JP4795290B2 - リンの除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、汚泥に含まれるリンの除去方法に関する。
一般に、下水処理場、製紙工業、食品工業等から生ずる有機性排水の処理は、図2に示すような処理過程を経て処理される。
まず、有機性排水は、最初沈殿池1で沈降分離されて砂分等の無機成分が除去される。次いで有機性排水は曝気槽2に導かれ、微生物処理によって活性汚泥となり、有機物の分解が促進される。次いで、この活性汚泥は最終沈殿池3に導かれ、水分である処理水と、固形物を含む汚泥とに固液分離される。処理水は河川等に放流される等して、系外に排出される。汚泥は、その一部が曝気槽2に戻され、残りは余剰汚泥(以下、脱リン余剰汚泥と称する。)として、さらなる過程を経て処理されることになる。
近年では、処理水質の向上、河川や海の富栄養化対策を目的として、生物的脱窒や脱リン処理を導入する汚泥処理施設が増加している。生物的脱窒では、窒素を微生物処理の過程の中で最終的に窒素ガスに還元し、処理過程の系外に排出している。一方、リンは微生物処理によって活性汚泥に取り込まれ、その後、脱リン余剰汚泥とともに、固形物として系外に排出される。
最終沈殿池3から取り出された脱リン余剰汚泥は、通常、単独或いは最初沈殿池1で生じた初沈汚泥等の他の汚泥と混合された後、汚泥濃縮槽4にて、濃縮上澄み液と、濃縮された脱リン余剰汚泥とに固液分離される。次いで、この濃縮された脱リン余剰汚泥を脱水機5で脱水処理することによって、さらに、脱水分離液と固形物(脱水ケーキ)とに固液分離し、リンを含んだ脱水ケーキを系外に排出することで、系内の固形物の処理とリンの低減を図っている。
しかしながら、脱リン余剰汚泥に不溶化して取り込まれたリンは、嫌気状態になると再び可溶化して水中に再溶出される。特に、汚泥濃縮槽4内は汚泥が高濃度であり、かつ曝気されないために、リンの再溶出を招く嫌気性腐敗を生じやすくなる。実際に、リンの再溶出は、汚泥濃縮槽4内の脱リン余剰汚泥中にて顕著に生じており、その結果、汚泥濃縮槽4から生ずる汚泥濃縮上澄み液及び脱水処理で生ずる脱水分離液(いずれも一般的に返水と呼ぶ。)には、大量のリンが含まれていることが多い。これら汚泥濃縮上澄み液や脱水分離液は、通常、再び系内に戻されるが、微生物処理によるリンの除去(不溶化)には限界があるため、曝気槽2に微生物処理能力を超えた高濃度のリンが流入すれば、相対的に微生物処理によるリンの除去効率は低下する。そのため、曝気槽2に流入したリンの多くは、微生物処理されることなく、可溶化した状態のまま最終沈殿池3に流入することになる。結果、大量のリンを含んだ処理水が、最終沈殿池3から系外に排出されることになる。
処理水中のリン濃度を削減する方法として、従来から大きく分けて以下の方法が公知技術として知られている。
(1)最終沈殿池3の後に、凝集剤を添加するための凝集沈降槽(不図示)を専用に設け、ここに無機凝集剤及び高分子凝集剤を添加してリンを不溶化及び凝集処理する方法。
(2)汚泥濃縮槽4に無機凝集剤を添加してリンを不溶化する方法。
(3)脱水機5による脱水処理の際に、無機凝集剤と高分子凝集剤を添加して脱水する方法。
しかしながら、(1)の方法は、新規な処理設備と広大な敷地が必要であると同時に、新たに凝集汚泥の処理処分が必要になるため、処理コストが増大するという問題があった。また、(2)及び(3)の方法は、返水中のリン溶出を削減できるものの、処理水中のリン濃度を効率的に下げることは困難である。
上記(2)及び(3)の具体例としては、例えば、汚泥濃縮槽4に無機凝集剤を添加して脱リン余剰汚泥を濃縮後、濃縮された脱リン余剰汚泥をアニオン系ポリマー及びカチオン系ポリマーを用いて脱水する方法(特許文献1)、脱リン余剰汚泥に無機凝集剤を添加してから、さらに両性有機高分子凝集剤を添加して脱水処理する方法(特許文献2)、汚泥に無機凝集剤と両性高分子凝集剤を添加して濃縮した汚泥を、水熱反応処理をして固液分離する方法(特許文献3)、汚泥濃縮槽4に無機凝集剤と亜鉛、銅及び硝酸系化合物を添加し、汚泥中のリンの溶出防止をする方法(特許文献4)が開示されている。
特開昭61−234999号公報 特開平2−180700号公報 特開2003−236593号公報 特開2000−176491号公報
しかしながら、特許文献1では、汚泥濃縮上澄み液中に溶出するリン濃度は減少できるが、分離された汚泥が嫌気性腐敗を生じ易いため、脱水分離液中に高濃度のリンが溶出してしまう。また、特許文献2では、脱水分離液中のリン濃度は減少できるが、汚泥濃縮上澄み液中に溶出するリン濃度は削減できない。特許文献3では、高温高圧の設備が必要で、その設備の設置と維持に莫大な費用がかかる。特許文献4では、汚泥濃縮上澄み液及び脱水分離液中のリン濃度を減少できるものの、重金属を使用するため、環境面に問題がある。
このように、様々なリン除去方法が提案されているが、いずれも汚泥処理設備内での部分的な対策に留まっており、系外に排出される処理水中のリン濃度を効率的に削減できる方法は見出されていなかった。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであって、環境に悪影響を及ぼすことが無く、低コストでありながら、リンを効率よく汚泥処理設備の系外に除去でき、以って処理水中のリン濃度を効率的に削減することができるリンの除去方法を目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために、汚泥中のリンと各種薬剤の反応性、反応生成物の経時挙動を調査し、効果的な薬剤を研究すると共に、汚水処理設備の各過程におけるリン濃度を詳細に調査した。その上で、最適な添加方法及び汚泥処理方法を詳細に検討し、本発明のリンの除去方法を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 曝気槽から最終沈殿池に導かれる汚泥に無機凝集剤を添加し、最終沈殿池で脱リン余剰汚泥を沈降分離した後に、脱リン余剰汚泥の汚泥濃縮を行わずに、脱リン余剰汚泥に高分子凝集剤を添加してから、脱水処理することを特徴とするリンの除去方法。
[2] 前記無機凝集剤がアルミニウム系金属塩であることを特徴とする[1]に記載のリンの除去方法。
[3] 前記高分子凝集剤が両性高分子凝集剤であることを特徴とする[1]または[2]に記載のリンの除去方法。
本発明のリンの除去方法を用いれば、環境に悪影響が無く、低コストでありながら、リンを効率よく汚泥処理設備の系外に除去でき、以って処理水中のリン濃度を効率的に削減することができる。
本発明における汚泥の処理過程について、図1のフロー図を用いて説明する。まず、有機性排水は最初沈殿池1に導入され、砂分等の大まかな固形物の沈殿が行われた後、曝気槽2に導入される。曝気槽2において、有機性排水は盛んに曝気され、大量の微生物を含んだ汚泥、すなわち活性汚泥となる。活性汚泥中に含まれる微生物の働きによって、活性汚泥中の有機物は無機物に分解される。その後、活性汚泥は最終沈殿池3にて静置され、固形物である汚泥と上澄み液である処理水とに固液分離される。処理水はその後、そのまま、或いは何らかの後処理を行った後に、系外の河川等に放流、或いは水資源として再利用される。一方、最終沈殿池3に沈殿した汚泥は、その一部は返送汚泥(活性汚泥の元種となる)として曝気槽2に戻される。残りは脱リン余剰汚泥として、脱水機5による脱水処理を行った後、脱水ケーキとして系外に運び出される。脱水処理によって脱リン余剰汚泥から分離された脱水分離液は、最初沈殿池1に戻される。
本発明のリンの除去方法では、曝気槽2から最終沈殿池3に導かれる汚泥に無機凝集剤を添加することを特徴としている。
無機凝集剤としては、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄等、公知の無機凝集剤を用いることができる。この中でも、リンの不溶化に優れたアルミニウム系の無機凝集剤が好ましく用いられる。
無機凝集剤の添加は、曝気槽2の出口から最終沈殿池3の間の水路、或いは管路ポンプ等で添加される。無機凝集剤と汚泥との混合方法は、特に煩雑なことは必要とせず、添加された無機凝集剤は汚泥の流れによって自然に混合され、汚泥中のリンと反応し凝集効果を発揮する。必要に応じては、汚泥と無機凝集剤の混合槽として、曝気槽2の出口から最終沈殿池3の経路途中に攪拌を取り付けた混合槽(不図示)を設置しても構わない。無機凝集剤の添加に際しては、曝気槽2の出口付近にポンプを用いて定量添加するのが好ましい。
発明者は本発明に至るまでに、無機凝集剤の投入のタイミングの違いによるリンの不溶化の効果の違いについて、種々の検討を行っている。
例えば、無機凝集剤を曝気槽2に添加する場合、リンと反応する以外に、未分解の有機物等との反応及び酸化による不溶物の生成等に、無機凝集剤の多くが消費されると推察される。ゆえに、この場合、無機凝集剤の添加量を多くしないと、リンの不溶化の効果が充分に得られない。
また、例えば、最終沈殿池3から出てくる処理水に、無機凝集剤を添加して凝集沈澱処理すれば、処理水中のリンを除去することが可能である。しかし、実験による結果では、明確な理由は定かでないものの、曝気槽2の出口への添加量より多くの無機凝集剤を添加する必要があった。さらに、この場合、脱水分離液中のリン濃度の低減にはなんら寄与しないため、脱水分離液中のリン濃度は高いままであり、返水による活性汚泥への負荷は改善されない。また、この処理水から生成される凝集汚泥は、脱水が困難であり、実用的ではなかった。
また、別の方法として、図2に示す従来の有機性排水の処理過程のフロー図に示すように、最終沈殿池3と脱水機5との間に、汚泥濃縮槽4を設けた汚泥処理設備を用い、この汚泥濃縮槽4に無機凝集剤を添加する方法が挙げられる。この場合、汚泥濃縮槽4から生ずる濃縮上澄み液中のリン濃度を効果的に削減することができる。しかしながら、汚泥濃縮槽4でのリンの不溶化の効果を充分に得るには、無機凝集剤の添加量を非常に多くする必要があった。また、汚泥濃縮槽4内は嫌気状態になりやすいために、脱水機5による脱水処理を行うまでに汚泥の腐敗が進行し、これにより、不溶化したリンが再溶出されてしまうため、満足すべきリンの不溶化効果が得られなかった。なお、図2の符号について、図1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
本発明のリンの除去方法では、曝気槽2から最終沈殿池3に導かれる汚泥に無機凝集剤を添加することで、最終沈殿池3に至るまでにリンを不溶化できる。よって、最終沈殿池3から生ずる処理水中のリン濃度も大幅に削減できる。また、この方法であれば、添加した無機凝集剤が無駄なくリンの不溶化に作用することができるため、従来の方法によりも無機凝集剤の添加量が少なくて済む。
本発明のリンの除去方法は、脱リン余剰汚泥を汚泥濃縮することなく、高分子凝集剤を添加してから脱水処理することを特徴としている。
図2に示すように、従来の処理過程では、最終沈殿池3と脱水機5との間に汚泥濃縮槽4を設けて、この汚泥濃縮槽4によって汚泥を濃縮した後に、脱水機5による処理を行っていた。しかしながら、汚泥濃縮槽4内は前述の通り、嫌気状態になりやすいために、リンが再溶出しやすかった。
本発明のリンの除去方法では、図1に示すように、汚泥濃縮槽4を省いて、脱リン余剰汚泥を直接、脱水機5で脱水処理するため、リンを脱水ケーキ中に固定化したまま系外に除去できる。これにより、リンの再溶出を回避できるため、脱水分離液中のリンの濃度を大幅に削減でき、曝気槽2の負荷も軽減することができる。以って、処理水のリン濃度を削減できる。
本発明のリンの除去方法では、未濃縮の脱リン余剰汚泥の脱水剤として、高分子凝集剤が用いられる。高分子凝集剤としては、カチオン性或いは両性高分子凝集剤が好ましく、中でも両性高分子凝集剤が好ましく用いられる。
本発明において用いられるカチオン性高分子凝集剤とは、同一分子内に必須成分としてカチオン性基を含有するものであり、その他に、ノニオン性成分が含まれていてもよい。両性高分子凝集剤は、同一分子内に必須成分としてカチオン性基及びアニオン性基を含有する。なお、アニオン性基の存在割合としては特に制限はない。また、脱リン余剰汚泥に対する高分子凝集剤の添加量としては、用いる脱水機の種類にもよるため、特に制限されないが、好ましくは汚泥固定物当たり0.2〜1.5%添加される。
カチオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤に用いられるカチオン性単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩;ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル(メタ)アクリルアミド等の塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩;ジアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩が挙げられる。なお、これら単量体を2種以上使用してもよい。
アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸及びこのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩;マレイン酸等及びそれらのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩;アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩;並びにビニルスルホン酸及びこのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。なお、これら単量体を2種以上使用してもよい。
ノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸アルキル等を上げることができる。中でも(メタ)アクリルアミドが好ましい。なお、これら単量体を2種以上使用してもよい。
本発明で用いられるカチオン性高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤の重合方法としては、沈殿重合、塊状重合や、分散重合、水溶液重合等が挙げられるが、特に制限はない。
本発明のリンの除去方法では、最終沈殿池3から取り出された脱リン余剰汚泥に対して、汚泥濃縮を行うことなく直接、脱水機5に導入して脱水処理するのが特徴であるが、このような未濃縮の脱リン余剰汚泥は、汚泥濃度が薄いため、凝集フロックの強度が弱く、難脱水性である。そこで、本発明に用いる高分子凝集剤には、両性高分子凝集剤が好ましく用いられる。両性高分子凝集剤は強力な脱水性能を有するので、未濃縮の脱リン余剰汚泥であっても、大きく、強固で、疎水性の高い凝集フロックを形成することが可能であり、効率的な脱水処理が実現できる。
高分子凝集剤中には、高分子凝集剤の溶解性並びに保存安定性の向上を目的として、固体酸等を添加してもよい。固体酸としては、例えば、スルファミン酸、酸性亜硫酸ソーダ等が挙げられる。なお、固体酸の添加量には特に制限はない。
本発明のリンの除去方法で用いられる最初沈殿池1、曝気槽2、及び最終沈殿池3に関しては、公知の設備を用いることができる。また、脱水処理を行うための脱水機5に関しても、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス型脱水機、フィルタープレス型脱水機及びスクリューデカンター等の公知の脱水機を用いることができる。従って、本発明のリンの除去方法は、既存の汚泥処理設備に対しても、容易かつ低コストに導入することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに詳細に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
<高分子凝集剤の調整>
実施例の脱水処理試験において高分子凝集剤は、下記表1に示す各モノマーの配合比率で配合し、これを0.3質量%の水溶液に調整することにより得られた。なお、表1のK1はカチオン性高分子凝集剤であり、R1は両性高分子凝集剤である。また、下記表1における略号は、以下の通りである。
DME:ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド4級塩(カチオン性モノマー)
DMC:ジメチルアミノエチルメタクリレート・メチルクロライド4級塩(カチオン性モノマー)
AAm:アクリルアミド(ノニオン性モノマー)
AA:アクリル酸(アニオン性モノマー)
<固有粘度の測定方法>
表1に示すように、各高分子凝集剤の参考データとして、固有粘度(dl/g)を測定した。なお、高分子凝集剤の固有粘度は、1N硝酸ナトリウム水溶液中、温度30℃の条件で、ウベローデ希釈型毛細管粘度計を用い、定法に基づき測定した。(参照:高分子学会編「新版高分子辞典」p.107、朝倉書店)
<全リン濃度の測定方法>
全リン濃度の測定方法は、ペルオキソ二硫酸カリウムによる分解法にて行った。(下水試験法−上巻P.199)
Figure 0004795290
<実施例1〜3>
BOD284〜540mg/L、SS(懸濁物質)115〜200mg/L、全リン濃度6.3〜8.7mg/Lの有機性排水を用い、図1に示す最初沈殿池1、曝気槽2、最終沈殿池3を有する実験設備で有機性排水の処理を行った。その際、曝気槽2から最終沈殿池3に導かれる汚泥に、所定量の無機凝集剤を添加し、リンの不溶化を行った。なお、各実施例の汚泥に添加した無機凝集剤と、その添加量を下記表2に示す。なお、表2中のPACは、ポリ塩化アルミニウムの略である。
その後、500mlのビーカーに、上記で得た脱リン余剰汚泥を300ml量り取り、上記表1の構成で作製した高分子凝集剤を、下記表2に示す種類及び添加量で各実施例に添加し、スパチュラを用いて、1分間当たり100回程度の割合で20秒間攪拌混合した。
Figure 0004795290
その後、凝集した脱リン余剰汚泥を、濾布の敷かれたヌッチェに開けて濾過し、1分間経過の後、濃縮した脱リン余剰汚泥を濾布に挟み、0.1MPaの圧力で1分間圧搾脱水し、脱水ケーキを得た。そして、この脱水ケーキの含水率を求めた。
脱リン効果については、処理水及び脱水分離液を採取して、それぞれの全リン濃度を測定した。結果を下記表3に示す。
<比較例1〜3>
比較例1は、無機凝集剤を添加しない以外は、実施例4と同様にして評価試験を行った。比較例2及び3には、図1の設備に汚泥濃縮槽4を追加した処理過程、すなわち図2に示す処理過程による実験設備を用いて脱リン余剰汚泥を処理した。比較例2では、汚泥濃縮槽4による脱リン余剰汚泥の濃縮を行い、次いで脱水機5による脱水処理を行い、濃縮上澄み液の全リン濃度を測定し、高分子凝集剤の添加量を100mg/Lに変更した。それ以外の条件や測定項目は、実施例1と同様にした。また、比較例3も、汚泥濃縮槽4による脱リン余剰汚泥の濃縮を行い、次いで脱水機5による脱水処理を行い、濃縮上澄み液の全リン濃度を測定し、高分子凝集剤の添加量を100mg/Lに変更した以外は、比較例1と同様にして評価試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 0004795290
<評価>
実施例1及び2は、脱水分離液及び処理水の全リン濃度が優れて低い値を示した。また、脱水ケーキの含水率も86.5%と、優れた脱水性能を示した。これは、実施例1及び2が、より好ましい無機凝集剤であるアルミニウム系金属塩を用いたこと、また、より好ましい高分子凝集剤である両性高分子凝集剤を用いたことによる結果であると推察された。
実施例3は、全リン濃度が低下するものの、アルミニウム系無機凝集剤に比べると劣る結果であった。従って、実施例3の無機凝集剤に用いた塩化第二鉄より、実施例1、2、4に用いたアルミニウム系無機凝集剤の方が、リンの不溶化能力が優れていることが確認された。
実施例4は、実施例1の両性高分子凝集剤を用いた場合と比較して、脱水ケーキ含水率が2%程劣る結果となった。従って、実施例4で用いたカチオン性高分子凝集剤より、実施例1〜3で用いた両性高分子凝集剤の方が、脱水性能が優れていることが確認された。
各比較例は、処理水及び脱水分離液の全リン濃度が、各実施例に比して劣る値を示した。特に、比較例2、3の脱水分離液には、高濃度の全リンが含まれていた。これにより、全リン濃度の低減には、汚泥濃縮槽4を省いた方がよいことが確認された。
また、比較例1からは、全リン濃度の低減には、無機凝集剤の添加が不可欠であることが示唆された。
比較例2は、処理水の全リン濃度が1.7mg/Lと、実施例1と同量の塩化アルミニウムを添加しているにも係らず高い値であった。これは比較例2の返水中のリン濃度が高いために、曝気槽2における微生物処理ではリンを除去しきれなかったと推察された。また、比較例2の脱水分離液のリン濃度は、38.7mg/Lと極めて高い値を示した。これは、汚泥濃縮層4内の脱リン余剰汚泥が嫌気性腐敗を起こし、リンの再溶出が生じていることを示唆するものであった。また、比較例2の脱水ケーキ含水率は、88.3%を示し、実施例1に比較して劣る結果となった。これにより、汚泥濃縮槽4を経た脱リン余剰汚泥には、高分子凝集剤を実施例の3倍以上多く添加しても、より好ましい凝集剤を用いた実施例1、2の脱水ケーキより凝集効果が劣ることが確認された。
比較例3は、図2の実験設備において、無機凝集剤を添加しなかったパターンであり、各実施例に比較して全リン濃度及び脱水ケーキも劣る結果を示した。
本発明のリンの除去方法を用いれば、リンを効率よく汚泥処理設備の系外に除去できるので、従来のリンの除去方法に比べて、処理水中のリン濃度を大幅に削減することができる。また、重金属等を含む凝集剤は使用しないので、環境に悪影響を及ぼすことがない。さらに、本発明のリンの除去方法は、好ましい凝集剤の使用により、優れた脱水性能を発揮するため、含水率の低い脱水ケーキを得ることができる。
本発明のリンの除去方法は、大掛かりな設備を必要とせず、また既存の設備をそのまま利用できるため、既存の汚泥処理設備に対しても、低コストで導入することができる。
本発明のリンの除去方法を用いた有機性排水の処理過程のフロー図である。 従来の有機性排水の処理過程のフロー図である。
符号の説明
1 最初沈殿池
2 曝気槽
3 最終沈殿池
4 汚泥濃縮槽
5 脱水機


Claims (3)

  1. 曝気槽から最終沈殿池に導かれる汚泥に無機凝集剤を添加し、最終沈殿池で脱リン余剰汚泥を沈降分離した後に、脱リン余剰汚泥の汚泥濃縮を行わずに、脱リン余剰汚泥に高分子凝集剤を添加してから、脱水処理することを特徴とするリンの除去方法。
  2. 前記無機凝集剤がアルミニウム系金属塩であることを特徴とする請求項1に記載のリンの除去方法。
  3. 前記高分子凝集剤が両性高分子凝集剤であることを特徴とする請求項1または2に記載のリンの除去方法。
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