JP4794682B1 - フライヤにおける異常過熱防止方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フライヤにおいてヒータ、ひいては調理油の異常過熱状態の生起を未然に、かつ正確に判定し、異常過熱を確実に防止する。
【解決手段】n-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値に基づき温度変化情報量ΔKを算出する動作を単位測定枠動作として、この単位測定枠動作を所定の周期tdで経時的にずらしながら繰り返し、当該周期tdごとに温度変化情報量ΔKを算出する。温度変化情報量ΔKが上記の周期tdごとに算出される度に、当該温度変化情報量ΔKを予め定めた判定閾値Kthと比較し、温度変化情報量ΔKが判定閾値Kthの値を越えたときに異常過熱に至り得る未然状態と判定し、ヒータへの発熱エネルギの供給を絶つ。
【選択図】図2

Description

本発明は、「フライヤ」と呼ばれて周知の揚げ物調理器における調理油加熱用ヒータの異常過熱、ひいてはそれにより加熱される調理油の異常過熱を未然に判定し、防止するための方法と装置に関する。
一般にフライヤは全体的には箱型形状のフライヤ本体を有し、このフライヤ本体内に調理油を注ぎ込む油槽(オイルパン)が収められている。油槽は揚げ調理用の食材を出し入れできるように上方に開放しており、油槽底部には、これを開けることで油槽内の調理油を排出するための排出バルブが設けられる。油槽内に注ぎ込まれた調理油の加熱は発熱エネルギの供給を受けて発熱するヒータにより行われる。ヒータには電力駆動型のものと、浸管とも呼ばれる金属中空パイプ状をなし、内部にガス等の燃料の燃焼炎が通されることでその熱エネルギで発熱する燃焼炎供給型のものとがある。前者は選択的に油槽内に出し入れできる構造になっていることが多く、これを油槽内に浸漬させ、内部の電熱線または電磁誘導加熱機構に通電することで発熱させる。後者の燃焼炎供給型ヒータは一般に油槽内に固定的に配置されており、これに燃焼炎を吹き込むことで発熱させる。また、揚げるべき食材は一般に「フライ籠」等と呼ばれるバスケット内にまとめて入れられ、その状態でこのバスケットごと油槽内に浸漬され、ヒータでの調理油加熱により、揚げ調理される。
最近のフライヤは随分と自動化され、希望する油温や、さらには調理時間等を操作表示盤に設けられているスイッチ類等の入力部材を介して入力、設定しておけば、一般にはマイクロコンピュータを含んで構成される制御回路の制御により、ヒータの発熱量を制御しながら調理者の希望に沿うような形での揚げ調理が行え、所定時間を経過すると自動的に揚げ上がった食材をバスケットごと持ち上げるようなものまでもある。ヒータの発熱量制御は、電力駆動型ヒータの場合には内蔵の電熱線または電磁誘導コイルへの通電のオン・オフによることが多く、また、一般に燃料としてガスを用いるガスフライヤにおいては、中間加熱型と呼ばれるタイプでは比例弁を用いてのガス流量制御によるし、パルスフライヤと呼ばれるものではガスの供給、遮断(オン・オフ)による着火、消火制御による。
しかるに、このようなフライヤでは、熱に対する安全対策は必須である。油槽内に調理油を入れずにヒータを発熱状態に保ってしまう所謂空焚き状態にしてしまったり、あるいは当初は調理油が十分な量、入ってはいたが、排出バルブの誤操作その他の要因で油槽内から油抜けが起こり、調理油の油量が減少してしまったりすると、ヒータが異常な高温にまで過熱し、周囲に危険な状態を生起し兼ねない。調理油がヒータ高さ位置以上に残っていれば、調理油もまた異常な高温になるため、着火の危険があり、空焚きの場合にもヒータ自体は極めて高温になってしまうため、周囲にいる者に触れれば火傷をさせ兼ねず、可燃部材に触れればやはり火事の発生にも繋がるおそれがある。
そこで従来からも、一応の安全対策は取られていた。例えば電力駆動型ヒータを用いる下記特許文献1では、調理油の油温制御のために設けられている油温センサとは別に、油槽の表面温度を監視し、予め定めた油槽温でオフとなるサーモスタットを設け、当該サーモスタットが危険温度への到達を検出するとヒータへの通電を絶ち、異常過熱を防止するようにした装置を開示している。もちろん、他の従来例や市場に提供されている多くの製品例においても、燃焼炎供給型ヒータを用いるものも含め、同様の考え方により、予め定めた危険温度を判定温度として、油温を検出する温度センサの検出温度が当該判定温度に至るとヒータへの通電を絶つものが多く存在する。
さらに、特別に調理油の油量不適正や空焚きを防止するための装置として、やはり電力駆動型ヒータを用いるフライヤにおいて下記特許文献2に開示されたようなものもある。すなわち、ヒータへの通電時から一定時間経過後の温度を見て、そこまでの温度上昇率、つまり、ヒータ通電時における調理油の初期温度と一定時間経過後の油温を測定した測定温度、及び当該一定時間とに基づいて求められる一次関数曲線(直線)を求め、その値(直線の傾き値)と、予め定めてある傾き値とを比較することで、油面が適正深さ範囲にあるか否かとか、ヒータのある深さ位置に油面が至らず、ヒータが露出して空焚き状態になっているか否か等を判定し、ヒータ露出状態での通電継続の危険や、所定深さ以上の調理油があってもなお、油量が少ないために異常過熱の起きそうな場合にはヒータへの通電を絶つべくしている。
また、本出願人の過去の製品においても、二種の安全対策を組み込んでいた。一つは、上記の油温センサの他に、ヒータの温度を直接に検出するヒータ温センサも設け、これ以上にヒータ温が上昇すると危険とする臨界温度をフライヤに対する各種規則や経験的、実験的結果に基づいて予め閾値温度として定めておき(例えば280℃)、ヒータがこの温度にまで上昇すると、ヒータへの通電を絶つという対策である。
もう一つは、油温センサとヒータ温センサの温度差にも着目し、両者の温度差がこれも予め経験的、実験的に定めた特定温度差よりも大きくなると、やはりヒータへの通電を絶つという対策である。これによれば、特許文献2等に示されている従来の空焚き検出方法よりも迅速に空焚き状態を検出できる。空焚きの場合、油温センサは大気温ないし周囲環境温を検出し、ヒータ温センサはもちろん、ヒータ自身が加熱されて行く温度を検出するので、両者の温度差は比較的早く、特定温度差に達するからである。迅速な検出がより高い安全性を生むことは言うを俟たない。この対策は、燃焼炎供給型のヒータを用いる製品にもそのまま適用できる。
特開2002-466号公報 特開2003-153812号公報
しかるに、上記した従来例を含め、その他の製品例でも、一般的に従来取られていた異常過熱判定方法として、これ以上の温度にまで上昇すると危険と判断すべき閾値温度を予め定めておき、それとその時々の実際の油温や油槽温、ないしヒータ温を単純に比較する方法は、ある意味で常套的手法であった。しかし、そうした方法では、異常と判定した時点から安全な状態が確保されるまでにかなりな遅れ時間が発生する場合がある。実際のフライヤでは、ヒータへの通電を絶つか燃焼炎の供給を絶っても、急激に油温やヒータ温が下がる訳ではなく、従ってその遅れ時間の間に、時として例えば300℃以上等、調理油の引火点を越え兼ねない温度にまで、ヒータ温が逆に余熱上昇を続けてしまうことがある。
さらに問題なのは、フライヤの特質から、温度検出は連続的に行うのではなく、時間間隔を置いて、しかも、かなり長い周期ごとに行わないと、却って誤判定を起こすと言うことがある。例えば、食材が投入されたときには油温はかなり急速に下がる。この時、油温を一定に保つためにオン・オフ制御しているヒータがたまたま非通電状態(オフ状態)にあるか、燃焼炎の供給停止状態(消火状態)ないし少燃料供給状態にあれば、ヒータ温も緩やかな温度変化での低下となるが、このタイミングで油温を上げるため、ヒータに通電されるか、燃料に着火した燃焼炎が供給されるか、あるいはまた多量の燃料供給が再開されると、ヒータ温は急速に上昇する。従って、連続的に、ないしは測定周期を余りに短くすると、寧ろ温度変化の程度が大きくなり過ぎて、正常状態でも異常事態の発生と誤判定することがある。
そこで、単純に閾値温度と比較する方式でも、従来、油温、油槽温、ヒータ温等の検出対象温度は、実際にはかなり長い測定周期、例えば10秒から20秒程度の時間周期で行っていた。しかし、これは逆に言えば、検出対象温度が閾値温度を超えたと判断してヒータへの通電を絶つか燃焼炎の供給を絶つ前に、既にヒータ温は相当危険な温度範囲にまで達してしまっているということも十分に起こり得ると言うことで、ある測定時点では安全な温度範囲にあっても、次の測定時点の前には、既に危険温度範囲に入っていることがあり得る。
この測定時間周期の問題は、上記した特許文献2に開示されている方法にも波及する。特許文献2においてヒータへの通電時から一定時間経過後の油槽温を見る場合、やはりその時間は既述の理由から、実際にはかなり長く取らざるを得ない。従って、正確にして迅速な異常過熱判定は難しい。例えば、後に本発明の説明のために用いる図3(B)にこの従来例の問題も併示している。
すなわち、時刻Tonにてヒータへの通電を開始した後、空焚き状態の場合のヒータ温曲線Khで示されるように、通電開始時からヒータ温Khは急激に上昇するが、通電当初だけを見るならば、まだ緩やかな温度上昇しか示さない。数秒後、急激に起ち上がるものの、特許文献2の方式では、従来例判定時点Tyとして示しているように、通電開始から例えば少なくとも10秒以上等を経過した時点でのヒータ温を取り込むため、当該従来例によって求められる上昇率検出一次曲線Ly(破線で図示)は実際のヒータ温の上昇曲線に比し、傾きの緩いものになってしまう。これではやはり、正確、迅速な判定をなし得ていたとは言えないし、異常判定までの時間も長くなり、安全対策上、到底十分とは言えない。
一方、上記したように、本出願人の過去の製品から採用されてきた手法として、油温センサとヒータ温センサの検出温度差に着目する方法であれば、例えば上記特許文献2等に開示されたる従来の空焚き検出方法に比せば、既に述べた理由により、より迅速に空焚き状態を検出できる。それでも、調理状態における油抜けの監視等を考慮すると、例えば油温が180℃以上あったときからの油抜け等では、過熱状態の判断に成功しても、そのときのヒータ温はかなり高い状態にあり、一方、異常と判断する特定温度差も、そう小さくはできないため、やはり異常過熱判定までに時間が掛かり、油抜けの場合には、減って行くとは言え、調理油は存在しているのであるから、その間の余熱発火問題であるとか、人への危険、可燃物が触れたときの発火の問題等を完全に克服し得たとは言えない。
本発明はこのような従来例の問題点に鑑みてなされたもので、フライヤの実働下での特質にも配慮し、ヒータ、ひいては調理油の異常過熱状態の生起を未然に、かつ正確に判定し、異常過熱を確実に防止する方法及び装置を提供せんとするものである。
本発明は上記目的を達成するため、
調理油が注がれる油槽と、この油槽内にあって調理油を加熱するため、発熱エネルギの供給を受けて発熱するヒータとを有する食材揚げ加工用のフライヤにおいて、当該ヒータの異常過熱を未然に防ぐための異常過熱防止方法であって;
第一測定時点T1から所定の測定周期tsを置いて連続する3以上の整数であるn番目の第n測定時点Tnまでの計n個の各測定時点Ti(i=1,2,・・・,n)においてヒータ温Khiを検出し、二回目の測定時点である第二測定時点T2 から上記の第n測定時点T n までの連続する計n-1個の各測定時点Tj(j=2,・・・,n)においては、当該各測定時点T j ごとに得られたヒータ温Kh j 、その測定時点Tjの一測定周期ts前の測定時点Tj-1で得られたヒータ温Khj-1との差を取って行くことで全部でn-1個の隣接測定差温値Kdfを得、それらn-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値に基づき温度変化情報量ΔKを算出する動作を単位測定枠動作として、この単位測定枠動作を所定の周期tdで経時的にずらしながら繰り返し、当該周期tdごとに該温度変化情報量ΔKを算出すると共に;
この温度変化情報量ΔKが周期tdごとに算出される度に、当該温度変化情報量ΔKを予め定めた判定閾値Kthと比較し、温度変化情報量ΔKが判定閾値Kthの値を越えたときに異常過熱に至り得る未然状態と判定し;
この判定に基づき、ヒータへの発熱エネルギの供給を絶つように制御すること;
を特徴とするフライヤにおける異常過熱防止方法を提案する。
本発明は、装置としても規定できる。すなわち、
調理油が注がれる油槽と、油槽内にあって調理油を加熱するため、ヒータ発熱量制御装置を介し発熱エネルギの供給を受けて発熱するヒータとを有する食材揚げ加工用のフライヤにおいて、当該ヒータの異常過熱を未然に防ぐための異常過熱防止装置であって;
ヒータの温度を捉えるヒータ温センサを介し、第一測定時点T1から所定の測定周期tsを置いて連続する3以上の整数であるn番目の第n測定時点Tnまでの計n個の各測定時点Ti(i=1,2,・・・,n)においてヒータ温Khiを検出する温度検出回路と;
二回目の測定時点である第二測定時点T2 から上記の第n測定時点T n までの連続する計n-1個の各測定時点Tj(j=2,・・・,n)においては、当該各測定時点T j ごとに上記の温度検出回路を介して得られたヒータ温Kh j 、その測定時点Tjの一測定周期ts前の測定時点Tj-1で得られたヒータ温Khj-1との差を取って行くことで全部でn-1個の隣接測定差温値Kdfを得、それらn-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値に基づき温度変化情報量ΔKを算出する動作を単位測定枠動作として、この単位測定枠動作を所定の周期tdで経時的にずらしながら繰り返し、当該周期tdごとに温度変化情報量ΔKを算出する温度変化情報量算出回路と;
温度変化情報量算出回路にて温度変化情報量ΔKが周期tdごとに算出される度に、当該温度変化情報量ΔKを予め定めた判定閾値Kthと比較し、温度変化情報量ΔKが判定閾値Kthを越えたときに異常過熱に至り得る未然状態と判定し、この判定に基づき、ヒータ発熱量制御装置に指令してヒータへの発熱エネルギの供給を絶たせる判定制御回路と;
を有して成るフライヤにおける異常過熱防止装置を提案できる。
ここで、上記の算出処理や判定処理には、昨今ではクロックに基づき動作するマイクロコンピュータを用いることが普通に考えられるので、その場合には、上記測定周期tsと上記単位測定枠動作に関する周期tdとは等しくするのが便利である。そうでなくても、測定周期tsと単位測定枠動作に関する周期tdとは、互いに大きく異ならないように設定するのが判定精度を高める上で望ましい。
また、n-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値に基づき温度変化情報量ΔKを算出する場合、大体、どのフライヤ製品でも、一般に当該温度変化情報量ΔKはn-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値そのもとして算出して良いが、製品によっては、当該合算値に適当な係数を乗じた重み付けをしたものを算出値としたり、定数を加えたものを算出値とした方が、より相応しい場合もある。
なお、もちろんのことではあるが、ヒータが電力駆動型ヒータであるならば、ヒータに供給される上記の発熱エネルギは電力であるし、燃焼炎供給型であるならば、発熱エネルギは当該燃焼炎の持つ熱エネルギとなる。
本発明によると、短い周期tsでヒータ温を検出していても、各測定時点Ti(1≦i≦n)で得られたヒータ温Khiをそのまま直接に異常判定のために判定閾値Kthと比較するのではなくて、連続する複数n回の測定周期ごとに得られるヒータ温に基づいて上記のようにして算出した温度変化情報量ΔKを判定閾値と比較している。
そのため、短い周期で温度測定を行うことの長所である、変化の急峻さ情報を正確に捉えるという機能は生かしながら、短周期測定のみでは誤判定も起こり得たという従来の欠点は回避できる。連続する複数の短い周期で得られたn-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値に基づき、温度変化の状況を総合的に捉えるべく、上記の通り温度変化情報量ΔKを算出しているからである。
また、温度変化情報量ΔK自体は、上記のように単位測定枠動作の周期tdごとに得られるのであるから、従来は測定周期ts自体は余り短くできなかった所、本発明によれば、例えば後述のように1秒程度と短く設定しても問題が起きないため、実際のヒータ温変化に良く追従しながら、迅速な異常過熱の未然判定を行うことができる。
実際、本発明によれば、調理油が如何なる温度範囲にあっても、また、空焚きないし油量減少でそれに近い状態となっても、判定閾値Kthの経験的、実験的な適選により、ヒータ、ひいては調理油が異常過熱に至り得る状態を未然に検出し、ヒータへの発熱エネルギ供給を速やかに絶つように制御できる。従来技術では判定閾値をどのように設定しても、次の測定時点までの間にヒータ温が上がり過ぎてしまっていたり、逆に測定周期が短か過ぎて正常状態を異常過熱状態と誤判定してしまうような不都合を避けられなかったが、本発明ではそのような欠点は払拭でき、フライヤ製品群に及ぼす実践的効果は甚だしく大きなものがある。
本発明の一実施形態におけるフライヤの概略構造図と制御系の説明図である。 本発明の原理を説明する説明図である。 本発明の異常過熱判定動作及び効果の説明図であり、同図(A)は油抜けの場合の、同図(B)は空焚きの場合の本発明に係る説明図である。 本発明の他の実施形態におけるフライヤの概略構造図である。
図1(A),(B)には、本発明の一実施形態におけるフライヤの一構造例が示されている。ただし、この装置構造自体は従来の一般構造と比しても特に本発明において改変を要する所もないので、まずは本図を用いてこの種のフライヤの一般構造から説明する。
フライヤ10は全体的には箱型形状のフライヤ本体11を有し、このフライヤ本体11内に調理油を注ぎ込む油槽(オイルパン)12が収められている。油槽12はもちろん、この中で揚げる揚げ調理用の食材(図示せず)を出し入れできるように上方に開放しており、底部には、これを開けることで調理油を選択的に排出するための排出バルブ16が設けられている。
油槽12内に注ぎ込まれた調理油(図示せず)の加熱は、レバー14を例えば回転軸15の周りに矢印Fで示すように回動操作することで選択的に油槽12内に浸漬させたり油槽12から出したりすることができる電力駆動型のヒータ13による。すなわち、本図に示されているフライヤ10の場合、ヒータ13を発熱させるために当該ヒータ13に選択的に供給される発熱エネルギは電力である。
食材は、これは図示していないが、一般に「フライ籠」等と呼ばれるバスケット内にまとめて入れられ、その状態でこのバスケットごと油槽12内に浸漬され、ヒータ13での調理油加熱により、揚げ調理される。
図1(C)は、このようなフライヤ10に組込まれ、従来からこの種フライヤにおいて実現されている機能を含め、本発明に従い、ヒータ13の異常過熱、ひいては調理油の異常過熱を未然に防止する機能を果たすための制御系の一概略構成例を示している。まず、センサ系として、図1(A),(B)に示したように、調理油の油温を捉える油温センサ31と、ヒータ13の温度を捉えるヒータ温センサ32が設けられている。これら温度センサ31,32の捉える温度は、制御回路30内の温度検出回路33にてデータ処理に都合の良い信号形式に変換して検出される。
予め述べておくと、制御回路30は昨今ではマイクロコンピュータを利用して組むことができ、以下に述べる各回路の各動作は当該マイクロコンピュータにてソフト的な処理により実現することができる。そしてこの点は、後に図4に即して触れる、ガス等の燃料を燃焼させた燃焼炎の持つ熱エネルギにより発熱する燃焼炎供給型ヒータを用いた製品においても同様とすることができる。さらに、電力駆動型ヒータ13を用いる場合にも、一般にはニクロム線等を用いた電熱型のものが多く採用されている(図示の場合もこれを想定している)が、コイルを用いての電磁誘導加熱型のものでも良い。本実施形態で監視対象とするヒータは電力駆動型ヒータであれば良く、これらを含め、その具体的形態,発熱原理の如何は問わない。
制御回路30において、従来からも採用されていた回路構成でも実現されていた機能は踏襲でき、図示の実施形態でも、フライヤ本体11の適宜な箇所に設置され、使用者が操作できる油温設定操作部35での調理油温設定に基づき、ヒータ油温制御回路34は調理油が設定温度を保つようにヒータ発熱量制御装置36に指令する。すなわち、温度検出回路33から得られる油温ないしヒータ温と、使用者の設定した設定油温とに鑑みて、油温制御回路34はヒータ発熱量制御装置36を介しヒータ13をオン・オフ制御する。例えば、後に本発明の説明のために使用する図3(A)に併示のように、使用者の設定した調理油設定温Ksより油温ないしヒータ温が上がろうとするとヒータ13への通電を絶ち、それにより油温ないしヒータ温が低下し過ぎると再び通電するという動作を繰り返すことで、油温を設定温Ksに保つべくする。
また、既に述べた、本出願人が従来の製品において搭載していた安全機能も本発明と併せて組み込んでも良い。すなわち、比較的長い測定周期ではあるが。温度検出回路33が検出するヒータ温がある上限温度に至ったと制御回路30中に設けた適当なる判断回路が判断した場合には、ヒータ発熱量制御装置36に指令してヒータ13への通電を絶ったり、油温センサ31とヒータ温センサ32の温度差にも着目し、両者の温度差が、これも予め経験的、実験的に定めた特定温度差よりも大きくなったときには、やはりヒータへの通電を絶つように組んでも良い。しかし、必須的に設けるべきは、以下に説明する、本発明に基づく異常過熱の未然判定機能である。なお、ヒータ発熱量制御装置36は電力ブレーカその他の電気機械的、あるいは電子的構成による供給電力遮断装置も有していて、異常判定に伴いヒータへの通電を絶つ場合にはこれを駆動し、操作者が安全を確認してからの意図的なリセットを図らない限り、自動ではリセットが掛らないように(再通電しないように)するのが望ましい。
図2には本発明の測定動作が説明されているので、これも併せて参照すると、まず、本発明では、第一測定時点T1から所定の測定周期tsを置いて連続するn番目の第n測定時点Tnまでの計n個の各測定時点Ti(i=1,2,・・・,n)において、温度検出回路33を介し、ヒータ温Khiを検出する。ここで、nは3以上の整数である。ヒータ温Khは図示のようにもちろんアナログ的変化を示すが、これを測定周期tsでn回、サンプリングを繰り返して、計n個のヒータ温Khiを得る。
図示している実施形態では、測定時点T1から測定時点T8までの時間Tp1を第一の単位測定枠Tp1としている。すなわち、この実施形態ではnは8である。そして、この第一の単位測定枠Tp 1 内の各測定時点T i 温度検出回路33を介して得られるヒータ温Khi 、すなわち、単位測定枠Tp 1 内において測定周期tsで連続的にn=8回、サンプリングされたヒータ温Kh 1 ,Kh 2 ,Kh 3 ,Kh 4 ,Kh 5 ,Kh 6 ,Kh 7 ,Kh 8 が温度変化情報量算出回路37に与えられる。温度変化情報量算出回路37では、二回目の測定時点である第二測定時点T2 から第8測定時点T 8 までの連続する計n-1=7個の各測定時点Tj(j=2,・・・,n=8)においては、当該各測定時点T j 以降の各測定時点で得られたヒータ温Kh j 、一測定周期ts前の測定時点において得られたヒータ温Khj-1との差を取って行くことで、全部でn-1=7個の隣接測定差温値Kdf、すなわち、n=8であるここでの実施形態ではKdf 1 =Kh 2 -Kh 1 ,Kdf 2 =Kh 3 -Kh 2 ,Kdf 3 =Kh 4 -Kh 3 ,Kdf 4 =Kh 5 -Kh 4 ,Kdf 5 =Kh 6 -Kh 5 ,Kdf 6 =Kh 7 -Kh 6 ,Kdf 7 =Kh 8 -Kh 7 を得、これら7個の隣接測定差温値Kdfを合算した値に基づいて、温度変化情報量ΔKを算出する。この動作が、時間Tp1に跨る単位測定枠動作であり、温度変化情報量算出回路37は、この単位測定枠動作を図中の符号Tp1 ,Tp 2 ,Tp3 ,・・・で示すように、所定の周期tdで経時的にずらしながら行い、当該周期tdごとに温度変化情報量ΔKを算出する。本実施形態ではtd=tsとしているので、第二の単位測定枠Tp2においては第一の単位測定枠Tp 1 においては二回目であった測定時点T2当該第二の測定枠Tp2の新たな第一測定時点となり、第三の単位測定枠Tp3では第一の単位測定枠Tp 1 においては三回目であった測定時点T 3 当該第三の測定枠Tp3の新たな第一測定時点となるようにずれて行くことは言うを俟たない。
温度変化情報量算出回路37が温度変化情報量ΔKを算出する度に、当該算出された温度変化情報量ΔKは判定制御回路38にて予め定めた判定閾値Kthと比較される。そして、判定制御回路38は、入力された温度変化情報量ΔKが当該判定閾値Kth所定の値を越えたときに異常過熱に至り得る未然状態と判定し、ヒータ発熱量制御装置36に指令してヒータ13への通電を絶たせる。
このようになっているため、本発明によると、従来の欠点を克服でき、ヒータないし調理油が異常過熱状態に陥る前に、誤判定のおそれも少なく、未然にヒータへの通電を絶つことができる。例えば、図2中に模式的に破線で示しているように、従来の温度変化検出法では、例えば時刻T1で調理油温を検出したならば、既述の理由で余り短い周期で次の時点での検出を行うことは不具合とされていたので、次の時点での検出が例えば時刻T8で行われたとすると、それまでの間に大きな温度変化があってもこれは捉えることができす、図示のように全く変化実体とは異なる傾きを示す上昇率検出一次曲線(直線)Lyに従っての判断しかできない。
これに対し、本発明では、連続する複数の短い測定周期ts間で得られたn-1個の隣接測定差温値Kdfに基づき、変化の状況を総合的に捉えるべく、上記の通りにして算出される温度変化情報量ΔKを算出しているため、温度変化量情報をより正確に捉えることができる。そして、この温度変化情報量ΔK自体は、上述の通り、単位測定枠動作の周期tdごとに得られるのであるから、本発明によれば、例えば測定周期自体は1秒程度と短く設定しても、その時点ごとに直接に判定している訳ではないので、問題が起きず、実際のヒータ温変化に良く追従し、迅速な異常過熱の未然判定を行うことができる。
なお、単位測定枠動作に係る周期tdは、図2にも示しているように、限定的ではないものの、温度測定周期tsと等しくすると(ts=td)、昨今のクロックを利用して動作するマイクロコンピュータの援用を考えた場合、便利である。ただ、少なくとも、余り長くするのは好ましくなく、実際にも測定周期tsの時間長さ近傍の時間長さとするのが良い。何らかの理由で意図的に測定周期tsと単位測定枠動作に関する周期tdとを異ならせる場合にも、周期tdを余り大きくしてしまうと、従来において長周期で温度変化を見ている場合と変わりなくなることもある。
さらに、単位測定枠動作内における測定回数は、余り少なくては従来の短い時間で温度測定した場合と変わらないことにもなるので、ある程度の回数は必要であるが、回数が多すぎて、単位測定枠動作の時間長さが長くなり過ぎても、迅速な判定に至らないことがある。これは本発明を適用する製品ごとに適選することになるが、もとよりこれは、本発明が開示された以上、設計的問題に過ぎない。因みに、本発明者の実験例では、代表的な油槽容量、ヒータ出力エネルギ容量の製品群において、測定周期tsは1秒、単位測定枠動作内の測定回数nは8程度において、最も望ましい結果が得られた。もちろん、判定閾値Kthの具体的設定に関しても同様に設計的事項である。
また、n-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値に基づき温度変化情報量ΔKを算出する場合、大体、どのフライヤ製品でも、一般に当該温度変化情報量ΔKはn-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値そのもとして算出して良い。しかし、製品によっては、当該合算値に適当な係数を乗じた重み付けをして算出値としたり、定数を加えて算出値とした方が、より相応しい場合もある。
本発明の効果をより具体的に説明すると、例えば図3(A)に示されているように、調理油に望まれる使用者の設定した設定温Ksを守るようにヒータ13がオン・オフ制御されているときに、排出バルブ16が誤って開かれるか、その他の要因により、「油抜け発生」と記した時点Txで油量が所定油量を下回り、ヒータ13が露出するようなことがあると、本発明に従い単位測定枠動作ごとに得られる温度変化情報量ΔKは急上昇する。なお、本図3(A)では、ヒータ温変化の態様が示されれば良いので、当該ヒータ温変化は直線的変化として模擬表示している。
しかるに、温度変化情報量ΔKの急上昇傾向は、油抜けの発生があってから少なくとも単位測定枠動作の繰り返し周期td(望ましくは既述のように測定周期tsと同じ時間)以内には生じ始める。従って、経時的に温度変化情報量ΔKを予め経験的、実験的に定めてある判定閾値Kthと比較することで、迅速に油抜けの発生を迅速に判定でき、ヒータや調理油が異常過熱状態に陥る前にヒータ13への通電を絶ち、未然に危険を回避できる。従来技術では相当長い時間を経過した後でなければ、ヒータ温異常上昇を検出できない場合がままあったことは既述の通りである。判定閾値Kthはもちろん、油槽容量やヒータ出力エネルギごとに最適な範囲がある。
ヒータ通電開始時にそもそも調理油が無かった場合にも、本発明に従えば迅速にそのことを検出できる。図3(B)を参照すると、調理油が適正量ある場合には、時刻Tonにてヒータへの通電を開始した後、油が油槽内に存在しているときのヒータ温曲線Khで示されるように、ヒータ温Khはゆっくり立ち上がり、やがて急激に起ち上がって行くが、温度が上昇するに連れ、上昇度は鈍くなって行く。この時の立ち上がりにおいて、本発明の単位測定枠動作で得られる温度変化情報量ΔKは、図示のように最初は少し大きな値となるが、やがて小さな値で安定する。
一方、油槽に調理油が入って居らず、空焚き状態となる場合には、ヒータ温Khは当初こそ、ゆっくり上昇し始めるように見えるが、極く短い時間を経過したときから急激に上昇して行き、そのまま緩やかになることもなく、上がり続ける。既述の通り、例えば特許文献2に開示されたような方式では、従来例判定時点Tyとして示しているように、通電開始から例えば少なくとも10秒以上等を経過した時点でのヒータ温Khを取り込んでいたため、当該従来例によって求められる上昇率検出一次曲線Ly(破線で図示)は実際のこのように急激なヒータ温の上昇曲線に追従し得ず、始めから傾きの緩いものになってしまう。これに対し、本発明によれば、単位測定枠動作で得られる温度変化情報量ΔKは早い時期から高い状態が続くため、やはり上記の油抜け時のときのことも勘案して総合的、設計的に定めた適正な判定閾値Kthとの比較により、正確、迅速に異常過熱状態の生起を未然に防ぐことができる。
このように、本発明の実践効果は高いが、なお、安全のため、判定制御回路38の指令によりヒータ発熱量制御装置36を介しヒータ13への通電を絶つときには、図示していないがスピーカその他の発音体を介しての可聴警報や、発光ダイオード、液晶ディスプレイ等による可視警報を併せて発するようにしても良い。また、上述してきた所において「通電を絶つ」とは、既述のように意図的なリセットを掛けない限り、再通電しない供給電力遮断装置による完全通電遮断を含むことはもちろん、実質的に通電を絶ったに等しい電力値にまで、ヒータ13への供給電力を低減させる場合をも含む旨、本書では定義しておく。例えばある種の半導体パワースイッチング素子をヒータのオン・オフ制御(供給電力断続制御)に用いる場合、完全なるオフ状態にしない方が、次のオン状態への立ち上がりが早くなったり、素子寿命も延びることがある。
以上においては、主としてヒータ13に電力駆動型のものを用いた場合に就き説明してきた。しかし、先にも触れた通り、ヒータ13には燃焼炎供給型のものもあり、そうしたヒータ13を用いる製品にも本発明は等しく適用できる。
図4は、そうした燃焼炎供給型ヒータ13を用いた製品の一構造例が示されており、図1におけると同じ符号は同じか、ないしは同様の構成要素を示している。そのため、個々の構成要素に関し繰り返しての説明は省略する場合もある。また、図2,図3に即して説明して来た所も、本実施形態において略々そのままに適用することができる。図1に示した実施形態と異なる所は、実質的にヒータ13の発熱メカニズムだけであるからである。
本実施形態におけるヒータ13は金属中空パイプ状をなし(例えばヒートパイプ構造等と呼ばれる構造的工夫が内部に施されている場合もある)、一般にはガスである燃料をバーナ部17にて選択的に燃焼させ、その燃焼炎41をヒータ13内に通し、排気筒18から排気させる仕組みでヒータ13を発熱させる。すなわち、ヒータ13の発熱エネルギは燃焼炎41の持つ熱エネルギである。
ただ、ヒータ13は電力駆動型のものとは異なり、油槽12内に固定配置されるのが普通である。しかし、その他の構造部分は電力駆動型ヒータを用いた製品と原理的に変わることが無く、これまでの説明を援用できる。
この実施形態においても、本発明の適用を受ける以上、調理油の油温を捉える油温センサ31とヒータ13の温度を捉えるヒータ温センサ32は当然に設けられ、図4中には図示していないが、実質的に図1(C)に示したと同様のブロック構成となる制御回路30に対し、これら温度センサ31,32の捉える温度が印加され、制御回路30内の温度検出回路33にてデータ処理に都合の良い信号形式に変換して検出される。以下では当該図1(C)及び図2,3も参照し、それらに付されている符号も同様に用いながら説明する。
制御回路30の動作は既に説明した所と全く同様であって良く、使用者が操作できる油温設定操作部35での調理油温設定に基づき、ヒータ油温制御回路34は調理油が設定温度を保つようにヒータ発熱量制御装置36に指令する。すなわち、温度検出回路33から得られる油温ないしヒータ温と、使用者の設定した設定油温とに鑑みて、油温制御回路34はヒータ発熱量制御装置36を介しヒータ13の発熱量を制御する。例えば、既に図3(A)に即して説明したように、使用者の設定した調理油設定温Ksより油温ないしヒータ温が上がろうとすると、ヒータ発熱量制御装置36内に組み込まれている比例弁がガス等の燃料流量を絞って燃焼炎41の熱エネルギを低下させるか、あるいはパルス式と呼ばれるものでは一旦、燃焼炎を消火する。やがてヒータ温が低下し過ぎると再び燃料流量を増すか、燃料に再着火するという動作を繰り返すことで、油温を設定温Ksに保つべくする。ただ、図3(A)において設定温Ksを保とうとする動作の時、ヒータ温センサ32の検出するヒータ温Khは、比例弁による流量制御型の場合にはよりアナログ的な波形変化となる。パルス式と呼ばれる燃焼炎オン・オフ(着火・消火)型の場合には、図3(A)に示した場合と略々、同様の経時的温度変化波形となる。
本発明に従う制御系の稼働状態下では、図2,図3に関して説明した所はこの実施形態においても全く同様に適用できる。念のため、簡単に再説明すると、図2に示されている通り、測定時点T1から測定時点T8までの時間Tp1を第一の単位測定枠Tp1として、この間に温度検出回路33を介して得られるヒータ温Khiは温度変化情報量算出回路37に与えられる。
温度変化情報量算出回路37では、二回目の測定時点T2以降の各測定時点で得られたヒータ温Khj(2≦j≦n)と、一測定周期ts前の測定時点において得られたヒータ温Khj-1との差を取って行くことで、全部でn-1個の隣接測定差温値Kdfを得、それらn-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値に基づいて、温度変化情報量ΔKを算出する。この動作が、時間Tp1に跨る単位測定枠動作であり、温度変化情報量算出回路37は、この単位測定枠動作を図中の符号Tp1〜Tp3・・・で示すように、所定の周期tdで経時的にずらしながら行い、当該周期tdごとに温度変化情報量ΔKを算出する。
温度変化情報量算出回路37が温度変化情報量ΔKを算出する度に、当該算出された温度変化情報量ΔKは判定制御回路38にて予め定めた判定閾値Kthと比較される。そして、判定制御回路38は、入力された温度変化情報量ΔKが当該判定閾値Kth所定の値を越えたときに異常過熱に至り得る未然状態と判定し、ヒータ発熱量制御装置36に指令して燃焼炎41を消火し、ヒータ13への発熱エネルギの供給を絶たせる。
このように、ヒータ13に燃焼炎供給型のものを用いるフライヤにおいても、本発明によれば従来の欠点を克服でき、ヒータないし調理油が異常過熱状態に陥る前に、誤判定のおそれも少なく、未然にヒータへの発熱エネルギの供給を絶つことができる。
また、判定制御回路38の指令によりヒータ発熱量制御装置36を介しヒータ13への発熱エネルギの供給を絶つときには、使用者が意図的なリセットを掛けない限り、発熱エネルギ(燃焼炎41)が再供給(再着火)されないように構成することが望ましい。例えば燃料流路途中に自動リセットはしない電磁弁を設け、バーナ部17への燃料供給を絶った状態に維持させることが望ましい。もちろん、先に述べたように、異常判定に伴い、可聴的及び/あるいは可視的警報を発するように構成しても良い。
燃料についても、現今ではガスが一般的であるが、他の化石燃料等も含んで要はヒータに燃焼炎を供給できる燃料であれば、そうした燃料を用いるフライヤにも本発明は等しく適用できる。
以上、本発明を望ましい実施形態に即し説明したが、本発明の要旨構成に従う限り、任意の改変は自由である。
10 フライヤ
11 フライヤ本体
12 油槽
13 ヒータ
16 排出バルブ
17 バーナ部
30 制御回路
31 油温センサ
32 ヒータ温センサ
33 温度検出回路
34 油温制御回路
36 ヒータ発熱量制御装置
37 温度変化情報量算出回路
38 判定制御回路
41 燃焼炎

Claims (8)

  1. 調理油が注がれる油槽と、該油槽内にあって該調理油を加熱するため、発熱エネルギの供給を受けて発熱するヒータとを有する食材揚げ加工用のフライヤにおいて、該ヒータの異常過熱を未然に防ぐための異常過熱防止方法であって;
    第一測定時点T1から所定の測定周期tsを置いて連続する3以上の整数であるn番目の第n測定時点Tnまでの計n個の各測定時点Ti(i=1,2,・・・,n)においてヒータ温Khiを検出し、二回目の測定時点である第二測定時点T2 から上記第n測定時点T n までの連続する計n-1個の各測定時点Tj(j=2,・・・,n)においては、該各測定時点T j ごとに得られたヒータ温Kh j 、その測定時点Tjの一測定周期ts前の測定時点Tj-1で得られたヒータ温Khj-1との差を取って行くことで全部でn-1個の隣接測定差温値Kdfを得、該n-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値に基づき温度変化情報量ΔKを算出する動作を単位測定枠動作として、該単位測定枠動作を所定の周期tdで経時的にずらしながら繰り返し、該周期tdごとに該温度変化情報量ΔKを算出すると共に;
    該温度変化情報量ΔKが上記周期tdごとに算出される度に、該温度変化情報量ΔKを予め定めた判定閾値Kthと比較し、該温度変化情報量ΔKが該判定閾値Kthの値を越えたときに異常過熱に至り得る未然状態と判定し;
    該判定に基づき、上記ヒータへの発熱エネルギの供給を絶つように制御すること;
    を特徴とするフライヤにおける異常過熱防止方法。
  2. 上記測定周期tsと上記単位測定枠動作に関する上記周期tdは等しいこと;
    を特徴とする請求項1記載のフライヤにおける異常過熱防止方法。
  3. 上記ヒータは、上記発熱エネルギとして電力の供給を受ける電力駆動型ヒータであること:
    を特徴とする請求項1記載のフライヤにおける異常過熱防止方法。
  4. 上記ヒータは、上記発熱エネルギとして燃焼炎の持つ熱エネルギの供給を受ける燃焼炎供給型ヒータであること:
    を特徴とする請求項1記載のフライヤにおける異常過熱防止方法。
  5. 調理油が注がれる油槽と、該油槽内にあって該調理油を加熱するため、ヒータ発熱量制御装置を介し発熱エネルギの供給を受けて発熱するヒータとを有する食材揚げ加工用のフライヤにおいて、該ヒータの異常過熱を未然に防ぐための異常過熱防止装置であって;
    上記ヒータの温度を捉えるヒータ温センサを介し、第一測定時点T1から所定の測定周期tsを置いて連続する3以上の整数であるn番目の第n測定時点Tnまでの計n個の各測定時点Ti(i=1,2,・・・,n)においてヒータ温Khiを検出する温度検出回路と;
    二回目の測定時点である第二測定時点T2 から上記第n測定時点T n までの連続する計n-1個の各測定時点Tj(j=2,・・・,n)においては、該各測定時点T j ごとに上記温度検出回路を介して得られたヒータ温Kh j 、その測定時点Tjの一測定周期ts前の測定時点Tj-1で得られたヒータ温Khj-1との差を取って行くことで全部でn-1個の隣接測定差温値Kdfを得、該n-1個の隣接測定差温値Kdfを合算した値に基づき温度変化情報量ΔKを算出する動作を単位測定枠動作として、該単位測定枠動作を所定の周期tdで経時的にずらしながら繰り返し、該周期tdごとに該温度変化情報量ΔKを算出する温度変化情報量算出回路と;
    該温度変化情報量算出回路にて該温度変化情報量ΔKが上記周期tdごとに算出される度に、該温度変化情報量ΔKを予め定めた判定閾値Kthと比較し、該温度変化情報量ΔKが該判定閾値Kthを越えたときに異常過熱に至り得る未然状態と判定し、この判定に基づき、ヒータ発熱量制御装置に指令してヒータへの発熱エネルギの供給を絶たせる判定制御回路と;
    を有して成るフライヤにおける異常過熱防止装置。
  6. 上記測定周期tsと上記単位測定枠動作に関する上記周期tdは等しいこと;
    を特徴とする請求項5記載のフライヤにおける異常過熱防止装置。
  7. 上記ヒータは、上記発熱エネルギとして電力の供給を受ける電力駆動型ヒータであること:
    を特徴とする請求項5記載のフライヤにおける異常過熱防止装置。
  8. 上記ヒータは、上記発熱エネルギとして燃焼炎の持つ熱エネルギの供給を受ける燃焼炎供給型ヒータであること:
    を特徴とする請求項5記載のフライヤにおける異常過熱防止装置。
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