JP3811178B1 - 炊飯器 - Google Patents

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Abstract


【課題】 早切れの誤判断を防止する。
【解決手段】 鍋11内の水の対流が除々に始まる初期工程Aと、初期工程Aの終了後に火力を増し、温度センサ18による温度情報に基づき鍋11内が炊き上がり状態となったことを検出して蒸らしへ移行する本工程Bとが順次実行される。炊飯開始から予め定められた実行時間t1が経過するまでは、温度センサ18による検出温度が一般的な米飯の炊き上がり温度を超えたことを検出しても、初期工程Aを実行する。本工程Bは、温度センサ18による検出温度が緩い上昇勾配を示す炊飯促進期B1を経て急な上昇勾配を示す炊飯完了推定期B2に入ったあと、火力を落としてその後の温度勾配を監視することにより、水分の有無を判断し鍋11内が炊き上がり状態となったか否かを確認する確認工程B3を含む。
【選択図】 図8

Description

本発明は、炊飯器に関するものである。
従来より、炊飯器は、米や水が入れられる鍋と、鍋底を加熱するバーナと、鍋底に接して鍋底温度を感知する温度センサとを備え、温度センサによる検出温度に基づいて、バーナの加熱量を制御しながら炊飯を行っている。この種の炊飯器では、温度センサが所定の炊き上がり温度を検出した時点で米飯の炊き上がりと判断し、バーナが自動停止されるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−37295公報
上記した温度センサは、鍋底に接することで鍋底温度を検知しているに過ぎず、鍋内温度を正確に反映しているわけではないという事情がある。一方、例えば、業務用炊飯器で炊飯を行う場合には、鍋内に多量の水と米粒が存在することから、昇温に伴う対流が起こり難く、しかも時間がかかるため、温度センサが検出する鍋底温度が昇温状態を示していても、実際の鍋内温度はさほど上昇していないという現象がみられる。特に、業務用炊飯器の場合には、米粒を包む炊飯用のネットを使用したり、時間を置かずに連続して炊飯を行うことがあり、こうした行為によって温度センサによる温度情報と実際の鍋内温度との乖離が顕著となる嫌いがある。
また、無洗米や米粒の中に割れ米がたくさん混ざっていると、無洗米や割れ米の糊状化によって鍋底に膜が張られ、この膜が伝熱を妨げて鍋底温度を急上昇させ、上記同様に、温度センサが検知する鍋底温度と実際の鍋内温度との間に大きな温度差を生じさせることがある。
したがって、上記の如く温度センサが所定の炊き上がり温度を検知した時点で炊飯を終えた場合には、実際の鍋内温度が充分に昇温していないことがあり、早切れによる炊き上がり不良を生じさせるおそれがある。これは、既述した通り温度センサが鍋内状況を的確にとらえていないことが主な原因であり、とりわけ、鍋底温度と鍋内温度との温度差が著しい炊飯の初期段階と、鍋内温度が水の沸騰蒸発によって急上昇する炊飯の終盤とで、早切れの誤判断を招きやすいという問題がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、早切れを防止することを目的とする。
請求項1の発明は、鍋を加熱する加熱手段と、鍋底の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱手段を制御することにより、鍋内の水を沸騰水より低温の初期工程温度に加熱する初期工程、及びこの初期工程の終了後に加熱量を増し、前記温度検知手段による温度情報に基づき鍋内が炊き上がり状態となったことを検出して蒸らしへ移行する本工程を順次実行する一方、前記温度検知手段が異常に高い異常温度を検出したときには空炊きまたはそれに近い状態と判定して加熱を停止するようにした制御手段とを備え、前記本工程は、前記温度検知手段による検出温度が緩い上昇勾配を示す炊飯促進期を経て同検出温度が急な上昇勾配を示す炊飯完了推定期に至ったあと、加熱量を落としてその後の温度勾配を監視し、前記検出温度が所定以上の下降勾配を示す場合は前記鍋内に余分な水があると判断する一方、前記検出温度が上昇勾配を示す場合は前記鍋内に余分な水が無くなっていると判断して、鍋内が炊き上がり状態となったか否かを前記温度勾配の変化に基づいて確認する確認工程を含むところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項に記載のものにおいて、前記確認工程において、加熱量を落としたあと前記温度検知手段による検出温度が所定以上の下降勾配を示す場合に、前記鍋内の水分が未だ多いと判断して加熱量を増すことにより、前記検出温度を上昇勾配へと転化させて前記鍋内を炊き上がり状態となす炊き上がり誘導手段を備えているところに特徴を有する。
<請求項の発明>
初期工程から本工程へ移行すると、温度検知手段による検出温度が緩い上昇勾配を示す炊飯促進期が続いたあと、検出温度が急な上昇勾配を示す炊飯完了推定期に至る。炊飯完了推定期に入ったあと加熱量を落としてその後の温度勾配を監視することにより、鍋内が炊き上がり状態となったか否かを確認する確認工程が実行される。確認工程が実行されることにより、鍋内に余分な水を残して早切れされる事態を回避できる。
<請求項の発明>
確認工程に入って温度検知手段による検出温度が所定以上の下降勾配を示したときには、炊き上がり誘導手段が作動して加熱量を増すことにより、鍋内が炊き上がり状態となる。したがって、鍋内に余分な水を残して放置される事態を回避でき、蒸らしへ迅速に移行できる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9に基づいて説明する。
まず、本実施形態の炊飯器10の構成について説明する。この炊飯器10は、プロパンガスや都市ガス等を加熱源20とする業務用炊飯器であって、図1に示すように、米や水等の調理物が入れられる鍋11と、鍋11底を加熱するバーナ12(本発明の加熱手段に相当する)と、バーナ12にガスを供給する配管上に設置された3つの弁体13,14,15と、バーナ12の脇にあってバーナ12の火が立ち消えしたときにそれを検知して安全弁を閉じる立消検知部16と、押しボタン式の炊飯スイッチを有する操作部17と、図示しない点火装置とを備えている。弁体13,14,15は、ガス流路の開閉を行う第1ガス弁13、第2ガス弁14と、ガス流量を調節する比例弁15とにより構成され、加熱源20側から順に、第1ガス弁13、第2ガス弁14、比例弁15が並んで配されている。鍋11底には、その底面中央部に接して鍋底温度を感知する温度センサ18(本発明の温度検知手段に相当する)が設けられている。
また、炊飯器10は、鍋11内の炊飯動作を制御するコントローラ19(本発明の制御手段に相当する)を備えている。コントローラ19は、CPU、ROMやRAM等のメモリ、タイマ等を備えたマイクロコンピュータを主要部として構成され、コントローラ19に、操作部17、立消検知部16、弁体13,14,15、点火装置、及び温度センサ18が電気的に接続されている。コントローラ19が炊飯スイッチの押し操作によって操作部17から操作信号を受信すると、メモリに記憶された制御プログラムが作動し所定のシーケンスに従って炊飯が開始され、その後、温度センサ18からの出力信号の受信によってバーナ12の加熱量つまり火力が複数段階に加熱制御される。
炊飯器10はマイクロコンピュータに格納された制御プログラムによって制御されるわけであるが、その制御動作は基本的にはバーナ12の加熱量を制御しながら進められる。この炊飯器10では、鍋内温度をお湯程度である初期工程温度(例えば、30℃〜50℃)にまで昇温する初期工程Aと、鍋内温度を昇温して実際に米飯を炊き上げる本工程Bとが順次実行される。
初期工程Aでは、炊飯開始とともにタイマに時間が刻まれ、その経過時間が時間メモリに予め記憶された実行時間t1に達したところで、コントローラ19がバーナ12を制御して加熱量を増し本工程Bへ移行するように設定され、炊飯状況の如何に関わらず実行時間t1が確保されている。一方、本工程Bでは、一定の強加熱状態を保つことにより、鍋11内の湯の対流を促進させる炊飯促進期B1と、鍋11内の自由水が米への吸収と蒸発により無くなりかける炊飯完了推定期B2とが順次進行させられる。さらに本工程Bでは、炊飯完了推定期B2に入ったあと加熱量を落とし、その後の温度推移を監視して、つまり温度勾配が下降に転じるのか上昇に転じるのかを監視して、その温度情報に基づき米飯が炊き上がったか否かを決める確認工程B3が含まれる。
次に、本発明の炊飯動作を図2ないし図4に示すフローチャートに従って具体的に説明する。まず、操作部17が操作されるのを監視し、炊飯スイッチが押されて点火すると、図2に示す制御プログラムがスタートし、初期工程Aが開始される。すなわち、第1ガス弁13、第2ガス弁14、比例弁15が開弁するとともにバーナ12への点火動作を行い、比例弁15の開度を調節することによって火力を中火に設定し、ステップ20で中火を維持してC分間(例えば、1分間)炊く工程を実行する。C分間経過したことを確認できたら(ステップ20:Y)、ステップ21で比例弁15の開度を絞って火力を中弱火に落とし、さらにステップ22でC0分間(例えば、8分間)炊く工程を実行する。なお、上記した実行時間t1は、C分間とC0分間とを加算した値(例えば、9分間)に設定されるものである。
初期工程Aでは、鍋11内の水が初期工程温度に加熱調節される。この間、温度センサ18が初期工程温度に対応する温度であるC1℃(例えば、100℃)を検出するまで昇温しないときには(ステップ23:N)、その状態でC0分が経過するのを監視する一方、温度センサ18が初期工程温度に対応する温度であるC1℃を検出してそれを超えたら(ステップ23:Y)、ステップ24で比例弁15の開度を少し絞って火力を弱火に落とす。火力を弱火に落としてステップ25で温度センサ18がC2℃(例えば、98℃)を検出したら(ステップ25:Y)、過剰に温度下降したと判断し、火力を再び中弱火に上げて先のルーチンを繰り返す。一方、温度センサ18がC2℃を検出するまで下降しないときには(ステップ25:N)、その状態でC0分が経過するのを待つ。このように初期工程Aでは、実行時間t1が経過するまでの間、火力の増減操作を繰り返し実行可能とし、これにより、鍋11内の水の対流が始まるようにしてある。
実行時間t1を超えたことが確認できたら(ステップ22:Y)、初期工程Aは完了する。かかる初期工程Aでは、仮に、温度センサ18が米飯の炊き上がり温度(温度センサが約110℃を検出する温度)を超えたことを検出しても、炊飯を停止することなく予め定められた実行時間t1を遂行するようになっている。もっとも、温度センサ18が米飯の炊き上がり温度をはるかに超える異常温度を検出したとき(例えば、温度センサ18が160℃を超える温度を検出したとき)には、空炊きかまたはそれに近い状態であると判断して加熱を停止する異常検知制御が、この初期工程Aと平行して作動している。
初期工程Aの完了後、ステップ26からステップ48を実行する本工程Bが開始される。すなわち、ステップ26で火力を強火に設定したあと、温度センサ18によって所定時間毎(例えば1秒毎)に温度の測定を行い、火力切替後1分後より1秒毎にその時点で測定される検出温度とそれより1分前に測定した検出温度とを比較する。そして、ステップ27で比較に基づく温度勾配が1分間でC3℃(例えば、1.4℃)以下の上昇勾配となって安定域(既述した炊飯促進期B1に相当する)に入ったかどうかを監視する。
温度勾配が1分間でC3℃以下の上昇勾配を示すことを確認したら(ステップ27:Y)、その後、ステップ33で温度勾配が1分間でC3℃よりも高いC4℃(例えば、3.2℃)以上上昇するかどうかを監視する。温度勾配が1分間でC4℃以上上昇するときには(ステップ33:Y)、鍋内に余分な水(自由水)が無くなっていると判断し、その時点で温度センサ18が検出する検出温度をM3、M4(例えば、110℃)として記憶する。
これに対し、温度勾配が1分間でC4℃以上上昇せず、しかも温度勾配が途中で下降に転じるときには(ステップ34:Y)、ステップ35で下降に転じるときの検出温度をM1(例えば、110℃)として記憶し、次いでステップ36でM1よりC5℃(例えば、3℃)以上下降するかどうかが監視される。M1よりC5℃以上下降するときには(ステップ36:Y)、再び上昇に転じてM1℃に戻るまで放置する(ステップ37:Y)。一方、M1よりC5℃未満の下降であるときには(ステップ36:N)、ステップ38で再び上昇に転じるかどうかを監視し、さらにステップ39で再び上昇に転じるときにはそのときの検出温度をM2(例えば、107℃)として記憶し、このM2からC6℃(例えば、5℃)昇温するまで放置する(ステップ40:Y)。
M1よりC5℃以上下降するケースは、鍋11内の水の沸騰蒸発と対流の活発化がきっかけとなって温度勾配が一旦下降に転じるが、直ぐに鍋11内全体がほぼ均等に伝熱されて元のM1に戻るものであり、M1に戻った時点で鍋11内の余分な水が無くなっていると推定される例である。一方、M1よりC5℃未満下降するケースは、同じく鍋11内の水の沸騰蒸発と対流の活発化がきっかけとなって温度勾配が一旦下降に転じるものの、鍋11内全体が伝熱され難い状態となっているものであり、加熱時間を長く延ばすことにより、M1よりも高い温度、つまりM2からC6℃昇温したところで鍋11内の余分な水が無くなっていると推定される例である。
一方、温度勾配が1分間でC3℃以下にならずに昇温が続き(ステップ27:N)、しかもステップ28で温度センサ18がG5℃(例えば、116℃)を超える温度を検出したときには(ステップ28:Y)、鍋11内で水の対流がうまく生じていないと推測される。その場合は、ステップ29で火力を弱火に切り替え、ステップ30でG6℃(例えば、110℃)まで下降するかどうかを監視し、G6℃まで下降したら(ステップ30:Y)、今度はステップ31で中弱火に切り替え、さらにステップ32でG9℃(例えば、130℃)に達したところで(ステップ32:Y)、第1ガス弁13、第2ガス弁14、比例弁15を閉じ、そのまま蒸らしへ移行する。この炊飯工程は、安定域を経ずして米飯の炊き上がりとみなすイレギュラーなケースであり、炊きむらや色付きを伴うことがある。一方、ステップ30でG6℃まで下降しないときには(ステップ30:N)、ステップ33でH1℃(例えば、160℃)に達したところで炊き上がり異常と判断し(ステップ33:Y)、第1ガス弁13、第2ガス弁14、比例弁15を閉じてバーナ12を消火するとともに警報を発する。
上記した炊飯制御が実行されたあと、温度勾配が1分間でC4℃以上上昇したときの検出温度、M1よりC5℃以上下降したあと再びM1まで昇温したときの検出温度、M1よりC5℃未満下降したあとM2からC6℃昇温したときの検出温度を、それぞれステップ41で、M3として特定のメモリに記憶するとともに、これとは別のメモリにM4として記憶する。M3、M4は当初は同じ温度を示しているが、M3は、次工程のルーチンが起動しても初期値から不変の温度であるのに対し、M4は、次工程のルーチンが起動することで更新される可変の温度である。
ステップ33ないしステップ40を経ることで、鍋11内が一応炊き上がったと推定される炊飯完了推定期B2が実行されるわけであるが、次なるステップ41ないし48では、実際に鍋11内の余分な水が無くなって鍋11内が炊き上がり状態になっているか否かを確認する確認工程B3が実行される。
確認工程B3では、まずステップ41で火力が中弱火に落とされ、温度センサ18によって所定時間毎(例えば1秒毎)に温度測定を行う。ステップ42で検出温度がM3に対しC7℃(例えば、5℃)以上下降するかどうかが監視され、M3に対しC7℃以上下降するときには(ステップ42:Y)、鍋11内に余分な水が含まれていると判断し、ステップ43で火力を強火に切り替える。次に、火力を強火に維持しながらステップ44でM3に戻るかどうかが監視され、M3に戻ったら(ステップ44:Y)、再び火力を中弱火に落とし、改めてステップ42で検出温度がM3に対しC7℃以上下降するかどうかが監視される。
一方、検出温度がM3に対しC7℃未満の下降ないしM3から上昇するときには(ステップ42:N)、ステップ45で温度センサ18が検出する現在温度とM4(初期値はM3と同じ)とが比較される。現在温度がM4よりも高いときには(ステップ45:N)、鍋11内に余分な水が無くなっていると判断し、ステップ46で火力切り替え後のオーバーシュートを見越して中弱火からC9秒(例えば、10秒)経過するのを待つ。C9秒経過後(ステップ46:Y)、ステップ47で現在温度がM4よりC8℃昇温(例えば、1℃)した時点で(ステップ47:Y)、第1ガス弁13、第2ガス弁14、比例弁15を閉じてバーナ12を消火し、これにより、本工程Bを完了させる。あとは、本工程Bの終了後15分間(時間変更可能)蒸らしを実行し、15分経過後に、タイマ制御によって蒸らし完了のブザーを鳴らす等して全炊飯工程を完了させる。なお、本発明における米飯の炊き上がり温度は、M4よりC8℃上昇した温度に対応している。
これに対し、ステップ45で現在温度とM4とを比較した結果、現在温度がM4以下であるときには(ステップ45:Y)、その現在温度を、M4を記憶しているメモリに格納し直して新たなM4として記憶更新させる。そして、先のルーチンに戻ってステップ48で火力を強火にしたかどうかを判断し、既に強火処理を行っていたときには(ステップ48:Y)、ステップ45でその時点での現在温度と更新したM4とを比較し、現在温度が更新したM4よりも高ければ(ステップ45:N)、温度勾配が上昇に転じて鍋11内の水が無くなっていると判断し、オーバーシュートを見越したC9秒経過後に(ステップ46:Y)、M4よりC8℃昇温した時点で(ステップ47:Y)、バーナ12を消火する。
一方、まだ強火処理を行っておらず(ステップ48:N)、しかもM3に対しC7℃以上下降するときには(ステップ42:Y)、鍋11内に余分な水がまだ少し残っていると判断し、ステップ43で火力を強火に設定して、再びM3に戻るまで昇温させる(ステップ44:Y)。このように確認工程B3では、火力を落としたあと温度勾配が上昇に転じないときに、火力を強めて強制的に水分蒸発を促す炊き上がり誘導手段を備えている。なお、ステップ43における強火処理は一回のみ行われる。
次に、本発明の具体的な炊飯パターンについて図5ないし図8によって説明する。図5ないし図8は、それぞれ炊飯量の多少や鍋11内の米粒の状態等によって温度推移の態様に違いがあることを示すグラフであり、各グラフ毎に特有の炊飯モードが選択されるのでは無く、いずれも上記フローチャートに従った炊飯制御が行われている。そして、図5ないし図8では、いずれも、初期工程A(炊飯工程1)、及び本工程B(炊飯工程2、炊飯工程3、炊飯工程4)が時系列的に配列され、本工程Bの後期に、確認工程B3(炊飯工程4)が含まれている。このグラフ内の時間について、t1のみ予め定められた実行時間で、その他のt表示時間は経時変化の中でポイントとなる変化が起きたときの時間で、予め定められたものではない。
図5は、少量炊飯を行ったときにみられるパターン1のグラフであり、鍋11内に伝熱を阻害する要因が特に無いものを例示している。パターン1の炊飯工程1では、予め定められた実行時間t1が経過しても、温度センサ18は初期工程温度に対応するC1℃を検出することが無く、温度曲線aに従ってやや低温状態で推移する。この間、火力は中火から中弱火へと切り替えられるだけである。次に、火力を強火に切り替えることで、炊飯工程2が実行される。炊飯工程2は、温度勾配が緩い上昇勾配(1分間でC3℃以下の上昇)を示す安定域(炊飯促進期B1)として構成され、パターン1の全工程の中で最も長い時間続いている。炊飯工程2の終了後、火力を強火に維持しつつ炊飯工程3が実行される。炊飯工程3は、温度勾配が安定域よりも急な上昇勾配(1分間でC4℃以上の昇温)となる温度曲線eを示す炊飯完了推定期B2として構成され、炊飯工程3に入ったあとM3を迎えるまで続いている。M3を迎えたt4分で火力を中弱火に落とし、炊飯工程4が実行される。炊飯工程4は、鍋11内が炊き上がり状態となったか否かを確認する確認工程B3として構成される。パターン1では、M3から温度下降することなく上昇が続いているので、鍋11内の余分な水が無くなっていると判断し、中弱火のままM4からC8℃上昇したt6分で炊飯工程4を終了し、蒸らしへ移行する。
図6は、鍋11底に伝熱を妨げる糊状の膜等があったり砕米等が多く含まれていたときにみられるパターン2のグラフである。パターン2の炊飯工程1では、はじめに温度勾配がC1℃に向かって上昇する温度曲線bを示し、温度センサ18がC1℃を検出したt0分時点で火力を弱火に落とす。その後、検出温度を監視しつつ予め定められた実行時間t1が経過することをもって火力を強火に切り替え、炊飯工程2が実行される。炊飯工程2がしばらく続いたあと、t2分で温度センサ18がM1を検出するのに伴い炊飯工程3が実行される。炊飯工程3では、温度曲線cに従って推移することで、温度勾配がM1を境として比較的急な下降勾配(M1よりC5℃以上の下降)を示したあと再び上昇に転じる。これは、既述したように、鍋11内の水の沸騰蒸発と対流の活発化が引き金となっておこるものである。温度センサ18がM3を検出したt4分で火力を中弱火に落とし、炊飯工程4が実行される。炊飯工程4では、温度曲線fに従って推移することで、鍋11内に余分な水分があると推定され、温度勾配がM3に対しC7℃未満下降する。C7℃未満下降の下降端温度を検出したt5分で現在温度とM4との比較に基づいて、M4から上昇に転じた時点で、鍋11内の余分な水が無くなったと判断し、M4からC8℃上昇したt6分で蒸らしへ移行する。
図7は、パターン2と同様に、鍋11底に伝熱を妨げる糊状の膜等があったり砕米等が多く含まれていたときにみられるパターン3のグラフである。パターン3は、炊飯工程3を除いてパターン2とほぼ同じ温度勾配をたどるようになっている。パターン3の炊飯工程3では、温度曲線dに従って推移することで、温度勾配がM1を境として僅かに下降勾配(M1よりC5℃未満の下降)を示したあと、M2を境としたt3分で上昇に転じる。その後、M2からC6℃昇温したt4分で火力を中弱火に落とし、炊飯工程4が実行される。t4分は、パターン3の方がパターン2よりも長くなっており、時間をかせぐことで鍋11内全体にむらなく熱が行きわたるようにしてある。
図8は、パターン2及びパターン3と同様に、鍋11底に伝熱を妨げる糊状の膜等があったり砕米等が多く含まれていたときにみられるパターン4のグラフであり、パターン2及びパターン3よりもさらに伝熱性が悪いものを例示している。パターン4の炊飯工程1では、温度センサ18がC1℃を検出してさらに温度勾配がC1℃を大きく上回る温度曲線bを示し、C1℃を超えたt0分で火力を弱火に落とし、実行時間t1が経過するまでの間、C1℃を目標に温度降下させる。この場合に、温度センサ18がたとえ鍋11内の一般的な炊き上がり温度を超えたことを検出しても、つまり温度センサ18が鍋11内が炊き上がり状態となったことを検出しても、本発明においては、実行時間t1を必ず遂行する設定となっている。炊飯工程2に入って火力を強火に切り替えたあと、温度曲線eに従って推移することで、温度勾配は緩やかな上昇勾配(1分間でC3℃以下の上昇)を示し、さらに炊飯工程3に入っても下降することなく上昇し続ける。1分間でC4℃以上上昇するM3を迎えたt4分で火力を中弱火に落とし、炊飯工程4が実行される。この状態では、鍋11内に余分な水が多量に残っていると推定され、温度勾配はM3に対しC7℃以上下降してM4に至るt4分からt5分の間、温度曲線gを示す。M4に達したt5分で火力を強火に切り替え、M4からM3まで昇温した時点で火力を再び中弱火に戻す。その後、温度曲線fに従って推移することで、鍋11内に余分な水が少量残っていると推定され、温度勾配はM3に対しC7℃未満下降するが、鍋11内に余分な水が無くなるに従って下降端の更新したM4から再び上昇に転じ、M4からC8℃上昇したt6分で蒸らしへ移行する。
最後に、図9は、温度センサが検出する鍋底温度と、鍋内温度と、排気温度との相関を示すグラフである。鍋内温度は、鍋11内の上部と鍋11内の下部にそれぞれ設置された温度センサによって検出される温度である。もっとも、これは実験的に鍋11内に温度センサを設置したものあり、実際には、炊飯器10の構造上、鍋11底に温度センサ18を当接して設置するのを余儀なくされる。グラフの炊飯工程1では、その前半期において鍋11内の下部の温度が鍋11内の上部の温度よりも高い状態が続いており、この時期に鍋11内の水の対流があまり進んでいないことが示唆される。また、温度センサ18と鍋内温度が大きく乖離しており、温度センサ18は鍋11内の状態を反映できていない。炊飯工程2では、上記とは逆に、鍋11内の上部の温度が鍋11内の下部の温度よりも高い状態が続いており、この時期に鍋11内の水の対流が促進されていることが示唆される。また、温度センサ18が鍋11内の状態を除々に反映できる段階となる。炊飯工程4では、火力を中弱火に落としても鍋内温度が下降せず、鍋11内が炊き上がり状態となっていることが示唆される。
以上説明したように本発明によれば、温度センサ18による検出温度が鍋11内の状態を的確に反映し得ないことに鑑み、初期工程Aにおいて、仮に、温度センサ18が米飯の炊き上がり温度を超えたことを検出しても、予め定められた実行時間t1が経過するまでは、温度センサ18が異常温度を検出した場合を除いて、炊飯を停止しない構成としたので、不用意に早切れされる事態を回避できる。
また、本工程Bでは、炊飯完了推定期B2(炊飯工程3)に入ったあと火力を中弱火に落としてその後の温度勾配を監視することにより、鍋11内が炊き上がり状態となったか否かを確認する確認工程B3(炊飯工程4)が実行されるので、鍋11内に余分な水を残した状態で早切れされる事態を回避できる。
また、確認工程B3に入って温度センサ18による検出温度が所定以上の下降勾配を示したとき(M3に対しC7℃以上下降するとき)には、炊き上がり誘導手段が作動して加熱量を増し、検出温度を上昇勾配へと転化させて米飯を炊き上げるようにしたので、確認工程B3に留まることなく蒸らし工程へ迅速に移行することができる。
さらに、本発明によれば、炊飯量の多少、炊飯用のネットの使用、連続炊飯の利用、無洗米などの米粒の種類や形態等に応じて炊飯モードを選択して炊き分ける必要がなく、ユーザの手間が省ける。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
)本発明は、電気ヒータ線や誘導加熱コイル等を加熱源とする業務用電気炊飯器に適用することが可能である。
実施形態1の炊飯器の全体構成図 炊飯制御のフローチャート 図2から続く炊飯制御のフローチャート 図3から続く炊飯制御のフローチャート パターン1の炊飯工程の経時変化を示すグラフ パターン2の炊飯工程の経時変化を示すグラフ パターン3の炊飯工程の経時変化を示すグラフ パターン4の炊飯工程の経時変化を示すグラフ 鍋内外の複数箇所で検出される温度情報に基づく炊飯工程の経時変化を示すグラフ
符号の説明
A…初期工程
B…本工程
B3…確認工程
10…炊飯器
11…鍋
12…バーナ
18…温度センサ
19…コントローラ

Claims (2)

  1. 鍋を加熱する加熱手段と、
    鍋底の温度を検知する温度検知手段と、
    前記加熱手段を制御することにより、鍋内の水を沸騰水より低温の初期工程温度に加熱する初期工程、及びこの初期工程の終了後に加熱量を増し、前記温度検知手段による温度情報に基づき鍋内が炊き上がり状態となったことを検出して蒸らしへ移行する本工程を順次実行する一方、前記温度検知手段が異常に高い異常温度を検出したときには空炊きまたはそれに近い状態と判定して加熱を停止するようにした制御手段とを備え、
    前記本工程は、前記温度検知手段による検出温度が緩い上昇勾配を示す炊飯促進期を経て同検出温度が急な上昇勾配を示す炊飯完了推定期に至ったあと、加熱量を落としてその後の温度勾配を監視し、前記検出温度が所定以上の下降勾配を示す場合は前記鍋内に余分な水があると判断する一方、前記検出温度が上昇勾配を示す場合は前記鍋内に余分な水が無くなっていると判断して、鍋内が炊き上がり状態となったか否かを前記温度勾配の変化に基づいて確認する確認工程を含むことを特徴とする炊飯器。
  2. 前記確認工程において、加熱量を落としたあと前記温度検知手段による検出温度が所定以上の下降勾配を示す場合に、前記鍋内の水分が未だ多いと判断して加熱量を増すことにより、前記検出温度を上昇勾配へと転化させて前記鍋内を炊き上がり状態となす炊き上がり誘導手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
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