JP3769787B2 - 自動溶接機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接前に溶接条件を設定し溶接中にも溶接品質を自動管理すべく溶接条件を補正する自動溶接機の制御装置に係り、とりわけ溶接中に行う溶接品質の自動管理状況がオペレータにより視覚的に監視できるようにした自動溶接機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動アーク溶接では、最適な溶接条件(電流、電圧、速度)を設定しても、実際の溶接では、多くの現場外乱のために条件変動が生じ、溶接強度やビード外観を損なう等の弊害へとつながる。そこで、自動溶接における外乱を把握し、それが溶接品質にどのように影響するかを知って自動管理することが重要になる。
【0003】
図6は実際の溶接時に生じる外乱をまとめたものである。この図から外乱は、ティーチング精度不良、母材の変形等に起因するチップ母材間距離(トーチ内チップの先端と母材との距離)の変動と、トーチケーブル、フレキシブルコンジットケーブルの曲がや送給経路への異物の詰まり等に起因するワイヤ送給抵抗の変動に分けられる。
【0004】
前者のチップ母材間距離の変動は、図7に示すように溶接電流を反比例的に増減させ、その結果、電流に対する電圧のバランスが崩れることになる。そして、溶接電流が増減すると、溶接強度への影響が大きい脚長、溶込み深さの変動につながり、電流に対する電圧のバランスが崩れると、ビード外観への影響が大きいスパッタ発生量の増大、アンダーカット、ブローホール等の溶接欠陥を生じやすくなる。後者のワイヤ送給抵抗の変動は、ワイヤのノッキング現象を招いたり、ワイヤ送給装置の送給ローラのスリップを招き、ワイヤ送給速度が乱れて脚長変動、スパッタ多発につながる可能性がある。
【0005】
こうしたチップ母材間距離の変動やワイヤ送給抵抗の変動に対し、溶接条件を補正する必要があるが、従来は溶接電流や電圧のメータ指示値を監視しているだけあった。電流や電圧は溶接品質に関しては、間接的なパラメータなので、経験の不足したオペレータにとっては溶接品質の不良を発見しにくく、脚長、溶込み深さ、スパッタ発生が増大し、外乱の程度によっては溶接が停止しても、経験の不足したオペレータにとっては、溶接品質の劣化が生じていることや、溶接が停止した原因を認識することが困難で、外乱に対応して溶接条件を修正することは到底困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、溶接品質の状態が直接的に認識でき、溶接動作が停止した原因を経験の不足したオペレータでも容易に認識し得、その後の措置を即座に採り得るようにした自動溶接機の制御装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した請求項1の発明の要旨は、(a)溶接品質特性の代用特性を検出し、該代用特性に基づいて溶接条件の電流指令パラメータ及び電圧指令パラメータを補正する条件演算補正手段と、(b)上記代用特性より上記溶接品質特性の推定値を演算して溶接中にリアルタイムに画面に表示する表示手段とを具備したことにある。
【0008】
請求項2の発明の要旨は、上記表示手段が、(a)上記代用特性の推定値が予め定めた設定範囲より外れたり、上記溶接品質特性に影響する溶接パラメータが予め定めた設定範囲より外れたりした場合、その対応策を上記画面に表示することにある。
好適な態様では、上記溶接品質特性に影響する溶接パラメータとは、上記条件演算補正手段により検出ワイヤ送給速度と検出溶接電流とから演算したチップ母材間距離、継手のギャップを検出してその大きさを演算するギャップ演算手段のギャップ長であることを特徴とする。
【0009】
好適な態様では、上記溶接品質特性に関係した代用特性は、次表に示すようなものである。
【0010】
【表1】
Figure 0003769787
好適な態様では、上記表示手段は、画面に表示した内容を日時を併記したハードコピーに転送可能に構成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る自動溶接機の制御装置を図面を参照して詳細に説明する。
本自動溶接機の制御装置は、例えば図1に示すように、消耗電極としてのワイヤが送給される溶接トーチ1を保持したロボット2と、該ロボット2へ溶接速度とティーチングデータTDとを指令して該ロボット2を制御するロボットコントローラ5と、上記溶接トーチ先端のチップ(図示略)を介して上記ワイヤに電流、電圧を出力する溶接電源3と、上記ワイヤを上記トーチ1へ送給するワイヤ送給装置8と、本溶接の開始前の基本仕様入力に基づき溶接速度WS、電流I及び電圧V並びにこれら電流I及び電圧Vを上記溶接電源3より出力させるための各指令パラメータPI ,PV からなる溶接条件を設定し、該設定した溶接速度をロボットコントローラ5へ指令するとともに、上記溶接電源3へ電流と電圧の各指令パラメータPI ,PV を指令する溶接コントローラ4とを具備するものであり、溶接コントローラ4とロボットコントローラ5とは、一体の溶接制御電子制御装置として構成してもよい。
【0012】
また、ワイヤ送給装置8により送給されるワイヤはその検出ワイヤ送給速度 MRa がエンコーダ12より検出されて溶接コントローラ4に送出されるようになっている。
更に、上記溶接トーチ1にはレーザ光源と光検出部が一体となって継手の形状を光走査してセンシング信号11aを得るレーザセンサユニット(非接触形センサ)11が取付けられ、該センシング信号11aに基づいて継手のギャップ長を算出できるようになっている。
【0013】
しかして、上記ロボットコントローラ5は、継手ごとのティーチングデータのメモリを有し、溶接コントローラ4に対し溶接の開始/終了(アークON/OFF信号)、ギャップセンシングの開始/終了(ON/OFF)等の各種タイミング信号を送出したり、溶接コントローラ4から溶接条件を呼出す信号5aを発生するものである。
【0014】
溶接コントローラ4は、溶接条件の初期設定と外乱及び算出されたギャップ長に応じて溶接条件の演算補正(自動管理)とを行うもので、継手形状、姿勢、脚長、チップ母材間距離及び板厚又は必要な場合に溶接速度若しくはすみ肉溶接以外の溶接断面積等の基本仕様が、例えば一つの製品におけるN個の継手毎に入力される仕様入力手段41と、該仕様入力手段41に入力された基本仕様より溶接条件を演算にて設定する初期条件設定手段42と、該初期条件設定手段42の演算及び後述する条件演算補正手段の演算に用いる各演算式が格納された演算式メモリ43と、上記初期条件設定手段42によって設定された継手ごとの溶接条件を格納する本溶接条件ファイル45と、上記初期条件設定手段42で設定した溶接条件のうち初期電流指令パラメータPI 及び初期電圧指令パラメータPV を溶接品質特性の代用特性に応じて修正し、修正後の電流指令パラメータPI 及び修正電圧指令パラメータPV とする条件演算補正手段44と、該条件演算補正手段44で演算若しくは検出した溶接品質特性の代用特性より溶接品質特性の推定値をグラフ化するべく表示処理する表示処理手段48及びディスプレイ49とからなる表示手段とを主体に構成される。
【0015】
上記初期条件設定手段42で設定された溶接条件若しくは上記条件演算補正手段44で演算補正がされた溶接条件のうち、溶接速度WSは既述したようにロボットコントローラ5に送出され、各指令パラメータPI ,PV は、D/A変換器によりアナログ信号の電流指令信号i及び電圧指令信号vとなって溶接電源3に送出されるようになっている。
【0016】
また、上記溶接コントローラ4は、算出されたギャップ長に応じて電流I又は溶接速度を補正するため、上記レーザセンサユニット11からのセンシング信号11aとロボットコントローラ5からのセンシング開始信号を入力して継手のギャップ長を演算するギャップ演算手段47を具備している。
上記ギャップ演算手段47は、上記センシング信号11aを所定の波形処理によってギャップ長に対応したギャップ波形部を抽出し、該ギャップ波形部よりギャップ長を演算するものである。この演算は、本発明の範疇から外れるので説明を割愛する。
【0017】
また、ギャップ演算手段47は、演算したギャップ長が例えば0.1〜2mmの範囲の場合に、そのときのギャップ長と補正を指示する信号47aを上記条件演算補正手段44に出力し、ギャップ長が2〜3mmの範囲の場合にギャップ大を示す信号47bをギャップ埋め条件ファイル46に出力する。このギャップ埋め条件ファイル46は、本溶接の前にロボット2の溶接トーチ1により行うギャップ埋め前溶接に使用する溶接条件を格納したものである。従って、ギャップ埋め条件ファイル46は、ギャップ演算手段47からギャップ大を示す信号47bが出力されると、該信号47bによりアクセスされて所定の溶接条件を読出し、該溶接条件に応じた指令パラメータPI ,PV をそれぞれのD/A変換器を介して溶接電源3に送出することができる。
【0018】
また、ギャップ演算手段47は、ギャップ長が3mmを超える場合に、ギャップ埋め条件ファイル46の溶接条件でもギャップを埋めることができないことを指示する信号47cを出力してシステムを停止するようになっている。
次に上記構成により本アーク溶接の自動制御がいかに行われるかを図2のフローチャートを用いて説明する。
【0019】
図2に示すように、全体の構成は、ステップS1 〔基本仕様入力〕及びステップS2 〔最適溶接条件の自動設定〕からなる準備処理と、ステップS4 〔本溶接開始〕以降の制御ループとからなり、準備処理は仕様入力手段41及び初期条件設定手段42が行う処理、制御ループは、条件演算補正手段44が行う処理である。ただし、上記準備処理と制御ループとの間には、溶接継手にギャップ(スキ間)があるか否かの判断ステップS3 が挿入されており、ギャップが有る場合はステップS17〔ギャップ部の自動管理〕に進む。
【0020】
さて、ロボットコントローラ5からアークON信号が出力されると、これを受けて溶接コントローラ4はステップS5 〔溶接品質特性の代用特性をサンプリング又は演算〕〜ステップS14〔アークOFF信号入力?〕の制御ループを実行する。
上記ステップS5 では、検出ワイヤ送給速度MRa 、検出溶接電流Ia 、検出溶接電圧Va 及び検出短絡回数Sa をサンプリングするとともに、溶込み深さの推定式より溶込み深さPを演算している。検出ワイヤ送給速度MRa 及び溶込み深さPは、本発明のいう溶接品質特性の代用特性となるが、検出短絡回数Sa は、検出溶接電圧Va (短絡時の電圧)が所定のしきい値より低下する回数を計数したものである。
【0021】
上記制御ループは、基本仕様入力時に決定するステップS6 〔電流一定制御か〕の判断でステップS7 〔電流一定制御〕の溶接を行うか、ステップS8 〔脚長一定制御〕及びステップS9 〔溶込み深さ確保制御〕を相補的に行う溶接かに分岐する。
(1)電流一定制御の溶接とは、電流を一定とすることを優先させ、溶込み深さを一定に維持するもので、薄板の溶接に適し、溶接強度の確保は勿論、溶接電流の増大による抜けの発生を防止する。
【0022】
(2)脚長一定制御と規定溶込み深さ確保制御とを相補的に行う溶接とは、ワイヤ送給速度一定を優先して脚長一定制御を行う間に、電流の変動、特に低下してもある値以下になると溶接電流を増大させて規定溶込み深さを確保するものであり、厚板の溶接に適する。規定溶込み深さの値は基本仕様入力時に設定する。
更に、溶接コントローラ4は、上記(1)又は(2)の制御を行いつつ、パルス溶接の場合はステップS10〔短絡回数・アーク長一定制御〕を実行し、マグ溶接の場合はステップS11〔スプレー有〕の判断の後、ステップS12〔スプレー移行型制御〕かステップS13〔短絡移行型制御〕を実行する。
【0023】
(3)上記パルス溶接の場合の短絡回数・アーク長一定制御とは、基本仕様入力時に設定した短絡回数に検出短絡回数Sa がほぼ等しく(具体的には下限値S1 と上限値S2 の範囲内にあり)、安定するように電圧を制御するもので、スパッタ発生量を抑制するとともに、アーク長を最小(一定)に保って、アンダーカット及びブローホール等の発生を未然に防止するものである。
【0024】
(4)上記マグ溶接の場合のスプレー移行型制御とは、初期条件設定手段42で演算により設定したスプレー移行型溶接の最適電圧(スプレー化電圧という)を常に保持する機能で、検出溶接電圧Va がスプレー化電圧とほぼ等しくなるように電圧を制御し、最適ビード外観を保つものである。
(5)上記マグ溶接の場合の短絡移行型制御とは、初期条件設定手段42で演算により設定した短絡移行型溶接の最適電圧を常に保持する機能で、検出溶接電圧Va が短絡移行型の最適電圧とほぼ等しくなるように電圧を制御し、最適ビード外観を保つものである。
【0025】
(6)また、上記制御ループと並列に処理されるステップS15〔EXT演算〕及びステップS16〔表示(警告)〕は、チップ母材間距離EXTを演算して、この距離が短か過ぎる場合と長過ぎる場合に警告するものである。即ち、チップ母材間距離が長過ぎると電流が不足して溶込み深さを確保できなくなり、チップ母材間距離が短か過ぎると電流が過大となって必要溶込み深さを超過し薄板の場合突き抜けを生じる虞れがあるので、以下に説明するように、上記(3)〜(5)の溶接中、常にチップ母材間距離EXTを演算して、異常の場合に音声と画面により警告を発する。
【0026】
次に、表示処理手段48は、本溶接中に行われる上記制御ループ中のS5 でサンプリング若しくは演算された溶接品質特性の代用特性よりその溶接品質特性の推定値をディスプレイ49に表示するための信号処理を行っている。この信号処理により表示される溶接品質管理画面を説明する。
図3に(2)の脚長一定制御と規定溶込み深さ確保制御とを相補的に行いつつ、(3)パルス溶接の短絡回数・アーク長一定制御、(4)のマグ溶接のスプレー移行型制御又は(5)のマグ溶接の場合の短絡移行型制御を行うときの溶接品質管理画面を示す。
【0027】
この溶接品質管理画面では、指定脚長の指示値欄21と、脚長のバラツキの上限値と下限値をパーセント(指定脚長からのバラツキの割合)で表した上限値欄22及び下限値欄23を有し、これらに対応して脚長の変動を表す棒グラフ24を表示したものである。棒グラフ24は、検出ワイヤー送給速度MRa に応じて上限値欄22と下限値欄23に対応した横枠25中を変化する。なお、横枠25の中央が指定脚長である。この棒グラフ24が変化する上記横枠25の右側には「OK」、「NG」及び「脚長一定制御」のメッセージ欄26,27及び28がそれぞれ設けられ、メッセージ欄28の表示がアクティブ状態となるとともに、棒グラフ24が上下限値範囲に対応した枠内にあるとき、即ち、脚長が正常のとき「OK」のメッセージ欄26の表示がアクティブ状態となり、脚長が上下限値範囲から外れると「NG」のメッセージ欄27の表示がアクティブ状態となる。
【0028】
また、推定式により演算された溶込み深Pさが、脚長表示の下側に設けられる。溶込み深さPの表示は、横枠欄29に数値30が目盛られており、演算された溶込み深さPの変動に応じて斜線にて示す棒グラフ31が変化するようになっている。溶込み深さ表示の横枠欄29の右側には、「OK」及び「NG」のメッセージ欄32、33が設けられ、溶込み深さが別画面で入力した規定溶込み深さより大きな値であるとき、「OK」のメッセージ欄32の表示がアクティブ状態となり、規定溶込み深さ確保の制御によっても溶込み深さが規定溶込み深さより小さくなるときは、「NG」のメッセージ欄33の表示がアクティブ状態となる。なお、規定溶込み深さ確保の制御が働いている時は、メッセージ欄33の右側の溶込み制御43がアクティブ状態となる。
【0029】
また、溶接品質管理画面には、単位時間tを基準としたスパッタ(短絡回数)の表示を行っている。この短絡回数の横枠欄34には、例えばパルス溶接の場合、「0」〜「10」の数値35が目盛られており、検出短絡回数Sa を横枠欄34にアクティブ表示される棒グラフ36によって指示するようになっている。そして、この棒グラフ36の評価は、右隣に表示される「少」、「中」及び「多」の文字枠37〜39のいずれかがアクティブ表示されることで、オペレータに認識させるようになっている。なお、マグ溶接の場合は、短絡回数がパルス溶接より大きくなるので、「0」〜「10」より大きな範囲の数値に切替わる。
【0030】
更に、本溶接品質管理画面では、ギャップをセンシングした場合は、ギャップ長の数値が枠40に表示される。そして、この値が別画面で入力したギャップ長管理上限以下の場合には、枠40右側の「OK」のメッセージ欄41がアクティブ状態となり、同ギャップ長管理上限を超える場合には、「NG」のメッセージ欄42がアクティブ状態となる。
【0031】
このように本溶接品質管理画面では、厚板の溶接に適した脚長一定制御と規定溶込み深さ確保制御とを相補的に行う溶接の場合、棒グラフ24の動きによって指定脚長からの変化が認識され、棒グラフ31の動きによって溶込み深さが規定溶込み深さ以上あるか否かが認識され、棒グラフ36によってスパッタ発生回数を認識でき、溶接強度に関係した脚長及び溶込み深さとビード外観に関係したスパッタ等の発生状況をオペレータが容易に把握できる。
【0032】
図4に(1)の電流一定制御を行いつつ、(3)パルス溶接の短絡回数・アーク長一定制御、(4)のマグ溶接のスプレー移行型制御又は(5)のマグ溶接の場合の短絡移行型制御を行うときの溶接品質管理画面を示す。
この電流一定制御の溶接の場合、脚長に関したメッセージ欄28の表示が「電流制御」となる。また、棒グラフ24の表示と「OK」、「NG」のメッセージ欄26,27は消える。
【0033】
このような溶接品質管理画面では、電流一定制御の溶接の場合、脚長変動(ワイヤ送給速度変動)を許容する制御なので、脚長の指示値欄21に設定脚長だけが表示される。ところが、電流変動が生じないように電流を一定に制御しようとしても、チップ母材間距離EXTの変動が非常に大きく、電流一定制御できなくなると、チップ母材間距離EXTが設定より異常に長くなっていないかを後述するEXT演算プログラムによって提示される警告を確認する必要がある。
【0034】
なお、短絡回数及びギャップ長は、脚長一定制御の場合と同様に棒グラフ36と枠40に表示される。
次に本溶接コントローラ4が具備したチップ母材間距離の表示(警告)機能は、図5に示すように、先ず、ステップS62〔EXT=f(MRa ,Ia )〕で EXTを演算する。このステップS62で用いる演算式は、EXT,MR及びIのうち各一つを一定として残り二つの各関係式を実験により求めたものである。チップ母材間距離が求められると、ステップS63〔EXTo-K143<EXT<EXTo+K144 によって許容バラツキ範囲(EXTo- K143〜EXTo+K144 )内にあるか否かを判断し、バラツキ範囲内の場合は、ステップS64によってその値を溶接コントローラ4の画面に表示する。また、ステップS63でバラツキ範囲外の場合はステップS65に進み、演算EXTがEXTO −K143 より小さい場合はステップS66によってチップ母材間距離が初期設定値EXTo より短か過ぎることを警告し、演算チップ母材間距離EXTがEXTO −K143 に等しいか大きい場合はステップS67によってチップ母材間距離が初期設定値EXTo より長すぎることを警告する。
【0035】
従って、このようにチップ母材間距離が異常となったときに、例えば「チップ母材間距離が大きすぎますチィータングデータを見直して下さい」というメッセージをオペレータに発することにより、オペレータはロボットティーチングを見直し、ティーチング修正後はチップ母材間距離のバラツキを少なくして、上述した溶接品質管理のための各制御の安定性がさらに図られることになる。
【0036】
また、本溶接コントローラ4は、プリンタを接続することにより、設定脚長、溶込み深さ及びギャップ長と、それぞれの「OK」、「NG」の発生状況を年、月、日、時刻とともにプリントアウトすることができる。
このようなプリント機能を有することにより、生産状況の把握が容易となり、NGの多いロットについての検討を踏むことにより、長期に亘り安定な生産性を確保することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、溶接品質特性の代用特性より演算した溶接品質特性の推定値をリアルタイムに画面に表示するようにしたので、直接に溶接品質状況を把握でき、溶接条件のこれらの表示が設定値より頻繁に外れた動きを示す場合等において、その溶接品質項目について溶接条件を見直し溶接コントローラの条件補正動作を円滑に実行させる管理が経験のないオペレータでも容易に行うことができるようになる。
【0038】
また、チップ母材間距離の不良やギャップ埋め溶接が不可能なギャップ大の警告とともにその対策を表示するようにしたので、対応作業を即座に採りえて、生産性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した設備の全体を示す説明図である。
【図2】 本発明に係る溶接コントローラが行う動作を示すフローチャートである。
【図3】 脚長一定制御と規定溶込み深さ確保制御とを相補的に行いつつ、パルス溶接の短絡回数・アーク長一定制御等を行うときの溶接品質管理画面を示す説明図である。
【図4】 電流一定制御を行いつつ、パルス溶接の短絡回数・アーク長一定制御を行うときの溶接品質管理画面を示す説明図である。
【図5】 本発明のチップ母材間距離の表示(警告)機能を説明するフローチャートである。
【図6】 アーク溶接における外乱を整理した説明図である。
【図7】 アーク溶接におけるチップ母材間距離と溶接電流の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1は溶接トーチ、2はロボット、3は溶接電源、4は溶接コントローラ、8はワイヤ送給装置、12はエンコーダ、44は条件演算補正手段、48は表示処理手段、49はディスプレイ、EXTはチップ母材間距離、Iは溶接電流、Vは溶接電圧、Ia は検出溶接電流、Va は検出溶接電圧、MRはワイヤ送給速度、MRa は検出ワイヤ送給速度、MRC は理論ワイヤ送給速度、WSは溶接速度、iは電流指令信号、vは電圧指令信号であり、各図において同一の要素には共通の符号を付す。

Claims (2)

  1. 溶接トーチ先端のチップを介して溶接電源からの電流及び電圧をワイヤに送給し、該ワイヤを電流により溶融しつつ該溶接トーチを保持したロボットをティーチングデータにより作動させて溶接を行う自動溶接機において、
    溶接品質特性の代用特性を検出し、該代用特性に基づいて溶接条件の電流指令パラメータ及び電圧指令パラメータを補正する条件演算補正手段と、上記代用特性より上記溶接品質特性の推定値を演算して溶接中にリアルタイムに画面に表示する表示手段とを具備したことを特徴とする自動溶接機の自動制御装置。
  2. 上記表示手段は、上記代用特性の推定値が予め定めた設定範囲より外れたり、上記溶接品質特性に影響する溶接パラメータが予め定めた設定範囲より外れたりした場合、その対策を上記画面に表示することを特徴とする請求項1記載の自動溶接機の自動制御装置。
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