JP2010225751A - 原子層成長装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高々300℃程度の低温処理を前提とされた例えばアルミナ膜を形成する原子層成長装置において、装置内部に堆積する堆積物を、高温にすることなく容易に除去できるようにする。
【解決手段】下部電極102,上部電極103,および絶縁シール部104とを備え、これらで密閉可能な成膜室101を構成している。下部電極102には、高周波供給部109が接続され、上部電極103にも高周波供給部110が接続されている。また、下部電極102にはバイアス印加部111が接続され、上部電極103にもバイアス印加部112が接続されている。
【選択図】 図1
【解決手段】下部電極102,上部電極103,および絶縁シール部104とを備え、これらで密閉可能な成膜室101を構成している。下部電極102には、高周波供給部109が接続され、上部電極103にも高周波供給部110が接続されている。また、下部電極102にはバイアス印加部111が接続され、上部電極103にもバイアス印加部112が接続されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、気相において基板の上に原料ガスを供給することで薄膜を形成する原子層成長装置に関する。
近年、300℃程度の低温で良質な薄膜がより均質な状態で形成可能であるなどの種々の特徴を備える技術として、原子層成長(Atomic Layer Deposition:ALD)法が、注目されている。原子層成長法は、形成対象の膜を構成する各元素の原料を基板に交互に供給することにより、原子層単位で薄膜を形成する技術である。原子層成長方法では、各元素の原料を供給している間に1層あるいはn層(nは2以上の整数)だけを表面に吸着させ、余分な原料は成長に寄与させないようにしている。原子層成長方法によれば、一般的なCVDと同様に高い形状適応性と膜厚制御性を併せ持っており、より低温でより広い面積に対して均一な薄膜を再現性よく形成できる技術として、大画面のフラットパネルディスプレイ製造への適用が検討されている。
大型化に対応する原子層成長装置としては、1辺が数十cmを越える矩形の基板が対象となるため、基板に平行にガスを供給する横型の装置が一般に用いられている。横型の装置では、よく知られているように、基板に平行にガスを供給しており、装置の構成が単純であり、基板の大型化に適用しやすい構成となっている。また、原子層成長方法は、前述したように成長の自己停止作用を備えており、他の化学的気相成長法に比較し、形成される膜の状態が供給されるガスの分布にあまり影響をされない。このため、基板の大型化に伴い、ガスの供給口からの距離が大きく異なる状態となっていても、基板全域に対して均一な膜の形成が期待できる。
ところで、上述したような成長装置では、供給される原料(ガス)が装置内壁にも接するため、内壁に堆積物が付着していく。スパッタ法やCVD法に比較し、原子層成長装置では、装置内壁の全体に堆積物が付着しやすい傾向がある。この堆積物が多くなると、堆積物の剥がれによるパーティクルが発生しやすくなり、これが製品に付着して異物となることにより製品の収率(歩留まり)が低下する。このため、装置内部のクリーニングが重要となる。この装置内部のクリーニングでは、例えば、塩素ガスを用いたドライクリーニングが用いられている(特許文献1参照)。この技術では、塩素ガスを用いてアルミナによる堆積物の除去を行っている。ただし、このようなドライクリーニングでは、高温の処理が必要となる。例えば、塩素ガスを用いる場合、500℃を超える高温にしないと、アルミナによる堆積物が除去できないことが確認されている。
ところが、前述したようなフラットパネルディスプレイ製造を対象とした原子層成長装置では、成膜の温度が高々300℃程度であり、500℃を超える高温に耐えられる構造となっていない。例えば、装置の密閉性を得るためのシール部には、300℃程度に耐えられるような高分子材料が用いられているため、500℃を超える高温処理が行えない。このように、アルミナ膜を形成する原子層成長装置においては、上述したようなドライクリーニングを適用させることが困難であり、装置内部に堆積する堆積物の発生を抑制することが容易ではない。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、高々300℃程度の低温処理を前提とされた例えばアルミナ膜を形成する原子層成長装置において、装置内部に堆積する堆積物を、高温にすることなく容易により迅速に除去できるようにすることを目的とする。
本発明に係る原子層成長装置は、成膜対象の基板が配置される成膜室と、この成膜室にアルミニウムの原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、原料ガスの供給により基板の上に形成された吸着層を酸化するための酸化ガスを成膜室内に供給する酸化ガス供給手段と、成膜室にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段と、成膜室の内部を排気する排気手段と、成膜室の下部に配置されて成膜室内にプラズマを生成するための下部電極と、成膜室の上部に配置されて成膜室内にプラズマを生成するための上部電極と、下部電極に成膜室内にプラズマを生成するための高周波電力を供給する第1高周波供給手段と、上部電極に成膜室内にプラズマを生成するための高周波電力を供給する第2高周波供給手段と、下部電極の側に成膜室内のプラズマよりイオンを引き出すためのバイアスを下部電極に印加する第1バイアス印加手段と、上部電極の側に成膜室内のプラズマよりイオンを引き出すためのバイアスを上部電極に印加する第2バイアス印加手段とを少なくとも備える。
上記原子層成長装置において、上部電極は、成膜室の一部であってもよい。また、下部電極が、成膜室の一部であってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、下部電極と上部電極とを備え、下部電極に高周波電力を供給する第1高周波供給手段と、上部電極に高周波電力を供給する第2高周波供給手段とを各々備え、また、下部電極に対する第1バイアス印加手段と、上部電極に対する第2バイアス印加手段とを備えるようにしたので、高々300℃程度の低温処理を前提とされた例えばアルミナ膜を形成する原子層成長装置において、装置内部に堆積する堆積物を、高温にすることなく容易により迅速に除去できるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
初めに、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1における原子層成長装置の構成を示す構成図である。この原子層成長装置は、下部電極102,上部電極103,および絶縁シール部104とを備え、これらで密閉可能な成膜室101を構成している。成膜室101の上面および側面が、上部電極103により構成されている。また、絶縁シール部104により、下部電極102と上部電極103とが絶縁分離されている。加えて、絶縁シール部104により、下部電極102と上部電極103とを気密に封止している。この実施の形態では、下部電極102および上部電極103の両方が、成膜室101の一部を構成している。なお、図1において、成膜室101においては、模式的に断面を示している。
初めに、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1における原子層成長装置の構成を示す構成図である。この原子層成長装置は、下部電極102,上部電極103,および絶縁シール部104とを備え、これらで密閉可能な成膜室101を構成している。成膜室101の上面および側面が、上部電極103により構成されている。また、絶縁シール部104により、下部電極102と上部電極103とが絶縁分離されている。加えて、絶縁シール部104により、下部電極102と上部電極103とを気密に封止している。この実施の形態では、下部電極102および上部電極103の両方が、成膜室101の一部を構成している。なお、図1において、成膜室101においては、模式的に断面を示している。
また、この原子層成長装置は、成膜室101に原料ガスを供給する原料ガス供給部105、成膜室101に酸化ガスを供給する酸化ガス供給部106、成膜室101にパージガスを供給するパージガス供給部107を備える。また、成膜室101には、成膜室101の内部を排気するための真空ポンプ(排気手段)108が接続されている。
一方、下部電極102には、高周波供給部(第1高周波供給手段)109が接続され、上部電極103にも高周波供給部(第2高周波供給手段)110が接続されている。また、下部電極102にはバイアス印加部(第1バイアス印加手段)111が接続され、上部電極103にもバイアス印加部(第2バイアス印加手段)112が接続されている。バイアス印加部111により、例えば13.56MHzの高周波を下部電極102に印加可能としている。また、バイアス印加部112により、例えば、13.56MHzの高周波を上部電極103に印加可能としている。
本実施の形態の原子層成長装置では、例えば、後述するように、酸化ガス供給部106より供給された酸素ガスを高周波供給部110により上部電極103に供給される高周波でプラズマとし、この酸素ガスのプラズマを酸化ガスとして用いる。このようにする場合、酸化ガス供給部106,高周波供給部110,および上部電極103により、酸化ガス供給手段が構成されているものとして考えることができる。
加えて、本実施の形態における原子層成長装置は、成膜室101にエッチングガスを供給するエッチングガス供給部113を備える。エッチングガス供給部113は、例えば、BCl3ガスを供給する。エッチングガス供給部113により供給されるガスを、高周波供給部109により下部電極102に供給される高周波および高周波供給部110により上部電極103に供給される高周波でプラズマとし、成膜室101内のクリーニングに用いる。
以下、本装置を用いた原子層成長について、アルミナ膜の形成を例にして説明する。まず、成膜室101の内部にガラス基板を載置する。本装置では、下部電極102が基板載置部となる。次に、真空ポンプ108を動作させて成膜室101内を2〜3Pa程度の圧力とする。また、下部電極102に内蔵している加熱機構(不図示)を動作させ、ガラス基板を250℃程度に加熱する。なお、ガラス基板の加熱は、一連の薄膜形成が終了するまで継続される。
この状態で、原料ガス供給部105から供給されるトリメチルアルミニウム(TMA)からなる原料ガスを成膜室101内に導入し、ガラス基板の上に原料ガスが供給された状態とする。原料ガスの供給は、例えば約1秒間行う。このことにより、ガラス基板の上に原料であるTMA分子(有機化合物)が吸着した吸着層が形成される。なお、原料ガスの供給において、真空ポンプ108による排気を継続させてもよい。
次に、成膜室101内への原料ガスの導入を停止し、成膜室101内より原料ガスを排出する。例えば、成膜室101の内部を真空ポンプ108により排気する状態で、窒素やアルゴンなどの不活性ガス(パージガス)をパージガス供給部107から導入することで、ガラス基板に吸着(化学吸着)したもの(吸着層)以外の余剰ガスを、成膜室101から除去(パージ)する。
次に、酸化ガス供給部106から供給される例えば酸素ガスを成膜室101の内部に導入するとともに、上部電極103に高周波供給部110からRF周波数の高周波電力を供給する。これにより、成膜室101に導入した酸素ガスのプラズマを生成し、原子状酸素をガラス基板の上の吸着層の表面に供給する。なお、このプラズマ生成では、バイアス印加部111,バイアス印加部112は動作させない。このプラズマの生成は、約0.2秒間とする。
この酸素ガスのプラズマ(酸化ガス)により、ガラス基板の表面に吸着している吸着層が酸化され、ガラス基板の表面にアルミニウム1原子層分の酸化アルミニウム層が形成された状態となる。なお、例えばアルゴンなどの不活性ガスを導入して成膜室101内の圧力がある程度安定した状態で酸素ガスを導入し、この状態でプラズマを発生させるようにしてもよい。また、酸素ガスの供給において、真空ポンプ108による排気を継続させてもよい。
次に、成膜室101内への酸素ガスの導入を停止し、また、高周波供給部110から高周波電力の供給を停止し、成膜室101内より酸素ガスを排出する。例えば、成膜室101の内部を真空ポンプ108により排気する状態で、パージガス供給部107よりパージガスを導入して成膜室101の内部から酸素ガスを除去(パージ)する。
次に、ガラス基板の上に前述同様に原料ガスを供給し、酸化アルミニウム層の上に新たな吸着層を形成する。次に、成膜室101内への原料ガスの導入を停止し、成膜室101内より原料ガスを排出する。例えば、成膜室101の内部を真空ポンプにより排気する状態で、パージガスを導入して余剰ガスを成膜室101から除去する。
次に、成膜室101の内部に前述同様に酸素ガスを導入するとともに、前述同様に上部電極103に高周波電力を供給して導入した酸素ガスのプラズマを生成し、原子状酸素をTMA分子層の表面に供給する。このプラズマの生成は、約0.2秒間とする。このことにより、既に形成されている酸化アルミニウム層の表面に吸着している吸着層が酸化され、酸化アルミニウム層の表面にアルミニウム1原子層分の新たな酸化アルミニウム層が形成される。
以上説明したように、吸着→原料ガス排出→プラズマ酸化→酸化ガス排出の一連の基本工程により、ガラス基板の上に、酸化アルミニウム層が形成されるようになる。このような原子層成長による酸化アルミニウム層(酸化アルミニウム膜)の形成工程を繰り返した後、本実施の形態によれば、上述したエッチングガスのプラズマを用いたクリーニング工程を行う。なお、クリーニング工程は、成膜対象の基板がない状態で行う。
上述した原子層成長による酸化アルミニウム層の形成工程を繰り返すと、下部電極102,上部電極103からなる成膜室101の内壁に酸化アルミニウムからなる堆積物が堆積していく。このような状態で、真空ポンプ108により成膜室101内を真空排気した後、エッチングガス供給部113より供給されるエッチングガスを成膜室101の内部に導入する。例えば、エッチングガスとしてBCl3ガスを100sccmの流量で導入する。なお、sccmは流量の単位であり、0℃・1気圧の流体が1分間に1cm3流れることを示す。このガスの導入により、成膜室101内の圧力を3〜5Pa程度とする。
次いで、まず、上部電極103に高周波供給部110から高周波電力(13.56MHz)を供給し、導入したエッチングガスのプラズマを生成する。例えば、500Wの高周波電力を供給し、成膜室101内に導入したガスのプラズマを生成する。加えて、下部電極102にバイアス印加部111から100Wの高周波電力(4MHz)をバイアスとして印加する。
以上のようにしてプラズマを発生させると、プラズマ中に生成されるイオンが、自己バイアスのかかる上部電極103だけではなく、バイアスが印加される下部電極102の側にも引き寄せられるようになる。このように、バイアス印加部111は、成膜室101内のプラズマより、高エネルギー状態のイオンを引き出すための電圧を下部電極102に供給するものである。この結果、下部電極102の表面にも、反応性イオンが引き寄せられ、いわゆる反応性イオンエッチングにより堆積物がエッチングされるようになる。このような反応性イオンエッチングによれば、アルミナのような堆積物であっても、高温に加熱することなくエッチング除去(クリーニング)することが可能となり、上部電極103と下部電極102とを同時にクリーニングすることができる。
次いで、エッチングガスを導入した状態を継続し、今度は、下部電極102に高周波供給部109から、500Wの高周波電力(13.56MHz)を供給し、また、上部電極103にバイアス印加部112から100Wの高周波電力(4MHz)をバイアスとして印加する。このプラズマ生成により、今度は、プラズマ中の反応性イオンが、自己バイアスのかかる下部電極102だけではなく、バイアスが印加される上部電極103の側にも引き寄せられるようになる。このように、バイアス印加部112は、成膜室101内のプラズマより、高エネルギー状態のイオンを引き出すための電圧を上部電極103にも供給するものである。このように、上部電極103および下部電極102に対する高周波電力の供給を入れ替えることで、入れ替えを行わない場合の上部電極103と下部電極102とのエッチング速度の差を解消し、クリーニング時間の短縮が図れるようになる。
ところで、上述では、例えば、上部電極103にRFパワーを印加して成膜室101内にプラズマを生成し、この状態で下部電極102にバイアスを印加したが、これに限るものではない。例えば、下部電極102の側のクリーニングにおいては、下部電極102に高周波供給部109より高周波電力(13.56MHz)を供給を印加し、さらに下部電極102にバイアス印加部111から高周波電極(4MHz)をバイアスとして印加してもよい。同様に、上部電極103側のクリーニングにおいては、上部電極103に高周波供給部110より高周波電力(13.56MHz)を供給を印加し、さらに上部電極103にバイアス印加部112から高周波電極(4MHz)をバイアスとして印加してもよい。これらのプラズマ生成であっても、成膜室101内のクリーニングを行うことができる。
以下、実験を行った結果を表1に示す。表1において、プラズマ条件1は、上部電極103に高周波供給部110から高周波電力(RF)を供給し、導入したエッチングガスプラズマを生成する。また、下部電極102には、バイアス印加しない。この状態で、下部電極102の側の堆積物(アルミナ)のエッチング速度を測定する。
また、表1において、プラズマ条件2は、上部電極103に高周波供給部110から高周波電力(RF)を供給し、導入したエッチングガスプラズマを生成する。また、下部電極102には、バイアス印加しない。この状態で、上部電極103の側の堆積物のエッチング速度を測定する。また、プラズマ条件3は、上部電極103に高周波供給部110から高周波電力(RF)を供給し、導入したエッチングガスプラズマを生成する。また、下部電極102に、バイアス印加部111よりバイアスを印加する。この状態で、下部電極102の側の堆積物のエッチング速度を測定する。なお、成膜室101内の温度は、室温(20〜23℃,設定条件)としている。
表1に示す実験結果から明らかなように、まず、バイアス印加部111,バイアス印加部112を用いなくても、例えば、上部電極103にRF電力を供給して成膜室101内にエッチングガスのプラズマを生成すれば(プラズマ条件2)、実用的な時間で上部電極103の側の堆積物の除去が可能である。また、バイアス印加部111,バイアス印加部112を用いることで(プラズマ条件3)、より高速に堆積物がエッチングできるようになり、クリーニング時間の短縮が図れるようになる。
なお、上述では、酸化アルミニウムの形成において、基板加熱温度を250℃としたが、これに限るものではない。例えば、TMAを原料とした酸化アルミニウムの原子層成長は、基板温度を常温〜300℃の範囲で行える。この酸化アルミニウムの原子層成長を常温で行う場合、加熱機構は無くてもよい。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図2は、実施の形態2における原子層成長装置の構成を示す構成図である。この原子層成長装置は、上部容器202および下部電極203を備え、これらで密閉可能な成膜室201を構成している。例えば、成膜室201が直方体に形成されている場合、この底面が下部電極203で構成され、側面および上面が上部容器202で構成されている。上部容器202は、例えば石英から構成されている。上部容器202と下部電極203とは、接続部分が気密にシールされている。また、上部容器202を覆うように形成された上部電極204を備える。上部電極204は、成膜室201の上面および側面を覆うように配置されている。なお、図2において、成膜室201,上部電極204は、模式的に断面を示している。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図2は、実施の形態2における原子層成長装置の構成を示す構成図である。この原子層成長装置は、上部容器202および下部電極203を備え、これらで密閉可能な成膜室201を構成している。例えば、成膜室201が直方体に形成されている場合、この底面が下部電極203で構成され、側面および上面が上部容器202で構成されている。上部容器202は、例えば石英から構成されている。上部容器202と下部電極203とは、接続部分が気密にシールされている。また、上部容器202を覆うように形成された上部電極204を備える。上部電極204は、成膜室201の上面および側面を覆うように配置されている。なお、図2において、成膜室201,上部電極204は、模式的に断面を示している。
また、この原子層成長装置は、成膜室201に原料ガスを供給する原料ガス供給部205、成膜室201に酸化ガスを供給する酸化ガス供給部206、成膜室201にパージガスを供給するパージガス供給部207を備える。また、成膜室201には、成膜室201の内部を排気するための真空ポンプ(排気手段)208が接続されている。
一方、下部電極203には、高周波供給部209が接続され、上部電極204にも高周波供給部210が接続されている。また、下部電極203にはバイアス印加部211が接続され、上部電極204にもバイアス印加部212が接続されている。バイアス印加部211により、13.56MHzの高周波を下部電極203に印加可能としている。また、バイアス印加部212により、13.56MHzの高周波を上部電極204に印加可能としている。
本実施の形態の原子層成長装置では、例えば、後述するように、酸化ガス供給部206より供給された酸素ガスを高周波供給部210により上部電極204に供給される高周波でプラズマとし、この酸素ガスのプラズマを酸化ガスとして用いる。このようにする場合、酸化ガス供給部206,高周波供給部210,および上部電極204により、酸化ガス供給手段が構成されているものとして考えることができる。
加えて、本実施の形態における原子層成長装置は、成膜室201にエッチングガスを供給するエッチングガス供給部213を備える。エッチングガス供給部213は、例えば、BCl3ガスを供給する。エッチングガス供給部213により供給されるガスを、高周波供給部209により下部電極203に供給される高周波および高周波供給部210により上部電極204に供給される高周波でプラズマとし、成膜室201内のクリーニングに用いる。
以下、本装置を用いた原子層成長について、アルミナ膜の形成を例にして説明する。まず、成膜室201の内部にガラス基板を載置する。本装置では、下部電極203が基板載置部となる。次に、真空ポンプ208を動作させて成膜室201内を2〜3Pa程度の圧力とする。また、下部電極203に内蔵している加熱機構(不図示)を動作させ、ガラス基板を250℃程度に加熱する。なお、ガラス基板の加熱は、一連の薄膜形成が終了するまで継続される。
この状態で、原料ガス供給部205から供給されるTMAからなる原料ガスを成膜室201内に導入し、ガラス基板の上に原料ガスが供給された状態とする。原料ガスの供給は、例えば約1秒間行う。このことにより、ガラス基板の上に原料であるTMA分子(有機化合物)が吸着した吸着層が形成される。なお、原料ガスの供給において、真空ポンプ208による排気を継続させてもよい。
次に、成膜室201内への原料ガスの導入を停止し、成膜室201内より原料ガスを排出する。例えば、成膜室201の内部を真空ポンプ208により排気する状態で、窒素やアルゴンなどの不活性ガス(パージガス)をパージガス供給部207から導入することで、ガラス基板に吸着(化学吸着)したもの(吸着層)以外の余剰ガスを、成膜室201から除去(パージ)する。
次に、酸化ガス供給部206から供給される例えば酸素ガスを成膜室201の内部に導入するとともに、上部電極204に高周波供給部210からRF周波数の高周波電力を供給する。これにより、成膜室201に導入した酸素ガスのプラズマを生成し、原子状酸素をガラス基板の上の吸着層の表面に供給する。なお、このプラズマ生成では、バイアス印加部211,バイアス印加部212は動作させない。このプラズマの生成は、約0.2秒間とする。
この酸素ガスのプラズマ(酸化ガス)により、ガラス基板の表面に吸着している吸着層が酸化され、ガラス基板の表面にアルミニウム1原子層分の酸化アルミニウム層が形成された状態となる。なお、例えばアルゴンなどの不活性ガスを導入して成膜室201内の圧力がある程度安定した状態で酸素ガスを導入し、この状態でプラズマを発生させるようにしてもよい。また、酸素ガスの供給において、真空ポンプ208による排気を継続させてもよい。
次に、成膜室201内への酸素ガスの導入を停止し、また、高周波供給部210から高周波電力の供給を停止し、成膜室201内より酸素ガスを排出する。例えば、成膜室201の内部を真空ポンプ208により排気する状態で、パージガス供給部207よりパージガスを導入して成膜室201の内部から酸素ガスを除去(パージ)する。
次に、ガラス基板の上に前述同様に原料ガスを供給し、酸化アルミニウム層の上に新たな吸着層を形成する。次に、成膜室201内への原料ガスの導入を停止し、成膜室201内より原料ガスを排出する。例えば、成膜室201の内部を真空ポンプにより排気する状態で、パージガスを導入して余剰ガスを成膜室201から除去する。
次に、成膜室201の内部に前述同様に酸素ガスを導入するとともに、前述同様に上部電極204に高周波電力を供給して導入した酸素ガスのプラズマを生成し、原子状酸素をTMA分子層の表面に供給する。このプラズマの生成は、約0.2秒間とする。このことにより、既に形成されている酸化アルミニウム層の表面に吸着している吸着層が酸化され、酸化アルミニウム層の表面にアルミニウム1原子層分の新たな酸化アルミニウム層が形成される。
以上説明したように、吸着→原料ガス排出→プラズマ酸化→酸化ガス排出の一連の基本工程により、ガラス基板の上に、酸化アルミニウム層が形成されるようになる。このような原子層成長による酸化アルミニウム層の形成工程を繰り返した後、本実施の形態によれば、上述したエッチングガスのプラズマを用いたクリーニング工程を行う。なお、クリーニング工程は、成膜対象の基板がない状態で行う。
上述した原子層成長による酸化アルミニウム層の形成工程を繰り返すと、上部容器202および下部電極203からなる成膜室201の内壁に酸化アルミニウムからなる堆積物が堆積していく。このような状態で、真空ポンプ208により成膜室201内を真空排気した後、エッチングガス供給部213より供給されるエッチングガスを成膜室201の内部に導入する。例えば、エッチングガスとしてBCl3ガスを100sccmの流量で導入する。なお、sccmは流量の単位であり、0℃・1気圧の流体が1分間に1cm3流れることを示す。このガスの導入により、成膜室201内の圧力を3〜5Pa程度とする。
次いで、まず、上部電極204に高周波供給部210から高周波電力(13.56MHz)を供給し、導入したエッチングガスのプラズマを生成する。例えば、500Wの高周波電力を供給し、成膜室201内に導入したガスのプラズマを生成する。加えて、下部電極203にバイアス印加部211から100Wの高周波電力(4MHz)をバイアスとして印加する。
以上のようにしてプラズマを発生させると、プラズマ中に生成されるイオンが、自己バイアスのかかる上部電極204だけではなく、バイアスが印加される下部電極203の側にも引き寄せられるようになる。このように、バイアス印加部211は、成膜室201内のプラズマより、高エネルギー状態のイオンを引き出すための電圧を下部電極203に供給するものである。この結果、下部電極203の表面にも、反応性イオンが引き寄せられ、いわゆる反応性イオンエッチングにより堆積物がエッチングされるようになる。このような反応性イオンエッチングによれば、アルミナのような堆積物であっても、高温に加熱することなくエッチング除去(クリーニング)することが可能となり、上部電極204と下部電極203とを同時にクリーニングすることができる。
次いで、エッチングガスを導入した状態を継続し、今度は、下部電極203に高周波供給部209から、500Wの高周波電力(13.56MHz)を供給し、また、上部電極204にバイアス印加部212から100Wの高周波電力(4MHz)をバイアスとして印加する。このプラズマ生成により、今度は、プラズマ中の反応性イオンが、自己バイアスのかかる下部電極203だけではなく、バイアスが印加される上部電極204の側にも引き寄せられるようになる。このように、バイアス印加部212は、成膜室201内のプラズマより、高エネルギー状態のイオンを引き出すための電圧を上部電極204にも供給するものである。このように、上部電極204および下部電極203に対する高周波電力の供給を入れ替えることで、入れ替えを行わない場合の上部電極204と下部電極203とのエッチング速度の差を解消し、クリーニング時間の短縮が図れるようになる。
ところで、上述では、例えば、上部電極204にRFパワーを印加して成膜室201内にプラズマを生成し、この状態で下部電極203にバイアスを印加したが、これに限るものではない。例えば、下部電極203の側のクリーニングにおいては、下部電極203に高周波供給部209より高周波電力(13.56MHz)を供給を印加し、さらに下部電極203にバイアス印加部211から高周波電極(4MHz)をバイアスとして印加してもよい。同様に、上部電極204側のクリーニングにおいては、上部電極204に高周波供給部210より高周波電力(13.56MHz)を供給を印加し、さらに上部電極204にバイアス印加部212から高周波電極(4MHz)をバイアスとして印加してもよい。これらのプラズマ生成であっても、成膜室201内のクリーニングを行うことができる。
ところで、上述では、上部容器202と下部電極203とで成膜室201を構成するようにしたが、これに限るものではない。上述では、下部電極を成膜室の一部とし、上部電極を成膜室と個別に設けるようにしたが、上部電極と下部電極との両方を成膜室とは個別に設けるようにしてもよい。この場合、例えば、石英製の容器より成膜室を構成し、この周囲に上部電極および下部電極を設けるようにすればよい。また、上述では、下部電極を板状とし、上部電極で成膜室の側面および上面を覆うようにしたが、上部電極を板状とし、下部電極で成膜室の側面および下面を覆うようにしてもよい。
また、上述では、原子層成長による酸化アルミニウムの成膜を例に説明したが、本発明はこれに限るものではなく、他の材料を用いた原子層成長においても同様に適用可能であることは、いうまでもない。
101…成膜室、102…下部電極、103…上部電極、104…絶縁シール部、105…原料ガス供給部、106…酸化ガス供給部、107…パージガス供給部、108…真空ポンプ(排気手段)、109…高周波供給部(第1高周波供給手段)、110…高周波供給部(第2高周波供給手段)、111…バイアス印加部(第1バイアス印加手段)、112…バイアス印加部(第2バイアス印加手段)、113…エッチングガス供給部。
Claims (3)
- 成膜対象の基板が配置される成膜室と、
この成膜室にアルミニウムの原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
前記原料ガスの供給により前記基板の上に形成された吸着層を酸化するための酸化ガスを前記成膜室内に供給する酸化ガス供給手段と、
前記成膜室にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段と、
前記成膜室の内部を排気する排気手段と、
前記成膜室の下部に配置されて前記成膜室内にプラズマを生成するための下部電極と、
前記成膜室の上部に配置されて前記成膜室内にプラズマを生成するための上部電極と、
前記下部電極に前記成膜室内にプラズマを生成するための高周波電力を供給する第1高周波供給手段と、
前記上部電極に前記成膜室内にプラズマを生成するための高周波電力を供給する第2高周波供給手段と、
前記下部電極の側に前記成膜室内のプラズマよりイオンを引き出すためのバイアスを前記下部電極に印加する第1バイアス印加手段と、
前記上部電極の側に前記成膜室内のプラズマよりイオンを引き出すためのバイアスを前記上部電極に印加する第2バイアス印加手段と
を少なくとも備えることを特徴とする原子層成長装置。 - 請求項1記載の原子層成長装置において、
前記上部電極は、前記成膜室の一部であることを特徴とする原子層成長装置。 - 請求項1または2記載の原子層成長装置において、
前記下部電極は、前記成膜室の一部であることを特徴とする原子層成長装置。
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