JP4796514B2 - 乗用型作業機 - Google Patents
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Description
乗用型田植機では、装備した電気機器用のバッテリーが備えられているが、前述のような攪拌部材及び電動モータを備えて、バッテリーの電力により電動モータを作動させようとすると、バッテリーに大きな負担が掛かる。
(構成)
本発明の第1特徴は、乗用型作業機において次のように構成することにある。
液状の農用供給体を貯留する貯留タンクと、貯留タンクの液状の農用供給体を繰り出す繰り出し部と、繰り出し部からの液状の農用供給体を圃場に供給する供給部とを備える。貯留タンクの液状の農用供給体を攪拌する攪拌部材と、攪拌部材を駆動する電動モータとを備える。電動モータが設定時間に亘って作動すると電動モータを停止させる停止手段を備える。
本発明の第1特徴によると、電動モータを作動させて攪拌部材により貯留タンクの液状の農用供給体を攪拌している場合、電動モータが設定時間に亘って作動すると、停止手段により電動モータが自動的に停止する。この場合、電動モータが停止せずに作動し続けると、バッテリーが放電し切ってしまう可能性があるが(バッテリー上がりに達する可能性があるが)、本発明の第1特徴によると、電動モータを設定時間で自動的に停止させることにより、バッテリーが放電し切ってしまう状態(バッテリー上がりの状態)を避けることができる。
本発明の第1特徴によると、機体の進行に伴って液状の農用供給体(液状の肥料や薬剤等)を圃場に供給するように構成された乗用型作業機において、貯留タンクの液状の農用供給体を攪拌する攪拌部材及び電動モータを備えた場合、バッテリーが放電し切ってしまう状態(バッテリー上がりの状態)を避けることができるようになって、バッテリーに掛かる負担を軽減することができ、バッテリーの耐久性の向上を図ることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の乗用型作業機において次のように構成することにある。
人為的に操作される人為操作具と、人為操作具の操作に基づいて電動モータを作動させる作動手段とを備える。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、作業者が貯留タンクの液状の農用供給体を攪拌する必要があると判断した場合、作業者が人為操作具を操作することにより、電動モータを作動させて攪拌部材により貯留タンクの液状の農用供給体を攪拌することができる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、作業者の判断により任意に頻繁に、電動モータを作動させて攪拌部材により貯留タンクの液状の農用供給体を攪拌することができるので、作業者が貯留タンクの液状の農用供給体の状態に注意を払うことによって、貯留タンクの液状の農用供給体を良い状態に維持することができる。
本発明の第2特徴によると、作業者が人為操作具を操作した後、電動モータを作動させた状態で放置してしまっても電動モータが設定時間で自動的に停止するので、バッテリーに掛かる負担を軽減することができ、バッテリーの耐久性の向上を図ることができた。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の乗用型作業機において次のように構成することにある。
エンジンの始動操作に基づいて電動モータを作動させる作動手段を備える。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
作業を一時中断した場合等のように、エンジンを停止させた状態では、貯留タンクの液状の農用供給体を放置しているので、貯留タンクの液状の農用供給体の粘性が高くなり、成分が結晶化している可能性が高い。
この場合、本発明の第3特徴によると、エンジンの始動操作に基づいて電動モータが作動した後、電動モータが設定時間に亘って作動すれば、停止手段により電動モータが自動的に停止するので、バッテリーが放電し切ってしまう状態(バッテリー上がりの状態)を避けることができる。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、作業を一時中断した場合等において、貯留タンクの液状の農用供給体を放置していた状態で、貯留タンクの液状の農用供給体の攪拌を行わずに、作業を開始してしまうと言う状態を避けることができるようになって、農用供給体の供給作業を円滑に無理なく開始することができるようになった。
本発明の第3特徴によると、エンジンの始動操作に基づいて電動モータが作動した後、電動モータが設定時間で自動的に停止するので、バッテリーに掛かる負担を軽減することができ、バッテリーの耐久性の向上を図ることができた。
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に8条植型式の苗植付装置5が支持されて、乗用型作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
次に、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2への走行伝動系、苗植付装置5への植付伝動系について説明する。
図1及び図5に示すように、機体の前部にミッションケース17が備えられ、ミッションケース17の前部に連結された支持フレーム18にエンジン19が支持されている。ミッションケース17の左の横側部における上部の前部に静油圧式無段変速装置21が連結されており、エンジン19の動力が静油圧式無段変速装置21の入力軸21aに伝動ベルト23を介して伝達されている。
次に、第1,2,3,4,5,6,7,8側条ポンプ80a,80b,80c,80d,80e,80f,80g,80h(繰り出し部に相当)、及び第1,2,3,4深層ポンプ81a,81b,81c,81d(繰り出し部に相当)の構造について説明する。
図1,2,3に示すように、エンジン19を覆うボンネット12の下部の右及び左横側に、畦から運転座席11への乗降用のステップ13が備えられており、支持フレーム18に連結された前の支持フレーム14及び前車軸ケース20に連結された後の支持フレーム31が、右及び左のステップ13の横外側に延出されて上方に延出されている。4個の予備苗のせ台32,33,35,36が、右及び左のステップ13の横外側に位置するように、前及び後の支持フレーム14,31に支持されている。
次に、右及び左の肥料タンク16について説明する。
図1,2,3に示すように、右及び左の肥料タンク16は合成樹脂製で半透明に構成されて縦長状に構成されており、機体の右及び左横側で予備苗のせ台32の下方に、右及び左の肥料タンク16が前後方向に沿って支持されている。図6及び図8に示すように、右及び左の肥料タンク16の前部に供給口16bが斜め前方上方に向くように形成されて、右及び左の肥料タンク16の横部に凸状又は凹状の容量目盛り16dが一体的に形成されている。この場合、右及び左の肥料タンク16の前部又は後部に、容量目盛り16dを備えてもよい。
この場合、前及び後の支持フレーム14,31から予備苗のせ台32,35を取り外して、予備苗のせ台32,35を予備苗のせ台33の前端部及び後端部に取り付けることが可能であり、これによって予備苗のせ台32,33,35を同じ高さに一列状に配置することが可能である。
次に、右及び左の肥料タンク16の内部に配置された攪拌部材78の構造及び作動について説明する。
図8及び図9に示すように、、右及び左の肥料タンク16の内部における前後方向中央位置(右及び左の肥料タンク16の供給口16bよりも少し後側の位置)に、上下軸芯P1周りに攪拌部材78が回転自在に支持され、攪拌部材78を回転駆動する電動モータ79が、右及び左の肥料タンク16の底部で支持フレーム63の間に備えられている。攪拌部材78は、平面視で十字状で横向きの底板部78a、底板部78aから斜め上方に延出された4枚の羽根板部78bを備えて構成されている。
次に、第1,2,3,4,5,6,7,8側条ノズル82a,82b,82c,82d,82e,82f,82g,82h(供給部に相当)、及び第1,2,3,4深層ノズル83a,83b,83c,83d(供給部に相当)について説明する。
図1及び図4に示すように、苗植付装置5において、パイプ状の第1〜8側条ノズル82a〜82hが、植付ケース7及び植付アーム8の通過軌跡の横近傍に位置するように支持されて、第1〜8側条ノズル82a〜82hの出口が田面内の比較的浅い位置に配置されている。第1〜8側条ポンプ80a〜80hの各々と第1〜8側条ノズル82a〜82hの各々とに亘って、供給ホース84が接続されている。
次に、第1〜8側条ポンプ80a〜80h、及び第1〜4深層ポンプ81a〜81dの駆動構造について説明する。
図5に示すように、ミッションケース17に施肥出力軸89が回転自在に支持されており、施肥出力軸89がミッションケース17から外部に突出している。植付変速機構50の最も小径の伝動ギヤ46に伝動ギヤ90が咬合しており、伝動ギヤ90と施肥出力軸89との間に施肥クラッチ95が備えられている。図2,3,4,5に示すように、複数段に変速自在な変速機構96が右のステップ13の下部に固定され、施肥出力軸89に固定された出力スプロケット89aと、変速機構96の入力スプロケット96aとに亘って伝動チェーン98が巻回されている。
次に、第1〜8側条ポンプ80a〜80h及び第1〜4深層ポンプ81a〜81dの停止操作構造について説明する。
図7に示すように、第1〜8側条ポンプ80a〜80h及び第1〜4深層ポンプ81a〜81dの各々の上部に、支持ピン62が横向き取り付けられ、支持ピン62の各々に操作アーム69が揺動自在に支持されて、操作アーム69の各々がシフト部材103の各々に係合している。
第2クラッチレバー71bのレリーズワイヤ72のインナーが、長孔74aを備えた接続部材74を介して、第3,4側条ポンプ80c,80d及び第2深層ポンプ81bの操作アーム69に接続されている。
第3クラッチレバー71cのレリーズワイヤ72のインナーが、長孔74aを備えた接続部材74を介して、第5,6側条ポンプ80e,80f及び第3深層ポンプ81cの操作アーム69に接続されている。
第4クラッチレバー71cのレリーズワイヤ72のインナーが、長孔74aを備えた接続部材74を介して、第7,8側条ポンプ80g,80h及び第4深層ポンプ81dの操作アーム69に接続されている。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、作動スイッチ61の入り操作に基づいて電動モータ79が作動操作される機能に加えて、以下のような機能を備えてもよい。
エンジン19の始動操作を行うと、これに伴って制御ユニット60により電動モータ79が作動操作されて、電動モータ79が作動操作されてから設定時間(例えば30秒程度)が経過すると、制御ユニット60により電動モータ79が自動的に停止操作されるように構成する。
この場合、作動スイッチ61の入り操作に基づいて電動モータ79が作動操作される機能、及びエンジン19の始動操作に基づいて電動モータ79が作動操作される機能において、前述の設定時間を互いに異なるものに設定したり、設定時間を任意に長短に変更できるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、以下の機能を備えてもよい。
例えば、液状の肥料を少しだけ攪拌したい場合(電動モータ79が設定時間(例えば30秒程度)に亘って作動操作されるのが長すぎる場合)、作動スイッチ61を入り操作している間だけ電動モータ79が作動操作され、作動スイッチ61から手を離すと(作動スイッチ61は切り操作側に付勢されているので、手を離すと作動スイッチ61は切り操作される)、電動モータ79が自動的に停止操作されるように構成する。この場合、作動スイッチ61を入り操作していても、設定時間が経過すると電動モータ79が自動的に停止操作されるように構成する。
本発明の乗用型田植機では、液状の肥料に代えて右及び左の肥料タンク16に、液状の薬剤(農用供給体に相当)を入れて使用することもできる。
19 エンジン
60 作動手段
61 人為操作具
78 攪拌部材
79 電動モータ
80a〜80h,81a〜81d 繰り出し部
82a〜82h,83a〜83d 供給部
Claims (3)
- 液状の農用供給体を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの液状の農用供給体を繰り出す繰り出し部と、前記繰り出し部からの液状の農用供給体を圃場に供給する供給部とを備えると共に、
前記貯留タンクの液状の農用供給体を攪拌する攪拌部材と、前記攪拌部材を駆動する電動モータとを備え、
前記電動モータが設定時間に亘って作動すると電動モータを停止させる停止手段を備えてある乗用型作業機。 - 人為的に操作される人為操作具と、前記人為操作具の操作に基づいて電動モータを作動させる作動手段とを備えてある請求項1に記載の乗用型作業機。
- エンジンの始動操作に基づいて前記電動モータを作動させる作動手段を備えてある請求項1又は2に記載の乗用型作業機。
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