JP2008297600A - 電気防食方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属製の防食対象物に対しての電気防食方法について、例えば回転体などの動体や円筒管などの複雑な形状のものであっても防食対象物の電位の推定に対する信頼性をより向上させ、適切な防食を行う。
【解決手段】金属製の対象物1に防食電流Bを流すことで前記対象物を防食する電気防食方法は、測定電極6により周囲の状態を測定する状態測定工程と、防食電流密度を解析する解析工程と、前記解析に応じて前記防食電流密度を予め定められた適切な防食電流密度内へ近づけるように電源Aの電圧を制御する制御工程とを含む方法である。
【選択図】図2
【解決手段】金属製の対象物1に防食電流Bを流すことで前記対象物を防食する電気防食方法は、測定電極6により周囲の状態を測定する状態測定工程と、防食電流密度を解析する解析工程と、前記解析に応じて前記防食電流密度を予め定められた適切な防食電流密度内へ近づけるように電源Aの電圧を制御する制御工程とを含む方法である。
【選択図】図2
Description
本発明は、電気防食方法、特に金属製の対象物に防食電流を流すことで前記対象物を防食する電気防食方法に関する。
金属製の防食対象物に対して電気防食法がその防食対象物に適用される環境は、その防食対象物の周囲に導電性媒体(水、淡水、海水、水溶液、含水土壌、コンクリート、モルタル)があることが必要である。しかし金属製の防食対象物を適切に防食するためには金属の防食状態(電位、電流密度が所定の基準を満たすかどうか)を測定し、この測定結果に応じて防食電流を制御して防食状態を適正化する必要があった。金属製の防食対象物に対して防食電流が不足すると金属製の防食対象物が腐食するおそれがあり、かといって過剰に電流を流してしまうと消費電力が増大し、コスト増となる場合がある。
金属製の防食対象物の防食状態を測定する手段としては金属製の防食対象物の近傍に参照電極(主なものとして、Ag/AgCl電極、飽和カロメル電極、銅/硫酸銅電極などがある。その他、亜鉛、鉛、マグネシウムなどを用いることもある。)を用いて電位を測定する電位測定法、防食対象となる金属と同種の金属片を設置し、その金属片に流入する電流密度を測定する方法がある。
しかし金属製の防食対象物が船舶や海洋鋼構造物、パイプラインのように対象が非常に大きい場合、参照電極や金属片を多く設置する必要があり、コスト増となっていた。さらに、海洋鋼構造物では、最も腐食の激しい干満帯の金属の防食状態を測定したい場合でも、浮遊物との接触によるこれら参照電極や金属片の損傷があるために、測定したい部位近傍に参照電極や金属片を設置することが困難であり、目的とする場所から離れた位置に参照電極や金属片を設置して周囲の状態から対象となる金属製の防食対象物の防食状態を推測する必要があった。また、土壌埋設パイプラインでは参照電極や金属片をパイプラインに近接して設置するためには掘削工事が必要であるため、パイプラインから離れた地表面に参照電極や金属片を設置して周囲の状態から金属製の防食対象物の防食状態を推測する必要があった。
しかしながら、例えば参照電極と金属製の防食対象物との間に電解質の抵抗による電圧降下分をその測定値に含んでいるために特に電解質の比抵抗が大きい場合には誤差が大きく、金属製の防食対象物の防食状態を適切に把握できない場合がある。
下記特許文献1には、pH、温度、電解質の成分、電位などを検出し、その検出されたデータを元にして周囲状態の変動条件下で外部電源を制御する電気防食方法が開示されている。該文献に記載される電気防食方法では防食電流を切り、復極を測定し、その復極から電場により生ずる電位降下および電解質の比抵抗を除く方法が記載されている。
また、下記特許文献2には、被覆された埋設物の被覆欠陥部とは異なる部分に参照電極を配置し、その参照電極で測定される電位から被覆欠陥部の電位を推測する防食電位推定方法が開示されている。該公報では、欠陥部の部分電位Φを防食電流密度q、傾きa、自然電位bとの関係でΦ=a×q+bとして、防食電流密度qと傾きaをパラメータとして与えている。この防食電位推定方法では、金属製の防食対象物を被覆しているものが絶縁体(ポリエチレン等)であり、かつ、周囲の電解質の状態(pH、溶存酸素濃度、比抵抗、被覆の欠陥位置など)が明らかである場合には、絶縁破損部の境界条件をパラメータとして計算することができる。
なお、下記非特許文献1には、電位の解析方法や外部電源を用いた電位解析についてはアノードの電位を防食対象となる鉄より卑にして計算する方法が開示されている。
また、下記非特許文献2には、炭素鋼やステンレス鋼、アルミニウム、銅合金を防食するのに必要な電位や電流密度が記載されている。例えば、炭素鋼は-770mV vs.SCE(飽和カロメル電極)以下にすれば防食することができる。この電位を防食電位と言い、この電位より卑であれば炭素鋼は腐食しない。電流密度については、炭素鋼は海水中で50〜150mA/m2、中性土壌中では5〜15mA/m2、コンクリート中では5〜20mA/m2電流密度が流入すれば腐食しない。
特開2000−328273号公報
特開2001−207279号公報
都市土木技研年報1992 p.149
腐食防食ハンドブック(腐食防食協会編)
しかし、上記特許文献1に記載の電気防食方法では、目的とする場所から離れた位置に参照電極や金属片を設置して周囲の状態から金属製の防食対象物の防食状態を推測する場合、参照電極に近い部分の防食状態は推測できても、参照電極から遠い部分の防食状態を推定することは困難であった。
また、上記特許文献1に記載の電気防食方法では、比抵抗が小さい溶液中においてもポンプなどの金属製の防食対象物が測定電極と同種の金属の場合であっても一部が回転体などの場合には金属の防食状態を推定することが困難であった。また、金属製の防食対象物が測定電極と同種の金属であっても、金属製の防食対象物が金属配管(円筒管)である場合、接する流速が著しく異なる場合などには、異なる環境毎に参照電極を設置したり、金属製の防食対象物と同種の金属片を異なる環境毎に設置し、流入する電流密度を計測する必要があった。さらに金属製の防食対象物が測定電極と異なる場合にはさらに煩雑となる。
また、上記特許文献2に記載の防食電位推定方法では、単に分極曲線だけではなく、周囲の電解質の状態(pH、溶存酸素濃度、比抵抗、被覆の欠陥位置など)の様々な要素があるために計算が複雑となってしまい、防食電位推定に長時間を要した。したがって、信頼性に乏しい結果となってしまう場合がある。
本発明は、上記課題等を解決することに鑑みてなされたものであり、金属製の防食対象物に対しての電気防食方法について、例えば回転体などの動体や円筒管などの複雑な形状のものであっても金属製の防食対象物の実際の電位を推定に対する信頼性をより向上させることをその主な目的とする。
本発明は、金属製の対象物に防食電流を流すことで前記対象物を防食する電気防食方法であって、測定電極により周囲の状態を測定する状態測定工程と、この測定された状態から予め定められた値以上の防食電流密度が前記対象物に流れているかどうかを解析する解析工程と、前記解析に応じて前記防食電流密度を予め定められた適切な防食電流密度内へ近づけるように制御する制御工程とを含むことを特徴とする。
前記電気防食方法であって、前記測定電極として電位を測定する電極を用い、前記対象物が予め定められた電位よりも卑になっているかどうかを解析する解析工程と、前記解析に応じて前記対象物が予め定められた電位よりも卑になるように、適切な防食電流を制御する制御工程とを含むことを特徴とする。
前記電気防食方法であって、前記金属製の対象物として金属が被膜によって表面被覆されてなるものを用いると好適である。
前記電気防食方法であって、前記金属製の対象物として複数から成るの金属を用いると好適である。
前記電気防食方法であって、前記金属製の対象物として回転体を用いると好適である。
前記電気防食方法であって、前記金属製の対象物は様々な環境にわたっておかれると好適である。
前記電気防食方法であって、前記周囲の状態として電解質の比抵抗、pH、含水率、溶存酸素濃度、溶質濃度のうち少なくとも1つの状態を用いると好適である。
前記電気防食方法であって、前記周囲の状態として電解質の比抵抗、pH、含水率、溶存酸素濃度、溶質濃度のうち少なくとも1つの状態を用いると好適である。
前記電気防食方法であって、前記周囲の状態として複数の状態を用いると好適である。
前記電気防食方法であって、防食電流を流すアノードが複数あると好適である。
本発明者は、金属製の防食対象物に対して測定電極とアノードを設け、このアノードより前記金属製の防食対象物に防食電流を流して電気防食を行う際に、前記金属製の防食対象物の電気的状態(防食電位)を推定する方法について鋭意検討した。
その結果、金属製の対象物に防食電流を流すことで前記対象物を防食する電気防食方法であって、測定電極により周囲の状態を測定する状態測定工程と、この測定された状態から予め定められた値以上の防食電流密度が前記対象物に流れているかどうかを解析する解析工程と、前記解析に応じて前記防食電流密度を予め定められた適切な防食電流密度内へ近づけるように制御する制御工程とを含む電気防食方法であると好適であることを見出すに至った。
すなわち、電気防食場内の周囲の状態を測定電極によって測定し、前記金属製の対象物
に対応する電気的解析モデルに対して、この電気的解析モデルを対象とし、所定の電気的条件の下に適合する電気防食場の解析解を得、各境界条件下における周囲の状態を測定する測定電極の設置位置に対応したモデル部位の解析解を求め、この解析によって得られる測定電極の設置位置に対応したモデル部位の解析解が周囲の状態を測定する測定電極で得られた値を満足するように制御することにある。この方法では、電気防食を施している現場での実際の電位測定と数値計算等のシミュレーションを共に使用することにより、従来、推定が難しかった金属製の防食対象物の電気状態を確認するわけであるが、この場合に周囲の電位、電流密度などを用いて実際の金属製の防食対象物が防食条件を満たしているかどうかを推定する。
に対応する電気的解析モデルに対して、この電気的解析モデルを対象とし、所定の電気的条件の下に適合する電気防食場の解析解を得、各境界条件下における周囲の状態を測定する測定電極の設置位置に対応したモデル部位の解析解を求め、この解析によって得られる測定電極の設置位置に対応したモデル部位の解析解が周囲の状態を測定する測定電極で得られた値を満足するように制御することにある。この方法では、電気防食を施している現場での実際の電位測定と数値計算等のシミュレーションを共に使用することにより、従来、推定が難しかった金属製の防食対象物の電気状態を確認するわけであるが、この場合に周囲の電位、電流密度などを用いて実際の金属製の防食対象物が防食条件を満たしているかどうかを推定する。
測定は、通常、参照電極で得られた電位や金属片に流入する電流密度を計測することで行う。そして、金属製の防食対象物の電気防食状態をこの参照電極の電位やプローブに流入する電流密度を指標として電源電圧を制御する。解析側にあっては電気防食状態の測定電極を設置した位置を含む電気防食場の電気的解析モデルを用意する。
この電気的解析モデルに対してはその場の状態を解析できる解析手段を採用すればよい。一般には、電気防食場はその電位分布がラプラス場と見なせるため、電気的解析モデルにおいて設定される境界条件に基づいて、解析解を求める手段を用いる。このような手段はラプラス場を境界要素法あるいは有限要素法、差分法等を用いて解析するのが通常の方法である。この他、アノードと対象となる金属との間の抵抗を予め算出し、境界条件から解析解を得る方法を採用しても良い。この手法にあたっては、現場の物理状態を代表する電気解析モデルにおいて、その境界条件および初期条件を特定することで、一意解を得ることができる。境界条件は予め測定した分極曲線や電気化学的に妥当と思われる境界条件を採用すればよい。
周囲の環境はモデルと異なることが考えられる。例えば埋設構造物では欠陥の位置や大きさ、周囲の土壌の比抵抗、土壌のpHなど、海洋鋼構造物では海水の流れや溶存酸素濃度を挙げることができる。そのため、周囲の状態を測定する測定電極の配置された位置における電位や電流密度が異なることがある。しかしながら、これら想定したモデルとの差は詳細にはわからないことが多い。そのために周囲の状態を測定する測定電極を設置した位置における電位や電流密度が異なってしまう場合、電気防食状態を満たすかどうかは電位の最貴値、または、電流密度の下限値を満たすように外部電源の電圧や電流を変化させることで金属製の防食対象物の電気防食を満足にすることができる。
周囲の状態を測定する測定電極のうち、参照電極と金属片を用いて測定する電流密度は金属製の防食対象物の防食状態を測定する手段と同じであるが、参照電極と金属片を金属製の防食対象物の近傍に設置した場合には金属製の防食対象物の電気防食状態を測定する手段となる。
金属製の対象物として金属が被膜によって表面被覆されてなるものを用いる場合には、表面被覆の欠陥の割合c(0<c<1)から例えば分極曲線がΦ=a×q+bで表される場合、Φ=a×q×c+bとなるので本発明の電気防食方法を用いることが好適である。
金属製の対象物として測定電極と異なる種類の金属を用いる場合、参照電極を設置したとしても異なる金属の影響を受けるために参照電極を複数個設置する必要があり、電気防食状態を的確に把握することが必要とされるために本発明の電気防食方法を用いることが好適である。
金属製の対象物として回転体を用いる場合、参照電極を設置しても金属製の対象物における固定された部分と回転する部分との両方の影響を受けるために金属製の対象物の電気防食状態を把握することが困難であり、回転体に流入する電流密度を測定するためには金属片も回転体と同じように回転させることで電気防食状態を的確に推定することが必要とされ、本発明の電気防食方法を用いることが好適である。
金属製の対象物が異なる環境にまたがっておかれる場合、参照電極を設置しても異なる環境に設置した金属製の対象物の部分の影響を受けるために、各々の環境の近傍に参照電極を設置する必要があり、電気防食状態を的確に推定することが必要とされる。
なお、本発明の電気防食方法の解析では、境界条件は金属の電位と電流密度の流出入の関係を表した分極曲線を用いることができる。この分極曲線は非線形性を持つのである電位幅で区切り、その間を直線近似したり、多項式近似をしたり、対数近似をして境界条件として用いればよい。例えば直線近似した場合の境界条件は電位Φを電流密度q、その傾きαおよび切片βにより、Φ=α×q+βで表すことができる。ここで任意の電位で区切り、その間を直線近似する場合、βは必ずしも自然電位である必要はない。
本発明の電気防食方法では、周囲の状態として電解質の比抵抗、pH、含水率、溶存酸素濃度、溶質濃度のうち少なくとも1つの状態を測定する測定電極を用いると好適である。このような測定を行うことでモデルや境界条件を修正し、更に高精度で防食対象となる金属製の防食対象物の電位推定が可能となる。
周囲の状態を測定する測定電極が、参照電極や金属片である場合、それらが複数有ると防食対象となる金属全体に不足ない防食が行いやすくなるので好適である。しかし別の問題として、外部電源の制御を行う際にどれを指標とするかが問題となる。そのため、実際の防食では参照電極や金属片を測定電極として用いた場合、解析解で得られた結果と比較して電位であれば最も貴側に差が大きいもの、電流密度であれば小さい側に差が大きいものを選定し、その値が解析解を満たすように外部電源電圧もしくは電流の関係から電圧を調整することで全体の防食を行う。ただし、これに限られることなく、各測定点毎に測定頻度、測定の容易さ、環境変化の感受性が異なることもあるため、任意の測定点を選定してもよい。
本発明の電気防食方法では、防食電流は金属製の対象物の複数箇所に流される電気防食方法に用いることができる。すなわち、金属を防食するための防食電流を流すアノードは複数用いてもよい。アノードから流れる電流は金属製の防食対象物の近い部分に多く流れて金属は大きく卑化し、遠くの部分では電流密度が小さく電位の卑化は小さい。そのため、一個のアノードから電気を流すよりも複数から電流を流す方法が電流量を抑制することができ好適である。個々のアノードから流れ出る電流は一個ごとに個別に制御した方がよいものの金属製の対象物の周囲の状態、形状などから一個の外部電源を用いて複数のアノードから電流を流してもよい。
電源が複数である場合には、例えば炭素鋼で作られた海洋鋼構造物の一部にもチタンを用いた場合などは特に有効である。海水中で炭素鋼は電気防食が必要なもののチタンは必要以上に卑化すると、水の電気分解によって水素が発生する。炭素鋼ではこの程度の水素では劣化しにくいもののチタンは水素との親和力が強いためチタン水素化物を造り脆化してしまう。この様な場合、チタンと接する炭素鋼部分には必要最小限の電位変化となるように複数のアノードを配置し、チタンから遠く離れた部分のアノードは数を少なくし大きな電流を流すように制御すると好適である。また。高強度鋼のように防食電位の上限・下限が有る場合には複数のアノードから電流を流すことで金属製の防食対象物全体を最適な電位に調整することができる。
以下、本実施形態に係る電気防食方法について説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではない。
本実施形態に係る電気防食方法に当たっては解析工程においてコンピュータが使用される。このコンピュータには演算装置と記憶装置が備えられている。記憶装置には、境界条件として採用される分極曲線や数値解析モデルなどを記憶するが、それとともに解析結果を記憶する。以下、個々に説明する。
数値解析モデルは解析対象の電気防食場に対応して場内に存在するものの物理的形状条件を満足し、かつ、モデル内にある各要素間の物理量(電位)がラプラス方程式を満たすように接続して構築される。
数値解析手段としては、いわゆる、ソルバーがこれにあたる。解析手法として有限要素法を採用する場合には、市販のソルバーであるABAQUS(Hibitt,Karlsson & Sorensen,Inc.製)、EPPS(Electroplating Pilot System 上村工業株式会社製)等の公知のソルバーを採用することができるが特にこれに限られることはない。
ソルバーに関する要件として、少なくともアノード、被防食金属における境界条件としてこれらのものの分極特性(金属の電位と電流密度との関係を示す特性)を取り扱う必要がある。分極曲線は非常に強い非線形性を持つため、境界条件を取り扱うことができる数値解析手段を用いることが好適である(例えば前記ABAQUS、EPPSをソルバーとして挙げることができる)。さらに非常に強い非線形性な特性の熱伝達係数を有する熱伝導に関しては解析可能な数値解析手段(数値解析ソフトであり、MARC等)を使用してもよい。このような熱伝導に関して解析可能な数値解析手段を使用する場合には、先に先行技術の項で挙げた例に示されるように、電位と電流密度との関係である分極特性を、数値解析手段内で熱伝達係数が満たすべき境界条件に書き換えて適用することにより使用することができる。
以下、有限要素法を適用する場合に具体例を挙げて説明する。有限要素法を電気防食場に適応する場合の基本的な構成について説明する。
電気防食場の電位Φは下記数式(1)に示されるようにラプラス方程式に支配される。
▽2Φ=0 ・・・・(1)
電気防食場が境界Γ1、Γ2、ΓaおよびΓcに囲まれているとする。ここでΓ1は電位Φの値がΦ0に指定された境界(電位一定の境界)、Γ2は電流密度qの値がq0に指定された境界(電流密度一定の境界)、ΓaおよびΓcは、それぞれアノードおよび被防食金属の表面となる。
電気防食場が境界Γ1、Γ2、ΓaおよびΓcに囲まれているとする。ここでΓ1は電位Φの値がΦ0に指定された境界(電位一定の境界)、Γ2は電流密度qの値がq0に指定された境界(電流密度一定の境界)、ΓaおよびΓcは、それぞれアノードおよび被防食金属の表面となる。
各境界における境界条件は次式(2)〜(5)で与えられる。
Γ1上:Φ=Φ0 ・・・・(2)
Γ2上:q{≡−κδ/δn}Φ ・・・・(3)
Γa上:q=fa(Φ) ・・・・(4)
Γc上:q=fc(Φ) ・・・・(5)
ここでκは電気防食場の電気伝導度、δ/δnは外向き法線方向の微分であり、fa(Φ)およびfc(Φ)はアノードおよび被防食金属の分極特性を表す非線形性の関数であり、実験によって求めることができる。
Γ2上:q{≡−κδ/δn}Φ ・・・・(3)
Γa上:q=fa(Φ) ・・・・(4)
Γc上:q=fc(Φ) ・・・・(5)
ここでκは電気防食場の電気伝導度、δ/δnは外向き法線方向の微分であり、fa(Φ)およびfc(Φ)はアノードおよび被防食金属の分極特性を表す非線形性の関数であり、実験によって求めることができる。
上記数式(1)を境界条件数式(2)〜(5)の条件下で解くと、表面近傍の電位および電流密度を求めることができる。解法としては、有限要素法を用いればよいがこれに限られることなく、境界要素法、差分法等を用いてもよい。金属製の防食対象物に流れる電流はアノードと金属製の防食対象物の間の抵抗を予め計算して求めておけば簡単な計算によって求めることができる。
以上が一般的な意味での電気防食場を解く場合の構成であり、このようにしてアノード及び被防食金属を加味した数機解析モデルを構築し、アノード及び被防食金属における電気化学的条件をそれぞれ対応するモデル部位における境界条件として適切に与えることにより、境界条件を満たす定常解を得ることができる。
しかしながら本実施形態に係る電気防食方法のようにアノードにおける分極特性を正確に取り扱おうとする場合には、更に手順を要する。アノードとして使用する電極は白金めっきチタン、酸化鉄(Fe3O4)、珪素鋳鉄、黒鉛、炭素鋼などが使用される。これらの金属における境界条件の設定を予め求められているアノードの分極特性に対して、外部電源装置の出力電圧分だけ卑側にシフトさせる。
金属製の防食対象物に用いられる金属は、特に限られるものではなく、炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などを適宜選択して採用することができる。
このようにして本実施形態に係る電気防食方法における解析法を実施することができる。この解析法によって得られた結果から外部電源電圧や電流を制御して目的とする金属製の防食対象物の防食状態を満足させるようにする。このとき数値解析モデルと実際の金属製の防食対象物のおかれた環境や境界条件が異なることがある。そのため防食対象となる金属製の防食対象物の周囲に周囲の状態を測定する測定電極を設置し、その結果から外部電源電圧や電流を修正して適切な電気防食方法を施すことができる。これによって金属製の防食対象物に対しての電気防食方法について、例えば回転体などの動体や円筒管などの複雑な形状のものであっても防食対象物の電位の推定に対する信頼性をより向上させ、適切な防食を行うことが可能となる。
以下、本発明をさらに詳しく説明するために一実施例を示す。本実施例では解析法として境界要素法を用いている。
「実施例1」
本実施例に係る電気防食場Aの一形態を説明する。図1は炭素鋼のパイプライン(金属製の防食対象物)の敷設状況(・600A×5.6km ・埋設深さ:1.5m)を示したものであり、被膜で被覆された炭素鋼からなる鋼管で構成されている。被膜には計測点1〜7に模擬的に欠陥を設けた。防食電流を流すアノードは白金めっきチタンを用い、このアノードから防食電流が炭素鋼に流入する。参照電極の設置位置やパイプの配置を図2に示す。
本実施例に係る電気防食場Aの一形態を説明する。図1は炭素鋼のパイプライン(金属製の防食対象物)の敷設状況(・600A×5.6km ・埋設深さ:1.5m)を示したものであり、被膜で被覆された炭素鋼からなる鋼管で構成されている。被膜には計測点1〜7に模擬的に欠陥を設けた。防食電流を流すアノードは白金めっきチタンを用い、このアノードから防食電流が炭素鋼に流入する。参照電極の設置位置やパイプの配置を図2に示す。
境界条件として採用した炭素鋼の分極曲線について図3に示す。図3は防食電流の流入側の電流密度を+として示している。分極曲線は非線形性が強い場合が多く、直線近似する場合には、近似しやすい電位で区切る場合がある。例えば炭素鋼の分極曲線を図3を直線近似する場合には、自然電位−0.55V(vs.SCE)近傍では切片βは自然電位を用いるものの、−0.6〜−1.1V(vs.SCE)までは傾きは小さくなり切片βは自然電位よりも貴の値となる。このため切片βは必ずしも自然電位である必要はない。図示はしないが、アノード側の境界条件としては白金めっきチタンの分極曲線を用いた。
解析結果を図4、図5に示す。図4は被覆部分も含めた鋼管の電位、図5は地表面部分の電位である。金属を防食するために必要なのは、被覆の欠陥部分(欠陥1〜7)における金属の電気防食状態(この場合は電位)であるものの、その部分の金属は土中にあり金属の電位を測定することは困難である。そこで容易に電位を測定することができる地表面電位を指標とすることになる。地表面電位の計算結果の図5から、測定点で電位が計算結果よりも卑側になっていれば金属は電気防食状態を満たすことになる。
本実施例では、地表面の電位を用いる場合について説明したが、電気防食場の任意の位置で電位や電流密度、電流の流れる方向を計算できるため、周囲の状態を測定できる測定電極を測定値と計算結果とを比較し、その値が計算結果と異なった場合には外部電源電圧や電流を調整して被防食金属が電気防食条件を満たすように(電位の最貴値、最小電流密度)調整すればよい。
実際の条件では、周囲の溶液の比抵抗のモデルと異なったり、周囲の溶存酸素が異なるために誤差が生じる。しかし、その誤差を分極曲線をパラメータとして再計算し、分極曲線を求めて電位を計算することは非常に難しい。特に参照電極が複数有る場合には各々の点で計算結果が合うようにすることは計算に非常に時間がかかった。
そこで金属製の防食対象物が防食条件を満足するように参照電極設置位置の電位の計算結果よりも実際の参照電極で測定した電位が卑になっていれば、被防食金属全体が防食されたものとみなすことができる
なお、埋設構造物では欠陥の位置や大きさ、周囲の土壌の比抵抗、pH、溶存酸素濃度などは現地で測定した結果から、計算を行う前に境界条件を変更したり、モデルに反映させて計算することで新たに地表面電位の計算を行い、測定値と比較することで更に精度の高い計算結果が得られる。一例として本実施例に係る解析対象となるパイプライン周囲の土壌の比抵抗をρを示す。
なお、埋設構造物では欠陥の位置や大きさ、周囲の土壌の比抵抗、pH、溶存酸素濃度などは現地で測定した結果から、計算を行う前に境界条件を変更したり、モデルに反映させて計算することで新たに地表面電位の計算を行い、測定値と比較することで更に精度の高い計算結果が得られる。一例として本実施例に係る解析対象となるパイプライン周囲の土壌の比抵抗をρを示す。
今回は土壌を対象とした例を挙げたものの、本実施例の手法はこれに限られることなく、淡水や海水中の金属や化学プラントに用いられる金属、コンクリート中の鉄筋など電気を通す溶媒中にある金属に広く適用できる手法である。
「実施例2」
本実施例2に係る電気防食場Bの一実施形態を図6に基づいて説明する。図6は、バージ(艀)を模式的に示したものであり、炭素鋼、銅およびアノードからなる。アノードは白金めっきチタンを用いた。このアノードから防食電流が炭素鋼および銅に流入する。
本実施例2に係る電気防食場Bの一実施形態を図6に基づいて説明する。図6は、バージ(艀)を模式的に示したものであり、炭素鋼、銅およびアノードからなる。アノードは白金めっきチタンを用いた。このアノードから防食電流が炭素鋼および銅に流入する。
図7はバージの周囲の電気防食場Bを示したものである。電流はバージの周囲の海水を通して流れるため、バージの表面および周囲の電気防食場を解析する必要がある。
さて、本実施例2に係るバージおいては電気防食を施し、バージが塗装体である場合、金属の電位はΦ=α×q×C+βで表される。本実施例2では、金属は二種類であり、炭素鋼の電位はΦ=α×q×C1+β1,銅の電位はΦ=α2×q×C+β2と表すことができる。炭素鋼部分は被膜で塗装されており、塗装の欠陥率は10%であるとするとC1=0.1、銅は未被覆であるためC2=1となる。海水の伝導率を4.0S/m、外部電源電圧を変えて計算した。このとき使用した炭素鋼および銅の分極曲線を図8に示す。図8は流入側の電流密度を+として示している。図示しないもの、アノードの境界条件として白金めっきチタンの分極曲線を用いた。
解析の結果を図9に示す。バージの場合にも実際に測定したい位置に参照電極が取り付けられず、離れた位置に参照電極を設置しなければならないことがある。そこで参照電極2(本来測定したい位置よりも僅かに離れた位置に設置した参照電極の電位)と参照電極1の電位を測定した。
図10に計算で求めた参照電極1の電位(●)と参照電極2(△)、参照電極1の測定値(□)を示す。計算結果では外部電源の電圧が1.2Vで参照電極1の電位が防食電位に到達する結果となっている。しかし実際に計測した電位は防食電位には至らなかった。
次に電位解析の結果から、参照電極1が防食電位(−0.77V vs.SCE)になる時、照合電極2は−0.84V(vs.SCE)である。このことから目的とする部位から離れた参照電極2を−0.84V(vs.SCE)となるように電源電圧を制御すれば、目的とする参照電極1の設置位置が防食電位を満たすことになる。よってモデルと実際の環境に差があり、計算結果から得られた電源電圧制御だけでは目的とする部位が防食電位に達しない恐れがある場合でも、離れた地点の参照電極の値を指標として電源電圧や電流を制御して目的とする位置の金属を防食できることがわかる。逆に計算よりも実際に測定した金属の電位が卑になる場合には電源電圧を引き下げることで消費電力を小さくすることができる。
本実施例2では異なる2種類の金属からなるバージを対象とした例を挙げたもののこれに限られることなく幅広くできる手法である。また、境界条件を変えることで一部が回転体からなる金属、同一金属でも異なる環境にまたがって接する場合、異なる金属からなる場合でも防食対象物の金属表面電位や周囲の状況を計算できるため、適用が可能である。
なお、防食対象物の被膜の欠陥率や周囲の溶液の溶存酸素濃度、温度、流速、溶質濃度(塩化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオンなど)、腐食制御剤の種類・濃度、水膜の厚さ、pHなどは現地で測定した結果から計算を行う前に境界条件を変更したりモデルに反映させて計算することで新たに電位の計算を行い、測定値と比較することで更に精度の高い計算結果が得られる。
Claims (9)
- 金属製の対象物に防食電流を流すことで前記対象物を防食する電気防食方法であって、測定電極により周囲の状態を測定する状態測定工程と、防食電流密度を解析する解析工程と、前記解析に応じて前記防食電流密度を予め定められた適切な防食電流密度内へ近づけるように制御する制御工程とを含むことを特徴とする電気防食方法。
- 電気防食方法であって、前記測定電極として電位を測定する電極を用い、前記対象物の電位を解析する解析工程と、前記解析に応じて前記対象物が予め定められた電位よりも卑になるように、適切な防食電流を制御する制御工程とを含むことを特徴とする電気防食方法。
- 請求項1または2に記載の電気防食方法であって、前記金属製の対象物として金属が被膜によって表面被覆されてなるものを用いることを特徴とする電気防食方法。
- 請求項1または3に記載の電気防食方法であって、複数の金属で構成されていることを特徴とする電気防食方法。
- 請求項1から4のいずれか1つに記載の電気防食方法であって、前記金属製の対象物として回転体を用いることを特徴とする電気防食方法。
- 請求項1から4のいずれか1つに記載の電気防食方法であって、前記金属製の対象物は様々な環境にまたがっておかれることを特徴とする電気防食方法。
- 請求項1から5のいずれか1つに記載の電気防食方法であって、前記周囲の状態として電解質の比抵抗、pH、含水率、溶存酸素濃度、溶質濃度のうち少なくとも1つの状態を用いることを特徴とする電気防食方法。
- 請求項1から6のいずれか1つに記載の電気防食方法であって、前記周囲の状態として複数の(箇所の)状態を用いることを特徴とする電気防食方法。
- 請求項1から7のいずれか1つに記載の電気防食方法であって、防食電流を流すアノードが複数あることを特徴とする電気防食方法。
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