JP2021062441A - リペア溶接装置およびリペア溶接方法 - Google Patents

リペア溶接装置およびリペア溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本溶接により生産された被溶接ワークの不良箇所をより効率的にリペア溶接する。【解決手段】リペア溶接装置は、溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得する取得部と、外観検査結果に基づいて、不良箇所の位置に最も近接する、溶接ロボットの本溶接時の動作軌跡上の対応箇所を対象としたリペア溶接の実行を溶接ロボットに指示するロボット制御部と、を備える。【選択図】図4

Description

本開示は、リペア溶接装置およびリペア溶接方法に関する。
特許文献1には、溶接ビードにスリット光を投射し、スリット光の走査により溶接ビード上に順次形成される形状線を撮像し、順次形成された各形状線の撮像データに基づいて、溶接ビードの三次元形状を点群データとして取得する形状検査装置が開示されている。この形状検査装置は、点群データに基づいて表示された溶接ビードに、入力に応じて、スリット光の走査により形成された形状線とは異なる任意の切断線を設定し、切断線に対応した点群データにより、切断線における溶接ビードの断面形状を算出する。また、形状検査装置は、算出された断面形状に応じて算出した各種の特徴量を予め登録している各種の特徴量の許容範囲と比較し、特徴量の良否を判定する。
特開2012−37487号公報
本開示は、本溶接により生産された被溶接ワークの不良箇所をより効率的にリペア溶接するリペア溶接装置およびリペア溶接方法を提供する。
本開示は、溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得する取得部と、前記外観検査結果に基づいて、前記不良箇所の位置に最も近接する、前記溶接ロボットの前記本溶接時の動作軌跡上の対応箇所を対象としたリペア溶接の実行を前記溶接ロボットに指示するロボット制御部と、を備える、リペア溶接装置を提供する。
また、本開示は、リペア溶接装置により実行されるリペア溶接方法であって、溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得する工程と、前記外観検査結果に基づいて、前記不良箇所の位置に最も近接する、前記溶接ロボットの前記本溶接時の動作軌跡上の対応箇所を対象としたリペア溶接の実行を前記溶接ロボットに指示する工程と、を有する、リペア溶接方法を提供する。
本開示によれば、本溶接により生産された被溶接ワークの不良箇所をより効率的にリペア溶接できる。
溶接システムのシステム構成例を示す概略図 実施の形態1に係る検査制御装置、ロボット制御装置および上位装置の内部構成例を示す図 実施の形態1に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図 実施の形態1に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図 検出点に最も近接する溶接線上の対応点の特定に関する第1動作概要例を模式的に示す図 検出点に最も近接する溶接線上の対応点の特定に関する第2動作概要例を模式的に示す図 検出点に最も近接する溶接線上の対応点の特定に関する第3動作概要例を模式的に示す図 検出点に最も近接する溶接線上の対応点の特定に関する第4動作概要例を模式的に示す図 リペア溶接プログラムの作成に関する動作手順例を示すフローチャート 実施の形態2に係る検査制御装置、ロボット制御装置および上位装置の内部構成例を示す図 実施の形態2に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図 実施の形態2に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図 実施の形態3に係る検査制御装置、ロボット制御装置および上位装置の内部構成例を示す図 実施の形態3に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図 実施の形態1に係る溶接システムによる本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図 検出点に最も近接する溶接線上の対応点の特定に関する第5動作概要例を模式的に示す図 検出点に最も近接する溶接線上の対応点の特定に関する第6動作概要例を模式的に示す図
(本開示に至る経緯)
特許文献1を含む従来技術では、本溶接により生産されたワーク(以下、「被溶接ワーク」と称する)の外観検査結果に基づいて、溶接の欠陥(つまり不良)が発生した箇所に補修等の修正を行うためのリペア溶接を溶接ロボット等で自動的に行う技術は未だ開示されていない。リペア溶接を溶接ロボットで自動的に行うためには、本溶接と同様に、リペア溶接を行う箇所を特定したリペア溶接用のプログラムを事前に準備する必要がある。実際に溶接の不良箇所をリペア溶接する間に、溶接ロボットの先端部と被溶接ワークあるいは被溶接ワークを固定するための治具との干渉を防止するため、被溶接ワークを生産するために作成された本溶接プログラムを部分的に変更することで、リペア溶接プログラムを作成することが好ましいと考えられる。言い換えると、本溶接時の溶接ロボットの動作軌跡を巧みに利用することで、リペア溶接中の溶接ロボットの動作を安定化できる。
被溶接ワークの外観検査において、溶接の不良箇所(以下、単に「不良箇所」と称する)の位置に関する情報(例えば座標)は、例えばカメラあるいはレーザ光を投射するセンサ等の検査装置により検出され、不良箇所情報として出力される。したがって、上述したリペア溶接プログラムを作成するためには、不良箇所が本溶接プログラムのどの溶接区間に対応するかを具体的に特定する必要がある。しかし、例えば本溶接により形成された溶接ビードが太い場合あるいは検査装置から出力された不良箇所の位置精度に多少の誤差がある場合、検査装置により検出された不良箇所情報が必ずしも本溶接プログラムにおいて規定されている溶接ロボットの動作軌跡上に位置しないことがあり得る。このため、溶接ロボットが自動的にリペア溶接する際に、リペア溶接の対象となる位置精度が低下し、リペア溶接の効率性が向上しないという課題がある。
そこで、以下の実施の形態では、本溶接により生産された被溶接ワークの不良箇所を自動的かつ効率的にリペア溶接するリペア溶接装置およびリペア溶接方法の例を説明する。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係るリペア溶接装置およびリペア溶接方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
実施の形態1に係るリペア溶接装置は、溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得し、この外観検査結果に基づいて、不良箇所の位置に最も近接する、溶接ロボットの本溶接時の動作軌跡上の対応箇所を対象としたリペア溶接の実行を溶接ロボットに指示する。以下、本溶接されるワークを「元ワーク」、本溶接により生産(製造)されたワークを「被溶接ワーク」、更に、「被溶接ワーク」に検出された溶接の不良箇所がリペア溶接されたワークを「被リペア溶接ワーク」とそれぞれ定義する。また、元ワークと他の元ワークとが溶接ロボットにより接合等されて被溶接ワークを生産する工程を「本溶接」、被溶接ワークの不良箇所が溶接ロボットにより補修等の修正がなされる工程を「リペア溶接」と定義する。なお、「被溶接ワーク」あるいは「被リペア溶接ワーク」は、1回の本溶接により生産されたワークに限らず、2回以上の本溶接により生産された複合的なワークであってもよい。
(溶接システムの構成)
図1は、溶接システム100のシステム構成例を示す概略図である。溶接システム100は、外部ストレージST、入力インターフェースUI1およびモニタMN1のそれぞれと接続された上位装置1と、ロボット制御装置2と、検査制御装置3と、本溶接ロボットMC1aと、リペア溶接ロボットMC1bとを含む構成である。本溶接ロボットMC1aおよびリペア溶接ロボットMC1bは、それぞれ別体のロボットとして構成されてもよいが、同一の溶接ロボットMC1として構成されてもよい。以降の説明を分かり易くするために、溶接ロボットMC1により本溶接およびリペア溶接の工程が実行されるとして説明する。なお、図1には1台のロボット制御装置2と本溶接ロボットMC1aおよびリペア溶接ロボットMC1bとのペアが1つだけ示されているが、このペアは複数設けられてよい。また、溶接システム100は、検査装置4を更に含む構成としてもよい。
リペア溶接装置の一例としての上位装置1は、ロボット制御装置2を介して溶接ロボットMC1により実行される本溶接の実行(例えば本溶接の開始、完了)を統括して制御する。例えば、上位装置1は、ユーザ(例えば溶接作業者あるいはシステム管理者。以下同様。)により予め入力あるいは設定された溶接関連情報を外部ストレージSTから読み出し、溶接関連情報を用いて、溶接関連情報の内容を含めた本溶接の実行指令を生成して対応するロボット制御装置2に送る。上位装置1は、溶接ロボットMC1による本溶接が完了した場合に、溶接ロボットMC1による本溶接が完了した旨の本溶接完了報告をロボット制御装置2から受信し、対応する本溶接が完了した旨のステータスに更新して外部ストレージSTに記録する。なお、上述した本溶接の実行指令は上位装置1により生成されることに限定されず、例えば本溶接が行われる工場等内の設備の操作盤(例えばPLC:Programmable Logic Controller)、あるいはロボット制御装置2a,2b,…の操作盤(例えばTP:Teach Pendant)により生成されてもよい。なお、ティーチペンダント(TP)は、ロボット制御装置2a,2b,…に接続された本溶接ロボットMC1a,リペア溶接ロボットMC1b,…を操作するための装置である。
また、上位装置1は、検査制御装置3を介して検査装置4により実行される外観検査の実行(例えばリペア溶接の開始、完了)を統括して制御する。例えば、上位装置1は、ロボット制御装置2から本溶接完了報告を受信すると、溶接ロボットMC1により生産された被溶接ワークの外観検査の実行指令を生成して検査制御装置3に送る。上位装置1は、検査装置4による外観検査が完了した場合に、検査装置4による外観検査が完了した旨の外観検査報告を検査制御装置3から受信し、対応する外観検査が完了した旨のステータスに更新して外部ストレージSTに記録する。
また、上位装置1は、ロボット制御装置2を介して溶接ロボットMC1により実行されるリペア溶接の実行(例えばリペア溶接の開始、完了)を統括して制御する。例えば、上位装置1は、検査制御装置3から外観検査報告を受信すると、溶接ロボットMC1により生産された被溶接ワークのリペア溶接の実行指令を生成してロボット制御装置2に送る。上位装置1は、溶接ロボットMC1によるリペア溶接が完了した場合に、溶接ロボットMC1によるリペア溶接が完了した旨のリペア溶接完了報告をロボット制御装置2から受信し、対応するリペア溶接が完了した旨のステータスに更新して外部ストレージSTに記録する。
ここで、溶接関連情報とは、溶接ロボットMC1により実行される本溶接の内容を示す情報であり、本溶接の工程ごとに予め作成されて外部ストレージSTに登録されている。溶接関連情報は、例えば本溶接に使用される元ワークの数と、本溶接に使用される元ワークのID、名前および溶接箇所を含むワーク情報と、本溶接が実行される実行予定日と、被溶接ワークの生産台数と、本溶接時の各種の溶接条件とを含む。なお、溶接関連情報は、上述した項目のデータに限定されなくてよい。ロボット制御装置2は、上位装置1から送られた実行指令に基づいて、その実行指令で指定される複数の元ワークを用いた本溶接の実行を溶接ロボットMC1に行わせる。なお、上述した溶接関連情報は、上位装置1が外部ストレージSTを参照して管理することに限定されず、例えばロボット制御装置2において管理されてもよい。この場合、ロボット制御装置2は本溶接の完了を把握できるので、溶接関連情報のうち溶接工程が実行される予定の実行予定日の代わりに実際の実行日が管理されてよい。なお本明細書において、本溶接の種類は問わないが、説明を分かり易くするために、複数の元ワークのそれぞれを接合する工程を例示して説明する。
上位装置1は、モニタMN1、入力インターフェースUI1および外部ストレージSTのそれぞれとの間でデータの入出力が可能となるように接続され、更に、ロボット制御装置2との間でデータの通信が可能となるように接続される。上位装置1は、モニタMN1および入力インターフェースUI1を一体に含む端末装置P1でもよく、更に、外部ストレージSTを一体に含んでもよい。この場合、端末装置P1は、本溶接の実行に先立ってユーザにより使用されるPC(Personal Computer)である。なお、端末装置P1は、上述したPCに限らず、例えばスマートフォン、タブレット端末等の通信機能を有するコンピュータ装置でよい。
モニタMN1は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electroluminescence)等の表示用デバイスを用いて構成されてよい。モニタMN1は、例えば上位装置1から出力された、本溶接が完了した旨の通知、あるいはリペア溶接が完了した旨の通知を示す画面を表示してよい。また、モニタMN1の代わりに、あるいはモニタMN1とともにスピーカ(図示略)が上位装置1に接続されてもよく、上位装置1は、本溶接が完了した旨の通知、あるいはリペア溶接が完了した旨の内容の音声を、スピーカを介して出力してもよい。
入力インターフェースUI1は、ユーザの入力操作を検出して上位装置1に出力するユーザインターフェースであり、例えば、マウス、キーボードまたはタッチパネル等を用いて構成されてよい。入力インターフェースUI1は、例えばユーザが溶接関連情報を作成する時の入力操作を受け付けたり、ロボット制御装置2への本溶接の実行指令を送る時の入力操作を受け付けたりする。
外部ストレージSTは、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)またはソリッドステートドライブ(Solid State Drive)を用いて構成される。外部ストレージSTは、例えば本溶接ごとに作成された溶接関連情報のデータ、本溶接により生産された被溶接ワークあるいはリペア溶接により補修等された被リペア溶接ワークのワーク情報(上述参照)を記憶する。
リペア溶接装置の一例としてのロボット制御装置2は、上位装置1との間でデータの通信が可能に接続されるとともに、溶接ロボットMC1との間でデータの通信が可能に接続される。ロボット制御装置2は、上位装置1から送られた本溶接の実行指令を受信すると、その実行指令に基づいて対応する溶接ロボットMC1を制御して本溶接を実行させる。ロボット制御装置2は、本溶接の完了を検出すると本溶接が完了した旨の本溶接完了報告を生成して上位装置1に通知する。これにより、上位装置1は、ロボット制御装置2に基づく本溶接の完了を適正に検出できる。なお、ロボット制御装置2による本溶接の完了の検出方法は、例えばワイヤ送給装置300が備えるセンサ(図示略)からの本溶接の完了を示す信号に基づいて判別する方法でよく、あるいは公知の方法でもよく、本溶接の完了の検出方法の内容は限定されなくてよい。
また、ロボット制御装置2は、上位装置1から送られたリペア溶接の実行指令を受信すると、検査制御装置3により作成されるリペア溶接プログラムに従い、その実行指令に基づいて対応する溶接ロボットMC1を制御してリペア溶接を実行させる。ロボット制御装置2は、リペア溶接の完了を検出するとリペア溶接が完了した旨のリペア溶接完了報告を生成して上位装置1に通知する。これにより、上位装置1は、ロボット制御装置2に基づくリペア溶接の完了を適正に検出できる。なお、ロボット制御装置2によるリペア溶接の完了の検出方法は、例えばワイヤ送給装置300が備えるセンサ(図示略)からのリペア溶接の完了を示す信号に基づいて判別する方法でよく、あるいは公知の方法でもよく、リペア溶接の完了の検出方法の内容は限定されなくてよい。
溶接ロボットの一例としての溶接ロボットMC1は、ロボット制御装置2との間でデータの通信が可能に接続される。溶接ロボットMC1は、対応するロボット制御装置2の制御の下で、上位装置1から指令された本溶接あるいはリペア溶接を実行する。なお、上述したように、溶接ロボットMC1は、本溶接用に設けられた本溶接ロボットMC1aと、リペア溶接用に設けられたリペア溶接ロボットMC1bとにより構成されてもよい。
リペア溶接装置の一例としての検査制御装置3は、上位装置1、ロボット制御装置2および検査装置4のそれぞれとの間でデータの通信が可能に接続される。検査制御装置3は、上位装置1から送られた外観検査の実行指令を受信すると、溶接ロボットMC1により生産された被溶接ワークの溶接箇所の外観検査(例えば、本溶接により形成された溶接ビードが予め既定されたマスタービードの形状と適合するか否かの検査)を検査装置4に実行させる。例えば、検査制御装置3は、外観検査の実行指令に含まれる被溶接ワークの溶接箇所情報に基づいて、検査装置4を制御して溶接箇所に形成された溶接ビードの形状を検出させ、本溶接ごとに予め既定された溶接のマスタービード(図示略)と実際に検出された溶接ビードとの形状をそれぞれ比較する。検査制御装置3は、前述した比較に基づいて外観検査報告を生成し、外観検査報告を上位装置1に送る。
また、検査制御装置3は、被溶接ワークの外観検査が不合格であると判定すると、検査装置4から得られる溶接の不良が検出された箇所を示す検出点の位置情報を含む外観検査結果を用いて、溶接の不良箇所の補修等の修正を行う旨のリペア溶接プログラムを作成する。検査制御装置3は、このリペア溶接プログラムと外観検査結果とを対応付けてロボット制御装置2に送る。
検査装置4は、検査制御装置3との間でデータの通信が可能に接続される。なお図1では図示していないが、検査装置4が溶接ロボットMC1に取り付けられている場合には(図2参照)、検査装置4は、ロボット制御装置2の制御に基づくマニピュレータ200の駆動に応じて、ワークWkが載置された載置台を3次元のスキャンが可能に稼動可能である。検査装置4は、ロボット制御装置2の制御に基づくマニピュレータ200の駆動に応じて、ワークWkにおける溶接の不良箇所の有無を検査するために、検査制御装置3から送られた外観検査の実行指令に基づいて、その実行指令に含まれる溶接箇所情報と、溶接箇所の溶接ビードの形状データを取得して検査制御装置3に送る。検査制御装置3は、検査装置4から得られた形状データと前述したマスタービードの形状データとに基づいて、溶接箇所における溶接不良の有無を判定する(外観検査)。検査制御装置3は、溶接箇所のうち溶接不良であると判定された不良箇所情報(例えば、溶接の不良が検出された箇所を示す検出点、溶接の不良種別)を外観検査報告として作成する。
図2は、実施の形態1に係る検査制御装置3、ロボット制御装置2および上位装置1の内部構成例を示す図である。説明を分かり易くするために、図2ではモニタMN1および入力インターフェースUI1の図示を省略する。
溶接ロボットMC1は、ロボット制御装置2の制御の下で、例えば上位装置1から指令された本溶接、リペア溶接等の各種の工程を実行する。溶接ロボットMC1は、本溶接あるいはリペア溶接の工程において、例えばアーク溶接を行う。しかし、溶接ロボットMC1は、アーク溶接以外の他の溶接(例えば、レーザ溶接、ガス溶接)等を行ってもよい。この場合、図示は省略するが、溶接トーチ400に代わって、レーザヘッドを、光ファイバを介してレーザ発振器に接続してよい。溶接ロボットMC1は、マニピュレータ200と、ワイヤ送給装置300と、溶接ワイヤ301と、溶接トーチ400とを少なくとも含む構成である。
マニピュレータ200は、多関節のアームを備え、ロボット制御装置2のロボット制御部25(後述参照)からの制御信号に基づいて、それぞれのアームを可動させる。これにより、マニピュレータ200は、ワークWkと溶接トーチ400との位置関係(例えば、ワークWkに対する溶接トーチ400の角度)をアームの駆動によって変更できる。
ワイヤ送給装置300は、ロボット制御装置2からの制御信号(後述参照)に基づいて、溶接ワイヤ301の送給速度を制御する。なお、ワイヤ送給装置300は、溶接ワイヤ301の残量を検出可能なセンサ(図示略)を備えてよい。ロボット制御装置2は、このセンサの出力に基づいて、本溶接あるいはリペア溶接の工程が完了したことを検出できる。
溶接ワイヤ301は、溶接トーチ400に保持されている。溶接トーチ400に電源装置500から電力が供給されることで、溶接ワイヤ301の先端とワークWkとの間にアークが発生し、アーク溶接が行われる。なお、溶接トーチ400にシールドガスを供給するための構成等は、説明の便宜上、これらの図示および説明を省略する。
上位装置1は、ユーザにより予め入力あるいは設定された溶接関連情報を用いて、複数の元ワークのそれぞれを用いた本溶接あるいは被溶接ワークの溶接の不良箇所を補修等の修正を施すリペア溶接の各種の工程の実行指令を生成してロボット制御装置2に送る。上位装置1は、通信部10と、プロセッサ11と、メモリ12とを少なくとも含む構成である。
通信部10は、ロボット制御装置2および外部ストレージSTのそれぞれとの間でデータの通信が可能に接続される。通信部10は、プロセッサ11により生成される本溶接あるいはリペア溶接の各種の工程の実行指令をロボット制御装置2に送る。通信部10は、ロボット制御装置2から送られる本溶接完了報告、外観検査報告、リペア溶接完了報告を受信してプロセッサ11に出力する。なお、本溶接あるいはリペア溶接の実行指令には、例えば溶接ロボットMC1が備えるマニピュレータ200、ワイヤ送給装置300および電源装置500のそれぞれを制御するための制御信号が含まれてもよい。
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成され、メモリ12と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ11は、メモリ12に保持されたプログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、セル制御部13を機能的に実現する。
メモリ12は、例えばプロセッサ11の処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、プロセッサ11の処理を規定したプログラムを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、プロセッサ11により生成あるいは取得されたデータが一時的に保存される。ROMには、プロセッサ11の処理を規定するプログラムが書き込まれている。また、メモリ12は、外部ストレージSTから読み出された溶接関連情報のデータ、ロボット制御装置2から送られた被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークのワーク情報(後述参照)のデータをそれぞれ記憶する。
セル制御部13は、外部ストレージSTに記憶されている溶接関連情報に基づいて、溶接関連情報において規定(言い換えると、設定)されている複数の元ワークを用いた本溶接あるいは被溶接ワークへのリペア溶接を実行するための実行指令を生成する。また、セル制御部13は、外部ストレージSTに記憶されている溶接関連情報に基づいて、本溶接された後のワークWk(例えば被溶接ワーク)の外観検査時の溶接ロボットMC1の駆動に関する外観検査用プログラム、更に、この外観検査用プログラムを含む外観検査用プログラムの実行指令を作成する。なお、この外観検査用プログラムは予め作成されて外部ストレージSTに保存されていてもよく、この場合には、セル制御部13は、外部ストレージSTから単に外観検査用プログラムを読み出して取得する。セル制御部13は、溶接ロボットMC1で実行される本溶接あるいはリペア溶接の各種の工程ごとに異なる実行指令を生成してよい。セル制御部13によって生成された本溶接あるいはリペア溶接の実行指令、あるいは外観検査用プログラムを含む外観検査用プログラムの実行指令は、通信部10を介して、対応するロボット制御装置2に送られる。
ロボット制御装置2は、上位装置1から送られた本溶接あるいはリペア溶接の実行指令に基づいて、対応する溶接ロボットMC1(具体的には、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300、電源装置500)の処理を制御する。ロボット制御装置2は、通信部20と、プロセッサ21と、メモリ22とを少なくとも含む構成である。
通信部20は、上位装置1、検査制御装置3、溶接ロボットMC1との間でデータの通信が可能に接続される。なお、図2では図示を簡略化しているが、ロボット制御部25とマニピュレータ200との間、ロボット制御部25とワイヤ送給装置300との間、ならびに、電源制御部26と電源装置500との間は、それぞれ通信部20を介してデータの送受信が行われる。通信部20は、上位装置1から送られた本溶接あるいはリペア溶接の実行指令を受信する。通信部20は、本溶接により生産された被溶接ワークあるいはリペア溶接による修正によって生産された被リペア溶接ワークのワーク情報を上位装置1に送る。
ここで、ワーク情報には、被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークのIDだけでなく、本溶接に使用される複数の元ワークのID、名前、溶接箇所、本溶接の実行時の溶接条件、リペア溶接の実行時の溶接条件が少なくとも含まれる。更に、ワーク情報には、被溶接ワークの不良箇所を示す検出点の位置を示す情報(例えば座標)が含まれてもよい。また、溶接条件あるいはリペア溶接条件は、例えば元ワークの材質および厚み、溶接ワイヤ301の材質およびワイヤ径、シールドガス種、シールドガスの流量、溶接電流の設定平均値、溶接電圧の設定平均値、溶接ワイヤ301の送給速度および送給量、溶接回数、溶接時間等である。また、これらの他に、例えば本溶接あるいはリペア溶接の種別(例えばTIG溶接、MAG溶接、パルス溶接)を示す情報、マニピュレータ200の移動速度および移動時間が含まれても構わない。
プロセッサ21は、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成され、メモリ22と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ21は、メモリ22に保持されたプログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、本溶接プログラム作成部23、演算部24、ロボット制御部25および電源制御部26を機能的に実現する。
メモリ22は、例えばプロセッサ21の処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、プロセッサ21の処理を規定したプログラムを格納するROMとを有する。RAMには、プロセッサ21により生成あるいは取得されたデータが一時的に保存される。ROMには、プロセッサ21の処理を規定するプログラムが書き込まれている。また、メモリ22は、上位装置1から送られた本溶接あるいはリペア溶接の実行指令のデータ、本溶接により生産された被溶接ワークあるいはリペア溶接により生産された被リペア溶接ワークのワーク情報のデータをそれぞれ記憶する。また、メモリ22は、溶接ロボットMC1が実行する本溶接のプログラムを記憶する。本溶接のプログラムは、本溶接における溶接条件を用いて複数の元ワークを接合等する本溶接の具体的な手順(工程)を規定したプログラムである。
本溶接プログラム作成部23は、通信部20を介して上位装置1から送られた本溶接の実行指令に基づいて、実行指令に含まれる複数の元ワークのそれぞれのワーク情報(例えばID、名前、および元ワークの溶接箇所)を用いて、溶接ロボットMC1により実行される本溶接の本溶接プログラムを生成する。本溶接プログラムには、本溶接の実行中に電源装置500、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300、溶接トーチ400等を制御するための、溶接電流、溶接電圧、オフセット量、溶接速度、溶接トーチ400の姿勢等の各種のパラメータが含まれてよい。なお、生成された本溶接プログラムは、プロセッサ21内に記憶されてもよいし、メモリ22内のRAMに記憶されてもよい。
演算部24は、各種の演算を行う。例えば、演算部24は、本溶接プログラム作成部23により生成された本溶接プログラムに基づいて、ロボット制御部25により制御される溶接ロボットMC1(具体的には、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300および電源装置500のそれぞれ)を制御するためのパラメータの演算等を行う。
ロボット制御部25は、本溶接プログラム作成部23により生成された本溶接プログラムに基づいて、溶接ロボットMC1(具体的には、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300および電源装置500のそれぞれ)を駆動させるための制御信号を生成する。ロボット制御部25は、この生成された制御信号を溶接ロボットMC1に送る。また、ロボット制御部25は、上位装置1から送られた外観検査用プログラムに基づいて、本溶接プログラムにて規定されている溶接ロボットMC1の動作範囲を対象とするように外観検査中に溶接ロボットMC1のマニピュレータ200を駆動させる。これにより、溶接ロボットMC1に取り付けられた検査装置4(図2参照)は、溶接ロボットMC1の動作に伴って移動できて、ワークWkの溶接ビードを対象とした溶接不良の外観検査を行える。
電源制御部26は、本溶接プログラム作成部23により生成された本溶接プログラムと演算部24の演算結果とに基づいて、電源装置500を駆動させる。
検査制御装置3は、上位装置1から送られた外観検査の実行指令に基づいて、溶接ロボットMC1による本溶接により生産された被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークの外観検査の処理を制御する。外観検査は、例えば、被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークに形成された溶接ビードの形状が既定の溶接基準あるいは溶接箇所の強度基準、被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークの品質基準を満たすか否かの検査である。以下の説明を簡単にするために、検査制御装置3は、検査装置4により取得された溶接ビードの形状を示す3D(Dimension)の点群データに基づいて、ワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)に形成された溶接ビードが所定の溶接基準(例えばワークWkに応じた既定のマスタービードの形状と同一あるいは類似する)を満たすか否かの外観検査を行う。以下、溶接ビードの形状を示す3Dの点群データ中でマスタービードの形状とは大きく異なる(つまり、マスタービードの形状と一致も類似もしない)と判定された溶接箇所を「検出点」と定義する。言い換えると、検出点の位置を示す情報(例えば3Dの位置座標)は、検査制御装置3により検出される。検査制御装置3は、通信部30と、プロセッサ31と、メモリ32と、検査結果記憶部33とを少なくとも含む構成である。
通信部30は、上位装置1、ロボット制御装置2、検査装置4との間でデータの通信が可能に接続される。なお、図2では図示を簡略化しているが、形状検出制御部35と検査装置4との間は、それぞれ通信部30を介してデータの送受信が行われる。通信部30は、上位装置1から送られた外観検査の実行指令を受信する。通信部30は、検査装置4を用いた外観検査の結果(例えば、被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークにおける溶接の不良箇所の有無)を上位装置1に送る。
プロセッサ31は、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成され、メモリ32と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ31は、メモリ32に保持されたプログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、判定閾値記憶部34、形状検出制御部35、データ処理部36、検査結果判定部37およびリペア溶接プログラム作成部38を機能的に実現する。
メモリ32は、例えばプロセッサ31の処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、プロセッサ31の処理を規定したプログラムを格納するROMとを有する。RAMには、プロセッサ31により生成あるいは取得されたデータが一時的に保存される。ROMには、プロセッサ31の処理を規定するプログラムが書き込まれている。また、メモリ32は、上位装置1から送られた被溶接ワークの外観検査の実行指令のデータ、本溶接により生成された被溶接ワークあるいはリペア溶接により生成された被リペア溶接ワークのワーク情報のデータをそれぞれ記憶する。また、メモリ32は、リペア溶接プログラム作成部38により作成されたリペア溶接プログラムのデータを記憶する。リペア溶接プログラムは、リペア溶接における溶接条件と検出点に最も近接する溶接ロボットMC1の動作軌跡上の対応する箇所(対応点)の位置情報とを用いて被溶接ワークにおける溶接の不良箇所の補修等の修正を行うリペア溶接の具体的な手順(工程)を規定したプログラムである。このプログラムは、リペア溶接プログラム作成部38により作成され、検査制御装置3からロボット制御装置2に送られる。
検査結果記憶部33は、例えばハードディスクあるいはソリッドステートドライブを用いて構成される。検査結果記憶部33は、プロセッサ31により生成あるいは取得されるデータの一例として、ワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)における溶接箇所の外観検査結果を示すデータを記憶する。この外観検査結果を示すデータは、例えば検査結果判定部37により生成される。
判定閾値記憶部34は、例えばプロセッサ31内に設けられたキャッシュメモリにより構成され、溶接箇所に応じて検査結果判定部37による判定処理において用いられる閾値(例えば、溶接箇所に応じて設定されたそれぞれの閾値)を記憶する。それぞれの閾値は、例えば溶接箇所の位置ずれに関する許容範囲(閾値)、溶接ビードの高さに関する閾値、溶接ビードの幅に関する閾値である。判定閾値記憶部34は、リペア溶接後の外観検査時の各閾値として、顧客等から要求される最低限の溶接品質を満たす許容範囲(例えば、溶接ビードの高さに関する最小許容値、最大許容値など)を記憶してよい。更に、判定閾値記憶部34は、溶接箇所ごとに外観検査の回数上限値を記憶してもよい。これにより、検査制御装置3は、リペア溶接によって不良箇所を修正する際に所定の回数上限値を上回る場合に、溶接ロボットMC1による自動リペア溶接による不良箇所の修正が困難あるいは不可能と判定して、溶接システム100の稼動率の低下を抑制できる。
形状検出制御部35は、上位装置1あるいはロボット制御装置2から送られたワークWk(例えば被溶接ワーク)の溶接箇所の外観検査の実行指令に基づいて、外観検査においてロボット制御装置2が外観検査用プログラムに基づいて検査装置4が取り付けられた溶接ロボットMC1を動作させている間、検査装置4から送られた溶接箇所における溶接ビードの形状データ(例えば3Dの点群データ)を取得する。形状検出制御部35は、上述したロボット制御装置2によるマニピュレータ200の駆動に応じて検査装置4が溶接箇所を撮像可能(言い換えると、溶接箇所の3次元形状を検出可能)な位置に位置すると、例えばレーザ光線を検査装置4から照射させて溶接箇所における溶接ビードの形状データを取得させる。形状検出制御部35は、検査装置4により取得された溶接ビードの形状データを受信すると、この形状データをデータ処理部36に渡す。
データ処理部36は、形状検出制御部35からの溶接箇所における溶接ビードの形状データを、溶接箇所の3次元形状を示す画像データに変換する。形状データは、例えば、溶接ビードの表面に照射されたレーザ光線の反射軌跡からなる形状線の点群データである。データ処理部36は、入力された形状データに対して統計処理を実行し、溶接箇所における溶接ビードの3次元形状に関する画像データを生成する。なお、データ処理部36は、溶接ビードの位置および形状を強調するために、溶接ビードの周縁部分を強調したエッジ強調補正を行ってもよい。なお、データ処理部36は、溶接箇所あるいは不良箇所ごとに外観検査回数をカウントし、外観検査回数がメモリ32に予め記憶された回数を超えても溶接検査結果が良好にならない場合、自動リペア溶接による不良箇所の修正が困難あるいは不可能と判定してよい。この場合、検査結果判定部37は、不良箇所の位置および不良要因を含むアラート画面を生成し、生成されたアラート画面を、通信部30を介して上位装置1に送る。上位装置1に送られたアラート画面は、モニタMN1に表示される。
検査結果判定部37は、判定閾値記憶部34に記憶された閾値を用いて、形状検出制御部35により取得された溶接箇所における溶接ビードの形状データに基づいて、溶接箇所が所定の溶接基準を満たすか否か(例えば、本溶接あるいはリペア溶接により形成された溶接ビードが対応するマスタービードの形状と一致あるいは類似するか否か)の判定を行う。検査結果判定部37は、溶接不良の検出点(上述参照)の位置(例えば、不良箇所の開始位置と終了位置(図4参照)、溶接ビードに生じた穴あきの位置(図5参照)、アンダーカットの位置(図5参照)等)を計測し、不良内容を分析して不良要因を推定する。検査結果判定部37は、上述した判定において、溶接ビードの形状データに基づいて、溶接ビード上に形成される溶接線上の溶接箇所ごとに検査スコアを算出する。取得部の一例としての検査結果判定部37は、計測された不良箇所の位置、検査スコア、推定された不良要因のそれぞれを溶接箇所に対する外観検査結果(外観検査報告)として生成して取得し、生成された外観検査結果をメモリ32に記憶するとともに、通信部30を介して上位装置1に送る。なお、検査結果判定部37は、上述した検査スコアに基づいて、溶接ロボットMC1によるリペア溶接が可能であるか否か(言い換えると、溶接ロボットMC1によるリペア溶接がよいか、あるいは人手によるリペア溶接がよいか)を判定し、その判定結果を外観検査結果(外観検査報告)に含めて出力してよい。
リペア溶接プログラム作成部38は、検査結果判定部37によるワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)の外観検査結果と被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークのワーク情報(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークの溶接不良の検出点の位置を示す座標等の情報)とを用いて、溶接ロボットMC1により実行されるべきワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)のリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接プログラムの作成手順の詳細については、図4、図5、図6および図7を参照して後述する。リペア溶接プログラムには、リペア溶接の実行中に電源装置500、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300、溶接トーチ400等を制御するための、溶接電流、溶接電圧、オフセット量、溶接速度、溶接トーチ400の姿勢等の各種のパラメータが含まれてよい。なお、生成されたリペア溶接プログラムは、プロセッサ31内に記憶されてもよいし、メモリ32内のRAMに記憶されてもよい。
検査装置4は、例えば3次元形状センサであり、溶接ロボットMC1の先端に取り付けられ、ワークWk(例えば、被溶接ワーク)上の溶接箇所の形状を特定し得る複数の点群データを取得可能であり、この点群データに基づいて溶接箇所の形状データ(言い換えると、溶接ビードの画像データ)を生成して検査制御装置3に送る。なお、検査装置4は、溶接ロボットMC1の先端に取り付けられていなく、溶接ロボットMC1とは別個に配置されている場合には、検査制御装置3から送られた溶接箇所の位置情報に基づいて、ワークWk(例えば、被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)上の溶接箇所を走査可能に構成されたレーザ光源(図示略)と、溶接箇所の周辺を含む撮像領域を撮像可能に配置され、溶接箇所に照射されたレーザ光のうち反射されたレーザ光の反射軌跡(つまり、溶接箇所の形状線)を撮像するカメラ(図示略)とにより構成されてよい。この場合、検査装置4は、カメラにより撮像されたレーザ光に基づく溶接箇所の形状データ(言い換えると、溶接ビードの画像データ)を検査制御装置3に送る。なお、上述したカメラは、少なくともレンズ(図示略)とイメージセンサ(図示略)とを有して構成される。イメージセンサは、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semi−conductor)等の固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。
(溶接システムの動作)
次に、実施の形態1に係る溶接システム100による本溶接およびリペア溶接の動作手順について、図3Aを参照して説明する。図3Aは、実施の形態1に係る溶接システム100による本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図である。図3Bは、実施の形態1に係る溶接システム100による本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図である。図3Aおよび図3Bの説明では、複数の元ワークを用いた本溶接、そして被溶接ワークの外観検査が不合格となったことに基づいて行われるリペア溶接の各工程に関して上位装置1とロボット制御装置2と検査制御装置3との間で行われる動作手順を例示して説明する。
図3Aあるいは図3Bにおいて、上位装置1は、本溶接の対象となる元ワークのワーク情報(例えばID、名前、および元ワークの溶接箇所)をそれぞれ取得し(St1)、元ワークのワーク情報を含む本溶接の実行指令を生成する。上位装置1は、元ワークのワーク情報を含む本溶接の実行指令をロボット制御装置2に送る(St2)。なお、上位装置1を介さずに、ロボット制御装置2が、ステップSt1,ステップSt2の処理をそれぞれ実行してもよい。この場合には、ロボット制御装置2のメモリ22には外部ストレージSTに保存されているデータと同じデータが保存されているか、あるいはロボット制御装置2が外部ストレージSTからデータの取得を可能に接続されていることが好ましい。
ロボット制御装置2は、上位装置1から送られた本溶接の実行指令を受信すると、その実行指令に含まれる複数の元ワークのそれぞれのワーク情報を用いて、溶接ロボットMC1により実行される本溶接の本溶接プログラムを作成し、その本溶接プログラムに従った本溶接を溶接ロボットMC1に実行させる(St3)。ロボット制御装置2は、種々の公知方法により、溶接ロボットMC1による本溶接の完了を判定すると、本溶接が完了した旨の本溶接完了通知を生成して上位装置1に送る(St4)。上位装置1は、この本溶接完了通知を受けて、被溶接ワークの外観検査の実行指令を生成して検査制御装置3に送る(St5)。なお、図3Bに示すように、上位装置1は、本溶接完了通知を受けると、被溶接ワークの外観検査用プログラムを含む外観検査用プログラムの実行指令を生成してロボット制御装置2に送ってよい(St4.5)。この場合、図3Bに示すように、ロボット制御装置2は、被溶接ワークの外観検査の実行指令を生成して検査制御装置3に送るとともに(St5)、外観検査の開始に伴って上位装置1から受けた外観検査用プログラムを実行して溶接ロボットMC1に取り付けられた検査装置4を動かす。
検査制御装置3は、ロボット制御装置2により検査装置4が被溶接ワークの溶接箇所を走査可能に動いている中で、ステップSt5において送られた外観検査の実行指令に基づいて、被溶接ワークを対象とした外観検査を検査装置4に実行させる(St6)。検査制御装置3は、ステップSt6の外観検査の結果、被溶接ワークには溶接の不良箇所があるためにリペア溶接が必要であると判定し(St7)、本溶接プログラムをロボット制御装置2より取得し(St8)、この本溶接プログラムの一部を改変することでリペア溶接プログラムを作成する(St8)。なお、改変される一部は、例えばリペア溶接が行われる箇所(範囲)を示す内容である。また、図3Aでは詳細の図示を省略しているが、検査制御装置3は、ステップSt8において本溶接プログラムのデータをロボット制御装置2に要求し、この要求に応じてロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムのデータを取得してよいし、あるいはステップSt3の後にロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムのデータを予め取得してもよい。これにより、検査制御装置3は、この取得した本溶接プログラムのデータを部分的に改変することで、効率的にリペア溶接プログラムのデータを作成することができる。検査制御装置3は、ステップSt7での判定結果とリペア溶接プログラムとを含む外観検査報告を生成してロボット制御装置2に送る(St9)。また、検査制御装置3は、同様に生成された外観検査報告を上位装置1に送る(St10)。
上位装置1は、ステップSt10での外観検査報告を受けて、被溶接ワークを対象としたリペア溶接の実行指令を生成してロボット制御装置2に送る(St11)。ロボット制御装置2は、上位装置1から送られたリペア溶接の実行指令を受信すると、その実行指令で指定される被溶接ワークを対象としたリペア溶接プログラム(ステップSt9で受領)に基づいて、そのリペア溶接プログラムに従ったリペア溶接を溶接ロボットMC1に実行させる(St12)。ロボット制御装置2は、種々の公知方法により、溶接ロボットMC1によるリペア溶接の完了を判定すると、被リペア溶接ワークのワーク情報(例えば、被リペア溶接ワークW4のID、本溶接に使用された複数の元ワークのそれぞれのIDを含むワーク情報(例えば元ワークのID、名前、元ワークの溶接箇所)、本溶接およびリペア溶接の各実行時の溶接条件))を上位装置1に送る(St13)。
上位装置1は、ロボット制御装置2から送られた被リペア溶接ワークのIDを含むワーク情報を受信すると、被リペア溶接ワークのIDに対応するユーザ事業者に適する管理用IDを設定するとともに、この管理用IDに対応する被リペア溶接ワークの溶接が完了した旨のデータを外部ストレージSTに保存する(St14)。
次に、リペア溶接プログラムの作成において、検査装置4から出力された検出点(つまり、溶接の不良箇所を示す位置)を用いて、検出点に最も近接する、本溶接時の溶接ロボットMC1が動作した本溶接プログラムに規定されている動作軌跡(つまり溶接線)上の位置(対応点)を特定する動作概要例について、図4、図5、図6、図7および図8を参照して詳細に説明する。
(第1動作概要例)
図4は、検出点に最も近接する溶接線WLN1上の対応点Sh,Ehの特定に関する第1動作概要例を模式的に示す図である。図8は、リペア溶接プログラムの作成に関する動作手順例を示すフローチャートである。実施の形態1では、図8に示すフローチャートは、検査制御装置3に内蔵されるプロセッサ31(具体的には、リペア溶接プログラム作成部38)により実行される。第1動作概要例では、溶接線(本溶接時の溶接ロボットMC1が動作した動作軌跡。以下同様。)が直線部のみで構成され、例えば溶接の不良としてビード欠け(つまり、本溶接により溶接ビードが部分的に欠損したこと)が発生したとする。
図8において、リペア溶接プログラム作成部38は、検査結果判定部37により生成された外観検査結果を取得する(St8−1)。リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果を用いて、外観検査結果に含まれる検出点(例えば図4に示す開始検出点Sおよび終了検出点E)の位置を示す情報(例えば座標)に最も近接する溶接線WLN1上の位置(つまり対応点)を特定する(St8−2)。リペア溶接プログラム作成部38は、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作軌跡のうち、ステップSt8−2で特定された対応点を含む所定長の範囲をリペア溶接箇所と決定する(St8−3)。リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−3で決定されたリペア溶接箇所とリペア溶接で使用する各種のパラメータ(例えば溶接条件)とを規定したリペア溶接プログラムを作成する(St8−4)。
図4において、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作軌跡によって溶接ビードBD1,BD2が形成されている。これにより、この本溶接によって溶接線WLN1が形成されている。溶接ビードBD1,BD2は連続して形成されておらず、途中にビード欠け部分DF1が形成されてしまった。つまり、本溶接時の溶接ロボットMC1の溶接不良によりビード欠け部分DF1が形成され、外観検査により検査装置4から溶接不良の開始点である開始検出点Sと溶接不良の終了点である終了検出点Eとが検査制御装置3に出力された。
この場合、リペア溶接プログラム作成部38は、開始検出点Sおよび終了検出点Eからそれぞれ溶接線WLN1上に下した垂線の足(つまり、開始検出点Sおよび終了検出点Eのそれぞれから溶接線WLN1に最も近接する位置)を、開始検出点Sに対応する対応点Sh、終了検出点Eに対応する対応点Ehとそれぞれ決定する。したがって、リペア溶接プログラム作成部38は、図4のように直線部から構成される溶接線WLN1の場合、開始検出点Sおよび終了検出点Eのそれぞれから溶接線WLN1に最も近接する対応点Sh,Eh間を少なくともリペア溶接区間RPW1と特定する。
(第2動作概要例)
図5は、検出点Pに最も近接する溶接線WLN2上の対応点の特定に関する第2動作概要例を模式的に示す図である。第2動作概要例では、溶接線が2つの直線部と1つの円弧部とにより構成され、例えば溶接の不良としてアンダーカット(つまり、本溶接により母材の上に生じた止端の溝)が発生したとする。第2動作概要例において、図8の説明と重複する内容の説明は簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図8において、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果を用いて、外観検査結果に含まれる検出点(例えば図5に示す検出点P)の位置を示す情報(例えば座標)に最も近接する溶接線WLN2上の位置Ph3(つまり対応点)を特定する(St8−2)。リペア溶接プログラム作成部38は、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作軌跡のうち、ステップSt8−2で特定された対応点を含む所定長の範囲をリペア溶接箇所と決定する(St8−3)。
図5において、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果に含まれる検出点Pの位置と溶接線WLN2を示す情報とを取得する(St8−2−1)。リペア溶接プログラム作成部38は、ロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムに規定された溶接ロボットMC1の動作区間(具体的には、第1の直線区間、第1の円弧区間、第2の直線区間の組み合わせ)に基づいて、溶接線WLN2を複数の溶接区間に分割する(St8−2−2)。リペア溶接プログラム作成部38は、例えば溶接線WLN2を、3つの溶接区間WLN21,WLN22,WLN23に分割する。端点D1は、溶接区間WLN21の一方の端点(例えば開始点)である。端点D2は、溶接区間WLN21の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、溶接区間WLN22の一方の端点(例えば開始点)である。端点D3は、溶接区間WLN22の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、溶接区間WLN23の一方の端点(例えば開始点)である。端点D4は、溶接区間WLN23の他方の端点(例えば終了点)である。
リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN21〜WLN23のそれぞれが直線区間あるいは円弧区間のいずれであるかを判断し、それぞれの溶接区間を3次元図形として数式化する(St8−2−3)。例えば、リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN21を3次元図形(例えば直線L1)に近似して数式化する。同様に、リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN22を3次元図形(例えば円C1)に近似して数式化する。リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN23を3次元図形(例えば直線L2)に近似して数式化する。リペア溶接プログラム作成部38は、検出点Pから溶接区間WLN21〜WLN23のそれぞれまでの最短距離となる位置Ph1,Ph2,Ph3)を算出する(St8−2−4)。言い換えると、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−2−3で数式化された溶接区間WLN21〜WLN23のそれぞれの3次元図形に下した垂線の足の位置Ph1,Ph2,Ph3を、検出点Pに最も近接する溶接線WLN2上の対応点の候補として算出する(St8−2−4)。
第2動作概要例では、位置Ph2は、本溶接時における溶接ロボットMC1の動作軌跡上に存在しない点(言い換えると、溶接線WLN2上に位置しない点)となっている。このため、位置Ph2は溶接ロボットMC1によるリペア溶接の対象として含めることは、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作と異なることになり、溶接ロボットMC1の動作として効率性を欠く。そこで、リペア溶接プログラム作成部38は、位置Ph2の代わりに、位置Ph2から最も近接する溶接区間WLN22上の位置(例えば端点D3)を、溶接区間WLN22における対応点の候補として決定する(St8−2−5)。例えば、リペア溶接プログラム作成部38は、位置Ph2と円C1の中心Oと端点D2(つまり、溶接区間WLN22の端点の一方)とで形成される角度θbと、位置Ph2と円C1の中心Oと端点D3(つまり、溶接区間WLN22の端点の他方)とで形成される角度θaとを比較し、小さい角度が得られる側(つまり、検出点Pからより近い側)の端点D3を対応点の候補として決定する。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−2−4〜ステップSt8−2−5の処理により算出あるいは決定された対応点の候補(具体的には、溶接区間WLN21の位置Ph1,溶接区間WLN22の端点D3,溶接区間WLN23の位置Ph3)の中で、検出点Pに最も近接する位置Ph3を選択し(St8−2−6)、この選択された位置Ph3を検出点Pの対応点と決定する(St8−2−7)。
(第3動作概要例)
図6は、検出点Pに最も近接する溶接線WLN2a上の対応点の特定に関する第3動作概要例を模式的に示す図である。第3動作概要例では、溶接線が2つの直線部と1つの円弧部とにより構成され、例えば溶接の不良としてアンダーカット(つまり、本溶接により母材の上に生じた止端の溝)が発生したとする。第3動作概要例において、図8の説明と重複する内容の説明は簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図8において、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果を用いて、外観検査結果に含まれる検出点(例えば図6に示す検出点P)の位置を示す情報(例えば座標)に最も近接する溶接線WLN2a上の位置Ph3(つまり対応点)を特定する(St8−2)。リペア溶接プログラム作成部38は、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作軌跡のうち、ステップSt8−2で特定された対応点を含む所定長の範囲をリペア溶接箇所と決定する(St8−3)。
図6において、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果に含まれる検出点Pの位置と溶接線WLN2aを示す情報とを取得する(St8−2−11)。リペア溶接プログラム作成部38は、ロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムに規定された溶接ロボットMC1の動作区間(具体的には、第1の直線区間、第1の円弧区間、第2の直線区間の組み合わせ)に基づいて、溶接線WLN2aを複数の溶接区間に分割する(St8−2−12)。リペア溶接プログラム作成部38は、例えば溶接線WLN2aを、3つの溶接区間WLN21,WLN22a,WLN23に分割する。端点D1は、溶接区間WLN21の一方の端点(例えば開始点)である。端点D2は、溶接区間WLN21の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、溶接区間WLN22aの一方の端点(例えば開始点)である。端点D3は、溶接区間WLN22aの他方の端点(例えば終了点)であり、更に、溶接区間WLN23の一方の端点(例えば開始点)である。端点D4は、溶接区間WLN23の他方の端点(例えば終了点)である。
リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN21〜WLN23のそれぞれが直線区間あるいは円弧区間のいずれであるかを判断し、それぞれの溶接区間を3次元図形として数式化する(St8−2−13)。例えば、リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN21を3次元図形(例えば直線L1)に近似して数式化する。同様に、リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN22aを3次元図形(例えば円C1a)に近似して数式化する。リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN23を3次元図形(例えば直線L2)に近似して数式化する。リペア溶接プログラム作成部38は、検出点Pから溶接区間WLN21〜WLN23のそれぞれまでの最短距離となる位置Ph1,Ph2a,Ph3を算出する(St8−2−14)。言い換えると、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−2−13で数式化された溶接区間WLN21〜WLN23のそれぞれの3次元図形に下した垂線の足の位置Ph1,Ph2a,Ph3を、検出点Pに最も近接する溶接線WLN2a上の対応点の候補として算出する(St8−2−14)。
第3動作概要例では、第2動作概要例とは異なり位置Ph2aは、本溶接時における溶接ロボットMC1の動作軌跡上に存在する点(言い換えると、溶接線WLN2a上に位置する点)となっている。リペア溶接プログラム作成部38は、位置Ph2aを溶接区間WLN22aにおける対応点の候補として決定する(St8−2−14)。リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−2−14の処理により算出あるいは決定された対応点の候補(具体的には、溶接区間WLN21の位置Ph1,溶接区間WLN22aの位置Ph2a,溶接区間WLN23の位置Ph3)の中で、検出点Pに最も近接する位置Ph3を選択し(St8−2−15)、この選択された位置Ph3を検出点Pの対応点と決定する(St8−2−16)。
(第4動作概要例)
図7は、検出点Qに最も近接する溶接線WLN3上の対応点の特定に関する第4動作概要例を模式的に示す図である。第4動作概要例では、溶接線が2つの直線部と1つの円弧部とにより構成され、例えば溶接の不良としてアンダーカット(つまり、本溶接により母材の上に生じた止端の溝)が発生したとする。第4動作概要例において、図8の説明と重複する内容の説明は簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。また図7では、第2動作概要例の説明と異なる部分の図示のみ行っている。
図8において、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果を用いて、外観検査結果に含まれる検出点(例えば図7に示す検出点Q)の位置を示す情報(例えば座標)に最も近接する溶接線WLN3上の位置Qh3(つまり対応点)を特定する(St8−2)。リペア溶接プログラム作成部38は、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作軌跡のうち、ステップSt8−2で特定された対応点を含む所定長の範囲をリペア溶接箇所と決定する(St8−3)。
図7において、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果に含まれる検出点Qの位置と溶接線WLN3を示す情報とを取得する。リペア溶接プログラム作成部38は、ロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムに規定された溶接ロボットMC1の動作区間(具体的には、第1の直線区間、第1の円弧区間、第2の直線区間の組み合わせ)に基づいて、溶接線WLN3を複数の溶接区間に分割する。リペア溶接プログラム作成部38は、例えば溶接線WLN3を、3つの溶接区間WLN31,WLN32,WLN33に分割する。端点D5は、溶接区間WLN31の一方の端点(例えば開始点)である。端点D6は、溶接区間WLN31の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、溶接区間WLN32の一方の端点(例えば開始点)である。端点D7は、溶接区間WLN32の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、溶接区間WLN33の一方の端点(例えば開始点)である。端点D8は、溶接区間WLN33の他方の端点(例えば終了点)である。
リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN31〜WLN33のそれぞれが直線区間あるいは円弧区間のいずれであるかを判断し、それぞれの溶接区間を3次元図形として数式化する。例えば、リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN31を3次元図形(例えば直線L3)に近似して数式化する。同様に、リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN32を3次元図形(例えば円C2)に近似して数式化する。リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN33を3次元図形(例えば直線L4)に近似して数式化する。リペア溶接プログラム作成部38は、検出点Qから溶接区間WLN31〜WLN33のそれぞれまでの最短距離となる位置Qh1,Qh2,Qh3を算出する。言い換えると、リペア溶接プログラム作成部38は、数式化された溶接区間WLN31〜WLN33のそれぞれの3次元図形に下した垂線の足の位置Qh1,Qh2,Qh3を、検出点Qに最も近接する溶接線WLN3上の対応点の候補として算出する。
第4動作概要例では、位置Qh1,Qh2は、本溶接時における溶接ロボットMC1の動作軌跡上に存在しない点(言い換えると、溶接線WLN3上に位置しない点)となっている。このため、位置Qh1,Qh2は溶接ロボットMC1によるリペア溶接の対象として含めることは、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作と異なることになり、溶接ロボットMC1の動作として効率性を欠く。そこで、リペア溶接プログラム作成部38は、位置Qh1の代わりに、位置Qh1に対応する溶接区間WLN31上の位置Qh1から最も近い側の端点(例えば端点D6)を、溶接区間WLN31における対応点の候補として決定する。同様に、リペア溶接プログラム作成部38は、位置Qh2の代わりに、位置Qh2に対応する溶接区間WLN32上の最も近い側の端点(例えば端点D7)を、溶接区間WLN32における対応点の候補として決定する。
リペア溶接プログラム作成部38は、算出あるいは決定された対応点の候補(具体的には、溶接区間WLN31の端点D6,溶接区間WLN32の端点D7,溶接区間WLN33の位置Qh3)の中で、検出点Qに最も近接する位置Qh3を選択し、この選択された位置Qh3を検出点Qの対応点と決定する。なお、図7の例では、溶接区間WL3を端点D5→端点D6→端点D7→端点D8の順路により構成されるとして説明したが、逆方向(端点D8→端点D7→端点D6→端点D5)の順路により構成されてもよい。この後者の場合、例えば本溶接時の溶接ロボットMC1によるアークスタートがうまく行えず、溶接不良が検出点Qにおいて発生したと考えることができるからである。
以上により、実施の形態1に係る溶接システム100では、リペア溶接装置(例えば検査結果判定部37)は、溶接ロボットMC1による本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの不良箇所(例えば検出点P)の位置の情報を含む外観検査結果を取得する。リペア溶接装置(例えばロボット制御部25)は、外観検査結果に基づいて、不良箇所の位置に最も近接する、溶接ロボットMC1の本溶接時の動作軌跡(例えば溶接線WLN2)上の対応箇所(例えば対応点である位置Ph3)を対象としたリペア溶接の実行を溶接ロボットMC1に指示する。
これにより、リペア溶接装置は、本溶接により生産された被溶接ワークの不良箇所を自動的かつ効率的にリペア溶接できる。つまり、リペア溶接装置は、リペア溶接の際に、リペア溶接の対象となる被溶接ワークあるいはその被溶接ワークを固定する治具との干渉を抑制できるので、溶接ロボットMC1のスムーズな駆動を効率的に支援できる。また、リペア溶接装置は、ロボット制御装置2により作成される本溶接プログラムの一部(例えばリペア溶接する不良箇所の情報)を部分的に変更するだけで簡単にリペア溶接プログラムを作成できるので、リペア溶接プログラムを効率的に作成できる。
また、リペア溶接装置は、外観検査結果に基づいて、検出点Pの位置に最も近接する溶接線WLN2上の対応箇所(対応点)のリペア溶接を実行させるリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接装置は、作成されたリペア溶接プログラムに従い、対応箇所を溶接ロボットMC1にリペア溶接させる。これにより、リペア溶接装置は、外観検査において得られた検出点Pに最も近接する本溶接時の溶接ロボットMC1の動作軌跡上の対応箇所を特定でき、この対応箇所を含むように溶接ロボットMC1を介して自動的かつ効率的にリペア溶接できる。
また、リペア溶接装置は、溶接ロボットMC1の動作軌跡(例えば溶接線WLN1)が略直線形状の溶接区間を有しかつ不良箇所が第1検出箇所(例えば開始検出点S)から第2検出箇所(例えば終了検出点E)までの範囲である場合に、第1検出箇所からの垂線が溶接区間と交わる第1交差位置(例えば対応点Sh)から、第2検出箇所からの垂線が溶接区間と交わる第2交差位置(例えば対応点Eh)までをリペア溶接区間と設定する。これにより、リペア溶接装置は、本溶接時に溶接ロボットMC1の動作軌跡が略直線形状である場合に、溶接ロボットMC1の動作軌跡の部分的な変更だけでリペア溶接が必要な範囲を簡易に求めることができるので、検出点から最も近い溶接線WLN1上の位置を通過するようにリペア溶接を効率的に行える。
また、リペア溶接装置は、溶接ロボットMC1の動作軌跡(例えば溶接線WLN2)が略直線状の第1溶接区間(例えば溶接区間WLN21,WLN23)と略円弧状の第2溶接区間(例えば溶接区間WLN22)とを少なくとも有する場合に、不良箇所からの垂線が第1溶接区間と交わる第1交差位置(例えば位置Ph1,Ph3)と不良箇所からの垂線が第2溶接区間に基づく円C1と交わる第2交差位置(例えば位置Ph2a)とのうちいずれかを、不良箇所から最も近接する対応箇所として特定する。これにより、リペア溶接装置は、本溶接時に溶接ロボットMC1の動作軌跡が略直線形状と円弧形状とが結合していた場合に、溶接ロボットMC1の動作軌跡の部分的な変更だけでリペア溶接が必要な範囲を簡易に求めることができるので、検出点から最も近い溶接線WLN2a上の位置を通過するようにリペア溶接を効率的に行える。
また、リペア溶接装置は、第2交差位置が本溶接時の溶接ロボットMC1上の動作軌跡上に存在しない場合、不良箇所から最も近接する、第2溶接区間の両端の端点のうちいずれかを第2交差位置と設定する。これにより、リペア溶接装置は、本溶接時の溶接ロボットMC1上の動作軌跡上に検出点に近接する対応点の候補が存在しない場合でも、溶接ロボットMC1上の動作軌跡上の位置に丸め込むことができるので、検出点に近接する対応点の候補を簡易に求めることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、リペア溶接プログラムは検査制御装置3により作成される。実施の形態2では、リペア溶接プログラムはロボット制御装置2aによって行われる例を説明する。
(溶接システムの構成)
図9は、実施の形態2に係る検査制御装置3、ロボット制御装置2aおよび上位装置1の内部構成例を示す図である。図9の説明において、図2の各部の構成と同一のものには同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。また、実施の形態2に係る溶接システム100aの構成は実施の形態1に係る溶接システム100と同一の構成である(図1参照)。
リペア溶接装置の一例としてのロボット制御装置2aは、上位装置1から送られた本溶接あるいはリペア溶接の実行指令、または外観検査用プログラムの実行指令に基づいて、対応する溶接ロボットMC1(具体的には、マニピュレータ200、ワイヤ送給装置300、電源装置500)の処理を制御する。ロボット制御装置2aは、通信部20と、プロセッサ21aと、メモリ22とを少なくとも含む構成である。
プロセッサ21aは、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成され、メモリ22と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ21aは、メモリ22に保持されたプログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、本溶接/リペア溶接プログラム作成部23a、演算部24、ロボット制御部25および電源制御部26を機能的に実現する。
本溶接/リペア溶接プログラム作成部23aは、通信部20を介して上位装置1から送られた本溶接の実行指令に基づいて、実行指令に含まれる複数の元ワークのそれぞれのワーク情報(例えばID、名前、および元ワークの溶接箇所)を用いて、溶接ロボットMC1により実行される本溶接の本溶接プログラムを生成する。また、本溶接/リペア溶接プログラム作成部23aは、検査結果判定部37によるワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)の外観検査結果と被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークのワーク情報(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークの溶接不良の検出点の位置を示す座標等の情報)とを用いて、溶接ロボットMC1により実行されるべきワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)のリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接プログラムの作成手順の詳細については、図4、図5、図6および図7を参照して実施の形態1で説明した内容と同一であるため説明を省略する。なお、生成された本溶接プログラムおよびリペア溶接プログラムは、プロセッサ21a内に記憶されてもよいし、メモリ22内のRAMに記憶されてもよい。
(溶接システムの動作)
次に、実施の形態2に係る溶接システム100aによる本溶接およびリペア溶接の動作手順について、図10Aを参照して説明する。図10Aは、実施の形態2に係る溶接システム100aによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図である。図10Bは、実施の形態2に係る溶接システム100aによる本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図である。図10Aおよび図10Bの説明では、複数の元ワークを用いた本溶接、そして被溶接ワークの外観検査が不合格となったことに基づいて行われるリペア溶接の各工程に関して上位装置1とロボット制御装置2aと検査制御装置3との間で行われる動作手順を例示して説明する。また、図10Aあるいは図10Bの説明において、図3Aあるいは図3Bの処理と重複する処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図10Aあるいは図10Bにおいて、上位装置1を介さずに、ロボット制御装置2aが、ステップSt1,ステップSt2の処理をそれぞれ実行してもよい。この場合には、ロボット制御装置2aのメモリ22には外部ストレージSTに保存されているデータと同じデータが保存されているか、あるいはロボット制御装置2aが外部ストレージSTからデータの取得を可能に接続されていることが好ましい。なお、図10Bに示すように、図3Bと同様に、上位装置1は、本溶接完了通知を受けると、被溶接ワークの外観検査用プログラムを含む外観検査用プログラムの実行指令を生成してロボット制御装置2aに送ってよい(St4.5)。この場合、図10Bに示すように、ロボット制御装置2aは、被溶接ワークの外観検査の実行指令を生成して検査制御装置3に送るとともに(St5)、外観検査の開始に伴って上位装置1から受けた外観検査用プログラムを実行して溶接ロボットMC1に取り付けられた検査装置4を動かす。
検査制御装置3は、ロボット制御装置2により検査装置4が被溶接ワークを走査可能に移動されている中で検査装置4と協働して外観検査を行い、ステップSt6の外観検査の結果、被溶接ワークには溶接の不良箇所があるためにリペア溶接が必要であると判定し(St7)、ステップSt7での判定結果を含む外観検査報告を生成してロボット制御装置2aに送る(St21)。ロボット制御装置2aは、ステップSt21で送られた外観検査報告を受信すると、この外観検査報告の内容(つまり外観検査結果)と、ステップSt3において作成された本溶接プログラムとを用いて、実施の形態1と同様にして本溶接プログラムの一部を改変することでリペア溶接プログラムを作成する(St22)。ロボット制御装置2aは、上位装置1から送られたリペア溶接の実行指令を受信すると、その実行指令で指定される被溶接ワークを対象としたリペア溶接プログラム(ステップSt22で作成)に基づいて、そのリペア溶接プログラムに従ったリペア溶接を溶接ロボットMC1に実行させる(St12)。ステップSt12以降の処理は図3Aと同一であるため、説明を省略する。
以上により、実施の形態2に係る溶接システム100aでは、ロボット制御装置2aは、外観検査結果に基づいて、検出点Pの位置に最も近接する溶接線WLN2上の対応箇所(対応点)のリペア溶接を実行させるリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接装置(例えばロボット制御装置2a)は、作成されたリペア溶接プログラムに従い、対応箇所を溶接ロボットMC1にリペア溶接させる。これにより、リペア溶接装置は、外観検査において得られた検出点Pに最も近接する本溶接時の溶接ロボットMC1の動作軌跡上の対応箇所を特定でき、この対応箇所を含むように溶接ロボットMC1を介して自動的かつ効率的にリペア溶接できる。
(実施の形態3)
実施の形態2では、リペア溶接プログラムはロボット制御装置2aにより作成される。実施の形態3では、リペア溶接プログラムは上位装置1aによって行われる例を説明する。
(溶接システムの構成)
図11は、実施の形態3に係る検査制御装置3、ロボット制御装置2および上位装置1aの内部構成例を示す図である。図11の説明において、図2の各部の構成と同一のものには同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。また、実施の形態3に係る溶接システム100bの構成は実施の形態1に係る溶接システム100と同一の構成である(図1参照)。
リペア溶接装置の一例としての上位装置1aは、ロボット制御装置2を介して溶接ロボットMC1により実行されるリペア溶接の実行(例えばリペア溶接の開始、完了)を統括して制御する。例えば、上位装置1aは、検査制御装置3から外観検査報告を受信すると、リペア溶接プログラムを作成するとともに、溶接ロボットMC1により生産された被溶接ワークのリペア溶接の実行指令を生成してリペア溶接プログラムを含めてロボット制御装置2に送る。上位装置1aは、通信部10と、プロセッサ11aと、メモリ12とを少なくとも含む構成である。
プロセッサ11aは、例えばCPUまたはFPGAを用いて構成され、メモリ12と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ11aは、メモリ12に保持されたプログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、セル制御部13およびリペア溶接プログラム作成部14を機能的に実現する。
リペア溶接プログラム作成部14は、検査制御装置3から送られたワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)の外観検査結果と被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークのワーク情報(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワークの溶接不良の検出点の位置を示す座標等の情報)とを用いて、溶接ロボットMC1により実行されるべきワークWk(例えば被溶接ワークあるいは被リペア溶接ワーク)のリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接プログラムの作成手順の詳細については、図4、図5、図6および図7を参照して実施の形態1で説明した内容と同一であるため説明を省略する。なお、生成されたリペア溶接プログラムは、プロセッサ11a内に記憶されてもよいし、メモリ12内のRAMに記憶されてもよい。
(溶接システムの動作)
次に、実施の形態3に係る溶接システム100bによる本溶接およびリペア溶接の動作手順について、図12Aを参照して説明する。図12Aは、実施の形態3に係る溶接システム100bによる本溶接およびリペア溶接の動作手順例を示すシーケンス図である。図12Bは、実施の形態3に係る溶接システム100bによる本溶接およびリペア溶接の動作手順の変形例を示すシーケンス図である。図12Aおよび図12Bの説明では、複数の元ワークを用いた本溶接、そして被溶接ワークの外観検査が不合格となったことに基づいて行われるリペア溶接の各工程に関して上位装置1aとロボット制御装置2と検査制御装置3との間で行われる動作手順を例示して説明する。また、図12Aあるいは図12Bの説明において、図3Aあるいは図3Bの処理と重複する処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図12Aあるいは図12Bにおいて、上位装置1aを介さずに、ロボット制御装置2が、ステップSt1,ステップSt2の処理をそれぞれ実行してもよい。この場合には、ロボット制御装置2のメモリ22には外部ストレージSTに保存されているデータと同じデータが保存されているか、あるいはロボット制御装置2が外部ストレージSTからデータの取得を可能に接続されていることが好ましい。なお、図12Bに示すように、図3Bと同様に、上位装置1aは、本溶接完了通知を受けると、被溶接ワークの外観検査用プログラムを含む外観検査用プログラムの実行指令を生成してロボット制御装置2に送ってよい(St4.5)。この場合、図12Bに示すように、ロボット制御装置2は、被溶接ワークの外観検査の実行指令を生成して検査制御装置3に送るとともに(St5)、外観検査の開始に伴って上位装置1aから受けた外観検査用プログラムを実行して溶接ロボットMC1に取り付けられた検査装置4を動かす。
検査制御装置3は、ステップSt6の外観検査の結果、被溶接ワークには溶接の不良箇所があるためにリペア溶接が必要であると判定し(St7)、ステップSt7での判定結果を含む外観検査報告を生成してロボット制御装置2に送る(St21)。また、検査制御装置3は、同様に生成された外観検査報告を上位装置1aに送る(St10)。
上位装置1aは、ステップSt10で送られた外観検査報告を受信すると、本溶接プログラムをロボット制御装置2より取得し、この外観検査報告の内容(つまり外観検査結果)と本溶接プログラムとを用いて、実施の形態1と同様にして本溶接プログラムの一部を改変することでリペア溶接プログラムを作成する(St31)。また、図12Aでは詳細の図示を省略しているが、検査制御装置3は、ステップSt10で送られた外観検査報告を受信すると、本溶接プログラムのデータをロボット制御装置2に要求し、この要求に応じてロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムのデータを取得してよいし、あるいはステップSt3の後にロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムのデータを予め取得してもよい。これにより、上位装置1aは、この取得した本溶接プログラムのデータを部分的に改変することで、効率的にリペア溶接プログラムのデータを作成することができる。上位装置1aは、被溶接ワークを対象としたリペア溶接の実行指令を生成して作成されたリペア溶接プログラムを含めてロボット制御装置2に送る(St32)。ロボット制御装置2は、上位装置1aから送られたリペア溶接の実行指令を受信すると、その実行指令で指定される被溶接ワークを対象としたリペア溶接プログラム(ステップSt32で受領)に基づいて、そのリペア溶接プログラムに従ったリペア溶接を溶接ロボットMC1に実行させる(St12)。ステップSt12以降の処理は図3Aと同一であるため、説明を省略する。
以上により、実施の形態3に係る溶接システム100bでは、上位装置1aは、外観検査結果に基づいて、検出点Pの位置に最も近接する溶接線WLN2上の対応箇所(対応点)のリペア溶接を実行させるリペア溶接プログラムを作成する。リペア溶接装置(例えば上位装置1a)は、作成されたリペア溶接プログラムに従い、対応箇所を溶接ロボットMC1にリペア溶接させる。これにより、リペア溶接装置は、外観検査において得られた検出点Pに最も近接する本溶接時の溶接ロボットMC1の動作軌跡上の対応箇所を特定でき、この対応箇所を含むように溶接ロボットMC1を介して自動的かつ効率的にリペア溶接できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
なお、上述した実施の形態1〜3において、検出点に最も近接する溶接線上の対応点の特定の例は、上述した第1〜第4動作概要例に限定されない。以下、図13および図14をそれぞれ参照して、第5動作概要例および第6動作概要例を説明する。なお、以下の説明は、実施の形態1に照らして検査制御装置3において実行されるとして説明するが、実施の形態2に照らしてロボット制御装置2aにより実行されてもよいし、実施の形態3に照らして上位装置1aにより実行されてもよい。
図13は、検出点に最も近接する溶接線上の対応点の特定に関する第5動作概要例を模式的に示す図である。第5動作概要例では、溶接線が複数(例えば3つ)の直線部により構成され、例えば溶接の不良としてアンダーカット(つまり、本溶接により母材の上に生じた止端の溝)が発生したとする。第5動作概要例において、図8の説明と重複する内容の説明は簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図8において、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果を用いて、外観検査結果に含まれる検出点(例えば図13に示す検出点R)の位置を示す情報(例えば座標)に最も近接する溶接線WLN4上の位置Rh3(つまり対応点)を特定する(St8−2)。リペア溶接プログラム作成部38は、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作軌跡のうち、ステップSt8−2で特定された対応点を含む所定長の範囲をリペア溶接箇所と決定する(St8−3)。
図13において、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果に含まれる検出点Rの位置と溶接線WLN4を示す情報とを取得する(St8−2−21)。リペア溶接プログラム作成部38は、ロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムに規定された溶接ロボットMC1の動作区間(具体的には、第1の直線区間、第2の直線区間、第3の直線区間の連なった組み合わせ)に基づいて、溶接線WLN4を複数の溶接区間に分割する(St8−2−22)。リペア溶接プログラム作成部38は、例えば溶接線WLN4を、3つの溶接区間WLN41,WLN42,WLN43に分割する。端点D9は、溶接区間WLN41の一方の端点(例えば開始点)である。端点D10は、溶接区間WLN41の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、溶接区間WLN42の一方の端点(例えば開始点)である。端点D12は、溶接区間WLN42の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、溶接区間WLN43の一方の端点(例えば開始点)である。端点D11は、溶接区間WLN43の他方の端点(例えば終了点)である。
リペア溶接プログラム作成部38は、本溶接プログラムに基づいて溶接区間WLN41〜WLN43のそれぞれが直線区間であると判断し、それぞれの溶接区間を3次元図形として数式化する(St8−2−23)。例えば、リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN41を3次元図形(例えば直線L5)に近似して数式化する。同様に、リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN42を3次元図形(例えば直線L6)に近似して数式化する。リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN43を3次元図形(例えば直線L7)に近似して数式化する。リペア溶接プログラム作成部38は、検出点Rから溶接区間WLN41〜WLN43のそれぞれまでの最短距離となる位置Rh1,Rh2,Rh3を算出する(St8−2−24)。言い換えると、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−2−23で数式化された溶接区間WLN41〜WLN43のそれぞれの3次元図形に下した垂線の足の位置Rh1,Rh2,Rh3を、検出点Rに最も近接する溶接線WLN4上の対応点の候補として算出する(St8−2−24)。
第5動作概要例では、第3動作概要例と同様に位置Rh2は、本溶接時における溶接ロボットMC1の動作軌跡上に存在しない点(言い換えると、溶接線WLN4上に位置しない点)となっている。このため、位置Rh2は溶接ロボットMC1によるリペア溶接の対象として含めることは、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作と異なることになり、溶接ロボットMC1の動作として効率性を欠く。そこで、リペア溶接プログラム作成部38は、位置Rh2の代わりに、位置Rh2が存在する直線L6の溶接区間WLN42の端点D11,D10のうち検出点Rに最も近接する端点D11を、溶接区間WLN42における対応点の候補として決定する(St8−2−25)。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−2−24〜ステップSt8−2−25の処理により算出あるいは決定された対応点の候補(具体的には、溶接区間WLN41の位置Rh1,溶接区間WLN42の端点D11,溶接区間WLN43の位置Rh3)の中で、検出点Rに最も近接する位置Rh3を選択し(St8−2−26)、この選択された位置Rh3を検出点Rの対応点と決定する(St8−2−27)。
このように、実施の形態1〜3において、リペア溶接装置は、溶接ロボットMC1の動作軌跡(例えば溶接線WLN4)が複数の略直線状の溶接区間(例えば溶接区間WLN41,WLN42,WLN43)を連ねて有する場合に、不良箇所からの垂線がそれぞれの溶接区間と交わるそれぞれの交差位置(例えば位置Rh1,Rh2,Rh3)とそれぞれの溶接区間の端点(例えば端点D9,D10,D12,D11)との中から、不良箇所から最も近接する対応箇所(例えば位置Rh3)を選択して特定する。これにより、リペア溶接装置は、本溶接時に溶接ロボットMC1の動作軌跡が複数の略直線形状の溶接区間が連ねて構成されていた場合に、溶接ロボットMC1の動作軌跡の部分的な変更だけでリペア溶接が必要な範囲を簡易に求めることができるので、検出点から最も近い溶接線WLN4上の位置Rh3を通過するようにリペア溶接を効率的に行える。
図14は、検出点に最も近接する溶接線上の対応点の特定に関する第6動作概要例を模式的に示す図である。第6動作概要例では、溶接線が複数(例えば3つ)の円弧部により構成され、例えば溶接の不良としてアンダーカット(つまり、本溶接により母材の上に生じた止端の溝)が発生したとする。第6動作概要例において、図8の説明と重複する内容の説明は簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図8において、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果を用いて、外観検査結果に含まれる検出点(例えば図14に示す検出点V)の位置を示す情報(例えば座標)に最も近接する溶接線WLN5上の位置Vh3(つまり対応点)を特定する(St8−2)。リペア溶接プログラム作成部38は、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作軌跡のうち、ステップSt8−2で特定された対応点を含む所定長の範囲をリペア溶接箇所と決定する(St8−3)。
図14において、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−1で取得された外観検査結果に含まれる検出点Vの位置と溶接線WLN5を示す情報とを取得する(St8−2−31)。リペア溶接プログラム作成部38は、ロボット制御装置2から送られた本溶接プログラムに規定された溶接ロボットMC1の動作区間(具体的には、第1の円弧区間、第2の円弧区間、第3の円弧区間の連なった組み合わせ)に基づいて、溶接線WLN5を複数の溶接区間に分割する(St8−2−32)。リペア溶接プログラム作成部38は、例えば溶接線WLN5を、3つの溶接区間WLN51,WLN52,WLN53に分割する。端点D13は、溶接区間WLN51の一方の端点(例えば開始点)である。端点D14は、溶接区間WLN51の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、溶接区間WLN52の一方の端点(例えば開始点)である。端点D15は、溶接区間WLN52の他方の端点(例えば終了点)であり、更に、溶接区間WLN53の一方の端点(例えば開始点)である。端点D16は、溶接区間WLN53の他方の端点(例えば終了点)である。
リペア溶接プログラム作成部38は、本溶接プログラムに基づいて溶接区間WLN51〜WLN53のそれぞれが円弧区間であると判断し、それぞれの溶接区間を3次元図形として数式化する(St8−2−33)。例えば、リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN51を3次元図形(例えば円C3)に近似して数式化する。同様に、リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN52を3次元図形(例えば円C4)に近似して数式化する。リペア溶接プログラム作成部38は、溶接区間WLN53を3次元図形(例えば円C5)に近似して数式化する。リペア溶接プログラム作成部38は、検出点Vから溶接区間WLN51〜WLN53のそれぞれまでの最短距離となる位置Vh1,Vh2,Vh3を算出する(St8−2−34)。言い換えると、リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−2−33で数式化された溶接区間WLN51〜WLN53のそれぞれの3次元図形に下した垂線の足の位置Vh1,Vh2,Vh3を、検出点Vに最も近接する溶接線WLN5上の対応点の候補として算出する(St8−2−34)。
第5動作概要例では、第3動作概要例と同様に位置Vh1,Vh3のそれぞれは、本溶接時における溶接ロボットMC1の動作軌跡上に存在しない点(言い換えると、溶接線WLN5上に位置しない点)となっている。このため、位置Vh1,Vh3は溶接ロボットMC1によるリペア溶接の対象として含めることは、本溶接時の溶接ロボットMC1の動作と異なることになり、溶接ロボットMC1の動作として効率性を欠く。そこで、リペア溶接プログラム作成部38は、位置Vh1の代わりに、位置Vh1が存在する円C3の溶接区間WLN51の端点D13,D14のうち検出点Vに最も近接する端点D13を、溶接区間WLN51における対応点の候補として決定する(St8−2−35)。同様に、リペア溶接プログラム作成部38は、位置Vh3の代わりに、位置Vh3が存在する円C5の溶接区間WLN53の端点D15,D16のうち検出点Vに最も近接する端点D15を、溶接区間WLN53における対応点の候補として決定する(St8−2−35)。
リペア溶接プログラム作成部38は、ステップSt8−2−34〜ステップSt8−2−35の処理により算出あるいは決定された対応点の候補(具体的には、溶接区間WLN51の端点D13,溶接区間WLN52の位置Vh2,溶接区間WLN53の端点D15)の中で、検出点Vに最も近接する位置(つまり端点D13)を選択し(St8−2−226)、この選択された端点D13の位置を検出点Vの対応点と決定する(St8−2−37)。
このように、実施の形態1〜3において、リペア溶接装置は、溶接ロボットMC1の動作軌跡(例えば溶接線WLN5)が複数の略円弧状の溶接区間(例えば溶接区間WLN51,WLN52,WLN53)を連ねて有する場合に、不良箇所からの垂線がそれぞれの溶接区間と交わるそれぞれの交差位置(例えば位置Vh1,Vh2,Vh3)とそれぞれの溶接区間の端点(例えば端点D13,D14,D15,D16)との中から、不良箇所から最も近接する対応箇所(例えば端点D13)を選択して特定する。これにより、リペア溶接装置は、本溶接時に溶接ロボットMC1の動作軌跡が複数の略円弧形状の溶接区間が連ねて構成されていた場合に、溶接ロボットMC1の動作軌跡の部分的な変更だけでリペア溶接が必要な範囲を簡易に求めることができるので、検出点から最も近い溶接線WLN5上の位置(具体的には端点D13)を通過するようにリペア溶接を効率的に行える。
本開示は、本溶接により生産された被溶接ワークの不良箇所をより効率的にリペア溶接するリペア溶接装置およびリペア溶接方法として有用である。
1、1a 上位装置
2、2a ロボット制御装置
10、20、30 通信部
11、11a、21、21a、31 プロセッサ
12、22、32 メモリ
13 セル制御部
14、38 リペア溶接プログラム作成部
23 本溶接プログラム作成部
24 演算部
25 ロボット制御部
26 電源制御部
33 検査結果記憶部
34 判定閾値記憶部
35 形状検出制御部
36 データ処理部
37 検査結果判定部
100、100a、100b 溶接システム
200 マニピュレータ
300 ワイヤ送給装置
301 溶接ワイヤ
400 溶接トーチ
500 電源装置
MC1 溶接ロボット
MC1a 本溶接ロボット
MC1b リペア溶接ロボット
ST 外部ストレージ

Claims (8)

  1. 溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得する取得部と、
    前記外観検査結果に基づいて、前記不良箇所の位置に最も近接する、前記溶接ロボットの前記本溶接時の動作軌跡上の対応箇所を対象としたリペア溶接の実行を前記溶接ロボットに指示するロボット制御部と、を備える、
    リペア溶接装置。
  2. 前記外観検査結果に基づいて、前記対応箇所のリペア溶接を実行させるリペア溶接プログラムを作成するリペア溶接プログラム作成部、を更に備え、
    前記ロボット制御部は、前記リペア溶接プログラムに従い、前記対応箇所を前記溶接ロボットにリペア溶接させる、
    請求項1に記載のリペア溶接装置。
  3. 前記リペア溶接プログラム作成部は、前記動作軌跡が略直線形状の溶接区間を有しかつ前記不良箇所が第1検出箇所から第2検出箇所までの範囲である場合に、前記第1検出箇所からの垂線が前記溶接区間と交わる第1交差位置から、前記第2検出箇所からの垂線が前記溶接区間と交わる第2交差位置までをリペア溶接区間と設定する、
    請求項2に記載のリペア溶接装置。
  4. 前記リペア溶接プログラム作成部は、前記動作軌跡が略直線状の第1溶接区間と略円弧状の第2溶接区間とを少なくとも連ねて有する場合に、前記不良箇所からの垂線が前記第1溶接区間と交わる第1交差位置と前記不良箇所からの垂線が前記第2溶接区間に基づく円と交わる第2交差位置とのうちいずれかを、前記不良箇所から最も近接する前記対応箇所として特定する、
    請求項2に記載のリペア溶接装置。
  5. 前記リペア溶接プログラム作成部は、前記第2交差位置が前記動作軌跡上に存在しない場合、前記不良箇所から最も近接する、前記第2溶接区間の両端の端点のうちいずれかを前記第2交差位置と設定する、
    請求項4に記載のリペア溶接装置。
  6. 前記リペア溶接プログラム作成部は、前記動作軌跡が複数の略直線状の溶接区間を連ねて有する場合に、前記不良箇所からの垂線がそれぞれの前記溶接区間と交わるそれぞれの交差位置とそれぞれの前記溶接区間の端点との中から、前記不良箇所から最も近接する前記対応箇所を選択して特定する、
    請求項2に記載のリペア溶接装置。
  7. 前記リペア溶接プログラム作成部は、前記動作軌跡が複数の略円弧状の溶接区間を連ねて有する場合に、前記不良箇所からの垂線がそれぞれの前記溶接区間と交わるそれぞれの交差位置とそれぞれの前記溶接区間の端点との中から、前記不良箇所から最も近接する前記対応箇所を選択して特定する、
    請求項2に記載のリペア溶接装置。
  8. リペア溶接装置により実行されるリペア溶接方法であって、
    溶接ロボットによる本溶接により生産された被溶接ワークの溶接ビードの不良箇所の情報を含む外観検査結果を取得する工程と、
    前記外観検査結果に基づいて、前記不良箇所の位置に最も近接する、前記溶接ロボットの前記本溶接時の動作軌跡上の対応箇所を対象としたリペア溶接の実行を前記溶接ロボットに指示する工程と、を有する、
    リペア溶接方法。
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