JP4794800B2 - 薄膜成膜方法および薄膜成膜装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
プラスチック製容器などの基材に酸化物からなる薄膜を形成する薄膜成膜方法および成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック製容器は、強度、軽量性、成形性に優れ、低コストであって、さらに、割れ難く、再封も容易であることから、飲料、食品、トイレタリー用品、医薬品などの幅広い分野で包装、収納用に使用されている。
ところが、プラスチック製容器はこのような長所を有しているものの、酸素や二酸化炭素のような低分子ガスを透過するという短所、すなわち、ガスバリア性が低いという短所があり、容器内の内容物の種類によっては、これらのガスによってその品質が影響を受けてしまう場合があった。そこで、プラスチックのガスバリア性を向上させるために従来より種々の検討がなされ、そのなかでは、ガスバリア性の高い材料と安価で汎用性のある材料とを多層構造とし、これを容器に使用する方法が工業的に実施されている。
【0003】
しかしながら、このように2種以上の異なる材料からなる多層構造材料は、リサイクル使用が難しく、使用後には廃棄せざる得ない場合が多いため、環境面から問題があった。そこで、ガスバリア性の高い材料の使用量を、リサイクル使用に影響のない程度までできるだけ少なくすることも検討されているが、このような多層構造材料では、十分なガスバリア性を得られないことが多かった。
そこで、最近では、リサイクル性と、酸素、二酸化炭素、水蒸気などのガスバリア性とを両立させる方法として、汎用性プラスチックからなる容器の内表面にガスバリア性を有する薄膜を形成する方法が検討されている。このような薄膜成膜方法の1つとしては、プロセスガスをプラズマ化して化学反応させることにより、容器の内表面に薄膜を形成するプラズマ助成式CVD法がある。プラズマ助成式CVD法の具体的な方法としては、容器の外形とほぼ相似形の内形を有する中空状の高周波電極と、容器の内形とほぼ相似形の内部電極の間に容器を配置し、成膜する方法(例えば、特許文献1参照。)や、高周波電極と内部電極とをともに容器の表面からほぼ一定の距離として成膜する方法(例えば、特許文献2参照。)などが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−53117号公報
【特許文献2】
特開平8−175528号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法で薄膜を形成した場合であっても、プラズマ化に使用するプロセスガス中の反応ガスとモノマーガスとの流量比を厳密に制御することが困難であり、その結果、十分なガスバリア性を有する薄膜を安定に形成できず、得られた容器ごとにガスバリア性がばらついてしまうという問題があった。さらには、形成された薄膜の柔軟性が不十分であって、容器の使用中などに薄膜にクラックが発生し、ガスバリア性が低下してしまうという問題などもあった。
また、プラスチック製容器ばかりでなく、例えばガラス製容器に対しても、ガラス中に含まれる鉛、カドミウムなどが内容物中への溶出することを抑制するためなどに、その内表面に薄膜を形成する場合があるが、その場合にも、薄膜を安定にばらつきなく形成することが求められている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、多数の基材に対して薄膜を形成する場合であっても、ガスバリア性などの性能を有する薄膜をばらつきなく安定に形成でき、さらには薄膜に柔軟性を付与することも可能な薄膜成膜方法および成膜装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜成膜方法は、有機系ケイ素化合物からなるモノマーガスと、酸素からなる反応ガスとを含有する混合ガスをプラズマ化し、基材の表面に酸化ケイ素からなる薄膜を形成する薄膜成膜方法において、前記反応ガスに対する前記モノマーガスの供給流量比が少なくとも0を超え0.05までの範囲を含むように、前記供給流量比を連続的に減少させながら混合ガスをプラズマ化し、かつ、前記供給流量比を0を超え0.05までの範囲内とする時間を2〜5秒間とする第1成膜工程と、前記第1成膜工程の後に、混合ガス中における反応ガスの流量を0とすることにより、前記供給流量比を増加させる第2成膜工程を有することを特徴とする。
前記第1成膜工程における前記供給流量比の初期値が、0.02〜0.2の範囲内であることが好ましい。
また、前記薄膜成膜方法においては、100MHz以下の高周波電力を整合機を通してから高周波電極に供給することにより、発生する反射電力を供給した高周波電力の10%以下に制御しながら、前記プラズマ化を行うことが好ましい。
【0008】
本発明の成膜装置は、有機系ケイ素化合物からなるモノマーガスと、酸素からなる反応ガスとを含有する混合ガスをプラズマ化し、一端が閉塞した筒状容器の内表面に酸化ケイ素からなる薄膜を形成する成膜装置であって、一端が閉塞し、前記筒状容器をその内側に配置可能な筒状の高周波電極と、前記筒状容器の内側に配置され、先端部に混合ガスを発生するガス発生口が形成されたアース電極とを備えた複数の成膜チャンバと、整合機と高周波電源とを備え、高周波電力を整合してから前記高周波電極に供給可能な高周波電源部と、前記混合ガス中のモノマーガスと反応ガスとの供給流量比が少なくとも0を超え0.05までの範囲を含むように、前記供給流量比を連続的に減少させ、かつ、前記供給流量比を0を超え0.05までの範囲内とする時間を2〜5秒間とし、その後、混合ガス中における反応ガスの流量を0とすることにより、前記供給流量比を増加させる流量制御手段とを有し、前記複数の成膜チャンバに、1つの高周波電源部から高周波電力が供給されることを特徴とする。
前記筒状容器と前記高周波電極との間には、絶縁性材料からなる着脱自在のスペーサが設けられていてもよい。
前記ガス発生口は、直径0.5mm以下の孔および/または幅0.5mm以下の略矩形スリットの1つ以上からなることが好ましい。
また、前記アース電極の外表面の表面平均粗さが、5〜50μmであるか、前記アース電極には、その外周の少なくとも一部に、着脱自在なカバー管が備えられ、該カバー管の外表面の表面平均粗さが、5〜50μmであることが好ましい。
また、前記外表面は、金属またはセラミックが溶射され、前記表面平均粗さとしたことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の薄膜成膜方法について、一端が閉塞し、断面円形のプラスチック製筒状容器の内表面に酸化ケイ素からなる薄膜を形成する場合を例示し、詳細に説明する。
図1はこの例の薄膜成膜方法において好適に使用される成膜装置10の一例であって、4台の成膜チャンバ20を備え、各成膜チャンバ20内の所定位置に筒状容器を1つずつ配置することにより、これら4個の筒状容器に対して同時に薄膜を形成可能なものである。
【0010】
各成膜チャンバ20は図2に示すように、基材である筒状容器21をその内側に配置可能な、一端が閉塞した断面円形の筒状の高周波電極22と、筒状容器21をこの高周波電極22の内側の所定位置に配置した際に、筒状容器21の内側にその先端部が位置するように導入される管状のアース電極23とを備えて構成されている。
この例の高周波電極22は、導電性材料からなる筒部22aと、この筒部22aの一端を閉塞する導電性材料からなる蓋部22bとから構成されていて、蓋部22bは筒部22aに対して着脱自在となっている。
また、アース電極23は導電性材料から形成され、その先端部には、酸化ケイ素の薄膜を形成するためのプロセスガス、すなわちモノマーガスと酸化性の反応ガスとを含有する混合ガスを、筒状容器21の内側に向けて発生するガス発生口23aが形成されていて、基端部側からモノマーガスと反応ガスとを導入することにより、ガス発生口23aから混合ガスを発生するようになっている。このように、この例のアース電極23は、プロセスガスのガス導入管としても作用する。また、この例においてガス発生口23aは、図3に示すように、幅0.5mmの5本の略矩形スリット23bからなっている。
【0011】
高周波電極22の他方の一端には、筒状容器21の口部を保持する口部保持口24aが形成されるとともに高周波電極22を絶縁するセラミックなどの絶縁板24が備えられている。また、この絶縁板24を介して、成膜チャンバ20内を排気するためのガス排気口25aを有する筒状の底部25が設けられていて、ガス排気口25aに図示略の吸引ポンプなどを接続することにより、成膜チャンバ20内を減圧し、真空状態にできるようになっている。なお、ここで、絶縁板24には、筒状容器21と高周波電極22との間の空間と、筒状容器21の内側の空間とを、連通可能なように図示略の連通穴が形成されていて、吸引ポンプを作動させた際には、筒状容器21の内側の空間だけでなく、筒状容器21と高周波電極22との間の空間をも減圧できるようになっている。また、上述したアース電極23は、底部25を通してその先端部側から筒状容器21の内側に導入されている。
【0012】
図1において、符号42は流量制御手段であって、反応ガスの流量制御を行うマスフローコントローラ40と、モノマーガスの流量制御を行うマスフローコントローラ41を、各成膜チャンバ20ごとに備えている。反応ガスおよびモノマーガスは、この流量制御手段42で流量がコントロールされた後、各成膜チャンバ20におけるアース電極23の基端部側から導入され、ガス発生口23aから発生するようになっている。
【0013】
そして、この成膜装置10は、図1に示すように、これら4台の成膜チャンバ20に対して、同時に高周波電力を供給可能な1つの高周波電源部30を備えている。
高周波電源部30は、高周波電力を供給する高周波電源31と、この高周波電源31からの高周波電力を整合する整合機32とを備えていて、高周波電源31からの高周波電力を整合させ整合値を制御しながら高周波電極22に供給することにより、発生する反射電力を抑え、供給する高周波電力を効率的に高周波電極22に送り、その結果、優れたガスバリア性を有する薄膜を形成可能としたものである。
【0014】
次にこの例の成膜装置10を使用して、4個の筒状容器21に対して同時に薄膜を形成する方法の一例について説明する。
まず、各成膜チャンバ20における高周波電極22の蓋部22bをはずし、基材である筒状容器21を高周波電極22内に入れ、絶縁板24に形成された口部保持口24aにその口部を嵌合、保持させる。ついで蓋部22bを高周波電極22の筒部22aに嵌め、密封し、高周波電極22の一端を閉塞する。アース電極23は、その先端部に形成されたガス発生口23aが筒状容器21の内側に位置するように配置されている。その後、図示略の吸引ポンプを作動させて、成膜チャンバ20内を減圧し所定の真空状態となった後に、アース電極23の基端部側から、流量制御手段42によって流量制御されたモノマーガスと反応ガスとの混合ガスを導入し、ガス発生口23aから混合ガスを発生させる。ついで、高周波電源部30を作動させ、100MHz以下の高周波電力を整合機32を通し、その際の整合値を変化させることにより、発生する反射電力を供給した高周波電力の10%以下に制御しながら、それぞれの成膜チャンバ20の高周波電極22に供給する。その結果、各成膜チャンバ20の高周波電極22とアース電極23との間で混合ガスがプラズマ化し、筒状容器21の内表面に、酸化ケイ素からなる薄膜が形成される。
【0015】
そして、この際、供給する混合ガス中の反応ガスに対するモノマーガスの流量比(供給流量比)が、少なくとも特定範囲を含むように、この特定範囲よりも大きな流量比から徐々に流量比を連続的に減少させる第1成膜工程を行う。このような第1成膜工程により、特に高いガスバリア性を備えた薄膜を、ばらつきなく安定に形成することができる。供給流量比の制御は流量制御手段42により行う。
【0016】
ここで特定範囲とは、この例では、ガスバリア性の良好な薄膜を形成可能な供給流量比の範囲であって、形成する薄膜の種類や、使用する混合ガスの種類などによって異なる。混合ガスがモノマーガスと反応ガスとからなり、モノマーガスがヘキサメチルジシロキサンなどの有機系ケイ素化合物、反応ガスが酸素であって、酸化ケイ素の薄膜を形成する場合には、ガスバリア性の良好な薄膜を形成可能な、反応ガスに対するモノマーガスの供給流量比の特定範囲とは、0を超え、約0.05までの範囲である。
【0017】
よって、例えば、まず、第1成膜工程における供給流量比の初期値を、図4のグラフに示すように、上記特定範囲よりも大きい0.1に設定して混合ガスの供給を開始し、その後、高周波電源部30より高周波電力を供給し、高周波電極22とアース電極23との間で混合ガスをプラズマ化する。ついで、このようにプラズマ化しつつ流量制御手段42によりモノマーガスの流量を連続的に減少させることにより供給流量比を連続的に減少させる。そして、約5秒後には供給流量比が0.01となるまで減少させる。このようにすると、供給流量比は約5秒の間に0.1から0.01まで連続的に減少し、ガスバリア性の高い薄膜を形成可能な上記特定範囲、すなわち、0を超え0.05までの範囲となる時間が約3.5秒間生じることとなる。
【0018】
このように供給流量比を連続的に変化させ、供給流量比が少なくとも特定範囲を含むように制御する方法によれば、供給流量比をあらかじめガスバリア性の良好な薄膜を形成可能な値に厳密に制御し、かつ、その供給流量比を厳密に維持しながらプラズマ化する方法にくらべて、容易に、ガスバリア性の優れた薄膜を形成することができる。また、薄膜を形成する都度、毎回一定の供給流量比に厳密に制御することは非常に困難であるが、このような方法であれば、厳密な流量制御をすることなく再現性よく薄膜を形成できるので、多量の筒状容器21に対して薄膜を形成する場合であっても、得られる薄膜の性能にばらつきがない。
【0019】
なお特定範囲は、使用する混合ガスの種類、薄膜の形成目的などによって異なり、適宜設定でき、制限はない。また、供給流量比を変化させ特定範囲内とする時間についても、使用する混合ガスの種類、薄膜の形成目的などによって異なり、適宜設定でき、制限はないが、モノマーガスとしてヘキサメチルジシロキサンなどの有機系ケイ素化合物を使用し、反応ガスとして酸素を使用し、ガスバリア性の良好な酸化ケイ素からなる薄膜を形成するためには、供給流量比を上記特定範囲内に2〜5秒の間保持することが好ましい。2秒未満では、十分なガスバリア性を備えた薄膜を形成できない場合があり、5秒を超えてもガスバリア性はそれ以上向上しない。
【0020】
また、この例では、供給流量比を図4に示すように2段階の異なる減少速度で連続的に減少させているが、特に2段階である必要はなく、3段階以上でもよいし、一定の減少速度で減少させてもよい。また、供給流量比が少なくとも特定範囲を含むように、これを変化させる限りは、第1成膜工程において、供給流量比を増加させてもよいし、増加と減少とを交互に繰り返すように変化させてもよい。しかしながら、この例のように、供給流量比を連続的に減少させていく方法によれば、第1成膜工程の初期には、モノマーガス濃度が高い混合ガスがプラズマ化するので、より有機的な薄膜が基材の表面側に形成されることとなり、基材がプラスチック製である場合には、基材と薄膜との密着性が向上する。
また、この例では、第1成膜工程における供給流量比の初期値を0.1とし、それから減少させているが、好ましい供給流量比の初期値は0.02〜0.2、より好ましくは0.02〜0.1である。0.01未満では、供給流量比を減少させても、供給流量比が特定範囲を含むことができず、ガスバリア性の優れた薄膜を形成できない場合があり、一方、0.2を超えると、薄膜を形成するのに要する総時間が長くなる。
【0021】
また、この例では、反応ガスの供給流量は略一定とし、モノマーガスの供給流量のみを減少させることにより供給流量比を変化させていて、この方法によれば、よりガスバリア性の優れた薄膜を短時間で形成可能であるが、モノマーガスの供給流量を略一定とし反応ガスの供給流量を増加させる方法、または、混合ガスの供給流量を略一定としモノマーガスの供給流量および反応ガスの供給流量の両方を変化させる方法などにより、供給流量比を減少させてもよい。なお、混合ガスの総供給流量は、吸引ポンプの能力(排気速度)によって最適値が異なるので、吸引ポンプの能力に応じて適宜設定すればよい。
【0022】
また、上述したように、この例では、100MHz以下の高周波電力を、整合機32を通し、その際の整合値を変化させながら高周波電極22に供給することにより、発生する反射電力を供給した高周波電力の10%以下に制御しながらプラズマ化を行っているので、第1成膜工程において供給流量比が変化してプラズマのインピーダンスが変化した場合でも、プラズマ化に使用される実質的な高周波電力をほぼ一定に確保して、反射電力の増加による薄膜のガスバリア性低下を抑制することができる。反射電力が10%以下に維持されれば、形成される薄膜のガスバリア性はより高く維持できる。
【0023】
また、この例のように酸化ケイ素の薄膜を形成する場合には、以上説明した第1成膜工程の後に、反応ガスに対するモノマーガスの供給流量比を増加させる第2成膜工程を行うことが好ましい。このような第2成膜工程を行うことによって、第1成膜工程で形成された薄膜の外側に、有機的な膜を形成し、その結果、ガスバリア性だけでなく柔軟性をも備え、筒状容器21の使用中などにおけるクラックの発生しにくい薄膜を形成することができる。
【0024】
ここで、反応ガスに対するモノマーガスの供給流量比を増加させる方法としては、モノマーガスの供給流量のみを増加させる方法、反応ガスの供給流量のみを減少させる方法でもよいが、図5のグラフに示すように、混合ガスとしての総供給流量は大きく変化させることなくほぼ一定に保ちつつ、モノマーガスの供給流量を増加させると同時に反応ガスの供給流量を減少させると、より柔軟性を有する薄膜が得られ、好ましい。
また、この例のようにガスバリア性の高い酸化ケイ素の薄膜に対して柔軟性を付与する際には、反応ガスに対するモノマーガスの供給流量比が最終的に、好ましくは100以上、より好ましくは1000以上、さらには、混合ガス中における反応ガスの流量をゼロとすることが好ましい。また、このような場合、第2成膜工程に要する時間は、1〜3秒の範囲とすることが好ましい。
【0025】
以上説明したようにこのような薄膜成膜方法は、供給流量比が少なくとも特定範囲を含むように供給流量比を連続的に変化させつつプラズマ化する第1成膜工程を有しているので、供給流量比をあらかじめガスバリア性の良好な薄膜を形成可能な範囲内に厳密に制御し、かつ、その供給流量比を厳密に維持しながらプラズマ化する方法にくらべて、ガスバリア性の優れた薄膜を、容易に、ばらつきなく形成することができる。さらに、この第1成膜工程の後に、上述の第2成膜工程を行うことにより、ガスバリア性とともに柔軟性をも備えた薄膜を形成することができる。
また、薄膜を形成する際に、特に図示例のような、複数の成膜チャンバ20に対して1つの高周波電源部30から高周波電力を供給可能な成膜装置10を使用することにより、多量の筒状容器21に対して薄膜を形成する場合であっても、高いガスバリア性を備えた薄膜を容器間のばらつきが生じることなく安定に形成できる。さらに、このような成膜装置10は設備コストが低く、また、コンパクトな構成となることからも好ましい。
【0026】
なお、図示例の成膜装置10においては、アース電極23の先端に形成されたガス発生口23aは、幅が0.5mmの5本の略矩形スリット23bからなっているが、スリットの数、幅、間隔には特に制限はないし、形状にも特に限定はなく楕円形などであってもよい。しかしながら、ガス発生口23aが幅0.5mm以下のスリット、または、図6に示すように、直径0.5mm以下の孔23cの少なくとも1つ以上から形成されていると、アース電極23の内側と外側との差圧が大きくなり、アース電極23の内部における混合ガスのプラズマ化が抑制される。その結果、筒状容器21の内表面におけるガス発生口23aの近傍部分と、それ以外の部分とで、薄膜の厚さが異なることがなく、均一に形成される。
【0027】
また、アース電極23の外表面は、その表面平均粗さ(Ra)が、5〜50μmの範囲とされていることが好ましい。すなわち、アース電極23に形成されたガス発生口23aから混合ガスを発生させ、プラズマ化させると、筒状容器21の内表面だけでなく、アース電極23の外表面にも薄膜が形成される。ここで、アース電極23の外表面が、表面平均粗さ(Ra)が5〜50μmとなるように粗化されていると、この外表面に薄膜が形成された場合であっても、その薄膜と外表面との密着性が高まるとともに、アース電極23が熱により膨張と収縮とを繰り返し、その結果、薄膜に応力が加わっても、その応力を小さくする効果が発現する。よって、成膜装置10の使用中などにアース電極23の外表面から酸化ケイ素の薄膜が剥がれ落ち、筒状容器21を汚染してしまうことを抑制できる。ここで表面平均粗さが5μm以下では、粗さが不十分であり、薄膜の剥離を十分に抑制できず、一方、50μmを超えると、突出した部分に異常放電を起こす場合があり、安定な成膜が行えなくなる場合がある。
【0028】
また、このようにアース電極23の外表面が粗化されていても、アース電極23に形成される薄膜がある程度の厚みとなった場合には、これを定期的に除去する必要が生じる。したがって、より好ましくは、アース電極23の外周に、図7に示すように、外表面の表面平均粗さ(Ra)が5〜50μmである着脱自在なカバー管26を設けておき、カバー管26の外表面に形成された薄膜がある程度の厚みとなった際には、新しいカバー管26と交換可能としておくことがよい。このようにカバー管26を使用することにより、カバー管26の外表面に薄膜がある程度の厚みに形成された場合でもカバー管26の交換という簡単、短時間の操作により、ただちに装置の運転を続行でき、メンテナンス性に優れる。
【0029】
表面平均粗さを上記範囲とする方法としては、特に制限はなく、例えばサンドブラスト法、化学エッチング法などが挙げられる。または、アース電極23の外表面またはカバー管26の外表面に、金属またはセラミックを溶射することにより、表面平均粗さを上記範囲としてもよい。このように金属またはセラミックを溶射して形成された溶射物の表面は粗いだけでなく、その内部がポーラスな状態となるため、薄膜との密着性が非常に優れ、アース電極23またはカバー管26の外表面からの薄膜の剥離、落下を防止できる。
【0030】
また、この例の成膜装置10の成膜チャンバにおいては、図8に示すように、筒状容器21を高周波電極22の内側に配置した際に、筒状容器21と高周波電極22との間となる位置に、絶縁性材料からなる筒状のスペーサ27を着脱自在に設けることにより、大きさや外形が異なる多種の筒状容器21に対して、薄膜を安定に形成することも可能である。
すなわち、薄膜を形成する対象の筒状容器21が直径の小さいものである場合には、比較的厚みの大きな筒状のスペーサ27を使用する。その結果、筒状容器21と高周波電極22との間の空間の体積が小さくなり、成膜チャンバ20内を短時間で真空にすることができる。また、スペーサ27を使用しても、筒状容器21は高周波電極22と同軸上に位置するため、形成される薄膜の厚みが均一となる。また、筒状容器21の断面が円形以外の形状、例えば楕円形、矩形などの場合には、内表面の断面形状が筒状容器21の外形に沿う相似形に形成されたスペーサ27を使用することにより、どのような筒状容器21に対しても、厚みが均一でガスバリア性にも優れた薄膜を形成することができる。
また、この際、スペーサ27が、高周波電極22の内表面と接するように設けられることにより、筒状容器21の内表面に効果的に薄膜を形成することができる。
【0031】
さらに、このようなスペーサ27は、上述したように大きさや外形が異なる多種の筒状容器21に対して薄膜を安定に形成可能であるとともに、高周波電極22の内表面における混合ガスによる汚染を抑制することもできる。高周波電極22の内表面が汚染されると、放電効率が低下する場合があるので、このようにスペーサ27を使用することにより、放電効率の低下を防ぎ、長期間安定な成膜が可能となる。
スペーサ27の材質としては、その内表面が汚染されたとしても高周波電極22の放電効率に影響を与えないプラスチックやセラミックが例示できるが、特に好ましくは加工性にも優れるプラスチックである。
【0032】
以上説明したように、このような成膜方法によれば、供給流量比が少なくとも特定範囲を含むように、これを変化させながらプラズマ化する第1成膜工程を有しているので、供給流量比をあらかじめガスバリア性の良好な薄膜を形成可能な範囲内に厳密に制御し、かつ、その供給流量比を厳密に維持しながらプラズマ化する方法にくらべて、ガスバリア性の優れた薄膜を容易に形成することができる、また、多量の基材に薄膜を形成する場合であっても、ばらつきが少ない。さらに、この第1成膜工程の後に、上述の第2成膜工程を行うことにより、ガスバリア性とともに柔軟性をも備えた薄膜を形成することができる。
また、薄膜を形成する際に、特に図示例のような、複数の成膜チャンバ20に対して1つの高周波電源部30から高周波電力を供給可能な成膜装置10を使用することにより、多量の基材に対して薄膜を形成する場合であっても、高いガスバリア性を備えた薄膜を容器間のばらつきが生じることなく、より安定に、高い生産性で形成できる。さらに、このような成膜装置10は設備コストが低く、また、大きさもコンパクトであることからも好ましい。
【0033】
また、上述の薄膜成膜方法においては、基材としてプラスチック製の筒状容器21を例示したが、基材には制限はなく、特定の性能を安定に発現する薄膜を形成する必要のある基材であれば、ガラスなどでもよい。また、基材の形態も、容器に限定されない。
【0034】
さらに、混合ガスとして、モノマーガスと反応ガスとからなるものを例示したが、さらに、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを含有していてもよい。また、酸化ケイ素からなる薄膜を形成する場合に使用されるモノマーガスとしては、すでに例示したヘキサメチルジシロキサンの他、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどのなかから選択することができ、特に、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。しかしながら、アミノシラン、シラザンなどを使用することも可能である。
【0035】
また、モノマーガスとしてトリメチルアルミニウムなどの有機金属アルミニウムなどを使用し、アルミナの薄膜を形成することもできる。
また、酸化性の反応ガスとしても、酸素の他、一酸化二窒素、二酸化炭素、オゾンなどを用いることもできる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。
[実施例1]
容量が500mlのポリエチレンテレフタレート製の断面が円形の筒状容器21を、図2に示す成膜チャンバ20内に配置し、成膜チャンバ20内を真空状態(成膜初期圧力10Pa)とした後、アース電極23(ガス導入管)の基端部側から、ヘキサメチルジシロキサン(モノマーガス)と、酸素(反応ガス)とをそれぞれマスフローコントローラで流量制御して、供給した。この際、初期のヘキサジメチルジシロキサンの供給流量は10ml/min、初期の酸素の供給流量は500ml/min(すなわち、初期の供給流量比=0.02)とした。また、アース電極23としては、その先端部のガス発生口23aが、図3に示すように、5本の幅0.5mmの略矩形スリット23bからなるものを使用した。また、このアース電極23の外周には、サンドブラスト処理により表面平均粗さ(Ra)が10μmとされた銅製のカバー管26を図7に示すように設けた。
ついで、この成膜チャンバ20の高周波電極22に、印可電力400Wattで5秒間にわたって13.56MHzの高周波電力を印可して、薄膜の形成を行った。この間、酸素に対するヘキサメチルジシロキサンの供給流量比を表1に示すように連続的に変化させた。
【0037】
その結果、筒状容器21の内側には、酸化ケイ素の薄膜が均一に形成された。さらに、以上のような操作を繰り返し、合計30個の筒状容器21に薄膜を形成し、これら容器21の酸素透過性をそれぞれ測定し、平均値と標準偏差を求めたところ、表2に示すように、酸素透過性の平均値および標準偏差がいずれも小さく、高い酸素バリア性を有する薄膜をばらつきなく形成できたことが明らかとなった。なお、酸素透過性の測定には、モダンコントロール社製のMocon Oxitran 10/50を用い、筒状容器21の内側は25℃90%の窒素/水素混合ガス条件、筒状容器の外側は25℃65%の大気条件として測定した。
さらに、このような方法で数千回にわたって連続的に薄膜を形成したが、その間、カバー管26の外表面に形成された薄膜が剥離することはなかった。
【0038】
[実施例2〜10]
ヘキサメチルジシロキサン(モノマーガス)と、酸素(反応ガス)の初期の供給流量を表1に示すようにし、また、供給流量比も表1に示すように変化させた以外は、実施例1と同様にして筒状容器21の内側に酸化ケイ素からなる薄膜を形成した。さらに、各例において以上のような操作を繰り返し、合計30個の筒状容器21に薄膜を形成し、これら容器の酸素透過性を測定し、平均値と標準偏差を求めたところ、表2に示すように、酸素透過性の平均値および標準偏差がいずれも小さく、高い酸素バリア性を有する薄膜をばらつきなく形成できたことが明らかとなった。
また、これらのうち、実施例5と実施例9で得られた筒状容器21に形成された薄膜の柔軟性を評価する目的で、この容器21の内圧を7kg/cm2として2時間保持し、その後、再度酸素透過性を測定した。その結果、酸素透過性はそれぞれ、0.028fmol/s・Pa、0.023fmol/s・Paであって、第1成膜工程の後に第2成膜工程を行った実施例9では、筒状容器21の内圧を高める前後における酸素透過性の変化がなく、第2成膜工程を省略した実施例5ではわずかに酸素透過性が増加した。これは、第2成膜工程を行うことにより、形成される薄膜は十分な柔軟性を備えたものとなり、内圧を高め、筒状容器21を若干変形させた場合であっても、薄膜が変形に追従するためにクラックが発生せず、酸素バリア性が高く維持されたことによる。
【0039】
[実施例11]
図1に示すように、4台の成膜チャンバ20と、これら成膜チャンバ20の各高周波電極22に高周波電力を供給する高周波電源部30とを備えた成膜装置10を使用して、4個のポリエチレンテレフタレート製の断面円形の筒状容器21に対して同時に成膜を行った。アース電極23としては、実施例1と同様のものを各成膜チャンバ20において使用した。
モノマーガスであるヘキサジメチルジシロキサンの初期の供給流量は各成膜チャンバ20において10ml/min、反応ガスである酸素の初期の供給流量は各成膜チャンバ20において500ml/min(すなわち、初期の供給流量比=0.02)とし、その後、酸素に対するヘキサメチルジシロキサンの供給流量比をいずれも表1に示すように変化させた。
また、成膜初期圧力は10Pa、供給する高周波電力(印可電力)は各成膜チャンバ20について400Watt(合計1600Watt)とし、5秒間13.56MHzの高周波電力を印可して、薄膜の形成を行った。なお、高周波電力の供給中、整合値を変化させ、常に反射電力が160Watt以下、すなわち、印可電力の10%以下となるように制御した。
さらに、以上のような操作を繰り返し、各成膜チャンバ20において合計30個の筒状容器21に薄膜を形成し、成膜装置10全体として120個の筒状容器21に対して薄膜を形成した。そして、これら筒状容器21の酸素透過性を測定し、平均値と標準偏差を求めたところ、表2に示すように、酸素透過性の平均値および標準偏差がいずれも小さく、高い酸素バリア性を有する薄膜をばらつきなく形成できたことが明らかとなった。
【0040】
[比較例1〜8]
供給流量比を表1に示すように一定とした以外は実施例1と同様にして、薄膜の形成を行い、得られた合計30個の筒状容器21に対して、酸素透過性を測定した。その結果を、実施例1と同様に表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1および表2から明らかなように、反応ガスに対するモノマーガスの供給流量比を減少させながらプラズマ化する第1成膜工程により薄膜を形成した実施例では、優れた酸素バリア性を有する薄膜を多数の容器に対してばらつきなく形成できた。特に第1成膜工程の後に第2成膜工程を行った実施例では、形成された薄膜が柔軟性をも備えていることがわかった。
一方、反応ガスに対するモノマーガスの供給流量比が一定に制御された比較例では、ガスバリア性の高い薄膜を形成できる場合もあったが、形成できない場合も多く、容器間のばらつきが大きかった。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の薄膜成膜方法によれば、供給流量比が少なくとも0を超え0.05までの範囲を含むように、供給流量比を連続的に減少させながら混合ガスをプラズマ化し、かつ、供給流量比を0を超え0.05までの範囲内とする時間を2〜5秒間とする第1成膜工程と、前記第1成膜工程の後に、混合ガス中における反応ガスの流量を0とすることにより、前記供給流量比を増加させる第2成膜工程を有しているので、供給流量比をあらかじめガスバリア性の良好な薄膜を形成可能な範囲内に厳密に制御し、かつ、その供給流量比を厳密に維持しながらプラズマ化する方法にくらべて、ガスバリア性などの性能に優れた薄膜を、容易に、ばらつきなく形成することができる。また、ガスバリア性とともに柔軟性をも備えた薄膜を形成することができる。
また、本発明の成膜装置によれば、複数の成膜チャンバに対して1つの高周波電源部から高周波電力を供給可能であるので、多数の基材に対して、一定の性能を有する薄膜をばらつきなく安定に形成でき、かつ、設備コストが低く、また、コンパクトである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 成膜装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】 図1の成膜装置の具備する成膜チャンバの縦断面図である。
【図3】 図1の成膜装置のアース電極に形成されたガス発生口を示す平面図である。
【図4】 供給流量比を変化させる一例を時間に対して示したグラフである。
【図5】 供給流量比を変化させる他の一例を時間に対して示したグラフである。
【図6】 成膜装置のアース電極に形成されるガス発生口の他の例を示す平面図である。
【図7】 成膜装置が具備するアース電極の一例を示す縦断面図である。
【図8】 成膜チャンバの他の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 成膜装置
20 成膜チャンバ
21 筒状容器
22 高周波電極
23 アース電極
23a ガス発生口
23b スリット
23c 孔
26 カバー管
27 スペーサ
30 高周波電源部
31 高周波電源
32 整合機
42 流量制御手段
Claims (9)
- 有機系ケイ素化合物からなるモノマーガスと、酸素からなる反応ガスとを含有する混合ガスをプラズマ化し、基材の表面に酸化ケイ素からなる薄膜を形成する薄膜成膜方法において、
前記反応ガスに対する前記モノマーガスの供給流量比が少なくとも0を超え0.05までの範囲を含むように、前記供給流量比を連続的に減少させながら混合ガスをプラズマ化し、かつ、前記供給流量比を0を超え0.05までの範囲内とする時間を2〜5秒間とする第1成膜工程と、前記第1成膜工程の後に、混合ガス中における反応ガスの流量を0とすることにより、前記供給流量比を増加させる第2成膜工程を有することを特徴とする薄膜成膜方法。 - 前記第1成膜工程における前記供給流量比の初期値が、0.02〜0.2の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜成膜方法。
- 100MHz以下の高周波電力を整合機を通してから高周波電極に供給することにより、発生する反射電力を供給した高周波電力の10%以下に制御しながら、前記プラズマ化を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜成膜方法。
- 有機系ケイ素化合物からなるモノマーガスと、酸素からなる反応ガスとを含有する混合ガスをプラズマ化し、一端が閉塞した筒状容器の内表面に酸化ケイ素からなる薄膜を形成する成膜装置であって、
一端が閉塞し、前記筒状容器をその内側に配置可能な筒状の高周波電極と、前記筒状容器の内側に配置され、先端部に混合ガスを発生するガス発生口が形成されたアース電極とを備えた複数の成膜チャンバと、
整合機と高周波電源とを備え、高周波電力を整合してから前記高周波電極に供給可能な高周波電源部と、
前記混合ガス中のモノマーガスと反応ガスとの供給流量比が少なくとも0を超え0.05までの範囲を含むように、前記供給流量比を連続的に減少させ、かつ、前記供給流量比を0を超え0.05までの範囲内とする時間を2〜5秒間とし、その後、混合ガス中における反応ガスの流量を0とすることにより、前記供給流量比を増加させる流量制御手段とを有し、
前記複数の成膜チャンバに、1つの高周波電源部から高周波電力が供給されることを特徴とする成膜装置。 - 前記筒状容器と前記高周波電極との間に、絶縁性材料からなる着脱自在のスペーサが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
- 前記ガス発生口は、直径0.5mm以下の孔および/または幅0.5mm以下のスリットの1つ以上からなることを特徴とする請求項4または5に記載の成膜装置。
- 前記アース電極の外表面の表面平均粗さは、5〜50μmであることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記アース電極には、その外周の少なくとも一部に、着脱自在なカバー管が備えられ、該カバー管の外表面の表面平均粗さが、5〜50μmであることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記外表面は、金属またはセラミックが溶射され、前記表面平均粗さとされていることを特徴とする請求項7または8に記載の成膜装置。
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