JP4794224B2 - 糊化紙力増強剤用配合物、及び糊化紙力増強剤、並びに製紙方法 - Google Patents

糊化紙力増強剤用配合物、及び糊化紙力増強剤、並びに製紙方法 Download PDF

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Description

本発明は、両性澱粉とアルミニウム化合物を含有する糊化紙力増強剤用配合物、両性澱粉とアルミニウム化合物を含有する混合物を糊化した糊化紙力増強剤、並びにその糊化紙力増強剤を形成する工程を含んで紙料スラリーから紙を製造する製紙方法に関するものである。
紙料スラリーから水分を除去することによって紙を製造する場合、通常、原料となるパルプスラリーに種々の填料を配合して紙料スラリーとし、その紙料スラリーをワイヤーや網の上に広げてスラリー中の水分を除いて抄紙する工程が採用される。その際に紙の強度を増加させることが必要とされる場合が多く、そのための手段として、通常、紙力増強剤を紙料スラリーに添加する方法が用いられている。その紙力増強剤としては、現在ポリアクリルアミド系ポリマーが広く利用されており、そのポリマーの構造及びそれを含有する紙力増強剤組成物の組成に関して種々の改良がこれまでになされて来ている。
特許文献1及び特許文献2において、両性、カチオン性、アニオン性等のポリアクリルアミド系ポリマーと水溶性アルミニウム化合物を紙料スラリーに併用する旨の開示が見られる。しかしながら、これらの系ではポリアクリルアミド系ポリマーの添加量が多くなると、得られる紙の硬さが過度に増加しやすく、紙の加工性が損なわれてしまう問題点がある。
一方、ポリアクリルアミド系ポリマーを紙料スラリー添加した場合のこのような問題点を避けるために、他の紙力増強剤を用いることも知られている。即ち、特許文献3には、コロイドシリカ、ポリケイ酸等のアニオン性無機粒子をアルミニウム化合物と共に紙料スラリーに添加する製紙方法が開示されている。また、特許文献4には、両性澱粉と塩基性高分子アルミニウムシリケートサルフェートを紙料スラリーに添加する製紙方法が開示され、特許文献5には、両性澱粉または両性アクリルアミドとポリアルミニウム化合物を含む環状ジカルボン酸無水物等のサイジング剤水性組成物を用いる製紙方法が開示されている。
これらの先行技術においては、たとえ紙の加工性に大きな問題が無くても、紙料スラリーの原料であるパルプ原料の種類によってはそれらの両性澱粉の凝集効果が不十分である場合があり、そのような場合には紙料スラリーの濾水性が乏しくなってしまい、得られる紙の歩留まりが低下することになる。
特開2001−279595号公報 特表2001−521995号公報 特開平9−3794号公報 特開平5−230791号公報 特表平7−508565号公報
本発明は、これらの問題点を解決することを目的としてなされたものであって、これまでの両性澱粉の凝集及び定着の効果を改善して、紙料スラリーの凝集効果を高めることによって、最終的に得られる紙の歩留まり及び濾水性を向上させて、さらには、ポリアクリルアミドを紙力増強剤として使用することを要することなく、強度的に優れた紙を製造し得る方法を提供するものである。
本発明者は、かかる製紙方法を達成するのに有効な紙力増強剤について鋭意研究を重ねた結果、ポリアクリルアミドを紙力増強剤に使用することよりも、両性澱粉とアルミニウム化合物の併用においてそれら2成分の特有の使用形態が、最終的に得られる紙の性能を向上させ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一つの側面は、両性澱粉とアルミニウム化合物を含むものであることを特徴とする糊化紙力増強剤用配合物に関連している。
かかる本発明における一つの好ましい態様は、その両性澱粉が、リン酸基、スルホン酸基及びカルボキシル基から成る群から選ばれる少なくとも1種のアニオン基と、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、スルホニウム基及びホスホニウム基から成る群から選ばれる少なくとも1種のカチオン基を有するものであることを特徴とする糊化紙力増強剤用配合物である。
さらに好ましい一つの態様は、その両性澱粉が、リン酸基から成る群から選ばれる少なくとも1種のアニオン基と、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基から成る群から選ばれる少なくとも1種のカチオン基を含有し、前記両性澱粉の重量基準で少なくとも0.01重量%の結合リンを含有するものであり、そこでは、前記カチオン基の置換度が0.01〜0.08の範囲にあり、前記アニオン基の置換度が前記カチオン基1モル当りのモル数で0.02〜0.55の範囲にあることを特徴とする糊化紙力増強剤用配合物である。
さらに好ましい一つの態様としては、そのアルミニウム化合物が硫酸アルミニウムであることを特徴とする糊化紙力増強剤用配合物が挙げられる。さらに好ましいもう一つの態様としては、両性澱粉とアルミニウム化合物が共に粉末状であることを特徴とする糊化紙力増強剤用配合物が挙げられる。さらに好ましい一つの態様としては、アルミニウム化合物を両性澱粉に対してAl換算で0.015〜1.0重量%の量で含むことを特徴とする糊化紙力増強剤用配合物が挙げられる。さらに好ましいもう一つの態様としては、糊化紙力増強剤のpHが2.0〜7.0の範囲になるように配合されたことを特徴とする糊化紙力増強剤用配合物が挙げられる。
また、本発明のもう一つの側面は、両性澱粉とアルミニウム化合物を含む水性スラリー状の混合物を糊化することによって製造されたことを特徴とする糊化紙力増強剤に関連している。
かかる本発明における一つの好ましい態様は、両性澱粉と、その両性澱粉に対してAl換算で0.015〜1.0重量%のアルミニウム化合物が合計で0.1〜35重量%の範囲で含まれる水性スラリー状の混合物を糊化することによって製造されたことを特徴とする糊化紙力増強剤である。さらに一つの好ましい態様は、pHが2.0〜7.0の範囲であることを特徴とする糊化紙力増強剤である。
さらに本発明の別の一つの側面は、紙料スラリーから水分を除去することによって紙を製造する製紙方法であって、両性澱粉とアルミニウム化合物が所定量で含まれる水性スラリー状の混合物を形成し糊化することによって糊化紙力増強剤を形成する工程、及び前記紙料スラリー中に所定量の前記糊化紙力増強剤を添加する工程を含むことを特徴とする製紙方法に関連している。
かかる本発明の製紙方法における、一つの好ましい態様は、糊化紙力増強剤を形成する工程が、両性澱粉と、その両性澱粉に対してAl換算で0.015〜1.0重量%のアルミニウム化合物が合計で0.1〜35重量%の範囲で含まれる水性スラリー状の混合物を形成し糊化することによってなされることを特徴とする製紙方法である。さらに好ましい一つの態様は、糊化紙力増強剤が2.0〜7.0の範囲のpHであることを特徴とする製紙方法である。
特定の両性澱粉とアルミニウム化合物を用いて予め糊化調整するためのものとしての本発明の糊化紙力増強剤用配合物、本発明の糊化紙力増強剤、及びそれを用いた本発明の製紙方法は、その糊化紙力増強剤において両性澱粉のアニオン基とアルミニウム化合物のアルミニウムイオンの反応がより多く生じるので、従来の製紙方法における両性澱粉の効果よりも紙料スラリーへの定着及び凝集効果が高まり、濾水性及び紙の歩留が向上し、強度的に優れた紙が得られる効果を奏し、より優れた性能の紙を効率良く製造することを可能にする。
本発明における両性澱粉は、通常例えばカチオン化剤またはアニオン化剤なる変性化剤を原料澱粉に逐次反応させることによって、適宜澱粉分子中にアニオン基とカチオン基が共に含有するようにされたものである。かかる両性澱粉は、通常の原料澱粉、例えばバレイショ澱粉、タピオカ澱粉、トウモロコシ澱粉、またはそれらの加水分解澱粉等を原料として、澱粉の分子中にカチオン基とアニオン基の両方を含むものと定義される。その両性澱粉は、通常原料澱粉中にカチオン基とアニオン基の両方を導入することによって得られるものであるが、例えば地下茎から得られるバレイショ等の原料澱粉の中には既にアニオン基を含有するものもあり、そのような澱粉であれば単にカチオン基のみを導入すれば良い。
澱粉分子中に導入されるカチオン基の例としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、スルホニウム基及びホスホニウム基等が挙げられ、それらは単独でもしくは2種以上組み合わせて用いられても良い。そのカチオン基を導入するためのカチオン化方法としては、通常第3級アミノ基または第4級アンモニウム基等を含むカチオン化剤を使用する方法が挙げられ、そのカチオン化は例えば湿式法、乾式法等によって実施され得る。カチオン化剤の具体例としては、導入されるカチオン基に応じて、ジエチルアミノエチルクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられ、それらは単独でもしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
澱粉分子中に導入されるアニオン基の例としては、リン酸基、スルホン酸基及びカルボキシル基等が挙げられ、それらは単独でもしくは2種以上組み合わせて用いられても良い。その具体例としては、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸等のリン酸類由来のリン酸基等が挙げられる。そのアニオン基を導入するためのアニオン化方法としては、通常リン酸基、スルホン酸基またはカルボキシル基等を含むアニオン化剤を用いて、上記のカチオン化と同様の方法で処理することによって実施され得る。アニオン化剤の具体例としては、導入されるアニオン基に応じて、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸等のリン酸類のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩等が挙げられ、それらは単独でもしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の両性澱粉としては、リン酸基、スルホン酸基及びカルボキシル基から成る群から選ばれる少なくとも1種のアニオン基と、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、スルホニウム基及びホスホニウム基から成る群から選ばれる少なくとも1種のカチオン基を有するものが好ましい。
本発明の両性澱粉としては、特に、リン酸基から群から選ばれる少なくとも1種のアニオン基と、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基から成る群から選ばれる少なくとも1種のカチオン基を含有するものが好ましい。かかる両性澱粉では、両性澱粉重量基準で少なくとも0.01重量%の結合リンを含有し、アニオン基の含有量、即ちアニオン化等によりアニオン基が導入された場合のアニオン基の置換度が、含有されるカチオン基1モルに対してアニオン基、即ちリン酸基のモル数で0.02〜0.55の範囲にある。そしてカチオン基の含有量、即ちカチオン化等によりカチオン基が導入された場合のカチオン基の置換度が0.01〜0.08の範囲にある両性澱粉が好ましい。尚、本出願で用いる「結合リン」とは、澱粉のアンヒドログリコール骨格のヒドロキシル基にエステル結合によって結合しているリンを意味する。また、本出願で用いる「カチオン基の置換度」とは、澱粉分子のグルコース単位当りの導入されたカチオン基の数によって定義される。更に、本出願で用いる「アニオン基の置換度」とは、澱粉分子に含有されるカチオン基1モル当りの導入されたアニオン基を、アニオン基のモル数、即ちアニオン基がリン酸基の場合にはリン酸基のモル数で表したものである。
アニオン基がリン酸基の場合に、結合リンの含有量が0.01重量%未満の場合には、後述するアルミニウム化合物との反応に対してアニオン基の量が少な過ぎて、紙力の向上並びに濾水性と紙の歩留の向上なる相乗効果が得られなくなり、好ましくない。含有されるリン酸基のカチオン基に対するモル比が0.02未満の場合、結合リン含有量が不十分となるために好ましくなく、また0.55を超えると反応に必要なアルミニウム化合物の量も多くなるために、澱粉スラリー及び糊液のpHが2よりも低下することによる酸化反応の進行のために、本発明の効果が充分に得られにくくなる場合が多い。
このような両性澱粉の具体例としては、ナショナルスターチアンドケミカル社から商業的に入手可能である、OptiBOND(登録商標)3920、OptiBOND(登録商標)3005、ナショナルスターチアンドケミカル社からから商業的に入手可能な、CATO(登録商標)3210、CATO(登録商標)3210E、CATO(登録商標)315等が挙げられる。
本発明の両性澱粉は通常粉末状であるものが好ましい。アルミニウム化合物は、粉末状であっても液体であっても良い。両方が粉末状の場合には、糊化紙力増強剤用配合物の調製、更にはその保存が容易になるので、より好ましい。
本発明におけるアルミニウム化合物としては、水溶性のアルミニウム化合物が使用され得る。そのアルミニウム化合物の例としては、例えばポリ塩化アルミニウム、アルミナゾル、ポリ硫酸アルミニウム、ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等が挙げられる。これらのアルミニウム化合物は、単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用されても良い。中でも、硫酸アルミニウムは、リン酸基を含有した両性澱粉との相溶性に優れており、製紙工程で通常よく使用されてその取り扱い及びコストの面でも有利であることから、特に好ましい。
本発明の一つの側面である、両性澱粉とアルミニウム化合物を含むものであることを特徴とする糊化紙力増強剤用配合物では、上記の如き両性澱粉とアルミニウム化合物が用いられる。そのアルミニウム化合物の含有量は、両性澱粉100重量部に対してAl換算で0.015〜1.0重量部、即ち両性澱粉に対してAl換算で0.015〜1.0重量%の範囲にある。かかるアルミニウム化合物の含有量としては、両性澱粉に対してAl換算で0.017〜0.85重量%の範囲が特に好ましい。そのアルミニウム化合物の含有量が、0.015重量%未満の場合には、アルミニウムイオンと例えばリン酸基等のアニオン基との反応の頻度が少なくなり、本発明における紙力の向上並びに濾水性と紙の歩留の向上なる相乗効果が得られなくなり、好ましくない。一方、そのアルミニウム化合物の含有量が、1.0重量%を超えてしまうと、澱粉スラリー及び糊液のpHが2よりも低下して酸化反応が進行するために、本発明の効果が充分に得られにくくなる場合が多い。
本発明の糊化紙力増強剤用配合物は、糊化された後の糊化紙力増強剤のpHが2.0〜7.0の範囲になるように配合されたことをも特徴としている。かかる配合によって、得られる糊化紙力増強剤を用いた製紙方法において、濾水性の向上、紙力増強の向上等が期待できる。尚、本発明の糊化紙力増強剤用配合物中には、必要に応じて通常使用され得る他の添加剤が配合されても良い。
本発明のもう一つの側面である、両性澱粉とアルミニウム化合物を含む水性スラリー状の混合物を糊化することによって製造されたことを特徴とする糊化紙力増強剤では、上記のごとく、両性澱粉とアルミニウム化合物の含有量として、そのアルミニウム化合物の含有量が両性澱粉に対してAl換算で0.015〜1.0重量%の範囲にあり、両性澱粉とアルミニウム化合物の全体が0.1〜35重量%の範囲で水中に懸濁された水性スラリーの形に混合されることが望ましい。
本発明の糊化紙力増強剤は、かかる両性澱粉とアルミニウム化合物を含有する混合物を糊化することによって製造されたことを特徴としている。かかる両性澱粉とアルミニウム化合物の混合物としては、通常、上記した本発明の糊化紙力増強剤用配合物が用いられる。尚、所望の両性澱粉とアルミニウム化合物が所望の量で別々に準備されたものを用いても良いが、その場合にはそれらが混合された状態で本発明の糊化紙力増強剤用配合物に相当し得る。本出願において、「糊化」とは、対象物が糊状に変成することを意味する。両性澱粉とアルミニウム化合物とを所定量で先に混合した後に、混合によって得られた澱粉スラリーを糊状に変成させて、両成分を出来るだけ効果的に反応させることが重要である。両性澱粉とアルミニウム化合物の混合物の糊化処理は、通常ジェットクッカー(jet-cooker)またはバッチ式のクッカー(cooker)を用いて、適宜所望の時間で90〜120℃での熱処理によって実施され得る。
本発明のかかる糊化紙力増強剤は、そのpHが2.0〜7.0の範囲に調整されていることが好ましく、更に2.5〜7.0の範囲が、特に2.8〜3.0の範囲が、濾水性及び強度双方のバランスに優れた紙を得ることが可能になるので好ましい。糊化紙力増強剤のpHが2.0〜7.0の範囲外にある場合は、本発明の効果が得にくくなる場合が多く、好ましくない。
通常、使用される両性澱粉とアルミニウム化合物の混合糊化処理のみによって、そのpHが2.0〜7.0の範囲に調整され得る場合が多い。使用される両性澱粉とアルミニウム化合物の原料の種類によってはそれらの混合糊化処理のみでそのpHが2.0〜7.0の範囲にならない場合、或いは更に好適な範囲のpHとする場合などにおいて、必要に応じて更なるpH調整を行っても良い。そのpH調整は、両性澱粉とアルミニウム化合物の混合と共に実施されても良く、或いは混合糊化処理の途中またはその後に実施されても良い。本発明の糊化紙力増強剤は、pH調整剤のほか、必要に応じて他の添加剤を含有しても良い。
本発明の糊化紙力増強剤は、紙料スラリーから水分を除去することによって紙を製造する製紙方法において使用され得るものであるが、糊化紙力増強剤の製造時期としては、紙料スラリーへの添加直前とそれからさかのぼっておよそ添加10時間前との間の期間に、その糊化紙力増強剤が製造されることが好ましい。その糊化紙力増強剤は、紙料スラリーへの添加直前とおよそ添加1時間前の間に製造されることが更に好ましく、あらかじめ調整された両性澱粉とアルミニウム化合物の混合物を準備しておいて添加直前に糊化して、或いは別々に調整された両性澱粉とアルミニウム化合物を準備しておいて添加直前に混合し糊化して製造されることが、実際上特に好ましい。
本発明のもう一つの側面である、紙料スラリーから水分を除去することによって紙を製造する製紙方法では、両性澱粉とアルミニウム化合物が所定量で含まれる水性スラリー状の混合物を形成し糊化することによって糊化紙力増強剤を形成する工程、及び前記紙料スラリー中に所定量の前記糊化紙力増強剤を添加する工程を含むことを特徴としている。
かかる本発明の製紙方法は、予め両性澱粉とアルミニウム化合物を含有する水性スラリー状の混合物を糊化することによって糊化紙力増強剤を製造しておいて、その糊化紙力増強剤を紙料スラリー中に添加することを特徴としている。ここでの糊化紙力増強剤は、前述の両性澱粉とアルミニウム化合物を用いて、前述のように混合糊化処理が施されることによって予め製造されるものを言う。
その製紙方法では、両性澱粉と、その両性澱粉に対してAl換算で0.015〜1.0重量%でアルミニウム化合物を合計で0.1〜35重量%の範囲で水中に懸濁して水性スラリー状の混合物を形成し糊化することによって糊化紙力増強剤を形成する工程が用いられる。ここでは、主に、一連の工程として糊化紙力増強剤の形成工程と糊化紙力増強剤の添加工程を備えた製紙方法において、通常、糊化紙力増強剤を紙料スラリー中に添加する前近くにまたは直前にその糊化紙力増強剤を形成する、製紙方法が提供される。尚、ここでは、通常、本発明における糊化紙力増強剤用配合物が用いられるが、場合によっては予め調整されて販売された両性澱粉を別途に入手された所定のアルミニウム化合物と組み合わせて、もしくは糊化紙力増強剤用として調整されて別々に販売された両性澱粉とアルミニウム化合物を組み合わせて、糊化紙力増強剤の形成工程に使用されても良い。
紙は、一般にパルプ製造工程、調成工程及び抄紙工程を経て製造される。パルプ製造工程は、通常原料に機械的もしくは化学的処理を行い、通常は水性スラリーであるパルプスラリーを得る工程である。そのパルプ原料としては、洋紙の場合は主として純粋な木材繊維が使用され、一方、段ボール原紙のような板紙の場合は古紙やわらパルプが多く使用される。調成工程は、そのようにして得られたパルプスラリーを叩解し、紙の用途等に応じて薬品を配合して、最終的な紙への基本的な特性を付与するための工程である。抄紙工程は、その調成工程から送られてきた紙料スラリーを抄紙機において抄紙する工程である。
本発明の製紙方法は、かかる調成工程の前または必要に応じてその工程中に、通常は調成工程の直前に、本発明の糊化紙力増強剤を紙料スラリー中へ添加する工程を含むものであって、糊化紙力増強剤を紙料スラリー中へ添加する前に予めその糊化紙力増強剤を調整しておくことを特徴としている。
本出願において、「紙料スラリー」とは、原料パルプスラリーに製紙用添加剤が内添されたスラリーであって、一般に、シート、ウェブ状製品、例えばパルプシート及び紙等のセルロース繊維を含有する製品を製造するのに用いられ得る水性分散液を意味する。その水性分散液は、硫酸パルプ、亜硫酸パルプ、サーモメカニカルパルプ、ケモーサーモメカニカルパルプ、リファイナルパルプ等のケミカルパルプ、並びに広葉樹及び針葉樹の両方からの砕木パルプの繊維をベースとし得るものであり、更にはリサイクル繊維をベースとする分散液にも使用され得る。
本発明の製紙方法における紙料スラリーへの糊化紙力増強剤の添加量は、紙料スラリーの組成により異なるものであって一概に言うことが困難であるものの敢えて言えば、一般に紙料スラリーの重量基準で澱粉成分として0.1〜8.0重量%の範囲が好ましく、更には0.1〜5.0重量%の範囲が好適であり、特に0.2〜3.0重量%の範囲が好適である。
本発明の製紙方法では、糊化紙力増強剤のpHが2.0〜7.0の範囲に、更に2.5〜7.0の範囲に、特に2.8〜3.0の範囲であることも一つの特徴としている。必要に応じて、かかるpHの範囲になるようにpH調整する工程を更に含んでも良く、前述のように適宜、両性澱粉とアルミニウム化合物の混合と共に実施されても良く、或いは混合糊化処理の途中またはその後、或いは紙料スラリーへの添加直前に実施されても良い。
本発明の製紙方法において、その他の添加剤、即ちポリアクリルアミド系重合体以外の内添剤を必要に応じて、紙料スラリーに添加されても良く、もしくは本発明の糊化紙力増強剤が添加された後の紙料スラリー中へ添加されても良い。その添加剤としては、例えば填料、サイズ剤、顔料等が挙げられ、更に具体的にはカオリン、石膏、粘度、二酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイソウ土、ロジン、ケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等が挙げられる。
このように本発明の製紙方法は、糊化紙力増強剤を紙料スラリー中へ添加する前に、特定の両性澱粉とアルミニウム化合物を用いてその糊化紙力増強剤を予め糊化調整しておくことによって、例えば両性澱粉とアルミニウム化合物を別々に紙料スラリー中へ添加する従来の製紙方法と比較して、両性澱粉におけるアニオン基とアルミニウム化合物におけるアルミニウムイオンとの反応がより多量に生じ易くなる。糊化紙力増強剤を予め糊化調整しておくことによって、両性澱粉の濾水性及び紙力増強の向上なる効果も糊化共存するアルミニウム化合物によってより高められるので、紙料スラリー中へ添加された際に、より優れた澱粉の定着及び凝集効果が付与され、紙料の濾水性及び歩留が向上されて、紙力に優れた紙が効率良く製造され易くなる。
以下において本発明を実施例によって更に具体的に説明する。但し、これらの実施例に記載された内容よって、本発明がなんらの制限も受けるものではない。
実施例1
粉末状の両性化タピオカ澱粉であるOptiBOND(登録商標)3920(ナショナルスターチアンドケミカル社製、窒素量が0.22重量%であり、リン酸基と第4級アンモニウム基を含有し、0.17重量%の結合リンを含有し、リン酸基の置換度が第4級アンモニウム基1モル当り0.33モルであり、第4級アンモニウム基の置換度が0.026)100重量部当り、硫酸アルミニウム粉末(浅田化学工業社製、Al17%品)Alベースで0.017重量部を攪拌機付き容器中の市水に投入し室温下において攪拌混合して2重量%の水性スラリー状混合物を得た。得られた混合物を湯浴中で沈殿が生じないように攪拌しながら、95℃まで昇温した後、その温度で25分間保持して糊化処理を行った後に室温まで冷却することによって、糊化された糊化紙力増強剤を得た。得られた糊化紙力増強剤のpHは6.9であった。
一方、晒しクラフトパルプ(BKP)を市水に投入して0.75重量%の濃度に調整して紙料スラリーを形成した。尚、その紙料スラリーのpHは5.6であった。得られた紙料スラリーに対して室温下で1200rpmの回転数で攪拌を開始し、10秒後に硫酸バンドをパルプ固形分基準で1重量%の割合で添加し、更に攪拌を10秒間続けた後に糊化紙力増強剤をパルプ固形分に対して0.4重量%の割合で添加し、更に40秒間攪拌を続けて、その後攪拌を停止した。攪拌を停止してから5秒後に、得られた混合物である紙料スラリーを使用して、濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。この場合の配合率を、形成された糊化紙力増強剤のpHと共に、後記の表1にまとめて示す。また、得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
尚、濾水性の測定は、カナディアンフリーネステスターを用いて、側管から流出した濾水量を測定することによって実施した。また紙力試験としては、得られたパルプスラリーを角型シートマシンにより濾水量が60g/m相当の紙を抄き、5kg/cmの圧力で3分間プレスした後に、ドラム式回転ドライヤーにより105℃で1回転乾燥させて作成した試験紙を、JIS規格の恒温恒圧の部屋で24時間調湿した後、横型引張試験機(熊谷理機製)を用いてその試験紙の引張強度を測定することによって実施した。
実施例2〜5
糊化前に添加混合する硫酸アルミニウム(粉末、Al17%品)の配合率を除いて、それ以外の操作を実施例1と同様に行って糊化された糊化紙力増強剤を形成した。それらの配合率を、形成された糊化紙力増強剤のpHと共に、後記の表1にまとめて示す。それらの糊化紙力増強剤を用いて、実施例1と同様にして紙料スラリー中へ添加することによって混合物を得た。得られた混合物である紙料スラリーを使用して、カナディアンフリーネステスターにより濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
比較例1
糊化紙力増強剤を使用しないことを除いて、実施例1と同様にして、0.75重量%の濃度に調整した紙料スラリーを使用して、カナディアンフリーネステスターにより濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
比較例2
糊化紙力増強剤としてPAM(ポリアクリルアマイド;荒川化学工業社製)をパルプ固形分に対して0.16重量%の割合で添加すること以外は、実施例1と同様にして、0.75重量%の濃度に調整した紙料スラリーを使用して、カナディアンフリーネステスターにより濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
比較例3
糊化紙力増強剤としてカチオン化タピオカ澱粉CATO(登録商標)304(ナショナルスターチアンドケミカル社製)を添加すること以外は、実施例1と同様にして、0.75重量%の濃度に調整した紙料スラリーを使用して、カナディアンフリーネステスターにより濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。尚、糊化の方法としては、そのカチオン化タピオカ澱粉2重量%の水性スラリーを攪拌機付き容器中で形成し、それを湯浴中で沈殿が生じないように攪拌しながら95℃まで昇温し、その温度で25分間保持することによって糊化を実施した。得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
比較例4
糊化紙力増強剤を、両性化タピオカ澱粉であるOptiBOND(登録商標)3920(ナショナルスターチアンドケミカル社製)の2重量%水性スラリーを攪拌機付き容器中で形成し、それを湯浴中で沈殿が生じないように攪拌しながら95℃まで昇温し、その温度で25分間保持することによって糊化することによって形成した以外は、実施例1と同様にして、0.75重量%の濃度に調整した紙料スラリーを使用して、カナディアンフリーネステスターにより濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
比較例5
糊化紙力増強剤を、両性化タピオカ澱粉であるOptiBOND(登録商標)3920(ナショナルスターチアンドケミカル社製)の2重量%水性スラリーを攪拌機付き容器中で形成し、それを湯浴中で沈殿が生じないように攪拌しながら95℃まで昇温し、その温度で25分間保持することによって糊化した後に、その両性化タピオカ澱粉100重量部に対して液状の硫酸アルミニウム(Al8.1%品;浅田化学工業社製)をAlベースで0.17重量部を混合することによって形成した以外は、実施例1と同様にして、0.75重量%の濃度に調整した紙料スラリーを使用して、カナディアンフリーネステスターにより濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
実施例6
実施例1と同様の、粉末状の両性化タピオカ澱粉であるOptiBOND(登録商標)3920(ナショナルスターチアンドケミカル社製)100重量部当り、硫酸アルミニウム粉末(浅田化学工業社製、Al17%品、)をAlベースにて0.17重量部を攪拌機付き容器中の市水に投入し室温下において攪拌混合して5重量%の水性スラリー状混合物を得た。得られた混合物をジェットクッカーにて、クッキング温度115℃、背圧20psiの条件下で糊化処理を行った後に室温まで冷却し、市水を添加して1重量%に希釈することによって、糊化された紙力増強剤を得た。得られた紙力増強剤のpHは3.0であった。
一方、晒し段ボール古紙パルプと白水を使用して、1.3重量%のスラリー濃度に調整して紙料スラリーを形成した。尚、その紙料スラリーのpHが5.7、電気伝導度が3400μs/cmであった。得られた紙料スラリーに対して室温下で1000rpmの回転数で攪拌を開始した直後に硫酸バンドをパルプ固形分基準で1重量%の割合で添加し、更に攪拌を10秒間続けた後に糊化紙力増強剤をパルプ固形分に対して0.4重量%の割合で添加し、更に20秒間攪拌を続け後に1400rpmに回転数を上げて更に10秒間続けた後に、カチオン性の歩留向上剤を150ppmで添加し、更に攪拌を20秒続けた後に、得られた混合物である紙料スラリーを使用して、カナディアンフリーネステスターにより濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。この場合の配合率等を後記の表1にまとめて示す。また、得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
実施例7、8
糊化前に混合する硫酸アルミニウム粉末(浅田化学工業社製、Al17%品、)の配合率を変えた以外は、実施例6と同様にして糊化された糊化紙力増強剤を形成した。それらの配合率を、形成された糊化紙力増強剤のpHと共に、後記の表1にまとめて示す。それらの糊化紙力増強剤を用いて、実施例6と同様にして紙料スラリー中へ添加することによって混合物を得た。得られた混合物である紙料スラリーを使用して、カナディアンフリーネステスターにより濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
比較例6
糊化紙力増強剤としてPAMをパルプ固形分に対して0.4重量%の割合で添加すること以外は、実施例6と同様にして調整した紙料スラリーを使用して、カナディアンフリーネステスターにより濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
比較例7
糊化紙力増強剤を、両性化タピオカ澱粉であるOptiBOND(登録商標)3920の5重量%水性スラリーを攪拌機付き容器中で形成し、それをジェットクッカーにて、クッキング温度115℃、背圧20psiの条件下で糊化処理した後にその糊液を1重量%に希釈することによって形成した以外は、実施例6と同様にして調整した紙料スラリーを使用して、カナディアンフリーネステスターにより濾水性並びに手抄シート作製による紙力の測定を行った。得られた測定結果等を、評価結果と共に後記の表2にまとめて示す。
以上に記載した実施例及び比較例に関して、糊化紙力増強剤の配合等をまとめて以下の表1に示し、得られた測定結果等を評価結果と共に以下の表2にまとめて示す。
Figure 0004794224
Figure 0004794224
表1及び表2を参照すれば理解できるように、両性澱粉を糊化以前に混合する硫酸アルミニウム粉末の好ましい混合範囲は、両性澱粉100重量部当りAlベースで0.015〜1.00重量部が望ましく、0.017〜0.85重量部が特に望ましく、多く混合し過ぎてもその相乗効果は発揮されない。また、比較例5と実施例との比較により、糊化後に硫酸アルミニウムを混合するより、糊化前に硫酸アルミニウムと両性澱粉を混合する方がより相乗効果を発揮し得ることが確認された。糊化物のpHについて見ると、2.8〜3.0の糊化紙力増強剤(実施例3、4)を使用すると濾水性及び引張強度のバランスに優れた紙が得られることが判る。また、実施例3は、比較例2に対して濾水性が最大21%、引張強度では最大7.3%の改善が見られた。比較例4に対しては、濾水性が最大4.5%、引張強度では最大7.3%の改善が見られた。比較例3に対しては、濾水性が最大26%、引張強度では最大22%改善する効果が確認された。
また、段ボール古紙パルプを紙料として使用した場合においても、濾水性の向上効果が確認され、実施例1〜5と同様に、両性澱粉とアルミニウム化合物の糊化前混合の効果が確認できた。

Claims (13)

  1. 両性澱粉とアルミニウム化合物と少なくとも不可避的な水分からなるものであることを特徴とする、糊化紙力増強剤用配合物。
  2. 前記両性澱粉が、リン酸基、スルホン酸基及びカルボキシル基から成る群から選ばれる少なくとも1種のアニオン基と、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、スルホニウム基及びホスホニウム基から成る群から選ばれる少なくとも1種のカチオン基を有するものであることを特徴とする、請求項1に記載の糊化紙力増強剤用配合物。
  3. 前記両性澱粉が、リン酸基から成る群から選ばれる少なくとも1種のアニオン基と、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基から成る群から選ばれる少なくとも1種のカチオン基を含有し、前記両性澱粉の重量基準で少なくとも0.01重量%の結合リンを含有するものであり、そこでは、前記カチオン基の置換度が0.01〜0.08の範囲にあり、前記アニオン基の置換度が前記カチオン基1モル当りのモル数で0.02〜0.55の範囲にあることを特徴とする、請求項1または2に記載の糊化紙力増強剤用配合物。
  4. 前記アルミニウム化合物が硫酸アルミニウムであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の糊化紙力増強剤用配合物。
  5. 前記両性澱粉と前記アルミニウム化合物の少なくとも一方が粉末状であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の糊化紙力増強剤用配合物。
  6. 前記アルミニウム化合物を、前記両性澱粉に対してAl23換算で0.015〜1.0重量%の量で含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の糊化紙力増強剤用配合物。
  7. 糊化紙力増強剤のpHが2.0〜7.0の範囲になるように配合されたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の糊化紙力増強剤用配合物。
  8. 両性澱粉とアルミニウム化合物と水からなる水性スラリー状の混合物を糊化することによって製造されたことを特徴とする糊化紙力増強剤。
  9. 前記両性澱粉と、前記両性澱粉に対してAl23換算で0.015〜1.0重量%の前記アルミニウム化合物が合計で0.1〜35重量%の範囲で含まれる水性スラリー状の混合物を糊化することによって製造されたことを特徴とする、請求項8に記載の糊化紙力増強剤。
  10. pHが2.0〜7.0の範囲であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の糊化紙力増強剤。
  11. 紙料スラリーから水分を除去することによって紙を製造する製紙方法であって、両性澱粉とアルミニウム化合物と水からなる水性スラリー状の混合物を形成し糊化することによって糊化紙力増強剤を形成する工程、及び前記紙料スラリー中に所定量の前記糊化紙力増強剤を添加する工程を含むことを特徴とする製紙方法。
  12. 前記糊化紙力増強剤を形成する工程が、前記両性澱粉と、前記両性澱粉に対してAl23換算で0.015〜1.0重量%の前記アルミニウム化合物が合計で0.1〜35重量%の範囲で含まれる水性スラリー状の混合物を形成し糊化することによってなされることを特徴とする、請求項11に記載の製紙方法。
  13. 前記糊化紙力増強剤のpHが2.0〜7.0であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の製紙方法。
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