JP4793457B2 - ステンレス鋼の孔食診断方法、ステンレス鋼の孔食診断装置、ステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断方法及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断装置 - Google Patents

ステンレス鋼の孔食診断方法、ステンレス鋼の孔食診断装置、ステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断方法及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断装置 Download PDF

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Description

本発明はステンレス鋼の孔食診断方法及びステンレス鋼の孔食診断装置、並びにステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断方法及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断装置に関する。
従来、ステンレス鋼を海水中のような孔食が発生しやすい環境下での機器、例えば海水ポンプの構造部材の母材金属として使用する場合には、機器の部材を構成するステンレス鋼に孔食の発生を抑制する対策として以下の4つの方法のいずれが主に採用されていた。
(1)電気防食
ステンレス鋼に電子を供給する電圧を有する電源を接続し、ステンレス鋼の電位がカソード側になるように電源の電圧を調整するステンレス鋼の防食方法である。
ステンレス鋼の腐食は金属側に電子を残して溶液環境中に金属の正イオンを放出することで進行するので、電子をステンレス鋼に余分に注入することで金属のイオン化を抑制する。
(2)犠牲陽極
電気防食と同様に、腐食作用における電子移動を制御するステンレス鋼の防食方法である。
防食の対象となる機器の構造部材として用いられるステンレス鋼にステンレス鋼よりも金属の電位が卑な金属を接触させるもので、卑な金属は溶液環境中でステンレス鋼と同じ電位になるように金属イオンが溶出し、電子をステンレス側に移送する。そしてその際に、ステンレス鋼は電子供給を受けてアノード溶解反応が減少するカソード側に電位を移動させることになり、アノード腐食反応が抑制されることになる。このステンレス鋼に接触させる卑な金属として炭素鋼、アルミや、亜鉛が挙げられる。
また、この構成部材は腐食する可能性を有しているために、防食の対象となる海水ポンプの構造部材であるインペラ等においては、卑な金属でかつ大面積を有する炭素鋼をステンレス鋼と接触させることにより、ステンレス鋼の腐食を抑制することが可能となる。
特開2006−291724号公報には、海水ポンプの防食方法として卑なケーシング材と貴なインペラを導通させる接触端子を用いることで、インペラ材の腐食を抑制する技術が開示されている。
(3)表面被覆
ステンレス表面に、塩素イオンのような腐食性の環境因子が到着するのを阻害するように有機性あるいは無機性の被膜でステンレス鋼表面を被覆することで腐食を抑制する方法であり、樹脂塗料、化成処理、めっきなどが用いられる。
(4)高耐食性材料
溶液環境の腐食性に対抗できる金属組成を有する金属を用いる。
ステンレス鋼においては、Cr成分の割合を増加させること、Mo成分、Nの割合を高めたものが海水のような腐食環境における孔食、隙間腐食に対して有効である。
また、ステンレス鋼の孔食に関して孔食の発生を判定する方法について、腐食電位の計測や孔食電位の計測を行って判定することが知られている。
たとえば、特開2003−329632号公報には、既知の孔食電位に対して、測定した際の実効自然電位(腐食電位)が卑になる場合を孔食の進展と診断する技術が開示されている。
また、特開平10−170469号公報には、孔食深さをプローブによる腐食電流の計測から算出する方法が示されている。
ここでは電流計測が可能な構成部材の必要条件として、測定対象の構造部材に設置するプルーブが絶縁されていないこと、前記プローブと構造部材の孔食発生部が接近していることが必要であり、前記プローブを当該構造部材に設置することがスペース的に困難な場合は前記計測が困難となる。
すなわち、プローブを構造部材に設置する場所が絶縁や金属本体の電気抵抗変化を含む場合は電流値が見かけ上小さくなり、孔食による腐食電流がある場合でも、抵抗による電流損出や絶縁体での電流遮断が生じて低い電流値となり、孔食深さを的確に計測することが困難になる。
特開2006−291724号公報 特開2003−329632号公報 特開平10−170469号公報
しかしながら上記した従来技術においては、測定対象のステンレス鋼の孔食発生と進展に関して、孔食の発生や、孔食の進行を予測する技術を提供するに至っていない。
孔食が進展する溶液環境で機器の構造部材としてステンレス鋼を使用する場合に、事前の材料選定による孔食進展の診断と、簡便な孔食のモニタリング技術が、ステンレス鋼の孔食診断に重要となる。
本発明の目的は、測定対象のステンレス鋼に生ずる孔食の進展を予測して診断することを可能にしたステンレス鋼の孔食診断方法、及びステンレス鋼の孔食診断装置を提供することにある。
また本発明の目的は、測定対象のステンレス鋼に生じる孔食の進展を診断して信頼性の高いメンテナンス情報を得ることを可能にしたステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断方法、及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断装置を提供することにある。
本発明のステンレス鋼の孔食診断方法は、測定対象のステンレス鋼と同じ材質のステンレス鋼に対して予め腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間を夫々計測してこれらの相関関係を計測データとして保存しておき、測定対象のステンレス鋼に対して腐食電位と孔食電位との電位差を計測してこの計測した前記電位差の値を、保存してある前記計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間との相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算して前記ステンレス鋼に生じる孔食の進展を予測することを特徴とする。
本発明のステンレス鋼の孔食診断装置は、測定対象のステンレス鋼の電位を参照電極に対して設定して当該電位における対極と試料極との間の電流を検出してアノード電流とカソード電流が同等となり見かけの電流が0となる腐食電位と、アノード分極において急速に電流が上昇する孔食電位とを計測するように構成されたポテンショスタットを設置し、測定対象のステンレス鋼の表面に接水領域を形成する容器と、前記ステンレス鋼との電気的な導通をもたらすポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された試料極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された参照電極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された対極と備えて構成されたプローブを設置し、前記ポテンショスタットに電力を供給する電源を設置し、測定対象のステンレス鋼と同じ材質のステンレス鋼に対して予め腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間を夫々計測してこれらの相関関係を計測データとして保存した計測データの格納器を備えると共に、前記プローブと前記ポテンショスタットによって測定対象のステンレス鋼に対して腐食電位と孔食電位との電位差を計測してこの電位差の計測値を前記計測データの格納器に保存してある計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間との相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算してこのステンレス鋼に生じる孔食の進展を予測する演算装置を設置したことを特徴とする。
本発明のステンレス鋼の孔食診断装置は、測定対象のステンレス鋼の電位を参照電極に対して設定して当該電位における対極と試料極との間の電流を検出してアノード電流とカソード電流が同等となり見かけの電流が0となる腐食電位と、アノード分極において急速に電流が上昇する孔食電位とを計測するように構成されたポテンショスタットを設置し、測定対象のステンレス鋼の表面に接水領域を形成する容器と、前記ステンレス鋼との電気的な導通をもたらすポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記ステンレス鋼と接触するように配設された試料極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された参照電極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された対極とを備えて構成されたプローブを設置し、前記ポテンショスタットに電力を供給する電源を設置し、測定対象のステンレス鋼と同じ材質のステンレス鋼に対して予め腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間を夫々計測してこれらの相関関係を計測データとして保存した計測データの格納器を備えると共に、前記プローブと前記ポテンショスタットによって測定対象のステンレス鋼に対して腐食電位と孔食電位との電位差を計測してこの電位差の計測値を前記計測データの格納器に保存してある計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間との相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算してこのステンレス鋼に生じる孔食の進展を予測する演算装置を設置したことを特徴とする。
本発明の海水用ポンプの孔食診断方法は、測定対象のステンレス鋼と同じ材質のステンレス鋼に対して予め腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間を夫々計測してこれらの相関関係を計測データとして保存しておき、測定対象のステンレス鋼に対して腐食電位と孔食電位との電位差を計測してこの計測した前記電位差の値を、保存してある前記計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間との相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算して前記ステンレス鋼に生じる孔食の進展を予測することを特徴とする。
本発明の海水用ポンプの孔食診断装置は、海水用ポンプを構成する測定対象となる構造部材のステンレス鋼の電位を参照電極に対して設定して当該電位における対極と試料極との間の電流を検出してアノード電流とカソード電流が同等となり見かけの電流が0となる腐食電位と、アノード分極において急速に電流が上昇する孔食電位とを計測するように構成されたポテンショスタットを設置し、測定対象のステンレス鋼の表面に接水領域を形成する容器と、前記ステンレス鋼との電気的な導通をもたらすポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された試料極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された参照電極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内または前記ステンレス鋼と接触するように配設された対極と備えて構成されたプローブを設置し、前記ポテンショスタットに電力を供給する電源を設置し、測定対象のステンレス鋼と同じ材質のステンレス鋼に対して予め腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間を夫々計測してこれらの相関関係を計測データとして保存した計測データの格納器を備えると共に、前記プローブと前記ポテンショスタットによって測定対象のステンレス鋼に対して腐食電位と孔食電位との電位差を計測してこの電位差の計測値を前記計測データの格納器に保存してある計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間との相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算してこのステンレス鋼に生じる孔食の進展を予測する演算装置を設置したことを特徴とする。
本発明によれば、測定対象のステンレス鋼に生ずる孔食の進展を予測して診断することを可能にしたステンレス鋼の孔食診断方法、及びステンレス鋼の孔食診断装置が実現できる。
また本発明によれば、測定対象のステンレス鋼に生じる孔食の進展を診断して信頼性の高いメンテナンス情報を得ることを可能にしたステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断方法、及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断装置が実現できる。
本発明の測定対象となるステンレス鋼に対する腐食電位と孔食電位との差分の電位差と、ステンレス鋼に生じる孔食深さとの関係を示した測定結果の特性図。 本発明の測定対象となるステンレス鋼に対する腐食電位と孔食電位との差分の電位差と、ステンレス鋼に生じる孔食深さと、測定経過時間との関係を示した測定結果の特性図。 本発明の実施例であるステンレス鋼の電位計測装置の概略図。 図3に示した本発明の実施例であるステンレス鋼の電位計測装置を電気回路的に表現した概略図。 本発明の他の実施例であるステンレス鋼の電位計測装置の概略図。 本発明の実施例であるステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置を示す概略図。 本発明の他の実施例であるステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置を示す概略図。
次に、本発明の実施例であるステンレス鋼の孔食診断方法、ステンレス鋼の孔食診断装置、ステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断方法及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断装置について図面を参照して以下に説明する。
本発明の一実施例であるステンレス鋼の孔食診断方法及びステンレス鋼の孔食診断装置について説明する。本実施例の説明に先立ってステンレス鋼に生ずる孔食の進展速度を表す孔食の深さと、ステンレス鋼の腐食電位、すなわち浸漬した環境における自然電位と、孔食電位との関係について説明する。
図1は、本実施例のステンレス鋼の孔食診断装置及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置で測定対象となるフェライト相を有するステンレス鋼のSUS430と、オーステナイト相を有するステンレス鋼のSUS316Lとを人工海水に浸漬させた環境で、人工海水の温度が50℃と25℃との2ケースについて計測した孔食電位と腐食電位の差分である電位差(mV)を横軸にとり、この電位差(mV)に対する、孔食深さ(μm)を縦軸にとって示した計測結果である。
図1で計測したの浸漬した環境となる人工海水の温度は、50℃と25℃との2ケースについて測定したものであり、SUS430及びSUS316Lに対して左側が人工海水の温度50℃での測定値を、右側が人工海水の温度25℃での測定値を夫々示している。
図1の測定結果から、横軸の計測した孔食電位と腐食電位の差分の電位差が大きいほど、縦軸の孔食深さは浅くなることがわかる。また、人工海水の温度が低いほど孔食深さは浅くなることがわかる。
したがってこの孔食電位と腐食電位の差分となる電位差を計測してこの電位差の計測値と、後述する図2に示した孔食電位と腐食電位の差分の電位差と孔食の深さと予め計測した孔食の深さに達する測定経過時間との関係とを対応させることにより、測定対象となるステンレス鋼に対する孔食の進展を予測することが可能となる。
次に本実施例のステンレス鋼の孔食診断装置の演算装置に設置される計測データの格納器に保存された計測データであるステンレス鋼に生ずる孔食の進展速度を表す孔食の深さと、ステンレス鋼の腐食電位、すなわちステンレス鋼が浸漬した複数環境となる塩分濃度3.5%と7%、温度が25℃と50℃の条件下の人工海水におけるステンレス鋼の腐食電位と孔食電位の電位差との関係を、500時間経過させて計測した状況について図2を用いて説明する。
図2は、本実施例のステンレス鋼の孔食診断装置による測定対象となるフェライト相を有するステンレス鋼のSUS430と、オーステナイト相を有するステンレス鋼のSUS316Lと、これら2相を有する2相ステンレス鋼のSUS329J3L及びSUS329J4Lに関して、人工海水の濃度と温度を上記した値に調整した種々の環境における孔食電位と腐食電位の差分の電位差(mV)に対する孔食深さ(μm)の関係をそれぞれ示した図である。
本実施例のステンレス鋼の孔食診断装置における測定対象のステンレス鋼に対する電位の計測は、銀/塩化銀参照電極との相対値を用いる。孔食深さは、ステンレス鋼を1Vまでアノード分極した後の試料表面を、光学顕微鏡を用いて観察し、表面の焦点合致位置と孔食底部の焦点合致一の差である、焦点深度の差により計測した。
図1及び図2に示した測定結果より、孔食電位と腐食電位の差分の電位差が大きいほど、孔食深さは低減されていることがわかる。
そしてオーステナイトとステライトの両ステンレス鋼及びこれら2相を有する二相ステンレス鋼について、孔食電位と腐食電位の差分の電位差が大きいほど、孔食深さは低減されることが確認できた。
以上の説明から理解できるように、測定対象となるステンレス鋼に対して孔食電位と腐食電位を計測してこれらの差分の電位差の値を、500時間経過後の測定値である孔食電位と腐食電位の電位差と孔食深さとの関係と比較することにより、孔食が発生した後にその深さ方向に孔食が拡大する現象によるステンレス鋼の損傷に関して、ステンレス鋼の鋼種の違いによる深さ方向での孔食の進展の度合いを予測演算して診断することが可能となる。
次に本発明の実施例であるステンレス鋼の孔食診断装置について説明する。図3は本発明の実施例である測定対象のステンレス鋼の電位を計測する孔食診断装置の概略図であり、図4は本発明の実施例である図3に示すステンレス鋼の孔食診断装置に対応する電気回路的に表現した概略図である。
図3及び図4の孔食診断装置において、測定対象のステンレス鋼1010に対して該ステンレス鋼1010に接して配設され接水領域を形成する電位計測用の容器101と、前記ステンレス鋼との電気的な導通をもたらす後述するポテンショスタット105の電極端子と繋がっており前記容器101内に配設された試料極104と、該ポテンショスタット105の電極端子と繋がっており前記容器101内に配設された参照電極102と、該ポテンショスタット105の電極端子と繋がっており前記容器101内に配設された対極103とから構成されるプローブが設置されている。
前記プローブを構成するこれらの参照電極102、対極103、試料極104の各電極は、電位制御と電流計測が可能なポテンショスタット105に接続しており、このポテンショスタット105は電源107に接続して電力の供給を受けている。さらに前記ポテンショスタット105は予め計測された計測データを保存している計測データ格納器106aを備えた演算装置106に接続されている。
前記ポテンショスタット105では、測定対象のステンレス鋼1010の電位を参照電極102に対して設定し、当該電位における対極103と試料極104との間の電流を計測することにより、アノード電流とカソード電流が同等となり見かけの電流が0となる腐食電位と、アノード分極において急速に電流が上昇する孔食電位とを計測する。
ポテンショスタット105は電位を走査させた際の電流密度を計測するために電源107と計測装置を組み合わせたものであり、図4に示すように電源107から電力が供給される演算増幅器の機能を有しており、該ポテンショスタット105の内部に備えられた電極端子が、プローブを構成する試料極、参照電極、及び対極がその内部に配設されたフィードバックループの負荷体となる電気伝導体の容器101と電気的に接続されて構成されている。
そして前記ポテンショスタット105を操作してプローブの参照電極102に対する試料極104の電位を設定すると、その電位に対応して流れるはずの参照電極102と試料極104との間の電流は遮断されるが、設定した前記電位の値は変わらない。
この流れるはずの参照電極102と試料極104との間の電流は、ポテンショスタット105が有する演算増幅器の作用によって対極103と試料極104との間を流れるの電流となり、計測される。
ここで、設定した電位で対極103と試料極104との間を流れる電流は、カソード反応電流(試料極104から対極103に流れるカソード電流、すなわち試料極104での電子消費反応電流)と、アノード反応電流(対極103から試料極104に流れるアノード電流、すなわち試料極104での試料材料のアノード反応による電子生成での電子生成電流)の総和であり、カソード領域である電位が卑(マイナス)領域では負の電流、アノード領域である電位が貴(プラス)領域では正の電流が計測される。
この計測法を基に測定対象のステンレス鋼に対する腐食電位と孔食電位を計測する。すなわち、ポテンショスタット105を操作して参照電極102に対する試料極104の電位となる電位をプラス側に走査させ、試料極104と対極103との間に流れる電流が0となる電位をまず特定する。
この試料極104と対極103との間に流れる電流が0となる電位が腐食電位と規定されている電位であり、アノード電流とカソード電流がつりあった状態であることを示す試料極104と測定対象のステンレス鋼が浸漬される浸漬環境(海水の性状等)によって定まる電位である。
次に、さらにポテンショスタット105を操作して電位をプラス側に走査させ、試料極104と対極103との間に流れるアノード電流の電流密度が100mA/cmを超過した際の電位を記録する。
この試料極104と対極103との間に流れるアノード電流の電流密度が100mA/cmを超過する電位が孔食電位と規定されている電位である。
上記した電位の計測においては、参照電極102は銀塩化銀電極を用い、電位の走査速度は20mV/minとし、走査電位範囲は計測して求めた腐食電位から、参照電極102に対する+1vまでとした。
上記構成のステンレス鋼の孔食診断装置を使用すれば、測定対象の当該ステンレス鋼1010の腐食電位と孔食電位を求めることが出来るので、前記孔食診断装置に備えられた演算装置106の演算によって当該ステンレス鋼1010に生じる孔食深さの進展を予測することが可能となる。
すなわち、前記孔食診断装置のポテンショスタット105に接続された演算装置106によって測定対象の当該ステンレス鋼1010の腐食電位と孔食電位を測定して両者の差分の電位差を計測し、この計測した前記電位差の値を、演算装置106に設置されている、予め計測された計測データである計測データ格納器106aに保存してある前記計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間の測定データとの相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算することにより、孔食深さの進展を予測することができる。
測定対象のステンレス鋼1010に生じる孔食深さの進展を予測するために、本実施例の孔食診断装置を構成する演算装置106には、当該ステンレス鋼1010と同じ材質のステンレス鋼に関する腐食電位と孔食電位の差分の電位差と、このステンレス鋼に生じる孔食深さの関係を下記(1)式で規定した関数器を備えている。
D=A1+A2/S・・・(1)
ここで、Dは孔食深さ(μm)、A1は切片定数、A2は傾き定数、Sは腐食電位と孔食電位の差分の電位差(mV)であり、図2に示した孔食電位と腐食電位の差分の電位差と孔食の深さと予め計測した孔食の深さに達する経過時間(500時間)との関係を関数式で模擬したものである。
図2に示した孔食深さは、実測データとの整合性から25℃の空気飽和の海水に500時間浸漬した場合と等価であることがわかっている。
このことから測定対象のステンレス鋼1010に生じる孔食深さと経過時間との関係が線形の関係を有すると想定すると、当該ステンレス鋼1010に生じる孔食深さの進展を演算によって予測が可能となる。
一般的環境では孔食深さと経過時間との間に線形性が成立するので、前記演算装置106には(1)式を計算する関数器を設置しておき、ポテンショスタット105を操作して計測により腐食電位と孔食電位の差分の電位差(mV)を求めてこの電位差の値を前記演算装置106の前記関数器に代入して(1)式を計算し、孔食深さD(μm)を求める。
次に、測定対象の当該ステンレス鋼1010に対して測定した腐食電位と孔食電位の電位差の値を、前記演算装置106に設置されている予め計測された計測データを保存している計測データ格納器106aに保存してある前記計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間の測定データの相関関係と比較して前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを前記演算装置106で演算することにより、孔食深さの進展を予測することができる。
本発明の前記実施例によれば、測定対象のステンレス鋼に生ずる孔食の進展を予測して診断することを可能にしたステンレス鋼の孔食診断方法、及びステンレス鋼の孔食診断装置が実現できる。
次に本発明の他の実施例であるステンレス鋼の孔食診断方法及びステンレス鋼の孔食診断装置について説明する。図5は本発明の他の実施例であるステンレス鋼の電位計測装置の概略図である。
本実施例の電位計測装置は、図3に示した先の実施例の電位計測装置と基本的な構成はほぼ同一であるので、両実施例に共通した構成の説明は省略し、相違した構成についてのみ以下に説明する。
図5に示した本実施例のステンレス鋼の孔食診断装置では、測定対象のステンレス鋼1010に対して試料極1040を、溶液を内部に保持する接水領域を形成する電位計測用の容器101の外部となるステンレス鋼の表面に直接設置した点が先に実施例と相違している。
そしてポテンショスタット105では、先の実施例と同様に、測定対象のステンレス鋼1010の電位を参照電極102に対して設定し、当該電位における対極103と試料極104との間の電流を計測することにより、アノード電流とカソード電流が同等となり見かけの電流が0となる腐食電位と、アノード分極において急速に電流が上昇する孔食電位とを計測する。
そして説明は重複するので省略するが、本実施例のステンレス鋼の孔食診断装置に備えた演算装置106による演算によって当該ステンレス鋼1010に対して測定した腐食電位と孔食電位との電位差の値を、前記演算装置106に設置されている計測データ格納器106aに保存してある予め計測された計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間の測定データの相関関係と比較して前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを前記演算装置106で演算することにより、孔食深さの進展を予測することができる。
また上記実施例のステンレス鋼の孔食診断装置では、プローブを構成する試料極1040をステンレス鋼1010の表面に直接設置して容器101の寸法的な制約を受けないので、試料極1040の設置が簡便に出来るという利点がある。
本実施例によれば、測定対象のステンレス鋼に生ずる孔食の進展を予測して診断することを可能にしたステンレス鋼の孔食診断方法、及びステンレス鋼の孔食診断装置が実現できる。
次に本発明のステンレス鋼の孔食診断技術を海水用ポンプの構造部材の孔食診断に適用した実施例であるステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断方法について説明する。
図6は本発明の実施例であるステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置を備えた海水用ポンプの断面を示す概略図である。
図6において、海水用ポンプ200は主要部材としてコラムパイプ201、ケーシングライナ203、及びベルマウスケーシング204が該海水用ポンプ200の外周側に設置されており、前記コラムパイプ201とケーシングライナ203とはフランジ202で相互に連結され、前記ケーシングライナ203とベルマウスケーシング204とはフランジ202で相互に連結されている。
そして前記コラムパイプ201、ケーシングライナ203、及びベルマウスケーシング204の内側の海水用ポンプの軸心側には回転シャフト209が配設されており、この回転シャフト209の先端側に羽根車(インペラ)205が設けられている。
更に前記コラムパイプ201、ケーシングライナ203、及びベルマウスケーシング204の内側で前記回転シャフト209の外周側には導管207が配設されており、この導管207の先端側に案内羽根206が設けられている。前記海水用ポンプ200では前記した各部品が鉄鋼材料によって製造されている。
海水用ポンプ200は海水に常時浸漬して使用するため、特に耐孔食性が要求される海水用ポンプの主要部材は羽根車205と案内羽根206であり、よって羽根車205と案内羽根206は海水に対する孔食性に優れたステンレス鋼によって製造されている。
そこで本実施例の海水用ポンプ200では、羽根車205に電位計測センサ2010を設置してステンレス鋼の羽根車205の電位を計測して孔食の進展を診断する構成を採用した。
この電位計測センサ2010を設置すれば、使用中の海水用ポンプ200を構成する構造部材であるステンレス鋼の羽根車205の腐食電位と孔食電位をモニタリングすることが可能となり、前記羽根車205に対して計測した腐食電位と孔食電位の電位差の値を、図3及び図5に示した先の実施例のステンレス鋼の孔食診断装置と同様に前記演算装置106に設置されている計測データ格納器106aに保存してある予め計測された計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間の測定データの相関関係と比較して前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを前記演算装置106で演算することにより、前記羽根車205に生じる孔食深さの進展を予測することができる。
即ち、本実施例の海水用ポンプ200では、図3に示した実施例の電位計測装置を電位計測センサ2010として海水用ポンプ200の主要部材の羽根車205に設置することにより、海水用ポンプの主要部材の耐食性を診断することが可能となる。
そして試料極104を海水用ポンプ200の測定対象の主要部材の羽根車205を対象にして3電極間の電流の計測を実施することにより、当該部材のアノード分極挙動を診断することができ、この海水用ポンプ200の主要部材に対する腐食電位、孔食電位を計測することによる耐食性評価が可能となる。
ここで、本実施例の海水用ポンプ200の主要部材であるステンレス鋼の羽根車205に設置したプローブである電位計測センサ2010は以下の機器から構成されており、丁度、図3に示した電位計測装置と対応している。
このプローブである前記電位計測センサ2010と図3で示した孔食診断装置の構成との対応関係を説明すると、図3に示す孔食診断装置のステンレス鋼1010は、図6に示す海水用ポンプ200のステンレス鋼の羽根車205に対応し、孔食診断装置における電位計測用の溶液を保持する容器101は電位計測センサ2010の筐体に対応する。
孔食診断装置のプローブを構成する参照電極102、対極103、ステンレス鋼に電気的に接する試料極104が電位計測センサの筐体に内包されて該電位計測センサ2010を構成する。
参照電極102、対極103は電位計測センサ2010の筐体中にそれらの先端を配設し、孔食診断装置のステンレス鋼に電気的に接する試料極104が海水用ポンプ200の羽根車205と接するように配設されている。
電位計測センサ2010の筐体は海水用ポンプ200の羽根車205とパッキン層を介して接触して設置されているので、この筐体の内部に電気伝導体である液体を保持することで前記3電極間の電位電流計測が可能となる。
電位計測センサ2010で計測される前記3電極間の電流と電位信号はケーブル又は無線発信により図3に示した電位計測装置のポテンショスタット105の伝達され、ポテンショスタット105は演算装置106及び電源107に接続されている。
ポテンショスタット105の電位電流値は図3に示した電位計測装置の演算装置106に伝達される。
電位計測用の溶液を保持する容器101、参照電極102、対極103、及び試料極104を筐体に備えたプローブである電位計測センサ2010を海水用ポンプ200の羽根車205に設置し、前記3電極間の電流をポテンショスタット105及び演算装置106を用いることで前記ステンレス鋼の羽根車205に対する腐食電位と孔食電位の電位差を計測してこの演算装置106の計測データ格納器106aに予め計測して保存してある計測データと比較することで、演算器106によって羽根車205に生じる孔食深さを演算して孔食深さの進展を予測する診断を行うことができる。
そして説明は重複するので省略するが、本実施例のステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置に備えた演算装置106による演算によって測定対象のステンレス鋼の羽根車205に対して測定した腐食電位と孔食電位との電位差の値を、前記演算装置106に設置されている計測データ格納器106aに保存してある予め計測された計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間の測定データの相関関係と比較して前記羽根車205に生じる所定時間経過後の孔食の深さを前記演算装置106で演算することにより、孔食深さの進展を予測することができる。
また、海水中で海水用ポンプ200を使用する場合は、海水用ポンプ200の運転停止時に参照電極102と対極103を含むセルを海水用ポンプ200の測定対象となる主要部材に接触させて設置し、この部材と電気伝導がある海水用ポンプ200の金属部に試料極104の電極を接触させて設置さることにより、海水用ポンプ200の主要部材のアノード分極計測が可能となる。
上記構成の電位計測センサ2010を海水用ポンプ200の主要部材に設置して腐食電位と孔食電位の電位差を計測することによって、海水用ポンプ200の主要部材に生ずる孔食の進展を予測する診断が可能となる。
また、前記電位計測センサ2010で海水用ポンプ200の主要部材の腐食電位と孔食電位の電位差の計測を海水用ポンプ200の運転期間中を通じて実施することによって、海水用ポンプ200の主要部材に生ずる孔食進展のモニタリングが可能となる。
海水用ポンプ200の主要部材の前記腐食電位及び孔食電位の時間経過での変化は通常、孔食電位の卑側編シフトと腐食電位の貴側へのシフトとなるため、孔食に対する耐性の経時的な減少が、海水用ポンプ200の主要部材に対する腐食電位及び孔食電位をモニターすることにより予測できる。
本発明の前記実施例によれば、測定対象のステンレス鋼に生じる孔食の進展を診断して信頼性の高いメンテナンス情報を得ることを可能にしたステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断方法、及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断装置が実現できる。
次に本発明のステンレス鋼の孔食診断技術を海水用ポンプの構造部材の孔食診断に適用した他の実施例であるステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断方法について説明する。
図7は図6と同様な本発明の他の実施例であるステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置を備えた海水用ポンプの断面を示す概略図である。
本実施例の海水用ポンプの孔食診断装置は、図6に示した先の実施例の海水用ポンプの孔食診断装置とその主要構成が共通しているので、両者に共通した構成の説明は省略し、相違する構成についてのみ以下に説明する。
図7において、本実施例の海水用ポンプ200の主要部材である案内羽根206は、コラムパイプ201及びケーシングライナ203の内周側で、海水用ポンプの軸心側の回転シャフト209の外周側に位置するように配設された導管207に連結されており、前記案内羽根206と導管207の部材は共にステンレス鋼で製作されており、両者は電気的な接触を保っている。
そして、プローブである電位計測センサ3010を前記導管207の内周面に接触させて設置することにより、海水用ポンプ200の主要部材である案内羽根206の孔食電位についての情報を得ることができる。
本実施例である海水用ポンプの孔食診断装置では、図6の実施例の電位計測センサ2010に代えてプローブとなる電位計測センサ3010を測定対象の案内羽根206と電気的に接続した導管207に設置して使用したものであるが、前記3電極間の電流の計測を実施することにより、当該部材のアノード分極挙動を診断することができ、この海水用ポンプ200の主要部材に対する腐食電位、孔食電位を計測することによる耐食性評価が可能となる。
ここで、本実施例の海水用ポンプ200の主要部材である案内羽根206と電気的に接続した導管207の部材に設置した電位計測センサ3010は前記電位計測センサ2010と同様に以下の機器から構成されており、丁度、図3に示した電位計測装置と対応している。
前記プローブの電位計測センサ3010と図3で示した孔食診断装置の構成との対応関係を説明すると、図3に示す電位計測装置のステンレス鋼1010は、図7に示す海水用ポンプ200の主要部材である羽根車205の部材に対応し、孔食診断装置における電位計測用の溶液を保持する容器101は電位計測センサ3010の筐体に対応する。
孔食診断装置のプローブを構成する参照電極102、対極103、ステンレス鋼に電気的に接する試料極104が電位計測センサのこの筐体に内包されて該電位計測センサ3010を構成する。
参照電極102、対極103は電位計測センサ3010の筐体中にそれらの先端を配設し、孔食診断装置のステンレス鋼に電気的に接する試料極104が海水用ポンプ200の案内羽根206と電気的に接続した金属導管207と接するように配設されている。
電位計測センサ3010の筐体は海水用ポンプ200の金属導管207とパッキン層を介して接触して設置されているので、この筐体の内部に電気伝導体である液体を保持することで前記3電極間の電位電流計測が可能となる。
電位計測センサ3010で計測される前記3電極間の電流と電位信号はケーブル又は無線発信により図3に示した電位計測装置のポテンショスタット105に伝達され、ポテンショスタット105は演算装置106及び電源107に接続されている。
ポテンショスタット105の電位電流値は図3に示した電位計測装置の演算装置106に伝達される。
電位計測用の溶液を保持する容器101、参照電極102、対極103、及び試料極104を筐体に備えたプローブである電位計測センサ3010を海水用ポンプ200の主要部材であるステンレス鋼の案内羽根206、又は案内羽根206と電気的に接続した金属導管207に設置し、前記3電極間の電流をポテンショスタット105及び演算装置106を用いることで前記ステンレス鋼の案内羽根206に対する腐食電位と孔食電位の電位差を計測してこの演算装置106の計測データ格納器106aに予め計測して保存してある計測データと比較することで、前記演算器106によって案内羽根206に生じる孔食深さを演算して孔食深さの進展を予測する診断を行うことができる。
そして説明は重複するので省略するが、本実施例のステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置に備えた演算装置106による演算によって測定対象のステンレス鋼の案内羽根206、又は案内羽根206と電気的に接続した金属導管207に対して測定した腐食電位と孔食電位との電位差の値を、前記演算装置106に設置されている計測データ格納器106aに保存してある予め計測された計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間の測定データの相関関係と比較して前記案内羽根206に生じる所定時間経過後の孔食の深さを前記演算装置106で演算することにより、孔食深さの進展を予測することができる。
また、この案内羽根206に対する腐食電位及び孔食電位の計測診断を海水用ポンプ200の運転期間中を通じて実施することによって案内羽根206に生じる孔食進展のモニタリングが可能となる。
海水用ポンプ200の主要部材の前記腐食電位及び孔食電位の時間経過での変化は通常、孔食電位の卑側編シフトと腐食電位の貴側へのシフトとなるため、孔食に対する耐性の経時的な減少が、海水用ポンプ200の主要部材に対する腐食電位及び孔食電位の計測をモニターすることにより予測できる。
本発明の前記実施例によれば、測定対象のステンレス鋼に生じる孔食の進展を診断して信頼性の高いメンテナンス情報を得ることを可能にしたステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断方法、及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断装置が実現できる。
本発明は、ステンレス鋼を用いた構造部材に生じる孔食の診断方法及びステンレス鋼の孔食診断装置、並びにステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食の診断方法及びステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置に適用可能である。
101:容器、102:参照電極、103:対極、104:試料電極、105:ポテンショスタット、106:演算装置、106a:計測データ格納器、200:海水用ポンプ、201:コラムパイプ、202:フランジ、203:ケーシングライナ、204:ベルマウスケーシング、205:羽根車、206:案内羽根、207:金属導管、1010:ステンレス鋼、1020:参照電極、1030:対極、1040:試料電極、2010、3010:電位計測センサ。

Claims (6)

  1. 測定対象のステンレス鋼と同じ材質のステンレス鋼に対して予め腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間を夫々計測してこれらの相関関係を計測データとして保存しておき、
    測定対象のステンレス鋼に対して腐食電位と孔食電位との電位差を計測してこの計測した前記電位差の値を、保存してある前記計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間との相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算して前記ステンレス鋼に生じる孔食の進展を予測することを特徴とするステンレス鋼の孔食診断方法。
  2. 測定対象のステンレス鋼の電位を参照電極に対して設定して当該電位における対極と試料極との間の電流を検出してアノード電流とカソード電流が同等となり見かけの電流が0となる腐食電位と、アノード分極において急速に電流が上昇する孔食電位とを計測するように構成されたポテンショスタットを設置し、
    測定対象のステンレス鋼の表面に接水領域を形成する容器と、前記ステンレス鋼との電気的な導通をもたらすポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された試料極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された参照電極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された対極と備えて構成されたプローブを設置し、
    前記ポテンショスタットに電力を供給する電源を設置し、
    測定対象のステンレス鋼と同じ材質のステンレス鋼に対して予め腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間を夫々計測してこれらの相関関係を計測データとして保存した計測データの格納器を備えると共に、前記プローブと前記ポテンショスタットによって測定対象のステンレス鋼に対して腐食電位と孔食電位との電位差を計測してこの電位差の計測値を前記計測データの格納器に保存してある計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間との相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算してこのステンレス鋼に生じる孔食の進展を予測する演算装置を設置したことを特徴とするステンレス鋼の孔食診断装置。
  3. 測定対象のステンレス鋼の電位を参照電極に対して設定して当該電位における対極と試料極との間の電流を検出してアノード電流とカソード電流が同等となり見かけの電流が0となる腐食電位と、アノード分極において急速に電流が上昇する孔食電位とを計測するように構成されたポテンショスタットを設置し、
    測定対象のステンレス鋼の表面に接水領域を形成する容器と、前記ステンレス鋼との電気的な導通をもたらすポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記ステンレス鋼と接触するように配設された試料極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された参照電極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された対極とを備えて構成されたプローブを設置し、
    前記ポテンショスタットに電力を供給する電源を設置し、
    測定対象のステンレス鋼と同じ材質のステンレス鋼に対して予め腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間を夫々計測してこれらの相関関係を計測データとして保存した計測データの格納器を備えると共に、前記プローブと前記ポテンショスタットによって測定対象のステンレス鋼に対して腐食電位と孔食電位との電位差を計測してこの電位差の計測値を前記計測データの格納器に保存してある計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間との相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算してこのステンレス鋼に生じる孔食の進展を予測する演算装置を設置したことを特徴とするステンレス鋼の孔食診断装置。
  4. ステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断方法において、
    測定対象のステンレス鋼と同じ材質のステンレス鋼に対して予め腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間を夫々計測してこれらの相関関係を計測データとして保存しておき、
    測定対象のステンレス鋼に対して腐食電位と孔食電位との電位差を計測してこの計測した前記電位差の値を、保存してある前記計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間との相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算して前記ステンレス鋼に生じる孔食の進展を予測することを特徴とするステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断方法。
  5. 海水用ポンプを構成する測定対象となる構造部材のステンレス鋼の電位を参照電極に対して設定して当該電位における対極と試料極との間の電流を検出してアノード電流とカソード電流が同等となり見かけの電流が0となる腐食電位と、アノード分極において急速に電流が上昇する孔食電位とを計測するように構成されたポテンショスタットを設置し、
    測定対象のステンレス鋼の表面に接水領域を形成する容器と、前記ステンレス鋼との電気的な導通をもたらすポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された試料極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内に配設された参照電極と、該ポテンショスタットの電極端子と繋がっており前記容器内または前記ステンレス鋼と接触するように配設された対極と備えて構成されたプローブを設置し、
    前記ポテンショスタットに電力を供給する電源を設置し、
    測定対象のステンレス鋼と同じ材質のステンレス鋼に対して予め腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間を夫々計測してこれらの相関関係を計測データとして保存した計測データの格納器を備えると共に、前記プローブと前記ポテンショスタットによって測定対象のステンレス鋼に対して腐食電位と孔食電位との電位差を計測してこの電位差の計測値を前記計測データの格納器に保存してある計測データの腐食電位と孔食電位との電位差、孔食の深さ、及び孔食の深さに達する経過時間との相関関係と比較して測定対象の前記ステンレス鋼に生じる所定時間経過後の孔食の深さを演算してこのステンレス鋼に生じる孔食の進展を予測する演算装置を設置したことを特徴とするステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置。
  6. 請求項5に記載したステンレス鋼を構造部材に用いた海水用ポンプの孔食診断装置において、
    前記海水用ポンプのステンレス鋼の構造部材はインペラであり、このインペラの構成材料としてCrを25%以上、Moを3%以上、Nを0.1%以上含有する二相ステンレス鋼を用いたことを特徴とするステンレス鋼を構造部材に用いた海水ポンプの孔食診断装置。
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