JPH11107188A - 強力紙の製造方法 - Google Patents

強力紙の製造方法

Info

Publication number
JPH11107188A
JPH11107188A JP30631097A JP30631097A JPH11107188A JP H11107188 A JPH11107188 A JP H11107188A JP 30631097 A JP30631097 A JP 30631097A JP 30631097 A JP30631097 A JP 30631097A JP H11107188 A JPH11107188 A JP H11107188A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
viscosity
strength
starch
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30631097A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideto Yamada
秀人 山田
Yuji Baba
勇治 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd filed Critical Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP30631097A priority Critical patent/JPH11107188A/ja
Publication of JPH11107188A publication Critical patent/JPH11107188A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課 題】乾燥時の紙力が優れ、かつ、離解の容易な紙
の製造法を提供。 【解決手段】25℃における固形分15%水溶液の粘度
が5及至500cpsとなるように酵素変性したカチオ
ン化澱粉とカルボキシメチルセルロースとを製紙原料に
添加して抄造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乾燥時の紙力が優
れ、かつ、離解の容易な紙の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、製紙工業においては紙の乾
燥時の各種強度を向上させるために、乾燥紙力増強剤が
用いられており、カチオン化澱粉、カチオン化又はアニ
オン化ポリアクリルアミド等の水溶性高分子化合物がそ
の代表例であるが、これらの乾燥紙力増強剤を使用して
抄造した紙は、湿潤紙力増強剤を使用して抄造した紙ほ
どではないが、紙の離解性を悪化させるのが通例であ
り、再離解性の求められる紙、例えばトイレットペーパ
ーや衛生紙には使用が制限される。
【0003】又、環境問題から紙のリサイクルが叫ばれ
る昨今にあっては、紙の再離解に際してエネルギーを消
費しない紙が要求されている。
【0004】一方、再生古紙のリサイクル率が増すにつ
れて、紙の一般強度が低下してくるため、乾燥紙力増強
剤を使用する必要があり、乾燥時の紙力が優れ、かつ、
再離解性の良い紙力増強剤が特に求められている。本発
明者はこの要求に応じて、特定の酵素変性したカチオン
化澱粉からなる紙力増強剤及びそれを使用した紙の製造
法を提案(特願平9−208281号)した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が提案した前
記紙力増強剤はかなりな程度まで前記の要求を満たすも
のではあるが、再離解性が非常に優れているケースでは
紙力増強効果がやや低下するという問題点があった。そ
こで、本発明者は紙力増強効果と再離解性を同時に大幅
に向上させることができる製紙方法を提供することを技
術的課題として、更なる研究・実験を重ねた。
【0006】そして、本発明者は酵素変性により特定の
粘度に至るまで粘度を低下せしめたカチオン化澱粉とカ
ルボキシメチルセルロースとを紙力増強剤として使用す
れば、優れた乾燥紙力が得られると同時に卓越した再離
解性が得られるという制目すべき新知見を得、本発明を
完成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって解決できる。
【0008】即ち、本発明は、25℃における固形分1
5%水溶液の粘度が5乃至500cpsとなるように酵
素変性したカチオン化澱粉とカルボキシメチルセルロー
スとを製紙原料に添加して抄造することを特徴とする離
解容易な強力紙の製造方法である。
【0009】なお、本発明の実施に当っては、前記特定
粘度のカチオン化澱粉とカルボキシメチルセルロースと
の使用比率固形分重量比で前者88:後者2〜前者2
5:後者75とすることが好適である。
【0010】本発明の構成を詳しく説明すれば次の通り
である。
【0011】
【0011】本発明に用いられるカチオン化澱粉は各種
の植物、例えば馬鈴薯、さつまいも、タピオカ等の地下
部から得られる澱粉や、小麦、米、とうもろこし等の穀
物から選られる澱粉又はその誘導体を公知のカチオン化
剤、例えば3−クロロ−ヒドロキシプロピル・トリメチ
ルアンモニウム・クロライドやグリシジールトリメチル
アンモニウムクロライド等と触媒の存在下に反応させる
ことによって得られる。
【0012】又、本発明に使用される澱粉分解酵素には
各種細菌、酵母、動植物の生産するα−アミラーゼ、β
−アミラーゼ、γ−アミラーゼ、Isoアミラーゼ等が
あるが、過度の低分子物や単糖類、寡糖類を生じさせ無
い点でα−アミラーゼがもっとも好ましい。
【0013】本発明に用いる低粘度化カチオン澱粉は前
記カチオン澱粉類を澱粉分解酵素により変性し、低粘度
化したものであるが、未変性のいわゆる生澱粉もしくは
アセチル化、リン酸エステル化等の軽度の変性を受けた
澱粉類に酵素を作用せしめて低粘度化せしめたものに前
記のカチオン化試薬を反応せしめた低粘度カチオン澱粉
も同様の性能を有しているから、本発明に用いることが
できる。
【0014】澱粉の低粘度化法には酵素変性以外にも各
種の酸化的方法、例えば、次亜塩素酸ソーダ、過硫酸ア
ンモニウム等の酸化剤で分子を切断し低粘度化する方法
等があるが元の澱粉に比し紙力増強効果を大幅に減ずる
点で好ましく無い。
【0015】本発明のにおける低粘度カチオンの粘度は
重要であり、25℃における固形分15%水溶液の粘度
が5cps及至500cps,好ましくは10cps及
至200cpsとなるように酵素変性したカチオン化澱
粉を用いる必要があり、粘度が500cpsを超える場
合には、使用した紙の離解性が無添加紙に比し大きく劣
るようになり、又、5cps未満の場合はCMCとの併
用効果が劣る。
【0016】本発明において、前記低粘度化カチオン澱
粉と併用するカルボキシメチルセルロース(以下CMC
という)は繊維素を濃苛性アルカリ液に浸漬し、アルカ
リ繊維素とした後、これにモノクロール酢酸を反応させ
て得られるものであり、一般にナトリウム塩の形を成す
ものであるが、カリウム塩等の水溶性塩は本発明に支障
なく使用することができる。
【0017】又、CMCには各種の置換度、粘度を有す
る製品が市販されているが、十分な水溶性を有する限り
において本発明に使用することができる。但し、水溶液
として使用に供する点から、25℃1%液の粘度が10
00cps以下の比較的低粘度の製品が好ましい。
【0018】本発明においては、前記特定粘度の酵素変
性カチオン化澱粉と前記CMCとが、製紙工程のいわゆ
るウエットエンドと称される位置において水中に分散さ
れた木材パルプ繊維、合成繊維、鉱物繊維等の製紙原料
の水性スラリー中へ任意の順序で添加されて効率良く製
紙原料に定着し、抄き上がった紙に優れた乾燥時の諸強
度をもたらすと同時にたやすく再離解される性質を付与
するものである。
【0019】本発明の実施に当っては、通常の製紙工程
で用いられている各種材料、例えばサイズ剤、硫酸バン
ド等の定着助剤、澱粉類やポリアクリルアミド類等の紙
力増強剤などを本発明の効果を失しない限りにおいて併
用することができる。
【0020】本発明は、あらゆる紙又は湿式法繊維シー
トの製造に適用できるが、特にトイレットペーパー、テ
ィッシュペーパー、衛生紙等の速やかな水離解性を求め
られる紙や、新聞紙、コピー用紙、プリンター用紙、雑
誌用紙、段ボール用紙、等のリサイクル対象の紙の製造
に適用すれば有益である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施形態は次の
通りである。なお、以下において、特に断らない限り、
「%」とあるのは重量%を、「部」とあるのは重量部を
意味する。
【0022】[酵素変性カチオン化澱粉の調製]置換率
(DS)0.035を有するタピオカ原料のカチオン化
澱粉の20%水分散液にα−アミラーゼを澱粉重量に対
して0.02%混合し、攪拌しつつ80〜85℃に加温
し、10分間反応分解せしめた後希硫酸添加して液のp
Hを3.5〜4.0と下後96〜100℃に10分間加
熱後、冷却し、水で希釈して固形分濃度15%で、25
℃における粘度50cpsの酵素変性カチオン化澱粉液
を得た。
【0023】(a)離解容易な強力紙の製造:カナディ
アンフリーネス360ccに叩解した晒しクラフトパル
プ(L−BKP)の1%パルプスラリーに、ここで得ら
れた酵素変性カチオン化澱粉液とCMC(セロゲン7
A:第一工業製薬(株)製)とを、それぞれ対気乾パル
プ重量に対して、合計量が固形分2.0%(澱粉1.9
%・CMC0.1%)となるように添加し、TAPPI
スタンダードシートマシンにより常法通り手抄シートを
調製した。得られた湿紙は110℃のプレートドライヤ
ーにより2分間乾燥し60g/mに相当する手抄紙
(強力紙)を得た。
【0024】(b)強力紙の評価方法 ・離解性テスト:1cmに裂いた紙片0.6gを20
0ccの水中に入れ攪拌機を用いて300rpmで攪拌
し、紙片が完全に離解するまでの時間を測定。 ・乾時裂断長 :JISP−8113に準拠
【0025】評価結果は、離解性テスト110秒、乾燥
時裂断長5.05であり、紙力が優れ、かつ、離解の容
易な強化紙が得られることが確認できた。
【0026】[実施例]以下に、実施例及び比較例を挙
げて、本発明をより詳しく説明する。
【0027】[実施例1〜6、及び比較例1〜7]
【0028】製造例1:置換率(DS)0.035を有
するタピオカ原料のカチオン化澱粉の20%水分散液に
α−アミラーゼを澱粉重量にたいして0.02%混合
し、攪拌しつつ80〜85℃に加温し、10分間反応分
解せしめた後希硫酸を添加して液のpHを3.5〜4.
0とした後96〜100℃に10分間加熱後、冷却し、
水で希釈して固形分濃度15%で、25℃における粘度
50cpsの酵素変性カチオン化澱粉溶液を得た。
【0029】製造例2:α−アミラーゼを澱粉に対して
0.1%使用する以外は製造例1と同様に操作して固形
分濃度15%で25℃における粘度8cpsを有する酵
素変性カチオン化澱粉溶液を得た。
【0030】比較製造例:α−アミラーゼを澱粉に対し
て0.0035%使用する以外は製造例1と同様に操作
して15%液の25℃における粘度700cpsを有す
る酵素変性カチオン化澱粉の水溶液を得た。
【0031】(a)離解容易な強力紙の調製 カナディアンフリーネス360ccに叩解した晒しクラ
フトパルプ(L−BKP)の1%パルプスラリーに、製
造例1〜2の各酵素変性カチオン化澱粉、比較製造例1
の酵素変性カチオン化澱粉及び表1記載のCMCを、そ
れぞれ対気乾パルプ重量に対して、合計量が固形分2.
0%(澱粉・CMCの固形分含量は表1に示した。)と
なるように添加し、TAPPIスタンダードマシンによ
り常法通り手抄シートを調製した。得られた湿紙は11
0℃のプレードライヤーにより2分間乾燥し60g/m
に相当する手抄紙を得た。
【0032】手抄紙は20℃、相対湿度65%の湿度に
一昼夜調湿後、乾燥時の紙力及び離解性を試験した。試
験結果を表1に示す。
【0033】(b)強力紙の評価方法: ・離解性テスト:1cmに裂いた紙片0.6gを20
0ccに入れ攪拌機を用いて300rpmで攪拌し、紙
片が完全に離解するまでの時間を測定。 ・乾燥時裂断長:JISP−8113に準拠。
【0034】 (c)表1注: *添加率 :対気乾パルプ, 固形分含量%。 *CMC−1:第一工業製薬(株)製セロゲン7A。 *CMC−2:同上 セロゲンWS−A。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、特定粘度の酵素変性カ
チオン化澱粉とCMCとの相乗効果により、実施の形態
及び実施例に示した通りの優れた乾燥時の紙力増強効果
と同時に優れた再離解性を紙に付与することができる。
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】25℃における固形分15%水溶液の粘度
    が5及至500CPSとなるように酵素変性したカチオ
    ン化澱粉とカルボキシメチルセルロースとを製紙原料に
    添加して抄造することを特徴とする離解容易な強力紙の
    製造方法。
  2. 【請求項2】25℃における固形分15%水溶液の粘度
    が5及至500CPSとなるように酵素変性したカチオ
    ン化澱粉とカルボキシメチルセルロースとの使用比率が
    固形分重量比率で前者88:後者2〜前者25:後者7
    5である請求項1記載の離解容易な強力紙の製造法。
JP30631097A 1997-10-01 1997-10-01 強力紙の製造方法 Pending JPH11107188A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30631097A JPH11107188A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 強力紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30631097A JPH11107188A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 強力紙の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11107188A true JPH11107188A (ja) 1999-04-20

Family

ID=17955576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30631097A Pending JPH11107188A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 強力紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11107188A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003027392A (ja) * 2001-07-16 2003-01-29 Oji Paper Co Ltd プリント化粧板用薄葉紙及びその製造方法
WO2005073462A1 (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Daio Paper Corporation クレープ紙およびクレープ紙の製造方法
JP2008517174A (ja) * 2004-10-15 2008-05-22 ストゥラ エンソ アクチボラグ 紙または板紙の製造方法および該方法によって製造された紙または板紙

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003027392A (ja) * 2001-07-16 2003-01-29 Oji Paper Co Ltd プリント化粧板用薄葉紙及びその製造方法
WO2005073462A1 (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Daio Paper Corporation クレープ紙およびクレープ紙の製造方法
JP2008517174A (ja) * 2004-10-15 2008-05-22 ストゥラ エンソ アクチボラグ 紙または板紙の製造方法および該方法によって製造された紙または板紙

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2236415C (en) Paper and paper-like products including water insoluble fibrous carboxyalkyl cellulose
EP2010573B1 (en) Cationic polysaccharide, its preparation and use
EP0960236B1 (en) Lumen loading of mineral filler into cellulose fibers for papermaking
EP0080986A2 (en) A process for papermaking
US2935436A (en) Method of making paper containing a starch ether and product produced thereby
JPH11508329A (ja) 製紙用添加剤としての膨潤でんぷん
WO2019189590A1 (ja) カルボキシメチル化ミクロフィブリルセルロース繊維およびその組成物
WO2019189595A1 (ja) カルボキシメチル化ミクロフィブリルセルロース繊維およびその組成物
JP3876522B2 (ja) 製紙用紙力増強剤及び強力紙の製造法
US4554021A (en) Preparation of a cationic starch paste
US8821689B1 (en) Starch-biogum compositions
US3737370A (en) Process for making paper and paper made therefrom using liquid cationic starch derivatives
EP1540081A1 (en) Papers comprising a boron-containing compound and a method of making same
US3219519A (en) Starch ethers in paper
US3620913A (en) A process of making paper and paper made therefrom using starch anthranilate
NO152606B (no) Analogifremgangsmaate til fremstilling av nye farmasoeytiske anvendbare 2-imidazolin-1-yl-urinstoff-og amidoforbindelser
JP3543551B2 (ja) 離解容易な内添紙力増強剤及び離解容易な紙又は繊維シートの製造法
JPH11107188A (ja) 強力紙の製造方法
US3219518A (en) Reaction product of dialdehyde with starch ether in paper
US3236721A (en) Reaction product of a dialdehyde polysaccharide with a metal salt and preparing paper containing same
US3387998A (en) Surface-sizing of paper with cyanoethyl acid hydrolyzed starch
JPH0345158B2 (ja)
JP2000027092A (ja) 中性紙
US1850139A (en) Papermaking composition
US6265570B1 (en) Cold water soluble starch aldehydes and the method of preparation thereof