JP2005028411A - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents

溶接装置及び溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005028411A
JP2005028411A JP2003271459A JP2003271459A JP2005028411A JP 2005028411 A JP2005028411 A JP 2005028411A JP 2003271459 A JP2003271459 A JP 2003271459A JP 2003271459 A JP2003271459 A JP 2003271459A JP 2005028411 A JP2005028411 A JP 2005028411A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
electrode wire
wire
current
arc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003271459A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikari Yamamoto
光 山本
Toshihiko Ishihara
利彦 石原
Kenji Oshima
健司 大嶋
Satoshi Yamane
敏 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP2003271459A priority Critical patent/JP2005028411A/ja
Publication of JP2005028411A publication Critical patent/JP2005028411A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)

Abstract

【課題】良好な裏ビードが得られているか否かを溶接中に判断することができる溶接装置を提供する。
【解決手段】ルートギャップを有する突合せ継手8をアーク溶接する溶接装置において、電極ワイヤ3を挿通した溶接トーチ2を溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させる溶接ロボット1と、前記電極ワイヤ3に電力を供給する電源装置7と、前記溶接トーチ2に前記電極ワイヤ3を送給するワイヤ送給装置5と、前記溶接トーチ2の進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を計測し、裏ビードが正常に生成されたか否かを判断する判断手段13とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ルートギャップを有する突合せ継手を溶接する溶接装置及び溶接方法に関するものである。
ルートギャップを有する突合せ継手を溶接する場合、ルートギャップ部分に裏当て材を当て、この状態で開先部分に溶融金属を流し込んでいくことが一般的に行われるが、裏当て材を用いた場合、裏当て材を取り付けるための工数が増加し、また鋼裏当て材を用いた場合には、継手効率が低下する恐れがある。更に、箱型構造物においては、溶接後の裏当て材の除去が困難な場合が多い。そこで、突合せ継手にルートギャップが生じている場合でも、溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させることで、突合せ継手を構成する対向した2つの母材間に溶融金属をブリッジさせ、裏当て材を用いずに突合せ継手を溶接し、なおかつ良好な裏ビードを形成する技術が既に提唱されている(例えば非特許文献1等参照。)。
山本 光、外5名、"バッキングレスV開先継手におけるルートギャップ変動に対する裏ビードのフィードフォワード制御"、溶接学会論文集、平成14年11月、第20巻、第4号、p499−505
上記の従来技術は、施工条件の設定により、ルートギャップに良好な裏ビードを形成することができるが、その溶接構造物の接合上の信頼性を確認するために、溶接後の裏ビードの形成状態を確認することがある。この場合に、溶接対象物が例えば箱型構造物であると、当該継手部分に良好な裏ビードが得られたかどうかを直接観察することは不可能である。このため、超音波等の非破壊検出手段により、裏ビードの状態を把握することは可能であるが、溶接後に全数検査を行うことは工程上困難な場合がある。
本発明は上記の事柄に鑑みてなされたもので、良好な裏ビードが得られているか否かを溶接中に判断することができる溶接装置及び溶接方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接装置において、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させる溶接ロボットと、前記電極ワイヤに電力を供給する電源装置と、前記溶接トーチに前記電極ワイヤを送給するワイヤ送給装置と、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を計測し、裏ビードが正常に生成されたか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴とする溶接装置にある。
また、第2の発明は、ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接装置において、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させる溶接ロボットと、前記電極ワイヤに電力を供給する電源装置と、前記溶接トーチに前記電極ワイヤを送給するワイヤ送給装置と、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を計測し、アークが正常な位置に発生しているか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴とする溶接装置にある。
更に、第3の発明は、ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接装置において、 電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させる溶接ロボットと、前記電極ワイヤに電力を供給する電源装置と、前記溶接トーチに前記電極ワイヤを送給するワイヤ送給装置と、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を計測し、前記突合せ継手を構成する2つの母材のルートエッジ同士が正常にブリッジしたか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴とする溶接装置にある。
また、第4の発明は、ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接装置において、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させる溶接ロボットと、前記電極ワイヤに電力を供給する電源装置と、前記溶接トーチに前記電極ワイヤを送給するワイヤ送給装置と、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を計測し、溶接後のビード高さが正常範囲にあるか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴とする溶接装置にある。
更に、第5の発明は、第2乃至第5の発明において、前記判断手段による判断結果に基づき、良好な裏ビードが得られるように、溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を制御する制御手段を備えたことを特徴とする溶接装置にある。
また、第6の発明は、ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接方法において、溶接ロボットによって、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させ、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において、溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を、判断手段に取込んで、裏ビードが正常に生成されたか否かを判断することを特徴とする溶接方法にある。
更に、第7の発明は、ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接方法において、溶接ロボットによって、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させ、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において、溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を、判断手段に取込んで、アークが正常な位置に発生しているか否かを判断することを特徴とする溶接方法にある。
また、第8の発明は、ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接方法において、溶接ロボットによって、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させ、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を、判断手段に取込んで、前記突合せ継手を構成する2つの母材のルートエッジ同士が正常にブリッジしたか否かを判断することを特徴とする溶接方法にある。
更に、第9の発明は、ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接方法において、 溶接ロボットによって、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させ、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を、判断手段に取込んで、溶接後のビード高さが正常範囲にあるか否かを判断することを特徴とする溶接方法にある。
また、第10の発明は、第7乃至第9の発明において、前記判断手段の判断結果を制御手段が取込み、良好な裏ビードが得られるように、溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を制御することを特徴とする溶接方法にある。
本発明によれば、ルートギャップを有する突合せ継手に、良好な裏ビードが得られているか否かを溶接中に判断することができるので、溶接作業後における裏ビードの成形の良否判断作業が不要になり、その溶接作業性を向上させることができる。
以下、本発明の溶接装置及び溶接方法の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の溶接装置の一実施の形態の全体構成を表す概略図で、この図1において、1は多関節型のアーム1aを有する溶接ロボット、2はそのアーム1a先端に設けた溶接トーチ、3は溶接トーチ2に挿通された電極ワイヤ、4は溶接トーチ2に電極ワイヤ3を導くチューブ、5はリール6に巻回された電極ワイヤ3を溶接トーチ2に順次送給するワイヤ送給装置である。なお、特に図示していないが、溶接トーチ2には、シールドガスを噴射するガスノズルが設けてある。
7は電極ワイヤ3等に電力(電流・電圧)を供給する電源装置で、この電源装置7のプラス端子7aは電極ワイヤ3(厳密にはチューブ4)に、マイナス端子7bは溶接対象であるルートギャップを有する突合せ継手8に、それぞれ接続している。また、電源装置7の図示しない出力端子は、ワイヤ送給装置5に接続しており、電源装置7からワイヤ送給装置5に供給される指令信号(電力)の大きさにより、電極ワイヤ3の送給速度が調整される。
9は溶接ロボット制御盤で、この溶接ロボット制御盤9は、溶接ロボット1、電源装置7に対する指令信号を演算する制御装置10と、この制御装置10で演算された各指令信号を溶接ロボット1及び電源装置7にそれぞれ出力する溶接ロボット駆動装置11及び電源駆動装置12と、裏ビードの成形の良否を判断する判断装置13とを備えている。この判断装置13の入力側には、ワイヤ送給装置5に連結したワイヤ送給量検出器14と、電極ワイヤ3に印加される電流量を検出する電流量検出器15と、電極ワイヤ3に印加される電圧量を検出する電圧量検出器16とが接続されている。また、前記判断装置13の出力側は、前記制御装置10に接続されている。この判断装置13の詳細な構成は後述する。
17は溶接トーチ2の近傍(図1に矢印Xで図示した溶接線方向前方側)のアーム1aの先端に設けたギャップ検出センサで、このギャップ検出センサ13は突合せ継手8間のルートギャップや目違いを検出し、この検出値を制御装置10に出力する。このギャップ検出センサ13としては、例えばレーザセンサや超音波センサ等が用いられる。
図2は、本発明の溶接装置に用いられる判断装置13の一実施の形態を示すもので、この判断装置13の詳細な構成を説明するに先立って、この判断装置13の判断原理を図3を用いて説明すると、ルートギャップに裏ビードが適正に形成されたか否かを判断するためには、図3に示すように、溶接ノズル2を構成する電極チップ18の先端からアーク20の先端までの距離Ltを把握することにより、可能である。この距離Ltは、溶接ノズル2内にある電極チップ18の先端から電極ワイヤ3の先端までの長さ、すなわち突き出し長Lextと、電極ワイヤ3の先端からアークAの先端までの長さ、すなわちアーク長Larcとから求められる。これらは電極ワイヤ3に流れる溶接電流i、電極ワイヤ3の送給速度vf、電極チップ18先端からアークA先端までの電圧、すなわち電流供給点電圧Vt、およびアークAの電流・電圧特性とから計算可能である。
図2に戻り、前述した判断装置13の具体的な構成を説明すると、この図2において、図1と同符号のものは同一部分である。19は第1の演算手段で、この第1の演算手段19は、電極ワイヤ3に流れる溶接電流i、電極ワイヤ3の送給速度vf、電極チップ18の先端からアークAの先端までの電圧、すなわち電流供給点電圧Vt、およびアークAの電流・電圧特性を取込んで、溶接ノズル2内にある電極チップ18の先端から電極ワイヤ3の先端までの長さ、すなわち突き出し長Lextを演算する。
20は第2の演算手段で、この第2の演算手段20は電極ワイヤ3に流れる溶接電流i、電極ワイヤ3の送給速度vf、電極チップ18の先端からアークAの先端までの電圧、すなわち電流供給点電圧Vt、およびアークAの電流・電圧特性を取込んで、電極ワイヤ3の先端からアークAの先端までの長さ、すなわちアーク長Larcを演算する。
21は第3の演算手段で、この第3の演算手段21は、第1の演算手段19からの突き出し長Lextと第2の演算手段20からのアーク長Larcとから電極チップ18の先端からアークAの先端までの距離Ltを演算する。
22は記憶手段で、この記憶手段22は予め設定した適正距離Lxを記憶している。23は比較手段で、この比較手段23は、第3の演算手段21からの演算距離Ltが記憶手段22に予め記憶した設定距離Lxの範囲内にあるか否かを判断し、演算距離Ltが設定距離Lxの範囲外の場合には、制御装置10に、停止指令を出力するか、または演算距離Ltが設定距離Lxの範囲になるように、溶接電流i、電極ワイヤ3の送給速度vf、電流供給点電圧Vtを制御する信号を出力する。
次に、上述した本発明の判断装置の一実施の形態を備えた溶接装置の動作を、図1乃至図5を用いて説明する。溶接ロボット1は、制御装置10に溶接開始点及び終了点が入力されると、溶接開始の指示に基づき、制御装置10によって、ギャップ検出センサ13からの検出信号に基づき、溶接条件を逐次更新し、溶接ロボット1及び電源装置7を制御する(制御装置10による制御フローについては後述する)。
溶接ロボット1は、図4に示すように、溶接線に対しほぼ直交する方向にウィービング24させると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作25(第1の前進・後退・第2の前進を1周期とするいわゆるスイッチバック動作)させながら、溶接トーチ2を移動させることができる。溶接ロボット1は、溶接ロボット駆動装置11を介して出力される制御装置10からの指令信号を入力すると、その指令信号に応じたウィービング幅及び移動速度(溶接速度)で、溶接トーチ2をウィービングさせつつ、溶接線に沿って図中矢印24方向に移動させるよう、アーム1aを動作させる。
一方、これと同時に、電源装置7は、電源駆動装置12を介して出力される制御装置10からの指令信号を入力すると、その指令値に応じた電圧・電流を電極ワイヤ3に印加する。電極ワイヤ3に印加される電流は、電源装置7のプラス端子7a→電極ワイヤ3→突合せ継手8→電源駆動装置7のマイナス端子7bといった順に流れる。
これにより、電極ワイヤ3の先端から突合せ継手8の溶接箇所までの間にアークAが発生し、そのアーク熱により電極ワイヤ3の先端部と突合せ継手8の溶接箇所とが溶融し、突合せ継手8に溶融金属が付着形成される。また、こうした電極ワイヤ3の消耗(溶融)に伴い、電源駆動装置7は、制御装置10からの指令信号に応じた大きさのワイヤ送給信号(電圧)をワイヤ送給装置5に出力し、ワイヤ送給装置5の駆動速度を制御することにより、電極ワイヤ3を順次溶接トーチ2に送給する。
次に、上述したルートギャップを有する突合せ継手8の溶接動作とその裏ビードの成形良否判断動作を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
制御装置10は、図5において、まずステップ100にて、ある定まったルートギャップに基づいて設定された施工条件により、溶接ロボット駆動装置11及び電源駆動装置12にそれぞれ指令を与え、溶接ロボット1及び電源装置7を駆動し、溶接を開始する。
次に、制御装置10は、ステップ101で、スイッチバックの対象動作(ここでは第1の前進動作)が開始したかどうかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップ102に手順を移行する。
更に、制御装置10は、ステップ102で、対象動作開始後に予め定めた時間Δt1が経過したかどうかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップ103に移行する。
次に、制御装置10は、ステップ103で、判断装置13における第1の演算手段19及び第2の演算手段20に、溶接電流i、電極ワイヤの送給速度vf、電流供給点電圧Vtを計測する指示を与え、ステップ104に移る。
更に、制御装置10は、ステップ104で、時間Δt1経過後さらに予め定めた時間Δt2が経過したかどうかを判定する。判定が満たされない場合、ステップ103に戻って、更に溶接電流i、電極ワイヤの送給速度vf、電流供給点電圧Vtを計測する。判定が満たされた場合、ステップ105に手順を移行する。すなわち、対象動作の開始から時間Δt1経過してからさらに時間Δt2経過するまでの間に、上記の計測指示を前記判断装置13における第1の演算手段19及び第2の演算手段20に与える。
ステップ105で、判断手段13は、前述した計測値に基づいて演算距離Ltが予め設定した設定距離Lxの範囲内にあるか否かを判定する。判定が満たされない場合、ステップ106に移り、異常となった溶接位置の情報を保存し、前述した制御装置10に、停止指令を出力するか、または演算距離Ltが設定距離Lxの範囲になるように、溶接電流i、電極ワイヤ3の送給速度vf、電流供給点電圧Vtを制御する信号を出力する。判定が満たされた場合、ステップ107に手順を移行する。
次に、制御装置10は、ステップ107で、スイッチバックの対象動作(ここでは第1の前進動作)が終了したかどうかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップ108に手順を移行する。
次に、制御装置10は、ステップ108で、溶接終了位置に到達したかどうかを判定する。判定が満たされない場合、ステップ101に戻り、上記の処理を繰り返す。判定が満たされた場合、ステップ109に手順を移行し、溶接を終了する。上述した本発明の判断制御動作により、突合せ継手8のルートギャップ部に、適正な裏ビードが形成されているか否かを把握することができる。
図6は、本発明の装置に用いられる判断装置の他の実施の形態を示すもので、この図において、図2に示す符号と同符号のものは、同一または相当する部分である。この判断装置13は、突合せ継手8のルートギャップ部に、適正な裏ビードが形成されているか否かを、突合せ継手8のルートギャップに、溶融物のブリッジが形成されているか否かで判断するようにしたもので、その構成を説明する前に、その判断機能の原理を、図7及び図8を用いて説明すると、図7は、電極ワイヤ3のスイッチバック動作の第1の前進時から後退時の前半の様子を示したものである。アークAは母材に直接当たり、溶滴がルートエッジ付近に付着する。この際に重要なのは、アークAがルートエッジ近傍に当たることであり、ウィービング両端での突き出し長Lextは長く(電極ワイヤの先端位置は下へ)、アーク長Larc(電極ワイヤから開先表面までの最短距離)は短く設定される。ここで、何らかの外乱等によりアークAがルートエッジ近傍から離れて発生した場合、アーク長Larcは長くなり、突き出し長Lextは短くなる。よって、上述のように溶接電流i、電極ワイヤ3の送給速度vf、電流供給点電圧Vtを計測し、アーク長Larc及び突き出し長Lext監視することにより、アークの発生位置が正常範囲にあるか否かを判断することができる。
図8は電極ワイヤ3のスイッチバック後退時の後半の様子を示したもので、この図8において、付着した溶滴同士がブリッジし、溶融池Pが形成される。この時、溶融池Pは表面張力により上方へ持ち上がる。アークAは主に溶融池Pの上面へ出るようになり、アーク長Larcは図中に示すように図7に示す場合よりも短くなる。すなわち、溶接電流i、電極ワイヤ3の送給速度vf、電流供給点電圧Vtを計測して、アーク長Larcを演算することにより、その変化を捉えられるので、その変化を予め記憶した設定値との比較により、ルートエッジのブリッジが正常なタイミングで行われたか否かを判断することができる。
図6に戻り、前述した判断装置13の構成を説明すると、25は第1の記憶手段で、この第1の記憶手段25は、電極ワイヤ3のスイッチバック後退時にルートエッジ間にブリッジが形成されるときのアーク長の設定値を記憶している。26は第2の記憶手段で、この第2の記憶手段26は、ルートエッジのブリッジが行われるべき時刻(Δt2)を記憶している。
判断装置23は、前記第1の記憶手段25、第2の記憶手段26に記憶された情報を用いて、図9のフローチャート図に沿って判断処理を実行する。すなわち、電極ワイヤ3のスイッチバック後退時にルートエッジ間にブリッジが形成されるときの時刻(Δt2)に達したら(ステップ204)、溶接電流i、電極ワイヤ3の送給速度vf、電流供給点電圧Vtを計測して(ステップ205)、この時刻(Δt2)のアーク長Larcを演算し、この演算値が設定値であれば(ステップ206)、ルートエッジのブリッジが正常なタイミングで行われたと判断することができる。
ここでは一定のルートギャップを想定した場合を説明したが、ルートギャップが変化する場合は、逐次ルートギャップを計測し、施工条件を変更しながら上記処理を実行することができる。この際には、第1の前進動作、後退動作、第2の前進動作、それぞれの現象がルートギャップによって異なるため、ステップ206ではルートギャップ毎に予め定めた正常範囲を参照し、これを基に判定する。
また、ステップ206で計測値が正常範囲外と判定された場合、ステップ207では、その場で溶接を中断することもできるし、あるいは計測値が正常範囲内に戻るように施工条件を変更することもできる。さらに、溶接トーチのウィービング中心が開先中心と一致するように制御する、いわゆるアークセンサとの共存も可能である。
本発明の装置に用いられる判断装置の更に他の実施の形態として、突合せ継手8のルートギャップ部に、適正な裏ビードが形成されているか否かを、ビードの高さを監視することによっても可能である。この実施の形態を図10乃至図12を用いて説明する。図10乃至図12は、溶接ワイヤ4のスイッチバックにおける第2の前進時の様子を示したもので、図10は裏ビードが出過ぎた場合、図11は良好な裏ビードが生成された場合、図12は裏ビードが不足している場合を示すものである。溶着金属の断面積が等しい場合、図810おけるビードの高さH1は、図11に示すビードの高さH2と比較して低くなり、また、図12に示すビードの高さH3は図11に示すビードの高さH2と比較して高くなる。
この場合、アークAは図7と同様に溶融池の上面へ出るため、図10に示す裏ビードが出過ぎた場合には、その電極チップからアーク先端までの距離Ltが、図11に示す良好な裏ビードが生成された場合に比較して短くなる。また、図112に示す裏ビードが不足している場合には、その電極チップからアーク先端までの距離Ltが、図11に示す良好な裏ビードが生成された場合に比較して長くなるので、溶接電流i、電極ワイヤ3の送給速度vf、電流供給点電圧Vtを計測し、この計測値から電極チップからアーク先端までの距離Ltを演算し、その変化を監視することにより、ビード高さの変化が検出でき、予め記憶した良好なビード高さとの比較により、裏ビードが良好に生成されているか否かを判断することできる。この実施の形態における判断装置は、図2に示す判断装置22における記憶手段22に、前述した図11は良好な裏ビードが生成された場合のビードの高さH2のときの電極チップからアーク先端までの距離(Lt)を予め設定値として記憶しておき、この設定値と計測値から得られる演算値とを、制御装置23において判断することにより可能である。
本発明の溶接装置の一実施の形態の全体構成を表す概略図である。 本発明の装置に用いられる判断装置の一実施の形態を示す構成図である。 本発明の溶接装置における電極ワイヤの突き出し部分を説明するための説明図である。 本発明の溶接装置における電極ワイヤをウィービングとスイッチバックとを組合せて動作させた場合の動作を説明するための説明図である。 本発明の溶接装置の一実施の形態に備えられた制御装置及び判断装置の処理手順を示すフローチャート図である。 本発明の装置に用いられる判断装置の他の実施の形態を示す構成図である。 本発明の溶接装置によって溶接される突合せ継手のルートギャップエッジ近傍の溶接状態を示す説明図である。 本発明の溶接装置によって溶接される突合せ継手のルートギャップ部の溶接状態を示す説明図である。 本発明の溶接装置の他の実施の形態に備えられた制御装置及び判断装置の処理手順を示すフローチャート図である。 本発明の溶接装置によって溶接される突合せ継手のビードの一例を示す断面図である。 本発明の溶接装置によって溶接される突合せ継手のビードの他の例を示す断面図である。 本発明の溶接装置によって溶接される突合せ継手のビードの更に他の例を示す断面図である。
符号の説明
1 溶接ロボット
2 溶接トーチ
3 電極ワイヤ
5 ワイヤ送給装置
7 電源装置
8 突合せ継手
9 溶接ロボット制御盤
10 制御装置
13 判断手段
14 溶接ワイヤ送給量検出器
15 電流検出器
16 電圧検出器

Claims (10)

  1. ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接装置において、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させる溶接ロボットと、前記電極ワイヤに電力を供給する電源装置と、前記溶接トーチに前記電極ワイヤを送給するワイヤ送給装置と、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を計測し、裏ビードが正常に生成されたか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴とする溶接装置。
  2. ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接装置において、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させる溶接ロボットと、前記電極ワイヤに電力を供給する電源装置と、前記溶接トーチに前記電極ワイヤを送給するワイヤ送給装置と、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を計測し、アークが正常な位置に発生しているか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴とする溶接装置。
  3. ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接装置において、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させる溶接ロボットと、前記電極ワイヤに電力を供給する電源装置と、前記溶接トーチに前記電極ワイヤを送給するワイヤ送給装置と、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を計測し、前記突合せ継手を構成する2つの母材のルートエッジ同士が正常にブリッジしたか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴とする溶接装置。
  4. ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接装置において、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させる溶接ロボットと、前記電極ワイヤに電力を供給する電源装置と、前記溶接トーチに前記電極ワイヤを送給するワイヤ送給装置と、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を計測し、溶接後のビード高さが正常範囲にあるか否かを判断する判断手段とを備えたことを特徴とする溶接装置。
  5. 前記判断手段による判断結果に基づき、良好な裏ビードが得られるように、溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の溶接装置。
  6. ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接方法において、溶接ロボットによって、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させ、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において、溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を、判断手段に取込んで、裏ビードが正常に生成されたか否かを判断することを特徴とする溶接方法。
  7. ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接方法において、溶接ロボットによって、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させ、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において、溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を、判断手段に取込んで、アークが正常な位置に発生しているか否かを判断することを特徴とする溶接方法。
  8. ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接方法において、溶接ロボットによって、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させ、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を、判断手段に取込んで、前記突合せ継手を構成する2つの母材のルートエッジ同士が正常にブリッジしたか否かを判断することを特徴とする溶接方法。
  9. ルートギャップを有する突合せ継手をアーク溶接する溶接方法において、溶接ロボットによって、電極ワイヤを挿通した溶接トーチを溶接線に対しウィービングさせると共に、溶接線方向に繰り返し進退動作させ、前記溶接トーチの進退動作の特定位置において溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を、判断手段に取込んで、溶接後のビード高さが正常範囲にあるか否かを判断することを特徴とする溶接方法。
  10. 前記判断手段の判断結果を制御手段が取込み、良好な裏ビードが得られるように、溶接電流、電流供給点電圧およびワイヤ送給速度を制御することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の溶接方法。

JP2003271459A 2003-07-07 2003-07-07 溶接装置及び溶接方法 Pending JP2005028411A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003271459A JP2005028411A (ja) 2003-07-07 2003-07-07 溶接装置及び溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003271459A JP2005028411A (ja) 2003-07-07 2003-07-07 溶接装置及び溶接方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005028411A true JP2005028411A (ja) 2005-02-03

Family

ID=34209321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003271459A Pending JP2005028411A (ja) 2003-07-07 2003-07-07 溶接装置及び溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005028411A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007268585A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Daihen Corp 溶接ロボットシステム
CN104470669A (zh) * 2012-06-08 2015-03-25 伊利诺斯工具制品有限公司 焊丝馈送器功率应用系统和方法
CN105033526A (zh) * 2015-08-05 2015-11-11 安吉金科机械设备有限公司 一种五星椅脚焊接装置
CN105127569A (zh) * 2014-05-27 2015-12-09 龙口中集来福士海洋工程有限公司 自动焊接或切割的对中指示装置
US9976057B2 (en) 2013-08-21 2018-05-22 Sun Chemical Corporation Shrink wrap label coating to facilitate recycling
US9990865B2 (en) 2013-08-21 2018-06-05 Sun Chemical Corporation Shrink wrap label coating to facilitate recycling

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007268585A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Daihen Corp 溶接ロボットシステム
CN104470669A (zh) * 2012-06-08 2015-03-25 伊利诺斯工具制品有限公司 焊丝馈送器功率应用系统和方法
US9976057B2 (en) 2013-08-21 2018-05-22 Sun Chemical Corporation Shrink wrap label coating to facilitate recycling
US9990865B2 (en) 2013-08-21 2018-06-05 Sun Chemical Corporation Shrink wrap label coating to facilitate recycling
US10643501B2 (en) 2013-08-21 2020-05-05 Sun Chemical Corporation Shrink wrap label coating to facilitate recycling
US10662349B2 (en) 2013-08-21 2020-05-26 Sun Chemical Corporation Shrink wrap label coating to facilitate recycling
CN105127569A (zh) * 2014-05-27 2015-12-09 龙口中集来福士海洋工程有限公司 自动焊接或切割的对中指示装置
CN105033526A (zh) * 2015-08-05 2015-11-11 安吉金科机械设备有限公司 一种五星椅脚焊接装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5278426B2 (ja) 複合溶接方法および複合溶接装置
CN101421069B (zh) 用于开口的根部焊道焊接的金属有芯焊条
EP3181283B1 (en) Systems and method for automated root pass welding
KR102134045B1 (ko) 적응식 회전 아크 용접 방법 및 시스템
JP4809014B2 (ja) ロボット溶接のアークスタート制御方法
US20130020289A1 (en) Method and system to start and stop a hot wire system
JPWO2009051107A1 (ja) アークスタート制御方法
JP2001047233A (ja) 鉄道レールを溶接する方法および装置
JPH0655268A (ja) 溶接ロボット
KR20150146432A (ko) 단선 수복 수단을 구비한 와이어 방전 가공기
JP6052798B2 (ja) 自動溶接機の異常監視装置
CN106141423A (zh) 电渣焊方法和电渣焊设备
JPH06277845A (ja) アーク溶接装置のアーク溶接方法
JP2005028411A (ja) 溶接装置及び溶接方法
JP7303383B2 (ja) 溶接シームを溶接するための方法および装置
JP2001113373A (ja) タンデムアーク溶接の制御方法
JP2007229808A (ja) 2電極アーク溶接終了方法
KR101138659B1 (ko) 소모 전극 아크 용접 방법
JP4864232B2 (ja) 消耗2電極アーク溶接終了方法及び溶接終了制御方法及び溶接ロボット
JP4640908B2 (ja) 溶接装置及び溶接方法
JP4864233B2 (ja) 消耗2電極アーク溶接終了方法及び溶接終了制御方法及び溶接ロボット
JP4151777B2 (ja) ホットワイヤ溶接方法および装置
JP4768222B2 (ja) 溶接方法及び溶接装置
JPS60255276A (ja) 消耗電極式ア−ク溶接法
JP5808958B2 (ja) アーク溶接方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060126

A521 Written amendment

Effective date: 20060127

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081027

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20081104

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090303