JP2002159999A - 有機性汚泥の処理方法 - Google Patents

有機性汚泥の処理方法

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JP2002159999A JP2000355624A JP2000355624A JP2002159999A JP 2002159999 A JP2002159999 A JP 2002159999A JP 2000355624 A JP2000355624 A JP 2000355624A JP 2000355624 A JP2000355624 A JP 2000355624A JP 2002159999 A JP2002159999 A JP 2002159999A
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Masaaki Wakita
正明 脇田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機性汚泥の濃縮が容易であって、低コスト
で濃縮を行うことができ、水熱反応を効率的に行うとと
もに装置の閉塞や摩耗を防止でき、さらに有害物質を固
体として析出させることができ、処理水への有害物質の
溶出を防止することが可能な有機性汚泥の処理方法を提
案する。 【解決手段】 凝集槽1に有機性汚泥を導入し、酸化剤
として50%対SS以下の量の無機凝集剤を添加して凝
集処理を行い、濃縮装置2で5〜15重量%濃度に濃縮
した濃縮汚泥を水熱反応装置4に導入し、酸化剤槽5か
ら酸化剤を供給して超臨界または亜臨界状態で水熱反応
を行い、固体分離器6で固体を分離し、気液分離器7で
気液分離を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性汚泥を濃縮
し、濃縮汚泥を水熱反応により処理する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】下水処理汚泥等の有機性汚泥の処理方法
として、超臨界または亜臨界状態における水熱反応によ
る処理方法が提案されている。水熱反応は水の超臨界ま
たは亜臨界状態で、被反応物を酸化反応や加水分解反応
させて廃棄物を分解したり、エネルギーを生成したりす
る方法である。下水処理汚泥等の有機性汚泥の場合、水
の超臨界または亜臨界状態で有機物を含む被反応物と、
酸化剤を反応させることにより酸化反応を生じさせ、被
反応物中の有機物を短時間で、ほぼ完全に分解すること
ができる。
【0003】このように水熱反応により被反応物中の有
機物を酸化分解する場合、被反応物、酸化剤、水を加
圧、加熱し反応器へ供給して酸化反応させる。反応の結
果、有機物は酸化分解され、水と二酸化炭素からなる高
温高圧の液体と、乾燥またはスラリー状態の灰分や塩類
等の固体を含む反応生成物が得られる。反応生成物のう
ち固体は固液分離装置によって分離される。固体を分離
した流体はエネルギー回収されるか、冷却、減圧され、
ガス分と液分とに分離される。
【0004】有機性汚泥を水熱反応により処理する方法
として、有機性汚泥を濃縮した濃縮汚泥を水熱反応によ
り酸化分解する方法がある(例えば特開平9−2769
00号)。この方法では汚泥を濃縮することにより、水
熱反応を行う汚泥容量を減少させるとともに、発熱量を
大きくして補助燃料の使用量を少なくし、処理効率を高
くすることができる。ここでは濃縮するために高分子凝
集剤を添加して凝集を行い、ベルトプレス脱水機等で脱
水することが行われている。
【0005】しかしながら、有機性汚泥を高分子凝集剤
のみで凝集を行って濃縮する場合、最適凝集条件に設定
することは困難であり、処理コストも高くなる。また高
分子凝集剤は水熱反応で分解されるため、汚泥中の有害
無機成分が反応流体中に溶出するので、これを除去する
ために新たな処理が必要になるなどの問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、有機
性汚泥の濃縮が容易であって、低コストで濃縮を行うこ
とができ、水熱反応を効率的に行うとともに装置の閉塞
や摩耗を防止でき、さらに有害物質を固体として析出さ
せることができ、処理水への有害物質の溶出を防止する
ことが可能な有機性汚泥の処理方法を提案することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次の有機性汚泥
の処理方法である。 (1) 有機性汚泥を濃縮する濃縮工程と、濃縮汚泥を
水の超臨界または亜臨界状態で水熱反応により酸化分解
し、反応流体を取り出す水熱反応工程とを含み、前記濃
縮工程では、反応流体が閉塞を起こさない量の無機凝集
剤を添加する凝集処理により濃縮するようにした有機性
汚泥の処理方法。 (2) 無機凝集剤の添加量が、水熱反応により生成す
る酸化物量として、汚泥中のSSに対して50重量%以
下である上記(1)記載の方法。
【0008】本発明において処理の対象となる有機性汚
泥は、有機物を含む汚泥であり、有機物の他に無機物を
含んでいてもよく、具体的には下水、し尿、産業排水な
どを処理した際に発生する初沈汚泥、生物処理で発生す
る余剰汚泥や消化汚泥、凝集処理で発生する凝集沈澱汚
泥、これらの混合物などが例示できる。このような被処
理汚泥としてはSS濃度が0.3〜5重量%、好ましく
は1.5〜4重量%、VSS/SSが0.4〜0.95
%、好ましくは0.5〜0.9%のものが処理に適して
いる。
【0009】本発明では、このような有機性汚泥を濃縮
工程において無機凝集剤の添加により凝集処理を行って
濃縮する。通常汚泥処理では処理が容易で低コストであ
るため、無機凝集剤を使用して脱水されている。しかし
水熱反応においては、無機凝集剤は酸化物等の固形物と
して残留するので、閉塞、摩耗が生じ、処理が中断する
だけでなく危険であり、このため従来は無機凝集剤は使
用されていない。ところが無機凝集剤は少量用いれば、
閉塞や摩耗の恐れはなく、処理操作が容易であり、低コ
ストで凝集処理を行うことができるほか、重金属等の有
害物質を不溶化して分離を容易にできるなどの利点があ
る。
【0010】無機凝集剤としては、従来より汚泥処理に
使用されているものが使用でき、例えば硫酸バンド、ポ
リ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム化合
物、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等の鉄化合物、消石灰、炭
酸カルシウム等のカルシウム化合物などが挙げられる。
これらの中では有機性汚泥の組成、性状に合わせて凝集
脱水性、有害物質固定化力等に優れる物質を選択するの
が好ましい。
【0011】無機凝集剤の添加量は有機性汚泥の濃縮に
必要な量であって、水熱反応後の反応流体が閉塞を起こ
さない量である。反応流体が閉塞を起こさない量は汚泥
および凝集剤の種類、装置の構造等によって異なるが、
それぞれの条件に合わせて実験的に決めることが可能で
ある。一般的には水熱反応により生成する酸化物の量、
例えば酸化第二鉄、アルミナ、生石灰などの酸化物の総
量として、被処理有機性汚泥中のSSに対して50重量
%以下、好ましくは15〜40重量%とするのが望まし
い。
【0012】有機性汚泥の濃縮方法は、被処理汚泥に無
機凝集剤を加え、必要によりpH調整剤および/または
高分子凝集剤を添加し、撹拌を行って凝集処理を行い、
フロックを形成し、脱水を行って濃縮汚泥を得る。汚泥
の脱水には、ろ布での重力濃縮、遠心脱水機、ベルトプ
レス脱水機、スクリュープレス脱水機、真空脱水機、フ
ィルタープレス脱水機などの脱水機を使った加圧脱水が
行われる。
【0013】次工程の水熱反応工程に供給する濃縮汚泥
の汚泥濃度は5〜15重量%、好ましくは8〜13重量
%とするのが送泥上ならびに水熱反応上好ましい。すな
わち上記濃度範囲ではそのまま通常の高圧ポンプで水熱
反応装置に送泥可能であり、発熱量が大きいため補助燃
料の使用量を少なくでき、またアンモニア等の酸化分解
も容易に行うことができる。無機凝集剤の添加量が多い
と脱水性が高くなり、得られる濃縮汚泥は高濃度となっ
て固形状に近いケーキとなる。このような固形状のケー
キは水熱反応器に送入するのが困難になるほか、水熱反
応に必要な水の量が不足し、水熱反応の効率が低下す
る。
【0014】本発明では無機凝集剤の添加量を制限する
ことにより、水熱反応後の閉塞を防止するとともに、濃
縮工程における脱水性を低くして上記5〜15重量%の
濃縮汚泥を容易に得ることができ、これにより送泥性お
よび水熱反応効率を高くすることが可能になる。もちろ
ん上記の無機凝集剤を添加して上記範囲より高濃度の濃
縮汚泥が得られる場合には、水または低濃度汚泥を混合
して上記範囲の濃縮汚泥を得ることができる。
【0015】水熱反応工程では濃縮工程で得られた濃縮
汚泥を水熱反応装置に導入して水熱反応させ、有機物の
酸化分解を行う。水熱反応装置は濃縮汚泥を酸化剤の存
在下に水の超臨界または亜臨界状態で水熱反応により酸
化分解するように構成される。ここで水熱反応とは、超
臨界または亜臨界状態の高温高圧の水および酸化剤の存
在下に濃縮汚泥を酸化反応により酸化分解する反応であ
る。超臨界状態とは374℃以上、22MPa以上の状
態である。また亜臨界状態とは例えば374℃以上、
2.5MPa以上22MPa未満あるいは374℃以
下、22MPa以上の状態、あるいは374℃以下、2
2MPa未満であっても臨界点に近い高温高圧状態をい
う。
【0016】このような水熱反応は濃縮汚泥が酸化剤と
混合した状態で水熱反応装置において行われ、これらの
混合物が反応器内部で水熱反応を受ける。酸化剤として
は、空気、酸素、液体酸素、過酸化水素水、硝酸、亜硝
酸、硝酸塩、亜硝酸塩等を用いることができる。酸化剤
は、被処理物の混合汚泥と混合されて供給されてもよい
し、供給口を二重管ノズルにして複層流として供給して
もよい。また必要により触媒や中和剤等が添加される場
合があるが、濃縮汚泥と混合して、あるいは別々に反応
器に供給することができる。本発明では無機凝集剤が中
和剤として機能するため、これらの添加が必要でない場
合が多い。
【0017】本発明で用いられる水熱反応装置は超臨界
または亜臨界状態で水熱反応を行うように、耐熱、耐圧
材料により、実質的に垂直方向に配置した筒状反応器で
形成される。反応熱だけでは超臨界または亜臨界状態に
達しない場合には外部加熱手段を設けることができる。
反応器の形状は円筒、だ円筒、多角筒のものを用いるこ
とができ、下端部はコーン状とすることができる。この
ような水熱反応装置により超臨界または亜臨界状態で水
熱反応を行うと、被反応物の有機物は酸化剤により酸化
されて最終的に水と二酸化炭素に分解され、あるいは加
水分解により低分子化し、無機物は固体あるいは溶融状
態で分離する。このとき無機凝集剤は、酸化物となって
他の固体とともに分離するので、重金属等の有害物質を
抱き込んだ形で分離される。反応生成物は固形物を分離
後、冷却、減圧され、ガス分と液分に分離される。
【0018】上記の水熱反応装置は従来より水熱反応に
用いられているものをそのまま用いることができるが、
特開平11−156186号に示されているように、上
部に逆流を伴う混合反応域、下部に栓状流反応域を形成
する実質的に垂直な反応器に、さらに上部に設けられた
供給装置から被反応物と酸化剤の混合流を下向流で供給
して上部の混合反応域で逆流を伴う混合流を形成して水
熱反応を行い、下部の栓状流反応域で平行な下向栓流を
形成して追加の水熱反応を行う構造のものが好ましい。
【0019】水熱反応装置の材質は制限されないが、ハ
ステロイ、インコネル、ステンレス等の耐食性の材質が
好ましい。水熱反応装置には耐腐食性ライナーを設ける
のが好ましい。耐腐食性ライナーは特に限定されず、特
開平11−156186号に開示されたような耐腐食性
ライナーと圧力負荷壁との間に間隙が存在するような耐
腐食性ライナーを用いることができる。
【0020】水熱反応装置には反応混合物を排出口から
排出する前に冷却するための冷却手段を設けることがで
きる。冷却手段は特に限定されないが、反応器内に水を
導入して冷却し、無機塩を溶解してその排出を促進する
ことができる。また、反応器内に酸やアルカリを含む水
を導入して冷却し、アルカリや酸の中和を行うことがで
きる。固体の粘着性が著しい場合には、反応器の内壁に
付着した固体を除去するための機械的除去装置を設ける
ことができる。固体除去のための機械的除去装置は特に
限定されないが、特開平11−156186号で開示さ
れた切欠窓部分を含む実質的に円筒状のスクレーパが好
適である。
【0021】水熱反応装置から排出される反応流体中の
固形物を分離する分離手段を設けることができる。特
に、超臨界状態の反応流体中では無機塩類が溶解せずに
固体として含まれているため、不溶化している無機物を
分離することにより、処理水の再利用が容易になる。固
形物分離手段は特に限定されず、水熱反応装置から反応
流体を導入する流入口および固体を除去した流体を排出
する流出口を備えた容器と、容器内に配設されて前記反
応流体に含まれている前記固体を除去し、排出する手段
とを備えたものが使用できる。なお、冷却、減圧の工程
で、固体分離や気液分離の手段を含むこともできる。
【0022】水熱反応装置による反応開始の手段は特に
制限されない。通常、反応器は反応開始にあたって所定
の反応温度付近に予熱される。予熱は加熱装置を反応器
に設けるか、あるいは濃縮汚泥および/または酸化剤供
給路に設けて加熱された水や空気を導入して実施するこ
とができる。また、通常、反応器に水や酸化剤を供給
し、通常設けられる圧力調整弁によって所定の圧力に加
圧される。所定の温度、圧力に調整された後、被反応物
である濃縮汚泥を含む流体を供給して水熱反応を開始す
る。反応によって有機物が分解され、反応熱が発生す
る。水熱反応装置上部(反応器上部)に逆流を伴う混合
反応域を設けた場合、ここで逆流を伴う混合作用で被反
応物、酸化剤および反応器内容物などが十分に混合され
るため、流体の温度が上昇する。これにより供給される
被反応物は速やかに水熱反応を開始し、安定した反応が
継続されることになる。反応流体は反応器内を下向きに
移動し、栓状流反応域で継続反応した後、排出口から排
出される。反応器の長さ:直径の比は1:1〜100:
1が好ましい。
【0023】水熱反応装置を出た反応流体は、固体を分
離した後、冷却して減圧され気液分離される。反応器内
で冷却して液体が生成している場合は反応装置を出た段
階で固体とともに液体を分離し、必要によりさらに冷却
および気液分離を行うことができる。最終的に生成した
水、気体、固体は、そのまま、エネルギー回収された
り、物質として再利用されたり、そのままあるいは追加
処理されて廃棄される。
【0024】本発明では濃縮工程において無機凝集剤を
添加して凝集を行うため、濃縮汚泥に無機凝集剤が移行
し、これが水熱反応工程において酸化物となり、汚泥中
に含まれる無機物と複合した固形物として分離される。
上記のように生成する酸化物としてSSの50重量%以
下の量の無機凝集剤を用いると、通常用いられている水
熱反応装置ならびに付属する配管等を閉塞することはな
く、溶融塩または固体状で分離される。汚泥に含まれる
重金属等の有害物質も固形化して同時に除去され、処理
水を汚染することはない。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、特定量の無機凝集剤を
使用して有機性汚泥を濃縮し水熱反応を行うようにした
ので、有機性汚泥の濃縮が容易であって、低コストで濃
縮を行うことができ、水熱反応を効率的に行うとともに
装置の閉塞や摩耗を防止でき、さらに有害物質を固体と
して析出させることができ、処理水への有害物質の溶出
を防止することが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より説明する。図1は実施形態の有機汚泥の処理方法を
示しており、1は凝集槽、2は濃縮装置、3は調整槽、
4は水熱反応装置、5は酸化剤槽、6は固体分離器、7
は気液分離器である。
【0027】図1の処理方法は以下のように行われる。
まず凝集槽1に系路11から被処理有機性汚泥を導入
し、系路12から無機凝集剤を添加し、必要により系路
13からpH調整剤および/または高分子凝集剤を添加
し、攪拌機14で撹拌して凝集を行いフロックを生成さ
せる。ここで添加する無機凝集剤の量は、水熱反応装置
4で生成する反応流体が閉塞しない量であり、好ましく
は水熱反応装置4で生成する酸化物量として、被処理汚
泥中のSSに対して50重量%以下とする(以下、重量
%を%と記す)。例えば2%の有機性汚泥に塩化第二
鉄;FeCl3を対SS10%、消石灰;Ca(OH)2
対SS30%添加したとする。この場合、水熱反応で生
成するFe23は対SS9.8%、CaOは対SS2
3.3%、合計で33.1%である。
【0028】上記の凝集処理により生成する凝集フロッ
クを系路15から濃縮装置2に送って濃縮し濃縮汚泥を
得る。濃縮装置2としては前述のような重力濃縮装置や
機械的脱水機を使用することができる。濃縮装置2では
汚泥濃度5〜15%となるように濃縮を行い、系路16
から調整槽3に送って貯留する。濃縮装置2で上記濃度
よりも高濃度の汚泥が生成したときは、系路17から調
整槽3に水または低濃度汚泥を導入し、攪拌機18で混
合して上記濃度の濃縮汚泥を調製する。系路17からは
触媒、スケール防止剤等の添加剤を供給することもでき
る。
【0029】調整槽3の濃縮汚泥は高圧ポンプP1によ
り系路21から水熱反応装置4の供給装置4aに送り、
ここで酸化剤槽5から高圧ポンプP2により系路22を
通して送られる酸化剤(例えば空気、過酸化水素水)と
混合し、混合流を水熱反応装置4に下向流で供給して水
熱反応を行う。水熱反応装置4では反応開始時に系路2
1または22に設けられる予熱器(図示せず)により、
加熱を行って超臨界または亜臨界状態に保って水熱反応
を行う。
【0030】供給装置4aから供給される混合流は水熱
反応装置4の上部では逆流を伴う混合反応域を形成し、
有機物を含む被酸化性物質の酸化分解が行われ、下部で
は乱流は解消して栓状流反応域を形成して追加反応が行
われる。この水熱反応工程では前段の濃縮工程で濃縮さ
れて熱量の高くなった濃縮汚泥が酸化されるため、濃縮
汚泥の持つ熱量だけで、あるいは少ない補助燃料で反応
温度を600℃以上に維持することができるので、アン
モニア等を分解することができる。また濃縮工程で添加
された無機凝集剤は酸化物となり、汚泥中に含まれる重
金属その他の有害物質を抱き込んだ形で分離する。
【0031】水熱反応装置4の反応流体は系路23から
固体分離器6に導入されて固体を分離し、分離した固体
を固体排出路24より排出する。濃縮工程で添加する無
機凝集剤の量は閉塞が起こらない量とされているので、
水熱反応装置4、固体分離器6、系路23、24等にお
ける閉塞は防止され、摩耗も少ない。固体を分離した反
応流体は系路25から冷却器26に導入して、冷却水路
27から供給する冷却水で冷却し、系路28から気液分
離器7に導入して気液分離し、気体排出路29から弁V
1を通して気体を排出し、液体排出路30から弁V2を
通して処理水を排出する。得られる処理水は有機物、ア
ンモニア、その他被酸化性物質は分解され、重金属等の
有害物質も除去されており、高水質であり、回収利用も
可能である。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 pH7.5、電気伝導率5200μS/cm、SS2.
2%、VSS/SS0.61の下水消化汚泥5liter
に、塩化第二鉄と消石灰をそれぞれ10%対SS、20
%対SS添加して撹拌し、ナイロン製ろ布でろ過して水
切りし濃縮した。これを同じろ布、スポンジではさん
で、空圧シリンダーで圧搾して脱水した。塩化第二鉄の
添加量は、酸化第二鉄換算では9.7%対SS、消石灰
の添加量は、生石灰換算では15.6%対SS、合計で
25.3%対SSである。得られた脱水汚泥に水を加え
て練り、10%スラリー(TOC 21600mg/
l)を調製し、内径9.45mm、長さ300mmのス
テンレス管を反応装置として、水熱酸化反応を行った。
酸化剤として35%過酸化水素水を高圧ポンプで反応装
置に圧入した(1.5ml/min)。過酸化水素水は
反応装置に入る前の配管部で外部熱源により370℃に
予熱した。汚泥スラリーはよくすりつぶしてから、過酸
化水素水と反応装置をつなぐ配管中、反応装置直前に設
けた注入口より反応装置へ圧入した(2ml/mi
n)。反応装置はセラミックヒーターと内部に設けた熱
伝対を使って、反応流体の温度が650℃となるように
した。反応流体は二重管式冷却器で冷却した。圧力は出
口に設けた調圧弁で24MPaに調整した。60分間反
応を行ったが、反応容器の閉塞は認められなかった。ま
た、得られた液体は透明液体でTOCは12mg/lで
あり、99.9%の高い分解率が得られた。
【0033】比較例1 実施例1と同じ下水消化汚泥5literに、塩化第二鉄と
消石灰をそれぞれ20%対SS、40%対SS添加し同
様の脱水操作を行った。塩化第二鉄の添加量は、酸化第
二鉄換算では19.4%対SS、消石灰の添加量は、生
石灰換算では31.2%対SS、合計で50.6%対S
Sである。得られた脱水汚泥に水を加えて練り、10%
のスラリー(TOC 17600mg/l)を調製し、
実施例1と同様に水熱酸化反応を行ったところ、実施例
1と同様に透明液体(TOC分解率99.9%)が得ら
れたが、反応開始後15分で閉塞した。
【0034】以上の結果より、無機凝集剤を酸化物換算
で50%対SS以下添加して凝集を行うことにより、閉
塞を防止しながら水熱反応を行えることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の処理工程を示すフロー図で
ある。
【符号の説明】
1 凝集槽 2 濃縮装置 3 調整槽 4 水熱反応装置 4a供給装置 5 酸化剤槽 6 固体分離器 7 気液分離器 14、18 攪拌機 P1、P2 高圧ポンプ 24 固体排出路 26 冷却器 27 冷却水路 29 気体排出路 30 液体排出路 V1、V2 弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598124412 ジェネラル アトミックス インコーポレ イテッド アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サン ディエゴ ジェネラル アトミックス コ ート 3550 (72)発明者 脇田 正明 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D059 AA03 AA04 AA05 AA06 BC01 BC02 BE14 BE16 BE26 BE38 BE55 BE56 BJ01 DA03 DA04 DA05 DA16 DA17 DA23 DA24 DB11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性汚泥を濃縮する濃縮工程と、 濃縮汚泥を水の超臨界または亜臨界状態で水熱反応によ
    り酸化分解し、反応流体を取り出す水熱反応工程とを含
    み、 前記濃縮工程では、反応流体が閉塞を起こさない量の無
    機凝集剤を添加する凝集処理により濃縮するようにした
    有機性汚泥の処理方法。
  2. 【請求項2】 無機凝集剤の添加量が、水熱反応により
    生成する酸化物量として、汚泥中のSSに対して50重
    量%以下である請求項1記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109231790A (zh) * 2018-10-15 2019-01-18 南京工业大学 一种水热碳化强化印染污泥脱水性能的处理工艺

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CN109231790A (zh) * 2018-10-15 2019-01-18 南京工业大学 一种水热碳化强化印染污泥脱水性能的处理工艺

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