JP4796881B2 - 溶接ロボットシステム - Google Patents

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本願発明は、接続設定を簡略化できる溶接ロボットシステムに関する。
自動化された製造ラインにおいて、複数の溶接ロボットを同時に制御して溶接作業を行うための溶接ロボットシステムが使用されている。
図8は、従来の溶接ロボットシステムを示す構成図であり、マニピュレータとワイヤ送給装置などからなる複数の溶接ロボットと複数の溶接機とを溶接ロボット制御装置に接続したものである。
溶接機A,溶接機B,溶接機Cは、一本の通信ケーブル4を介して溶接ロボット制御装置2に接続され、ワイヤ制御ケーブル6を介してマニピュレータA,B,Cに取り付けられたワイヤ送給装置A、B、Cにそれぞれ接続されている。また、マニピュレータA,マニピュレータB、マニピュレータCは、それぞれロボット制御ケーブル5を介して溶接ロボット制御装置2に接続されている。
マニピュレータは、作業中に人が近づけないように、安全柵や壁に囲われた製造ラインの中に設置される。オペレータは、マニピュレータとは離れた場所に設置された溶接ロボット制御装置により、溶接ロボットの制御を行う。また、溶接機は狭いスペースにまとめて設置されることが多い。
各機器を設置し、各機器間をケーブルで接続するハード的な接続の後、各機器の制御を行うためのソフト的な接続のために、オペレータは溶接ロボット制御装置のティーチペンダントから、
(a)接続されている溶接機の台数
(b)溶接機番号と溶接機の機種、定格との対応付け
(c)溶接機とマニピュレータの対応関係
(d)溶接機に接続されているワイヤ送給装置の種別
などの情報を手入力し溶接機の接続状態を設定する。
次に、オペレータは、ティーチペンダントに表示された、溶接ロボット制御装置に予め記憶されている多くの設定ファイルの中から、使用する溶接モード(溶接機の機種、定格、溶接ワイヤの材質及びワイヤ径、ガスの種別、溶接法)に合わせた設定ファイルの選択を行う。設定ファイルは、溶接モードにより異なる溶接制御パラメータが記録されたファイルであり、各溶接モードに応じた溶接特性を定義したり、オペレータが教示時に入力する溶接施工条件の推奨値を初期値として算出表示したりすることに利用される。
溶接ロボット制御装置は、入力された(a)〜(d)の情報(以下、「溶接機接続情報」という。)および選択された設定ファイルの情報を基に、必要な溶接制御パラメータを選択する。また、溶接作業において、溶接ロボット制御装置は溶接機とマニピュレータの対応関係の情報を基に、互いに接続された溶接機とマニピュレータとの同期制御を行う。例えば、溶接機AとマニピュレータAとが対応しているとすると、溶接ロボット制御装置は、マニピュレータAに指示を出してマニピュレータAの先端に設けられた溶接トーチの先端を溶接開始点に位置させ、溶接機Aに溶接開始指示を出してアークを発生させながら、溶接トーチを溶接線方向に移動させるようマニピュレータを制御する。そして、溶接トーチの先端が溶接終了点に到達すると、溶接機Aにアーク発生を終了させる。
ところで、溶接法の変更をする場合には、溶接機を交換してハード的に再接続したうえで、ソフト的な接続状態の再設定のために溶接機接続情報を再入力しなければならない。生産品種が多品種にわたる場合、それぞれの品種に応じて溶接法が異なり、頻繁にハード的な再接続およびソフト的な接続状態の再設定を行わなければならないが、その都度溶接機接続情報を手入力するのは時間のロスであり、設定ミスの原因ともなる。再設定の省力化として、例えば、特開2003−103371号公報には複数の溶接設定を読み出し/書き込み可能なメモリに記憶することが記載されている。
特開2003−103371号公報
しかしながら、前記公報に記載の発明においても、初めて溶接機をコントローラ(本願における溶接ロボット制御装置に相当する。)に接続するときには、溶接機が接続された通信ポート番号をオペレータが選択し、溶接設定(本願における溶接機接続情報、溶接制御パラメータ、溶接方法や品種により異なる溶接施工条件に相当する。)を入力しなければならない。一般的に、溶接ロボット制御装置に接続される溶接機の数が多くなるほど、各溶接機についてハード的な接続作業とソフト的な接続作業が必要であるので、全体的な接続作業の時間が長くなり、しかもそれらの作業がオペレータの手作業によるものであれば、人的な設定ミスの機会が増加し、誤設定の可能性が高くなる。
〔溶接機の機種の誤設定〕
最近では、筐体や部品の共通化により、機種の異なる溶接機でも外観で区別するのは難しい上、溶接機は狭いスペースに据え付けられる事が多い。そのために溶接機を識別するための銘板等が隠れてしまうことが多く、据え付け後の溶接機の機種をオペレータが目視で見分けるのは困難になっている。また、拡張機器を内蔵したり外付けすることによって、対応できる溶接法を増やす事ができる溶接機もあり、このような機種を目視で判別することは更に困難になっているので、オペレータが溶接機の機種を間違って入力することがある。例えば、図8の溶接機A,B,Cは狭いスペースに一箇所にまとめて設置されていて、オペレータが目視で機種を判別することは困難である。
〔溶接機番号と溶接機の機種の対応付けの誤設定〕
溶接機の設置時に、オペレータは当該溶接機の溶接機番号設定スイッチにより溶接機番号を設定している。溶接ロボット制御装置は溶接機に指示を行う場合、この溶接機番号で溶接機を指定するようになっている。したがって、溶接ロボット制御装置に溶接機が複数接続されている場合には、溶接機番号と溶接機の機種とを対応付けする情報を入力する必要がある。しかし、溶接ロボット制御装置のティーチペンダントと溶接機は離れた場所に設置されることも多く、このような場合は、オペレータが各溶接機の機種と溶接機番号との対応関係を判別することは難しく、溶接機番号と溶接機の機種の対応付けが誤設定される可能性が高い。また、溶接ロボット制御装置には機種の異なる複数の溶接機が接続可能になされ、すべての溶接機が1本の通信線で接続されるように構成されたものもあり、このような場合は、溶接ロボット制御装置にどの溶接機が接続されているのかを接続ケーブルから判別することもできず、溶接機の機種と溶接機番号との対応付けの情報が誤って入力され易い。例えば、図8において、一本の通信ケーブル4を介して溶接ロボット制御装置2に接続されている溶接機A,B,Cは溶接ロボット制御装置2のティーチペンダントから離れた場所に設置されていて、オペレータがティーチペンダントから溶接機番号と溶接機の機種との対応付けを入力するのは困難である。
〔溶接機とマニピュレータの対応関係の誤設定〕
溶接機とマニピュレータは離れた場所に設置されることが多く、マニピュレータは安全柵や壁で囲われた場所に設置されるので、一度配線をしてしまうと溶接機とマニピュレータとの対応をオペレータが目視で確認することは難しい。このため、オペレータが溶接機の接続状態を設定するときに、溶接機とマニピュレータの対応関係を間違って入力してしまうことがある。例えば、図8において、マニピュレータA,B,Cが安全柵で囲われた製造ライン上に設置されているとき、各マニピュレータが離れた場所にまとめて設置してあるどの溶接機と接続されているかをオペレータが目視で確認することは困難である。
以上のように、溶接機の機種や溶接機とマニピュレータの対応関係などについて間違った設定が入力されてしまった場合、各溶接機で正しい溶接動作が行われないので、再度設定し直さなければならないが、オペレータが間違った箇所を探して誤設定を正しい内容に修正するには相当の時間を要する。
また、設定ファイルを選択する際に表示される設定ファイルの数が多く、接続されている周辺機器によっては実際には使用できない設定ファイルも表示されているため(例えば、ワイヤ送給装置にはφ1.2の軟鋼ソリッドワイヤ用の送給ロールが取り付けられていても、他のワイヤを使用するときの設定ファイルも表示される。)、目的の設定ファイルを見つけるのが難しい。
本願発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、溶接機の接続状態の設定において、情報を自動収集することで手入力を減らして設定ミスを削減し、また、収集した情報から条件に合う設定ファイルを選択して表示する溶接ロボットシステムを提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
本願発明によって提供される溶接ロボットシステムは、先端に溶接トーチを備えるとともに、この溶接トーチに溶接ワイヤを送給するワイヤ送給装置を備えた1又は2以上のマニピュレータと、前記ワイヤ送給装置が制御ケーブルによって接続され、この制御ケーブルを通じて送給制御信号を送信することにより前記ワイヤ送給装置のワイヤ送給動作を制御するとともに、前記溶接ワイヤを溶融して溶接対象物の溶接を行わせる1又は2以上の溶接機と、前記1又は2以上のマニピュレータと前記1又は2以上の溶接機とが接続された溶接ロボット制御装置とを備え、前記マニピュレータ、前記溶接機及び前記ワイヤ送給装置で構成される1又は2以上の溶接ロボットの溶接動作が前記溶接ロボット制御装置によって制御される溶接ロボットシステムにおいて、前記ワイヤ送給装置は、前記溶接ロボット制御装置に信号ケーブルによって接続され、前記溶接ワイヤの送給動作に基づいて所定の信号を検出し、その検出信号を前記信号ケーブルを通じて前記溶接ロボット制御装置に伝送する信号検出手段を備え、前記溶接ロボット制御装置は、各溶接機に対応する前記ワイヤ送給装置の送給動作を行わせる送給動作制御手段と、前記送給動作制御手段による前記ワイヤ送給装置の送給動作によって前記検出信号を伝送してきた前記信号ケーブルを特定することで、各溶接機に対応するワイヤ送給装置を特定し、各溶接機毎に前記溶接ロボットの構成を設定する設定手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
このような構成によれば、溶接機とワイヤ送給装置との対応関係が自動的に収集されるので、手入力の手間が省けるうえに、溶接ロボット制御装置に複数のワイヤ送給装置と溶接機が接続されていても、実際の配線を基に接続情報を取得するので接続関係を間違えることがない。
また、請求項1に記載の溶接ロボットシステムにおいて、前記信号検出手段は、前記ワイヤ送給装置が送給する溶接ワイヤの種類を表す信号を検出し、前記設定手段は、前記溶接ロボットの構成に対応付けて、伝送された検出信号に基づく溶接ワイヤの種類を設定することを特徴とする(請求項2)。また、請求項1又は2に記載の溶接ロボットシステムにおいて、前記ワイヤ送給装置は、前記溶接ワイヤを前記溶接トーチに送り出す送給ロールを備え、前記信号検出手段は、前記送給ロールに設けられた前記溶接ワイヤの種類を示すマークと、前記送給ロールの回転によって前記マークを読み取り、当該マークに基づく信号を出力する読取手段とからなることを特徴とする(請求項)。
このような構成によれば、送給ロールに設けられたマークが読み取られて、マークに基づく信号が溶接ロボット制御装置に送信される。
また、請求項1ないし3のいずれかに記載の溶接ロボットシステムにおいて、前記溶接ロボット制御装置は、複数の項目によって特定される溶接モードに対応して設定され、各溶接モードの溶接制御パラメータが予め設定された複数のファイルと、各溶接機に機種の情報を要求し、当該機種の情報を取得する機種情報取得手段と、前記機種情報取得手段によって取得された各溶接機の機種情報と、各溶接機に対応するワイヤ送給装置から取得した溶接ワイヤの種類とから、前記複数のファイルのうち、前記設定手段で設定された各溶接機に対応する溶接ロボットが実行可能なファイルを抽出するファイル抽出手段と、前記ファイル抽出手段によって抽出されたファイルを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする(請求項)。
このような構成によれば、請求項1で自動収集された情報に加え、溶接機の機種の情報が、自動的に収集されるので、更に手入力の手間が省かれる。また、たくさん有る設定ファイルの中から、得られた情報に合った設定ファイルが選択されて表示されるので、目的の設定ファイルを選びやすくなる。
また、請求項に記載の溶接ロボットシステムにおいて、前記表示手段は、前記溶接ロボット制御装置に着脱可能に接続されるティーチペンダントであることを特徴とする(請求項)。
このような構成によれば、選択された設定ファイルがティーチペンダントに表示される。
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本願発明に係る溶接ロボットシステムの溶接ロボット制御装置と溶接ロボットと溶接機を説明するための構成図であり各1台ずつが接続された構成図である。この溶接ロボットシステムでは、溶接ロボットに設けられた溶接トーチによってワーク(被溶接物)Wに対して溶接が行われる。溶接ロボットシステムは、溶接ロボット1と、溶接ロボット制御装置2と、溶接機3とによって大略構成されている。溶接ロボット制御装置2は、通信ケーブル4により溶接機3と接続されている。図1では、溶接ロボット制御装置2に溶接ロボット1と溶接機3がそれぞれ1台ずつ接続されている例を示している。
溶接ロボット1は、ワークWに対してアーク溶接を自動で行うものであり、マニピュレータ11、ワイヤ送給装置12、コイルライナ13、溶接トーチ14、溶接ワイヤ15によって大略構成されている。
マニピュレータ11は、フロア等の適当な箇所に固定されるベース部材111と、それに複数の軸を介して連結された複数のアーム112と、複数のアーム112の両端又は片端に設けられた複数の駆動モータ(サーボモータ)113(一部図示略)とによって構成されている。マニピュレータ11は、ロボット制御ケーブル5によって溶接ロボット制御装置2と接続されている。
各アーム112に設けられた駆動モータ113は、溶接ロボット制御装置2からロボット制御ケーブル5により送信される駆動信号によって回転駆動され、この各駆動モータ113が回転駆動されることにより、各アーム112が変位し、結果的に溶接トーチ14が上下前後左右に移動可能とされる。
ワイヤ送給装置12は、マニピュレータ11の上部に設けられている。ワイヤ送給装置12は、溶接トーチ14に対して溶接ワイヤ15を送り出すためのものである。ワイヤ送給装置12は、ワイヤ制御ケーブル6によって溶接機3と接続され、信号ケーブル7によって溶接ロボット制御装置2に接続されている。なお、信号ケーブル7は、ロボット制御ケーブル5と束ねられて供に溶接ロボット制御装置2からマニピュレータ11に接続されていて、マニピュレータ11内の配線を介してワイヤ送給装置12に接続されている。ワイヤ送給装置12は、設置されている送給モータ123により種別(例えば、駆動方式、モータ種別、定格、送給ロール数等)が異なり、制御方法も違ってくる。
図2(a)はワイヤ送給装置12の内部構成を示す図である。ワイヤ送給装置12は、送給ロール121、押付ロール122、送給モータ123、読み取りセンサ124、駆動軸125、軸126によって大略構成されている。図2(b)もワイヤ送給装置12の内部構成を示す図であり、図2(a)のAの方向から見たものである。
送給ロール121は、ワイヤ送給装置12内部の上方に設置され、押付ロール122は、送給ロール121との間に溶接ワイヤ15を挟持するべく送給ロール121の下側に設置されている。送給ロール121は、送給モータ123の駆動軸125に固着され、この送給モータ123の回転により回転駆動される。一方、押付ロール122は、ワイヤ送給装置12の本体に設けられた軸126に回転可能に取り付けられている。読み取りセンサ124は送給ロール121と送給モータ123の間に設置されている。
送給ロール121及び押付ロール122は、略同一の円盤形状をなし、金属や硬質の樹脂などで作成されている。送給ロール121の外周面の周方向には、溶接ワイヤ15の材質及びワイヤ径に合わせたワイヤガイド溝121aが設けられている。一方、押付ロール122の外周面にはワイヤガイド溝は設けられていない。溶接ワイヤ15は、送給ロール121のワイヤガイド溝121aと押付ロール122の外周面との間で挟持され、送給ロール121が、例えば、図2(a)において時計周りに回転することにより左側に送り出される。
送給ロール121の背面(送給モータ123側の面)の中心から等距離の位置、すなわち同心円上には、当該送給ロール121を識別するための識別溝121bが設けられている。送給ロール121に設けられたワイヤガイド溝121aは、溶接ワイヤの材質及びワイヤ径に合わせて設けられているので、使用される溶接ワイヤ15により対応する送給ロールは決まっている。逆に言えば、ワイヤ送給装置12に取り付けられた送給ロール121によって当該ワイヤ送給装置12によって給送される溶接ワイヤ15の材質及びワイヤ径が決定される。したがって、送給ロール121の識別溝121bは、当該送給ロール121が適用可能な溶接ワイヤ15の情報を記録したもので、この情報を読み取りセンサ124で読み取ることにより、ワイヤ送給装置12によって送給される溶接ワイヤ15の材質及びワイヤ径が識別できるようにするものである。なお、送給ロール121は、溶接ワイヤ15の材質及びワイヤ径の種類に応じて複数種類が用意され、種類の異なる送給ロール121間では識別溝121bのパターンが相互に相違することは言うまでもない。
押付ロール122は、図示しないスプリングなどにより送給ロール121に押し付けられ、送給ロール121との間で溶接ワイヤ15を挟持する。
送給モータ123は、溶接機3からワイヤ制御ケーブル6を介して送信される制御信号によって回転駆動が制御され、駆動軸125を介して送給ロール121を回転させる。
読み取りセンサ124は、マイクロスイッチによる接触センサであり、スイッチをいれるためのレバーを有し、送給ロール121の背面に設けられた識別溝121bを読み取るもので、読み取ったパルス信号を信号ケーブル7を介して溶接ロボット制御装置2に送信する。レバーは、送給ロール121の識別溝121bが形成された面(以下、「溝面」という。)には達するが、識別溝121bの底面には達しない長さを有している。レバーの先端が溝面に位置しているときには、レバーが押されてスイッチが入り、ローレベルの信号が出力され、レバーの先端が識別溝121bに位置しているときには、レバーは押されずにスイッチが入らず、ハイレベルの信号が出力される。
本実施形態では、読み取りセンサ124に接触センサを用いているが、光センサや電界又は磁界の変化を検出するセンサを用いてもよいし、送給ロール121にバーコードを設けて光センサで読み取るようにしてもよい。
例えば、識別溝121bの読み取りに反射型光センサを用いる場合、識別溝121bの底面を反射した光は光センサの受光面に到達するが、溝面を反射した光は反射角の相違により光センサの受光面に到達しないので、その受光量を2値化することにより、読み取りセンサ124が溝面に位置しているときには、ローレベルの信号が出力され、読み取りセンサ124が識別溝121bに位置しているときには、ハイレベルの信号が出力される。また、識別溝121bの読み取りに電界センサ又は磁界センサを用いる場合、読み取りセンサ124が溝面に位置しているときと、識別溝121bに位置しているときとで読み取りセンサ124の周囲に発生している電界又は磁界が変化する(導体が近接することにより、電界又は磁界が乱されて変化する)ので、この変化を2値化することにより、読み取りセンサ124が溝面に位置しているときには、ローレベルの信号が出力され、読み取りセンサ124が識別溝121bに位置しているときには、ハイレベルの信号が出力される。
図3は、読み取りセンサ124から出力されるパルス信号のパターンを説明するための図である。
図3(a)は、同一長の識別溝121bが等間隔で3本設けられた送給ロール121と読み取りセンサ124との初期位置Sにおける位置関係を示す図であり、同図(b)は、同図(a)の状態から送給ロール121を反時計回り(矢印Rの方向)に回転した場合に読み取りセンサ124から出力されるパルス信号のパターンを示す図である。送給ロール121がT(秒)/回の回転速度で回転すると、読み取りセンサ124からは同図(b)に示すパルス信号が出力される。同図(b)のパルス(ア),(イ),(ウ)はそれぞれ同図(a)の識別溝(ア),(イ),(ウ)の検出位置に対応している。同図(a)に示す識別溝121bの例は、3本の同一長の識別溝121bが等間隔で設けられているので、パルス(ア),(イ),(ウ)の幅(すなわち、ハイ期間Thigh)は同一で、かつ、パルス間隔(すなわち、ロー期間Tlow)も同一である。従って、読み取りセンサ124からは送給ロール121の回転速度に応じて周波数は変化するが、デューティ比(Thigh/(Thigh+Tlow))が一定のパルス信号が出力されることになる。
図3(c)は、同図(a)おいて、識別溝121bのパターンを、2本の長い識別溝121b(ア),121b(ウ)と2本の短い識別溝121b(イ),121b(エ)とを等間隔で交互に配置したパターンに変更した図であり、同図(d)は、同図(c)の状態から送給ロール121を反時計回り(矢印Rの方向)に回転した場合に読み取りセンサ124から出力されるパルス信号のパターンを示す図である。なお、長い識別溝121b(ア),121b(ウ)の長さは相互に同一であり、短い識別溝121b(イ),121b(エ)の長さも相互に同一である。送給ロール121がT(秒)/回の回転速度で回転すると、読み取りセンサ124からは同図(d)に示すパルス信号が出力される。同図(d)のパルス(ア),(イ),(ウ),(エ)はそれぞれ同図(c)の識別溝(ア),(イ),(ウ),(エ)の検出位置に対応している。同図(c)に示す識別溝121bの例は、長い識別溝121bと短い識別溝121bとが等間隔で交互に設けられているので、読み取りセンサ124から出力されるパルス信号は、同図(d)の期間T’におけるパルス信号を基本パターンとし、この基本パターンが繰り返されたパルス信号となる。なお、同図(c)の例においても、読み取りセンサ124からは送給ロール121の回転速度に応じて周波数は変化するが、基本パターンにおけるパルス(ア),(イ)の部分のデューティ比(Thigh/(Thigh+Tlow))はそれぞれ変化しないことは同じである。
図1に戻って、コイルライナ13は、ワイヤ送給装置12が送り出した溶接ワイヤ15を溶接トーチ14に導くものである。
溶接トーチ14は、マニピュレータ11の最も先端側に設けられたアーム112の先端部に設けられている。溶接トーチ14は、溶加材としての例えば直径1mm程度の溶接ワイヤ15をワークWの所定の溶接位置に導くものである。なお、溶接ワイヤ15のワイヤ径は溶接の条件によって異なり、ワイヤ送給装置12にセットされる送給ロール121によって決定される。
溶接ワイヤ15は、溶接トーチ14から外部に突出して消耗電極として機能する。すなわち、溶接ワイヤ15とワークWにはそれぞれ溶接機3から電圧印加用の電源ケーブル8,9が接続されており、溶接機3によって溶接ワイヤ15の先端とワークWとの間に高電圧を印加してアークを発生させ、そのアークの熱で溶接ワイヤ15を溶融させることにより、ワークWに対して溶接が施される。
溶接ロボット制御装置2は、溶接ロボット1の動作を制御するためのものである。溶接ロボット制御装置2は、予め記憶されている制御ソフトウェア及び図示しないエンコーダからの現在位置情報等に基づいて、溶接ロボット1の各駆動モータ113の駆動を制御して、溶接トーチ14をワークWの所定の溶接点に移動させる。また、溶接ロボット制御装置2は、通信ケーブル4を介して溶接機3と通信をすることにより当該溶接機3と同期を取り、例えば、溶接の開始や終了、出力電圧などの指示を行う。また、溶接ロボット制御装置2は、溶接機3にワイヤ送給装置12の制御の指示も行う。また、溶接ロボット制御装置2は、溶接ロボットシステムを設置する際の設置作業において、溶接機接続情報と溶接ワイヤ情報(溶接ワイヤの材質及びワイヤ径)を自動収集し、収集した情報により、後述する設定ファイルを選択して表示する。なお、溶接機接続情報と溶接ワイヤ情報の自動収集の具体的な動作については後述する。
図4は、溶接ロボット制御装置2の内部構成及びその周辺装置を示すブロック図である。溶接ロボット制御装置2は、CPU21、RAM22、ROM23、タイマ(TIMER)24、ハードディスク25、ティーチペンダントI/F26、操作ボックスI/F27、及びサーボドライバI/F28を備えており、各部はバス(BUS)31によって相互に接続されている。
ティーチペンダントI/F26には、ティーチペンダント33が接続され、操作ボックスI/F27には、操作ボックス34が接続されている。また、サーボドライバI/F28には、溶接ロボット制御装置2の内部に設けられた6つのサーボドライバ35が接続され、サーボドライバ35には、溶接ロボット1に設けられた6つの駆動モータ113がそれぞれ接続されている。
CPU21は、本溶接ロボット制御装置2の制御中枢となるものであり、教示された作業プログラム、ティーチペンダント33や操作ボックス34からの操作信号、あるいは図示しないエンコーダからの現在位置情報等に基づいて、所定のデータ処理を行い、バス31及びサーボドライバI/F28を介してサーボドライバ35に動作指令を与える。これにより、駆動モータ113が回転駆動され、溶接トーチ14が移動される。また、CPU21は、溶接機接続情報と溶接ワイヤ情報を取得し、得られた情報から後述する設定ファイルを選択して、ティーチペンダント33の表示装置33aに表示する。
RAM22は、CPU21に対して作業領域を提供するものであり、計算データ等を一時的に記憶する。
ROM23は、溶接ロボットの動作を制御するための制御ソフトウェアを格納するものである。
ハードディスク25は、溶接ロボットの溶接作業が教示された作業プログラム、この作業プログラムの実行条件を示すデータ、制御定数を示すデータ等を格納するものである。また、後述する設定ファイルを格納している。
タイマ24は、予め定められた定期時刻ごとに同期信号をCPU21に対して発生するものである。同期信号は、CPU21がサーボドライバ35に対して動作指令信号を出力する際の更新タイミングとして用いられる。
ティーチペンダントI/F26は、ティーチペンダント33とのインターフェースを司るものである。ティーチペンダント33は、例えば表示装置33aとキーボード33bとを有し、溶接ロボット1の動作を手動で行う際にユーザによって操作されるものである。CPU21は、このティーチペンダント33からの操作信号を受け取ることにより所定のデータ処理を行うとともに、ティーチペンダント33に対して表示データを送ることにより、操作情報を表示させる。また、ティーチペンダント33は、キーボード33bより溶接機接続情報の設定モードへの切替が入力されたときには、自動取得した情報により選択された設定ファイルを表示装置33aに表示する。
操作ボックスI/F27は、操作ボックス34とのインターフェースを司るものである。操作ボックス34は、自動運転モード又は手動モードの選択、起動、開始、停止等の各種操作をユーザによって可能にするものである。CPU21は、この操作ボックス34からの操作信号を受け取ることにより所定のデータ処理を行う。
サーボドライバI/F28は、サーボドライバ35とのインターフェースを司るものである。サーボドライバ35は、CPU21からの動作指令信号に基づいて、6つの駆動モータ113をそれぞれ駆動制御するものである。複数のマニピュレータ11を制御するために、サーボドライバ35は複数設置されているが、図4では省略されている。設置されているサーボドライバ35の数だけマニピュレータ11を制御できる。また、各サーボドライバ35の出力ポートには番号が割り当てられていて、出力ポートに接続されたマニピュレータ11のマニピュレータ番号となる。
図1に戻って、溶接機3は、図示しない溶接電源を備えており、溶接電源は電源ケーブル8,9を介して溶接トーチ14とワークWとの間に高電圧の溶接電圧を供給するものである。また、溶接機3は、所定のタイミングで、又は溶接ロボット制御装置2からの指示によりワイヤ送給装置12の送給モータ123を駆動させる機能も有している。溶接機3は電源を入れられたときに、接続されているワイヤ送給装置12の種別情報(例えば、駆動方式、モータ種別、定格、送給ロール数等)を接続されているコネクタの違いにより認識して取得している。また、溶接機3に内蔵されている制御ソフトウェアには、溶接機3の機種に関する情報が組み込まれている。よって、溶接ロボット制御装置2から通信ケーブルを介して問い合わせがあった場合、溶接機3の機種と接続されているワイヤ送給装置12の種別の情報を返信することができる。なお、電源が入れられていない場合は情報を返信することができないので、当該溶接機3は接続されていないものと判断される。
図5は、溶接ロボット制御装置2のハードディスク25に保管されている設定ファイルの一部である。設定ファイルは、溶接機の機種、定格、使用される溶接ワイヤの材質及びワイヤ径、ガス種別、溶接法により異なる溶接制御パラメータが記録されたファイルであり、各溶接モードに応じた溶接特性を定義したり、オペレータが教示時に入力する溶接施工条件の推奨値を初期値として算出表示したりすることに利用される。言い換えると、オペレータが設定ファイルの中から上記した溶接機の機種、定格等の使用環境に応じた設定ファイルを選択すると、溶接ロボット制御装置2は設定ファイルに基づいて溶接特性を設定する。また、教示時においては、設定ファイルに基づいて溶接施工条件の推奨値を算出してティーチペンダントの表示装置33aに表示させる。表示された推奨値を基にオペレータはティーチペンダントのキーボード33bを介して溶接ロボット制御装置2に溶接施工条件を入力する。
設定ファイルは溶接機の機種、定格、使用される溶接ワイヤの材質及びワイヤ径、ガス種別、溶接法ごとに存在し、オペレータは100種類以上の設定ファイルから選択しなければならないこともあった。本願発明は、自動収集された情報に該当する設定ファイルだけを選択して表示させることで、オペレータが目的の設定ファイルを選択し易くしている。例えば、図5の設定ファイルにおいては、溶接機の機種がA、ワイヤ材質が軟鋼ソリッド、ワイヤ径がφ1.2との情報が自動収集された場合、設定ファイルNo.3,No.50,No.51のみが表示される。オペレータは、表示された3つの設定ファイルからガス種別、溶接法が該当する設定ファイルを選択すればいいので、設定ファイルの選択作業が簡単になる。
図6は、本願発明に係る溶接ロボットシステムを示す構成図であり、溶接ロボット制御装置に複数の溶接ロボットと複数の溶接機とを接続したものである。
溶接機A,溶接機B,溶接機Cは、一本の通信ケーブル4を介して溶接ロボット制御装置2に接続され、ワイヤ制御ケーブル6を介してマニピュレータA,B,Cに取り付けられたワイヤ送給装置A、B、Cにそれぞれ接続されている。溶接機A,溶接機B,溶接機Cには、例えば、「1」,「2」,「3」などの溶接機番号がそれぞれに割り当てられている。溶接機番号は、溶接ロボット制御装置2に接続された複数の溶接機A,B,Cを識別するための番号である。溶接ロボット制御装置2は溶接機番号により制御対象の溶接機を特定し、溶接機番号を指定して制御指令を出力することにより各溶接機A,B,Cの溶接動作を制御する。
また、マニピュレータA,マニピュレータB、マニピュレータCは、それぞれロボット制御ケーブル5を介して溶接ロボット制御装置2に接続され、その接続する溶接ロボット制御装置2の出力ポートに割り当てられた番号により、例えば、「1」,「2」,「3」などのマニピュレータ番号がそれぞれに割り当てられている。マニピュレータ番号も溶接機番号と同様の機能を果たすものである。溶接ロボット制御装置2はマニピュレータ番号により制御対象のマニピュレータを特定し、マニピュレータ番号を指定して制御指令を出力することにより各マニピュレータA,B,Cの溶接動作を制御する。
また、ワイヤ送給装置A,ワイヤ送給装置B,ワイヤ送給装置Cは、それぞれ信号ケーブル7を介して溶接ロボット制御装置2に接続されている。なお、信号ケーブル7は、それぞれロボット制御ケーブル5と束ねられて供に溶接ロボット制御装置2から各マニピュレータA、B、Cに接続されていて、各マニピュレータ内の配線を介してワイヤ送給装置12に接続されている。
溶接ロボット制御装置2は、溶接機接続情報の設定モードへの切替が行われたときに、接続されている溶接機の台数とそれぞれの溶接機の機種、定格、各溶接機に対応しているマニピュレータのマニピュレータ番号とワイヤ送給装置の種別、各溶接機に使用される溶接ワイヤの材質及びワイヤ径の情報を取得し、取得した情報により溶接機番号ごとに設定ファイルを絞り込んで表示する。オペレータは、表示された設定ファイルから使用するガス種別と溶接法を選択して設定ファイルを特定する。
また、溶接ロボット制御装置2は溶接作業において、取得した溶接機とマニピュレータの対応情報に従って、対応する溶接機とマニピュレータを同期させて溶接指示を出す。例えば、溶接機AとマニピュレータAとが対応しているとすると、溶接ロボット制御装置2は、マニピュレータAに指示を出してマニピュレータAの先端に設けられた溶接トーチ14の先端を溶接開始点に位置させ、溶接機Aに溶接開始指示を出してアークを発生させながら、溶接トーチ14を溶接線方向に移動させるようマニピュレータを制御する。そして、溶接トーチ14の先端が溶接終了点に到達すると、溶接機Aにアーク発生を終了させる。
次に、溶接ロボット制御装置2が溶接機接続情報および溶接ワイヤ情報を取得し、表示する設定ファイルを選択する処理手順について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
図7は、溶接ロボット制御装置2が溶接機接続情報および溶接ワイヤ情報を取得し、表示する設定ファイルを選択する処理手順についてのフローチャートである。このフローチャートは、マニピュレータ、溶接機、ワイヤ送給装置の設置、電気的配線などのハード的な接続をした後の、ソフト的な接続状態の設定を自動的に行い、自動収集した情報を基に条件に該当する設定ファイルを選択して表示するためのものである。
オペレータが溶接機接続情報の設定モードへの切替を行うことで溶接機接続情報の取得処理が開始される。
まず、溶接機番号のカウンタnが1に初期化され、溶接機の台数をカウントするカウンタmが0に初期化される(S1)。
次に、nが溶接機番号の最大値を超えたか否かが判別される(S2)。超えていないと判別されると(S2:NO)、溶接機番号nの溶接機3に、機種、定格、拡張機器の有無、当該溶接機3に接続されているワイヤ送給装置12の種別の問い合わせが行われる(S3)。溶接機番号の最大値とは、溶接機の溶接機番号設定スイッチで設定できる番号の最大値である。
規定時間が経過するまで待って(S4)、溶接機3からの返信があったか否かが判別さ
れる(S5)。返信があった場合(S5:YES)、複数の返信があったか否かが判別される(S6)。複数の返信がなかった場合(S6:NO)、返信された溶接機3の機種が、溶接ロボット制御装置2が認識しているものであったか否かが判別される(S7)。溶接機3の機種が認識しているものであった場合(S7:YES)、番号nに対応させて溶接機3の機種、定格、拡張機器の有無、当該溶接機3に接続されているワイヤ送給装置12の種別が記憶される(S8)。溶接ロボット制御装置2が認識していない溶接機の機種とは、例えば、溶接ロボット制御装置2に予め設定ファイルが記憶されていない溶接機の機種である。この場合、当該溶接機に関しては溶接機接続情報の自動収集は行われず設定ファイルも設定されていないので、溶接機接続情報及び溶接制御パラメータを手入力しなければならない。
次に、溶接機台数カウンタmが1増加され(S9)、溶接機番号カウンタnが1増加され(S10)、ステップS2に戻る。ステップS2からステップS10までの処理が溶接機番号の最大値まで繰り返され、各溶接機番号の溶接機3の機種、定格、拡張機器の有無、当該溶接機3に接続されているワイヤ送給装置12の種別が取得される。
ステップS5において溶接機3からの返信がなかった場合(S5:NO)、溶接機3が接続されていないか電源が入っていないので溶接機台数にカウントされず、ステップS10に進む。ステップS6において複数の返信があった場合(S6:YES)、溶接機番号の設定ミスとしてオペレータにエラーが通知され(S11)、溶接機接続情報取得処理が終了される。ステップS7において溶接機3の機種が認識しているものでなかった場合(S7:NO)、後で手入力を必要とする旨がオペレータに通知され(S12)、ステップS9に進む。
ステップS2においてnが溶接機番号の最大値を超えたと判別されると(S2:YES)、すべての溶接機番号について問い合わせが終わったと判断され、mが溶接ロボット制御装置2に接続している溶接機3の台数として記憶され(S13)、溶接機番号カウンタnが1に初期化される(S20)。
続いて、溶接機番号カウンタnが溶接機番号の最大値を超えたか否かが判別され(S21)、超えていないと判別されると(S21:NO)、溶接機番号nの溶接機3が接続されているか否かが判別される(S22)。
接続されている場合は(S22:YES)、当該溶接機3により、接続されているワイヤ送給装置12の送給モータ123が一定速度で回転させられる(S23)。ワイヤ送給装置12の送給モータ123の制御方法は、ワイヤ送給装置12の種別により異なるが、ステップS8で記憶された、溶接機に接続されているワイヤ送給装置12の種別の情報に従って制御される。
溶接ロボット制御装置2はワイヤ送給装置12の読み取りセンサ124からマニピュレータ11の内部配線および信号ケーブル7を介して送信されてくるパルス信号を、すべての信号ケーブル7において監視している。回転させられる送給モータ123は1台だけなので、送信されてくるパルス信号が変化する信号ケーブル7は1つだけであり、当該信号ケーブル7に接続されているワイヤ送給装置12が特定され、当該ワイヤ送給装置12が設置され、その内部配線により当該信号ケーブル7と当該ワイヤ送給装置12を接続させているマニピュレータ11も特定される。また、溶接ワイヤ15の材質及びワイヤ径により使用される送給ロール121が異なり、送給ロール121に設けられた識別溝121bは送給ロール121ごとにパターンが異なるので、識別溝121bのパターンを読み取った読み取りセンサ124から送信されてきたパルス信号のパターンにより、当該溶接機に使用される溶接ワイヤ15の材質及びワイヤ径が判別される。
特定されたマニピュレータ11のマニピュレータ番号と使用される溶接ワイヤ15の材質及びワイヤ径が、溶接機番号nに対応して記憶され(S24)、溶接機番号カウンタnが1増加され(S25)、ステップS21に戻る。ステップS21からステップS25までの処理が溶接機番号の最大値まで繰り返され、各溶接機番号の溶接機に対応するマニピュレータ11のマニピュレータ番号と当該溶接機に使用される溶接ワイヤ15の材質及びワイヤ径が取得される。
ステップS22において溶接機番号nの溶接機3が接続されていない場合は、ステップ23,24を飛ばして、ステップS25に進む。ステップ21においてnが溶接機番号の最大値を超えたと判別されると(S21:YES)、記憶された情報のうち溶接機3の機種、定格、使用される溶接ワイヤ15の材質及びワイヤ径の情報から設定ファイルの候補が選択されて、溶接機番号ごとに表示される(S26)。オペレータにより選択された設定ファイルNoが入力されると、選択された設定ファイルに記録されている溶接制御パラメータが記憶される(S27)。
上記のように、本実施形態では、オペレータが溶接機接続情報の設定モードへの切替を行うことで、溶接機接続情報および溶接ワイヤ情報が取得され、取得された情報のうち、溶接機の機種、定格、使用される溶接ワイヤの材質及びワイヤ径により設定ファイルの候補が選択されて、溶接機番号ごとに表示される。オペレータは表示された設定ファイルから、使用するガス種別と溶接法を選択して設定ファイルを特定すればいいので作業が簡単になる。また、自動的に溶接機接続情報が収集されるので、手入力の手間が省かれるうえに、溶接ロボット制御装置に複数のマニピュレータと溶接機が接続されていても、実際の配線を基に接続情報が取得されるので、接続関係が間違えて入力されることがない。
なお、上記実施形態では、溶接機は電源を入れられたときに、接続されているワイヤ送給装置の種別情報を取得しているだけだが、取得されたワイヤ送給装置の種別情報と溶接機の機種情報などを溶接ロボット制御装置に送信するようにしてもよい。溶接機が送信した情報を受信した溶接ロボット制御装置は、当該溶接機に、接続されているワイヤ送給装置の送給モータを駆動させ、読み取りセンサから信号ケーブルを介して送信されてきた情報により溶接ワイヤの材質及びワイヤ径の情報を得て、情報が送られてきた信号ケーブルにより当該溶接機に対応するマニピュレータ番号を得る。溶接機接続情報などが未設定であれば、得られた情報を記憶し、設定済みであれば設定されている情報と得られた情報とを比較して相違があればオペレータに再設定するか否かを確認する。このようにすれば、溶接機が新たに接続されたときや、接続されている溶接機が変更されたときに、設定モードへの切替が行われなくても、自動的に溶接機接続情報が収集され設定される。
また、上記実施形態では、溶接機とマニピュレータの対応の情報を得るために、ワイヤ送給装置の読み取りセンサからの送信信号を利用しているが、溶接機からの制御指示によって変化する、ワイヤ送給装置から出力される信号であれば何でもよい。例えば、送給モータのエンコーダフィードバックやモータ電流でもよい。また、その場合、溶接ワイヤの材質及びワイヤ径の情報は、オペレータが溶接ロボット制御装置のティーチペンダントから手入力してもよい。
また、上記実施形態では、溶接機が、接続されているコネクタの違いによりワイヤ送給装置の種別情報を得ているが、種別の違うワイヤ送給装置が同一のコネクタに接続されるような場合は、電気的な接続の差異から接続されているワイヤ送給装置の種別を識別してもよいし、予めオペレータが溶接機に設けられているスイッチにより設定してもよい。また、溶接ロボット制御装置のティーチペンダントから手入力してもよい。
本願発明に係る溶接ロボットシステムの溶接ロボット制御装置と溶接ロボットと溶接機を説明するための構成図であり各1台ずつが接続された構成図である。 ワイヤ送給装置の内部構成を示す図である。 読み取りセンサから出力されるパルス信号のパターンを説明するための図である。 溶接ロボット制御装置の内部構成及びその周辺装置を示すブロック図である。 溶接ロボット制御装置のハードディスクに保管されている設定ファイルの一部である。 本願発明に係る溶接ロボットシステムを示す構成図であり、溶接ロボット制御装置に複数の溶接ロボットと複数の溶接機とを接続したものである。 溶接ロボット制御装置が溶接機接続情報および溶接ワイヤ情報を取得し、表示する設定ファイルを選択して表示する処理手順についてのフローチャートである。 従来の溶接ロボットシステムを示す構成図であり、溶接ロボット制御装置に複数のマニピュレータと複数の溶接機とを接続したものである。
1 溶接ロボット
11 マニピュレータ
12 ワイヤ送給装置
121 送給ロール
122 押付ロール
123 送給モータ
124 読み取りセンサ
125 駆動軸
14 溶接トーチ
15 溶接ワイヤ
2 溶接ロボット制御装置
3 溶接機
4 通信ケーブル
5 ロボット制御ケーブル
6 ワイヤ制御ケーブル
7 信号ケーブル
8,9 電源ケーブル
W ワーク

Claims (5)

  1. 先端に溶接トーチを備えるとともに、この溶接トーチに溶接ワイヤを送給するワイヤ送給装置を備えた1又は2以上のマニピュレータと、
    前記ワイヤ送給装置が制御ケーブルによって接続され、この制御ケーブルを通じて送給制御信号を送信することにより前記ワイヤ送給装置のワイヤ送給動作を制御するとともに、前記溶接ワイヤを溶融して溶接対象物の溶接を行わせる1又は2以上の溶接機と、
    前記1又は2以上のマニピュレータと前記1又は2以上の溶接機とが接続された溶接ロボット制御装置とを備え、
    前記マニピュレータ、前記溶接機及び前記ワイヤ送給装置で構成される1又は2以上の溶接ロボットの溶接動作が前記溶接ロボット制御装置によって制御される溶接ロボットシステムにおいて、
    前記ワイヤ送給装置は、
    前記溶接ロボット制御装置に信号ケーブルによって接続され、前記溶接ワイヤの送給動作に基づいて所定の信号を検出し、その検出信号を前記信号ケーブルを通じて前記溶接ロボット制御装置に伝送する信号検出手段を備え、
    前記溶接ロボット制御装置は、
    各溶接機に対応する前記ワイヤ送給装置の送給動作を行わせる送給動作制御手段と、
    前記送給動作制御手段による前記ワイヤ送給装置の送給動作によって前記検出信号を伝送してきた前記信号ケーブルを特定することで、各溶接機に対応するワイヤ送給装置を特定し、各溶接機毎に前記溶接ロボットの構成を設定する設定手段と
    を備えたことを特徴とする溶接ロボットシステム。
  2. 前記信号検出手段は、前記ワイヤ送給装置が送給する溶接ワイヤの種類を表す信号を検出し、
    前記設定手段は、前記溶接ロボットの構成に対応付けて、伝送された検出信号に基づく溶接ワイヤの種類を設定する、
    請求項1に記載の溶接ロボットシステム。
  3. 前記ワイヤ送給装置は、前記溶接ワイヤを前記溶接トーチに送り出す送給ロールを備え、
    前記信号検出手段は、前記送給ロールに設けられた前記溶接ワイヤの種類を示すマークと、前記送給ロールの回転によって前記マークを読み取り、当該マークに基づく信号を出力する読取手段とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接ロボットシステム。
  4. 前記溶接ロボット制御装置は、
    複数の項目によって特定される溶接モードに対応して設定され、各溶接モードの溶接制御パラメータが予め設定された複数のファイルと、
    各溶接機に機種の情報を要求し、当該機種の情報を取得する機種情報取得手段と、
    前記機種情報取得手段によって取得された各溶接機の機種情報と、各溶接機に対応するワイヤ送給装置から取得した溶接ワイヤの種類とから、前記複数のファイルのうち、前記設定手段で設定された各溶接機に対応する溶接ロボットが実行可能なファイルを抽出するファイル抽出手段と、
    前記ファイル抽出手段によって抽出されたファイルを表示する表示手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の溶接ロボットシステム。
  5. 前記表示手段は、前記溶接ロボット制御装置に着脱可能に接続されるティーチペンダントである、請求項4に記載の溶接ロボットシステム。
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