JP4061084B2 - 低粘度化された両性澱粉とその製造方法及び抄紙方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カチオン澱粉に尿素とリン酸類を添加して乾式にて焙焼反応することによりリン酸化と同時に低粘度化をさせる両性澱粉の製造方法、該製造方法によって得られる両性澱粉、及び該両性澱粉をパルプスラリーに添加して抄紙する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙又は板紙の抄紙においてワイヤーパートにおける濾水性を上げること、同じくワイヤーパート上に形成されるシート中の填料やファイン(微細繊維)のリテンションを向上させること、また抄紙した紙又は板紙の紙力を向上させることを目的として、パルプスラリーに硫酸バンド、サイズ剤等の内添薬品と共にカチオン澱粉や両性澱粉の糊液を添加することは従来から行われている技術である。
【0003】
中でも近年においては環境問題から紙や板紙の古紙パルプの使用率が高まり、リサイクルが進むことで古紙を配合した原料パルプの劣化のため、紙又は板紙の紙力低下を余儀なくされている。そこで、紙や板紙の強度を向上させる紙力剤としてのカチオン澱粉の添加量を増加させて対応しているが、このような澱粉系紙力剤は100%シート中に歩留まらないため、白水中に流れ、抄紙系内の高度なクローズ化と相まって抄紙系内の汚れが増加し、生産性の低下、操業安定性の低下を招いている。そこで、このような問題を少しでも解決するために、両性澱粉を利用し、生産性に影響する濾水性の向上と抄紙系内の汚れの増加を防ぐリテンションの向上を図っている。この両性澱粉及びその製造方法は特公平4−32081号公報に記載されている方法が知られているが、この製造方法によって製造された両性澱粉の能力では近年の抄紙現況には対応できなくなってきており、それを補うために増添させていっても頭打ちになってしまう。
【0004】
また、特開2001−19701号公報には、この点を改良し濾水性を更に向上させ、増添をしても頭打ちになりずらい尿素リン酸化された両性澱粉が記載されているが、この両性澱粉は、尿素リン酸化のpHを6.0〜10.0に調節することにより製造されるもので、低粘度化処理はされておらず、このような内添用紙力剤は前記のようにシート中に100%は歩留まらないため、澱粉を増添することは抄紙系内の高度なクローズ化のために抄紙系内での蓄積を助長し、抄紙機の汚れを増加させ、系内バランスを崩す原因となることが指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、前記のような現況を鑑みて、本発明では濾水性やリテンションを維持しつつ、増添せずに優れた紙力増強効果を発揮する両性澱粉とその製造方法を提供することを目的とする。また他の目的は、この両性澱粉を利用して良好な濾水性とリテンションを維持しながら抄紙機の汚れを増加させ、系内バランスを崩す原因となる澱粉の増添をすることなく、高い紙力の紙又は板紙を抄紙する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、三級アミン及び/又は四級アンモニウム塩を導入したカチオン澱粉に尿素リン酸処理を施し、低粘度化(低分子化)及びリン酸化を同時に行うことにより、良好な濾水性とリテンションを維持しながら澱粉を増添することなく、高い紙力の紙又は板紙を抄紙できる紙力増強効果に優れる両性澱粉及びその製造方法を見出した。
【0007】
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)製紙用両性澱粉を製造するに際し、カチオン置換度0.01〜0.06の、三級アミン及び/又は四級アンモニウム塩を導入したカチオン澱粉に、混合後のスラリーpHが5.0以下になるように尿素及び無機リン酸類を添加し、次いで乾式で110〜180℃において焙焼反応させ、5%の糊液B型粘度(60rpm、50℃)が5〜500mPa・sであり、かつ、アニオン置換度0.0005〜0.03のリン酸基が導入された両性澱粉を得ることを特徴とする両性澱粉の製造方法。
(2)無機リン酸類が正リン酸並びに無機リン酸類のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記(1)に記載の両性澱粉の製造方法。
(3)尿素と無機リン酸類の他に無機酸及び/又は有機酸を添加する前記(2)に記載の両性澱粉の製造方法。
(4)前記(2)又は(3)に記載の製造方法によって得られる両性澱粉。
(5)前記(4)に記載の両性澱粉を添加したパルプスラリーを抄紙することを特徴とする紙又は板紙の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる原料澱粉は格別限定されるものではなく、タピオカスターチ、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉又は小麦澱粉等の未加工澱粉や、これらの未加工澱粉にその後のカチオン化とリン酸エステル化に必要なヒドロキシル基が残っているならば、公知の方法によりアセチル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化等の置換基を導入した化学修飾澱粉、また酸、酸化、酵素等により予め低粘度化(低分子化)した澱粉等を用いることができる。また、これらの澱粉を2種類以上組み合わせて使用することもできる。
【0009】
本発明における原料澱粉のカチオン化は公知のいかなる技術を用いて行ってもよく、カチオン化剤としてはジエチルアミノエチルクロライド等のような三級アミン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド等のような四級アンモニウム塩等が好ましく使用される。カチオン化には、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等アルカリ土類金属水酸化物が用いられる。
【0010】
カチオン澱粉のカチオン置換度は0.01〜0.06であることが必要であり、好ましくは0.02〜0.06である。前記置換度が0.01未満では本発明の効果が低く、0.06を超えると反応の困難さやコストが増大し実用的ではなくなる。
【0011】
カチオン化に続き尿素リン酸処理にて低粘度化とリン酸エステル化を同時に行い低粘度化両性澱粉とする。両性澱粉を製造する場合、カチオン澱粉にアニオン基を導入しなければならないが、コスト、作業性の面からリン酸エステル基が好んで利用されている。リン酸エステル基を導入する方法はトリポリリン酸ナトリウム等のリン酸塩を単独で添加して、焙焼反応させることによりリン酸エステル基を導入する方法、又はリン酸塩とともに尿素を添加して焙焼反応によりリン酸エステル基とカルバミン酸エステル基(アニオン基ではない)を導入する方法等がある。一方、従来の方法はいずれの方法も薬品混合後のpHが5.5〜6.0以上にすることを条件としている。これは、pHが低いと焙焼反応中に低分子化が起こり両性澱粉の機能が損なわれると信じられていたためである。事実、酸変性(無機酸や有機酸による低分子化反応)や酸化によって低分子化した両性澱粉はその機能を減じてしまう。
【0012】
本発明においては、薬品混合後のスラリーpHが5.0以下、好ましくは1.5〜4.0になるように無機リン酸類と尿素を組み合わせ、焙焼反応によりリン酸エステル化と同時にコントロールされた低粘度化を起こさせることで従来の両性澱粉にはない機能を付与させることができる。
【0013】
本発明で用いられる無機リン酸類としては、例えば、正リン酸(オルトリン酸)、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩)及びアンモニウム塩、具体的にはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸水素ナトリウム、リン酸水素アンモニウムが挙げられ、これらが単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0014】
カチオン澱粉へのリン酸類と尿素の添加率はリン酸類が澱粉固形分あたり0.2〜5.0重量%、尿素は0.5〜10.0重量%であることが好ましく、粘度コントロールのために少量(通常、リン酸類に対して50mol%以内)の他の無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸)及び/又は有機酸(例えば、酢酸、蓚酸、クエン酸、マレイン酸)を添加することができるが、薬品混合後のスラリーpHが5.0以下になることが条件である。リン酸類、尿素、(及び少量の他の酸)を水に溶解後、カチオン澱粉に均一に含浸混合させる。薬品の含浸混合は均一に混合できるならば、公知のあらゆる方法が使用できる。含浸混合後、気流乾燥等により水分15重量%以下、好ましくは6重量%以下に乾燥するが、乾燥方法は特別限定されない。
【0015】
乾燥後、焙焼反応器に入れ110〜180℃で数分から数時間焙焼反応を行う。焙焼温度が低すぎるとリン酸エステル化が進みづらく、高すぎると着色反応が起き、商品価値を減ずることになる。焙焼反応の条件(焙焼温度、焙焼時間)はリン酸類、尿素、(その他の酸)の添加量、焙焼反応器の種類及び求める品質(リン酸エステル基量、粘度等)によって適宜選択される。
【0016】
リン酸エステル基の置換度は0.0005〜0.03であることが必要であり、カチオン基とアニオン基(リン酸エステル基)のモル比は1:0.05〜0.5であることが望ましい。前記モル比が小さすぎると両性澱粉としての機能が果たせず、大きすぎると澱粉分子間の凝集が強くなりすぎてやはり両性澱粉としての機能が低下する。
【0017】
焙焼反応終了後の低粘度化(低分子化)の程度は5%の糊液B型粘度(60rpm、50℃)で5〜500mPa・sであることが必要であり、これより低すぎても、高すぎても本両性澱粉の特長である優れた紙力増強効果を発揮することができない。前記5%の糊液B型粘度(60rpm、50℃)は5〜250mPa・sであることが好ましい。
【0018】
本両性澱粉は糊化された状態でパルプスラリーに添加され、糊化方式はバッチ方式又は連続糊化方式によってクッキングされる。使用するパルプの種類や抄紙pHは目的に応じ適宜選択され、他の内添薬品(硫酸バンド、サイズ剤、填料、その他の紙力増強剤等)も必要に応じて添加することができる。糊化した両性澱粉は他の内添薬品同様マシンチェストやヘッドボックス等でパルプスラリーに添加され、添加量は0.1〜2.0重量%であることが望ましい。本両性澱粉を添加したパルプスラリーは一般的な紙又は板紙の製造方法と同様に抄紙され、目的の紙又は板紙を得ることができる。
【0019】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例において部及び%は重量基準である。
【0020】
(実施例1)
水150部にタピオカスターチ100部を溶解し、40℃に加温した。3%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH11.5とし、四級アンモニウム塩カチオン化剤として3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを5.8部添加した後、温度とpHを維持しながら16時間反応し、pHを6.0に調整することで反応を終了させた。反応終了後のスラリーは脱水、洗浄、乾燥し水分12%のカチオン澱粉を得た。得られたカチオン澱粉をケルダール法により窒素量を測定し、四級アンモニウム塩の置換度を算出したところ0.04であった。
【0021】
対澱粉15%の水に対澱粉0.8%の正リン酸と、対澱粉3.0%の尿素を溶解し、前記カチオン澱粉に薬液と澱粉が均一になるように含浸混合させた。混合後のスラリーpHは2.3であった。次いで、水分5%まで乾燥させた後、2つに小分けし、熱風式加熱器を用いてそれぞれ135℃、155℃で30分加熱することにより、焙焼反応を行い、リン酸エステル化(アニオン化)と同時に低粘度化を施した両性澱粉A、Bを得た。得られた両性澱粉を塩酸酸性水−エタノール1:1液で精製した後、フィスケ・スバロー法により結合P量を測定し、リン酸エステルの置換度を算出した。B型粘度は5%スラリーを撹拌しながら95℃で30分加熱糊化した後、50℃まで冷却し、ブルックフィールド型粘度計を使用して60rpm、15回転目で測定した。分析結果を表1に示す。
【0022】
(実施例2)
焙焼反応に際し、対澱粉15%の水に対澱粉0.3%の正リン酸、対澱粉0.8%のリン酸二水素ナトリウムと、対澱粉3.0%の尿素を溶解し、実施例1で得られたカチオン澱粉に薬液と澱粉が均一になるように含浸混合させた。混合後のスラリーpHは2.8であった。他は実施例1の方法に従って両性澱粉C、Dを得た。分析結果を表1に示す。
【0023】
(実施例3)
焙焼反応に際し、対澱粉15%の水に対澱粉0.8%の正リン酸、対澱粉3.0%の尿素と対澱粉0.02%の塩酸を溶解し、実施例1で得られたカチオン澱粉に薬液と澱粉が均一になるように含浸混合させた。混合後のスラリーpHは2.2であった。他は実施例1の方法に従って両性澱粉E、Fを得た。分析結果を表1に示す。
【0024】
(実施例4)
カチオン化反応に際し、三級アミンカチオン化剤としてジエチルアミノエチルクロライド塩酸塩を対澱粉5.3部添加した他は実施例1の方法に従って両性澱粉G、Hを得た。分析結果を表1に示す。
【0025】
(比較例1)低粘度化処理をしない例
実施例で製造した両性澱粉の性能比較を行うために、従来一般的に製造されている両性澱粉を製造した。対澱粉15%の水に対澱粉1.8%のトリポリリン酸ナトリウムを溶解し、塩酸にてpHを7.0に調整した。この薬液を実施例1で得られたカチオン澱粉と均一になるように含浸混合させた。次いで、水分5%まで乾燥させた後、熱風式加熱器を用いて145℃で30分加熱することにより、焙焼反応を行い、低粘度化処理をせず、リン酸エステル化(アニオン化)のみを施した両性澱粉aを得た。分析は実施例1と同様に行い、結果を表1に示す。
【0026】
(比較例2)リン酸塩と尿素を組み合わせるが低粘度化処理はしていない例
対澱粉15%の水に対澱粉0.8%の正リン酸と、対澱粉3.0%の尿素を溶解し、水酸化ナトリウムにてpHを7.0に調整した。この薬液を実施例1で得られたカチオン澱粉と均一になるように含浸混合させた。次いで、水分5%まで乾燥させた後、熱風式加熱器を用いて140℃で30分加熱することにより、焙焼反応を行い、低粘度化処理をせず、リン酸エステル化(アニオン化)のみを施した両性澱粉bを得た。分析は実施例1と同様に行い、結果を表1に示す。(5%B型粘度は1060mPa・sとなり本発明の範囲から外れている。)
【0027】
(比較例3)後処理にて低粘度化した例
比較例1で得た両性澱粉aを5%スラリーとし、過硫酸アンモニウム(酸化剤)を対澱粉0.015%添加溶解し、このスラリーを連続式クッキング装置を用いて150℃で5分クッキングすることで過硫酸アンモニウムの酸化による低粘度化を行った。クッキング後の糊液は水酸化ナトリウムにてpH6.0に調整し、温水にて5%濃度に再調整することで後処理低粘度化両性澱粉cを得た。B型粘度はこの糊液を50℃まで冷却して測定した。
【0028】
【表1】
【0029】
(試験例)
実施例1〜4及び比較例1〜3より得られた両性澱粉A〜H及びa〜cを用い、評価試験として紙の抄紙試験を行った。
(1)両性澱粉の調製
両性澱粉はすべて1.0%濃度のスラリーとし、95℃で30分糊化した後、室温に冷却した糊液を使用した。
【0030】
(2)パルプスラリーの調製
離解した1.0%古紙パルプスラリー120gに撹拌しながら硫酸バンドを固形分として対絶乾パルプ0.5%添加し、続いて両性澱粉糊液を固形分として対絶乾パルプ0.5及び1.0%添加、次いでサイズ剤(AKD:アルキルケテンダイマー)を固形分として対絶乾パルプ0.05%添加した後、水にて0.3%スラリーになるように希釈した。
【0031】
(3)試験紙の調製
調製されたパルプスラリーを丸形シートマシンで坪量60g/m2のウェットシ−トを抄紙した。続いてシートプレス機にて5.0kg/cm2で3分間プレスし、次いで回転式乾燥機にて105℃で2分間乾燥後、23℃、50%R.H.で一晩調湿した。
【0032】
(4)試験紙の評価
調製した試験紙は以下の方法で評価した。
比破裂強さ:JIS P 8112に準じて測定した。
層内強度: JAPAN TAPPI試験法No.18−2に準じて測定した。
灰分歩留り:試験紙を575℃で灰化して測定した。
【0033】
(5)濾水性の評価
離解した1.0%古紙パルプスラリー300gに撹拌しながら硫酸バンドを固形分として対絶乾パルプ0.5%添加し、続いて両性澱粉糊液を固形分として対絶乾パルプ0.5及び1.0%添加、次いでサイズ剤(AKD:アルキルケテンダイマー)を固形分として対絶乾パルプ0.05%添加した後、水にて0.3%スラリーになるように希釈し、直ちにブリットジャーに注ぎ、濾水性を測定した。
【0034】
(6)評価結果
得られた結果を表2に示した。本発明による低粘度化された両性澱粉A〜Hは従来の両性澱粉a、bに比較して著しい強度の向上が認められた。また、比較例3の両性澱粉cのように後処理によって低粘度化したものは効果がないことも再確認できた。よって、本発明のようにアニオン化と同時に低粘度化を施した両性澱粉のみが紙又は板紙の製造において澱粉を増添することなく、良好な濾水性とリテンションを維持しながら、高い紙力の紙又は板紙を抄紙することができる。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、濾水性やリテンションを維持しつつ、増添せずに優れた紙力増強効果を発揮する両性澱粉とその製造方法を提供することができる。
更に、前記両性澱粉を内添剤として使用することにより、高い紙力を得るための澱粉の増添をすることなく、良好な濾水性やリテンションを維持しながら、高い紙力の紙又は板紙を抄紙することができる。
Claims (3)
- カチオン置換度0.01〜0.06の、三級アミン及び/又は四級アンモニウム塩を導入したカチオン澱粉に、混合後のスラリーpHが5.0以下になるように尿素、並びに正リン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機リン酸類を添加し、次いで乾式で110〜180℃において焙焼反応させ、5%の糊液B型粘度(60rpm、50℃)が5〜500mPa・sであり、かつ、アニオン置換度0.0005〜0.03のリン酸基が導入された両性澱粉を得、次いで当該両性澱粉を添加したパルプスラリーを抄紙することを特徴とする紙又は板紙の製造方法。
- 無機リン酸類が正リン酸並びに無機リン酸類のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の製造方法。
- 尿素と無機リン酸類の他に無機酸及び/又は有機酸を添加する請求項2記載の製造方法。
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