JPH1025695A - 紙の製造法 - Google Patents

紙の製造法

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JPH1025695A
JPH1025695A JP18449696A JP18449696A JPH1025695A JP H1025695 A JPH1025695 A JP H1025695A JP 18449696 A JP18449696 A JP 18449696A JP 18449696 A JP18449696 A JP 18449696A JP H1025695 A JPH1025695 A JP H1025695A
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JP
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pulp
resin
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JP18449696A
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Toshishige Hamaguchi
利重 浜口
Shigeto Makino
重人 牧野
Fujiko Kumei
藤子 粂井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルプスラリーに填料を配合する処方に対
し、特定の薬剤を添加することにより、得られる紙の物
理的強度特性の向上を図るとともに、填料の定着を促進
する。 【解決手段】 脂肪族ジカルボン酸系化合物(I)、ポ
リアルキレンポリアミン(II)およびエピハロヒドリン
(III) を、脂肪族ジカルボン酸系化合物(I)/ポリア
ルキレンポリアミン(II)=1/1.0〜1.2のモル比
で、かつポリアルキレンポリアミン(II)中の2級アミ
ノ基/エピハロヒドリン(III) =1/0.85〜1.25の
モル比で反応させて得られる陽イオン性樹脂、ならびに
填料を、パルプスラリーに添加して抄紙する。 【効果】 高い填料定着効果と紙力増強効果が同時に発
揮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙の製造法に関する
ものであり、さらに詳しくは、填料および特定の樹脂を
パルプスラリーに添加して抄紙する方法に関するもので
ある。なお、本明細書で用いる「紙」という語は、狭義
の意味でいう紙のほか、いわゆる板紙をも包含する意味
である。
【0002】
【従来の技術】各種の用途に使用される紙には、不透明
度や白色度などを付与するために、填料が配合されてい
ることが多い。パルプスラリーに填料を添加し、抄紙す
ることによって、填料内添紙が製造される。最近、抄紙
機の高速化あるいは紙の軽量化などの高品質化に伴い、
より多くの填料を、より効果的に使用することが望まれ
ている。とりわけ、多量の填料を添加し、高い填料歩留
り率で、填料含有量の高い紙を製造することに対する要
望が強い。
【0003】従来より、澱粉やポリアクリルアミド系樹
脂のような水溶性高分子、またかかる水溶性高分子と鉱
物質微粒子との組合せなどが、填料歩留り向上剤として
用いられ、抄紙原料中に添加されている。しかしなが
ら、これら公知の填料歩留り向上剤は、大きな効果を得
ることを目的としてその添加量を増加すると、得られる
紙の地合不良を招くなどの問題があり、填料を多量に含
有する紙を得ることは、一般に困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、パル
プスラリーに填料を配合する処方に対し、特定の薬剤を
添加することにより、得られる紙の物理的強度特性の向
上を図るとともに、填料の定着を促進することにある。
【0005】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意
研究を行った結果、特定の成分を特定の割合で反応させ
て得られる陽イオン性樹脂を用いることにより、優れた
物理的強度と填料歩留り率を有する紙が得られることを
見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 脂
肪族ジカルボン酸系化合物(I)、ポリアルキレンポリ
アミン(II)およびエピハロヒドリン(III) を、脂肪族
ジカルボン酸系化合物(I)/ポリアルキレンポリアミ
ン(II)=1/1.0〜1.2のモル比で、かつポリアルキ
レンポリアミン(II)中の2級アミノ基/エピハロヒド
リン(III) =1/0.85〜1.25のモル比で反応させて
得られる陽イオン性樹脂、ならびに填料を、パルプスラ
リーに添加して抄紙することにより、紙を製造する方法
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で紙の製造に用いるパルプ
は、ケミカルパルプをはじめとして、セミケミカルパル
プ、ケミグランドパルプ、メカニカルパルプなど、紙の
製造に一般的に用いられているものであることができ
る。また填料は、公知の各種白色系充填剤、例えば、タ
ルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化カルシウ
ム、アルミナ、ホワイトカーボンなどの無機填料、また
は尿素樹脂などの有機填料であることができ、これらを
それぞれ単独で、または2種類以上組み合わせて用いる
ことができる。填料の添加量は、乾燥パルプの重量を基
準に0.1〜500重量%程度の範囲から、任意に選択す
ることができるが、特に、乾燥パルプの重量を基準に填
料を1重量%以上、さらには10重量%以上用いた場合
でも、本発明の方法は高い填料定着効果を発揮する。
【0008】本発明においては、パルプスラリーに填料
を添加するとともに、さらに特定の陽イオン性樹脂を製
紙用添加剤として添加する。 ここで用いる陽イオン性
樹脂は、脂肪族ジカルボン酸系化合物(I)、ポリアル
キレンポリアミン(II)およびエピハロヒドリン(III)
の反応生成物であって、かつこれら三成分を、以下の条
件を満たすモル比で反応させて得られるものである。
【0009】(I)/(II)=1/1.0〜1.2 (II)中の2級アミノ基/(III) =1/0.85〜1.25
【0010】この陽イオン性樹脂は、通常、脂肪族ジカ
ルボン酸系化合物(I)に対し、ポリアルキレンポリア
ミン(II)を1.0〜1.2のモル比で加熱縮合させてポリ
アミドポリアミンとし、これにさらにエピハロヒドリン
(III) を、ポリアルキレンポリアミン(II)中の2級ア
ミノ基に対して0.85〜1.25のモル比で反応させるこ
とによって得られる。
【0011】陽イオン性樹脂の製造に用いる脂肪族ジカ
ルボン酸系化合物(I)とは、分子内に2個のカルボキ
シル基を有する脂肪族化合物およびそのアミン反応性誘
導体を総称する意味であり、遊離酸のほか、そのモノエ
ステルまたはジエステル、酸無水物なども包含される。
かかる脂肪族ジカルボン酸系化合物の代表的なものとし
ては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
セバシン酸のような遊離のジカルボン酸、マロン酸モノ
エチル、アジピン酸モノメチル、マロン酸ジエチル、ア
ジピン酸ジメチルのようなエステル、無水コハク酸、無
水グルタル酸のような酸無水物などが挙げられる。工業
的には、アジピン酸が好ましい。
【0012】ポリアルキレンポリアミン(II)は、分子
内に2個の1級アミノ基および少なくとも1個の2級ア
ミノ基を有し、アミノ基同士を結合するアルキレンが少
なくとも2個存在する脂肪族化合物であって、具体的に
は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミ
ン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジ
アザデカン−1,10−ジアミンなどが挙げられる。
【0013】脂肪族ジカルボン酸系化合物(I)とポリ
アルキレンポリアミン(II)との縮合反応においては、
前者1モルに対し、後者を1.0〜1.2モルの範囲で、す
なわち脂肪族ジカルボン酸系化合物(I)に対してポリ
アルキレンポリアミン(II)が等モルか若干過剰モル比
となるように反応させる。またこの際、陽イオン性樹脂
の性能を阻害しない範囲で、アミノカルボン酸類を併用
することもできる。アミノカルボン酸類の例としては、
グリシン、アラニン、アミノカプロン酸のようなアミノ
カルボン酸、それらのエステル誘導体、さらにはカプロ
ラクタムのようなラクタム類などが挙げられる。
【0014】脂肪族ジカルボン酸系化合物(I)とポリ
アルキレンポリアミン(II)との重縮合に際しては、鉱
酸やスルホン酸類を触媒として用いることができる。鉱
酸の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げ
られ、スルホン酸類の例としては、ベンゼンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸などがあげられる。なかで
も、硫酸またはスルホン酸類が好ましい。このような酸
触媒を用いる場合は、ポリアルキレンポリアミン1モル
に対して、通常0.005〜0.1モルの範囲、好ましくは
0.01〜0.05モルの範囲で使用される。
【0015】重縮合によるポリアミド化反応は加熱下で
行われ、その際の温度は、100〜250℃の範囲が適
当であり、好ましくは130〜200℃の範囲である。
そして、生成ポリアミドポリアミンを50重量%水溶液
としたときの25℃における粘度が0.4〜1Pa・s程度と
なるまで、反応を続けるのが好ましい。
【0016】次に、こうして得られるポリアミドポリア
ミンは、水溶液中でエピハロヒドリン(III) と反応させ
る。ここで用いるエピハロヒドリン(III) としては、エ
ピクロロヒドリンやエピブロモヒドリンなどが挙げられ
るが、工業的には、エピクロロヒドリンが好ましい。ポ
リアミドポリアミンとエピハロヒドリン(III) の反応
は、反応物濃度10〜70重量%、好ましくは25〜6
0重量%の水溶液中で行われる。この際エピハロヒドリ
ン(III) は、ポリアミドポリアミン中の2級アミノ基1
モルに対し、0.85〜1.25モルの範囲で用いられ、さ
らには1〜1.25モルの範囲で用いるのがより好まし
い。この反応は、10〜80℃程度の温度で行うのが好
ましい。
【0017】反応終了後は、樹脂濃度が1〜50重量
%、好ましくは5〜35重量%となるように、必要に応
じて水で希釈し、次いで、酸、例えば、塩酸、硫酸、リ
ン酸、蟻酸、酢酸などを加えて、pH1.5〜5に調整す
ることにより、本発明で用いる陽イオン性樹脂の水溶液
が得られる。
【0018】こうして得られるポリアミドポリアミン−
エピハロヒドリン樹脂は、陽イオン性でかつ熱硬化性で
あって、本発明により製紙用添加剤として用いられる。
この陽イオン性樹脂をパルプスラリーに配合するにあた
って、その添加量は、パルプの乾燥重量を基準に0.01
〜5重量%程度が好ましい。この陽イオン性樹脂は、パ
ルプとよく混合できるように添加すればよく、その添加
時期に特別な制限はない。また、本発明の方法を実施す
るにあたり、抄紙自体は従来から公知の方法に従って行
うことができる。すなわち、パルプの水性分散液に、前
記のような填料および陽イオン性樹脂を添加し、よく混
合してから抄紙すればよい。
【0019】この際、紙の製造に通常用いられている薬
剤も、本発明の効果を損なわない範囲で添加することが
できる。例えば、硫酸アルミニウム(いわゆる硫酸バン
ド)は、サイズ剤として、あるいはポリアクリルアミド
等の定着剤として、一般的に使用されており、本発明に
おいても用いることができる。また、他のサイズ剤など
も使用可能である。
【0020】本発明で用いるポリアミドポリアミン−エ
ピハロヒドリン樹脂は、脂肪族ジカルボン酸系化合物
(I)に対してポリアルキレンポリアミン(II)を1.0
〜1.2のモル比で反応させ、さらにポリアルキレンポリ
アミン(II)中の2級アミノ基に対してエピハロヒドリ
ン(III) を0.85〜1.25のモル比で反応させたもので
あり、中性領域で適度の陽イオン性を示すことから、填
料の高添加領域でも、抄紙系の電荷バランスを良好な状
態に保つことになる。そのため本発明によれば、填料を
多量に含有する紙を製造することが可能となり、例え
ば、パルプの乾燥重量を基準に填料を10重量%以上、
さらには50重量%以上添加する場合でも、高い填料歩
留り率が得られる。このような高い填料歩留り率は、前
述した各種の填料に対して有効に発揮されるが、本発明
の方法はとりわけ、二酸化チタンや水酸化アルミニウム
を填料とする場合に有効である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。なお、例中にある%は、特にことわりの
ない限り重量%を表す。また、pHおよび粘度は25℃
において測定した。
【0022】合成例1 温度計、還流冷却器および撹拌棒を備えた1リットルの
四つ口フラスコに、ジエチレントリアミン206g
(2.0モル)、アジピン酸272g(1.86モル)、水1
0gおよび98%硫酸4g(0.04モル)を仕込み、水
を抜きながら155〜165℃で20時間反応させた。
その後、水を加えて濃度50%に調整したところ、得ら
れたポリアミドポリアミン水溶液の粘度は0.59Pa・sで
あった。別のフラスコに、この50%ポリアミドポリア
ミン水溶液128g(2級アミノ基として0.3モル)お
よび水120gを仕込み、エピクロロヒドリン33g
(0.36モル)を添加した。60〜65℃で保温し、粘
度が0.45Pa・sに達したところで硫酸にてpH3.4に調
整し、さらに水にて濃度15%に希釈することにより、
粘度0.043Pa・sの樹脂水溶液を得た。この樹脂水溶液
を樹脂A1とする。
【0023】合成例2 合成例1で用いたのと同じフラスコに、ジエチレントリ
アミン206g(2.0モル)、 アジピン酸278g
(1.9モル)、 水10gおよび98%硫酸3g(0.0
3モル)を仕込み、水を抜きながら150〜160℃で
15時間反応させた。その後、水を加えて濃度50%に
調整したところ、得られたポリアミドポリアミン水溶液
の粘度は0.68Pa・sであった。別のフラスコに、この5
0%ポリアミドポリアミン水溶液130g(2級アミノ
基として0.3モル)および水121gを仕込み、エピク
ロロヒドリン33g(0.36モル)を添加した。60〜
65℃で保温し、粘度が0.45Pa・sに達したところで硫
酸にてpH3.4に調整し、さらに水にて濃度15%に希
釈することにより、粘度0.044Pa・sの樹脂水溶液を得
た。この樹脂水溶液を樹脂A2とする。
【0024】合成例3 合成例1で用いたのと同じフラスコに、ジエチレントリ
アミン206g(2.0モル)、アジピン酸284g
(1.94モル)、 水10gおよび98%硫酸4g
(0.04モル)を仕込み、水を抜きながら150〜16
0℃で15時間反応させた。その後、水を加えて濃度5
0%に調整したところ、得られたポリアミドポリアミン
水溶液の粘度は0.73Pa・sであった。別のフラスコに、
この50%ポリアミドポリアミン水溶液129g(2級
アミノ基として0.3モル)および水121gを仕込み、
エピクロロヒドリン33g(0.36モル)を添加した。
60〜65℃で保温し、粘度が0.45Pa・sに達したとこ
ろで硫酸にてpH3.4に調整し、さらに水にて濃度15
%に希釈することにより、粘度0.040Pa・sの樹脂水溶
液を得た。この樹脂水溶液を樹脂A3とする。
【0025】合成例4 合成例1で用いたのと同じフラスコに、 イミノビスプ
ロピルアミン262g(2.0モル)、アジピン酸278
g(1.9モル)および98%硫酸4g(0.04モル)を
仕込み、水を抜きながら150〜160℃で15時間反
応させた。その後、水を加えて濃度50%に調整したと
ころ、得られたポリアミドポリアミン水溶液の粘度は
0.71Pa・sであった。別のフラスコに、この50%ポリ
アミドポリアミン水溶液147g(2級アミノ基として
0.3モル)および水129gを仕込み、エピクロロヒド
リン33g(0.36モル)を添加した。60〜65℃で
保温し、粘度が0.45Pa・sに達したところで硫酸にてp
H3.4に調整し、さらに水にて濃度15%に希釈するこ
とにより、粘度0.038Pa・sの樹脂水溶液を得た。この
樹脂水溶液を樹脂A4とする。
【0026】合成例5 合成例1で用いたのと同じフラスコに、ジエチレントリ
アミン103g(1.0モル)、アジピン酸139g
(0.95モル)およびカプロラクタム57g(0.5モ
ル)を仕込み、水を抜きながら150〜160℃で15
時間反応させた。その後、水を加えて濃度50%に調整
したところ、得られたポリアミドポリアミン水溶液の粘
度は0,53Pa・sであった。別のフラスコに、この50%
ポリアミドポリアミン水溶液158g(2級アミノ基と
して0.3モル)および水134gを仕込み、エピクロロ
ヒドリン33g(0.36モル)を添加した。60〜65
℃で保温し、粘度が0.45Pa・sに達したところで塩酸に
てpH3.4に調整し、さらに濃度15%に調整すること
により、粘度0.044Pa・sの樹脂水溶液を得た。この樹
脂水溶液を樹脂A5とする。
【0027】比較合成例1 合成例2の前半で合成した50%ポリアミドポリアミン
水溶液129g(2級アミノ基として0.3モル)および
水141gをフラスコに仕込み、エピクロロヒドリン4
4g(0.48モル)を加えて60〜65℃で保温し、粘
度が0.45Pa・sに達したところで硫酸にてpH3.4に調
整し、さらに水にて濃度25%に希釈することにより、
粘度0.205Pa・sの樹脂水溶液を得た。この樹脂水溶液
を樹脂B1とする。
【0028】比較合成例2 合成例2の前半で合成した50%ポリアミドポリアミン
水溶液129g(2級アミノ基として0.3モル)および
水147gをフラスコに仕込み、エピクロロヒドリン4
7g(0.51モル)を加えて60〜65℃で保温し、粘
度が0.45Pa・sに達したところで硫酸にてpH3.4に調
整し、さらに水にて濃度15%に希釈することにより、
粘度0.046Pa・sの樹脂水溶液を得た。この樹脂水溶液
を樹脂B2とする。
【0029】実施例1 カナディアン・スタンダード・フリーネス410ccのN
/L(1/1)ブリーチト・クラフト・パルプ(BK
P)を使用し、0.75%濃度のパルプスラリーを調製し
た。 これに、それぞれ対パルプ乾燥重量比で、二酸化
チタンを70%または90%、硫酸アルミニウムを2.5
%、およびロジン系エマルジョンサイズ剤("サイズパイ
ン N-700" :荒川化学工業(株)製)を0.2%添加混合
し、次に、合成例1〜5および比較合成例1〜2で得ら
れた樹脂A1〜A5、B1およびB2を、それぞれ対パルプ乾燥
重量比で固形分として2.0%ずつ添加混合した。ただ
し、ブランクではいずれの樹脂も添加しなかった。1分
間攪拌後に、TAPPI 標準型手抄き装置で抄紙し、脱水プ
レス後、110℃で2分間乾燥して、米坪量80±1g
/m2の手抄き紙を得た。得られたそれぞれの紙につき、
以下の方法で評価し、結果を表1に示した。
【0030】填料歩留り率: JIS P 8128 に従って紙
中の灰分を測定し、その灰分がすべて填料であると仮定
して、填料歩留り率を計算した。表には、填料添加量2
水準の平均値で表示した。
【0031】裂断長: 填料添加量2水準のそれぞれの
紙につき、 JIS P 8113 に従って乾時裂断長を、また J
IS P 8135 に従って湿時裂断長を測定した。そして、灰
分と裂断長との関係から、紙中灰分42%における裂断
長に換算して表示した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 実施例1における二酸化チタンの添加量を対パルプ乾燥
重量比で15%または30%、硫酸アルミニウムの添加
量を対パルプ乾燥重量比で1.0%、そして樹脂A1〜A5、
B1およびB2の添加量を対パルプ乾燥重量比で0.5%ずつ
とした以外は、実施例1と同じ操作で米坪量60g±1
g/m2の手抄き紙を得、同様の試験を行った。ただし、
裂断長については、填料添加量2水準の灰分と裂断長と
の関係から、紙中灰分17%における裂断長に換算し
た。結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】実施例3 填料として、実施例1における二酸化チタンの代わり
に、水酸化アルミニウムを対パルプ乾燥重量比で10%
または20%添加し、そして硫酸アルミニウムの添加量
を対パルプ乾燥重量比で3.5%とした以外は、実施例1
と同じ操作で米坪量60±1g/m2の手抄き紙を得、同
様の試験を行った。ただし、裂断長については、填料添
加量2水準の灰分と裂断長との関係から、紙中灰分10
%における裂断長に換算した。結果を表3に示した。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、高い填料定着効果と紙
力増強効果を同時に発揮することができる。特に多量の
填料を添加する場合、例えば、パルプの乾燥重量を基準
に填料を10重量%以上、さらには50重量%以上添加
する場合でも、高い填料歩留り率で紙を製造することが
できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族ジカルボン酸系化合物(I)、ポリ
    アルキレンポリアミン(II)およびエピハロヒドリン(I
    II) を、脂肪族ジカルボン酸系化合物(I)/ポリアル
    キレンポリアミン(II)=1/1.0〜1.2のモル比で、
    かつポリアルキレンポリアミン(II)中の2級アミノ基
    /エピハロヒドリン(III) =1/0.85〜1.25のモル
    比で反応させて得られる陽イオン性樹脂、ならびに填料
    を、パルプスラリーに添加し、抄紙することを特徴とす
    る紙の製造法。
  2. 【請求項2】パルプの乾燥重量を基準に填料を1重量%
    以上添加する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】パルプの乾燥重量を基準に陽イオン性樹脂
    を0.01〜5重量%添加する請求項1または2記載の方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011506789A (ja) * 2007-12-12 2011-03-03 オムヤ ディベロプメント アーゲー 表面無機化有機繊維

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JP2011506789A (ja) * 2007-12-12 2011-03-03 オムヤ ディベロプメント アーゲー 表面無機化有機繊維

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