JP2023115849A - 車両用撮像装置 - Google Patents

Abstract

【課題】撮像装置による撮像画像から、撮像対象までの距離を求めることができる車両用撮像装置を提供すること。
【解決手段】明領域と暗領域が交互に一定間隔で繰り返される所定の照射パターンで車両２における所定の配光領域１６に光を照射する光照射部（光照射部としてのパターン照射灯具４）と、配光領域１６を含む撮像領域１７を撮像する撮像部（撮像部としてのカメラ７）と、撮像部が撮像した画像から、隣り合う明領域ａ１の距離に基づいて撮像対象（歩行者１５）までの距離（Ｄｒ１、Ｄｒ２）を算出する算出手段（算出手段としての演算処理部８）と、を備えた車両用撮像装置。
【選択図】図５

Description

本発明は、車両用撮像装置に関する。

単眼の撮像装置とレーダを利用して、撮像装置による撮像画像から識別された歩行者との距離をレーダで測定し、歩行者との衝突を回避する措置を行う技術が対案されている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１の技術では、撮像装置により撮像した物体の撮像画像情報をニューラルネットワーク手法を適用して処理し、歩行者を識別し、歩行者との距離をレーダで算出するようにしている。

特開２００７－１４８８３５号公報

しかしながら、撮像装置は、歩行者の識別のための情報取得に用いられ、距離情報を得るには、別途にレーダ等の照射式測距手段を備える必要がある。

本発明は、上述のような状況に鑑みてなされたものであり、撮像装置による撮像画像から、撮像対象までの距離を求めることができる車両用撮像装置を提供すること目的とする。

（１） 明領域と暗領域が交互に一定間隔で繰り返される所定の照射パターンで車両（例えば、後述する車両２）における所定の配光領域（例えば、後述する配光領域１６）に光を照射する光照射部（例えば、後述するパターン照射灯具４）と、前記配光領域を含む撮像領域（例えば、後述する撮像領域１７）を撮像する撮像部（例えば、後述する撮像部としてのカメラ７）と、前記撮像部が撮像した画像から、隣り合う明領域（例えば、後述する明領域ａ１）の距離に基づいて撮像対象までの距離を算出する算出手段（例えば、後述する算出手段としての演算処理部８）と、を備えた車両用撮像装置。

（１）の車両用撮像装置では、光照射部から明領域と暗領域が交互に一定間隔で繰り返される所定の照射パターンで車両における所定の配光領域に光を照射することにより、歩行者を認識しやすくすると共に、この照射パターンを投射した配光領域を含む撮像領域を撮像部で撮像して得た画像から、算出手段により、隣り合う明領域の距離に基づいて撮像対象までの距離を算出する。撮像部のほかに測距手段を設けることなく撮像対象までの距離を算出することができる。

本発明の一実施形態としての車両用撮像装置を搭載した車両を正面視で示す模式図である。 本発明の一実施形態としての車両用撮像装置における光照射部の概念的構成図である。 本発明の一実施形態としての車両用撮像装置における光照射部の配光領域を夜間の運転視野で見た様子を示す模式図である。 本発明の一実施形態としての車両用撮像装置における撮像部および算出手段の概念的構成図である。 本発明の一実施形態としての車両用撮像装置における撮像部および算出手段による距離算出の手法を説明する図である。

以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、配光領域とは光の照射域であり、照射パターンとは配光領域における光の照射形態である。

図１は、本発明の一実施形態としての車両用撮像装置を搭載した車両を正面視で示す模式図である。車両用前照灯装置１は、車両２の車幅方向中央位置から見て左右対称になる形態で、左側と右側とにそれぞれ備えられている。車両用前照灯装置１は車幅方向外側から内側に向かう順に、ターンシグナル灯具３、光照射部としてのパターン照射灯具４、ロービーム灯具５、ハイビーム灯具６が配置される。車両２の車室内でフロントウィンドウの上辺中央に撮像部としてのカメラ７が前方に向けて設置されている。

ターンシグナル灯具３は、通常のこの種の灯具である。パターン照射灯具４は、明領域と暗領域が交互に一定間隔で繰り返される照射パターンで、車両２における後述する配光領域に光を照射する。ロービーム灯具５は、ロービーム所定の配光領域に光を照射する。ハイビーム灯具６は、ハイビーム所定の配光領域に光を照射する。カメラ７は、パターン照射灯具４の配光領域を含む撮像領域を撮像する。なお、車両用前照灯装置１を備えた車両２を、以下、適宜、自車両２と称する。

図２は、図１の車両用前照灯装置におけるパターン照射灯具４の概念的構成図である。パターン照射灯具４は、投射パターンジェネレータ４１、パネル駆動回路４２、光変調部４３および投射光学系４４を含んで構成される。なお、実際には、パネル駆動回路４２と光変調部４３とは離れて配置されることにより遮熱がはかられ、この両者はハーネスで結ばれる。投射パターンジェネレータ４１は、車両２に搭載された図示しない灯具制御ＥＣＵから供給されるパターン選択信号Ｐｓｓで規定される形態の明領域と暗領域が交互に一定間隔で繰り返される照射パターンを表す照射パターン信号Ｐｔｓを生成する。

パネル駆動回路４２は、灯具制御ＥＣＵから供給される起動指令信号Ｓｃｓにより起動し、投射パターンジェネレータ４１が発する照射パターン信号Ｐｔｓで規定される明領域と暗領域が交互に一定間隔で繰り返される照射パターンを形成するための素子駆動信号Ｅｄｓを発して光変調部４３を駆動する。これにより、光変調部４３が、投射光学系４５を通して、後述する配光領域１６に照射パターンを車両２前方に照射する。

図１の光照射部としてのパターン照射灯具４による照射パターンは、明領域と暗領域が交互に一定間隔で繰り返される照射パターンであればどのようなパターンでもよく、例えば格子状や水平に対して傾斜した網状などが好適に適用できる。これらの照射パターンは、図２におけるパターン選択信号Ｐｓｓに応じて投射パターンジェネレータ４１から選択的に出力される照射パターン信号Ｐｔｓにより規定される。この照射パターン信号Ｐｔｓ応じてパネル駆動回路４２が素子駆動信号Ｅｄｓを発して光変調部４３を駆動する。光変調部４３が、投射光学系４５を通して、後述する配光領域１６に上記のような照射パターンを車両２前方に照射する。

図３は、本発明の一実施形態としての車両用撮像装置における光照射部としてのパターン照射灯具４の配光領域１６を夜間の運転視野で見た様子を示す模式図である。道路１１は、自車両の走行レーン１２の両側方に区画線１３と区画線１４とが引かれている。道路１１の自車両２の走行レーン１２の側方に歩行者１５が居る状況を想定している。配光領域１６は自車両２の左前部から前方に伸びるように設定される。図３の場合における配光領域１６に投射されている照射パターンは、網状である。カメラ７の撮像領域１７は、配光領域１６を含んでいる。

発明者等は、既に、明領域と暗領域が交互に繰り返される照射パターンで車両用前照灯装置１から光を照射することにより、歩行者１５の存在を素早く捉える技術を提案している。上述のような照射パターンで光を照射すると、実効的に点滅する光を照射する如く作用し、運転者の視覚特性で動きに対して感度が高い周辺視野で歩行者１５の存在が顕著に認識される。

明領域と暗領域が交互に繰り返される照射パターンの光を車両前方に照射するパターン照射灯具４を備えている場合には、投射された照射パターンを撮像手段によって撮像した撮像画像を解析することにより、撮像対象物までの距離を算定できる。配光領域１６を含む撮像領域１７を撮像する撮像部と、撮像部が撮像した画像から、隣り合う明領域の距離に基づいて撮像対象までの距離を算出する算出手段について次に説明する。

図４は、本発明の一実施形態としての車両用撮像装置における撮像部および算出手段の概念的構成図である。撮像部としてのカメラ７の撮像出力Ｓｉが算出手段としての演算処理部８に供給される。演算処理部８は画像処理回路８１と距離演算部８２とを含んで構成される。

画像処理回路８１は、カメラ７の撮像出力Ｓｉを解析し、カメラ７による撮像領域１７の画像から、パターン照射灯具４による照射パターンの、撮像対象の地点に対応する領域の画像データを抽出する。

距離演算部８２は、画像処理回路８１により抽出された画像データに基づいて、撮像画像空間内での照射パターンのサイズに基づいて、実空間における撮像対象までの距離を算出する。算出された距離を表すデータが演算処理部８から表示器９に供給されてその距離が表示され、また、距離信号Ｓｄとして出力される。演算処理部８における距離算出の手法について次に説明する。

図５は、撮像部としてのカメラ７および算出手段としての演算処理部８による距離算出の手法を説明する図である。図５に模式的に示される車両２に、光照射部としてのパターン照射灯具４、撮像部としてのカメラ７が搭載されているものとする。撮像対象は歩行者１５であると仮定する。パターン照射灯具４から投射された照射パターンがカメラ７で撮像される。図５では、カメラ７で撮像された照射パターンに対応する照射パターン画像Ｌｐが示される。即ち、照射パターン画像Ｌｐは撮像画像空間における撮像画像である。

照射パターン画像Ｌｐは、パターン照射灯具４による照射パターンに対応して明領域ａ１と暗領域ａ２が交互に一定間隔で繰り返される。撮像画像空間における隣り合う明領域ａ１、ａ１の距離は、実空間における歩行者１５の車両２（パターン照射灯具４、カメラ７）からの距離と一定の相関がある。

図５の例では、車両２に相対的に近い歩行者１５の位置での照射パターン画像Ｌｐについては、隣り合う明領域ａ１、ａ１について、それらの水平方向での距離がｄｈ１であり、垂直方向での距離がｄｖ１である。これら撮像画像空間における距離ｄｈ１、ｄｖ１に基づいて、実空間における歩行者１５の車両２（パターン照射灯具４、カメラ７）からの距離Ｄｒ１が一義的に定まる。同様に、車両２から相対的に遠い歩行者１５の位置での照射パターンＬｐについては、隣り合う明領域ａ１、ａ１について、それらの水平方向での距離がｄｈ２であり、垂直方向での距離がｄｖ２である。これら撮像画像空間における距離ｄｈ２、ｄｖ２に基づいて、実空間における歩行者１５の車両２（パターン照射灯具４、カメラ７）からの距離Ｄｒ２が一義的に定まる。従って、撮像画像空間における隣り合う明領域ａ１、ａ１の距離と、この距離に対応する実空間における歩行者１５の車両２（パターン照射灯具４、カメラ７）からの距離について、一定の普遍性がある対照テーブルを作成することが可能である。図４を参照して説明した演算処理部８における距離演算部８２では、このような対照テーブルを参照して、撮像対象である、例えば、歩行者１５の車両２（パターン照射灯具４、カメラ７）からの距離を割り出している。

本実施形態の車両用前照灯装置１によれば、以下の効果を奏する。

（１）の車両用撮像装置では、明領域と暗領域が交互に一定間隔で繰り返される所定の照射パターンで車両２における配光領域１６に光を照射するパターン照射灯具４と、配光領域１６を含む撮像領域１７を撮像する撮像部としてのカメラ７と、カメラ７が撮像した画像から、隣り合う明領域ａ１、ａ１の距離に基づいて撮像対象までの距離を算出する算出手段としての演算処理部８とを備えた。これにより、パターン照射灯具４明領域と暗領域が交互に繰り返される所定の照射パターンで配光領域１６に光を照射することにより、歩行者１５を認識しやすくすると共に、配光領域１６を含む撮像領域１７をカメラ７で撮像して得た画像から、演算処理部８により、隣り合う明領域ａ１、ａ１の距離に基づいて撮像対象である、例えば、歩行者１５までの距離を算出することができる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限られない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。例えば、パターン照射灯具４のパネル駆動回路４２からの素子駆動信号Ｅｄｓにより光変調部４３を駆動して照射パターンを照射するようにしたが、この構成は別の態様を採り得る。即ち、パターン照射灯具４を、素子駆動信号Ｅｄｓに類する信号によりマイクロミラー群を含むＤＭＤ（Digital Mirror Device）を駆動して、照射パターンを照射する態様のプロジェクターとして構成してもよい。またカメラ７のほかにレーダ等の測距手段を設けてもよく、この場合は車両用撮像装置による距離の算出を他の測距手段の補完とするとよい。

ａ１…明領域
ａ２…暗領域
Ｐｓ…照射パターン
Ｐｓｓ…パターン選択信号
Ｐｔｓ…照射パターン信号
Ｓｃｓ…起動指令信号
Ｅｄｓ…素子駆動信号
１…車両用前照灯装置
２…車両
３…ターンシグナル灯具
４…パターン照射灯具
５…ロービーム灯具
６…ハイビーム灯具
７…カメラ
８…演算処理部
９…表示器
１１…道路
１２…自車両の走行レーン
１３…区画線
１４…区画線
１５…歩行者
１６…配光領域
１７…撮像領域
４１…投射パターンジェネレータ
４２…パネル駆動回路
４３…光変調部
４４…投射光学系
８１…画像処理回路
８２…距離演算部

Claims (1)

1. 明領域と暗領域が交互に一定間隔で繰り返される所定の照射パターンで車両における所定の配光領域に光を照射する光照射部と、
   前記配光領域を含む撮像領域を撮像する撮像部と、
   前記撮像部が撮像した画像から、隣り合う明領域の距離に基づいて撮像対象までの距離を算出する算出手段と、を備えた、
   車両用撮像装置。
   
   
   

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