能に支持している。
ヘッドランプ50は、バルブ80から発せられる光の一部を遮蔽した配光パターンを形成するランプシェード70を備える。ランプシェード70は、水平方向に二分割されたサブシェードから構成されている(図3参照)。ランプシェード70は、その開閉状態がシェード駆動用アクチュエータ54により駆動制御される。図示の例では、各サブシェードの下端には、シェード駆動用アクチュエータ54により回転駆動される回転体72が取り付けられている。両方のサブシェードの直立時には、ロービーム用配光パターンが形成される。回転体72を回転させて両方のサブシェードを略水平に傾斜させると、ハイビーム用配光パターンが形成される。シェードの構造および作用については、図3を参照して詳述する。
図3は、ランプシェード70の一例を概略的に示す斜視図である。ランプシェード70は、水平方向に二分割されたサブシェード70a,70bを備える。サブシェード70a,70bの下端には、支持軸71により回転可能に支持された回転体72a、72bが取り付けられている。支持軸71は、ホルダ86に連結されており、ホルダ86と一体にスイブル可能にされている。各回転体72a、72bは、それぞれに対して設けられるシェード駆動用アクチュエータ54により回転駆動される。尚、サブシェード70a,70bは、他の態様で駆動されてもよい。サブシェード70a,70bは、例えばソレノイド(シェード駆動用アクチュエータ54の一例)により駆動されるプランジャの往復動により直立状態と傾斜状態との間で切り換えされてもよい。
図4は、ランプシェード70により実現される配光パターンの代表的な例を示す図である。尚、図4において、配光パターンは、車両前方の所定位置の仮想的な鉛直スクリーン上に形成される配光パターンとして示されている。また、ラインVは、鉛直方向のラインを示し、ラインHは、水平方向のラインを示す。尚、ヘッドランプ50の中心軸はラインV上に位置するものとする。
図4(A)は、右側一部遮光パターンの一例を示す。この右側一部遮光パターンは、ハイビーム光を左側に含むパターンである。右側一部遮光パターンは、左側のヘッドランプ50Lにおけるランプシェード70のサブシェード70a,70bの一方(車両内側のサブシェード)を略水平に傾斜させ、他方(車両外側のサブシェード)を直立させることにより形成される。或いは、右側一部遮光パターンは、右側のヘッドランプ50Rにおけるランプシェード70のサブシェード70a,70bの一方(車両外側のサブシェード)を略水平に傾斜させ、他方(車両内側のサブシェード)を直立させることにより形成される。
図4(B)は、左側一部遮光パターンの一例を示す。この左側一部遮光パターンは、ハイビーム光を右側に含むパターンである。左側一部遮光パターンは、右側のヘッドランプ50Rにおけるランプシェード70のサブシェード70a,70bの一方(車両内側のサブシェード)を略水平に傾斜させ、他方(車両外側のサブシェード)を直立させることにより形成される。或いは、左側一部遮光パターンは、左側のヘッドランプ50Lにおけるランプシェード70のサブシェード70a,70bの一方(車両外側のサブシェード)を略水平に傾斜させ、他方(車両内側のサブシェード)を直立させることにより形成される。
図4(C)は、ヘッドランプ50により生成されるハイビームパターンの一例を示す。このハイビームパターンは、ヘッドランプ50の双方のサブシェード70a,70bを略水平に傾斜させることにより形成される。
図4(D)は、左側のヘッドランプ50Lにより生成されるロービームパターンの一例を示す。このロービームパターンは、ヘッドランプ50の双方のサブシェード70a,70bを直立させることにより形成される。
ここで、図1を再度参照して、本実施例の制御ECU40について説明する。制御ECU40は、上述の如く、主なる機能として、画像認識部42と、ヘッドランプ制御部44と、ランプシェード制御部46と、スイブル制御部48と、ガードレール検出部49とを含む。
画像認識部42は、カメラ10から得られる前方環境画像を画像処理して、車両前方に存在しうる前方車両(先行車や対向車)を検出する。画像中の前方車両を検出する方法は、多種多様であり、任意の方法が採用されてもよい。典型的には、前方車両は、移動体であり、ブレーキランプ(又はテールランプ)やヘッドランプから光を発すると共に、後方から受けた光を反射する反射部(リフレクタ)を車両後部に備える。従って、かかる光の特徴に基づいて、画像中の前方車両を検出してもよい。例えば、画像中の光の特徴が所定の条件(明るさ、色、大きさ、パターン、動き等)を満たす場合に、当該光に関する像が、前方車両として検出(特定)されてもよい。より具体的には、前方車両検出方法の一例として、カメラ10から得られる前方環境画像を画像処理して、画像中の光(所定輝度以上の画素)を検出し、検出した光の中から、明るさ・光の動き(例えば光の物体の速度、進行方向等)・色(例えば、ブレーキランプの発光色や反射部の反射光の色等)、方向性、属性(例えば2個ペアか否か)、連続性等の要素に基づいて、当該光が前方車両によるものか或いは前方車両以外の外乱光(道路標識の反射板等による反射光)なのかを判断するものであってよい。また、この際、自車の速度、加減速度、ヨーレート、自車のヘッドランプの種類、走行環境(例えば明るい市街地を走行しているか否か等)のような他車両以外の他の要素が考慮されてもよい。画像認識部42は、前方車両の存在を検出すると、当該前方車両の位置や方位等を算出してもよい。
ヘッドランプ制御部44は、スイッチ20の状態に基づいて、ヘッドランプ50のON/OFFの切り替え制御を行う。なお、ヘッドランプ制御部44は、日照センサの出力信号等に基づいて、周囲が暗くなったときに自動的にヘッドランプ50をオンする制御を実行してもよい。
ランプシェード制御部46は、スイッチ20の状態に基づいて、例えばヘッドランプ50の配光制御がオンであるとき、シェード駆動用アクチュエータ54を介して配光パターンを制御する。具体的には、ランプシェード制御部46は、画像認識部42の前方車両の検出状況に基づいて、シェード駆動用アクチュエータ54によりランプシェード70を制御して、ヘッドランプ50の配光パターンを制御する。基本的には、ランプシェード制御部46は、画像認識部42により前方車両の位置及び方向等に基づいて、当該前方車両がハイビームにより照射されないようにサブシェード70a,70bの開閉状態を制御する。これにより、例えば図4に示すような各種配光パターンが選択的に実現される。尚、ランプシェード制御部46による制御方法の一例は、図7を参照して後述する。
スイブル制御部48は、スイッチ20の状態に基づいて、例えばヘッドランプ50の配光制御がオンであるとき、スイブルアクチュエータ52を介して配光パターンの照射方向(ヘッドランプ50のスイブル角)を制御する。具体的には、スイブル制御部48は、画像認識部42の前方車両の検出状況に基づいて、スイブルアクチュエータ52によりヘッドランプ50の光軸方向を制御する。基本的には、スイブル制御部48は、画像認識部42により前方車両の位置及び方向等に基づいて、当該前方車両がハイビームにより照射されないようにヘッドランプ50の光軸の向きを制御する。尚、スイブル制御部48による制御方法の一例は、図7を参照して後述する。
ガードレール検出部49は、道路の側部に設置される反射部材であって、道路の長手方向に沿って延在する壁状の反射部材を検出する。この壁状の反射部材は、典型的には、ガードレールや側壁又はその類であり、以下では、ガードレールを代表例として説明する。ガードレールは、反射率が高く、道路の側部(脇)に道路の長手方向に沿って延在する。従って、ガードレール検出部49は、かかる特徴を利用してガードレールを検出してもよい。例えば、ガードレール検出部49は、測距センサ32による測距データに基づいて、ガードレールの有無を検出してもよい。具体的には、ガードレール検出部49は、測距センサ32により車両側方所定距離D2内に物体を検出している状態が、所定走行距離d又は所定時間T1以上継続した場合に、該物体をガードレールとして検出してもよい。即ち、測距センサ32により計測された車両側方物体までの距離D(以下、側方距離Dともいう)が所定距離D2内である状態が、所定走行距離d又は所定時間T1以上継続した場合に、該車両側方物体をガードレールとして検出してもよい。所定距離D2は、道路の側部に最も近い側(最も車両左側)の車線とガードレールとの間の距離関係に基づいて設定されてもよい。具体的には、所定距離D2は、車両が最も左側の車線を走行しているときの測距センサ32の搭載位置とガードレールとの間の距離に基づいて設定されてよい。この距離は、測距センサ32の搭載位置、車線幅、車幅、ガードレールの位置等に依存するので、これらの平均データ等に基づいて設定されてもよい。或いは、所定距離D2は、ナビゲーション装置の地図データの情報に基づいて可変に設定されてもよい。或いは、所定距離D2は、後述のドライバディストラクションが発生するような距離の最大値に基づいて設定されてもよい。後述のドライバディストラクションが発生するような距離の最大値は、実験等により適合されてもよい。所定走行距離dについては、ガードレールの長さに対応する指標値であり、ガードレールの長さの平均データ等に基づいて設定されてもよい。同様に、所定走行距離dは、ナビゲーション装置の地図データの情報に基づいて可変に設定されてもよい。これは、複数のガードレールが間隔をおいて延在する道路もあれば、一本の長いガードレール又は間隔が略ゼロで複数本のガードレールが延在する道路もあるためである。また、交差点ではガードレールが途切れるので、ナビゲーション装置の地図データに基づいて、かかるガードレールの分断が考慮されてもよい。尚、所定時間T1については、固定値であってもよいが、所定走行距離dを車速Vで割ったときの時間(d/V)に設定されてもよい。
また、ガードレール検出部49は、測距センサ32の測距データとカメラ10から得られる前方環境画像とに基づいて、ガードレールを検出してもよい。例えば、ガードレール検出部49は、測距センサ32により検出される車両側方所定距離D2内の物体について、カメラ10から得られる前方環境画像中の同物体の輝度を判断してもよい。これは、車両側方所定距離D2内のガードレールはヘッドランプ50の光を反射し、高輝度となるためである(図12参照)。
図5は、図6(A)及び図6(B)に示すそれぞれの状況において測距センサ32により得られる側方距離Dのデータの一例を示すグラフである。図6(A)は、道路の側部に街路樹301が設置されている状況を示し、図6(B)は、道路の側部にガードレール401が設置されている状況を示す。
図5には、図6(A)に示す状況において測距センサ32により得られる側方距離D(符号302で示される距離)のデータの曲線が曲線(A)で示され、図6(B)に示す状況において測距センサ32により得られる側方距離D(符号402で示される距離)のデータの曲線が曲線(B)で示されている。また、図5には、ガードレール401を検出するための閾値となる所定距離D2の一例が一点鎖線で示される。
図5(A)に示すようなガードレールが存在せずに街路樹301が存在する状況では、図6に示すように、街路樹301が測定される毎に側方距離Dが短くなる波状の波形となる。この場合、側方距離Dが一時的に所定距離D2よりも短くなりうるが、上述の如く、所定走行距離d又は所定時間T1の条件を付加することで、街路樹301のような道路の側部に点在する物体がガードレール401として誤検出されるのが防止される。
図7は、本実施例の制御ECU40により実現される配光制御の一例を示す図である。図7では、左側ヘッドランプ50Lによる配光パターンが記号PLにより指示され、右側ヘッドランプ50Rによる配光パターンが記号PRにより指示されている。尚、本例では、図7に示すように、左右のヘッドランプ50L,50Rのハイビームパターン、ロービームパターン及びそれらによる照射領域は略同一であるとする。
図7(A)は、車両前方がハイビームパターンで照射された状態(初期状態)を示す。この状態にて車両前方に前方車両がカメラ10及び画像認識部42により検出された場合、スイブル制御部48は、画像認識部42から得られる前方車両の位置に基づいて、目標スイブル角を決定し、該目標スイブル角が実現されるようにスイブルアクチュエータ52によりヘッドランプ50の光軸方向を変化させる。ここでは、一例として、目標スイブル角は、一部遮光パターンの遮断部分内に前方車両が含まれ、且つ、一部遮光パターンのカットオフラインCL,CR(図4(A)及び図4(B)参照)が前方車両の近接側端部から所定距離離間した位置(方向)に来るように決定される。尚、一部遮光パターンの遮断部分とは、ハイビームパターン(図4(C)参照)から一部遮光パターン(図4(A)及び図4(B)参照)を差し引いた部分に相当する。また、ランプシェード制御部46は、右側ヘッドランプ50Rのランプシェード70を制御して、右側ヘッドランプ50Rの配光パターンをハイビームパターン(図7(A)の初期のパターン)から左側一部遮光パターン(図7(B))へと変更する。同様に、左側ヘッドランプ50Lのランプシェード70を制御して、左側ヘッドランプ50Lの配光パターンをハイビームパターン(図7(A)の初期のパターン)から右側一部遮光パターン(図7(B))へと変更する。以後、スイブル制御部48は、前方車両が所定の消失状態になるまで、前方車両の位置の変化に応じて、前方車両の右端に右側ヘッドランプ50Rのランプ中心軸が略一致した状態が維持されるように、右側ヘッドランプ50Rのスイブル角を制御・調整してもよい。このようにして、前方車両の運転者にグレアを与えるのを適切に防止することができる。尚、配光制御の態様は、多種多様であり、任意の態様が採用されてもよい。例えばスイブルアクチュエータ52及びシェード駆動用アクチュエータ54のうちのスイブルアクチュエータ52のみを用いる態様であってもよい。また、スイブル動作は、ホルダ86をスイブルアクチュエータ52により回転させることにより実現されているが、例えば特開2009-227088号公報に開示されるような構成(照射領域を垂直方向に区切って遮蔽するシェードを左右に移動させる構成)により実現されてもよい。
図8は、本実施例の制御ECU40により実現される主要処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、車両のイグニッションスイッチがオンされた場合に起動され、以後所定周期毎に繰り返し実行されるものであってよい。
ステップ802では、スイッチ20の状態に基づいて、ヘッドランプ50の配光制御がオンであるか否かが判定される。ヘッドランプ50の配光制御がオンである場合は、ステップ804に進み、ヘッドランプ50の配光制御がオフである場合は、そのまま終了する。
ステップ804では、車速センサ30からの情報に基づいて、車両が走行中か否か(車速が所定値以上か否か)が判定される。車両が走行中である場合は、ステップ806に進み、車両が走行中でない場合は、そのまま終了する。
ステップ806では、今回の処理周期で測距センサ32による計測される側方距離D(車両側方物体までの距離)が取得される。
ステップ808では、配光制御が一旦中止された後の再開後であるか否かが判定される。配光制御の中止は、後述のステップ814の処理による。従って、後述のステップ814の処理の後、再度配光制御が開始された状況であるか否かが判定される。肯定判定の場合は、ステップ812に進み、否定判定の場合(中止が未だ実施されていない場合)、ステップ810に進む。
ステップ810では、測距センサ32による計測される側方距離Dが下限値D1より大きく所定距離D2よりも小さい(D1<D<D2)の状態が所定時間T1以上継続したか否かが判定される。下限値D1は、ゼロより大きくD2より小さい任意の値であってよい。例えば、下限値D1は、通常走行時の車両がガードレールに最も近接して並走する時の側方距離Dに基づいて設定されてもよい。肯定判定の場合は、ステップ814に進み、否定判定の場合、ステップ816に進む。
ステップ812では、測距センサ32による計測される側方距離Dが下限値D1より大きく所定距離D2よりも小さい(D1<D<D2)の状態が第2所定時間T2以上継続したか否かが判定される。第2所定時間T2は、所定時間T1よりも一定の時間αだけ長い時間であってよい。即ちT2=T1+αであってよい。αは、ノイズ等の影響により配光制御の再開と中止が高頻度で切り替わる(ハンチング)を防止するために設定される。肯定判定の場合は、ステップ814に進み、否定判定の場合、ステップ816に進む。
ステップ814では、ガードレールが検出されたと判断して、配光制御が中止される。この中止は、配光制御における配光パターンの変化が抑制される態様であれば任意の態様で実現されてもよい。例えば、ランプシェード制御部46が現時点の配光パターン(図4参照)を維持し、且つ、スイブル制御部48が現時点のスイブル角を維持することで、実現されてもよい。或いは、ランプシェード制御部46が現時点の配光パターン(図4参照)を維持し、且つ、スイブル制御部48が所定のスイブル角を実現した後に当該スイブル角を維持することで、実現されてもよい。或いは、ランプシェード制御部46が現時点の配光パターン(図4参照)を維持することに代えて、ランプシェード制御部46が所定の配光パターンを実現した後に当該配光パターンを維持することとしてもよい。或いは、配光制御の中止は、ランプシェード制御部46が現時点の配光パターンをロービームパターンに切り換えることで、実現されてもよい。
ステップ816では、ガードレールが検出されていないと判断して、配光制御が実行(再開)又は継続される(図7参照)。
尚、図8に示す処理では、上述の如くハンチングを防止する観点からステップ808とステップ812の処理が実行されているが、これらの処理は省略されてもよい。ステップ806から直接ステップ810の処理を行い、その判定結果に応じてステップ814又は816の処理が実行されてもよい。
図9は、図8による処理に応じて切り替わる配光制御のオン/オフ態様の一例を示す図である。図9には、上段に、測距センサ32による計測される側方距離Dの時系列波形が示され、下段に、それに応じた配光制御のオン/オフ態様の時系列が示されている。尚、図9では、時系列で示されているが、横軸が走行距離であって実質的に等価である。
図9に示す例では、時刻t1にてガードレールが発生し、側方距離Dが所定距離D2よりも小さくなる。その後、側方距離Dが所定距離D2よりも小さい状態が所定時間T1継続すると、時刻t2にて、それまで実施されていた配光制御がオフ(中止)となる(図8のステップ814参照)。その後、時刻t3にて、ガードレールが無くなり、配光制御が開始(再開)される(図8のステップ816参照)。その後、時刻t4にてガードレールが発生し、側方距離Dが所定距離D2よりも小さくなる。しかしながら、この場合、側方距離Dが所定距離D2よりも小さい状態が第2所定時間T2(=T1+α)継続した時刻t6にて、配光制御がオフ(中止)となる(図8のステップ814参照)。
図10は、本実施例の制御ECU40により実現される主要処理ルーチンの他の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、車両のイグニッションスイッチがオンされた場合に起動され、以後所定周期毎に繰り返し実行されるものであってよい。
図10に示す処理ルーチンは、図8に示した処理ルーチンに対して、ステップ1013の判定処理が追加された点が実質的に異なる。
ステップ1013の処理は、ステップ1010で肯定判定された場合、又は、ステップ1012で肯定判定された場合に実行される。ステップ1013では、ステップ1012で測距センサ32の測距データに基づいて側方距離Dが下限値D1より大きく所定距離D2よりも小さいと判定された物体の反射率が所定値よりも高いか否かが判定される。この判定は、カメラ10から得られる前方環境画像中の同物体の輝度が所定輝度値よりも高いか否かを判定することで実現されてもよい。所定輝度値は、所定距離D2内にガードレールが存在する状況下でガードレールをハイビームパターンで照明したときにカメラ10から得られる前方環境画像中のガードレールの像の輝度値(試験データ)に基づいて設定されてもよい。肯定判定の場合は、ガードレールが検出されたと判断して、ステップ1014に進み、否定判定の場合、ガードレールが検出されていないと判断して、ステップ1016に進む。
尚、図10に示す処理では、上述の如くハンチングを防止する観点からステップ1008とステップ1012の処理が実行されているが、これらの処理は省略されてもよい。
ここで、図11及び図12を参照して、本実施例の車両用照明装置1による作用・効果について説明する。
図11は、ガードレール401が存在する道路で自車が前方車両を追走している状況を示す上面図である。図11に示す状況は、配光制御が実行されており、図11には、左右のヘッドランプ50L,50Rの照射領域がそれぞれ符号103,104で模式的に示されている。図12は、図11の状況下でカメラ10から得られる前方環境画像を示す図である。図12の画像(写真)は、自車の運転者が前方を見たときの風景に実質的に対応する。
図11に示すようなガードレール401が存在する状況では、ガードレール401にヘッドランプ50の照明が反射する。この際、前方車両の存在に起因して自車が配光制御を実行すると、いわゆるドライバディストラクションが発生する。具体的には、ガードレール401の照射領域の境界部分102(図11及び図12参照)は、右側一部遮光パターンのカットオフラインCL(図4(A)参照)に対応するが、前方車両の位置(相対位置)や方位の変化に応じてスイブル角が変化されると、ガードレール401の照射領域の境界部分102が前後に移動する(図11の矢印105参照)。このような移動は、自車の運転者の注意を逸らすいわゆるドライバディストラクションを引き起こしうる。
これに対して、本実施例の車両用照明装置1によれば、上述の如く、ドライバディストラクションを引き起こしうるガードレールがガードレール検出部49により検出された場合には、配光制御が中止されるので、ドライバディストラクションを効果的に防止することができる。
また、ガードレール401の照射領域の境界部分102の動きは、特に車両がガードレール401に近い車線(典型的には、最も左側の車線)を走行しているときに運転者の目に入り易い。この点、本実施例では、ガードレールとの側方距離Dが所定距離D2よりも小さい場合に、配光制御が中止されるので、特にドライバディストラクションが生じやすいガードレールのみを対象として配光制御を中止することができる。
尚、本実施例では、スイブル動作は、ホルダ86をスイブルアクチュエータ52により回転させることにより実現されているので、配光制御が中止された際には、スイブル動作は、左右共に中止されることになる。しかしながら、例えば特開2009-227088号公報に開示されるような構成のように、左右で独立してカットオフラインを移動させることができる構成を採用する場合には、左側のヘッドランプ50Lのカットオフラインの移動のみが抑制されてもよい。
[実施例2]
図13は、他の一実施例(実施例2)による車両用照明装置2を示す要部構成図である。実施例2は、上述の実施例1に対して、画像処理によりガードレールを検出する点が主に異なる。以下では、実施例2に特有の構成のみ重点的に説明するが、他の構成については実施例1と同様であってよい。また、図13において、実施例1と同様であってよい構成要素については、同一の参照符号が付されている。
車両用照明装置2は、図13に示すように、カメラ10と、スイッチ20と、車速センサ30と、制御ECU402と、ヘッドランプ50とを含む。
制御ECU402は、主なる機能として、画像認識部420と、ヘッドランプ制御部44と、ランプシェード制御部46と、スイブル制御部48とを含む。画像認識部420は、他車画像認識部422と、ガードレール画像認識部424とを含む。他車画像認識部422は、上述の実施例1による画像認識部42と同様の機能を有してよい。
ガードレール画像認識部424は、カメラ10から得られる前方環境画像を画像処理して、道路の側部に設置されるガードレール(側壁又はその類も同様)を画像認識により検出する。ガードレール画像認識部424は、車両左側方のガードレールを画像認識する。ガードレールの画像認識方法は、多種多様であり、任意の方法が採用されてもよい。典型的には、ガードレールは、反射率が高く、道路の長手方向に沿って延在する。このため、前方環境画像中においてガードレールの像は、比較的輝度が高く、道路の長手方向に沿って帯状の形態を有する。従って、かかるパターンを利用して、パターンマッチングによりガードレールが認識されてもよい。また、ガードレールの像は、道路区画線(白線等)と並んで存在する。従って、かかる特徴(延在方向)が利用されてもよい。
また、ガードレール画像認識部424は、車幅方向で車両側部との間の距離が所定距離D2よりも小さいガードレールを画像認識するものであってよい。車幅方向で車両側部との間の距離が所定距離D2よりも小さいか否かは、画像認識されたガードレールの位置(画像中の横位置)に基づいて判断されてもよい。
図14は、本実施例の制御ECU402により実現される主要処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。図14に示す処理は、車両のイグニッションスイッチがオンされた場合に起動され、以後所定周期毎に繰り返し実行されるものであってよい。
ステップ1402では、スイッチ20の状態に基づいて、ヘッドランプ50の配光制御がオンであるか否かが判定される。ヘッドランプ50の配光制御がオンである場合は、ステップ1404に進み、ヘッドランプ50の配光制御がオフである場合は、そのまま終了する。
ステップ1404では、車速センサ30からの情報に基づいて、車両が走行中か否か(車速が所定値以上か否か)が判定される。車両が走行中である場合は、ステップ1406に進み、車両が走行中でない場合は、そのまま終了する。
ステップ1406では、今回の処理周期でカメラ10から得られる前方環境画像が画像処理される。即ち、ガードレール画像認識部424は、今回の処理周期でカメラ10から得られる前方環境画像を画像処理して、前方環境画像に含まれうるガードレールの画像認識処理を実行する。
ステップ1408では、配光制御が一旦中止された後の再開後であるか否かが判定される。肯定判定の場合は、ステップ1412に進み、否定判定の場合(中止が未だ実施されていない場合)、ステップ1413に進む。
ステップ1412では、再開後所定時間αが経過したか否かが判定される。αは、上述の如く、配光制御の再開と中止が高頻度で切り替わる(ハンチング)を防止するために設定される。肯定判定の場合は、ステップ1413に進み、否定判定の場合、ステップ1416に進む。
ステップ1413では、ガードレール画像認識部424によりガードレールが画像認識されたか否かが判定される。肯定判定の場合は、ステップ1414に進み、否定判定の場合、ステップ1416に進む。
ステップ1414では、ガードレール画像認識部424によりガードレールが画像認識されたことを受けて、配光制御が中止される。配光制御の中止の態様は、上述の実施例1と同様であってよい。
ステップ1416では、ガードレール画像認識部424によりガードレールが画像認識されていない状況であるので、配光制御が実行(再開)又は継続される(図7参照)。
尚、図14に示す処理では、上述の如くハンチングを防止する観点からステップ1408とステップ1412の処理が実行されているが、これらの処理は省略されてもよい。
本実施例の車両用照明装置2によれば、上述の実施例1と同様、ドライバディストラクションを引き起こしうるガードレールがガードレール画像認識部424により検出された場合には、配光制御が中止されるので、ドライバディストラクションを効果的に防止することができる。
また、本実施例において、車幅方向で車両側部との間の距離が所定距離D2よりも小さいガードレールがガードレール画像認識部424により検出された場合に、配光制御が中止される構成では、特にドライバディストラクションが生じやすいガードレールのみを対象として配光制御を中止することができる。尚、ガードレール画像認識部424により認識されたガードレールと車両側部との間の距離が所定距離D2よりも小さいか否かは、自車の走行レーンに基づいて判定されてもよい。例えば、自車の走行レーンが最も左側のレーンである場合には、ガードレール画像認識部424により認識されたガードレールと車両側部との間の距離が所定距離D2よりも小さいと判断してもよい。尚、走行レーンは、画像認識によって判断されてもよいし、GPS受信機(図示せず)により算出される自車位置と地図データ(走行レーンの数、位置情報等)との関係で判断されてもよい。
尚、本実施例では、スイブル動作は、ホルダ86をスイブルアクチュエータ52により回転させることにより実現されているので、配光制御が中止された際には、スイブル動作は、左右共に中止されることになる。しかしながら、例えば特開2009-227088号公報に開示されるような構成のように、左右で独立してカットオフラインを移動させることができる構成を採用する場合には、左側のヘッドランプ50Lのカットオフラインの移動のみが抑制されてもよい。
[実施例3]
図15は、他の一実施例(実施例3)による車両用照明装置3を示す要部構成図である。実施例3は、上述の実施例2に対して、画像処理により車両前方のガードレールを検出する点が主に異なる。以下では、実施例3に特有の構成のみ重点的に説明するが、他の構成については実施例2と同様であってよい。また、図15において、実施例2と同様であってよい構成要素については、同一の参照符号が付されている。
車両用照明装置3は、図15に示すように、カメラ10と、スイッチ20と、車速センサ30と、舵角センサ34と、制御ECU403と、ヘッドランプ50とを含む。
制御ECU403は、主なる機能として、画像認識部430と、ヘッドランプ制御部44と、ランプシェード制御部46と、スイブル制御部48とを含む。画像認識部430は、他車画像認識部432と、ガードレール画像認識部434とを含む。他車画像認識部432は、上述の実施例1による画像認識部42と同様の機能を有してよい。
ガードレール画像認識部424は、カメラ10から得られる前方環境画像を画像処理して、道路の側部に設置されるガードレール(側壁又はその類も同様)を画像認識により検出する。ガードレール画像認識部424は、カーブ走行中に車両前方のガードレール(対向車線側のガードレール)を画像認識する。ガードレールの画像認識方法は、上述の実施例2において説明したように、多種多様であり、任意の方法が採用されてもよい。
図16は、本実施例の制御ECU403により実現される主要処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。図16に示す処理は、車両のイグニッションスイッチがオンされた場合に起動され、以後所定周期毎に繰り返し実行されるものであってよい。
ステップ1602では、スイッチ20の状態に基づいて、ヘッドランプ50の配光制御がオンであるか否かが判定される。ヘッドランプ50の配光制御がオンである場合は、ステップ1604に進み、ヘッドランプ50の配光制御がオフである場合は、そのまま終了する。
ステップ1604では、車速センサ30からの情報に基づいて、車両が走行中か否か(車速が所定値以上か否か)が判定される。車両が走行中である場合は、ステップ1605に進み、車両が走行中でない場合は、そのまま終了する。
ステップ1605では、舵角センサからの情報に基づいて、車両がカーブ路を走行中か否か(操舵角度の絶対値が所定値S1より大きいか否か)が判定される。尚、車両がカーブ路を走行中か否かは、GPS受信機(図示せず)により算出される自車位置と地図データとの関係で判断されてもよいし、ヨーレートや横加速度等に基づいて判断されてもよい。車両がカーブ路走行中である場合は、ステップ1606に進み、車両がカーブ路走行中でない場合は、そのまま終了する。
ステップ1606では、今回の処理周期でカメラ10から得られる前方環境画像が画像処理される。即ち、ガードレール画像認識部424は、今回の処理周期でカメラ10から得られる前方環境画像を画像処理して、前方環境画像に含まれうる車両前方のガードレールの画像認識処理を実行する。
ステップ1608では、配光制御が一旦中止された後の再開後であるか否かが判定される。肯定判定の場合は、ステップ1610に進み、否定判定の場合(中止が未だ実施されていない場合)、ステップ1612に進む。
ステップ1610では、再開後所定時間αが経過したか否かが判定される。αは、上述の如く、配光制御の再開と中止が高頻度で切り替わる(ハンチング)を防止するために設定される。肯定判定の場合は、ステップ1612に進み、否定判定の場合、ステップ1616に進む。
ステップ1612では、現在のスイブル角が所定角度以内であるか否かが判定される。スイブル角は車両前後中心方向をゼロ度とし、中心軸から絶対値で所定角度以内であるか否かが判定されてもよい。所定角度は、比較的小さい角度であり、ドライバディストラクションを起こしうる正面方向の角度範囲に基づいて決定されてもよい(図17参照)。肯定判定の場合は、ステップ1613に進み、否定判定の場合、ステップ1616に進む。
ステップ1613では、ガードレール画像認識部434により車両前方のガードレールが画像認識されたか否かが判定される。肯定判定の場合は、ステップ1614に進み、否定判定の場合、ステップ1616に進む。
ステップ1614では、ガードレール画像認識部434により車両前方のガードレールが画像認識されたことを受けて、配光制御が中止される。配光制御の中止の態様は、上述の実施例1と同様であってよい。
ステップ1616では、ガードレール画像認識部424によりガードレールが画像認識されていない状況であるので、配光制御が実行(再開)又は継続される(図7参照)。
尚、図16に示す処理では、上述の如くハンチングを防止する観点からステップ1608とステップ1610の処理が実行されているが、これらの処理は省略されてもよい。
図17は、ガードレール201、202が存在するカーブ路で自車が前方車両を追走している状況を示す上面図である。図17に示す状況は、配光制御が実行されており、図11には、左右のヘッドランプ50L,50Rの照射領域がそれぞれ符号205,206で模式的に示されている。
図17に示すようなガードレール201、202が存在するカーブ路走行状況では、ガードレール201、202にヘッドランプ50の照明が反射する。この際、前方車両の存在に起因して自車が配光制御を実行すると、いわゆるドライバディストラクションが発生する。具体的には、ガードレール201、202の照射領域の境界部分203、204は、右側一部遮光パターン及び左側一部遮光パターンのカットオフラインCL,CR(図4(A)及び図4(B)参照)に対応するが、前方車両の位置(相対位置)や方位の変化に応じてスイブル角が変化されると、ガードレール201、202の照射領域の境界部分203、204が前後に移動する(図17の矢印207、208参照)。このような移動は、自車の運転者の注意を逸らすいわゆるドライバディストラクションを引き起こしうる。
これに対して、本実施例の車両用照明装置1によれば、上述の如く、ドライバディストラクションを引き起こしうる車両前方のガードレール(図17の例では、ガードレール202)が検出された場合には、配光制御が中止されるので、ドライバディストラクションを効果的に防止することができる。
また、カーブ路走行中における車両前方のガードレールの境界部分204の動きは、特に車両の正面方向で生じる動きであるので運転者の目に入り易い。従って、かかるドライバディストラクションを引き起こしやすい車両前方のガードレールを考慮することで、ドライバディストラクションを効果的に防止することができる。
尚、本実施例では、スイブル動作は、ホルダ86をスイブルアクチュエータ52により回転させることにより実現されているので、配光制御が中止された際には、スイブル動作は、左右共に中止されることになる。しかしながら、例えば特開2009-227088号公報に開示されるような構成のように、左右で独立してカットオフラインを移動させることができる構成を採用する場合には、右側ヘッドランプ50Rのカットオフラインの移動のみが抑制されてもよい。或いは、図17に示すように、左側方のガードレール201の境界部分203の動きもドライバディストラクションを起こすことを考慮して、左右双方のヘッドランプ50L,50Rのカットオフラインの移動が抑制されてもよい。
また、本実施例3は、上述の実施例2と効果的に組み合わせることができる。例えば、図16のステップ1605で否定判定された場合には、図14のステップ1406の処理以降の処理が実行されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述した各実施例は適宜組み合わせることができる。例えば、実施例1による測距センサ32を用いるガードレールの検出方法と実施例2,3による画像認識によるガードレールの検出方法とを組み合わせて、精度の高い検出を実現することも可能である。
また、上述した実施例1,2は、車両側方のガードレールに形成されるヘッドランプ50の照射領域の境界部分の動きによるドライバディストラクションを防止するものであった。しかしながら、車両側方を他車両が並走する場合には、同様のヘッドランプ50の照射領域の境界部分が他車両のボディにも形成される。従って、車両側方を並走する他車両のような、ガードレール以外の光反射物に対しても本発明を適用することは可能である。尚、車両側方を並走する他車両は、例えば、側方カメラにより検知されてもよいし、レーダにより検知されてもよい。
また、ガードレール等の光反射物の検出方法は多種多様であり、任意の方法またはそれらの組み合わせが採用されてもよい。例えば、カメラ10から得られる前方環境画像に対するエッジ処理により、車両側方のガードレールに形成されるヘッドランプ50の照射領域の境界部分(図12のエッジ102参照)を直接的に検出してもよい。かかるエッジ(ヘッドランプ50の照射領域である高輝度領域と非照射領域である低輝度領域との間の縦方向の境界線)が検出されるということは、配光制御を行うとドライバディストラクションを起こしうる状況を意味するためである。
また、GPS受信機により算出される自車位置と地図データ(ガードレールが設置される区間情報)との関係に基づいて、ガードレールが検出されてもよい。即ち、地図データに基づくガードレール設置区間内に自車位置が存在する場合に、ガードレールが検出されたものと看做すこととしてもよい。この場合、更に車幅情報やレーン情報等に基づいて、車両がガードレールに近い位置を走行していると判断できる場合に、配光制御を中止することとしてもよい。
ここで、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
[付記1]
車両前方の他車両に対してグレアを与えないようにヘッドランプの配光制御を行う車両用照明装置であって、
前記車両前方の他車両(ヘッドランプの配光制御の対象となる他車両)以外の光反射物であって、道路の長手方向に沿って延在又は移動する光反射物を検出する光反射物検出手段と、
前記光反射物検出手段により前記光反射物が検出された場合に、前記ヘッドランプの配光制御における配光パターンの変化を抑制する、又は、ハイビームからロービームに切り換える制御手段とを備えることを特徴とする、車両用照明装置。
[付記2]
前記光反射物は、道路の側部に設置され、道路の長手方向に沿って延在する壁状の光反射物である、付記1に記載の車両用照明装置。
[付記3]
前記壁状の光反射物は、ガードレール又は側壁である、付記2項に記載の車両用照明装置。
[付記4]
前記光反射物は、車両側方を並走する他車両である、付記1に記載の車両用照明装置。
[付記5]
前記制御手段は、前記光反射物検出手段により車両側方所定距離内の前記光反射物が検出された場合に、前記ヘッドランプの配光制御における配光パターンの変化を抑制する、又は、ハイビームからロービームに切り換える、付記1〜4のうちのいずれか1項に記載の車両用照明装置。
[付記6]
前記制御手段は、車両がカーブ路を走行中である状況下で、前記光反射物検出手段により車両前方に前記光反射物が検出された場合に、前記ヘッドランプの配光制御における配光パターンの変化を抑制する、又は、ハイビームからロービームに切り換える、付記1〜3のうちのいずれか1項に記載の車両用照明装置。
[付記7]
車両側方に存在する物体との距離を測定する測距手段を備え、
前記光反射物検出手段は、前記測距手段により車両側方所定距離内に物体を検出している状態が、所定走行距離又は所定時間以上継続した場合に、該物体を前記光反射物として検出する、付記1〜5のうちのいずれか1項に記載の車両用照明装置。
[付記8]
車両側方を含む風景を撮像するカメラを備え、
前記光反射物検出手段は、前記測距手段により車両側方所定距離内に物体を検出している状態が、所定走行距離又は所定時間以上継続し、且つ、前記カメラの撮像画像における該物体に対応する像の輝度が所定輝度以上である場合に、該物体を前記光反射物として検出する、付記1〜5、7のうちのいずれか1項に記載の車両用照明装置。
[付記9]
車両周辺の風景を撮像するカメラを備え、
前記光反射物検出手段は、前記カメラの画像認識により前記光反射物を検出する、付記1〜8のうちのいずれか1項に記載の車両用照明装置。
[付記10]
前記ヘッドランプの配光制御における配光パターンの変化は、スイブル角の変化である、付記1〜9のうちのいずれか1項に記載の車両用照明装置。
1,2,3 車両用照明装置
10 カメラ
20 スイッチ
30 車速センサ
32 測距センサ
34 舵角センサ
40,402,403 制御ECU
42 画像認識部
44 ヘッドランプ制御部
46 ランプシェード制御部
48 スイブル制御部
49 ガードレール検出部
50(50L,50R) ヘッドランプ
52 スイブルアクチュエータ
54 シェード駆動用アクチュエータ
70 ランプシェード
70a,70b サブシェード
71 支持軸
72(72a,72b) 回転体
80 バルブ
82 投影レンズ
84 リフレクタ
86 ホルダ
201,202,401 ガードレール
102,203,204 境界部分
420,430 画像認識部
422,432 他車画像認識部
424,434 ガードレール画像認識部

Claims (2)

  1. 車両前方の他車両に対してグレアを与えないようにヘッドランプの配光制御を行う車両用照明装置であって、
    前記車両前方の他車両以外の光反射物であって、道路の長手方向に沿って延在又は移動する光反射物を検出する光反射物検出手段と、
    前記光反射物検出手段により前記光反射物が検出された場合に、前記ヘッドランプの配光制御における配光パターンの変化を抑制する、又は、ハイビームからロービームに切り換える制御手段とを備えることを特徴とする、車両用照明装置。
  2. 車両前方の他車両に対してグレアを与えないようにヘッドランプの配光制御を行う車両用照明方法であって、
    前記車両前方の他車両以外の光反射物であって、道路の長手方向に沿って延在又は移動する光反射物を検出するステップと、
    前記光反射物ステップにより前記光反射物が検出された場合に、前記ヘッドランプの配光制御における配光パターンの変化を抑制する、又は、ハイビームからロービームに切り換えるステップとを備えることを特徴とする、車両用照明方法。
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