JP2005068587A - 製紙用添加剤、及び紙の製造方法 - Google Patents

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俊之 長谷川
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Abstract

【課題】サイズ剤の歩留り向上によるサイズ効果の向上や紙力剤の性能向上とその歩留り向上による紙力を向上させることは紙質や生産性の向上を図る上で重要であり、紙力、填料歩留り、サイズ度等の紙質、特にサイズ度を向上させることができる製紙用添加剤を提供する。
【解決手段】カチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する多糖類(B)を含有することでを紙力、填料歩留り、サイズ度等の紙質、特にサイズ度を向上させることができる製紙用添加剤及びその製紙用添加剤を用いる紙の製造方法。

Description

本発明は、カチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する多糖類(B)の両者を含有する製紙用添加剤であり、紙力、填料歩留り、サイズ度等の紙質、特にサイズ度を向上させることができる製紙用添加剤、及びその紙の製造方法に関する。
従来より製紙工程においては、抄紙機の高速化に伴う、生産性の向上の為、あるいは紙の品質向上の為に種々の製紙用添加剤が用いられている。殊に、近年、原木供給事情の悪化に伴いバージンパルプの使用が制限されたり、CO2 排出量の制限や、環境保護、省エネルギーの観点から、古紙利用の必要性が一層高まり、しかも排水規制等により白水のクローズド化が進み、夾雑物の量が増えている。このような、品質のよくない製紙原料を使用しても従来の品質を維持し、製造上問題ない成紙が得られるように、製紙用添加剤の使用範囲は益々広まっている。このような製紙用添加剤の中でも特に、サイズ剤の歩留り向上によるサイズ効果の向上や紙力剤の性能向上とその歩留り向上による紙力を向上させることは紙質や生産性の向上を図る上で重要であり、様々なタイプの製紙用添加剤が上市されており、アクリルアミド系ポリマーを含有する製品が主流となっている。
乾燥紙力剤の効果を高めるべく、様々な検討がなされている。例えば、ポリアクリルアミドにカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略することがある)等のアニオン性多糖類をブレンドすることで、ポリアクリルアミドの歩留りを高め、紙質を向上させていること(例えば、特許文献1参照)、また、CMCを添加した後、鉱酸を添加し、CMCを酸型へ変換することでCMCの溶解性を落とし繊維へ定着させることで、乾燥紙力剤等の効果を高めていること(例えば、特許文献2参照)、あるいは紙力増強を目的としてカチオン化澱粉とカルボキシメチルセルロースを各々別々にパルプスラリーに添加する方法等が開示されている((例えば、特許文献3参照)。
特開2002−201587号公報 特開平09−291490号公報 特開平11−107188号公報
最近、上述したように、製紙原料の品質の劣化の問題等があり、製紙用添加剤に要求される使用条件はますます厳しくなってきている。加えて品質に対する要望の高まりもあり、これらの方法だけでは、サイズ効果、又は紙力を向上できない例も増えている。例えば、高いサイズ度を得るために、サイズ剤を多量に添加しても、紙のサイズ度の上昇度合いは次第に鈍くなり、かえって、パルプに吸着されない過剰のサイズ剤が生じ、この過剰のサイズ剤およびその加水分解物が製紙機械を汚す為生産性が低下したり、欠点等の発生で紙の品質を落としたり、排水処理施設に余分な処理負担を強いる等の悪影響を及ぼす問題を引き起こしている。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、カチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する多糖類(B)を予め混合して使用すると、上記課題を解決する事を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の前記課題を解決するための第1の手段は、
(1)カチオン基を有する澱粉と(A)アニオン基を有する多糖類(B)を含有することを特徴とする製紙用添加剤である。
本発明の前記課題を解決するための第2の手段は、
(2)前記(1)のカチオン基を有する澱粉(A)の25℃における固形分15%水溶液の粘度が5〜10,000mPa・sであることを特徴とする製紙用添加剤である。
本発明の前記課題を解決するための第3の手段は、
(3)前記(1)又は(2)のアニオン基を有する多糖類(B)がカルボキシメチルセルロース類及び/又はカルボキシメチル澱粉類であることを特徴とする製紙用添加剤である。
本発明の前記課題を解決するための第4の手段は、
(4)前記(1)〜(3)のカチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する多糖類(B)の含有比が(A):(B)=85〜1:15〜99であることを特徴とする製紙用添加剤である。
本発明の前記課題を解決するための第5の手段は、
(5)前記(1)〜(4)のカチオン基を有する澱粉(A)が酵素で変性した澱粉であることを特徴とする製紙用添加剤である。
本発明の前記課題を解決するための第6の手段は、
(6)前記(1)〜(5)の製紙用添加剤を添加することを特徴とする紙の製造方法である。
本発明の前記課題を解決するための第7の手段は、
(7)前記(1)〜(5)の製紙用添加剤とサイズ剤とを添加することを特徴とする紙の製造方法である。
本発明のカチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する多糖類(B)の両者を含有する製紙用添加剤を用いることで、紙力、填料歩留り、サイズ度等の紙質に優れた紙が得られる。
本発明の製紙用添加剤は、カチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する多糖類(B)を含有していればよく、カチオン基を有する澱粉(A)を2種以上用いることもでき、アニオン基を有する多糖類(B)を2種以上用いることもできる。また、また、カチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する水溶性多糖類(B)以外にも、他のカチオン性基を有する多糖類、ノニオン性水溶性多糖類、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、ノニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、防腐剤などを含有しても構わない。
本発明によるサイズ度、紙力の向上効果の作用機構の詳細は不明であるが、本発明の製紙用添加剤を構成するカチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する多糖類(B)とが前もって混合されることにより、それらの繊維への定着が向上し、結果としてパルプのイオン性が増え、バンドやイオン性を有する紙力剤、サイズ剤等の内添薬品のパルプ繊維への歩留りが向上し、サイズ度、紙力が向上するものと推察する。
本発明の製紙用添加剤の一部として用いられるカチオン基を有する澱粉(A)は、カチオン基を有している澱粉であればよく、カチオン基の他にアニオン基、ノニオン基、疎水基等を有していてもよい。また、必要に応じ2種類以上のカチオン基を有する澱粉を併用しても良いし、カチオン基を有する他の多糖類、樹脂を併用しても良い。
前記カチオン基を有する澱粉(A)の原料としては各種の植物、例えば馬鈴薯、さつまいも、タピオカ、小麦、米、とうもろこし等から得られる澱粉等を挙げることができ、これらの誘導体としては、前記澱粉をアセチル化、リン酸エステル化等の変性又は処理した澱粉等を挙げることができる。
カチオン基の導入にあたっては、例えば、澱粉又はその誘導体を公知のカチオン化剤である3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル・トリメチルアンモニウム・クロライドやグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドあるいはジメチルアミノエチルクロライド等と触媒の存在下に反応させることによって得られる。
前記カチオン基を有する澱粉(A)は、紙質向上効果、及び本発明の添加剤を高濃度化して輸送コストを低減するという観点から低粘度のものとするのが好ましい。粘度低減方法としては例えば酸化剤処理、又は酵素分解を行う等が挙げられる。
アニオン基を有する多糖類(B)と混合した際の紙質向上効果が優れること、酸化剤により分解した場合と比較し、製品の保存安定性が優れることから特に酵素分解変性を行うことが好ましい。
本発明に用いる酸化剤としては、従来公知慣用の酸化剤を用いる事が出来る。具体的には、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸アンモニウム等の次亜塩素酸塩、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の過酸化物、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム等の臭素酸塩、過ホウ素酸ナトリウム、過ホウ素酸アンモニウム等の過ホウ素酸塩、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸アンモニウム等の過炭酸塩、過リン酸ナトリウム、過リン酸カリウム、過リン酸アンモニウム等の過リン酸塩を使用することができる。この場合、1種単独でも使用できるが、2種以上組み合わせて使用しても良い。
酵素分解変成に使用する澱粉分解酵素には各種細菌、酵母、動植物の生産するα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、γ−アミラーゼ、isoアミラーゼ等を挙げることができる。この中でも、過度の低分子物や単糖類を生じさせ無い点でα−アミラーゼがもっとも好ましい。
本発明におけるカチオン基を有する澱粉は、25℃における固形分15%水溶液の粘度が好ましくは5〜10,000mPa・s、さらに好ましくは、5〜1,000mPa・sである。サイズ度の向上効果の点から5mPa・s以上が、アニオン基を有する水溶性多糖類との混合のしやすさ、及びこれらの混合液の安定性確保からは1,000mPa・s以下であることが好ましい。
本発明の製紙用添加剤を構成するアニオン基を有する多糖類(B)は、アニオン基を有している多糖類であればカチオン基、ノニオン基、疎水基のような他の官能基を有している多糖類でもよい。
アニオン基を有する多糖類(B)として、例えば、少なくともカルボキシメチル化、カルボキシエチル化、スルホエチル化、尿素リン酸エステル化、スルフォコハク酸エステル化、マレイン化等のアニオン基を化学的に導入した澱粉やセルロース類等の誘導体、アルギン酸、カラギーナン、ジェランガム、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、アガロースなどの多糖類及びそれらの誘導体が挙げられ、これらのアニオン基がアルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩も挙げることができる。これらのアニオン基を有する多糖類(B)は単独又は複数併用しても良い。これらの中で、アニオン基がカルボキシル基であることがサイズ度向上効果の点で好ましい。さらに好ましいアニオン基を有する多糖類はカルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化澱粉である。
アニオン基を有する多糖類(B)の使用に際しては、熱的及び/または機械的に処理してもよいし、酸化剤や酵素変性より分解、低粘度化して使用してもよい。このように低粘度化をはかることはカチオン基を有する澱粉(A)との混合が容易と成り、かつ高濃度化も可能となるため、輸送コスト削減を図ることが可能になるので好ましい。
アニオン基を有する多糖類(B)の25℃における固形分1%水溶液の粘度は、カチオン基を有する澱粉(A)との混合のしやすさから、2000mPa・s以下であることが好ましく、さらに好ましくは3.0〜1000mPa・sであることが好ましい。
本発明において、前記アニオン基を有する多糖類(B)のうちでもCMC及びカルボキシメチル化澱粉(以下、CMSと略することがある)又はそれらの金属塩、アンモニウム塩が好ましい。一般にセルロース又は澱粉を濃水酸化ナトリウム液に浸漬し、これにモノクロロ酢酸を反応させて得ることができる。
また、CMCには各種のエーテル化度、粘度を有する製品が市販されているが、十分な水溶性を有する限りにおいて本発明に好適に使用することができる。エーテル化度は高すぎると静電反発が強くなりパルプへの定着が困難となり、また低すぎると水溶解性が落ちる為、使用し難いとの問題がある。
本発明の製紙用添加剤を構成するカチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する水溶性多糖類(B)の混合比は、どのような割合でもよいが、好ましくは、(A):(B)=85〜1:15〜99、さらに好ましくは、75〜1:25〜99である。
本発明の製紙用添加剤を構成するカチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する水溶性多糖類(B)は任意の濃度で混合することができる。混合後の粘度が高いと攪拌混合が不充分となり紙質向上効果が十分に発揮されなかったり、ポンプ送りが困難となる為、混合後の濃度が0.5〜30%で、かつ粘度が20,000mPa・sを越えない濃度で混合するのが好ましい。
混合方法は前記カチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する水溶性多糖類(B)が十分に混合すれば特に問わない。両者を予め同じ濃度まで希釈した後混合しても良いし、異なる濃度で混合しても良い。また、熱的、或いは機械的処理を施しても構わない。また両者は事前に混合していることが必要で、事前に混合してあるものでも良いし、パルプスラリーに添加する直前に混合して添加しても良い。
本発明の製紙用添加剤はウェットエンドの何れの場所で添加しても良いが、例えば、各種パルプ原料のタンクや、その配合チェスト等に、サイズ剤や紙力剤、バンド等の内添薬品を添加する前に混合することが好ましい。
紙または板紙を酸性から中性領域で製造するにあたって、パルプ原料として、クラフトパルプあるいはサルファイトパルプなどの晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプなどの晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙などの古紙パルプのいずれも使用することができる。また、パルプ原料として、前記パルプ原料と、石綿、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等との混合物も使用することができる。
硫酸バンド等の無機塩類、填料、染料、酸性抄紙用ロジン系サイズ剤、中性抄紙用ロジン系サイズ剤、2−オキセタニンサイズ剤、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤、特殊変性ロジン系サイズ剤等の酸性および中性抄紙用サイズ剤、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、凝結剤、柔軟剤、消泡剤などの他の製紙用添加剤も、各々の紙種に要求される物性を発現させるために、本発明に係る紙用添加剤に必要に応じて加え、併用してもよい。填料としては、クレー、タルク、酸化チタン、シリカ、重質または軽質炭酸カルシウム等を挙げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本願発明により得ることができる紙としては、各種の紙及び板紙を挙げることができる。例えば、PPC用紙、インクジェット記録用紙、レーザープリンター用紙、フォーム用紙、熱転写用紙、感熱記録用紙等の記録用紙、印画紙、アート紙、キャストコート紙、上質コート紙等のコート紙、クラフト紙、純白ロール紙等の包装用紙、その他ノート用紙、書籍用紙、印刷用紙、新聞用紙等の洋紙、マニラボール、白ボール、チップボール等の紙器用板紙、ライナー、中芯原紙、紙管原紙等の板紙、建材用紙、ティッシュ、キッチンペーパーが挙げられる。特に新聞用紙、書籍用紙、印刷用紙等の洋紙や、ティッシュ、トイレット等の家庭紙で本発明の製紙用添加剤による紙質向上効果が大きいため好ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例により、本発明は限定されるものではない。なお、%は重量基準による。
製造例A1
攪拌機、温度計、及び還流冷却管を備えたフラスコに、水693.28g、タピオカ原料のカチオン化澱粉(含水率12%)166.96g、及び5%過硫酸アンモニウム水溶液58.92gを仕込み、90℃で30分攪拌混合した後、水80.0gを加えて冷却した。次いで、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加しpH6.5に調整して、カチオン性基を有する澱粉水溶液(A1)を得た。表1にカチオン性基を有する澱粉水溶液(A1)の物性値を示す。このカチオン性基を有する澱粉水溶液(A1)の1%水溶液を製紙用添加剤a1と称する。
製造例A2
攪拌機、温度計、及び還流冷却管を備えたフラスコに、水585.52g、タピオカ原料のカチオン化澱粉(含水率12%)170.73gを取り、0.01gのα-アミラーゼを混合し、攪拌しつつ85℃に加温し、10分間反応分解した。次に、クエン酸0.81gを添加して液のpHを3.4とした後、95℃で10分反応し、水242.52gを加え、冷却した。次いで、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加しpH6.5に調整し、カチオン性基を有する澱粉水溶液(A2)を得た。表1にカチオン性基を有する澱粉水溶液(A2)の物性値を示す。このカチオン性基を有する澱粉水溶液(A2)の1%水溶液を製紙用添加剤a2と称する。
製造例A3
攪拌機、温度計、及び還流冷却管を備えたフラスコに、水585.30g、タピオカ原料の両性化澱粉(含水率12%)170.70gを取り、0.01gのα-アミラーゼを混合し、攪拌しつつ85℃に加温し、10分間反応分解した。次に、クエン酸0.78gを添加して液のpHを3.4とした後、95℃で10分反応し、水242.52gを加え、冷却した。次いで、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加しpH6.5に調整してカチオン性基を有する澱粉水溶液(A3)を得た。表1にカチオン性基を有する澱粉水溶液(A3)の物性値を示す。このカチオン性基を有する澱粉水溶液(A3)の1%水溶液を製紙用添加剤a3と称する。
製造例A4
攪拌機、温度計、及び還流冷却管を備えたフラスコに、水988.64g、タピオカ原料のカチオン化澱粉(含水率12%)11.36gをとり、90℃で20分攪拌混合した後、冷却し、固形分1%、pH6.8、粘度34.5mPa・s(25℃、ブルックフィールド回転粘度計使用)のカチオン性基を有する澱粉水溶液(A4)を得た。これを製紙用添加剤a4と称する。
製造例A5
攪拌機、温度計、及び還流冷却管を備えたフラスコに、水767.05g、タピオカ原料のカチオン化澱粉(含水率12%)170.45gを仕込み、90℃で20分攪拌混合後、水62.5gを添加し冷却して、カチオン性基を有する澱粉水溶液(A5)を得た。表1にカチオン性基を有する澱粉水溶液(A5)の物性値を示す。これを製紙用添加剤a5と称する。
Figure 2005068587
製造例B1〜4
攪拌機、温度計、及び還流冷却管を備えたフラスコに水495gを取り、攪拌下、表2に記載のCMC(第一工業製薬(株)製)5gを10分かけて少しずつ添加し、更に室温下、2時間攪拌混合し、アニオン性基を有する多糖類水溶液(B1)〜(B4)を得た。これらを製紙用添加剤b1〜b4と称する。
Figure 2005068587
製造例B5
攪拌機、温度計、及び還流冷却管を備えたフラスコに、水984.16g、カルボキシメチル澱粉(以下、CMSと略することがある)(松谷化学工業(株) FC50)9.61gをとり、90℃で20分攪拌混合した。次いで、5%過硫酸アンモニウム水溶液5.79gを添加し、更に90℃で20分攪拌混合した。冷却後、25%水酸化ナトリウムでpH7.0に調整してアニオン性多糖類水溶液(B5)を得た。これ製紙用添加剤b5と称する。
製造例B6
攪拌機、温度計、及び還流冷却管を備えたフラスコに、水984.50g、アルギン酸ナトリウム(アルギテックスLL (株)キミカ製)9.70gをとり、90℃で20分攪拌混合した。次いで、5%過硫酸アンモニウム水溶液5.82gを添加し、更に90℃で20分攪拌混合した。冷却後、25%水酸化ナトリウムpH7.0に調整してアニオン性多糖類水溶液(B6)を得た。これ製紙用添加剤b6と称する。
実施例1
製紙用添加剤a1と製紙用添加剤b1を固形分比が1:1になるように混合し、固形分1%、pH6.8、粘度6.0mPa・s(25℃、ブルックフィールド回転粘度計使用)製紙用添加剤Aを得た。
実施例2〜8
カチオン性基を有する澱粉水溶液から得られる製紙用添加剤とアニオン性多糖類水溶から得られる製紙用添加剤の各々を表3のように変更する以外は実施例1と同様にして、製紙用添加剤B〜Hを得た。また、得られた製紙用添加剤の物性値は表3に示す。
Figure 2005068587
実施例9〜12
製紙用添加剤a2と製紙用添加剤b1の固形分比を表4の記載の様に変更した以外は実施例1と同様にし、固形分1%の製紙用添加剤I〜Lを得た。製紙用添加剤I〜Lの物性も合わせて表4に記載する。
Figure 2005068587
実施例13
攪拌機、温度計、及び還流冷却管を備えたフラスコに、水290.26g、タピオカ原料のカチオン化澱粉(含水率12%)85.37gを取り、0.01gのα−アミラーゼを混合し、攪拌しつつ85℃に加温し、10分間反応分解した。次に、クエン酸0.41gを添加して液のpHを3.4とした後、95℃で10分反応した後、水123.96gを添加し、冷却した。更に、25%水酸化ナトリウムを添加しpH6.5とした後、製造例B1に記載と同様の方法で調整した15%CMC(セロゲン5A:第一工業製薬(株)製)水溶液500gを添加し、室温下混合し、固形分15.3%、pH6 .8、粘度260mPa・sの(25℃、ブルックフィールド回転粘度計使用)製紙用添加剤Mを得た。
応用実施例1
BKP(L/N=9/1)をカンディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)402に調整した濃度2.4%のパルプスラリーに、パルプ固形分に対し、炭酸カルシウム(タマパール121S:奥多摩工業(株)製)1%、製紙用添加剤Aを0.1%、硫酸バンド1.0%、乾燥紙力剤DS435(星光PMC(株)製)0.3%、ロジンサイズ剤CC140(星光PMC(株)製)0.2%を攪拌下、1分間隔で順次添加した。このパルプスラリーをpH7、電導度150mS/mの水で0.8%に希釈し、更に炭酸カルシウム(タマパール121S:奥多摩工業(株)製)5%添加しノーブルアンドウッド製シートマシンにて抄紙して、湿紙を得た。この湿紙を、プレス後、ドラムドライヤーで乾燥して60g/m2の手抄き紙を得た。得られた手抄き紙を23℃、RH50%の条件下で24時間調湿した後、ステキヒトサイズ度、内部結合強度を測定した。測定結果を表3に示す。
手抄き紙の評価方法
ステキヒトサイズ度 ・・・JIS P−8122に準拠した。
内部結合強度 ・・・JAPAN−TAPPI紙パルプ試験法No.54に準拠した。
応用実施例2〜5、応用比較例1〜4
製紙用添加剤Aの代わりに表3のように製紙用添加剤B〜E、製紙用添加剤a1、製紙用添加剤a2、製紙用添加剤b1、製紙用添加剤a4の何れかを使用した以外は応用実施例1と同様にして手抄き紙を得た。測定結果を表4に示す。
応用比較例5
カチオン性基を有する澱粉水溶液(A1)、アニオン性多糖類水溶液(B1)を対パルプ固形分で0 .05%になるように1分間隔でパルプスラリーに添加した以外は応用実施例1と同様にして手抄き紙を得た。測定結果を表5に示す。
比較例6
製紙用添加剤Aを添加しない以外は応用実施例1と同様にして手抄き紙を得た。測定結果を表5に示す。
Figure 2005068587
(注1)予め混合して添加せず、(A1)と(B1)を順次添加している。
応用実施例6
脱墨パルプ(濃度3.0%)に硫酸、製紙用添加剤Bを0.1%、ホワイトカーボン5%、硫酸バンド3.0%、湿潤紙力剤WS552(星光PMC(株)製)0.05%、乾燥紙力剤DS477(星光PMC(株)製)0.3%、ロジンサイズ剤AL128(星光PMC(株)製)0.15%を攪拌下、1分間隔で順次添加した。このパルプスラリーをpH4.5、電導度200mS/mの水で0.8%に希釈しノーブルアンドウッド製シートマシンにて抄紙して、湿紙を得た。この湿紙を、プレス後、ドラムドライヤーで乾燥して43g/m2の手抄き紙を得た。得られた手抄き紙を23℃、RH50%の条件下で24時間調湿した後、ドロップサイズ度、内部結合強度、灰分を測定した。得られた結果を表6に示す。
応用実施例7〜9、応用比較例7
製紙用添加剤Bの代わりに表6のように製紙用添加剤F〜H、又は製紙用添加剤a2の何れかを使用した以外は応用実施例1と同様にして手抄き紙を得た。測定結果を表6に示す。
比較例10
多糖類を添加しない以外は応用実施例6と同様にして手抄き紙を得た。測定結果を表6に示す。
手抄き紙の評価方法
ドロップサイズ度 ・・・手抄き紙にマイクロシリンジを使用し、水5μlを落とし、水滴が完全に紙へ浸透し光沢がなくなるまでの時間を計測した。
内部結合強度 ・・・JAPAN−TAPPI紙パルプ試験法No.54に準拠した。
灰分 ・・・ JIS−P8251に準拠した。
Figure 2005068587
応用実施例10
脱墨パルプとTMPの混合パルプ(濃度3.0%)に硫酸、製紙用添加剤Bを0.1%、ホワイトカーボン3%、硫酸バンド2.0%、湿潤紙力剤WS552(星光PMC(株)製)0.05%、乾燥紙力剤PD363R(星光PMC(株)製)0.2%、ロジンサイズ剤AL131(星光PMC(株)製)0.1%を攪拌下、1分間隔で順次添加した。このパルプスラリーをpH4.5、電導度200mS/mの水で0.8%に希釈しノーブルアンドウッド製シートマシンにて抄紙して、湿紙を得た。この湿紙を、プレス後、ドラムドライヤーで乾燥して45g/m2の手抄き紙を得た。得られた手抄き紙を23℃、RH50%の条件下で24時間調湿した後、ドロップサイズ度、内部結合強度、裂断長、灰分を測定した。得られた結果を表7に示す。
応用実施例11〜13、応用比較例8、9
製紙用添加剤Bの代わりに表6に記載したように製紙用添加剤J、L、M、又は製紙用添加剤a1、b1の何れかを使用した以外は応用実施例10と同様にして手抄き紙を得た。測定結果を表7に示す。
応用比較例10
製紙用添加剤Bを添加しない以外は応用実施例10と同様にして手抄き紙を得た。測定結果を表7に示す。
Figure 2005068587
応用実施例14
BKP(L/N=9/1)をカンディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)410に調整した濃度2.4%のパルプスラリーに、パルプ固形分に対し、製紙用添加剤Iを0.3%添加し角型シートマシンにて抄紙して、湿紙を得た。この湿紙を、プレス後、ドラムドライヤーで乾燥して40g/m2の手抄き紙を得た。得られた手抄き紙を23℃、RH50%の条件下で24時間調湿した後、裂断長を測定した。測定結果を表8に示す。
応用実施例15〜16、比較例11
製紙用添加剤Iの代わりに製紙用添加剤J、K、又は製紙用添加剤a2を使用した以外は応用実施例14と同様にして手抄き紙を得た。測定結果を表8に示す。
手抄き紙の評価方法
裂断長 ・・・JIS P−8113に準拠した。
Figure 2005068587

Claims (7)

  1. カチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する多糖類(B)を含有することを特徴とする製紙用添加剤。
  2. カチオン基を有する澱粉(A)の25℃における固形分15%水溶液の粘度が5〜10,000mPa・sであることを特徴とする請求項1記載の製紙用添加剤。
  3. アニオン基を有する多糖類(B)がカルボキシメチルセルロース類及び/又はカルボキシメチル澱粉類であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製紙用添加剤。
  4. カチオン基を有する澱粉(A)とアニオン基を有する多糖類(B)の含有比が(A):(B)=85〜1:15〜99であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製紙用添加剤。
  5. カチオン基を有する澱粉(A)が酵素で変性した澱粉であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製紙用添加剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製紙用添加剤を添加することを特徴とする紙の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の製紙用添加剤とサイズ剤とを添加することを特徴とする紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103866620A (zh) * 2014-02-25 2014-06-18 苏州恒康新材料有限公司 一种羧甲基淀粉施胶剂及其制备方法

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