JP2008080360A - 自動溶接機の位置検出システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
溶接ロボットの制御装置10はレーザ変位センサLSからの測距データに基づいて例えばV字継手等の画像解析を行うレーザ変位センサ制御装置LUを備える。レーザ変位センサ制御装置LUは、画像解析に基づいて、例えばV字継手の開先形状に関する特徴点や物理量(ギャップ量、開先深さ、開先角度θ1、開先角度θ2)を含む開先情報を取得する。そして、レーザ変位センサ制御装置LUは、特徴点に基づいて例えばV字継手等の位置ずれを検出する。
【選択図】図1
Description
図20(a)に示すように、ロボット制御装置RCでは、既ティーチングされた教示データであるプログラムによる再生動作で一方向サーチ命令の直前点に到達すると、レーザ変位センサ制御装置LUにレーザ照射指令を出力し、その後一方向サーチ命令を出力する。このレーザ照射指令に応じてレーザ変位センサ制御装置LUはレーザ変位センサLSをレーザON状態にするとともに、一方向サーチ命令の実行でレーザ変位センサLSは距離測定を開始する。又、同時にロボット制御装置RCの制御によりマニピュレータの溶接トーチとともにレーザ変位センサLSはサーチ目標点に向かって動作を開始する。そして、レーザ変位センサLSは、レーザ光を投射し得られた測距データをレーザ変位センサ制御装置LUに出力する。レーザ変位センサ制御装置LUは前記測距データに基づいて、高さ検出を行い、この高さが決められた基準高さとなるまで計測を継続する。
なお、レーザ変位計を使用した従来技術としては特許文献1〜5が公知である。特許文献1はレーザ変位計の光軸調整に関する特許であり、特許文献2はレーザ変位計による溶接位置補正に関する特許である。又、特許文献3〜5はレーザ変位計を用いた開先位置検出に関する技術である。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項において、開先形状に応じた画像解析プログラムを記憶する画像解析プログラム記憶手段を備え、前記画像解析手段は、前記画像解析プログラム記憶手段が記憶した画像解析プログラムのうち、選択された画像解析プログラムに従って画像解析を行い、前記開先情報取得手段は前記選択された画像解析プログラムに従って前記溶接継手に関する特徴点を含む開先情報を取得することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、画像解析手段及び開先情報取得手段が溶接継手形状に応じた画像解析プログラムに従って実行するため、種々の溶接継手形状に応じた特徴点を取得することができるとともに前記特徴点に基づいて溶接継手の位置ずれを検出することができる。
以下、本発明に係る自動溶接機の位置検出システムを溶接ロボットの制御装置に適用した第1実施形態を図1〜10を参照して説明する。
次に、ロボットの制御装置10における開先情報取得機能のための一方向サーチの手順を図9、図10(a)、(b)を参照して説明する。
なお、ロボット制御装置RCはレーザ変位センサ制御装置LUにレーザ照射指令を出力した時点での、マニピュレータMの位置をサーチ開始点座標として記憶する。
(4) 前記レーザ照射指令に応じたレーザ変位センサ制御装置LUの制御によりレーザ変位センサLSは距離測定(すなわち、測距データの取得)を開始し、同時にマニピュレータMの溶接トーチ14はサーチ終了点に向かって動作を開始する。そして、レーザ光を投射し得られた測距データがレーザ変位センサLSからレーザ変位センサ制御装置LUに入力される。
ここで、特徴点と物理量を溶接継手としてのV字継手、重ね継手及び円弧位置を例にして説明する。
V字継手の場合、図4に示すように、左右の溶接母材(ワークW)の開先において、両溶接部材上面の延長平面Eに位置する開先の中点Pを特徴点としている。V字継手の場合、ギャップ量、開先深さ、開先角度θ1、開先角度θ2を物理量としている。ギャップ量Gは図4に示すように開先の左右の溶接母材の互いに離間した端の縁部の距離(左右の溶接母材の開先端間距離)である。開先深さHは、開先溝の深さである。開先角度θ1は、一方の溶接母材の開先側の角度であり、開先角度θ2は他方の溶接母材の開先側の角度である。
重ね継手の場合、図5に示すように、上板Uの端角(上板角という)のポイントを特徴点としている。又、上板Uと下板Sの離間距離を物理量であるギャップ量としている。なお、重ね継手のギャップ量は、レーザ変位センサLSから下板Sまでの測距データと上板Uまでの測距データとの差を取って、その値から、予め設定されている上板Uの板厚を引くことにより得ることができる。
ここで、レーザ変位センサ制御装置LUが行う画像解析による特徴点及び物理量の算出について説明する。この画像解析は、表1に示される検出パターン番号に対応した画像解析プログラムがレーザ変位センサ制御装置LUのコンピュータにて読み込まれて下記(1)〜(10)の順序で実行される。なお、下記説明中、該コンピュータが実行するときに参考とされる検出パラメータは表1に示された検出パラメータ1〜9に記載されているものである。これらの検出パラメータは、特徴点及び物理量を算出するための検出条件である。
(3)続いて、レーザ変位センサ制御装置LUは測距距離から検出パラメータ1(データ上限値)〜検出パラメータ2(データ下限値)の範囲外のデータを除外し、その中でデータ最深部を探索する(図6参照)。図6において、黒点は測距データ取得時のサンプリング点を示している。
(8)次に、レーザ変位センサ制御装置LUは開先左端から検出パラメータ7で指定したオフセット量分、左に移動した位置を中心に左開先外近似直線を引く。同様に右開先外近似直線を引く(図6参照)。
(10)そして、レーザ変位センサ制御装置LUは左開先部近似直線と左開先外近似直線の交差角を開先角度θ1、右開先部近似直線と右開先外近似直線の交差角を開先角度θ2とする(図6参照)。
(3)続いて、レーザ変位センサ制御装置LUは頂点をサンプリング点を基にラフに探索する(図8参照)。図8の黒点は測距データ取得時のサンプリング点を示している。
(5)次に、レーザ変位センサ制御装置LUは頂点から、検出パラメータ2下がった位置を探索する。(4)で整形したデータ(以下、整形データという)の左端から探索を開始し、
((測距データ)−(頂点−検出パラメータ2))<検出パラメータ3
となる点を点Aとする。同様に整形データ右端から探索を行い、点Bを求める。
(7)そして、レーザ変位センサ制御装置LUは、左右方向はCの座標、上下方向は頂点の高さの座標の位置を特徴点とする。
さて、話を元に戻して、レーザ変位センサ制御装置LUは、画像処理で得られた画像データ上の特徴点と、ロボット制御装置RCより送信されたサーチ開始点及びサーチ終了点のロボット座標より、ロボット座標での特徴点座標を求め、物理量と合わせてロボット制御装置RCに返信する。
そして、最初の一方向サーチ動作時にはこれらが基準点(基準位置)として記録される。その様子を図7に示す。なお、図7は説明の便宜上サーチ方向がロボット座標系のX軸と平行に図示しているが、実際のサーチは必ずしもX軸と平行である必要はない。
(ずれ量の算出)
上記のようにして、ロボット制御装置RCがレーザ変位センサ制御装置LUから返信された特徴点の座標と先に記憶した基準点の座標からずれ量を以下の式で算出し、ロボット制御装置RCのコンピュータが備えるメモリ等の記憶装置のずれ量補正ファイルに格納する。
又、ロボット制御装置RCは、レーザ変位センサ制御装置LUから返信された物理量、例えば、ギャップ量、開先深さ、開先角度θ1、開先角度θ2の大きさに応じて、制御量としての溶接電流や、溶接速度や、ウィービング振幅を変化させる。例えば、ギャップ量が基準としている量よりも長くなれば、ロボット制御装置RCは溶接電流を増加させたり、溶接速度を遅くしたり、或いはウィービング振幅を広くする。又、逆にギャップ量が基準としている量よりも短くなれば、ロボット制御装置RCは溶接電流を減少させたり、溶接速度を速くしたり、或いはウィービング振幅を狭くする。
(1) 本実施形態の溶接ロボットの制御装置10は、レーザ変位センサLSからの測距データに基づいて例えばV字継手等の画像解析を行う画像解析手段としてレーザ変位センサ制御装置LUを備える。そして、レーザ変位センサ制御装置LUは、開先情報取得手段として画像解析に基づいて、例えばV字継手の開先形状に関する特徴点や物理量(ギャップ量、開先深さ、開先角度θ1、開先角度θ2)を含む開先情報を取得する。そして、レーザ変位センサ制御装置LUは、特徴点に基づいて例えばV字継手等の位置ずれを検出するようにしている。この結果、本実施形態によれば、特徴点の検出のために複数のサーチ動作が必要でなくなるとともに開先形状を選ぶことがない。又、両溶接部材上面の延長平面Eに位置する開先の中点Pを特徴点とするように特徴点の対象を、不連続点ではなく連続点にすることができる。これは、特許文献4が、一方向サーチで距離データをサンプリングし、そのサンプリング点を結んだ線の傾きが急に変化する仮の点(不連続点)を特徴点としていたこととは本実施形態の構成が大いに異なることから生ずる特徴である。
(3) 又、本実施形態のロボットの制御装置10のロボット制御装置RCは、物理量に基づいてマニピュレータMの制御量を補正することができる。
次に、第2実施形態を図11〜15を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付してその詳細説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に上記開先情報取得機能を実現するために、前提条件として、前記レーザ変位センサLSのレーザ照射方向がツール座標系のいずれかの軸と平行となるようにセンサヘッドLSaが取り付けされている。又、ロボット制御装置RCには、溶接作業が行われる前に、溶接が行われる際のマニピュレータMの動作及び溶接条件等を示す教示データがティーチペンダントTPを介して入力され記憶されている。
又、第2実施形態では、ロボット制御装置RCはティーチペンダントTPが備えている液晶表示装置等からなるディスプレイの表示領域Da(図15参照)に対して画像解析結果をグラフ化して表示するとともに、表示領域Db(図16参照)に対して各種の物理量を表示する。なお、本実施形態では表示領域Dbには、開先(レーザ)データのデータ個数も示される。
(1) 第1実施形態では、レーザ変位センサLSの距離データや画像解析データはすべてレーザ変位センサ制御装置LUが管理しているため、1回サーチするたびにロボット制御装置RCとレーザ変位センサ制御装置LUの間でシリアル通信を行うことになる。このとき、1回あたり計10ms〜20ms(115,200bps時)の時間がかかる。このため、第1実施形態ではサーチ点数が多くなるほど、この通信時間のロスが大きくなる。
なお、本発明の第2実施形態におけるデータ表示方法は以下のように変更してもよい。
(1) 前記第1実施形態では、レーザ変位センサLSの距離データや画像解析データはすべてレーザ変位センサ制御装置LUが管理している。このため、第1実施形態では開先情報取得機能の画像解析がうまくいかない場合、レーザ変位センサ制御装置LUにモニタやパソコンを接続して、動作内容の確認作業が必要となるが、本実施形態では一方向サーチにおいても測距データをティーチペンダント上において、図17に示すように表示することができる。なお、図17中、横軸は時間、縦軸は距離を表す。
そして、マニピュレータMを手動で動作させることで、パソコンなどの外部ツールを使わなくて測定したい箇所の測距データの挙動をティーチペンダントTP上で確認できるため、誤検出が発生したときのレーザ動作確認を簡単に行うことができる。
Claims (7)
- 溶接継手に対しレーザ光を投射して、測距データを取得するレーザ変位センサと、
前記レーザ変位センサを溶接トーチとともに溶接線を横断する方向に移動させるマニピュレータと、
前記レーザ変位センサからの測距データに基づいて前記溶接継手の画像解析を行う画像解析手段と、
前記画像解析に基づいて、前記溶接継手の開先形状に関する特徴点を含む開先情報を取得する開先情報取得手段を備え、
前記特徴点に基づいて溶接継手の位置ずれを検出することを特徴とする自動溶接機の位置検出システム。 - 前記開先情報取得手段は、さらに、開先情報として、前記画像解析に基づいて、前記溶接継手の開先形状に関する物理量を取得することを特徴とする請求項1に記載の自動溶接機の位置検出システム。
- 前記物理量に基づいて前記マニピュレータの制御量を補正するロボット制御手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の自動溶接機の位置検出システム。
- 開先形状に応じた画像解析プログラムを記憶する画像解析プログラム記憶手段を備え、
前記画像解析手段は、前記画像解析プログラム記憶手段が記憶した画像解析プログラムのうち、選択された画像解析プログラムに従って画像解析を行い、前記開先情報取得手段は前記選択された画像解析プログラムに従って前記溶接継手に関する特徴点を含む開先情報を取得することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の自動溶接機の位置検出システム。 - 前記画像解析手段と、開先情報取得手段と、ロボット制御手段は共通のコンピュータで兼用することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の自動溶接機の位置検出システム。
- 前記コンピュータが、前記測距データを記憶する測距データ記憶手段を備え、
さらに、前記コンピュータには、前記測距データを出力して表示する表示手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の自動溶接機の位置検出システム。 - 前記表示手段が、前記測距データをリアルタイムで表示することを特徴とする請求項6に記載の自動溶接機の位置検出システム。
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