JP2003236593A - リン含有有機性汚泥の処理方法 - Google Patents

リン含有有機性汚泥の処理方法

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JP2003236593A
JP2003236593A JP2002037791A JP2002037791A JP2003236593A JP 2003236593 A JP2003236593 A JP 2003236593A JP 2002037791 A JP2002037791 A JP 2002037791A JP 2002037791 A JP2002037791 A JP 2002037791A JP 2003236593 A JP2003236593 A JP 2003236593A
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sludge
phosphorus
reaction
solid
hydrothermal reaction
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Toru Kawachi
透 河内
Tadao Takeuchi
忠雄 竹内
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Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
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Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン含有有機性汚泥を効率よく処理すること
ができ、水熱反応後の固体分離により容易にリンを分離
することができ、分離したリンを回収して有効利用する
ことが可能な有機性汚泥の処理方法を提案する。 【解決手段】 第1凝集槽11にリン含有有機性汚泥を
導入し、リンと反応して不溶性化合物を形成する成分を
含む無機凝集剤21を添加して凝集処理を行い、第2凝
集槽12に導入して両性高分子凝集剤25を添加して凝
集フロックを形成し、簡易脱水機13で含水率80〜9
8重量%濃度に濃縮した濃縮汚泥を水熱反応装置14に
導入し、酸化剤槽15から酸化剤を供給して超臨界また
は亜臨界状態で水熱反応を行い、固体分離器16で固体
を分離し、気液分離器17で気液分離を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン含有有機性汚
泥を凝集処理により濃縮し、濃縮汚泥を水熱反応により
処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下水処理汚泥等のリン含有有機性汚泥の
処理方法として、凝集処理により濃縮、脱水し、脱水汚
泥を焼却する方法が行われている。この方法にはフロッ
ク強度を大きくするため、ならびに溶解性のリンをフロ
ック化するために、無機凝集剤と両性高分子凝集剤を用
いて凝集を行い、形成されるフロックを遠心脱水機、ベ
ルトプレス型脱水機等で機械脱水し、脱水汚泥を焼却す
る方法がある。
【0003】しかしながらこのような方法では、焼却を
行うためには含水率60〜80重量%に脱水する必要が
あり、このためには大型の脱水機が必要であり、また安
定したフロック形成のための凝集操作も困難である。さ
らに焼却により生成する焼却灰は雑多な成分を含み、リ
ンを回収して利用することは困難であった。
【0004】一方、有機性汚泥の処理方法として、超臨
界または亜臨界状態における水熱反応による処理方法が
提案されている。水熱反応は水の超臨界または亜臨界状
態で、被反応物を酸化反応や加水分解反応させて廃棄物
を分解したり、エネルギーを生成したりする方法であ
る。下水処理汚泥等の有機性汚泥の場合、水の超臨界ま
たは亜臨界状態で、有機物を含む被反応物と酸化剤とを
反応させることにより酸化反応を生じさせ、被反応物中
の有機物を短時間で、ほぼ完全に分解することができ
る。
【0005】このように水熱反応により被反応物中の有
機物を酸化分解する場合、被反応物、酸化剤、水を加
圧、加熱し反応器へ供給して酸化反応させる。反応の結
果、有機物は酸化分解され、水と二酸化炭素からなる高
温高圧の液体と、乾燥またはスラリー状態の灰分や塩類
等の固体を含む反応生成物が得られる。反応生成物のう
ち固体は固液分離装置によって分離される。固体を分離
した流体はエネルギー回収されるか、冷却、減圧され、
ガス分と液分とに分離される。
【0006】有機性汚泥を水熱反応により処理する方法
として、有機性汚泥を濃縮した濃縮汚泥を水熱反応によ
り酸化分解し、処理流体にリン不溶化剤を添加して可溶
性のリンを析出させ、固液分離する方法がある(例えば
特開平9−276900号)。この方法では汚泥を濃縮
することにより、水熱反応を行う汚泥容量を減少させる
とともに、発熱量を大きくして補助燃料の使用量を少な
くし、処理効率を高くすることができる。ここでは濃縮
するために重力濃縮等の凝集剤を使用しない濃縮、ある
いは高分子凝集剤を添加して凝集を行い、ベルトプレス
脱水機等で脱水する濃縮などが行われている。
【0007】しかしながらリン含有有機性汚泥を、凝集
剤を使用することなく、あるいは高分子凝集剤のみで凝
集を行って濃縮すると、汚泥中に含まれるリンはリン酸
イオンとして反応流体にリークするため、処理水を凝集
処理等により脱リン処理する必要があるなどの問題点が
ある。
【0008】水熱反応においてリンを除去する方法とし
ては、有機性汚泥を水熱反応により処理して有機物を分
解し、処理流体にリン不溶化剤を添加して可溶性のリン
を不溶化物として析出させ、固液分離する方法がある
(特開平11−90494号)。しかしこの方法では有
機性汚泥の濃縮とは別に処理流体のリンの不溶化工程が
必要になり、処理工程が複雑になるという問題点があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、リン
含有有機性汚泥を効率よく処理することができ、水熱反
応後の固体分離により容易にリンを分離することがで
き、分離したリンを回収して有効利用することが可能な
リン含有有機性汚泥の処理方法を提案することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は次のリン含有有
機性汚泥の処理方法である。 (1) リン含有有機性汚泥に、リンと反応して不溶性
化合物を形成する成分を含む無機凝集剤および両性高分
子凝集剤を添加後、濃縮する濃縮工程と、濃縮汚泥を水
の超臨界または亜臨界状態で水熱反応により酸化分解
し、反応流体を取り出す水熱反応工程と、反応流体から
固体を分離する固体分離工程とを含むリン含有有機性汚
泥の処理方法。 (2) リン含有有機性汚泥が有機性排液の生物処理汚
泥である上記(1)記載の方法。 (3) 無機凝集剤が鉄化合物および/またはアルミニ
ウム化合物である上記(1)または(2)記載の方法。 (4) 濃縮工程が含水率80〜98重量%の濃縮汚泥
を得るものである上記(1)ないし(3)のいずれかに
記載の方法。
【0011】本発明において処理の対象となるリン含有
有機性汚泥は、リンおよび有機物を含む汚泥であり、リ
ンおよび有機物以外に他の無機物を含んでいてもよく、
具体的には下水、し尿、産業排水などの有機性排液を生
物処理した際に発生する生物処理汚泥、例えば初沈汚
泥、余剰汚泥、又は消化汚泥、これらの凝集沈殿汚泥、
これらの混合物などが例示できる。このような被処理汚
泥としてはSS濃度が0.5〜3.0重量%、好ましく
は1.5〜2.5重量%、VSS/SSが72〜86
%、好ましくは75〜82%のものが処理に適してい
る。
【0012】本発明では、このような有機性汚泥を濃縮
工程において、汚泥に含まれるリンと反応して不溶性化
合物を形成する無機凝集剤および両性高分子凝集剤を添
加して凝集処理を行い濃縮する。水熱反応においては、
無機凝集剤は酸化物等の固形物として残留するので、閉
塞、摩耗が生じ、処理が中断することがある。このため
一般的には無機凝集剤は使用されていない。本発明では
リンと反応して不溶性化合物を形成する無機凝集剤を汚
泥に添加し、さらに両性高分子凝集剤を添加して凝集処
理を行うことにより、汚泥を濃縮するとともに、濃縮工
程から固体分離工程に至る間に、汚泥に含まれる溶解性
のリンと反応して不溶性化合物を生成させ、固体分離に
より分離除去する。無機凝集剤は少量用いれば、閉塞や
摩耗の恐れはなく、処理操作が容易であり、低コストで
凝集処理を行うことができるほか、触媒作用により水熱
反応の効率を高くでき、また重金属等の有害物質を不溶
化して分離を容易にできるなどの利点がある。
【0013】汚泥に含まれるリンとしては、汚泥中の微
生物や蛋白等に含まれる有機または無機のリン化合物、
ならびに液中に存在するリン酸塩等の溶解性のリンなど
があげられる。このような汚泥に前記無機凝集剤を添加
すると、無機凝集剤は溶解性のリンと反応して不溶性リ
ン化合物を形成するとともに、自身も汚泥固形物を抱き
込んで凝集する。この状態では分離性は低いので、両性
高分子凝集剤を添加してフロック化することにより、強
度が大きく、沈降性、固液分離性の高い凝集フロックを
形成することができる。リンを不溶化するのに必要な量
の無機凝集剤を添加するとカチオン性、アニオン性また
はノニオン性の高分子凝集剤では良好なフロックを形成
することはできないが、両性高分子凝集剤を使用するこ
とにより、良好なフロックを形成することができる。
【0014】濃縮工程では簡易脱水機を用いて脱水濃縮
することにより、含水率80〜98重量%、好ましくは
85〜90重量%の水熱反応に適した含水率の濃縮汚泥
を得るのが好ましい。濃縮汚泥中のリン成分は水熱反応
により最終的にはリンの酸化物またはリン酸塩になる。
濃縮工程において無機凝集剤を添加した場合は、無機凝
集剤に含まれる無機成分がリン酸と反応した不溶性の化
合物、特に塩が水熱反応により生成する。一般に水熱反
応では有機物は分解し、無機物は主として塩または酸化
物となるが、超臨界状態では水は存在しないので塩また
は酸化物は、固体または溶融状態で存在する。水熱反応
後に反応流体を冷却して水が生成すると、可溶性の塩ま
たは酸化物は生成する水に溶解するため、処理水にリン
がリークすることになる。これに対して無機凝集剤を添
加して不溶性の塩が生成する場合には、これらの不溶性
塩は水に溶解しないので容易に分離でき、処理水へのリ
ンのリークは少なくなる。不溶性リン化合物としてはリ
ン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、これ
らの複塩等の不溶性リン酸塩があげられる。
【0015】本発明で用いられる無機凝集剤としては、
従来より汚泥処理に使用されているものが使用でき、例
えば硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等の
アルミニウム化合物、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ鉄
等の鉄化合物、消石灰、炭酸カルシウム等のカルシウム
化合物などがあげられる。これらの中ではアルミニウム
化合物および/または鉄化合物が好ましく、有機性汚泥
の組成、性状に合わせて凝集脱水性、触媒能、有害物質
固定化力等に優れる物質を選択するのが好ましい。
【0016】無機凝集剤の添加量は有機性汚泥の濃縮に
必要な量であって、かつ汚泥に含まれる溶解性および不
溶性のリンを水熱反応後に不溶化できる量であり、水熱
反応後の反応流体が閉塞を起こさない量であることが望
ましい。このような添加量は汚泥および凝集剤の種類、
装置の構造等によって異なるが、それぞれの条件に合わ
せて実験的に決めることが可能である。一般的には無機
凝集剤として、被処理有機性汚泥中のSSに対して5〜
50重量%、好ましくは20〜40重量%とするのが望
ましい。
【0017】本発明で用いられる両性高分子凝集剤はカ
チオン性およびアニオン性の単位を有する高分子凝集剤
である。カチオン性の単位としては、ジメチルアミノエ
チルアクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート(DAM)、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト四級化合物(DAA)、ジメチルアミノプロピルアク
リルアミド塩酸塩(DAPAAm)等があげられる。ま
たアニオン性の単位としては、アクリル酸(AA)、ア
クリル酸ナトリウム(NaA)、メタクリル酸、メタク
リル酸ナトリウム等があげられる。これらの両単位を含
む両性高分子凝集剤としては、DAA/AA/AAm共
重合体、DAM/AA/AAm共重合体、DAPAAm
/AA/AAm共重合体、DAA/AA共重合体、
(注:アクリルアミド(AAm))等があげられる。両
性高分子凝集剤の添加量は被処理有機性汚泥中のSSに
対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜1.5
重量%、より好ましくは0.8〜1.2重量%とするこ
とができる。
【0018】有機性汚泥の濃縮方法は、被処理汚泥に無
機凝集剤を加え、必要によりpH調整剤を添加し、撹拌
を行って凝集処理を行い、さらに両性高分子凝集剤を添
加し撹拌してフロックを形成し、簡易脱水機で脱水を行
って含水率80〜98重量%の濃縮汚泥を得る。これに
より汚泥中のリン酸イオンは不溶性のリン酸塩としてフ
ロックを形成し、微生物や蛋白等の有機物もフロックに
取り込まれる。汚泥の脱水には、ろ布での重力濃縮、沈
降槽などの簡易脱水機を使った簡易脱水が行われる。
【0019】次工程の水熱反応工程に供給する濃縮汚泥
の汚泥濃度は2〜20重量%、好ましくは5〜15重量
%とするのが送泥上ならびに水熱反応上好ましい。すな
わち上記濃縮汚泥の濃度範囲ではそのまま、通常の高圧
ポンプで水熱反応装置に送泥可能であり、発熱量が大き
いため、補助燃料の使用量を少なくでき、またアンモニ
ア等の酸化分解も容易に行うことができる。上記の無機
凝集剤等を添加して上記範囲より高濃度の濃縮汚泥が得
られる場合には、水または低濃度汚泥を混合して上記範
囲の濃縮汚泥を得ることができる。
【0020】水熱反応工程では濃縮工程で得られた濃縮
汚泥を水熱反応装置に導入して水熱反応させ、汚泥中の
有機物および両性高分子凝集剤の酸化分解を行う。水熱
反応装置は濃縮汚泥を酸化剤の存在下に水の超臨界また
は亜臨界状態で水熱反応により酸化分解するように構成
される。ここで水熱反応は、超臨界または亜臨界状態の
高温高圧の水および酸化剤の存在下に濃縮汚泥を酸化反
応により酸化分解する反応である。超臨界状態とは37
4℃以上、22MPa以上の状態である。また亜臨界状
態とは例えば374℃以上、2.5MPa以上22MP
a未満あるいは374℃未満、22MPa以上の状態、
あるいは374℃以下、22MPa未満であっても臨界
点に近い高温高圧の状態をいう。
【0021】このような水熱反応は濃縮汚泥が酸化剤と
混合した状態で水熱反応装置において行われ、これらの
混合物が反応器内部で水熱反応を受ける。酸化剤として
は、空気、酸素、液体酸素、過酸化水素水、オゾン、硝
酸、亜硝酸、硝酸塩、亜硝酸塩等を用いることができ
る。酸化剤は、被処理物の混合汚泥と混合されて供給さ
れてもよいし、供給口を二重管ノズルにして複層流とし
て供給してもよい。また必要により触媒や中和剤等が添
加される場合があるが、濃縮汚泥と混合して、あるいは
別々に反応器に供給することができる。
【0022】水熱反応により被酸化性物質は酸化され
る。例えば有機物は炭酸ガスと水に分解され、無機物は
塩または酸化物として残る。超臨界状態ではこれらの無
機物は固体または溶融状態で存在するため、反応流体か
ら固体または溶融物を分離すると、容易に分離除去され
る。亜臨界状態において水が存在する場合には可溶性の
塩、酸化物等は水に溶解するが、本発明ではリンが無機
凝集剤の成分と反応して不溶性の化合物を生成するか
ら、固体の分離により容易に分離することができる。
【0023】本発明で用いられる水熱反応装置は超臨界
または亜臨界状態で水熱反応を行うように、耐熱、耐圧
材料により、実質的に垂直方向に配置した筒状反応器で
形成される。反応熱だけでは超臨界または亜臨界状態に
達しない場合には外部加熱手段を設けることができる。
反応器の形状は円筒、だ円筒、多角筒のものを用いるこ
とができ、下端部はコーン状とすることができる。この
ような水熱反応装置により超臨界または亜臨界状態で水
熱反応を行うと、被反応物の有機物は酸化剤により酸化
されて最終的に水と二酸化炭素に分解され、あるいは加
水分解により低分子化し、無機物は固体あるいは溶融状
態で分離する。
【0024】上記の水熱反応装置は従来より水熱反応に
用いられているものをそのまま用いることができるが、
特開平11−156186号に示されているように、上
部に逆流を伴う混合反応域、下部に栓状流反応域を形成
する実質的に垂直な反応器に、さらに上部に設けられた
噴射装置から被反応物と酸化剤の混合流を下向流で噴射
して上部の混合反応域で逆流を伴う混合流を形成して水
熱反応を行い、下部の栓状流反応域で平行な下向栓流を
形成して追加の水熱反応を行う構造のものが好ましい。
【0025】水熱反応装置の材質は制限されないが、ハ
ステロイ、インコネル、ステンレス等の耐食性の材質が
好ましい。水熱反応装置には耐腐食性ライナーを設ける
のが好ましい。耐腐食性ライナーは特に限定されず、特
開平11−156186号に開示されたような耐腐食性
ライナーと圧力負荷壁との間に間隙が存在するような耐
腐食性ライナーを用いることができる。
【0026】水熱反応装置には反応混合物を排出口から
排出する前に冷却するための冷却手段を設けてもよい。
冷却手段は特に限定されないが、反応器内に水を導入し
て冷却し、無機塩を溶解して不溶性化合物の析出を促進
することができる。また、反応器内に酸やアルカリを含
む水を導入して冷却し、アルカリや酸の中和を行うこと
ができる。固体の粘着性が著しい場合には、反応器の内
壁に付着した固体を除去するための機械的除去装置を設
けることができる。固体除去のための機械的除去装置は
特に限定されないが、特開平11−156186号で開
示された切欠窓部分を含む実質的に円筒状のスクレーパ
が好適である。
【0027】水熱反応装置から排出される反応流体中の
固形物を分離する分離手段を設けることができる。特
に、超臨界状態の反応流体中では無機塩類が溶解せずに
固体として含まれているため、不溶化している無機物を
分離することにより、処理水の再利用が容易になる。ま
た冷却により無機塩を水に溶解させて不溶性リン化合物
を析出させた場合、あるいは亜臨界状態で水熱反応を行
って不溶性リン化合物を析出させた場合も、固体分離に
より不溶性リン化合物を分離することができる。固形物
分離手段は特に限定されず、水熱反応装置から反応流体
を導入する流入口および固体を除去した流体を排出する
流出口を備えた容器と、容器内に配設されて前記反応流
体に含まれている前記固体を除去し、排出する手段とを
備えたものが使用できる。なお、冷却、減圧の工程で、
固体分離や気液分離の手段を含むこともできる。
【0028】水熱反応装置による反応開始の手段は特に
制限されない。通常、反応器は反応開始にあたって所定
の反応温度付近に予熱される。予熱は加熱装置を反応器
に設けるか、あるいは濃縮汚泥および/または酸化剤供
給路に設けて加熱された水や空気を導入して実施するこ
とができる。また、通常、反応器に水や酸化剤を供給
し、通常設けられる圧力調整弁によって所定の圧力に加
圧される。所定の温度、圧力に調整された後、被反応物
である濃縮汚泥を含む流体を供給して水熱反応を開始す
る。反応によって有機物が分解され、反応熱が発生す
る。水熱反応装置上部(反応器上部)に逆流を伴う混合
反応域を設けた場合、ここで逆流を伴う混合作用で被反
応物、酸化剤および反応器内容物などが十分に混合され
るため、流体の温度が上昇する。これにより供給される
被反応物は速やかに水熱反応を開始し、安定した反応が
継続されることになる。反応流体は反応器内を下向きに
移動し、栓状流反応域で継続反応した後、排出口から排
出される。反応器の長さ:直径の比は1:1〜100:
1が好ましい。
【0029】水熱反応装置を出た反応流体は、固体を分
離した後、冷却して減圧し気液分離するのが好ましい
が、先に冷却を行って減圧した後、気液分離および固体
分離を行ってもよい。反応器内で冷却して液体が生成し
ている場合は反応装置を出た段階で固体とともに液体を
分離し、必要によりさらに冷却および気液分離を行うこ
とができる。最終的に生成した水、気体、固体は、その
まま、エネルギー回収されたり、物質として再利用され
たり、そのままあるいは追加処理されて廃棄される。
【0030】本発明では濃縮工程においてリンと反応し
て不溶性化合物を生成する成分を含む無機凝集剤および
両性高分子凝集剤を添加して凝集を行うため、汚泥中の
リン酸をフロックとして析出させるとともに、濃縮汚泥
に無機凝集剤が移行し、これが水熱反応工程において汚
泥中の有機物の分解により生成するリン酸と反応して不
溶性化合物となり、汚泥中に含まれる無機物と複合した
固形物として分離される。上記のように少ない添加量の
無機凝集剤を用いると、通常用いられている水熱反応装
置ならびに付属する配管等を閉塞することはなく、溶融
または固体状態で分離される。上記により分離された固
形物はリンを多量に含有しているので、肥料等としてそ
のまま利用できるほか、リン酸等の形でリンを回収して
利用することもできる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、リンと反応して不溶性
化合物を形成する成分を含む無機凝集剤および両性高分
子凝集剤を使用し、リン含有有機性汚泥を濃縮して水熱
反応を行うようにしたので、有機性汚泥の濃縮が容易で
あって、低コストで濃縮を行うことができ、水熱反応を
効率的に行うとともに、汚泥に含まれるリンを不溶性化
合物として析出させて容易に分離除去して有効利用する
ことができ、処理水へのリンその他の溶出を防止し、リ
ン回収して有効利用することが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より説明する。図1は実施形態の有機汚泥の処理方法を
示しており、1は最初沈殿池、2は曝気槽、3は最終沈
殿池であり、生物処理装置を構成している。11は第1
凝集槽、12は第2凝集槽、13は簡易脱水機、14は
水熱反応装置、15は酸化剤槽、16は固体分離器、1
7は気液分離器である。
【0033】図1の処理方法は以下のように行われる。
まず系路4から有機性排液を最初沈殿池1に導入し固形
分を分離する。分離液は系路5から曝気槽2に導入して
好気性生物処理を行う。混合液は系路6から最終沈殿池
3に導入して固液分離を行い、分離液を処理液として系
路7から排出する。分離汚泥は一部を返送汚泥として系
路8から曝気槽2に返送し、一部を余剰汚泥として系路
9から第1凝集槽11に導入する。最初沈殿池1の汚泥
は初沈汚泥として系路10から第1凝集槽11へ導入す
る。
【0034】第1凝集槽11では系路9、10から被処
理汚泥としてのリン含有有機性汚泥(余剰汚泥および初
沈汚泥)を導入し、系路21から無機凝集剤を添加し、
必要により系路22からpH調整剤を添加し、撹拌機2
3で撹拌して凝集を行いフロックを生成させる。ここで
添加する無機凝集剤の量は、水熱反応装置14で生成す
る反応流体が閉塞しない量とする。凝集により汚泥中の
リン酸イオンは無機凝集剤と反応して不溶性のフロック
を形成する。微生物、蛋白、その他の有機物等はフロッ
クに捕捉されて析出する。
【0035】第1凝集槽11の凝集液は系路24から第
2凝集槽12に導入し、ここに系路25から両性高分子
凝集剤を添加して撹拌機26で撹拌し、第1凝集槽11
で析出した微細なフロックを結合して成長させ、沈降
性、脱水性の良好な凝集フロックを形成する。
【0036】上記の凝集処理により生成する凝集フロッ
クを系路27から簡易脱水機13に送って濃縮し濃縮汚
泥を得る。簡易脱水機13としては前述のような重力濃
縮装置や簡単な機械的脱水機を使用することができる。
簡易脱水機13では含水率80〜98重量%となるよう
に濃縮を行う。簡易脱水機13で分離した分離液は系路
28から最初沈殿池1へ送る。
【0037】簡易脱水機13で得られる濃縮汚泥は高圧
ポンプP1により系路31から水熱反応装置14の噴射
装置14aに送り、ここで酸化剤槽15から高圧ポンプ
P2により系路32を通して送られる酸化剤(例えば空
気、過酸化水素水)と混合し、混合流を水熱反応装置1
4に下向流で噴射して水熱反応を行う。水熱反応装置1
4では反応開始時に系路31または32に設けられる予
熱器(図示せず)により、加熱を行って超臨界または亜
臨界状態に保って水熱反応を行う。
【0038】噴射装置14aから噴射される混合流は水
熱反応装置14の上部では逆流を伴う混合反応域を形成
し、有機物を含む被酸化性物質の酸化分解が行われ、下
部では乱流は解消して栓状流反応域を形成して追加反応
が行われる。この水熱反応工程では前段の濃縮工程で濃
縮されて熱量の高くなった濃縮汚泥が酸化されるため、
濃縮汚泥の持つ熱量だけで、あるいは少ない補助燃料で
反応温度を600℃以上に維持することができる。リン
および濃縮工程で添加された無機凝集剤は酸化物または
塩となり、超臨界の場合は固体または溶融状態で分離す
る。
【0039】水熱反応装置14の反応流体は系路33か
ら固体分離器16に導入されて固体を分離し、分離した
固体分を固体排出路34より取り出す。濃縮工程で添加
する無機凝集剤の量は閉塞が起こらない量とすることに
より、水熱反応装置14、固体分離器16、系路33、
34等における閉塞は防止され、摩耗も少ない。固体を
分離した反応流体は系路35から冷却器36に導入して
冷却水路37から供給する冷却水で冷却し、系路38か
ら気液分離器17に導入して気液分離し、気体排出路3
9から弁V1を通して気体を排出し、液体排出路40か
ら弁V2を通して処理水を排出する。得られる処理水は
有機物、アンモニア、その他被酸化性物質は分解されて
おり、高水質であり、回収利用も可能である。
【0040】上記の実施形態において、水熱反応を超臨
界で行う場合には、反応流体から固体を分離することに
より、大部分のリンは固体または溶融物として分離除去
される。残留する少量のリンも不溶性化合物を形成する
ため、生成する液体から分離することにより、容易に除
去される。超臨界で反応後冷却して水を生成させる場
合、ならびに亜臨界で水の存在下に水熱反応を行う場合
でも、リンは不溶性化合物を形成するため、反応流体ま
たは液体から分離することにより、容易にリンを除去す
ることができ、処理水リン濃度は低くなる。分離した固
形物はリン含有量が多いため、農園芸用の肥料等として
回収利用される。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。各
例中、%は重量%である。
【0042】実施例1 BOD200mg/l、SS200mg/l、リン4.
0mg/lの下水を図1の最初沈殿池1、曝気槽2、最
終沈殿池3に通して好気性生物処理を行い、BOD5m
g/l、SS5mg/l、リン0.45mg/lの処理
水を得た。最終沈殿池3から余剰汚泥(汚泥濃度0.6
%)および最初沈殿池1から初沈汚泥(汚泥濃度2%)
を10:3(容量比)の割合で第1凝集槽11に導入
し、無機凝集剤としてポリ硫酸第二鉄をSSに対して3
0%添加し、pH4.5で凝集を行い、さらに第2凝集
槽12で両性高分子凝集剤としてDAM/AA/AAm
共重合体を対SS1.0%添加して凝集フロックを形成
し、簡易脱水機13で含水率90%に濃縮した。
【0043】得られた濃縮汚泥(リン1972mg/
l、TOC21600mg/l)を、内径9.45m
m、長さ300mmのステンレス管を水熱反応装置とし
て、水熱酸化反応を行った。酸化剤として35%過酸化
水素水を高圧ポンプで反応装置に圧入した(1.5ml
/min)。過酸化水素水は反応装置に入る前の配管部
で外部熱源により370℃に熱した。汚泥スラリーはよ
くすりつぶしてから、過酸化水素水と反応装置をつなぐ
配管中、反応装置直前に設けた注入口より反応装置へ圧
入した(2ml/min)。反応装置はセラミックヒー
ターと内部に設けた熱伝対を使って、反応流体の温度が
650℃となるようにした。反応流体は固体分離器で固
体を分離後二重管式冷却器で冷却し、気液分離した。圧
力は出口に設けた調圧弁で24Mpaに調整した。
【0044】得られた処理水は、透明液体でTOCは1
2mg/lで99.9%の高い分解率が得られた。ま
た、処理水中のリン濃度は5mg/lで、汚泥中のリン
の97.3%が除去された。分離した固体は、リンを1
5%含んでおり、流入下水中のリンの88.8%が回収
された。
【0045】比較例1 実施例1の処理の代わりに、機械脱水機として、ベルト
プレス型脱水機を用いて含水率80%に脱水し、脱水ケ
ーキを焼却炉で焼却したところ、焼却灰固体はリンを
9.9%含んでいた。流入下水中のリンに対する回収率
は、実施例と同じ88.8%であるが、不純物が多く含
まれているため有効利用することが難しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のリン含有有機性汚泥の処理装置の系
統図である。
【符号の説明】
1 最初沈殿池 2 曝気槽 3 最終沈殿池 4、5、6、7、8、9、10、21、22、24、2
5、27、28、31、32、33、35、38 系
路 11 第1凝集槽 12 第2凝集槽 13 簡易脱水機 14 水熱反応装置 14a 噴射装置 15 酸化剤槽 16 固体分離器 17 気液分離器 23、26 撹拌機 34 固体排出路 36 冷却器 37 冷却水路 39 気体排出路 40 液体排出路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 忠雄 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D059 AA03 BC01 BC02 BE14 BE16 BE17 BE55 BE58 BE59 BF11 DA03 DA05 DA16 DA22 DA24 DA43 DA44 DB24 DB25 DB26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン含有有機性汚泥に、リンと反応して
    不溶性化合物を形成する成分を含む無機凝集剤および両
    性高分子凝集剤を添加後、濃縮する濃縮工程と、 濃縮汚泥を水の超臨界または亜臨界状態で水熱反応によ
    り酸化分解し、反応流体を取り出す水熱反応工程と、 反応流体から固体を分離する固体分離工程とを含むリン
    含有有機性汚泥の処理方法。
  2. 【請求項2】 リン含有有機性汚泥が有機性排液の生物
    処理汚泥である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 無機凝集剤が鉄化合物および/またはア
    ルミニウム化合物である請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 濃縮工程が含水率80〜98重量%の濃
    縮汚泥を得るものである請求項1ないし3のいずれかに
    記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008238015A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Daiyanitorikkusu Kk リンの除去方法
JP2011507673A (ja) * 2007-09-03 2011-03-10 ピーエムシー コリア カンパニー リミテッド スラッジ処理装置及び方法
CN109368985A (zh) * 2018-12-26 2019-02-22 肇庆市珈旺环境技术研究院 一种污泥脱水方法

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